特許第5985476号(P5985476)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5985476冶金炉、特に鋼の製造のための電気炉の連続供給コンベヤによって搬送される材料の充填の方法及び制御追跡システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5985476
(24)【登録日】2016年8月12日
(45)【発行日】2016年9月6日
(54)【発明の名称】冶金炉、特に鋼の製造のための電気炉の連続供給コンベヤによって搬送される材料の充填の方法及び制御追跡システム
(51)【国際特許分類】
   C21C 5/52 20060101AFI20160823BHJP
   F27B 3/08 20060101ALI20160823BHJP
   F27B 3/18 20060101ALI20160823BHJP
   F27B 3/28 20060101ALI20160823BHJP
   F27D 21/00 20060101ALI20160823BHJP
   F27D 3/00 20060101ALI20160823BHJP
   C21B 13/12 20060101ALI20160823BHJP
【FI】
   C21C5/52
   F27B3/08
   F27B3/18
   F27B3/28
   F27D21/00 Z
   F27D3/00 Z
   C21B13/12
【請求項の数】18
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-524493(P2013-524493)
(86)(22)【出願日】2011年8月15日
(65)【公表番号】特表2013-538292(P2013-538292A)
(43)【公表日】2013年10月10日
(86)【国際出願番号】IB2011001899
(87)【国際公開番号】WO2012023029
(87)【国際公開日】20120223
【審査請求日】2014年7月9日
(31)【優先権主張番号】MI2010A001558
(32)【優先日】2010年8月18日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】509201724
【氏名又は名称】テノヴァ ソシエタ ペル アチオニ
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103609
【弁理士】
【氏名又は名称】井野 砂里
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123607
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 徹
(72)【発明者】
【氏名】アサンテ フランチェスコ アルベールト マリア
(72)【発明者】
【氏名】ジレッリ レナート
(72)【発明者】
【氏名】レアリ シルヴィオ マリア
【審査官】 深草 祐一
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第06004504(US,A)
【文献】 国際公開第2010/086379(WO,A1)
【文献】 特開2010−007178(JP,A)
【文献】 特表2002−538295(JP,A)
【文献】 特開昭52−020308(JP,A)
【文献】 特表平08−504734(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C21C 5/52−5/54
C21B 13/12
F27B 3/00−3/28
F27D 21/00−21/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋼の製造のための電気炉(3)の連続供給コンベヤ(2)によって搬送される充填材料の制御及び追跡方法であって、
前記連続供給コンベヤ(2)は、その入口端からその出口端に向かって順番に、前記炉(3)に供給される充填材料を堆積させる堆積セクション(2A)、堆積させた充填材料を予熱する予熱セクション(2B)、及び予熱された充填材料を前記炉(3)に導入する導入セクション(2C)を含み、前記堆積セクション(2A)に沿って、充填材料の少なくとも1番目の堆積ステーション(200)が設けられ、前記方法は、
(a)1番目の堆積ステーション(200)に堆積させる1番目の充填材料部分の類型及び重量を、予め決められた充填レシピの関数(100)を用いて決定するステップ(101)と、
(b)1番目の堆積ステーション(200)に1番目の充填材料部分を供給するステップ(102)と、
(c)1番目の充填材料部分の重量を検出するステップ(103)と、
(d)1番目の充填材料部分(C1)を前記連続供給コンベヤ(2)上に排出するステップ(104)と、
(e)1番目の充填材料部分(C1)を、識別手段(M1、M1’、M1’’)を用いてマーキングするステップ(105)と、
(f)前記連続供給コンベヤ(2)上に排出された1番目の充填材料部分(C1)の全体寸法を検出するステップ(106)と、
(g)前記連続供給コンベヤ(2)の堆積セクション(2A)に沿う1番目の充填材料部分(C1)の前進速度を見積り、存在すれば2番目以降の充填材料部分の堆積ステーション(200n)又は前記予熱セクション(2B)に入る1番目の充填材料部分(C1)の到着時間を見積るステップ(107、108)と、
(h)前記予熱セクション(2B)への入口の近くで、前記連続供給コンベヤ(2)上に排出された充填材料における1番目の充填材料部分(C1)及び存在すれば前記連続供給コンベヤ(2)上に続いて排出された追加の充填材料部分(Cn)を、それぞれの識別手段(M1、Mn)を用いて認識するステップ(115)と、
(l)前記予熱セクション(2B)に沿う、前記連続供給コンベヤ(2)上に排出された1番目の充填材料部分(C1)及び存在すれば追加の充填材料部分(Cn)の前進速度を見積り、かかる充填材料部分の前記炉(3)への前記導入セクション(2C)へのそれぞれの到着時間を見積るステップ(117、118)と、を含む方法。
【請求項2】
さらに、
(i)前記予熱セクション(2B)への入口において、1番目の充填材料部分(C1)及び存在すれば前記連続供給コンベヤ(2)上に続いて排出される追加の充填材料部分(Cn)を含む前記充填材料の実際の全体寸法を検出するステップ(116)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
n≧2である場合、前記堆積セクション(2A)に沿って、前記堆積ステーション(200)に続いて少なくともn番目の堆積ステーション(200n)が設けられ、前記方法は、
(a’)n番目の堆積ステーション(200n)に堆積させるn番目の充填材料部分(Cn)の種類及び重量を、予め決められた充填レシピの関数(100)を用いて決定するステップ(101)と、
(b’)n番目の堆積ステーション(200n)にn番目の充填材料部分(Cn)を供給するステップ(102’)と、
(c’)n番目の充填材料部分(Cn)の重量を検出するステップ(103’)と、
(d’)n番目の充填材料部分(Cn)を前記連続供給コンベヤ(2)上に排出するステップ(104’)と、
(e’)識別手段(Mn)を用いて、n番目の充填材料部分(Cn)をマーキングするステップ(105’)と、
(f’)前記連続供給コンベヤ(2)上に排出され、かつ、前記n番目の堆積ステーション(200n)から出た充填材料の全体寸法を検出するステップ(106’)と、
(g’)前記連続供給コンベヤ(2)上に排出され、且つ、前記堆積セクション(2A)に沿うn番目の堆積ステーション(200n)から出た充填材料の前進速度、及び、n番目の堆積ステーション(200n)から出て、存在すれば次の堆積セクション(200n+1)に入る又は前記予熱セクション(2B)に入る充填材料の到着時間を見積るステップ(107’、108’)と、を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
排出する前記ステップ(d’)の前に、
(I)n番目の堆積ステーション(200n)に入る充填材料において、それ以前の堆積ステーションで排出された(n−1)個の充填材料部分(Cn)を、それぞれの識別手段(M1、Mn)を用いて認識するステップ(112)と、
(II)n番目の堆積ステーション(200n)に入る充填材料の実際の全体寸法を検出するステップ(100)と、
(III)n番目の堆積ステーション(200n)に入る充填材料の前記全体寸法及び前記連続供給コンベヤ(2)上に以前に排出された(n−1)個の充填材料部分の分布の関数を用いて、n番目の堆積ステーション(200n)に入る充填材料部分に対するn番目の充填材料部分の排出を行う排出位置を見積るステップと、
(IV)前記堆積セクション(2A)に沿ってn番目の堆積ステーション(200n)に入る充填材料の前進速度、及び、かかる充填材料のn番目の堆積ステーション(200n)の見積った前記排出位置への到着時間を見積るステップ(111)と、
(V)前記排出位置とn番目の堆積ステーション(200n)との間の一致を確認するステップ(113)と、を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
さらに、
(m)前記ステップa〜l、前記ステップa’〜g’における見積り、検出したデータの関数を用いて、予め決められた時間間隔で前記炉(3)に導入され且つ処理される充填材料の重量及び種類を見積るステップ(119)を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
さらに、
(n)前記炉から取出される溶融金属の重量を検出するステップ(122)と、
(o)前記炉(3)に導入され且つ処理された充填材料の歩留まりを見積るステップ(123)と、
(p)次の溶融金属の充填レシピを決定するステップ(100)と、を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
1番目の充填材料部分の密度及びn番目の充填材料部分の密度を、検出されたそれらの重量及び全体寸法の関数を用いて見積るステップを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
マーキングする前記ステップ(e)及び(e’)は、それぞれの電磁波放射体を、1番目の充填材料部分(C1)及び存在すれば2番目以降のn番目の充填材料部分(Cn)に結合させるステップを含み、
1番目の充填材料部分及びn番目の充填材料部分を認識する前記ステップは、それぞれの電磁波放射体から放射された電磁波を受信して認識するステップを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
1番目の充填材料部分の全体寸法を検出する前記ステップ(f)、n番目の堆積ステーションに入る充填材料の全体寸法を検出する前記ステップ(II)、n番目の堆積ステーションから出る充填材料の全体寸法を検出する前記ステップ(f’)、及び前記予熱セクションに入る充填材料の全体寸法を検出する前記ステップ(i)は、少なくとも前記連続供給コンベヤの前進方向に対して横断方向の平面上の充填材料の輪郭の取得を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記堆積セクション(2A)に沿う1番目の充填材料部分の前進速度を見積る前記ステップ(g)、n番目の堆積ステーション(200n)に入る充填材料の前進速度を見積る前記ステップ(IV)、n番目の堆積ステーション(200n)から出る充填材料の前進速度を見積る前記ステップ(g’)、及び前記予熱セクションに沿って前進する充填材料の前進速度を見積るステップ(l)は、1番目の堆積ステーションから出る充填材料、n番目の堆積ステーションから出る充填材料、n番目の堆積ステーションに入る充填材料、及び前記予熱セクションに入る充填材料の一連の連続する画像を遅延時間において取得するステップと、取得した画像及び時間データを相関させて処理し、前記前進速度の見積りを得るステップと、を含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
鋼の製造のための電気炉(3)の連続供給コンベヤ(2)によって搬送される充填材料の制御及び追跡システム(1)であって、
前記連続供給コンベヤ(2)は、その入口端からその出口端に向かって順番に、前記炉(3)に供給される充填材料を堆積させる堆積セクション(2A)、堆積させた充填材料を予熱する予熱セクション(2B)、及び予熱された充填材料を前記炉(3)に導入する導入セクション(2C)を含み、前記堆積セクション(2A)に沿って、充填材料の少なくとも1番目の堆積ステーション(200)が設けられ、前記システムは、
1番目の堆積ステーション(200)のところに、前記連続供給コンベヤ(2)に差し向けられた少なくとも1つの堆積ホッパ(201)と、前記堆積ホッパ(201)内に堆積させた充填材料の重量を検出する重量検出手段(202)と、前記堆積ホッパ(201)に供給された1番目の充填材料部分を、識別手段(M1)を用いてマーキングするマーキング手段(203)と、前記連続供給コンベヤ(2)上に排出された1番目の充填材料部分(C1)の全体寸法を検出する全体寸法検出手段(205)と、前記連続供給コンベヤ(2)の堆積セクション(2A)に沿う1番目の充填材料部分(C1)の前進速度を検出する前進速度検出手段(206)と、を有し、
前記予熱セクション(2B)への入口の近くに、前記連続供給コンベヤ(2)上に排出された充填材料における1番目の充填材料部分(C1)及び存在すれば前記連続供給コンベヤ(2)上に続いて排出されるさらなる充填材料部分(Cn)を、それぞれの前記識別手段(M1、Mn)を用いて認識する認識手段(240)を有し、
さらに、処理及び制御ユニット(10)を有し、前記処理及び制御ユニット(10)は、1番目の堆積ステーション(200)の堆積ホッパ(201)内に堆積されるべき少なくとも1番目の充填材料部分(C1)の種類及び重量を、予め決められた充填レシピの関数を用いて決定するように構成され、前記重量検出手段(202)、前記全体寸法検出手段(205)、前記前進速度検出手段(206)及び前記認識手段(240)によって検出されたデータを処理するように構成され、それにより、1番目の充填材料部分(C1)の実際の位置、1番目の充填材料部分(C1)の前記堆積セクション(2A)に沿う前進速度、存在すれば1番目の充填材料部分(C1)が追加の充填材料部分の堆積ステーション(200n)又は前記予熱セクション(2B)に入る到着時間、及び1番目の充填材料部分及び存在すれば前記連続供給コンベヤ上に続いて排出される追加の充填材料部分の実際の位置、追加の充填材料部分の前記予熱セクション(2B)に沿う前進速度、及び追加の充填材料部分の前記炉(3)への前記導入セクション(2C)への前記到着時間を見積る、システム(1)。
【請求項12】
さらに、前記予熱セクション(2B)に入るところに、1番目の充填材料部分及び存在すれば前記連続供給コンベヤ(2)上に続いて排出される追加の充填材料部分(Cn)を含む充填材料の実際の全体寸法を検出する全体寸法検出手段(250)と、1番目の充填材料部分及び存在すれば前記連続供給コンベヤ(2)上に続いて排出される追加の充填材料部分(Cn)の前進速度を検出する前進速度検出手段(260)と、を有する請求項11に記載のシステム(1)。
【請求項13】
n≧2である場合、前記堆積セクション(2A)に沿って、前記堆積ステーション(200)に続いて少なくともn番目の堆積ステーション(200n)が設けられ、前記システムは、
n番目の堆積ステーション(200n)において前記連続供給コンベヤ(2)に差し向けられる少なくとも1つのn番目の堆積ホッパ(201n)と、
n番目のホッパ(201n)内に堆積させた充填材料の重量を検出する重量検出手段(202n)と、n番目のホッパ(201n)に供給されたn番目の充填材料部分(Cn)を、識別手段(Mn)を用いてマーキングするマーキング手段(203n)と、n番目の堆積ステーション(200n)を出た充填材料の全体寸法を検出する全体寸法検出手段(205n)と、n番目の堆積ステーション(200n)を出た充填材料の前記堆積セクション(2A)に沿う前進速度を検出する前進速度検出手段(206n)と、を有し、
前記処理及び制御ユニット(10)は、n番目の充填ステーション(200n)に堆積させるn番目の充填材料部分(Cn)の種類及び重量を、予め決められた前記充填レシピの関数を用いて決定するように構成され、存在すればn番目の堆積ステーションを出る充填材料の前記堆積セクションに沿う前進速度、及び、追加の充填材料部分の追加の堆積ステーション又は前記予熱セクションに入る到着時間を見積るように構成される、請求項11又は12に記載のシステム(1)。
【請求項14】
さらに、前記連続供給コンベヤ(2)の前進方向に関してn番目の堆積ホッパ(201n)の上流に、n番目の堆積ステーション(200n)に入る充填材料におけるそれ以前の堆積ステーションで排出された(n−1)個の充填材料部分を、識別手段(M1〜Mn−1)を用いて認識する認識手段(204n)と、n番目の堆積ステーション(200n)に入る充填材料の実際の全体寸法を検出する全体寸法検出手段(215n)と、n番目の堆積ステーション(200n)に入る充填材料の前記堆積セクション(2A)に沿う前進速度を検出する前進速度検出手段(216n)と、を有し、
前記処理及び制御ユニット(10)は、n番目の堆積ステーション(200n)に入る充填材料について、n番目の堆積ステーション(200n)に入る充填材料の実際の全体寸法及びそれ以前に前記連続供給コンベヤ(2)上に排出された(n−1)個の充填材料部分の分布の関数を用いて、n番目の充填材料部分(Cn)の排出を行う排出位置を見積るように構成され、n番目の堆積ステーション(200n)の見積った前記排出位置への到着時間を見積るように構成され、前記排出位置とn番目の堆積ステーションとの一致を確認するように構成される、請求項13に記載のシステム(1)。
【請求項15】
前記全体寸法検出手段(205、205n、250、215n)及び前記前進速度検出手段(206、206n、260、216)は、前記連続供給コンベヤ上に存在する充填材料の画像を取得するための手段、又は光学走査手段、レーダー、レーザ又は同様のものを含む、請求項11〜14のいずれか1項に記載のシステム(1)。
【請求項16】
前記全体寸法検出手段(205、205n、250、215)は、少なくとも前記連続供給コンベヤの前進方向に対して横断方向の平面上の充填材料の輪郭を取得するための手段を含む、請求項11〜15のいずれかに記載のシステム(1)。
【請求項17】
前記前進速度検出手段(206、206n、260、216)は、充填材料の一連の連続画像を遅延時間において取得する手段を含み、
前記処理及び制御ユニット(10)は、前記前進速度の見積りを得るために、前記連続画像及び前記取得された時間データを相関させ且つ処理するように構成される、請求項11〜16のいずれか1項に記載のシステム(1)。
【請求項18】
前記マーキング手段(203、203n)は、電磁波放射の放射体の種類を識別するために、1番目の充填材料部分及び存在すれば2番目以降のn番目の充填材料部分のそれぞれの手段と関連付けるための手段を含み、
前記認識手段は、前記それぞれの放射体から放射される電磁波を受ける手段を有する、請求項11〜17のいずれか1項に記載のシステム(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冶金炉、特に鋼の製造のための電気炉の連続供給コンベヤによって搬送される材料の充填の方法及び制御追跡システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電気アーク炉(EAF)を用いて鋼を製造する技術が確立されており、かかる技術は、異なる種類の材料(鉄鉱物、還元鉄、屑鉄/屑鋼等)を、異なる比率で含む充填混合物から始まり、かかる比率は、得ることを望む鋼の種類及び質の関数である。
【0003】
炉への充填材料の供給は、非連続的であってもよいし、連続的であってもよい。
【0004】
Poscoへの特許文献1、GN Kinematics Corp.への特許文献2、Sibag Schmid Industrieberatungへの特許文献3は各々、充填材料を冶金炉に非連続的な方法で供給するための装置、及び充填材料の単一の供給バッチを制御するための関連システムを説明する。
【0005】
対照的に、本発明は、例えば、特許文献4に説明されるような装置により、冶金炉、特に鋼の製造のための電気炉に連続的に供給される材料の充填の方法、制御及び追跡システムに関し、特許文献4の内容を本明細書に援用する。
【0006】
例えば特許文献4に説明されるような供給装置は、一般的に、炉と平行に延び、入口端と、炉の一方の側に設けられた供給口付近に配置された出口端とを有しており、例えば、振動型又はベルト型の連続コンベヤを含む。
【0007】
連続コンベヤに沿って、入口端から出口端に向かって順番に、炉に供給される充填材料を堆積させる堆積セクション、堆積させた充填材料を予熱する予熱セクション、及び予熱された充填材料を炉に導入する導入セクションが設けられる。
【0008】
堆積セクションにおいて、取扱う充填材料は、クレーン式又はマニピュレータ・アーム式の適切な操作装置を用いて、連続コンベヤ上に堆積される。
【0009】
予熱セクションは、閉じたトンネルからなり、その内部の充填材料が、適切な燃焼器によって発生させた熱によって及び/又は炉から出るフュームから直接的に又は間接的に回収された熱によって、実際に予熱される。
【0010】
予熱された充填材料を炉内に導入する導入セクションは、炉の供給口に可動式に接続された、連続コンベヤと炉を接続するための装置を含む。
【0011】
一般に、鋼を製造するための技術及び充填材料の連続供給に関する技術により、特に、連続コンベヤによって搬送された充填材料が供給される炉のるつぼにおいて所定の最低レベルの液体金属が保持される。
【0012】
こうした状況において、特に、任意の単一の充填材料の歩留まりを検証し、かつ、取得することを望む鋼の品質の関数における充填材料の組成を最適化できることの必要性が特に感じられる。
【0013】
David J.Joseph Companyへの特許文献5から、冶金炉に連続供給される充填材料の重量を求め、組成を分析するためのシステムが知られており、ここで、組成の分析は、いわゆる「即発ガンマ線中性子放射化分析」(Prompt Gamma−Ray Neutron Activation Analysis、PGNAA)形式の分析装置を用いて行われる。しかしながら、こうしたシステムは、こうした分析装置の複雑さ及び据付け及び管理コスト、並びに、こうした分析装置が動作しなければならない冶金現場の劣悪な安全条件の両方が原因で、産業レベルでの実施が困難である。
【0014】
Techint Compagnia Tecnica Internazionaleへの特許文献6から、連続的に鋼を製造するための工程を制御するための方法及び装置が知られており、ここでは、予熱セクションの入口の近傍において、対応する堆積セクションに沿って連続コンベヤ上に以前に供給された充填材料の重量及び前進速度を検出する手段が配置される。検出された堆積物の重量及び前進速度を用いて、炉に供給される充填材料の流量を見積り、炉内に挿入される熱及びレベル・プローブにより検出された信号の関数を用いて、同様に炉内の浴レベルも見積る。
【0015】
しかしながら、特許文献6に説明される方法及び制御装置により、炉に徐々に供給される充填材料の類型又は構造的特徴(質/組成)を見つけることはできず、従って、それぞれの歩留まりを評価すること、及び、結果として、得ることを望む鋼の質の関数を用いて、溶融金属のレシピに介入することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】韓国特許第100685049号明細書
【特許文献2】米国特許第4,579,524号明細書
【特許文献3】欧州特許第0526664号明細書
【特許文献4】米国特許第6,450,804号明細書
【特許文献5】米国特許第5,948,137号明細書
【特許文献6】米国特許第6,004,504号明細書
【特許文献7】欧州特許第1872074号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の目的は、前述の従来技術の欠点を回避することを可能にする、冶金炉、特に鋼の製造のための電気炉の連続供給コンベヤにより搬送された材料の充填の方法及び制御及び追跡システムを提供することにある。
【0018】
かかる一般的な目的の分野において、本発明の1つの目的は、冶金炉に供給される充填材料を質(種類)及び量に関して十分な精度で見積ること、及び、充填材料が炉自体に導入される時間を十分な精度で見積ることを可能にする、冶金炉、特に鋼の製造のための電気炉の連続供給コンベヤにより搬送される材料の充填の方法及び制御及び追跡システムを提供することにある。
【0019】
本発明の別の目的は、各充填材料の歩留まりを見積ること、及び、充填材料の異なる質(種類)及び量の堆積を、溶融金属のレシピ及び得ることを望む鋼の質の関数を用いて柔軟な方法で管理することを可能にする、冶金炉、特に鋼の製造のための電気炉の連続供給コンベヤにより搬送される材料の充填の方法及び制御及び追跡システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明によるこれらの目的は、請求項1に概説されるように、冶金炉、特に鋼の製造のための電気炉の連続供給コンベヤにより搬送される材料の充填の方法及び制御及び追跡システムを実現することにより達成される。
【0021】
さらなる特徴が、従属請求項2〜10において与えられる。
【0022】
これらの目的は、請求項11に概説されるように、冶金炉、特に鋼の製造のための電気炉の連続供給コンベヤにより搬送される材料の充填の方法及び制御及び追跡システムによりさらに達成される。
【0023】
さらなる特徴が、従属請求項12〜18において与えられる。
【0024】
本発明による、冶金炉、特に鋼の製造のための電気炉の連続供給コンベヤにより搬送される材料の充填の方法及び制御及び追跡システムの特徴及び利点は、添付する概略的な図面を参照して、例証となる限定的ではない以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】電気アーク炉の連続供給コンベヤに適用された本発明によるシステムの概略的な側面図である。
図2】引続いて異なる充填材料部分を多くの異なる堆積ステーションにおいて連続コンベヤ上に堆積させる堆積ステップを概略的に示す。
図3】引続いて異なる充填材料部分を多くの異なる堆積ステーションにおいて連続コンベヤ上に堆積させる堆積ステップを概略的に示す。
図4】引続いて異なる充填材料部分を多くの異なる堆積ステーションにおいて連続コンベヤ上に堆積させる堆積ステップを概略的に示す。
図5】本発明による方法のブロックダイヤグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図を参照すると、冶金炉3、特に鋼を製造するための電気炉に、充填材料を供給するための連続コンベヤ2によって搬送される充填材料の制御及び追跡システム1が示されている。
【0027】
炉3は、限定ではないが、電気アーク炉であることが好ましいが、誘導型又はプラズマ型の炉であってもよい。
【0028】
コンベヤ2は、限定ではないが、振動型のコンベヤであることが好ましいが、ベルト型又はそれと類似したコンベヤであってもよい。
【0029】
コンベヤ2は、入口端から出口端に向かって順番に、炉3に供給すべき充填材料を堆積させる堆積セクション2Aと、堆積させた充填材料を予熱する予熱セクション2Bと、予熱された充填材料を炉3に導入する導入セクション2Cを含んでいる。
【0030】
堆積セクション2Aに沿って、充填材料の少なくとも1番目の堆積ステーション200と、2番目以降の1つ又は2つ以上のn番目の堆積ステーション200nが設けられる。
【0031】
堆積セクション2Aの下流に、予熱セクション2Bが設けられ、予熱セクション2Bは、通常、閉じたトンネル4からなり、充填材料は、予熱セクション2Bにおいて、適切な燃焼器によって発生させた熱によって及び/又は炉3から出るフューム(fume)から直接的に又は間接的に回収された熱によって予熱される。
【0032】
予熱セクション2Bの出口は、導入セクション2Cに結合され、導入セクション2Cは、典型的には、炉3の一方の側に設けられた供給口6に連結するための装置5を含む。
【0033】
コンベヤ2、炉3、堆積セクション2A、予熱セクション2B、及び導入セクション2Cは、例えば特許文献4に説明されるように既知の形式のものであるため、これ以上詳細には説明せず、特許文献4の内容を本明細書に援用する。
【0034】
1番目の堆積ステーション200及び2番目以降のn番目の堆積ステーション200nの各々のところにそれぞれ、コンベヤ2に属する固定式又は可動式の堆積ホッパ201、201nが設けられている。
【0035】
1番目のホッパ201及び2番目以降のn番目のホッパ201nの各々は、その中の充填材料の重量を検出するそれぞれの重量検出手段202、202nと結合され、充填材料は、製鉄所に通常装備されている堆積装置によって堆積され、かかる堆積装置は、例えば、クレーンホイスト7を有する型のもの等である。
【0036】
重量検出手段202、202nは、例えば、センサ、堆積セル及びそれと類似したものからなる。
【0037】
1番目のホッパ201のところに、さらに、それによってコンベヤ2上に排出された1番目の充填材料部分C1のマーキング手段203が設けられ、2番目以降のn番目のホッパ201nの各々のところに、さらに、それによってコンベヤ2上に排出された2番目以降のn番目の充填材料部分Cnのそれぞれのマーキング手段203nが設けられ、マーキング手段203、203nは、識別手段M1、Mnを利用する。
【0038】
識別手段M1、Mnは、例えば、電磁波放射体からなるのがよく、充填材料部分の各々が複数の異なる材料からなる場合、各充填材料をそれぞれの識別手段M1、M1’、M1’’、M1’’’及びMn、Mn’、Mn’’、Mn’’’等でマーキングするのがよい。
【0039】
n番目の堆積ステーション200nの各々の入口のところにそれぞれ、それ以前の堆積ステーションで排出された(n−1)個の充填材料部分の認識手段204nが設けられ、認識手段204nは、入口に入る充填材料の堆積物の中に設けられた識別手段M1、Mnを利用する。
【0040】
類似の認識手段240が、予熱セクション2Bの入口に設けられる。
【0041】
識別手段M1、Mnが電磁波放射型のものである場合、認識手段200、204nは受信型のものである。
【0042】
しかしながら、例えば、異なる充填材料部分への適用、又は、適切な塗料の各充填材料部分を形成する異なる材料への適用に基づく異なる識別及び認識手段は排除されない。
【0043】
コンベヤ2の前進方向に対して、1番目のホッパ201の下流に、1番目の充填材料部分C1の全体寸法を検出するための全体寸法検出手段205が配置され、2番目以降のn番目のホッパ201nの各々の下流に、2番目以降のn番目の充填材料部分の各々の全体寸法、すなわち、コンベヤ2上に設けられているn番目の堆積ステーション200nから出た充填材料部分の全体寸法を検出するための全体寸法検出手段205nが配置される。
【0044】
全体寸法を検出するための類似の全体寸法検出手段215n、250が、n番目の堆積ステーション200nの各々の入口及び予熱セクション2Bの入口に配置される。
【0045】
全体寸法検出手段205、205n、215n、250はそれぞれ、コンベヤ2の前進方向に対して横断方向の少なくとも1つの平面上で、1番目の堆積ステーション200から出た1番目の充填材料部分C1の輪郭、2番目以降のn番目の堆積ステーション200nの各々から出た充填材料の輪郭、n番目の堆積ステーション200nに入る充填材料の輪郭、予熱セクション2Bに入る充填材料の輪郭を取得するための手段を含む。
【0046】
好ましい実施形態では、コンベヤ2上に存在している充填材料の輪郭を取得するための手段は、レーダー走査式のものである。しかしながら、例えば、光学式又はレーザ走査式等の変形実施形態も排除されない。
【0047】
コンベヤ2の堆積セクション2Aに沿って、コンベヤ2の前進方向に対して、1番目のホッパ201の下流に、1番目の充填材料部分C1の前進速度を検出するための前進速度検出手段206が配置され、2番目以降のn番目のホッパ201nの各々の下流に、2番目以降のn番目の充填材料部分Cnの各々の前進速度、すなわち、n番目の堆積ステーション200nから出る充填材料の前進速度を検出するための前進速度検出手段206nが配置される。
【0048】
充填材料の前進速度を検出するための類似の前進速度検出手段216n、260がそれぞれ、n番目の堆積ステーション200nの各々の入口及び予熱セクション2Bの入口に配置される。
【0049】
好ましい実施形態では、1番目の充填材料部分C1の前進速度検出手段206、n番目の堆積ステーション200nから出た充填材料の前進速度検出手段206n、n番目の堆積ステーション200nに入る充填材料の前進速度検出手段216n、予熱セクション2Bに入る充填材料の前進速度検出手段260は、それぞれの充填材料の複数の画像を遅れて取得するための手段を含み、また、画像及び相対的な取得時間は、適切な組成及び処理アルゴリズムを介して相互に結合され且つ処理され、それにより、それぞれの充填材料の前進速度の見積りを得る。
【0050】
しかしながら、例えば、ある形式の放射装置及びレーザ装置等の種類の、充填材料の前進速度検出手段の異なる実施形態も排除されない。
【0051】
充填材料の前進速度検出手段が、充填材料自体の一連の画像の取得に基づく種類のものである場合、かかる画像は、その充填材料、それらを形成する部分、又は各部分を形成する異なる材料のサイズ及び全体寸法に関する情報を取得するために使用され且つ処理されてもよい。
【0052】
さらに、充填材料の前進速度検出手段が充填材料自体の一連の画像の取得に基づく場合、充填材料の全体寸法検出手段が、同一の充填材料の前進速度検出手段と実際に一致してもよいことは排除されない。
【0053】
また、システム1は、処理及び制御ユニット10を有し、処理及び制御ユニット10は、入口のところで、重量検出手段202、202n、マーキング手段203、203n、認識手段204n、240、全体寸法検出手段205、205n、215n、250、及び前進速度検出手段206、206n、216n、260の各々が送信した検出データ及び信号を受信する。
【0054】
処理及び制御ユニット10は、さらに、炉3から出された溶融金属の重量を検出するために炉3から出された溶融金属を回収する取鍋と結合された重量検出手段(詳細には図示せず)が送信した信号、又は、例えば特許文献7に記載されているように炉から出された量(差)を利用する炉の重量測定システムが送信した信号を入口のところで受信する。
【0055】
処理及び制御ユニット10は、さらに、溶融金属のレシピの記録を含むメモリ手段(図示せず)、及び、充填材料を供給する際に作動する堆積装置(クレーンホイスト7)を制御し且つ駆動する手段(図示せず)と結合される。
【0056】
以下、特に図5のブロックダイヤグラム及び図2図4に示した一連のステップを参照して、上述したシステムによって実施される本発明による方法を説明する。
【0057】
得るべきn番目の溶融金属のために予め決められた充填レシピを設定すると(図5のステップ100)、予め決められたレシピを得るために、処理及び制御ユニット10は、1番目の堆積ステーション200に堆積させるべき1番目の充填材料部分C1の類型及び重量、及び、存在すれば2番目以降のn番目の堆積ステーション200nに堆積させるべきn番目の充填材料部分Cnの各々の類型及び重量を決定する(ステップa及びa’;図5のステップ101)。
【0058】
量及び質について上述したように確立された異なる充填材料部分C1〜Cnへの充填材料の分割に基づいて、堆積装置(クレーンホイスト7)は、1番目の充填材料部分を1番目の堆積ステーション200の1番目のホッパ201に供給し(ステップb;図5のステップ102)、重量検出手段202は、1番目の充填材料部分の実際の重量を検出する(ステップc)。
【0059】
検出された実際の重量が、ステップaで決定された値に到達したら(図5のステップ103)、1番目の充填材料部分C1をコンベヤ2の上に排出する(ステップd;図5のステップ104)。
【0060】
マーキング手段203は、1番目の充填材料部分C1に、識別手段M1を結合させ(ステップe;図5のステップ105)、又は、例えば1番目の充填材料部分C1が複数の異なる材料を含む場合には、識別手段M1、M1’、M1’’、M1’’’を結合させる。
【0061】
次いで、全体寸法を検出する全体寸法検出手段205が、1番目の堆積ステーション200の出口において、1番目の充填材料部分C1の全体的な2次元又は3次元寸法を検出し(ステップf;図5のステップ106)、速度を検出する速度検出手段206が、コンベヤ2の堆積セクション2Aに沿う1番目の充填材料部分C1の前進速度を検出し又はそれを見積ることを可能にし(ステップg;図5のステップ107)、存在すれば2番目以降のn番目の充填材料部分Cnのn番目の堆積ステーション200nに入る又は予熱セクション2Bに入る1番目の充填材料部分C1の到着時間を検出し又はそれを見積ることを可能にする(ステップg;図5のステップ108)。
【0062】
存在すれば2番目以降のn番目の堆積ステーション200n及び前記予熱セクション2Bに入る充填材料部分C1の到着時間の見積りは、見積った前進速度とコンベヤ2の長さを処理することによって行われ、コンベヤ2の長さは、1番目の堆積ステーション200と、n番目の堆積ステーション200nの入口又は予熱セクション2Bの入口の間の距離である。
【0063】
さらにn番目(n≧2)の堆積ステーション200nが設けられる場合、コンベヤ2上に排出した1番目の充填材料部分又は(n−1)個の充填材料部分は、n番目の堆積ステーション200nに向かって前進する(図5のステップ109)。
【0064】
n番目の堆積ステーション200nの入口のところで、それ以前の堆積ステーションで排出された(n−1)個の充填材料部分を、識別手段M1、Mnを用いるそれぞれの認識手段204nによって識別する(ステップI;図5のステップ112)。
【0065】
全体寸法検出手段215nは、常に、n番目の堆積ステーション200nの入口のところで、そこに入る充填材料の実際の全体寸法を検出する(ステップII;図5のステップ110)。
【0066】
次いで、n番目の堆積ステーション200nに入る充填材料の実際の全体寸法及びコンベヤ2上に以前に排出された(n−1)個の充填材料部分の分布の関数を用いて、n番目の堆積ステーション200nに入る充填材料部分に対するn番目の充填材料部分Cnの排出を行う排出位置を見積る(ステップIII)。
【0067】
前進速度検出手段216nは、常に、n番目の堆積ステーション200nの入口のところで、堆積セクション2Aに沿うn番目の堆積ステーション200nに入る充填材料部分の前進速度、及び、n番目の堆積ステーション200nのところで見積った排出位置への到着時間を検出し又は見積ることを可能にする(ステップIV;図5のステップ111)。
【0068】
n番目の堆積ステーションに入る充填材料の位置が、見積った排出位置と一致したら、n番目の充填材料部分Cnをコンベヤ2上に排出する(ステップV;図5のステップ113)。
【0069】
n番目の堆積ステーション200nごとに、1番目の堆積ステーション200と類似する仕方で、処理及び制御ユニット10によって確立された異なる充填材料部分C1〜Cnにおける充填材料の量及び質に関する分割に基づいて、堆積装置(クレーンホイスト7)は、n番目の充填材料部分Cnをn番目の堆積ステーション200nのn番目のホッパ201nに供給し(ステップb’;図5のステップ102’)、重量を検出するための手段202nは、n番目の充填材料部分Cnの実際の重量を検出する(ステップc’)。
【0070】
検出された実際の重量が、ステップa’(図5のステップ103’)で決定された値に到達したら、n番目の充填材料部分Cnをコンベヤ2の上に排出する(ステップd’;図5のステップ104’)。
【0071】
マーキング手段203は、それぞれの識別手段Mnとn番目の充填材料部分Cnを結合させる(ステップe’;図5のステップ105’)。
【0072】
次いで、全体寸法検出手段205nは、n番目の充填材料部分Cn、すなわち、n番目の堆積ステーション200nから出る充填材料の二次元又は三次元の全体寸法を検出し(ステップf’;図5のステップ106’)、前進速度検出手段206nは、コンベヤ2の堆積セクション2Aに沿うn番目の充填材料部分Cn、すなわち、n番目の堆積ステーション200nから出る充填材料の前進速度を検出し又は見積ることを可能にし(ステップg’;図5のステップ107’)、存在すればn番目の堆積ステーション200nから出る充填材料の、次の充填材料部分Cn+1の堆積ステーション200n+1又は予熱セクション2Bに入る到着時間を検出し又は見積ることを可能にする(ステップg’;図5のステップ108’)。
【0073】
種々の充填材料部分C1、C2、…Cnからなる充填材料は、最後の堆積ステーションから出て(図5のステップ114)、予熱セクション2Bに入り、充填材料部分C1、C2、…Cnの各々の種類(質)、重量、位置、実際の速度、及び相対的な全体寸法は、検出した又は見積ったデータに基づいて既知である。
【0074】
ここで、認識手段240は、コンベヤ2上に排出された充填材料において、1番目の充填材料部分C1、及び、存在すればそれ以降に追加の充填材料部分Cnをそれぞれの識別手段M1、Mnを用いて認識する。
【0075】
予熱セクション2Bの入口において、全体寸法検出手段250は、常に、充填材料の実際の全体寸法を検出し、かかる充填材料は、1番目の充填材料部分C1と、存在すればコンベヤ2上に排出された追加の充填材料部分Cnを含む(ステップi;図5のステップ116)。
【0076】
同様に、前進速度検出手段260は、コンベヤ2の堆積セクション2Aに沿う、1番目の充填材料部分C1の前進速度、存在すれば引続いて予熱セクション2Bに沿うコンベヤ2上に排出された追加の充填材料部分Cnの前進速度、及び、炉への導入セクション2Cへの相対的な到着時間を検出し又は見積ることを可能にする(ステップl;図5のステップ117及び118)。
【0077】
このような場合でも、炉3への導入セクション2Cへの充填材料又は異なる充填材料部分の到着時間を、事前に処理された充填材料部分の速度データ及びコンベヤ2の長さデータに基づいて見積る。
【0078】
単一の充填材料部分の種類(質)、重量、実際の位置、前進速度、及び全体寸法に関するデータに基づいて、炉3内に実際に導入されかつ存在している充填材料の重量及び類型を見積ることができる(ステップm;図5のステップ119)。
【0079】
単一の充填材料部分の種類(質)、重量、及び全体寸法に関するデータはまた、各単一の充填材料部分の平均密度を見積ることを可能にする。
【0080】
溶融及び精錬処理(図5のステップ120)及び溶融金属の取出し(図5のステップ121)の終わりに、溶融金属を回収する鍋又は炉と関連した重量を検出するための手段が、引き算によって直接的又は間接的に、取出された溶融金属の重量を取得する(ステップn;図5のステップ122)。
【0081】
かかるデータは、処理された充填材料の歩留まりを見積るために(ステップo;図5のステップ123)処理及び制御ユニット10により処理され、かくして、記録を形成し、この記録に基づいて、生産される鋼の質の関数を用いて溶融金属のレシピの配合を最適化することが可能である。
【0082】
次いで、次の溶融金属のレシピを決定する。
【0083】
ステップの時間系列は、説明したものと異なることがあることに留意すべきである。例えば、単一充填材料部分のマーキングは、コンベヤ2上に排出する前に行ってもよく、全体寸法の検出は、速度の検出の前に行ってもよいし、その後に行ってもよく、さらに、全体寸法及び速度の最終検出は、連続する瞬間における充填材料の一連の共通の連続画像に基づいてもよい。
【0084】
さらに、本発明による方法の各種ステップは、炉への充填材料の連続供給工程とともにリアルタイムで行われる。
【0085】
本発明による方法及びシステムにより、各堆積ステーションで連続コンベヤ上に排出された充填材料部分の類型(質)及び重量を知ることを可能にし、任意の瞬間の、堆積ステーションに沿った及びコンベヤ自体の予熱セクションに沿った、充填材料部分の位置、全体寸法及び速度を決定することを可能にし、かくして、充填材料部分の追跡を可能にする。
【0086】
かかる情報に基づいて、本発明による方法及びシステムは、具体的に、特定の間隔をおいて炉内に導入され処理される充填材料の類型(質)及び重量を見積り、それにより、歩留まりを見積ることを可能にする。
【0087】
本発明による方法及びシステムにより、連続コンベヤに沿った経路において「マーキングされた」及び「監視された」ものと同じ既知の種類(質)の特定の充填材料部分の位置、重量、全体寸法及び前進速度を、任意の瞬間に知ることができるので、本発明による方法及びシステムは、生産することを望む金属の異なる品質の関数を用いておいて、柔軟な方法で溶融金属レシピを決定し、修正し、プログラムすることを可能にする。
【0088】
品質、重量並びに寸法に関して、連続コンベヤに沿う水平方向及び垂直方向の両方における充填材料のより良い分布のために、各堆積ステーションに入ってそこから出る充填材料の全体寸法の検出、及び、単一の充填材料部分の重量の検出は、次の充填材料の選択及び位置決めの評価を可能にする。
【0089】
単一の充填材料部分の各々及び/又は組成物のマーキング、及び、連続コンベヤ全体にわたるそれら認識は、連続コンベヤに沿うそれらの前進速度の検出又は見積りと併せて、それらの実際の位置及び炉に向かう前進速度を知ること、及び、炉内で決められた時間間隔で処理される充填材料の類型及び重量を決定することを可能にする。
【0090】
このように考えられた方法及びシステムは、多数の変形例及び変更例を受入れ、これら全ては、本発明によってカバーされ、さらに、全ての詳細は、技術的に同等の要素と置き換えが可能である。実際に、使用される材料、並びに寸法は、技術ニーズに応じて、どのようなものとしてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5