特許第5985404号(P5985404)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5985404
(24)【登録日】2016年8月12日
(45)【発行日】2016年9月6日
(54)【発明の名称】電気融雪器差し込み形引抜き工具
(51)【国際特許分類】
   E01B 19/00 20060101AFI20160823BHJP
   E01B 7/24 20060101ALI20160823BHJP
【FI】
   E01B19/00 A
   E01B7/24
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-6547(P2013-6547)
(22)【出願日】2013年1月17日
(65)【公開番号】特開2014-136925(P2014-136925A)
(43)【公開日】2014年7月28日
【審査請求日】2015年9月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000196587
【氏名又は名称】西日本旅客鉄道株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】591083772
【氏名又は名称】株式会社永木精機
(74)【代理人】
【識別番号】100118924
【弁理士】
【氏名又は名称】廣幸 正樹
(72)【発明者】
【氏名】吉田 昌洋
(72)【発明者】
【氏名】吉田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】福地 裕
(72)【発明者】
【氏名】小倉 隆
【審査官】 神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第1692722(US,A)
【文献】 登録実用新案第3010045(JP,U)
【文献】 実公昭38−013001(JP,Y1)
【文献】 実開昭55−088402(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01B 19/00
E01B 7/24
E01B 29/00−31/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒状の加熱体及びこの加熱体よりも大径の端子部からなるレール用の電気融雪器を引抜く工具であって、
上側にハンドル部、下側に前記端子部へ当接可能な当接部、が設けられた操作杆と、
一端に前記レールの上板部を回動可能に保持するレール保持部が設けられた支持金具と、
前記操作杆と前記支持金具とを交差配置で且つ相対回動自在に保持し、前記操作杆の交差位置を調節する操作杆調節部、前記支持金具の交差位置を調節する支持金具調節部、を有する交差保持部と、
を備えたことを特徴とする電気融雪器差し込み形引抜き工具。
【請求項2】
前記操作杆調節部は、回転操作により前記操作杆の側面へ向かって進退し、進出により前記操作杆を押圧固定可能な調節ノブを有することを特徴とする請求項1に記載の電気融雪器差し込み形引抜き工具。
【請求項3】
前記支持金具は、長手方向に沿って複数の調節用貫通孔が形成され、
前記支持金具調節部は、前記調節用貫通孔の何れか1つに貫通配置可能な貫通ピンを備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気融雪器差し込み形引抜き工具。
【請求項4】
前記レール保持部は、前記レールの上板の側方へ係合可能に、略U字形に開口していることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の電気融雪器差し込み形引抜き工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道のレール下に設置された電気融雪器の差し込み形引抜き工具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
降雪量の多い地域の鉄道ではレール上の積雪や凍結が問題となる。特に、分岐器が凍結すると、軌道の切り換えが行えなくなるので、問題は重大である。
【0003】
このため、従来から、レールを加熱するための様々な方式が用いられている。このうち、カンテラやバーナーなどを用いた融雪手段に比べ、電気式の融雪器は操作性の面で優れている。
【0004】
図8は、従来の電気融雪器102の設置状態を示している。この図8には、レール100の下側で枕木101に沿って配置される電気融雪器102と、レール100の側面に沿って配置される電気融雪器103とが示されている。このような電気融雪器102、103を分岐器に設置すると、電気制御により容易に融雪又は凍結防止操作を行うことができる。図8の電気融雪器については、特許文献1に開示例がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平5−030203号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述のような電気融雪器102、103のうち、レール100の下に延びている電気融雪器102は、長期使用により枕木101等に対して固着し、保守・点検の際にレール下から引抜くのが困難な場合がある。
【0007】
そしてこのような場合、リード線104に繋がる端子部102aを把持して加熱体102bをレール100の下から引抜く際に、無理な方向に強大な力を働かせると、加熱体102bに損傷を与える恐れがある。
【0008】
そこで、本発明では、電気融雪器に損傷を与えることなく、簡易な構成で容易に引抜き可能な電気融雪器差し込み形引抜き工具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の電気融雪器差し込み形引抜き工具は、棒状の加熱体及びこの加熱体よりも大径の端子部からなるレール用の電気融雪器を引抜く工具であって、上側にハンドル部、下側に端子部へ当接可能な当接部、が設けられた操作杆と、一端にレールの上板部を回動可能に保持するレール保持部が設けられた支持金具と、操作杆と支持金具とを交差配置で且つ相対回動自在に保持し、操作杆の交差位置を調節する操作杆調節部、支持金具の交差位置を調節する支持金具調節部、を有する交差保持部と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の電気融雪器差し込み形引抜き工具は、上記構成に加えて、操作杆調節部は、回転操作により操作杆の側面へ向かって進退し、進出により操作杆を押圧固定可能な調節ノブを有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の電気融雪器差し込み形引抜き工具は、上記構成に加えて、支持金具は、長手方向に沿って複数の調節用貫通孔が形成され、支持金具調節部は、調節用貫通孔の何れか1つに貫通配置可能な貫通ピンを備えていることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の電気融雪器差し込み形引抜き工具は、上記構成に加えて、レール保持部は、前記レールの上板の側方へ係合可能に、略U字形に開口していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように、本発明によれば、操作杆調節部の調節により、支持金具の高さをレールの高さに合わせることができる。また、支持金具調節部の調節により支持金具をレールの側方に当接させ、レールをレール保持部で保持できる。さらに、支持金具に対して相対回動自在に配置された操作杆をレール側へ回動すると、端子部に当接した下側の当接部をレールから離れる方向へ回動させることができる。当接部がレールから離れる方向へ回動すると、レール保持部がレールの上板部を回動可能に保持しているので、支持金具はレール保持部を中心として下方へ回動する。
【0014】
このように、当接部による電気融雪器の押し出しに伴って、支持金具がレール保持部を中心として下方に回動するので、当接部は略水平な軌道に沿ってレールから離れる。これにより、当接部から電気融雪器に対して曲げ方向の力が加わることがないので、電気融雪器の損傷を防止できる。
【0015】
また、本発明によれば、調節ノブを操作杆から退避させた状態で、操作杆は交差保持部に対して移動可能となり、調節ノブを操作杆へ向かって進出させた状態で、操作杆は交差保持部に押圧固定される。
【0016】
このように、調節ノブの押圧機構のように、簡易な構成で操作杆の長手方向における交差保持部の位置を容易に調節することができ、操作性に優れる。
【0017】
また、本発明によれば、支持金具の調節用貫通孔を貫通ピンによって選択的に貫通させると、支持金具の揺動中心を容易に変更することができる。
【0018】
このように、簡易な構成によりレールと操作杆との距離を調節することができる。
【0019】
また、本発明によれば、レール保持部は略U字形に形成されているので、側方からレールに向かって略水平に移動させることにより、レールと係合し、保持することができる。
【0020】
このように、極めて簡易な構成により、支持金具でレールを保持することができるので、作業効率が著しく向上する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施の形態に係る電気融雪器差し込み形引抜き工具の全体斜視図である。
図2図1の電気融雪器の引抜き装置において、操作部に対する支持金具の高さを調節する交差保持部の機構を示した図である。
図3図1の電気融雪器の引抜き装置において、支持金具の水平方向位置を調節する交差保持部の機構を示した図である。
図4図1の電気融雪器の引抜き装置において、支持金具の操作部に対する回動の様子を示した図である。
図5図1の電気融雪器の引抜き装置を、レール及び電気融雪器に対して設置した状態を示した図である。
図6図1の電気融雪器の引抜き装置の使用状態を示した説明図である。
図7図6(d)の状態における支持金具及び先端金具周辺の拡大図である。
図8】従来の電気融雪器のレールへの設置状態を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施の形態に係る電気融雪器差し込み形引抜き工具について、図を用いて説明する。同一部材・同一構成については、同一符号を付して示す。
【0023】
先ず、図1に、本発明の実施の形態に係る電気融雪器102(後に図5を用いて説明する。)の引抜き装置1の全体斜視図を示す。引抜き装置1では、操作部2(操作杆)と支持金具4とが交差配置されている。図1に示す配置では、操作部2と支持金具4とは、略直交に配置されている。これら操作部2と支持金具4とは、略立方体形状の交差保持部6により交差状態で保持されている。この交差保持部6には、高さ調節ノブ6a(操作杆調節部)と長さ調節ノブ6b(支持金具調節部)とが設けられており、後に説明するように、操作部2と支持金具4との交差位置を調節することができる。
【0024】
支持金具4は、1対の板状部材が互いの面を対向させて構成されている。支持金具4の一端には、側方に開口した略U字状のレール保持部4aが形成されている。また、このレール保持部4aには、レールの上面に載置される載置当接部4cと、レールの側面に当接する側面当接部4dと、レール上板部100a(後に図5を用いて説明する。)の下方側に当接する突き上げ防止部4eとが形成されている。
【0025】
次に、図2を用いて、支持金具4の高さ調節機構について説明する。図2には、移動前の支持金具4を実線で示し、移動後の支持金具4を二点鎖線で示している。支持金具4を操作部2に対して略直交する配置で保持している交差保持部6のうち、支持金具4が延びる方向の側面には高さ調節ノブ6a(操作杆調節部)が設けられている。この高さ調節ノブ6aはネジ式になっており、締め込むと、先端(図示せず)は操作部2の側面に当接可能となるように構成されている。
【0026】
このように構成されているので、高さ調節ノブ6aを操作することにより、支持金具4の高さを容易にレールの高さに合わせることが可能となる。
【0027】
続いて、図3を用いて、支持金具4の長手方向の位置調節機構について説明する。1対の支持金具4には、それぞれ、長手方向に調節用貫通孔4bが一列に並んで形成されている。一方、交差保持部6のうち、支持金具4の長手方向と直交する2つの側面には、それぞれ長さ調節ノブ6b(支持金具調節部)が設けられている。この長さ調節ノブ6bの(交差保持部6内の)先端には貫通ピン(図示せず)が設けられている。この貫通ピンは、長さ調節ノブ6bを支持金具4に直交する方向へ進退させることにより、調節用貫通孔4bの何れかを選択的に貫通することができる。これにより、支持金具4のレール方向へ延びる長さを調節することができる。また、貫通ピンは回動する支持金具4の回動中心となっている。
【0028】
このように構成することにより、高さとは独立に、容易な操作でレール保持部4aをレールの側面に当接保持させることが可能となる。
【0029】
次に、図4を用いて、支持金具4の操作部2に対する相対回動機構について説明する。交差保持部6には、支持金具4が配置される領域に回動規制凹部6cが形成されている。これは、図2にも表れている。この回動規制凹部6cは、鉛直に配置された操作部2を基準として、略水平な位置から45度程度の仰角までの範囲に、支持金具4の回動域を規制
している。この規制された回動域内においては、支持金具4は操作部2に対して相対回動自在である。
【0030】
このように構成されているので、支持金具4のレール保持部4aがレールを保持した状態において、操作部2のハンドルバー2aが交差保持部6を中心にして回動可能となる。これにより、操作部2の下方の先端金具2b(当接部)が円弧運動する。本実施の形態では、この先端金具2bは、二股のフォーク状に形成されており、間に電気融雪器102の加熱体102bを収容することができる。すなわち、先端金具2bの間に加熱体102bを収容し、ハンドルバー2aを回動させると、円弧運動する先端金具2bによって、電気融雪器102をスムーズに引抜くことができる。
【0031】
このような引抜き装置1の設置状態を図5に示す。図5に示しているように、引抜き装置1の支持金具4のレール保持部4aは、レール100の上板部100aを側方から保持している。本実施の形態では、レール保持部4aとレール100(の上板部100a)との間には、若干の遊びが設けられており、上板部100aの周りに支持金具4が回動可能となっている。また、操作部2の下方に設けられた先端金具2bは、電気融雪器102のうち、端子部102a近傍の加熱体102b部分を内側に収容するように配置されている。このように配置した状態で、操作部2の上方のハンドルバー2aをレール側へ傾けると、先端金具2bがレール100から離れる方向に移動し、梃子の作用で端子部102aを容易に引き出すことができる。
【0032】
次に、図6を用いて、引抜き装置1の設置手順について説明する。図6中、バラスト(地面)は斜線を施して示している。また、このバラストに埋まった枕木101などの地中部分は点線で示されている。
【0033】
図6(a)は、先端金具2b(図1参照)をバラストに突き立てるようにして、操作部2を略垂直に設置した状態を示している。この状態では、まだ、各部の位置調節は行われていない。
【0034】
図6(b)は、レール100の高さに支持金具4を合わせた状態を示している。この支持金具4の高さは、図2を用いて説明したように交差保持部6の側面の高さ調節ノブ6a(図2参照)を操作することにより調節できる。
【0035】
図6(c)は、レール100の側方に支持金具4が当接配置された状態を示している。この状態は、図3を用いて説明したように、交差保持部6の側面に配置されている長さ調節ノブ6b(図3参照)を操作することにより支持金具4をレール100側へ伸ばし、レール保持部4a(図1参照)をレール100の側方に当接させることにより形成できる。
【0036】
図6(d)は、鉛直方向に配置されていたハンドルバー2aをレール100側へ傾けた状態を示している。このハンドルバー2aの傾動操作により、操作部2は支持金具4に対して交差保持部6を中心に相対回動し、下端の先端金具2bはレール100から離れる方向に回動する。これにより、電気融雪器102がレール100から引抜かれる。
【0037】
なお、上記図6(a)〜(d)の一連の操作による電気融雪器102の引き出し量が十分ではない場合、再び操作部2を端子部102aの近傍に突き立てて、図6(a)〜(d)の操作が繰り返される。
【0038】
ここで、図6(d)の状態を詳しく説明するために、支持金具4及び先端金具2b周辺の構成を拡大して図7に示す。
【0039】
図7は、操作部2がレール100側へ傾けられ、先端金具2bによって電気融雪器10
2が引抜かれるときの様子を示している。図7中において、一点鎖線8は、レール100の高さの水平位置を示している。また、一点鎖線9は、支持金具4の中心線を示している。この図7から分かるように、下端の先端金具2bが電気融雪器102をレール100から引抜く際、操作部2が交差保持部6を中心に支持金具4に対して回動すると同時に、支持金具4は、レール100に当接する側面当接部4dを支点として下方へ回動する。これにより、先端金具2bは、地面に対して略水平(矢印10の向き)に移動することができる。また、先端金具2bは、二股のフォーク状に形成されているので、バラストの抵抗を受けて先端金具2bに上下動が生じた場合であっても、この上下動は加熱体102bには伝達されない。したがって、電気融雪器102は加熱体102bに曲げ方向の力を受けることなく、長手方向に沿ってスムーズに引抜かれ、損傷を最小限に抑えることが可能である。
【0040】
ところで、操作部2を鉛直方向からレール100側へ傾ける初動時には、支持金具4に沿ってレール100へ略水平方向(一点鎖線8に沿った方向)へ力が働く。本実施の形態に係る引抜き装置1の支持金具4のレール保持部4aには、レール100の上面に載置される載置当接部4cと側面当接部4dとが設けられているので、安定してレール100を保持することができる。
【0041】
一方、操作部2がレール100側へ大きく傾いた状態では、上述のように、支持金具4が下方へ傾く。このとき、引抜かれる電気融雪器102から受ける反力は、支持金具4に沿ってレール100を斜め上方へ突き上げる方向へ働く。これに対して、本実施の形態では、レール保持部4aの下側に突出する突き上げ防止部4eが設けられている。これにより、操作部2の回動が進んだ状態においても、レール保持部4aは安定してレール100の側面を保持し続けるので、安全に作業を行うことが可能である。
【0042】
なお、上記実施の形態では、先端金具2bが二股のフォーク状に形成された構成を例として示したが、これ以外の形状でも構わない。例えば、端子部から加熱体が2本延びているような形状の電気融雪器に対しては、これら2本の加熱体の間に差し込むことのできる1本の先端部を形成しても良い。また、2本の加熱体の間と両外側に3本延びるフォーク状に形成しても構わない。
【0043】
また、上記実施の形態では、回動規制凹部6cによる支持金具4の回動域が、略水平から45度の仰角となる範囲に構成されている例を示した。しかし、レール保持部4aに、レール100の上面に載置される載置当接部4cが設けられていれば、支持金具4の水平姿勢を保持できるので、このような回動規制凹部6cは設けられていなくても構わない。
【0044】
また、上記実施の形態では、作業手順について、支持金具4の高さ調節をした後に、支持金具4の水平方向位置を調節する例を示した。しかし、これらの作業手順は逆であっても構わない。
【0045】
また、上記実施の形態では、支持金具4に調節用貫通孔4bを形成し、この調節用貫通孔4bに対して長さ調節ノブ6bの先端に設けた貫通ピンを貫通させることにより、支持金具4を回動自在に支持する構成を例として示した。しかし、交差保持部6に対して支持金具4を回動自在に支持でき、且つ、レールまでの長さ調節ができる構造であれば、他の構成であっても構わない。例えば、調節用貫通孔4bの中間の深さ位置まで係合可能な凸部を長さ調節ノブ6bの先端に設けても良い。また、支持金具4側に調節用貫通孔4bではなく、凹部を長手方向に並べて形成し、前記凸部を選択的に係合させるよう構成しても構わない。
【0046】
また、上記実施の形態では、支持金具4の一端に形成されたレール保持部4aが、レー
ル100側に開口し略U字形に形成された構成を例として示したが、これに限らず、レール100の上板部100aを回動可能に保持できる構成であれば、他の構成であっても構わない。例えば、突き上げ防止部4eよりも載置当接部4cの方が長く突出し、上下非対称に形成されていても構わない。このように構成すると、作業中に支持金具4からレール100に対して働いている押圧力が抜けた場合であっても、支持金具4の脱落を防止することができるので、安全性が向上する。
【符号の説明】
【0047】
1 引抜き装置(電気融雪器差し込み形引抜き工具)
2 操作部(操作杆)
2a ハンドルバー(ハンドル部)
2b 先端金具(当接部)
4 支持金具
4a レール保持部
4b 調節用貫通孔
4c 載置当接部
4d 側面当接部
4e 突き上げ防止部
6 交差保持部
6a 高さ調節ノブ(操作杆調節部)
6b 長さ調節ノブ(支持金具調節部)
6c 回動規制凹部
100 レール
100a 上板部(レールの上板)
101 枕木
102、103 電気融雪器
102a 端子部
102b 加熱体
104 リード線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8