【課題を解決するための手段】
【0011】
出願人は、驚いたことに、少なくとも1つの特定の亜鉛塩および少なくとも1つのアミノシリコーンを特定の比で含む化粧料組成物を配合することによって、毛髪の着色の退色からの毛髪の人工色の十分な保護を提供し、かつ毛髪に良好な化粧特性を与える、経時的に安定である組成物を得ると同時に、上記の欠点を改善することが可能であることを発見した。
【0012】
特に、本発明による組成物は、経時的に安定である。特に、それは、室温(25℃)およびより高い温度(例えば、37または45℃)の両方での十分な貯蔵安定性を有する。これは、本発明の組成物が、経時的にほとんどまたは全く変化せず、かつ特にシネレシス効果を経時的に示さない外観を有することを示す。
【0013】
さらに、本発明による組成物は、感触がより柔軟、より滑らかであり、より良く被覆された毛髪を得ることを可能にする。
【0014】
したがって、本発明の対象は、
1つまたは複数の非窒素性の亜鉛塩(non-nitrogenous zinc salt)、および
1つまたは複数のアミノシリコーン
を、亜鉛元素の量に対して、重量比で0.01から5の範囲であるアミノシリコーンの量で含む化粧料組成物である。
【0015】
本発明の別の対象は、本発明による組成物がケラチン繊維および頭皮に適用される、ケラチン繊維、好ましくは毛髪などのヒトケラチン繊維のための美容処置方法からなる。
【0016】
本発明の別の対象は、好ましくはコンディショナーなどのリーブインケア製品の形態での、ケラチン繊維、好ましくは毛髪などのヒトケラチン繊維をコンディショニングし、その人工色を退色から保護するための本発明による組成物の使用に関する。
【0017】
本発明の他の対象、特徴、態様および利点は、以下の説明および実施例を参照すればよりはっきりと明らかになろう。
【0018】
本発明による組成物は、好ましくはリーブイン組成物、特に組成物の総重量に対して好ましくは3質量%未満、より優先的に1質量%未満のアニオン、非イオン、両性または双性イオン界面活性剤を含む、さらにより良くはアニオン、非イオン、両性または双性イオン界面活性剤を含まない組成物である。
【0019】
「非窒素性の亜鉛塩」という用語は、その構造において、少なくとも1つの亜鉛ベースの陽イオンおよび無機または有機酸由来のアニオンを含む任意の無機または有機化合物を示すことが意図されており、前記塩は、その構造において窒素原子を含まない。
【0020】
亜鉛塩は、特に無機または有機である、水溶性の亜鉛塩およびそれらの混合物から選択される。
【0021】
「水溶性の亜鉛塩」という用語は、25℃の温度で、0.5質量%以上の水における溶解性を有する任意の塩を示すことが意図されている。
【0022】
本発明に従って使用することができる水溶性の亜鉛塩として、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、乳酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、フェノールスルホン酸亜鉛、クエン酸亜鉛、サリチル酸亜鉛およびその誘導体、ならびにそれらの混合物を挙げることができる。
【0023】
本発明によるサリチル酸亜鉛およびその誘導体は、以下の式に相当する:
【0024】
【化1】
【0025】
[式中、
n=2、p=0、1、2または3であり;
R
1は、直鎖状または分岐したC
1〜C
18アルキル基(例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル); 直鎖状または分岐したC
1〜C
18ヒドロキシアルキル基;ハロゲン原子(例えばヨウ素、臭素または塩素)、C
2〜C
18アシル基(例えばアセチル);またはCOR
2もしくはOCOR
2もしくはCONHR
2基(式中、R
2は、水素原子または直鎖状もしくは分岐したC
1〜C
18アルキル基を示す)を示す。]
【0026】
優先的に、亜鉛塩は、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、乳酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、サリチル酸亜鉛およびクエン酸亜鉛、ならびにそれらの混合物から選択される。
【0027】
さらにより良くは、亜鉛塩は、単独でまたは混合物として、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、乳酸亜鉛およびグルコン酸亜鉛から選択される。
【0028】
さらにより優先的に、亜鉛塩は、無機亜鉛塩である。さらにより優先的に、亜鉛塩は、乳酸亜鉛またはグルコン酸亜鉛であり;さらにより良くは、亜鉛塩は、グルコン酸亜鉛である。
【0029】
本発明による組成物において、グルコン酸亜鉛は、例えば、SEPPIC社によってGivobio G Znの名称の下で販売されている。
【0030】
本発明による組成物は、組成物の総重量に対して、好ましくは0.1から10質量%、特に0.3から8質量%、より良くは0.4から7質量%、またはさらに好ましくは0.5から6.5質量%の亜鉛塩を含む。
【0031】
亜鉛元素の濃度は、組成物の総重量に対して、好ましくは2質量%未満であり、特に0.005%から1.5質量%、さらにより良くは、0.1%から1質量%の範囲にある。
【0032】
本発明による組成物は、1つまたは複数のアミノシリコーンを含む。
【0033】
「アミノシリコーン」という用語は、少なくとも1つの第1級、第2級もしくは第3級アミン官能基または第4級アンモニウム基を含む任意のシリコーンを意味する。
【0034】
本発明による化粧料組成物において使用するアミノシリコーンは、以下のものから選択される:
(a)以下の式(I)に相当する化合物:
(R
1)
a(T)
3-a-Si[OSi(T)
2]
n-[OSi(T)
b(R
1)
2-b]
m-OSi(T)
3-a-(R
1)
a
[式中、
Tは、水素原子またはフェニル、ヒドロキシル(-OH)もしくはC
1〜C
8アルキル基、好ましくはメチル、またはC
1〜C
8アルコキシ基、好ましくはメトキシであり、
aは、数0または1から3の整数、好ましくは0を示し、
bは、0または1、特に1を示し、
mおよびnは、和(n+m)が、特に1から2000、特に50から150の範囲にあり得る数であり、nが、0から1999、特に49から149の数を示すことが可能であり、mが、1から2000、特に1から10の数を示すことが可能であり;
R
1は、式-C
qH
2qLの一価の基であり、式中、qは、2から8の数であり、Lは、以下の基:
-N(R
2)-CH
2-CH
2-N(R
2)
2;
-N(R
2)
2;-N
+(R
2)
3Q
-;
-N
+(R
2)(H)
2Q
-;
-N
+(R
2)
2HQ
-;
-N(R
2)-CH
2-CH
2-N
+(R
2)(H)
2Q
-
(式中、R
2は、水素原子、フェニル、ベンジルまたは飽和した一価の炭化水素系基、例えばC
1〜C
20アルキル基を示すことができ、Q
-は、例えば、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオンまたはヨウ化物イオンなどのハロゲン化物イオンを表す) から選択される任意選択で四級化されたアミノ基である]
【0035】
特に、式(I)の定義に相当するアミノシリコーンは、以下の式に相当する化合物から選択される:
【0036】
【化2】
【0037】
[式中、R、R'およびR"は、同一であっても異なっていてもよく、C
1〜C
4アルキル基、好ましくはCH
3;C
1〜C
4アルコキシ基、好ましくはメトキシ;またはOHを示し;Aは、直鎖状または分岐した、C
3〜C
8、好ましくはC
3〜C
6アルキレン基を表し;mおよびnは、分子量に依存する整数であり、その和は1から2000の間である。]
【0038】
第1の可能な選択肢によれば、R、R'およびR"は、同一であっても異なっていてもよく、C
1〜C
4アルキルまたはヒドロキシル基を表し、Aは、C
3アルキレン基を表し、mおよびnは、化合物の重量平均分子量が、約5000から500 000の間になるようなものである。このタイプの化合物は、CTFA辞典において「アモジメチコン」と呼ばれる。
【0039】
第2の可能な選択肢によれば、R、R'およびR"は、同一であっても異なっていてもよく、C
1〜C
4アルコキシまたはヒドロキシル基を表し、基RまたはR"の少なくとも1つは、アルコキシ基であり、Aは、C
3アルキレン基を表す。ヒドロキシ/アルコキシのモル比は、好ましくは、0.2/1から0.4/1の間であり、有利には0.3/1に等しい。さらに、mおよびnは、化合物の重量平均分子量が2000から10
6の間になるようなものである。より詳細には、nは、0から999の間であり、mは、1から1000の間であり、nおよびmの和は、1から1000の間である。
【0040】
このカテゴリーの化合物において、とりわけ、Wackerによって販売されている製品Belsil(登録商標)ADM 652を挙げることができる。
【0041】
第3の可能な選択肢によれば、RおよびR"は、異なっており、C
1〜C
4アルコキシまたはヒドロキシル基を表し、基RまたはR"の少なくとも1つは、アルコキシ基であり、R'は、メチル基を表し、Aは、C
3アルキレン基を表す。ヒドロキシ/アルコキシのモル比は、好ましくは1/0.8から1/1.1の間であり、有利には1/0.95に等しい。さらに、mおよびnは、化合物の重量平均分子量が、2000から200 000の間になるようなものである。より詳細には、nは、0から999の間であり、mは、1から1000の間であり、nおよびmの和は、1から1000の間である。
【0042】
より詳細には、Wackerによって販売されている製品Fluid WR(登録商標)1300を挙げることができる。
【0043】
第4の可能な選択肢によれば、RおよびR"は、ヒドロキシル基を表し、R'は、メチル基を表し、Aは、C
4〜C
8、好ましくはC
4アルキレン基である。さらに、mおよびnは、化合物の重量平均分子量が、2000から10
6の間になるようなものである。より詳細には、nは、0から1999の間であり、mは、1から2000の間であり、nおよびmの和は、1から2000の間である。
【0044】
このタイプの製品は、特にDC 28299の名称の下で、Dow Corningによって販売されている。
【0045】
これらのシリコーンの分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(室温、ポリスチレン標準;μスチラゲルカラム;溶離液THF;1mm/minの流速;THF中の0.5質量%のシリコーンを含有する200μlの溶液が注入され、検出が、屈折率測定およびUV分析法によって行われる)によって決定される。
【0046】
式(II)の定義に相当する製品は、特にCTFA辞典において「トリメチルシリルアモジメチコン」と呼ばれるポリマーであり、以下の式(III)に相当する:
【0047】
【化3】
【0048】
[式中、nおよびmは、上述した式(I)において示した意味を有する。]
【0049】
かかる化合物は、例えば、EP 95238において報告されており;式(III)の化合物は、例えば、OSI社によって、Q2-8220の名称の下で販売されている;
【0050】
(b)以下の式(IV)に相当する化合物:
【0051】
【化4】
【0052】
[式中、
R
3は、C
1〜C
18一価の炭化水素系基、特にC
1〜C
18アルキルまたはC
2〜C
18アルケニル基、例えばメチルを表し;
R
4は、二価の炭化水素系基、特に、C
1〜C
18アルキレン基またはC
1〜C
18の二価のアルキレンオキシ基、例えば1から8個の炭素原子を含む基を表し;
Q
-は、ハロゲン化物イオン、特に塩化物イオンであり;
rは、2から20、特に2から8の平均統計値を表し;
sは、20から200、特に20から50の平均統計値を表す。]
【0053】
かかる化合物は、より詳細には特許US 4185087において報告されている。
【0054】
このクラスの範囲に入る化合物は、Union Carbide社によって、Ucar Silicone ALE 56の名称の下で販売されている製品である;
【0055】
(c)式(V)の第4級アンモニウムシリコーン:
【0056】
【化5】
【0057】
[式中、
R
7は、同一であっても異なっていてもよく、1から18個の炭素原子を含有する一価の炭化水素系基、特にC
1〜C
18アルキル基、C
2〜C
18アルケニル基または5もしくは6個の炭素原子を含む環構造、例えばメチルを表し;
R
6は、SiC結合を通してSiに連結している、二価の炭化水素系基、特にC
1〜C
18アルキレン基または二価のC
1〜C
18、例えばC
1〜C
8、アルキレンオキシ基を表し;
R
8は、同一であっても異なっていてもよく、水素原子、1から18個の炭素原子を含有する一価の炭化水素系基、特にC
1〜C
18アルキル基、C
2〜C
18アルケニル基または基-R
6-NHCOR
7を表し;
X
-は、ハロゲン化物イオンなどのアニオン、特に塩化物イオン、または有機酸塩(酢酸塩など)であり;
rは、2から200、特に5から100の平均統計値を表す。]
【0058】
これらのシリコーンは、例えば、出願EP-A-0530974において報告されている;
【0059】
(d)式(VI)のアミノシリコーン:
【0060】
【化6】
【0061】
[式中、
R
1、R
2、R
3およびR
4は、同一であっても異なっていてもよく、C
1〜C
4アルキル基またはフェニル基を示し、
R
5は、C
1〜C
4アルキル基またはヒドロキシル基を示し、
nは、1から5の範囲にある整数であり、
mは、1から5の範囲にある整数であり、
式中、xは、アミン価が、0.01から1meq/gの間であるように選択される。]
【0062】
特に好ましいシリコーンは、アモジメチコンである。
【0063】
本発明による組成物は、組成物の総重量に対して、0.01から10質量%、好ましくは0.05から5質量%、さらにより良くは0.1から3質量%のアミノシリコーンを含むことができる。
【0064】
亜鉛元素の量に対するアミノシリコーンの量の重量比は、0.01から5、より良くは0.1から3、さらにより良くは0.2から2の範囲にある。
【0065】
亜鉛塩の量に対するアミノシリコーンの量の重量比は、好ましくは0.005から10、より良くは0.01から1の範囲にある。
【0066】
本発明による組成物は、脂肪アルコールおよび/または脂肪酸、好ましくは飽和脂肪酸および飽和脂肪モノアルコールの1つまたは複数のエステルを含むことができる。
【0067】
本発明の組成物において使用する脂肪酸エステルは、好ましくは飽和脂肪酸エステル、すなわち少なくとも10個の炭素原子を含有する飽和カルボン酸、および少なくとも10個の炭素原子を含有する飽和脂肪モノアルコールのエステルである。飽和酸またはモノアルコールは、直鎖状または分岐鎖状とすることができる。飽和カルボン酸は、10から30個の炭素原子、より詳細には12から24個の炭素原子を好ましくは含有する。それらは、任意選択でヒドロキシル化していてもよい。飽和脂肪モノアルコールは、10から30個の炭素原子、より詳細には12から24個の炭素原子を好ましくは含む。好ましくは、本発明の脂肪酸エステルは、25℃および大気圧下で固体である。
【0068】
好ましくは、脂肪酸エステルは、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、ミリスチン酸ステアリル、パルミチン酸ミリスチル、パルミチン酸セチル、パルミチン酸ステアリル、ステアリン酸ミリスチル、ステアリン酸セチル、ステアリン酸ステアリルおよびベヘン酸ベヘニル、ならびにそれらの混合物から選択される。
【0069】
本発明による組成物は、組成物の総重量に対して、0.01から10質量%、より良くは0.1から5質量%の脂肪アルコールおよび/または酸エステルを好ましくは含む。
【0070】
本発明による組成物は、1つまたは複数の脂肪アルコールも含むことができる。
【0071】
本発明の目的で、「脂肪アルコール」という用語は、少なくとも8個の炭素原子を含有し、オキシアルキレン化した(oxyalkylenated)またはグリセロール化した(glycerolated)基を含まない、あらゆる飽和または不飽和の、直鎖状または分岐した、純脂肪アルコールを示すことが意図されている。
【0072】
脂肪アルコールは、構造R-OHを有することができ、式中、Rは、8から40個、好ましくは8から30個の炭素原子を含有する、飽和または不飽和の、直鎖状または分岐鎖状の基を示し;Rは、C
12〜C
24アルキルまたはC
12〜C
24アルケニル基を好ましくは示す。Rは、1つまたは複数のヒドロキシル基で置換されていてもよい。
【0073】
脂肪アルコールの例として、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ドデシルアルコール、デシルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール、リノレイルアルコール、ウンデセニルアルコール、パルミトレイルアルコール、アラキドニルアルコールおよびエルシルアルコール、ならびにそれらの混合物を挙げることができる。
【0074】
脂肪アルコールは、脂肪アルコールの混合物を表すことができ、これは、市販の製品において、いくつかの種類の脂肪アルコールが混合物の形態で同時に存在し得ることを意味する。
【0075】
脂肪アルコールの混合物として、セチルステアリルアルコールまたはセテアリルアルコールを挙げることができる。
【0076】
本発明において使用することができるすべての脂肪アルコールの中で、セチルアルコール、ステアリルアルコールおよびミリスチルアルコールから選択される1つまたは複数の脂肪アルコールが、好ましくは使用され得る。
【0077】
前記脂肪アルコールが存在する場合には、本発明による組成物は、組成物の総重量に対して、好ましくは0.1から10質量%、さらにより良くは1から5質量%の脂肪アルコールを含むことができる。
【0078】
本発明による組成物は、以下の第4級アンモニウム塩から選択される1つまたは複数のカチオン性界面活性剤も含むことができる:
【0079】
− 以下の式(VII)の第4級アンモニウム塩:
【0080】
【化7】
【0081】
[式中、基R
8からR
11は、同一であっても異なっていてもよく、アリールまたはアルキルアリールなどの芳香族基または1から30個の炭素原子を含有する直鎖状もしくは分岐した脂肪族基を表し、基R
8からR
10の少なくとも1つが、8から30個の炭素原子、好ましくは14から30個の炭素原子、さらにより良くは16から25個の炭素原子を含有するアルキルまたはアルケニル基を含み、脂肪族基が、特に、酸素、窒素、硫黄およびハロゲンなどのヘテロ原子を含むことが可能である。]
【0082】
脂肪族基は、例えば、以下の基:約1から30個、好ましくは14から30個、さらにより良くは16から25個の炭素原子を含有する、アルキル、アルコキシ、ポリオキシ(C
2〜C
6)アルキレン、アルキルアミド、(C
12〜C
22)アルキルアミド(C
2〜C
6)アルキル、酢酸(C
12〜C
22)アルキル、ヒドロキシアルキルから選択され;X
-は、塩化物イオンなどのハロゲン化物イオン、リン酸イオン、酢酸イオン、乳酸イオン、(C
2〜C
6)アルキル硫酸イオン、およびアルキルまたはアルキルアリールスルホン酸イオン、例えば、メト硫酸イオンの群から選択されるアニオンである。
【0083】
式(VII)の第4級アンモニウム塩の中で、アルキル基が、約12から22個の炭素原子を含有するアルキルトリメチルアンモニウムクロリド、特にベへニルトリメチルアンモニウムもしくはセチルトリメチルアンモニウム塩、またはオレオセチルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム塩を好ましくは使用する;
【0084】
− イミダゾリンの第4級アンモニウム塩、例えば以下の式(VIII)のもの:
【0085】
【化8】
【0086】
[式中、R
12は、8から30個の炭素原子を含有する、アルケニルまたはアルキル基、例えば獣脂脂肪酸誘導体を表し、R
13は、水素原子、C
1〜C
4アルキル基、または8から30個の炭素原子を含有するアルケニルもしくはアルキル基を表し、R
14は、C
1〜C
4アルキル基を表し、R
15は、水素原子またはC
1〜C
4アルキル基を表し、X
-は、ハロゲン化物イオン、リン酸イオン、酢酸イオン、乳酸イオン、(C
1〜C
4)アルキル硫酸イオン、および(C
1〜C
4)アルキルまたは(C
1〜C
4)アルキルアリールスルホン酸イオンの群から選択されるアニオンである。R
12およびR
13は、12から21個の炭素原子を含有するアルキルまたはアルケニル基の混合物、例えば獣脂脂肪酸誘導体を好ましくは示し、R
14は、メチル基を示し、R
15は、水素原子を示す。]
【0087】
かかる製品は、例えば、Rewo社によって、Rewoquat(登録商標)W 75の名称の下で、販売されている;
【0088】
− 特に以下の式(IX)のジまたはトリ第4級アンモニウム塩:
【0089】
【化9】
【0090】
[式中、R
16は、約16から30個の炭素原子を含有するアルキル基を示し、これは、任意選択でヒドロキシル化および/または1つまたは複数の酸素原子で中断されており;R
17は、水素、1から4個の炭素原子を含有するアルキル基または基-(CH
2)
3-N
+(R
16a)(R
17a)(R
18a)から選択され;R
16a、R
17a、R
18a、R
18、R
19、R
20およびR
21は、同一であっても異なっていてもよく、水素および1から4個の炭素原子を含有するアルキル基から選択され、X
-は、ハロゲン化物イオン、酢酸イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、(C
1〜C
4)アルキル硫酸イオン、および(C
1〜C
4)アルキルまたは(C
1〜C
4)アルキルアリールスルホン酸イオン、特にメチル硫酸イオンおよびエチル硫酸イオンの群から選択されるアニオンである。]。かかる化合物は、例えば、Finetex(Quaternium 89)社によって販売されている、Finquat CT-P、およびFinetex(Quaternium 75)社によって販売されている、Finquat CTである;
【0091】
− 例えば、以下の式(X)のものである、1つまたは複数のエステル官能基を含有する第4級アンモニウム塩:
【0092】
【化10】
【0093】
[式中、
R
22は、C
1〜C
6アルキル基およびC
1〜C
6ヒドロキシアルキルまたはジヒドロキシアルキル基から選択され、
R
23は、
基R
26-C(O)-、
直鎖状または分岐した、飽和または不飽和の、C
1〜C
22炭化水素系基R
27、および
水素原子
から選択され、
R
25は、
基R
28-C(O)-、
直鎖状または分岐した、飽和または不飽和の、C
1〜C
6炭化水素系基R
29、および
水素原子
から選択され、
R
24、R
26およびR
28は、同一であっても異なっていてもよく、直鎖状または分岐した、飽和または不飽和の、C
7〜C
21炭化水素系基から選択され、
r、sおよびtは、同一であっても異なっていてもよく、2から6の範囲にある整数であり、
r1およびt1は、同一であっても異なっていてもよく、0または1であり、
r2+r1=2rかつt1+t2=2t、
yは、1から10の範囲にある整数であり、
xおよびzは、同一であっても異なっていてもよく、0から10の範囲にある整数であり、
X
-は、単原子または多原子の、有機または無機のアニオンであり、
ただし、和x+y+zは、1から15であり、xが0の場合、R
23はR
27を示し、zが0の場合、R
25はR
29を示す。]
【0094】
アルキル基R
22は、直鎖状でも分岐鎖状であってもよく、より詳細には直鎖状である。
【0095】
好ましくは、R
22は、メチル、エチル、ヒドロキシエチルまたはジヒドロキシプロピル基、より詳細には、メチルまたはエチル基を示す。
【0096】
有利に、和x+y+zは、1から10である。
【0097】
R
23が、炭化水素系基R
27である場合、それは、長く、12から22個の炭素原子を含有することができるか、または短く、1から3個の炭素原子を含有することができる。
【0098】
R
25が、炭化水素系基R
29である場合、それは、1から3個の炭素原子を好ましくは含有する。
【0099】
有利に、R
24、R
26およびR
28は、同一であっても異なっていてもよく、直鎖状または分岐した、飽和または不飽和の、C
11〜C
21炭化水素系基から選択され、より詳細には直鎖状または分岐した、飽和または不飽和の、C
11〜C
21アルキルおよびアルケニル基から選択される。
【0100】
好ましくは、xおよびzは、同一であっても異なっていてもよく、0または1である。
【0101】
有利に、yは、1に等しい。
【0102】
好ましくは、r、sおよびtは、同一であっても異なっていてもよく、2または3であり、さらにより詳細には2に等しい。
【0103】
アニオンX
-は、好ましくはハロゲン化物イオン、好ましくは塩化物イオン、臭化物イオンまたはヨウ化物イオン、(C
1〜C
4)アルキル硫酸イオン、または(C
1〜C
4)アルキルもしくは(C
1〜C
4)アルキルアリールスルホン酸イオンである。しかしながら、メタンスルホン酸イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、トシル酸イオン、酢酸または乳酸などの有機酸由来のアニオン、またはエステル官能基を含有するアンモニウムと適合し得るあらゆる他のアニオンを使用することが可能である。
【0104】
アニオンX
-は、さらにより詳細には、塩化物イオン、メチル硫酸イオンまたはエチル硫酸イオンである。
【0105】
より詳細には、本発明による組成物において、式(X)のアンモニウム塩を使用し、式中、
R
22は、メチルまたはエチル基を示し、
xおよびyは、1に等しく、
zは、0または1に等しく、
r、sおよびtは、2に等しく、
R
23は、基R
26-C(O)-;メチル、エチルまたはC
14〜C
22炭化水素系基、および水素原子から選択され、
R
25は、水素原子および基R
28-C(O)-から選択され、
R
24、R
26およびR
28は、同一であっても異なっていてもよく、直鎖状または分岐した、飽和または不飽和の、C
13〜C
17炭化水素系基、好ましくは直鎖状または分岐した、飽和または不飽和の、C
13〜C
17アルキルおよびアルケニル基から選択される。
【0106】
有利に、炭化水素系基は、直鎖状である。
【0107】
式(X)の化合物において、例えば、塩、特にジアシルオキシエチルジメチルアンモニウム、ジアシルオキシエチルヒドロキシエチルメチルアンモニウム、モノアシルオキシエチルジヒドロキシエチルメチルアンモニウムもしくはトリアシルオキシエチルメチルアンモニウムクロリドまたはジアシルオキシエチルジメチルアンモニウム、ジアシルオキシエチルヒドロキシエチルメチルアンモニウム、モノアシルオキシエチルジヒドロキシエチルメチルアンモニウム、トリアシルオキシエチルメチルアンモニウムもしくはモノアシルオキシエチルヒドロキシエチルジメチルアンモニウムメチルサルフェート、およびそれらの混合物を挙げることができる。アシル基は、14から18個の炭素原子を好ましくは有し、より詳細には、パーム油またはヒマワリ油などの植物油由来である。化合物が、いくつかのアシル基を含有する場合、これらの基は、同一であっても異なっていてもよい。
【0108】
これらの製品は、例えば、植物または動物起源の脂肪酸または脂肪酸混合物と、任意選択でオキシアルキレン化された、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、アルキルジエタノールアミンまたはアルキルジイソプロパノールアミンの直接エステル化、またはそれらのメチルエステルのエステル交換によって得られる。このエステル化の後に、ハロゲン化アルキル、好ましくはハロゲン化メチルまたはエチル、硫酸ジアルキル、好ましくは硫酸ジメチルまたはジエチル、メタンスルホン酸メチル、パラ-トルエンスルホン酸メチル、グリコールクロロヒドリンまたはグリセロールクロロヒドリンなどのアルキル化剤を用いた四級化が続く。
【0109】
かかる化合物は、例えば、Henkel社によって、Dehyquart(登録商標)の名称の下で、Stepan社によって、Stepanquat(登録商標)の名称の下で、Ceca社によって、Noxamium(登録商標)の名称の下で、またはRewo-Witco社によって、Rewoquat(登録商標)WE 18の名称の下で販売されている。
【0110】
本発明による組成物は、例えば、重量の大部分がジエステル塩で、モノ、ジおよびトリエステルの第4級アンモニウム塩の混合物を含有することができる。
【0111】
特許US-A-4874554およびUS-A-4137180において報告されている、少なくとも1つのエステル官能基を含有するアンモニウム塩も使用することができる。
【0112】
Quartamin BTC 131の名称の下で、Kaoによって販売されている、ベヘノイルヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドも使用することができる。
【0113】
好ましくは、少なくとも1つのエステル官能基を含有するアンモニウム塩は、2つのエステル官能基を含有する。
【0114】
本発明による組成物において存在することができるカチオン性界面活性剤の中で、セチルトリメチルアンモニウム、ベへニルトリメチルアンモニウムおよびジパルミトイルエチルヒドロキシエチルメチルアンモニウム塩、ならびにそれらの混合物、より詳細にはベへニルトリメチルアンモニウムクロリド、セチルトリメチルアンモニウムクロリドおよびジパルミトイルエチルヒドロキシエチルアンモニウムメトサルフェート、ならびにそれらの混合物を選択することがより詳細には好ましい。
【0115】
本発明に従って使用することができるカチオン性界面活性剤は、組成物の総重量に対して、好ましくは0.01%から20質量%、特に0.05%から10質量%、さらにより良くは0.1%から5質量%の範囲にある量で、一般的に存在する。
【0116】
本発明による組成物は、1つまたは複数の非シリコーンカチオン性ポリマーも含むことができる。
【0117】
本発明に従って使用することができるカチオン性ポリマーは、洗浄組成物で処置した毛髪の化粧特性を改善するとしてそれ自体既に知られているもの、すなわち、特に、特許出願EP-A-0 337 354および仏国特許出願FR-A-2 270 846、FR-A-2 383 660、FR-A-2 598 611、FR-A-2 470 596、FR-A-2 519 863およびFR-A-2 875 503において報告されているもののいずれかから選択することができる。
【0118】
好ましいカチオン性ポリマーは、それらの構造において、例えば、ポリマー主鎖の一部であっても、そこに直接連結された側鎖置換基によって形成されてもよい、第1級、第2級、第3級および/または第4級アミン基を含む単位を含有するものから選択される。
【0119】
カチオン性ポリマーの中で、より詳細には、ポリアミン、ポリアミノアミドおよびポリ第4級アンモニウムのファミリーのポリマーを挙げることができる。これらのポリマーの中で、以下のものを挙げることができる:
【0120】
(1)以下の式(XI)、(XII)、(XIII)または(XIV)の単位の少なくとも1つを含む、アクリル酸もしくはメタクリル酸エステルまたはアミド由来の架橋もしくは非架橋ホモポリマーもしくはコポリマー:
【0121】
【化11】
【0122】
[式中、
R
1およびR
2は、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ、水素原子または1から6個の炭素原子を含有するアルキル基、好ましくはメチルまたはエチルを表し;
R
3は、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ、水素原子またはCH
3基を示し;
Aは、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ、1から6個の炭素原子、好ましくは2または3個の炭素原子の直鎖状または分岐したアルキル基、または1から4個の炭素原子のヒドロキシアルキル基を表し;
R
4、R
5、およびR
6は、同一であっても異なっていてもよく、それぞれ、1から6個の炭素原子を含有するアルキル基またはベンジル基、好ましくは1から6個の炭素原子を含有するアルキル基を表し;
X
-は、メト硫酸イオンなどの無機または有機酸由来のアニオンまたは塩化物イオンもしくは臭化物イオンなどのハロゲン化物イオンを示す。]
【0123】
ファミリー(1)のポリマーは、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、窒素上で低級(C
1〜C
4)アルキル、アクリルもしくはメタクリル酸またはそれらのエステルで置換された、アクリルアミドおよびメタクリルアミド、ビニルピロリドンまたはビニルカプロラクタムなどのビニルラクタム、およびビニルエステルのファミリーから選択することができるコモノマー由来の1つまたは複数の単位も含有することができる。
【0124】
したがって、ファミリー(1)のこれらのポリマーの中で、以下のものを挙げることができる:
Hercules社によって、Hercoflocの名称の下で販売されている製品などの、硫酸ジメチルまたはハロゲン化ジメチルで四級化された、アクリルアミドおよびメタクリル酸ジメチルアミノエチルのコポリマー、
例えば、特許出願EP-A-080976において報告されており、Ciba Geigy社によって、Bina Quat P 100の名称の下で販売されている、アクリルアミドおよびメタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドのコポリマー、
Hercules社によって、Retenの名称の下で販売されている、アクリルアミドおよびメタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムメトサルフェートのコポリマー、
ISP社によって、Gafquatの名称の下で販売されている製品、例えばGafquat 734またはGafquat 755(Polyquaternium-11)、または代わりにコポリマー845、958および937として知られている製品などの、四級化または非四級化ビニルピロリドン/ジアルキルアミノアルキルアクリレートまたはメタクリレートコポリマー。これらのポリマーは、仏国特許第2 077 143号および第2 393 573号において、詳細に報告されている。Polyquaternium-11を、好ましくは使用する、
ISP社によって、Gaffix VC 713の名称の下で販売されている製品などの、メタクリル酸ジメチルアミノエチル/ビニルカプロラクタム/ビニルピロリドンターポリマー、
特にISPによって、Styleze CC10の名称の下で販売されているビニルピロリドン/メタクリルアミドプロピルジメチルアミンコポリマー、
ISP社によって、Gafquat HS 100の名称の下で販売されている製品などの四級化されたビニルピロリドン/ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドコポリマー、および
塩化メチルで四級化されたメタクリル酸ジメチルアミノエチルの単独重合、または塩化メチルで四級化されたメタクリル酸ジメチルアミノエチルとのアクリルアミドの共重合、この単独または共重合の後に続く、オレフィン性不飽和化合物、より詳細にはメチレンビスアクリルアミドでの架橋によって得られるポリマーなどの、メタクリロイルオキシ(C
1〜C
4)アルキルトリ(C
1〜C
4)アルキルアンモニウム塩の架橋ポリマー。鉱物油における50質量%の前記コポリマーを含有する分散液の形態での、架橋アクリルアミド/メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドコポリマー(重量で20/80)を、より詳細には使用することができる。この分散液は、Ciba社によって、Salcare(登録商標)SC 92の名称の下で販売されている。鉱物油または液体エステルにおける約50質量%のホモポリマーを含有するメタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドの架橋ホモポリマーも使用することができる。これらの分散液は、Ciba社によって、Salcare(登録商標)SC 95およびSalcare(登録商標)SC 96の名称の下で販売されている。
【0125】
(2)特に以下から選択される、カチオン性多糖:
a)仏国特許第1 492 597号において報告されている第4級アンモニウム基を含むセルロースエーテル誘導体、特にUnion Carbide Corporation社によって、JR(JR 400、JR 125、JR 30M)またはLR(LR 400、LR 30M)の名称の下で販売されているポリマー。これらのポリマーは、トリメチルアンモニウム基で置換されたエポキシドと反応したヒドロキシエチルセルロースの第4級アンモニウムとして、CTFA辞典においても定義されている。
b)ヒドロキシアルキルセルロース、例えば特にメタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムまたはジメチルジアリルアンモニウム塩でグラフトされた、ヒドロキシメチル-、ヒドロキシエチル-またはヒドロキシプロピルセルロースなどの、水溶性第4級アンモニウムモノマーでグラフトされたセルロースコポリマーまたはセルロース誘導体。
【0126】
この定義に相当する、National Starch社によって、Celquat L 200およびCelquat H 100の名称の下で、またはAkzo Nobel社によって、Celquat LORの名称の下で販売されている製品は、より詳細には、INCI名Polyquaternium-4に相当する製品である、
c)トリアルキルアンモニウム陽イオン基を含有するグアーガム。2,3-エポキシプロピルトリメチルアンモニウム塩(例えば塩化物塩)で修飾されたグアーガムを、例えば使用する。
【0127】
かかる製品は、特にMeyhall社によって、Jaguar C13 S、Jaguar C 15、Jaguar C 17またはJaguar C 162の商品名の下で販売されている。
【0128】
(3)酸素、硫黄または窒素原子で、または芳香族もしくは複素環で任意選択で中断された、直鎖または分岐鎖を含有する、ピペラジニル単位および二価のアルキレンまたはヒドロキシアルキレン基からなるポリマー、またこれらのポリマーの酸化および/または四級化生成物。かかるポリマーは、特に、仏国特許第2 162 025号および第2 280 361号において報告されている。
【0129】
(4)特にポリアミンとの酸化合物の重縮合によって調製された水溶性のカチオン性ポリアミノアミド;これらのポリアミノアミドは、エピハロヒドリン、ジエポキシド、二酸無水物、不飽和二酸無水物、ビス-不飽和誘導体、ビス-ハロヒドリン、ビス-アゼチジニウム、ビス-ハロアシルジアミンもしくはビス-ハロゲン化アルキルでまたは代わりにビス-ハロヒドリン、ビス-アゼチジニウム、ビス-ハロアシルジアミン、ビスハロゲン化アルキル、エピハロヒドリン、ジエポキシドもしくはビス-不飽和誘導体に対して反応性である二官能性化合物の反応から生じるオリゴマーで架橋していてもよく;これらのポリアミノアミドは、アルキル化していてもよいまたは、それらが1つまたは複数の第3級アミン官能基を含有する場合、それらは、四級化していてもよい。かかるポリマーは、特に、仏国特許第2 252 840号および第2 368 508号において報告されている。
【0130】
(5)ポリカルボン酸とのポリアルキレンポリアミンの縮合に続く二官能性剤(difunctional agent)でのアルキル化から生じるポリアミノアミド誘導体。例えば、アジピン酸/ジアルキルアミノヒドロキシアルキルジアルキレントリアミン(式中、アルキル基が、1から4個の炭素原子を含有し、メチル、エチルまたはプロピルを好ましくは示す)ポリマーを挙げることができる。かかるポリマーは、仏国特許第1 583 363号において特に報告されている。
【0131】
これらの誘導体の中で、Sandoz社によって、Cartaretine F、F4またはF8の名称の下で販売されているアジピン酸/ジメチルアミノヒドロキシプロピル/ジエチレントリアミンポリマーをより詳細には挙げることができる。
【0132】
(6)ジグリコール酸および3から6個の炭素原子を有する飽和脂肪族ジカルボン酸から選択されるジカルボン酸との2つの第1級アミン基および少なくとも1つの第2級アミン基を含有するポリアルキレンポリアミンの反応によって得られるポリマー。ポリアルキレンポリアミンとジカルボン酸間のモル比は、0.8:1から1.4:1の間であり;そこから生じるポリアミノアミドは、0.5:1から1.8:1の間のエピクロロヒドリン対ポリアミノアミドの第2級アミン基のモル比で、エピクロロヒドリンと反応させる。かかるポリマーは、特に米国特許第3 227 615号および第2 961 347号において報告されている。
【0133】
このタイプのポリマーは、特に、Hercules Inc.社によって、Hercosett 57の名称の下で、または代わりにアジピン酸/エポキシプロピル/ジエチレントリアミンコポリマーの場合、Hercules社によって、PD 170またはDelsette 101の名称の下で販売されている。
【0134】
(7)鎖の主要素として、式(XV)または(XVI)に相当する単位を含むホモポリマーまたはコポリマーなどの、アルキルジアリールアミンまたはジアルキルジアリールアンモニウムのコポリマー:
【0135】
【化12】
【0136】
[式中、kおよびtは、0または1に等しく、和k+tは、1に等しく;R
12は、水素原子またはメチル基を示し;R
10およびR
11は、互いに独立して、1から6個の炭素原子を含有するアルキル基、ヒドロキシアルキル基(ここで、アルキル基は、1から5個の炭素原子を好ましくは含有する。)、または低級アミドアルキル基(すなわち、そのアルキル部分が、C
1〜C
4である。)をそれぞれ示すか、またはR
10およびR
11は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、ピペリジニルまたはモルホリニルなどの複素環式基を示すことができ;Y
-は、臭化物イオン、塩化物イオン、酢酸イオン、ホウ酸イオン、クエン酸イオン、酒石酸イオン、重硫酸イオン、亜硫酸水素イオン、硫酸イオンまたはリン酸イオンなどのアニオンである。]
【0137】
これらのポリマーは、特に仏国特許第2 080 759号およびその追加特許仏国特許第2 190 406号において報告されている。
【0138】
好ましくは、R
10およびR
11は、互いに独立して、1から4個の炭素原子を含有するアルキル基をそれぞれ示す。
【0139】
上記で定義したポリマーの中で、Nalco社によって、Merquat(登録商標)100の名称の下で販売されている、ジアルキルジアリールアンモニウムクロリドホモポリマー、より詳細にはジメチルジアリルアンモニウムクロリドホモポリマー(INCI名:Polyquaternium-6)(および低重量平均分子量のその同族体)およびジアルキルジアリールアンモニウムクロリドコポリマー、より詳細にはMerquat(登録商標)550の名称の下で販売されている、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドおよびアクリルアミドのコポリマーを挙げることができる。
【0140】
(8)式(XVII)に相当する繰り返し単位を含有するジ第4級アンモニウムポリマー:
【0141】
【化13】
【0142】
[式中、
R
13、R
14、R
15およびR
16は、同一であっても異なっていてもよく、1から6個の炭素原子を含有する、脂肪族、脂環式またはアリール脂肪族基もしくは低級ヒドロキシアルキル脂肪族(hydroxyalkylaliphatic)基(すなわち、そのアルキル部分が、C
1〜C
4である。)を表す、または代わりにR
13、R
14、R
15およびR
16は、一緒になってまたは別々に、それらが結合している窒素原子とともに、窒素以外の第2のヘテロ原子を任意選択で含有する複素環を構成する、または代わりにR
13、R
14、R
15およびR
16は、ニトリル、エステル、アシル、アミドまたは-CO-O-R
17-Eもしくは-CO-NH-R
17-E基(式中、R
17は、アルキレン基であり、Eは、第4級アンモニウム基である。)で置換された直鎖状または分岐したC
1〜C
6アルキル基をそれぞれ表し;
A
1およびB
1は、2から8個の炭素原子を含有するポリメチレン基を表し、これは直鎖状でも分岐鎖状であっても、飽和でも不飽和であってもよく、主鎖に連結したまたは挿入された、1つまたは複数の芳香族環、または1つまたは複数の酸素もしくは硫黄原子、またはスルホキシド、スルホン、ジスルフィド、アミノ、アルキルアミノ、ヒドロキシル、第4級アンモニウム、ウレイド、アミドまたはエステル基を含有することができ、かつ
X
-は、無機または有機酸由来のアニオンを示し;
A
1、R
13およびR
15は、それらが結合している2つの窒素原子と、ピペラジン環を形成することができ;さらに、A
1が、直鎖状または分岐した、飽和または不飽和の、アルキレンまたはヒドロキシアルキレン基を示す場合、B
1も以下の基を示すことができる:
-(CH
2)
n-CO-E'-OC-(CH
2)
n-
[式中、nは、0から7の整数を示し、E'は:
a)式-O-Z-O-のグリコール残基(式中、Zは、直鎖状または分岐した炭化水素系基を示す)、または以下の式の1つに相当する基:
-(CH
2-CH
2-O)
X-CH
2-CH
2-
-[CH
2-CH(CH
3)-O]
y-CH
2-CH(CH
3)-
[式中、xおよびyは、1から4の整数をそれぞれ示し、定義されたおよび唯一の重合度または平均重合度を表す1から4の任意の数を表す;]
b)ピペラジン誘導体などのビス-第2級ジアミン残基;
c)式-NH-Y-NH-のビス-第1級ジアミン残基(式中、Yは、直鎖状または分岐した炭化水素系基または代わりに二価の基-CH
2-CH
2-S-S-CH
2-CH
2-を示す);
d)式-NH-CO-NH-のウレイレン基
を示す。]]
【0143】
好ましくは、X
-は、塩化物イオンまたは臭化物イオンなどのアニオンである。
【0144】
このタイプのポリマーは、特に仏国特許第2 320 330号、第2 270 846号、第2 316 271号、第2 336 434号および第2 413 907号ならびに特許US 2 273 780、2 375 853、2 388 614、2 454 547、3 206 462、2 261 002、2 271 378、3 874 870、4 001 432、3 929 990、3 966 904、4 005 193、4 025 617、4 025 627、4 025 653、4 026 945および4 027 020において報告されている。
【0145】
より詳細には、式(XVIII)に相当する繰り返し単位からなるポリマーを使用することができる:
【0146】
【化14】
【0147】
[式中、R
13、R
14、R
15およびR
16は、同一であっても異なっていてもよく、約1から4個の炭素原子を含有するアルキルまたはヒドロキシアルキル基をそれぞれ示し、nおよびpは、約2から8の範囲にある整数であり、X
-は、無機または有機酸由来のアニオンである。]好ましくは、R
13、R
14、R
15およびR
16は、メチル基をそれぞれ示す。使用することができ、式(XVIII)に相当するポリマーの例として、Chimex社によって、Mexomere POの名称の下で販売されているヘキサジメトリンクロリドを挙げることができる。
【0148】
(9)式(XIX)の単位からなるポリ第4級アンモニウムポリマー:
【0149】
【化15】
【0150】
[式中、
pは、約1から6の範囲にある整数を示し、
Dは、何もなくてもよい、または基
-(CH
2)
r-CO-(式中、rは、4または7に等しい数を示し、
X
-は、無機または有機酸由来のアニオンである。)
を表すことができる。]
【0151】
式(XIII)の単位を含むカチオン性ポリマーは、特に特許出願EP-A-122 324において報告されており、US特許No.4 157 388、4 390 689、4 702 906および4 719 282において報告されている方法に従って調製することができる。
【0152】
これらのポリマーの中で、100 000未満の炭素13NMRによって測定される分子量を有し、その式が以下であるものが優先される:
pは、3に等しく、
a)Dは、基-(CH
2)
4-CO-を表し、Xは、塩素原子を示し、炭素13NMR(
13C NMR)によって測定される分子量は、約5600であり(このタイプのポリマーは、Miranol社によって、Mirapol-AD1の名称の下で販売されている);
b)Dは、基-(CH
2)
7-CO-を表し、Xは、塩素原子を示し、炭素13NMR(
13C NMR)によって測定される分子量は、約8100であり(このタイプのポリマーは、Miranol社によって、Mirapol-AZ1の名称の下で販売されている);
c)Dは、値0を示し、Xは、塩素原子を示し、炭素13NMR(
13C NMR)によって測定される分子量は、約25 500であり(このタイプのポリマーは、Miranol社によって、Mirapol-A15の名称の下で販売されている);
d)Miranol社によって、Mirapol-9、(
13C NMR 分子量約7800)、Mirapol-175(
13C NMR 分子量約8000)、およびMirapol-95(
13C NMR分子量約12 500)の名称の下で販売されている、パラグラフa)およびc)において記載したポリマーに相当する単位で構成されているブロックコポリマー。
【0153】
さらにより詳細には、式(XI)(式中、pは、3に等しく、Dは、値0を示し、Xは、塩素原子を示し、炭素13NMR(
13C NMR)によって測定される分子量が、約25 500である。)の単位を含むポリマーが、本発明に従って好ましい。
【0154】
(10)例えば、BASF社によって、Luviquat FC 905、FC 550およびFC 370の名称の下で販売されている製品などの、ビニルピロリドンおよびビニルイミダゾールの第4級ポリマー。
【0155】
(11)CTFA辞典においてPolyethylene Glycol (15) Tallow Polyamineの名称の下で参照される、Henkelによって販売されているPolyquart Hなどのカチオン性ポリアミド。
【0156】
(12)ポリ(ビニルアミン/ビニルアミド)などの、ビニルアミドホモポリマーまたはコポリマー、特に部分的に加水分解されたビニルアミドホモポリマー。これらのポリマーは、以下の式に相当する少なくとも1つのビニルアミドモノマーで構成されている:
H
2C=CR
2NRC(O)R
1
[式中、R、R
1およびR
2は、水素原子、C
1〜C
20アルキル基、アリール基およびそのアルキル部分が、1から20個の炭素原子を含有するアルキルアリール基からそれぞれ選択される。]
【0157】
特に、前記モノマーは、N-ビニルホルムアミド、N-メチル-N-ビニルアセトアミドおよびN-ビニルアセトアミドから選択することができる。好ましくは、BASF社によって、CatiofastVMPの名称の下でまたはBASF社によって、Lupamin 9030の名称の下で販売されているようなポリ(ビニルアミン/N-ビニルホルムアミド)を使用する。
【0158】
これらのポリマーは、例えば、出願WO 2007/005577、US 5 374 334、US 6 426 383およびUS 6 894 110において報告されているような、四級化可能であるアミン官能基を生じる、ビニルアミドモノマーのラジカル重合、次いでアミド官能基の部分的な酸または塩基加水分解によって形成することができる。
【0159】
(13) カチオン性ポリウレタン。
【0160】
(14)本発明の関連で使用することができる他のカチオン性ポリマーは、カチオン性タンパク質またはカチオン性タンパク質加水分解物、ポリアルキレンイミン、特にポリエチレンイミン、ビニルピリジンまたはビニルピリジニウム単位を含有するポリマー、およびキチン誘導体である。
【0161】
本発明の関連で使用することができるすべてのカチオン性ポリマーの中で、(1)、(2)および(7)のファミリーのポリマー、特にヒドロキシエチルセルロースおよびジアリルジメチルアンモニウムクロリド(ポリクオタニウム-4)またはポリクオタニウム-11のコポリマーを、本発明による組成物において、好ましくは使用する。
【0162】
カチオン性ポリマーが存在する場合には、本発明による組成物は、組成物の総重量に対して、0.001%から5質量%、特に0.01%から2質量%のカチオン性ポリマーを含むことができる。
【0163】
本発明による組成物は、例えば、抗酸化剤、有機紫外線遮断薬、無機紫外線遮断薬、増粘剤、粘滑剤、消泡剤、保湿剤、柔軟剤、可塑剤、鉱物充填材、粘土、コロイド状鉱物、真珠光沢剤、芳香剤、ペプタイザー、防腐剤、上記のカチオン性ポリマー以外の固定または非固定ポリマー、タンパク質、ビタミン、抗フケ用薬剤およびこれらの化合物の混合物などの、当技術分野において通例使用する1つまたは複数の化粧用添加物を含むことができる。
【0164】
当業者は、任意選択の添加物およびその量を、それらが本発明の組成物の特性に有害でない方法で、選択するよう取り計らうことになる。
【0165】
それらが存在する場合、これらの添加物は、本発明による組成物の総重量に対して、0.001%から90質量%、好ましくは0.001%から50質量%、より良くは0.001%から20質量%の範囲にある量を個々に表すことができる。
【0166】
本発明による組成物は、水または水および1つまたは複数の有機溶媒の混合物を一般に含む。
【0167】
有機溶媒の目的で、エタノール、イソプロパノール、tert-ブタノールまたはn-ブタノールなどの低級(C
1〜C
4)アルコール;プロピレングリコールおよびグリセロールなどのポリオール;ポリオールエーテル;C
5〜C
10アルカン;アセトンなどの、C
3〜C
4ケトン;酢酸メチル、酢酸エチルおよび酢酸ブチルなどの、酢酸C
1〜C
4アルキル;ジメトキシエタン、ジエトキシエタン;およびそれらの混合物を挙げることができる。
【0168】
本発明による組成物が、1つまたは複数の有機溶媒を含む場合、それらは、組成物の総重量の、0.1から30質量%、好ましくは0.1から10質量%の比率で存在することができる。
【0169】
本発明による組成物のpHは、前記組成物が水性である場合、一般に1.5から11、好ましくは2から6.5の範囲にある。それは、ケラチン繊維の染色に通常使用する1つまたは複数の酸性化または塩基性化剤を用いて、または代わりに1つまたは複数の標準緩衝系を使用して、望ましい値に調整することができる。
【0170】
酸性化剤の中で、挙げることができる例は、無機または有機酸、例えば塩酸、オルトリン酸、硫酸およびスルホン酸、ならびにカルボン酸、例えば酢酸、酒石酸、クエン酸および乳酸を含む。
【0171】
塩基性化剤の中で、例として、アンモニア水、アルカリ金属炭酸塩、モノ-、ジ-およびトリエタノールアミンなどのアルカノールアミン、またそれらの誘導体、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび以下の式(XX)の化合物を挙げることができる:
【0172】
【化16】
【0173】
[式中、
Wは、ヒドロキシル基またはC
1〜C
4アルキル基で任意選択で置換されたプロピレン残基であり;
R
a、R
b、R
cおよびR
dは、同一であっても異なっていてもよく、水素原子またはC
1〜C
4アルキルまたはC
1〜C
4ヒドロキシアルキル基を表す。]
【0174】
本発明による組成物は、局所適用に標準的に使用する生薬の形態(galenical form)のいずれかとすることができる。特に、本発明による組成物は、ローション、ジェル、スプレー、ムースまたはクリームとすることができる。
【0175】
本発明による組成物は、シャンプー、コンディショナー、整髪製品、染色製品、脱色製品またはパーマネントウェービング製品とすることができる。
【0176】
好ましくは、本発明による組成物は、コンディショナーである。
【0177】
本発明の別の対象は、ケラチン繊維、好ましくは毛髪および頭皮などのヒトケラチン繊維に上記の本発明による組成物を適用し、続いて前記ケラチン繊維のすすぎを行うかまたは行わない、好ましくは行わないことを含む、美容処置方法である。
【0178】
適用される本発明による組成物は、その浸透を促進するために、手によってまたはブラシもしくはくしなどの、任意の他の適した手段を使用して、毛髪上へマッサージすることができる。
【0179】
以下の例は、本発明を例示することが意図されているが、しかしながら、本質的に限定することはない。