【実施例1】
【0033】
本発明に係る樹脂封止装置の実施例1について、
図1〜
図4を参照して説明する。本出願書類におけるいずれの図についても、わかりやすくするために、適宜省略し又は誇張して模式的に描かれている。同一の構成要素については、同一の符号を付して説明を適宜省略する。
【0034】
図1において、樹脂封止装置1は、受入及び払出モジュール2と成形モジュール3A、3B、3Cとから構成されている。受入及び払出モジュール2には、リードフレーム供給ユニット4と、リードフレーム整列ユニット5と、樹脂タブレット供給ユニット6と、材料搬出ユニット7と、リードフレーム収容ユニット8と、コントローラ9とが設けられている。成形モジュール3A、3B、3Cには、それぞれプレスユニット10が配置されている。各プレスユニット10には、昇降可能な下型11と、下型11の上方に相対向して配置され固定された上型(
図2の上型18参照)とが、設けられている。受入及び払出モジュール2と各プレスユニット10との間を移動することができるようにして、ローダー12とアンローダー13とが設けられている。少なくとも上型18と下型11とは成形型群を構成する(
図2参照)。
【0035】
下型11には複数のポット14が設けられている。ローダー12は、例えば、材料搬出ユニット7とプレスユニット10との間を往復して移動することができるようにして設けられている。上型18と下型11とには、それぞれヒータ等の加熱手段(
図2のヒータ20参照)が埋め込まれている。上型18と下型11とは、加熱手段によって通常は180℃程度に加熱されている。ローダー12とアンローダー13と成形型群とを含む各ユニットにおける動作は、すべてコントローラ9によって自動的に制御される。
【0036】
封止前リードフレーム15は、リードフレーム本体とそのリードフレームに装着されたチップとを有する。チップの端子とリードフレームの端子とは、ワイヤによって電気的に接続される(
図2参照)。
【0037】
以下、樹脂封止装置1の動作を説明する。まず、リードフレーム供給ユニット4は、樹脂封止装置1の外部から受け取った封止前リードフレーム15をリードフレーム整列ユニット5に送り出す。リードフレーム整列ユニット5は、受け取った封止前リードフレーム15を所定の方向へ整列させて、それらを材料搬出ユニット7に送り出す。並行して、樹脂タブレット供給ユニット6は、樹脂封止装置1の外部から受け取った樹脂材料である樹脂タブレット16のうち必要な個数(
図1では4個)を材料搬出ユニット7に送り出す。
【0038】
次に、材料搬出ユニット7において、リードフレーム整列ユニット5において整列させた封止前リードフレーム15(
図1では2枚)と、4個の樹脂タブレット16とを、ローダー12に引き渡す。
【0039】
次に、ローダー12が、それぞれ材料搬出ユニット7から受け取った2枚の封止前リードフレーム15と4個の樹脂タブレット16とを、プレスユニット10へ同時に搬送する。ローダー12は、封止前リードフレーム15を下型11の所定位置に、樹脂タブレット16を下型11に設けられたポット14の内部に、それぞれ供給する。
【0040】
図2は
図1に示された樹脂封止装置1のプレスユニット10を示す部分断面図である。上部固定盤17の下面には上型18が、可動盤19の上面には下型11が固定されている。上型18と下型11とには加熱手段としてヒータ20が内蔵されている。上型18と下型11とはヒータ20よって通常は180℃程度に加熱されている。下型11の所定領域には封止前リードフレーム15が装着されている。封止前リードフレーム15は、リードフレーム本体とそのリードフレームに装着されたチップ21とを有し、チップ21の端子とリードフレームの端子とは、ワイヤ22によって電気的に接続される。
【0041】
以下、樹脂封止装置1の型締め動作について説明する。型締め機構23を用いて可動盤19の上面に固定された下型11を上動させて、上型18と下型11とを型締めする。各ポット14内に供給された樹脂タブレット16を加熱しながらプランジャ24によって押圧する。各ポット14内において、樹脂タブレット16を加熱して溶融させて流動性樹脂を生成し、引き続きプランジャ24によって流動性樹脂を押圧する。これにより、樹脂通路25を通して流動性樹脂をキャビティ26の内部に注入する。引き続き、硬化に必要な所要時間だけ流動性樹脂を加熱することによって、流動性樹脂を硬化させて硬化樹脂を形成する。このことにより、キャビティ26内のチップ21とその周辺のリードフレームとは、キャビティ26の形状に対応して成形された硬化樹脂(封止樹脂)内に封止される。
【0042】
次に、硬化に必要な所要時間の経過後において、上型18と下型11とを型開きして、封止済リードフレーム(図示なし)を離型する。
【0043】
次に、
図1に示されたアンローダー13を使用して、プレスユニット10において樹脂封止された封止済リードフレームを、リードフレーム収容ユニット8に収容する。
【0044】
図3は、本実施例において樹脂タブレットを収容する収容部を示す部分断面図である。
図3を参照して、ローダー12に封止前リードフレーム15と樹脂タブレット16とを収容して、搬送する場合について説明する。ローダー12は、封止前リードフレーム15を搬送している間にプリヒートするために、ヒータ27を内蔵するクランパ28を備えている。ローダー12において、個々の樹脂タブレット16をそれぞれ収容する収容部29と、収容部29の下方において開閉可能にして設けられたシャッター30とが設けられている。収容部29が有する壁31の内部に連通路32が形成されている。
【0045】
冷却用の媒体供給部33から連通路32に冷却用の媒体(気体又は液体)を供給して流動させることによって、収容部29を介して樹脂タブレット16を冷却する。冷却用の媒体として気体(例えば、エアー)を用いた場合には、エアー供給口34からエアーが供給され、エアー排出口(
図4のエアー排出口35参照)からエアーが排出される。必要に応じて、エアー排出口35を経由して連通路31を吸引してもよい。
【0046】
図4(a)、(b)は、
図3に示された収容部29をそれぞれ示す側面断面図及び平面断面図である。
図4(a)、(b)は、ローダー12において、複数個(
図4では8個)の樹脂タブレット16を収容して搬送する例を示す。収容部29が有する壁31の内部には、複数の樹脂タブレット16を取り囲むようにして連通路32を形成する。この連通路32に冷却用の媒体(気体又は液体)を供給して流動させることによって、すべての樹脂タブレット16を効果的に冷却する。冷却用の媒体として気体(例えば、エアー)を用いた場合には、エアー供給口34から供給されたエアーは複数の樹脂タブレット16の周囲を取り囲むようにして形成された連通路32を通って、2か所のエアー排出口35から収容部29の外へ排出される。
【0047】
連通路32に供給するエアーについては、樹脂封止装置全体の構成、設けられる成形モジュールの数、収容する樹脂タブレットの数などに応じて、流量、速度などを最適化することが好ましい。このことにより、樹脂タブレットの温度を管理して安定に維持することができる。
図4(a)、(b)ではエアー供給口34が1か所、エアー排出口35が2か所の場合を示した。これに限らす、収容する樹脂タブレット16の数によっては、エアー供給口とエアー排出口との数を増やして、樹脂タブレット16を効果的に冷却することも可能である。
【0048】
以下、
図1〜4を参照して、ローダー12による封止前リードフレーム15と樹脂タブレット16との搬送工程を説明する。ローダー12による搬送工程においては、処理工数を少なくして樹脂封止装置の処理能力を上げるために、封止前リードフレーム15と樹脂タブレット16とを同時に搬送することが一般的に行われている。ローダー12は、封止前リードフレーム15と樹脂タブレット16とを保持して下型11の上方における所定位置まで搬送する。ローダー12は所定位置まで移動した後に、シャッター29を開くことによって、冷却された状態にある樹脂タブレット16をポット14内へ供給する。
【0049】
ところで、樹脂タブレット16は高温になると劣化や変質しやすいので、通常は20℃〜30℃に保管、維持されていることが望ましい。一方、封止前リードフレーム15は、成形時にリードフレームと硬化樹脂との密着性をよくするために、ヒータ27を内蔵するクランパ28によって通常は100℃〜120℃にプリヒートされている。そのために、従来の技術によれば、樹脂タブレット16がローダー12によって搬送されている間に、クランパ28と180℃程度に加熱された上型18及び下型11とからの輻射熱を受けて昇温するという大きな問題点があった。
【0050】
本実施例では、個々の樹脂タブレット16をそれぞれ収容する収容部29が有する壁31の内部に形成した連通路32に、冷却用の媒体を供給して流動させることによって、各樹脂タブレット16を冷却する。このことにより、ヒータ27を内蔵するクランパ28と180℃程度に加熱された上型18及び下型11とが輻射する輻射熱による樹脂タブレット16に対する影響を防ぐことができる。したがって、本実施例によれば、樹脂タブレット16を安定して冷却し、温度を一定に維持して管理することを可能にして、樹脂タブレット16の劣化や変質を防ぐことができる。
【実施例2】
【0051】
図5は、本発明に係る樹脂封止装置の実施例2において樹脂タブレットを収容する収容部を示す部分断面図である。
図5を参照して、ローダー12に樹脂タブレット16を収容して、搬送する場合について説明する。ローダー12において、樹脂タブレット16を収容する収容部36と、収容部36を囲むようなカバー37とを設ける。カバー37は、通常、鉄、ステンレス、アルミニウムなどで形成される。カバー37が有する壁38の内部に連通路39を形成する。冷却用の媒体供給部40から連通路39に、冷却用の媒体を供給して流動させることによって、各樹脂タブレット16を冷却する。
【0052】
ローダー12は封止前リードフレーム15と樹脂タブレット16とを保持し、下型11の所定位置まで搬送する(
図1参照)。従来の技術によれば、樹脂タブレット16がローダー12によって搬送されている間に、ヒータ27を内蔵するクランパ28と180℃程度に加熱された上型18及び下型11(
図2参照)とからの輻射熱を受けて昇温するという大きな問題点があった。
【0053】
本実施例によれば、カバー37が有する壁38の内部に連通路39を形成し、この連通路39に、冷却用の媒体を供給して流動させることによって、収容部36を介して各樹脂タブレット16を冷却する。このことにより、ヒータ27を内蔵するクランパ28と180℃程度に加熱された上型18及び下型11とが輻射する輻射熱による樹脂タブレット16に対する影響を防ぐことができる。したがって、本実施例によれば、樹脂タブレット16を安定して冷却し、温度を一定に維持することを可能にして、樹脂タブレット16の劣化や変質を防ぐことができる。
【0054】
なお、本実施例における冷却用の媒体としては、実施例1と同様の気体や液体を使用することができる。冷却用の媒体としてエアーを用いた場合は、エアー供給口40からエアーが供給され、エアー排出口(図示なし)から排出される。
【0055】
また、カバー37を、耐熱ガラスエポキシ積層板、スーパーエンジニアリングプラスチック、セラミックスなどのように高い断熱性を有する材料(断熱性材料)によって構成してもよい。このことにより、さらに断熱効果を高めることが可能となる。この場合には、要求される断熱性能によっては、
図5に示された連通路39を設けなくてもよい。
【0056】
本実施例に係る発明は、ローダー12において、樹脂タブレット16を収容している収容部36を囲むようなカバー37を装備したことを特徴とする。このカバー37が、ローダー12に収容されている樹脂タブレット16を断熱する効果を有するものである。カバー37は、通常、鉄、ステンレス、アルミニウムなどで形成される。これに限らず、耐熱ガラスエポキシ積層板、スーパーエンジニアリングプラスチック、セラミックスなどの断熱効果の高い材料で形成すれば、さらに断熱効果を高めることが可能になる。カバー37を装備することによって、ヒータ27を内蔵するクランパ28と180℃程度に加熱された上型18及び下型11とからの輻射熱による樹脂タブレット16に対する影響を防ぐことができる。
【0057】
なお、ここまで説明した各実施例においては、冷却用の媒体として気体又は液体のいずれでもよく、冷却効果を有する気体又は液体であれば使用することができる。冷却用の媒体としてフロン系等のガスを用いれば、高い冷却効果を得ることができる。一方、コストや作業性の観点からは、空気や水のように安くて扱いやすい媒体を使用することが望ましい。
【0058】
また、各実施例において冷却用の媒体として液体を使用する場合には、
図1に示された成形モジュール3A、3B、3Cの外側に(例えば、受入及び払出モジュール2に)冷却器を設けることが好ましい。冷却器によって冷却した液体を収容部29の連通路32(
図3参照)又はカバー37の連通路39(
図5参照)に供給し、収容部29又はカバー37の排出口から配管を経由して液体を冷却器に還流させる。このことによって、冷却用の媒体として一定量の液体を循環させて使用することができる。
【0059】
また、各実施例において、ローダー12で樹脂タブレット16を搬送する例を示した。これに限らず、樹脂タブレット16を整列して一時的に保管し(仮置きし)、搬出する部分(例えば、材料搬出ユニット7)に設けられた収容部においても、本発明を採用することによって同様の冷却効果が得られる。加えて、樹脂封止装置1に対して外部から供給された樹脂材料を一時的に保管する(仮置きする)部分(例えば、樹脂タブレット供給ユニット6)に設けられた収容部においても、本発明を採用することができる。本発明は、樹脂材料を保管又は搬送する際に収容部を用いる樹脂封止装置のすべてについて、同様の効果を奏するものである。加えて、樹脂封止装置1の外部から樹脂タブレット16(樹脂材料)を直接ローダー12(搬送機構)に供給する場合も本発明に含まれる。
【0060】
また、各実施例における個々の樹脂タブレット16を収容する収容部29、36の部材は、通常、鉄、ステンレス、アルミニウムなどによって構成される。この部材を、耐熱ガラスエポキシ積層板、スーパーエンジニアリングプラスチック、セラミックスなどのように高い断熱性を有する材料(断熱性材料)によって構成する場合には、さらに断熱効果を高めることができる。この場合には、要求される断熱性能によっては、
図3に示された連通路32、又は
図5に示された連通路39を設けなくてもよい。
【0061】
また、各実施例における収容部29、36は、複数の樹脂タブレット16をまとめて収容するように構成されていてもよい。
【0062】
また、
図3及び
図5にそれぞれ示された連通路32、39の構造としては、連通路の内径、排気能力などに応じて様々な構造が考えられる。どのような構造においても、樹脂タブレット16の昇温を防ぐという本発明の効果が得られる。
【0063】
また、
図3及び
図5にそれぞれ示された連通路32、39に冷却用の媒体を供給して流動させることとした。変形例として、吸引口から連通路32、39の内部を吸引することによって連通路32、39を真空状態にした後に、吸引口を塞いでもよい。この変形例によれば、真空状態になった連通路32、39が断熱効果を奏する。したがって、真空状態になった連通路32、39をそれぞれ有する収容部29、カバー37が断熱性材料として機能する。
【0064】
また、各実施例において、樹脂材料として樹脂タブレットを用いた場合を示した。これに限らず、樹脂材料としてはシート状、粒状、顆粒状、又は、粉状の樹脂材料、言い換えれば固体状の樹脂材料を使用することができる。また、常温で液状である樹脂材料(液状樹脂)を使用することもできる。樹脂材料として粉状等の樹脂材料又は液状樹脂を使用する場合には、収容部として盆状(トレイ状)の容器を使用することができる。粉状等の樹脂材料が収容された容器(トレイ等)を収容する収容部、又は、液状樹脂が充填された容器(シリンジ等)を収容する収容部を、本発明の対象にすることができる。樹脂材料として液状樹脂を使用する場合には、樹脂材料である液状樹脂そのものが、樹脂材料から生成された流動性樹脂に相当する。
【0065】
また、各実施例において、ローダー12を使用して封止前リードフレーム15と樹脂タブレット16とを同時に下型11まで搬送する場合を示した。これに限らず、別々の搬送手段を使用して、封止前リードフレーム15と樹脂タブレット16とを別々に下型11まで搬送する場合であっても、本発明が樹脂タブレット16の昇温を防ぎ、温度を一定に保つ効果を奏する。
【0066】
以下、
図6(a)〜(d)を参照して、各実施例における受入及び払出モジュールと成形モジュールとの構成について説明する。
図6(a)〜(d)は、各実施例における受入及び払出モジュールと成形モジュールとの構成を示す概略図である。
【0067】
第1の構成として、
図6(a)に示すように、受入及び払出モジュール2と成形モジュール3Aとが互いに着脱でき、かつ、成形モジュール3A、3B、3Cのうち隣り合う成形モジュール同士が互いに着脱できる構成を採用してもよい。
【0068】
第2の構成として、
図6(b)に示すように、受入及び払出モジュール2と成形モジュール3Aとが一体になった親機と成形モジュール3Bとが互いに着脱でき、かつ、成形モジュール3B、3Cが互いに着脱できる構成を採用してもよい。
【0069】
第3の構成として、
図6(c)に示す構成を採用してもよい。それは、
図1に示された受入及び払出モジュール2が受入モジュール2Aと払出モジュール2Bとに分離されたことを前提にする。その構成は、例えば、受入モジュール2Aと成形モジュール3Aとが互いに着脱でき、成形モジュール3A、3B、3Cのうち隣り合う成形モジュール同士が互いに着脱でき、かつ、成形モジュール3Cと払出モジュール2Bとが互いに着脱できる構成である。受入モジュール2Aと払出モジュール2Bとが分離された構成において、特に粉状等の樹脂材料を使用する場合には、樹脂材料に起因する粉塵対策として、樹脂材料を受け入れるモジュールと封止前リードフレームを受け入れるモジュールとを分離したうえで離して配置することができる。
【0070】
第4の構成として、
図6(d)に示す構成を採用してもよい。それは、
図1に示された受入及び払出モジュール2が受入モジュール2Aと払出モジュール2Bとに分離されたことを前提にする。その構成は、受入モジュール2Aと成形モジュール3Aとが一体になったモジュールと成形モジュール3Bとが互いに着脱でき、成形モジュール3B、3Cが互いに着脱でき、かつ、成形モジュール3Cと払出モジュール2Bとが互いに着脱できる構成である。
【0071】
第1〜第4の構成を採用することによって、少なくとも成形モジュール3B、3C(少なくとも1個であればよい)は、必要に応じて樹脂封止装置1に取り付けられ、又は、必要に応じて樹脂封止装置1から取り外される。したがって、樹脂封止装置1を使用する電子デバイス(IC等の完成品)のメーカーは、市場の動向や需要の増減等に応じて電子デバイスの生産能力を容易に調整することができる。また、電子デバイスのメーカーは、電子デバイスの需要が減少した地域に立地する工場にある樹脂封止装置から成形モジュールを適宜取り外して、電子デバイスの需要が増加した地域に立地する工場にある樹脂封止装置にその成形モジュールを取り付ける(増設する)ことができる。
【0072】
本発明によれば、樹脂封止装置1において、樹脂材料である樹脂タブレット16を搬送するローダー12又は保管する材料搬出ユニット7に、樹脂タブレット16の収容部29、36を設ける。加えて、第1に、収容部29が断熱性材料によって構成される。第2に、収容部29の壁31の内部に連通路32を設け、連通路32に冷却用の媒体を供給する。第3に、収容部36を取り囲むカバー37が断熱性材料によって構成される。第4に、収容部36を取り囲むカバー37の壁38の内部に連通路39を設け、連通路39に冷却用の媒体を供給する。これらのことによって、外部から樹脂材料が受ける輻射熱による影響を防ぐことができる。したがって、樹脂材料の昇温を防ぎ、安定した温度を維持、管理することにより、製品の品質、歩留まりを向上することができる。
【0073】
また、樹脂材料の昇温を防ぐことによって、劣化した樹脂材料の粉や破片などが、材料搬送機構や樹脂材料の保管、収容部に固着して、樹脂材料の装填や搬送時のトラブルの発生を防ぐことができる。したがって、搬送機構や樹脂材料の保管、収容部などを清掃する回数や時間を減らして、樹脂封止装置の稼働を安定に維持することが可能となる。
【0074】
また、複数の成形モジュールを有する樹脂封止装置において、樹脂材料の昇温を防ぐ。このことによって、各成形モジュールによって樹脂材料の搬送時間が異なる場合においても、樹脂材料が周囲から受ける輻射熱の影響を低減し、かつ、均一にすることができる。したがって、各成形モジュールにおいて、樹脂材料の状態を均一に管理、維持することができ、安定した品質を維持し、かつ高歩留まりを達成することができる。
【0075】
ここまで説明したように、本発明によれば、簡便な構成によって樹脂材料の昇温を防いで、樹脂材料を安定した温度に保つことができる。したがって、本発明は、製品の品質向上、歩留まり向上、また装置の稼働率向上にも大きく寄与し、工業的にも非常に価値の高いものである。
【0076】
また、本発明は、上述した各実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、必要に応じて、任意にかつ適宜に組み合わせ、変更し、又は選択して採用できるものである。