特許第5985412号(P5985412)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5985412シームレスコンテンツ提供装置、シームレスコンテンツ提供方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5985412
(24)【登録日】2016年8月12日
(45)【発行日】2016年9月6日
(54)【発明の名称】シームレスコンテンツ提供装置、シームレスコンテンツ提供方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 15/00 20060101AFI20160823BHJP
   G06F 13/00 20060101ALI20160823BHJP
【FI】
   G06F15/00 410A
   G06F15/00 420Z
   G06F13/00 540B
【請求項の数】13
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2013-29613(P2013-29613)
(22)【出願日】2013年2月19日
(65)【公開番号】特開2014-160299(P2014-160299A)
(43)【公開日】2014年9月4日
【審査請求日】2015年8月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122426
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 清志
(72)【発明者】
【氏名】関口 直紀
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 祥
【審査官】 漆原 孝治
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−530110(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0277277(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 15/00
G06F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークと通信が可能なオンライン状態と、当該ネットワークと通信が不可能なオフライン状態とを含む動作状態を有し、いずれの前記動作状態であってもコンテンツの提供が可能なシームレスコンテンツ提供装置であって、
前記コンテンツを記憶するコンテンツ記憶手段と、
前記コンテンツ記憶手段に記憶されているコンテンツのうちオンライン状態で利用されるコンテンツが表示部に表示されている際に、当該オンライン状態から前記オフライン状態に切り替わったことに応じて、前記コンテンツ記憶手段に記憶されている前記オフライン状態で利用されるコンテンツに前記表示部の表示を切り替える表示切替手段と、
を備え、
前記表示切替手段が、
前記ネットワークとの通信の可否に応じて通信を制御し、前記動作状態を管理する通信制御手段と、
前記表示部に表示されているコンテンツと、前記コンテンツ記憶手段に記憶されているコンテンツのうち前記オフライン状態で利用されるコンテンツとの関連度を算出する関連度算出手段と、
前記コンテンツ記憶手段に記憶されているコンテンツのうちオンライン状態で利用されるコンテンツが前記表示部に表示されている際に、当該オンライン状態から前記オフライン状態に切り替わった旨の通知を前記通信制御手段から受信したことに応じて、前記コンテンツ記憶手段に記憶されているコンテンツのうち前記オフライン状態で利用されるコンテンツの情報を、前記関連度算出手段で算出された関連度に基づいて配置し、コンテンツメニューを作成するコンテンツメニュー作成手段と、
前記コンテンツメニュー作成手段で作成された前記コンテンツメニューを前記表示部に表示し、当該コンテンツメニューからユーザが選択したコンテンツを前記コンテンツ記憶手段から取得して当該表示部に表示する表示制御手段と、
を備えることを特徴とするシームレスコンテンツ提供装置。
【請求項2】
前記表示切替手段が、
前記オンライン状態から前記オフライン状態に切り替わる前に前記表示部に表示されていた前記オンライン状態で利用されるコンテンツが前記ネットワークに送信した取得要求を保持し、前記通信制御手段から再度オンライン状態となった旨の通知を受信したことに応じて、保持している前記取得要求を当該ネットワークに送信する取得要求手段を備え、
前記表示制御手段が、前記取得要求手段が送信した取得要求に対する応答を受信したことに応じて、前記表示部の表示を、当該応答を反映した前記オンライン状態で利用されるコンテンツに切り替えることを特徴とする請求項1に記載のシームレスコンテンツ提供装置。
【請求項3】
前記表示制御手段が、前記取得要求手段が送信した取得要求に対する応答を受信したことに応じて、前記表示部の表示を、当該表示部に表示されているコンテンツから前記応答を反映した前記オンライン状態で利用されるコンテンツに前記表示部の画面端から徐々に切り替えることを特徴とする請求項2に記載のシームレスコンテンツ提供装置。
【請求項4】
前記取得要求手段が送信した取得要求に対する応答を受信したことに応じて、前記オンライン状態で利用されるコンテンツを前記表示部に表示するか否か選択させる選択メニューを作成する選択メニュー作成手段を備え、
前記表示制御手段が、前記選択メニューを前記表示部に表示し、前記ユーザが前記オンライン状態で利用されるコンテンツを当該表示部に表示させることを選択したことに応じて、当該応答を反映した前記オンライン状態で利用されるコンテンツを当該表示部に表示することを特徴とする請求項2に記載のシームレスコンテンツ提供装置。
【請求項5】
前記表示制御手段が、前記取得要求手段が送信した取得要求に対する応答を受信した後に、前記ユーザからの入力を受け付けたことに応じて、前記表示部の表示を、前記応答を反映した前記オンライン状態で利用されるコンテンツに切り替えることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれかに記載のシームレスコンテンツ提供装置。
【請求項6】
前記表示制御手段が、自装置に備えられた位置情報取得機能により取得した当該自装置の位置情報、および当該自装置に備えられた時計機能により取得した時刻情報に基づいて、前記コンテンツ記憶手段からコンテンツを選択し、選択したコンテンツを前記表示部に表示することを特徴とする請求項2から請求項5いずれかに記載のシームレスコンテンツ提供装置。
【請求項7】
前記コンテンツの利用履歴を蓄積する利用履歴記憶手段と、
前記利用履歴記憶手段に蓄積されている利用履歴を解析し、前記コンテンツを取得するスケジュールを作成するスケジューラーと、
前記スケジューラーで作成されたスケジュールで前記コンテンツを取得し、前記コンテンツ記憶手段に記憶するコンテンツ取得手段と、
を備えることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載のシームレスコンテンツ提供装置。
【請求項8】
前記利用履歴記憶手段に蓄積されている利用履歴からユーザの嗜好を解析する嗜好解析手段を備え、
前記コンテンツ取得手段が、前記スケジュールに基づいて、前記嗜好解析手段で解析された前記ユーザの嗜好に基づいて、前記ネットワークからコンテンツを取得することを特徴とする請求項7に記載のシームレスコンテンツ提供装置。
【請求項9】
前記嗜好解析手段が、前記利用履歴記憶手段に蓄積されている利用履歴から利用頻度の高いコンテンツを特定し、特定された前記利用頻度の高いコンテンツに基づいて当該ユーザの嗜好を分析することを特徴とする請求項8に記載のシームレスコンテンツ提供装置。
【請求項10】
前記嗜好解析手段が、前記利用履歴記憶手段に蓄積されている利用履歴、および前記ユーザが参加しているソーシャルネットワーキングサービスから取得された当該ユーザに関する情報に基づいて、当該ユーザの嗜好を解析することを特徴とする請求項8または請求項9に記載のシームレスコンテンツ提供装置。
【請求項11】
ユーザの行動履歴を記憶する行動履歴記憶手段を備え、
前記スケジューラーが、記憶された前記行動履歴に基づいて、前記オフライン状態となる時間帯を予測し、予測した時間帯に基づいて前記スケジュールを作成することを特徴とする請求項7から請求項10のいずれかに記載のシームレスコンテンツ提供装置。
【請求項12】
ネットワークと通信が可能なオンライン状態と、当該ネットワークと通信が不可能なオフライン状態とを含む動作状態を有し、いずれの前記動作状態であってもコンテンツの提供が可能なシームレスコンテンツ提供装置におけるシームレスコンテンツ提供方法であって、
前記コンテンツを記憶するコンテンツ記憶手段と、通信制御手段と、関連度算出手段と、コンテンツメニュー作成手段と、表示制御手段と、を備え、
前記通信制御手段が、前記コンテンツ記憶手段に記憶されているコンテンツのうちオンライン状態で利用されるコンテンツが表示部に表示されている際に、当該オンライン状態から前記オフライン状態に切り替わったか否かを判断する第1のステップと、
前記関連度算出手段が、前記表示部に表示されているコンテンツと、前記コンテンツ記憶手段に記憶されているコンテンツのうち前記オフライン状態で利用されるコンテンツとの関連度を算出する第2のステップと、
前記コンテンツメニュー作成手段が、前記第1のステップで、前記オンライン状態から前記オフライン状態に切り替わったと判断された場合に、前記コンテンツ記憶手段に記憶されているコンテンツのうち前記オフライン状態で利用されるコンテンツの情報を、前記第2のステップで算出された関連度に基づいて配置し、コンテンツメニューを作成する第3のステップと、
前記表示制御手段が、前記第3のステップで作成された前記コンテンツメニューを前記表示部に表示し、当該コンテンツメニューからユーザが選択したコンテンツを前記コンテンツ記憶手段から取得して当該表示部に表示する第4のステップと、
を含むことを特徴とするシームレスコンテンツ提供方法。
【請求項13】
ネットワークと通信が可能なオンライン状態と、当該ネットワークと通信が不可能なオフライン状態とを含む動作状態を有し、いずれの前記動作状態であってもコンテンツの提供が可能なシームレスコンテンツ提供装置におけるシームレスコンテンツ提供方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記コンテンツを記憶するコンテンツ記憶手段と、通信制御手段と、関連度算出手段と、コンテンツメニュー作成手段と、表示制御手段と、を備え、
前記通信制御手段が、前記コンテンツ記憶手段に記憶されているコンテンツのうちオンライン状態で利用されるコンテンツが表示部に表示されている際に、当該オンライン状態から前記オフライン状態に切り替わったか否かを判断する第1のステップと、
前記関連度算出手段が、前記表示部に表示されているコンテンツと、前記コンテンツ記憶手段に記憶されているコンテンツのうち前記オフライン状態で利用されるコンテンツとの関連度を算出する第2のステップと、
前記コンテンツメニュー作成手段が、前記第1のステップで、前記オンライン状態から前記オフライン状態に切り替わったと判断された場合に、前記コンテンツ記憶手段に記憶されているコンテンツのうち前記オフライン状態で利用されるコンテンツの情報を、前記第2のステップで算出された関連度に基づいて配置し、コンテンツメニューを作成する第3のステップと、
前記表示制御手段が、前記第3のステップで作成された前記コンテンツメニューを前記表示部に表示し、当該コンテンツメニューからユーザが選択したコンテンツを前記コンテンツ記憶手段から取得して当該表示部に表示する第4のステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オンライン状態およびオフライン状態のいずれの動作状態にあっても、シームレスにコンテンツを提供するシームレスコンテンツ提供装置、シームレスコンテンツ提供方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンやタブレットの普及により、様々な場所で利用可能な3GやWiFi等の無線通信回線を使用したWebアプリケーションの利用が増加している。しかしながら、無線通信回線によるネットワーク環境は固定回線に比べ不安定であり、しばしばネットワーク接続ができなくなり、利便性を損なうという課題がある。このような課題に対処するため、次のような既存技術が提案されている。
【0003】
特許文献1では、ネットワーク接続ができない場合は、過去の通信履歴を基にサービス提供を行う技術が提案されている。また、特許文献2では、予め設定されたダウンロード範囲に応じてキャッシュを行い、オフライン状態ではキャッシュされたデータを提示する技術が提案されている。更に、特許文献3では、オフライン状態になることを見越し、オフライン状態においても利用可能なコンテンツを予め蓄積する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−164749号公報
【特許文献2】特開2007−213173号公報
【特許文献3】特開2012−000618号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、利用者の過去の通信履歴をもとにオフライン状態時でもサービス提供を行うことができるが、利用者が利用したことのないコンテンツには対応することができないという問題点があった。特許文献2に記載の技術では、ダウンロードの範囲に限り、利用者が利用したことのないコンテンツに対応することが可能だが、オフライン状態時に取得要求を行ったコンテンツがダウンロード範囲に含まれていない場合は対応することができないという問題点があった。
【0006】
特許文献3に記載の技術では、利用者の嗜好に応じてコンテンツを蓄積するためオフライン状態時においても、利用者が利用したことのないコンテンツに対応することは可能であるが、オフライン状態時であっても、利用者の閲覧行動は従来の閲覧行動と同じであるため、利用者が蓄積されたコンテンツを利用するためにはオフライン状態で本来の通信が出来ないことに気付いた後、現在の操作を中断して蓄積されたコンテンツを選択し、閲覧するという手間は必要となるという問題点があった。
【0007】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、オフライン状態になった場合に、利用者に特別な操作を要求することなく、オフライン状態時でも利用可能なコンテンツを提示することで、利用者にシームレスなコンテンツの利用を可能にするシームレスコンテンツ提供装置、シームレスコンテンツ提供方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の事項を提案している。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
【0009】
(1) 本発明は、ネットワークと通信が可能なオンライン状態と、当該ネットワークと通信が不可能なオフライン状態とを含む動作状態を有し、いずれの前記動作状態であってもコンテンツの提供が可能なシームレスコンテンツ提供装置であって、前記コンテンツを記憶するコンテンツ記憶手段(例えば、図1のコンテンツ記憶部130に相当)と、前記コンテンツ記憶手段に記憶されているコンテンツのうちオンライン状態で利用されるコンテンツが表示部に表示されている際に、当該オンライン状態から前記オフライン状態に切り替わったことに応じて、前記コンテンツ記憶手段に記憶されている前記オフライン状態で利用されるコンテンツに前記表示部の表示を切り替える表示切替手段(例えば、図1の表示切替部140に相当)と、を備え、前記表示切替手段が、前記ネットワークとの通信の可否に応じて通信を制御し、前記動作状態を管理する通信制御手段(例えば、図1の通信制御部141に相当)と、前記表示部に表示されているコンテンツと、前記コンテンツ記憶手段に記憶されているコンテンツのうち前記オフライン状態で利用されるコンテンツとの関連度を算出する関連度算出手段(例えば、図1の関連度算出部142に相当)と、前記コンテンツ記憶手段に記憶されているコンテンツのうちオンライン状態で利用されるコンテンツが前記表示部に表示されている際に、当該オンライン状態から前記オフライン状態に切り替わった旨の通知を前記通信制御手段から受信したことに応じて、前記コンテンツ記憶手段に記憶されているコンテンツのうち前記オフライン状態で利用されるコンテンツの情報を、前記関連度算出手段で算出された関連度に基づいて配置し、コンテンツメニューを作成するコンテンツメニュー作成手段(例えば、図1のコンテンツメニュー作成部143に相当)と、前記コンテンツメニュー作成手段で作成された前記コンテンツメニューを前記表示部に表示し、当該コンテンツメニューからユーザが選択したコンテンツを前記コンテンツ記憶手段から取得して当該表示部に表示する表示制御手段(例えば、図1の表示制御部144に相当)と、を備えることを特徴とするシームレスコンテンツ提供装置を提案している。
【0010】
この発明によれば、コンテンツ記憶手段は、コンテンツを記憶する。表示切替手段は、コンテンツ記憶手段に記憶されているコンテンツのうちオンライン状態で利用されるコンテンツが表示部に表示されている際に、オンライン状態からオフライン状態に切り替わったことに応じて、コンテンツ記憶手段に記憶されているオフライン状態で利用されるコンテンツに表示部の表示を切り替える。通信制御手段は、ネットワークとの通信の可否に応じて通信を制御し、動作状態を管理する。関連度算出手段は、表示部に表示されているコンテンツと、コンテンツ記憶手段に記憶されているコンテンツのうちオフライン状態で利用されるコンテンツとの関連度を算出する。コンテンツメニュー作成手段は、コンテンツ記憶手段に記憶されているコンテンツのうちオンライン状態で利用されるコンテンツが表示部に表示されている際に、オンライン状態からオフライン状態に切り替わった旨の通知を通信制御手段から受信したことに応じて、コンテンツ記憶手段に記憶されているコンテンツのうちオフライン状態で利用されるコンテンツの情報を、関連度算出手段で算出された関連度に基づいて配置し、コンテンツメニューを作成する。表示制御手段は、コンテンツメニュー作成手段で作成されたコンテンツメニューを表示部に表示し、コンテンツメニューからユーザが選択したコンテンツをコンテンツ記憶手段から取得して表示部に表示する。したがって、利用者は、オンライン状態時に利用していたコンテンツとの関連に基づいてオフライン状態時に利用できるコンテンツをコンテンツメニューにて知り選択できることで、利用者にシームレスなコンテンツの利用を可能にする。
【0011】
(2) 本発明は、(1)のシームレスコンテンツ提供装置において、前記表示切替手段が、前記オンライン状態から前記オフライン状態に切り替わる前に前記表示部に表示されていた前記オンライン状態で利用されるコンテンツが前記ネットワークに送信した取得要求を保持し、前記通信制御手段から再度オンライン状態となった旨の通知を受信したことに応じて、保持している前記取得要求を当該ネットワークに送信する取得要求手段(例えば、図1の取得要求部145に相当)を備え、前記表示制御手段が、前記取得要求手段が送信した取得要求に対する応答を受信したことに応じて、前記表示部の表示を、当該応答を反映した前記オンライン状態で利用されるコンテンツに切り替えることを特徴とするシームレスコンテンツ提供装置を提案している。
【0012】
この発明によれば、取得要求手段は、オンライン状態からオフライン状態に切り替わる前に表示部に表示されていたオンライン状態で利用されるコンテンツがネットワークに送信した取得要求を保持し、通信制御手段から再度オンライン状態となった旨の通知を受信したことに応じて、保持している取得要求をネットワークに送信する。表示制御手段は、取得要求手段が送信した取得要求に対する応答を受信したことに応じて、表示部の表示を、応答を反映したオンライン状態で利用されるコンテンツに切り替える。したがって、オフライン状態からオンライン状態になった際に、利用者に特別な操作を要求することなく、オンライン状態時に利用していたコンテンツに切り替えることができる。
【0013】
(3) 本発明は、(2)のシームレスコンテンツ提供装置において、前記表示制御手段が、前記取得要求手段が送信した取得要求に対する応答を受信したことに応じて、前記表示部の表示を、当該表示部に表示されているコンテンツから前記応答を反映した前記オンライン状態で利用されるコンテンツに前記表示部の画面端から徐々に切り替えることを特徴とするシームレスコンテンツ提供装置を提案している。
【0014】
この発明によれば、表示制御手段は、取得要求手段が送信した取得要求に対する応答を受信したことに応じて、表示部の表示を、表示部に表示されているコンテンツから応答を反映したオンライン状態で利用されるコンテンツに表示部の画面端から徐々に切り替える。したがって、表示部に表示されているコンテンツの閲覧や操作を妨げずに、オンライン状態時に利用していたコンテンツに切り替えることができる。
【0015】
(4) 本発明は、(2)のシームレスコンテンツ提供装置において、前記取得要求手段が送信した取得要求に対する応答を受信したことに応じて、前記オンライン状態で利用されるコンテンツを前記表示部に表示するか否か選択させる選択メニューを作成する選択メニュー作成手段(例えば、図1の選択メニュー作成部146に相当)を備え、前記表示制御手段が、前記選択メニューを前記表示部に表示し、前記ユーザが前記オンライン状態で利用されるコンテンツを当該表示部に表示させることを選択したことに応じて、当該応答を反映した前記オンライン状態で利用されるコンテンツを当該表示部に表示することを特徴とするシームレスコンテンツ提供装置を提案している。
【0016】
この発明によれば、選択メニュー作成手段は、取得要求手段が送信した取得要求に対する応答を受信したことに応じて、オンライン状態で利用されるコンテンツを表示部に表示するか否か選択させる選択メニューを作成する。表示制御手段は、選択メニューを表示部に表示し、ユーザがオンライン状態で利用されるコンテンツを表示部に表示させることを選択したことに応じて、応答を反映したオンライン状態で利用されるコンテンツを表示部に表示する。したがって、ユーザは、オンライン状態時に利用していたコンテンツに戻るか、表示部に表示されているコンテンツを利用し続けるか選択することができる。
【0017】
(5) 本発明は、(2)から(4)のシームレスコンテンツ提供装置において、前記表示制御手段が、前記取得要求手段が送信した取得要求に対する応答を受信した後に、前記ユーザからの入力を受け付けたことに応じて、前記表示部の表示を、前記応答を反映した前記オンライン状態で利用されるコンテンツに切り替えることを特徴とするシームレスコンテンツ提供装置を提案している。
【0018】
この発明によれば、表示制御手段は、取得要求手段が送信した取得要求に対する応答を受信した後に、ユーザからの入力を受け付けたことに応じて、表示部の表示を、応答を反映したオンライン状態で利用されるコンテンツに切り替える。したがって、表示部に表示されているコンテンツの閲覧や操作を妨げずに、オンライン状態時に利用していたコンテンツに切り替えることができる。
【0019】
(6) 本発明は、(2)から(5)のシームレスコンテンツ提供装置において、前記表示制御手段が、自装置に備えられた位置情報取得機能により取得した当該自装置の位置情報、および当該装置に備えられた時計機能により取得した時刻情報に基づいて、前記コンテンツ記憶手段からコンテンツを選択し、選択したコンテンツを前記表示部に表示することを特徴とするシームレスコンテンツ提供装置を提案している。
【0020】
この発明によれば、表示制御手段が、自装置に備えられた位置情報取得機能により取得した自装置の位置情報、および自装置に備えられた時計機能により取得した時刻情報に基づいて、コンテンツ記憶手段からコンテンツを選択し、選択したコンテンツを表示部に表示する。したがって、ユーザの状況にあったコンテンツをオフライン時に提供することができる。
【0021】
(7) 本発明は、(1)から(6)のシームレスコンテンツ提供装置において、前記コンテンツの利用履歴を蓄積する利用履歴記憶手段(例えば、図4の利用履歴記憶部150に相当)と、前記利用履歴記憶手段に蓄積されている利用履歴を解析し、前記コンテンツを取得するスケジュールを作成するスケジューラー(例えば、図4のスケジューラー170に相当)と、前記スケジューラーで作成されたスケジュールで前記コンテンツを取得し、前記コンテンツ記憶手段に記憶するコンテンツ取得手段(例えば、図4のコンテンツ取得部190に相当)と、を備えることを特徴とするシームレスコンテンツ提供装置を提案している。
【0022】
この発明によれば、利用履歴記憶手段は、コンテンツの利用履歴を蓄積する。スケジューラーは、利用履歴記憶手段に蓄積されている利用履歴を解析し、コンテンツを取得するスケジュールを作成する。コンテンツ取得手段は、スケジューラーで作成されたスケジュールでコンテンツを取得し、コンテンツ記憶手段に記憶する。したがって、オフライン状態時に利用するコンテンツを、効率的に取得することができる。
【0023】
(8) 本発明は、(7)のシームレスコンテンツ提供装置において、前記利用履歴記憶手段に蓄積されている利用履歴からユーザの嗜好を解析する嗜好解析手段(例えば、図4の嗜好解析部180に相当)を備え、前記コンテンツ取得手段が、前記スケジュールに基づいて、前記嗜好解析手段で解析された前記ユーザの嗜好に基づいて、前記ネットワークからコンテンツを取得することを特徴とするシームレスコンテンツ提供装置を提案している。
【0024】
この発明によれば、嗜好解析手段は、利用履歴記憶手段に蓄積されている利用履歴からユーザの嗜好を解析する。コンテンツ取得手段は、スケジュールに基づいて、嗜好解析手段で解析されたユーザの嗜好に基づいて、ネットワークからコンテンツを取得する。したがって、必要としている可能性が高いコンテンツをユーザに提供することができる。
【0025】
(9) 本発明は、(8)のシームレスコンテンツ提供装置において、前記嗜好解析手段が、前記利用履歴記憶手段に蓄積されている利用履歴から利用頻度の高いコンテンツを特定し、特定された前記利用頻度の高いコンテンツに基づいて当該ユーザの嗜好を分析することを特徴とするシームレスコンテンツ提供装置を提案している。
【0026】
この発明によれば、嗜好解析手段が、利用履歴記憶手段に蓄積されている利用履歴から利用頻度の高いコンテンツを特定し、特定された利用頻度の高いコンテンツに基づいてユーザの嗜好を分析する。したがって、ユーザが良く利用するコンテンツからユーザの嗜好を分析することができる。
【0027】
(10) 本発明は、(8)または(9)のシームレスコンテンツ提供装置において、前記嗜好解析手段が、前記利用履歴記憶手段に蓄積されている利用履歴、および前記ユーザが参加しているソーシャルネットワーキングサービスから取得された当該ユーザに関する情報に基づいて、当該ユーザの嗜好を解析することを特徴とするシームレスコンテンツ提供装置を提案している。
【0028】
この発明によれば、嗜好解析手段が、利用履歴記憶手段に蓄積されている利用履歴、およびユーザが参加しているソーシャルネットワーキングサービスから取得されたユーザに関する情報に基づいて、ユーザの嗜好を解析する。したがって、ソーシャルネットワーキングサービスから取得できる情報によって、ユーザの嗜好を分析することができる。
【0029】
(11) 本発明は、(7)から(10)のシームレスコンテンツ提供装置において、前記ユーザの行動履歴を記憶する行動履歴記憶手段(例えば、図4の行動履歴記憶部160に相当)を備え、前記スケジューラーが、記憶された前記行動履歴に基づいて、前記オフライン状態となる時間帯を予測し、予測した時間帯に基づいて前記スケジュールを作成することを特徴とするシームレスコンテンツ提供装置を提案している。
【0030】
この発明によれば、行動履歴記憶手段は、ユーザの行動履歴を記憶する。スケジューラーは、記憶された行動履歴に基づいて、オフライン状態となる時間帯を予測し、予測した時間帯に基づいてスケジュールを作成する。したがって、オンライン状態である可能性が高い時間帯に、オフライン状態時に利用するコンテンツを取得することができる。
【0031】
(12) 本発明は、ネットワークと通信が可能なオンライン状態と、当該ネットワークと通信が不可能なオフライン状態とを含む動作状態を有し、いずれの前記動作状態であってもコンテンツの提供が可能なシームレスコンテンツ提供装置におけるシームレスコンテンツ提供方法であって、前記コンテンツを記憶するコンテンツ記憶手段と、通信制御手段と、関連度算出手段と、コンテンツメニュー作成手段と、表示制御手段と、を備え、前記通信制御手段が、前記コンテンツ記憶手段に記憶されているコンテンツのうちオンライン状態で利用されるコンテンツが表示部に表示されている際に、当該オンライン状態から前記オフライン状態に切り替わったか否かを判断する第1のステップ(例えば、図2のステップS1に相当)と、前記関連度算出手段が、前記表示部に表示されているコンテンツと、前記コンテンツ記憶手段に記憶されているコンテンツのうち前記オフライン状態で利用されるコンテンツとの関連度を算出する第2のステップと、前記コンテンツメニュー作成手段が、前記第1のステップで、前記オンライン状態から前記オフライン状態に切り替わったと判断された場合に、前記コンテンツ記憶手段に記憶されているコンテンツのうち前記オフライン状態で利用されるコンテンツの情報を、前記第2のステップで算出された関連度に基づいて配置し、コンテンツメニューを作成する第3のステップと、前記表示制御手段が、前記第3のステップで作成された前記コンテンツメニューを前記表示部に表示し、当該コンテンツメニューからユーザが選択したコンテンツを前記コンテンツ記憶手段から取得して当該表示部に表示する第4のステップ(例えば、図2のステップS2、S3に相当)と、を含むことを特徴とするシームレスコンテンツ提供方法。
【0032】
この発明によれば、まず、第1のステップにおいて、通信制御手段が、コンテンツ記憶手段に記憶されているコンテンツのうちオンライン状態で利用されるコンテンツが表示部に表示されている際に、オンライン状態からオフライン状態に切り替わったか否かを判断する。次に、第2のステップにおいて、関連度算出手段が、表示部に表示されているコンテンツと、コンテンツ記憶手段に記憶されているコンテンツのうちオフライン状態で利用されるコンテンツとの関連度を算出する。次に、第3のステップにおいて、コンテンツメニュー作成手段が、第1のステップで、オンライン状態からオフライン状態に切り替わったと判断された場合に、コンテンツ記憶手段に記憶されているコンテンツのうちオフライン状態で利用されるコンテンツの情報を、第2のステップで算出された関連度に基づいて配置し、コンテンツメニューを作成する。そして、第4のステップにおいて、表示制御手段が、第3のステップで作成されたコンテンツメニューを表示部に表示し、コンテンツメニューからユーザが選択したコンテンツをコンテンツ記憶手段から取得して表示部に表示する。したがって、利用者は、オンライン状態時に利用していたコンテンツとの関連に基づいてオフライン状態時に利用できるコンテンツをコンテンツメニューにて知り選択できることで、利用者にシームレスなコンテンツの利用を可能にする。
【0033】
(13) 本発明は、ネットワークと通信が可能なオンライン状態と、当該ネットワークと通信が不可能なオフライン状態とを含む動作状態を有し、いずれの前記動作状態であってもコンテンツの提供が可能なシームレスコンテンツ提供装置におけるシームレスコンテンツ提供方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記コンテンツを記憶するコンテンツ記憶手段と、通信制御手段と、関連度算出手段と、コンテンツメニュー作成手段と、表示制御手段と、を備え、前記通信制御手段が、前記コンテンツ記憶手段に記憶されているコンテンツのうちオンライン状態で利用されるコンテンツが表示部に表示されている際に、当該オンライン状態から前記オフライン状態に切り替わったか否かを判断する第1のステップ(例えば、図2のステップS1に相当)と、前記関連度算出手段が、前記表示部に表示されているコンテンツと、前記コンテンツ記憶手段に記憶されているコンテンツのうち前記オフライン状態で利用されるコンテンツとの関連度を算出する第2のステップと、前記コンテンツメニュー作成手段が、前記第1のステップで、前記オンライン状態から前記オフライン状態に切り替わったと判断された場合に、前記コンテンツ記憶手段に記憶されているコンテンツのうち前記オフライン状態で利用されるコンテンツの情報を、前記第2のステップで算出された関連度に基づいて配置し、コンテンツメニューを作成する第3のステップと、前記表示制御手段が、前記第3のステップで作成された前記コンテンツメニューを前記表示部に表示し、当該コンテンツメニューからユーザが選択したコンテンツを前記コンテンツ記憶手段から取得して当該表示部に表示する第4のステップ(例えば、図2のステップS2、S3に相当)と、をコンピュータに実行させるためのプログラムを提案している。
【0034】
この発明によれば、まず、第1のステップにおいて、通信制御手段が、コンテンツ記憶手段に記憶されているコンテンツのうちオンライン状態で利用されるコンテンツが表示部に表示されている際に、オンライン状態からオフライン状態に切り替わったか否かを判断する。次に、第2のステップにおいて、関連度算出手段が、表示部に表示されているコンテンツと、コンテンツ記憶手段に記憶されているコンテンツのうちオフライン状態で利用されるコンテンツとの関連度を算出する。次に、第3のステップにおいて、コンテンツメニュー作成手段が、第1のステップで、オンライン状態からオフライン状態に切り替わったと判断された場合に、コンテンツ記憶手段に記憶されているコンテンツのうちオフライン状態で利用されるコンテンツの情報を、第2のステップで算出された関連度に基づいて配置し、コンテンツメニューを作成する。そして、第4のステップにおいて、表示制御手段が、第3のステップで作成されたコンテンツメニューを表示部に表示し、コンテンツメニューからユーザが選択したコンテンツをコンテンツ記憶手段から取得して表示部に表示する。したがって、利用者は、オンライン状態時に利用していたコンテンツとの関連に基づいてオフライン状態時に利用できるコンテンツをコンテンツメニューにて知り選択できることで、利用者にシームレスなコンテンツの利用を可能にする。
【発明の効果】
【0039】
オフライン状態になった場合に、利用者に特別な操作を要求することなく、オフライン状態時でも利用可能なコンテンツを提示することで、利用者にシームレスなコンテンツの利用を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】本発明の第1の実施形態に係るシームレスコンテンツ提供装置の構成を示す図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係るシームレスコンテンツ提供装置におけるシームレスコンテンツ提供処理のフロー図である。
図3】本発明の第1の実施形態に係るシームレスコンテンツ提供装置における、バックグラウンド処理を含めたシームレスコンテンツ提供処理のフロー図である。
図4】本発明の第2の実施形態に係るシームレスコンテンツ提供装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、図面を用いて、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、また、他の既存の構成要素との組み合わせを含む様々なバリエーションが可能である。したがって、本実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
【0042】
<第1の実施形態>
<シームレスコンテンツ提供装置の構成>
図1は、本発明の第1の実施形態に係るシームレスコンテンツ提供装置100の構成を示す図である。図1に示すように、本実施形態において、シームレスコンテンツ提供装置100は、通信部110、表示部120、コンテンツ記憶部130、および表示切替部140から構成される。
【0043】
通信部110は、ネットワークと接続され、サーバへコンテンツの要求を送信したり、要求したコンテンツをサーバから受信をしたりする。
【0044】
表示部120は、後述するコンテンツ記憶部130に記憶されているコンテンツを表示する表示デバイスであって、例えば、液晶ディスプレイや、有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイ、プラズマディスプレイ等により構成される。
【0045】
コンテンツ記憶部130は、コンテンツと各コンテンツがオフライン状態で利用できるか否かの情報とを記憶している。なお、コンテンツは、通信部110を介してネットワーク上のサーバから受信したり、シームレスコンテンツ提供装置100に予め登録されていたりする。また、コンテンツ記憶部130は、各コンテンツのカテゴリー、概要、サムネイルといった属性情報を併せて記憶してもよい。ここで、コンテンツは、例えば、ブラウザ、ゲーム、メディアプレーヤー、地図等のアプリケーション自体、またはそれらに利用されるデータである。
【0046】
表示切替部140は、コンテンツ記憶部130に記憶されているコンテンツのうちオンライン状態で利用されるコンテンツが表示部120に表示されている際に、通信部110がネットワークと接続できなくなり、ネットワークとの接続がオンライン状態からオフライン状態に切り替わったことを検知する。そして、表示切替部140は、ネットワークとの接続がオンライン状態からオフライン状態に切り替わったことを検知したことに応じて、コンテンツ記憶部130に記憶されているオフライン状態で利用されるコンテンツに表示部120の表示を切り替える。
【0047】
表示切替部140は、具体的には、通信制御部141、関連度算出部142、コンテンツメニュー作成部143、表示制御部144、取得要求部145、および選択メニュー作成部146から構成される。
【0048】
通信制御部141は、通信部110がネットワークと接続できているか否かを監視し、ネットワークとの接続がオンライン状態かオフライン状態かを検知する。また、通信制御部141は、ネットワークとの接続が変わった際には、変わる直前の状態を記憶しておく。
【0049】
関連度算出部142は、表示部120に表示されているコンテンツと、コンテンツ記憶部130に記憶されているコンテンツのうちオフライン状態で利用できるコンテンツとの関連度を算出する。具体的には、関連度算出部142は、表示部120に表示されているコンテンツとコンテンツ記憶部130に記憶されているコンテンツのうちオフライン状態で利用できるコンテンツとにおいて、コンテンツに紐付けられている属性情報やコンテンツから抽出されるキーワードが一致する度合を関連度として算出する。なお、関連度に基づいて、コンテンツメニューの作成や表示部120に表示するコンテンツの決定を行わない場合には、関連度算出部142は備えなくてもよい。
【0050】
コンテンツメニュー作成部143は、通信制御部141からオンライン状態からオフライン状態に切り替わった旨の通知を受信したことに応じて、オフライン状態で利用できるコンテンツの情報をコンテンツ記憶部130から取得する。そして、取得した情報に基づいて、オフライン状態で利用できるコンテンツをユーザに提示するコンテンツメニューを作成する。コンテンツ記憶部130に各コンテンツの属性情報が記憶されている場合には、その情報も併せて取得し、コンテンツメニューの作成に用いる。なお、コンテンツメニュー作成部143は、必ずしも備えていなくてもよい。
【0051】
また、コンテンツメニュー作成部143は、関連度算出部142で算出された関連度に基づいて、コンテンツ記憶部130から取得した情報を配置してコンテンツメニューを作成する。具体的には、コンテンツメニュー作成部143は、表示部120に表示されているコンテンツとの関連度が高い順にリスト形式にコンテンツ記憶部130から取得した情報を配置したコンテンツメニューや、表示部120に表示されているコンテンツを中心として関連度を距離で示したグラフ形式にコンテンツ記憶部130から取得した情報を配置したコンテンツメニューを作成する。
【0052】
表示制御部144は、コンテンツメニュー作成部143で作成されたコンテンツメニューを表示部120に表示する。そして、表示されたコンテンツメニューからユーザが選択したコンテンツを表示部120に表示する。コンテンツメニュー作成部143を備えていない場合、表示制御部144は、通信制御部141からオンライン状態からオフライン状態に切り替わった旨の通知を受信したことに応じて、コンテンツ記憶部130からコンテンツを取得し、表示部120に表示する。コンテンツ記憶部130に複数のコンテンツが記憶されている場合には、現在地の位置情報、現在時刻、予め設定された優先順位、記憶された日付順等によって、表示制御部144は、取得するコンテンツを選択する。
【0053】
取得要求部145は、通信制御部141からオンライン状態からオフライン状態に切り替わった旨の通知を受信したことに応じて、表示部120に表示されていたコンテンツがネットワークに送信した取得要求を通信部110から取得し、一時記憶する。ところで、取得要求には、要求先と要求内容とが少なくとも含まれ、例えば、HTTPリクエストである。そして、取得要求部145は、通信制御部141から再度オンライン状態になった旨の通知を受信したことに応じて、一時記憶している取得要求を通信部110を介してネットワークに送信する。
【0054】
選択メニュー作成部146は、取得要求部145が通信部110を介してネットワークに送信した取得要求に対する応答を受信したことに応じて、オフライン状態になる前に表示部120に表示されていたコンテンツを表示部120に再表示するか否かをユーザに選択させる選択メニューを作成する。例えば、選択メニューは、例えば、コンテンツ名と再表示するか否かを選択するためのボタンとから構成される。なお、選択メニュー作成部146は、必ずしも備えていなくてもよい。
【0055】
表示制御部144に戻って、表示制御部144は、選択メニュー作成部146で作成された選択メニューを表示部120に表示する。そして、表示された選択メニューでユーザが再表示する旨を選択したことに応じて、オフライン状態になる前に表示部120に表示されていたコンテンツを、取得要求部145が送信した取得要求への応答を反映させた状態で表示部120に表示する。なお、表示された選択メニューでユーザが再表示する旨を選択しなかった場合には、表示部120に表示されているコンテンツを表示し続け、取得要求部145が送信した取得要求への応答を一時記憶しておいてもよい。一時記憶された応答は、ユーザから再び同様の取得要求が行われたといった際に、読み込まれ、表示部120に表示してもよい。
【0056】
表示制御部144は、選択メニュー作成部146で選択メニューが作成されたことに応じて、選択メニューを表示部120に表示してもよいし、選択メニュー作成部146で選択メニューが作成された後に、ユーザが画面スクロールやリンククリック等の何らかの操作を行ったことに応じて、選択メニューを表示部120に表示してもよい。
【0057】
選択メニュー作成部146を備えていない場合、表示制御部144は、取得要求部145が通信部110を介してネットワークに送信した取得要求に対する応答を受信したことに応じて、オフライン状態になる前に表示部120に表示されていたコンテンツを、取得要求部145が送信した取得要求への応答を反映させた状態で表示部120に表示する。なお、取得要求部145が通信部110を介してネットワークに送信した取得要求に対する応答を受信した後に、ユーザが画面スクロールやリンククリック等の何らかの操作を行ったことに応じて、オフライン状態になる前に表示部120に表示されていたコンテンツを、取得要求部145が送信した取得要求への応答を反映させた状態で表示部120に表示してもよい。あるいは、表示制御部144は、表示部120に表示されているコンテンツを表示し続け、取得要求部145が送信した取得要求への応答を一時記憶しておいてもよい。一時記憶された応答は、ユーザから再び同様の取得要求が行われたといった際に、読み込まれ、表示部120に表示してもよい。
【0058】
表示制御部144は、取得要求部145が送信した取得要求への応答を反映させた、オフライン状態になる前に表示部120に表示されていたコンテンツ(以下、再表示コンテンツという。)に表示部120の表示を切り替える方法としては、例えば、2つある。1つ目は、取得要求部145が通信部110を介してネットワークに送信した取得要求に対する応答を受信したことに応じて、再表示コンテンツにすぐに切り替える方法である。二つ目は、取得要求部145が通信部110を介してネットワークに送信した取得要求に対する応答を受信したことに応じて、再表示コンテンツに画面端から徐々に切り替える方法である。
【0059】
<シームレスコンテンツ提供処理フロー>
図2は、本発明の第1の実施形態に係るシームレスコンテンツ提供装置100におけるシームレスコンテンツ提供処理フローを示す図である。
【0060】
まず、ステップS1において、表示切替部140の通信制御部141は、コンテンツ記憶部130に記憶されているコンテンツのうちオンライン状態で利用されるコンテンツが表示部120に表示されている際に、通信部110がネットワークと接続できなくなり、ネットワークとの接続がオンライン状態からオフライン状態に切り替わったか否かを判断する。ネットワークとの接続がオンライン状態からオフライン状態に切り替わった場合には、ステップS2に処理を進め、一方、ネットワークとの接続がオンライン状態のままである場合には、処理を戻す。
【0061】
次に、ステップS2において、表示切替部140の表示制御部144は、コンテンツ記憶部130からオフライン状態で利用できるコンテンツを取得する。
【0062】
次に、ステップS3において、表示切替部140の表示制御部144は、ステップS2で取得したコンテンツを表示部120に表示する。
【0063】
<シームレスコンテンツ提供処理フロー>
図3は、本発明の第1の実施形態に係るシームレスコンテンツ提供装置100における、バックグラウンド処理を含めたシームレスコンテンツ提供処理のフロー図である。
【0064】
まず、ステップS11において、表示切替部140の通信制御部141は、コンテンツ記憶部130に記憶されているコンテンツのうちオンライン状態で利用されるコンテンツが表示部120に表示されている際に、通信部110がネットワークと接続できなくなり、ネットワークとの接続がオンライン状態からオフライン状態に切り替わったか否かを判断する。ネットワークとの接続がオンライン状態からオフライン状態に切り替わった場合には、ステップS12およびステップS13に処理を進め、一方、ネットワークとの接続がオンライン状態のままである場合には、処理を戻す。
【0065】
次に、ステップS12において、表示切替部140の取得要求部145は、表示部120に表示されていたコンテンツがネットワークに送信した取得要求を通信部110から取得し、一時記憶する。
【0066】
次に、ステップS13において、表示切替部140の表示制御部144は、コンテンツ記憶部130からオフライン状態で利用できるコンテンツを取得する。なお、ステップS12とステップS13とは、いずれが先であっても、同時であってもよい。
【0067】
次に、ステップS14において、表示切替部140の表示制御部144は、ステップS13で取得したコンテンツを表示部120に表示する。
【0068】
次に、ステップS15において、表示切替部140の通信制御部141は、通信部110がネットワークと接続できるようになり、ネットワークとの接続がオフライン状態からオンライン状態に切り替わったか否かを判断する。ネットワークとの接続がオフライン状態からオンライン状態に切り替わった場合には、ステップS16に処理を進め、一方、ネットワークとの接続がオフライン状態のままである場合には、ステップS15に処理を戻す。
【0069】
次に、ステップS16において、表示切替部140の取得要求部145は、ステップS12で一時記憶した取得要求を、通信部110を介して、ネットワークに送信する。
【0070】
次に、ステップS17において、表示切替部140の取得要求部145は、ステップS16で送信した取得要求に対する応答を、通信部110を介して、受信する。
【0071】
次に、ステップS18において、表示切替部140の表示制御部144は、選択メニューを介して受け付けたユーザの指示や予めされている設定等に基づいて、オフライン状態になる前に表示部120に表示されていたコンテンツを再表示するか否か判断する。オフライン状態になる前に表示部120に表示されていたコンテンツを再表示すると判断した場合には、ステップS19に処理を進め、一方、再表示しないと判断した場合には、ステップS20に処理を進める。
【0072】
次に、ステップS19において、表示切替部140の表示制御部144は、オフライン状態になる前に表示部120に表示されていたコンテンツを、ステップS17で受信した応答を反映させた状態で表示部120に表示する。
【0073】
次に、ステップS20において、表示切替部140は、表示部120に表示されているコンテンツを表示し続け、ステップS17で受信した応答を一時記憶する。一時記憶された応答は、ユーザから再び同様の取得要求が行われたといった際に、一時記憶してある応答を読み込み、表示部120に表示してもよい。
【0074】
以上、説明したように、オフライン状態になった場合に、利用者に特別な操作を要求することなく、オフライン状態時でも利用可能なコンテンツを提示することができる。また、オフライン状態からオンライン状態に戻った場合に、利用者に特別な操作を要求することなく、オンライン状態で利用していたコンテンツを提示することができる。その結果、利用者にシームレスなコンテンツの利用を可能にする。
【0075】
<第2の実施形態>
図4を用いて、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、本実施形態におけるシームレスコンテンツ提供装置は、ユーザに最適なコンテンツをオフライン状態時に提供することができる。なお、第1の実施形態と同一の符号を付す構成要素については、同一の機能を有することから、その詳細な説明は省略する。
【0076】
<シームレスコンテンツ提供装置>
図4は、本発明の第2の実施形態に係るシームレスコンテンツ提供装置101の構成を示す図である。図に示すように、シームレスコンテンツ提供装置101は、利用履歴記憶部150、行動履歴記憶部160、スケジューラー170、嗜好解析部180、コンテンツ取得部190、通信部110、表示部120、コンテンツ記憶部130、および表示切替部140から構成される。なお、図4において、表示切替部140を構成する各部を記載していないが、本実施形態においても第1の実施形態と同様に各部を備えている。
【0077】
利用履歴記憶部150は、シームレスコンテンツ提供装置101で利用されたコンテンツの利用履歴を記憶する。具体的には、利用履歴記憶部150は、コンテンツを識別する情報、コンテンツが利用された時刻、コンテンツが利用された場所の位置情報等を記憶する。
【0078】
行動履歴記憶部160は、ユーザの行動履歴を取得する。具体的には、行動履歴記憶部160は、シームレスコンテンツ提供装置101が所定のタイミングにて取得した時刻、位置情報、通信状況等を記憶する。また、行動履歴記憶部160は、ユーザのスケジュールを記憶してもよい。なお、行動履歴記憶部160は、後述するスケジューラー170やコンテンツ取得部190で、ユーザの行動履歴を利用しない場合には、シームレスコンテンツ提供装置101に備えられなくてもよい。
【0079】
スケジューラー170は、利用履歴記憶部150に蓄積されている利用履歴を解析し、コンテンツを取得するスケジュールを作成する。具体的には、利用履歴記憶部150に蓄積されている利用履歴に基づいてオフライン状態となる時間帯や場所を特定し、現在の時刻や場所に基づいて、コンテンツ記憶部130に記憶するコンテンツを取得する時刻や場所を決定する。また、スケジューラー170は、利用履歴記憶部150に蓄積されている利用履歴に基づいてトラヒック特性を予測し、予測したトラヒック特性に基づいて、コンテンツ記憶部130に記憶するコンテンツを取得する時刻や位置を決定してもよい。
【0080】
また、スケジューラー170は、行動履歴記憶部160がユーザのスケジュールを記憶している場合には、ユーザのスケジュールも用いて、コンテンツ記憶部130に記憶するコンテンツを取得する時刻や場所を決定する。更に、スケジューラー170は、ユーザが操作を行っていない時やネットワークリソースやCPUリソースが空いている時に、コンテンツ記憶部130に記憶するコンテンツを取得するようにスケジュールしてもよい。
【0081】
嗜好解析部180は、利用履歴記憶部150に蓄積されている利用履歴からユーザの嗜好を解析する。具体的には、嗜好解析部180は、利用履歴記憶部150に蓄積されている情報から利用頻度の高いコンテンツを特定し、特定された利用頻度の高いコンテンツに紐付けられている属性情報やコンテンツに含まれるキーワードに基づいてユーザの嗜好を分析する。
【0082】
また、嗜好解析部180は、利用履歴記憶部150に蓄積されている情報、およびユーザが参加しているソーシャルネットワーキングサービスから取得されたユーザに関する情報に基づいて、ユーザの嗜好を解析する。例えば、ユーザがソーシャルネットワーキングサービスに投稿している内容に基づいてユーザの嗜好を解析したり、ユーザと友好度が高い人がソーシャルネットワーキングサービスに投稿している内容も用いてユーザの嗜好を解析したりする。なお、嗜好解析部180は、後述するコンテンツ取得部190で、ユーザの嗜好を利用しない場合には、シームレスコンテンツ提供装置101に備えられなくてもよい。
【0083】
コンテンツ取得部190は、スケジューラー170で作成されたスケジュールでコンテンツを取得し、コンテンツ記憶部130に記憶する。コンテンツ取得部190は、予め設定された条件に基づいてコンテンツを取得したり、行動履歴記憶部160にユーザのスケジュールが記憶されている場合には、ユーザのスケジュールから抽出されるキーワードに基づいてコンテンツを取得したりする。また、コンテンツ取得部190は、嗜好解析部180で解析されたユーザの嗜好に基づいて、コンテンツを取得する。
【0084】
以上、説明したように、本実施形態によれば、ユーザのコンテンツ利用履歴や行動履歴から、オフライン状態時に利用できるコンテンツを取得するスケジュールを作成することができる。また、ユーザの嗜好に合ったコンテンツを、オフライン状態時に利用できるコンテンツとして記憶しておくことができる。
【0085】
なお、シームレスコンテンツ提供装置の処理をコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムを機器に読み込ませ、実行することによって本発明のシームレスコンテンツ提供装置を実現することができる。ここでいうコンピュータシステムとは、OSや周辺装置等のハードウェアを含む。
【0086】
また、「コンピュータシステム」は、WWW(World Wide Web)システムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
【0087】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。更に、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0088】
以上、この発明の実施形態につき、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0089】
100 シームレスコンテンツ提供装置
110 通信部
120 表示部
130 コンテンツ記憶部
140 表示切替部
141 通信制御部
142 関連度算出部
143 コンテンツメニュー作成部
144 表示制御部
145 取得要求部
146 選択メニュー作成部
図1
図2
図3
図4