(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5985489
(24)【登録日】2016年8月12日
(45)【発行日】2016年9月6日
(54)【発明の名称】壁及び対応するタンクに機器の部材を固定する方法
(51)【国際特許分類】
F17C 13/02 20060101AFI20160823BHJP
F25D 19/00 20060101ALI20160823BHJP
F25D 29/00 20060101ALI20160823BHJP
【FI】
F17C13/02 302
F25D19/00 510A
F25D29/00 A
F25D29/00 Z
【請求項の数】13
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-535485(P2013-535485)
(86)(22)【出願日】2011年10月10日
(65)【公表番号】特表2013-545045(P2013-545045A)
(43)【公表日】2013年12月19日
(86)【国際出願番号】FR2011052355
(87)【国際公開番号】WO2012056139
(87)【国際公開日】20120503
【審査請求日】2014年8月18日
(31)【優先権主張番号】1058813
(32)【優先日】2010年10月27日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】591036572
【氏名又は名称】レール・リキード−ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100088683
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100095441
【弁理士】
【氏名又は名称】白根 俊郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100119976
【弁理士】
【氏名又は名称】幸長 保次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100124394
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 立志
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(74)【代理人】
【識別番号】100111073
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 美保子
(74)【代理人】
【識別番号】100134290
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 将訓
(72)【発明者】
【氏名】バターワース、ジェームズ
【審査官】
佐野 健治
(56)【参考文献】
【文献】
特開2002−104297(JP,A)
【文献】
特開平07−237597(JP,A)
【文献】
特開平05−269896(JP,A)
【文献】
特開平08−210598(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0256960(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F17C 13/02
F25D 19/00
F25D 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
極低温酸素ダクトの又は液体酸素を収容することが意図される極低温タンクの壁(1)の内面に、装置(4)を固定する方法であって、
前記装置(4)は、配管要素、偏向壁、温度センサ若しくはレベルセンサ若しくは圧力センサ等の測定装置、又は、支持体若しくは補強材から選択される構造用部材の中の少なくとも一つを備え、
多孔材のレイヤ(3)が前記壁(1)及び前記装置(4)の間に挿入され、前記装置(4)は、前記多孔材のレイヤ(3)を介して間接的に前記壁(1)に固定され、前記多孔材のレイヤ(3)は、発泡ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、又は、フィラメント若しくは焼結ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の少なくとも一の材料を備えるか又は少なくとも一の材料から成り、前記多孔材のレイヤ(3)は、ケイ酸ナトリウムの水溶液、及び/又は、ケイ酸カリウムの水溶液等の無機樹脂による接着によって、前記タンクの前記壁(1)に固定され、前記装置(4)は、無機樹脂による接着によって、前記多孔材のレイヤ(3)に固定されることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記多孔材のレイヤ(3)は、前記壁(1)に固定され、そして、前記装置(4)は、前記多孔材のレイヤ(3)に固定されることを特徴とする請求項1による方法。
【請求項3】
前記装置(4)は、前記多孔材のレイヤ(3)に固定され、そして、前記多孔材のレイヤ(3)は、前記壁(1)に固定されることを特徴とする請求項1による方法。
【請求項4】
前記多孔材のレイヤ(3)は、前記壁(1)に固定される第1表面及び前記装置(4)が固定される第2表面を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一による方法。
【請求項5】
前記多孔材のレイヤ(3)に固定される前記装置(4)の表面は、金属材料、セラミック、ポリマー、ガラス質材料及び結晶性物質のいずれか一の材料からなることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一による方法。
【請求項6】
前記接着による固定は、0.01mm及び5mmの間の、好ましくは0.1mm及び1mmの間の厚さを有する接着レイヤ(2)を形成することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一による方法。
【請求項7】
前記多孔材のレイヤ(3)に固定される前記装置(4)の前記表面は、フッ素重合体、特にポリテトラフルオロエチレンのような絶縁ポリマーを備えるフィルム(5)又はファブリックのレイヤを備え、前記フィルム(5)又は前記レイヤは、ヒートシールをすることにより前記多孔材のレイヤ(3)に固定されることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一による方法。
【請求項8】
壁(1)及びタンク内面を形成する前記壁(1)の表面に固定される装置(4)によって区切られる液体貯蔵容積を備え、前記装置(4)は、配管要素、偏向壁、温度センサ若しくはレベルセンサ若しくは圧力センサ等の測定機器、又は、支持体若しくは補強材から選択される構造用部材の中のいずれか一を備える液体酸素タンクであって、
前記装置(4)は、前記壁(1)及び前記装置(4)の間に挿入される多孔材のレイヤ(3)を介して間接的に前記壁(1)に固定され、前記多孔材のレイヤ(3)は、発泡ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、又は、フィラメント若しくは焼結ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のいずれか一の材料を備えるか、又は、いずれか一の材料から成り、記多孔材のレイヤ(3)は、ケイ酸ナトリウムの水溶液、及び/又は、ケイ酸カリウムの水溶液等の無機樹脂による接着によって、前記タンクの前記壁(1)に固定され、前記装置(4)は、無機樹脂による接着によって、前記多孔材のレイヤ(3)に固定されることを特徴とする液体酸素タンク。
【請求項9】
前記多孔材のレイヤ(3)は可撓性を有することを特徴とする請求項8によるタンク。
【請求項10】
前記多孔材のレイヤ(3)は、望ましくは、2mm及び20mmの間、又は、3mm及び20mmの間、又は、2mm及び10mmの間、さらに一層優先して2mm及び3mmの間の厚さを有することを特徴とする請求項8又は請求項9によるタンク。
【請求項11】
前記装置(4)は、前記多孔材の中間レイヤ(3)のみを介して前記壁(1)に固定され、且つ、機械的に取り付けられることを特徴とする請求項8乃至請求項10のいずれか一によるタンク。
【請求項12】
前記装置(4)は、前記多孔材の中間レイヤ(3)を介して前記壁(1)に固定されることを特徴とする請求項8乃至請求項11のいずれか一によるタンク。
【請求項13】
請求項8乃至請求項12のいずれか一による液体酸素タンクを備えるスペースランチャー。
【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【0001】
本発明は、壁に及び対応するタンクに装置を固定する方法に関する。
【0002】
この発明は、特に、極低温流体(cryogenic fluid)のダクトの又はタンク、特に液体酸素を収容することを意図するタンクの壁の内面に装置を固定する方法に関する。
【0003】
この発明は、とりわけ液体酸素若しくは空気を収容する又は収容することができる極低温タンク(a cryogenic tank)の内側に装置を取り付ける、接着ベースの固定システムに関する。このようなタンクは、例えば、スペースランチャー、他の液体酸素貯蔵庫、又は、移送システムの一部を形成することができる。タンクに固定される装置は、例えば、一以上の測定装置(例えば、温度又はレベル検知器等)、配管、デフレクター、又は、タンク内の液体の変位を監視又は測定する他の装置である。
【0004】
この発明は、特に、文献FR2919852又はFR2941678で説明されるような偏向壁(a deflecting wall)の、タンク内での取り付けに用いられることができる。
【0005】
この発明は、極低温流体のダクトのような液体酸素又は空気に曝露される何らかのシステムに取り付けられる装置に適用されることも可能である。
【0006】
機械的締結によって、溶接/ろう付けによって、及び、接着によって、極低温容器及びダクトの壁に固定する技術が知られている。壁の幾何学的形状によって、機械的締結による固定は、前記壁の修正(例えば、穴の穿孔、さらなる支持等)、及び、シール気密、機械的強度又は重量等のその特性の減失を必要とする。溶接による固定は、材料の特定の組み合わせにのみ適用でき、そして、特に、厚さが薄いと、しばしば壁の幾何学形状の修正を必要とする。必要とされる高い温度は、結果として、材料の特性の減失となる。接着による固定は、通常、前述の技術よりも汎用性がある。多数の同質又は異質な材料を結合することに用いられることができ、且つ、その適用は、比較的単純である。それは、壁の幾何学的形状のいかなる修正も必要としない。
【0007】
現在、低温による材料の脆弱化、並びに、接着剤及び接着される材料との間の示差熱収縮(the differential thermal contraction)に関連される制約は、極低温適用に特に需要な接着剤の選択を生じさせる。幾つかの接着剤、特に、特定のエポキシ、シリコン及びウレタンは、極低温におけるそれらの適用が知られている。しかし、これら接着剤は、機械的衝撃又は静電放電のような付加的なエネルギーが供給されたときに、結果としてかなりの酸化のリスク(a significant risk of combustion)となる液体酸素のような強力な酸化性物質と化学的に適合性を有さない。
【0008】
タンクに装置を取り付けるために用いられるプラスチック材料及び粘着性物質の大部分は、安全性の問題を引き起こし、なぜなら、それら材料は、液体酸素のような強力な酸化性物質に暴露されるとき、発火を生じやすいからである。液体酸素タンク内への装置の接着は、使用される材料、及び、取り付けられる構造の厳格な選択を必要とする。
【0009】
本発明の一の目的は、上述の先行技術の欠点の全て又は一部を解決することである。
【0010】
このために、上記前文によって与えられる一般的な定義に同様に適合する、発明に係る方法は、多孔材のレイヤ(a layer of porous material)が壁及び装置間に挿入されることが、基本的に特徴とされる。
【0011】
さらに、発明の実施形態は、一以上の下記特徴を備える。
【0012】
・多孔材のレイヤは壁に固定され、そして、装置は多孔材のレイヤに固定される。
【0013】
・装置は多孔材のレイヤに固定され、そして、多孔材のレイヤは壁に固定される。
【0014】
・多孔材のレイヤは、壁に固定される第1面及び装置が固定される第2面を有する。
【0015】
・多孔材のレイヤは、接着によってタンクの壁に固定される。
【0016】
・多孔材のレイヤは、ケイ酸ナトリウムの水溶液及び/又はケイ酸カリウムの水溶液等の無機樹脂によって、接着によりタンクの壁に固定される。
【0017】
・多孔材のレイヤは、発泡絶縁プラスチック(an expanded insulating plastic)、発泡ポリマー、発泡ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フィラメント又は焼結ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の少なくとも一つの材料を備えるか、又は、少なくとも一つの材料から成る。
【0018】
・装置は、配管要素、偏向壁、温度センサ又はレベルセンサ又は圧力センサ等の測定機器、支持体又は補強材等の構造用部材から少なくとも一つを備える。
【0019】
・多孔材のレイヤに固定される装置の表面は、金属材料、セラミック、ポリマー、ガラス質材、結晶性物質の少なくとも一の材料から成る。
【0020】
・装置は、無機樹脂のような樹脂によって接着により多孔材のレイヤに固定される。
【0021】
・多孔材のレイヤに固定される装置の表面は、フッ素重合体、特にポリテトラフルオロエチレン(テフロン(登録商標))のような絶縁ポリマーを備えるフィルム又はファブリックのレイヤを備え、フィルム又はレイヤは、ヒートシールすることによって多孔材のレイヤに固定される。
【0022】
・多孔材のレイヤは、装置の構造用支持体(望ましくは、唯一の構造用支持体)を構成する。
【0023】
本発明は、同様に、この方法及びその使用により得られる、特に、液体酸素のための、タンク又はダクトに関する。
【0024】
本発明は、特に、タンク内面を形成する壁及び前記壁の表面に固定される装置によって区切られる液体貯蔵容積を備え、装置が壁及び装置の間に挿入される多孔材のレイヤを介して間接的に壁に固定されることを特徴と極低温流体タンクに関する。
【0025】
本発明は、同様に、タンクを備えるスペースラウンチャー(a space launcher)に関する。
【0026】
本発明は、上の又は以下の特徴のいずれかの組み合わせを備えるいずれかの代替装置又は方法に関するものでもよい。
【0027】
本発明は、特に、無機接着により接着される発泡PTFEで作られる多孔材の中間レイヤの結合(the association)を用いる装置の固定に関する。全ての予想される事柄に対して、この固定は、壁に接した装置の機械的強度を保証し、液体酸素環境に対して適合性がある。
【0028】
他の特定の特徴及び効果は、図面によって提供される以下の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】
図1は、本発明に係る第1の典型的なタンクの壁への装置の固定の概略及び部分的な断面図を表す。
【
図2】
図2は、本発明に係る第2の典型的なタンクの壁への装置の固定の概略及び部分的な断面図を表す。
【0030】
図1を参照し、固定システムは、一方がタンクの(又はダクトの、又は他の容器の)壁1に、他方が装置4の表面に、相互に取り付けられなければならない二つの面を備える。
【0031】
有利な特徴によると、多孔材のレイヤ3は、接続される二つの要素1,4間に挿入される。
【0032】
好ましくは、多孔材のレイヤ3は、無機樹脂2による接着によって、壁1に固定される。同様に、好ましくは、装置4は、無機樹脂2による接着によって、多孔材のレイヤ3に固定される。
【0033】
レイヤ3の多孔材は、したがって、接着用樹脂2で起こる溶剤の蒸発から生じる蒸気を払いのけることを可能にする。
【0034】
使用される無機樹脂2は、例えば、ケイ酸ナトリウム又はケイ酸カリウムの水溶液を主成分とすることができる。
【0035】
レイヤ3を形成する多孔材は、好ましくは、発泡PTFEである。
【0036】
この多孔材3は、好ましくは、無機樹脂のレイヤ2を用いる固定壁1に接着される。
【0037】
装置4の固定される表面は、金属質、セラミック、ポリマー、ガラス質、又は、結晶質である。
図1に示すように、この表面は、無機樹脂2のレイヤを用いる多孔材3に接着されることができる。
【0038】
あるいは、
図2に部分的に示すように、装置(
図2中、不図示)は、フィルム5又はフッ化ポリマーが塗装されるファブリックを備える。このフィルム5(又はファブリック、又は他の互換性材料)を備えるこの表面は、発泡PTFEで形成される多孔材のレイヤ3に、直接ヒートシールされることができる。換言すると、この多孔材のレイヤ3が固定壁1に接着される前に、装置4は、多孔材のレイヤ3に固定される。
【0039】
好ましくは、接続構造は、フランススタンダード NF EN 1797(the French standard NF EN 1797)による機械的衝撃力の下で液体酸素と適合されることが証明された材料のみを用いる。
【0040】
多孔材のレイヤ3は、例えば、3mmから20mm、好ましくは6mmから10mmの厚さを有する。
【0041】
同様に、レイヤ又は複数のレイヤ2を接着する樹脂は、例えば、0.01mmから5mm、より詳しくは、0.1mmから1mmの厚さを有する。
【0042】
単純、且つ、安価な構造を有するだけでなく、本発明は、特に、かなりの液体及び/又は気体の酸素を含む環境の影響を固定システムが受けるとき、高い信頼性、剛性、及び、全く安全な固定を提供する。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 極低温酸素ダクトの又は液体酸素を収容することが意図される極低温タンクの壁(1)の内面に、配管要素、偏向壁、温度センサ又はレベルセンサ又は圧力センサ等の測定装置、及び、支持体又は補強材等の構造用部材の中の少なくとも一つを備える装置(4)を固定する方法であって、
多孔材のレイヤ(3)が前記壁(1)及び前記装置(4)の間に挿入され、前記装置(4)は、前記多孔材のレイヤ(3)を介して間接的に前記壁(1)に固定され、前記多孔材のレイヤ(3)は、発泡絶縁プラスチック、発泡ポリマー、発泡ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、及び、フィラメント若しくは焼結ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の少なくとも一の材料を備えるか又は少なくとも一の材料から成り、前記多孔材のレイヤ(3)は、接着によって前記タンクの前記壁(1)に固定されることを特徴とする方法。
[2] 前記多孔材のレイヤ(3)は、前記壁(1)に固定され、そして、前記装置(4)は、前記多孔材のレイヤ(3)に固定されることを特徴とする[1]による方法。
[3] 前記装置(4)は、前記多孔材のレイヤ(3)に固定され、そして、前記多孔材のレイヤ(3)は、前記壁(1)に固定されることを特徴とする[1]による方法。
[4] 前記多孔材のレイヤ(3)は、前記壁(1)に固定される第1表面及び前記装置(4)が固定される第2表面を有することを特徴とする[1]乃至[3]のいずれか一による方法。
[5] 前記多孔材のレイヤ(3)は、ケイ酸ナトリウムの水溶液、及び/又は、ケイ酸カリウムの水溶液等の無機樹脂による接着によって、前記タンクの前記壁(1)に固定されることを特徴とする[1]乃至[4]のいずれか一による方法。
[6] 前記多孔材のレイヤ(3)に固定される前記装置(4)の表面は、金属材料、セラミック、ポリマー、ガラス質材料及び結晶性物質のいずれか一の材料からなることを特徴とする[1]乃至[5]のいずれか一による方法。
[7] 前記装置(4)は、無機樹脂等の樹脂による接着によって、前記多孔材のレイヤ(3)に固定されることを特徴とする[1]乃至[6]のいずれか一による方法。
[8] 前記接着による固定は、0.01mm及び5mmの間の、好ましくは0.1mm及び1mmの間の厚さを有する接着レイヤ(2)を形成することを特徴とする[1]乃至[7]のいずれか一による方法。
[9] 前記多孔材のレイヤ(3)に固定される前記装置(4)の前記表面は、フッ素重合体、特にポリテトラフルオロエチレンのような絶縁ポリマーを備えるフィルム(5)又はファブリックのレイヤを備え、前記フィルム(5)又は前記レイヤは、ヒートシールをすることにより前記多孔材のレイヤ(3)に固定されることを特徴とする[1]乃至[8]のいずれか一による方法。
[10] 壁(1)及びタンク内面を形成する前記壁(1)の表面に固定される装置(4)によって区切られる液体貯蔵容積を備え、前記装置(4)は、配管要素、偏向壁、温度センサ又はレベルセンサ又は圧力センサ等の測定機器、及び、支持体又は補強材等の構造用部材の中のいずれか一を備える液体酸素タンクであって、
前記装置(4)は、前記壁(1)及び前記装置(4)の間に挿入される多孔材のレイヤ(3)を介して間接的に前記壁(1)に固定され、前記多孔材のレイヤ(3)は、発泡絶縁プラスチック、発泡ポリマー、発泡ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、及び、フィラメント又は焼結ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のいずれか一の材料を備えるか、又は、いずれか一の材料から成り、前記多孔材のレイヤ(3)は、接着によって前記タンクの前記壁(1)に固定されることを特徴とする液体酸素タンク。
[11] 前記多孔材のレイヤ(3)は可撓性を有することを特徴とする[10]によるタンク。
[12] 前記多孔材のレイヤ(3)は、望ましくは、2mm及び20mmの間、又は、3mm及び20mmの間、さらに一層優先して2mm及び3mmの間の厚さを有することを特徴とする[10]又は[11]によるタンク。
[13] 前記装置(4)は、前記多孔材の中間レイヤ(3)のみを介して前記壁(1)に固定され、且つ、機械的に取り付けられることを特徴とする[10]乃至[12]のいずれか一によるタンク。
[14] 前記装置(4)は、前記多孔材の中間レイヤ(3)を介して前記壁(1)に固定されることを特徴とする[10]乃至[13]のいずれか一によるタンク。
[15] [10]乃至[14]のいずれか一による液体酸素タンクを備えるスペースランチャー。