(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
各ユーザに関連付けられた個別のパラメータであって、ゲーム内において前記各ユーザがゲームを実行する際に減少するパラメータが減少されたことに応じて前記各ユーザの進行度を個別に変更させてゲームを進行する制御部と、
同一グループに含まれる仲間関係にある複数のユーザ間の進行度の差を参照して、前記複数のユーザの進行度の変更を個別に調整する変更調整部と、
を少なくとも含むゲームシステム。
前記変更調整部は、前記グループに含まれる複数のユーザのうち進行度の高いユーザに対する前記増加量を減少させる第一の調整処理と、前記グループに含まれる複数のユーザのうち進行度の低いユーザに対する前記増加量を増加させる第二の調整処理との少なくとも一方を行う、
請求項5に記載のゲームシステム。
前記変更調整部は、前記グループに含まれる複数のユーザのうち進行度の高いユーザに対する前記増加量を減少させる第一の調整処理と、減少させた量の少なくとも一部を、前記グループに含まれる複数のユーザのうち進行度の低いユーザに対する前記増加量に加える第二の調整処理とを行う、
請求項5に記載のゲームシステム。
前記予測値算出部が算出した前記ユーザの進行度の予測値が、前記予測値算出部が算出した前記グループに含まれる他のユーザの進行度の予測値の所定量以下である場合、前記ユーザに警告を出力する警告部
を更に含む請求項8に記載のゲームシステム。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の一態様は、ゲームシステムを提供する。前記ゲームシステムは、制御部と、変更調整部と、を少なくとも含んでもよいが、必ずしもこれらに限定されるものではない。前記制御部は、各ユーザに関連付けられた個別のパラメータの変更に応じて前記各ユーザの進行度を個別に変更させてゲームを進行する。前記変更調整部は、同一グループに含まれる複数のユーザ間の進行度の差を参照して、前記複数のユーザの進行度の変更を個別に調整する。
【0008】
前記ゲームシステムは、前記グループに含まれる前記複数のユーザ間の進行度の差を出力部に出力させる出力制御部を更に含んでもよい。
【0009】
前記変更調整部は、前記グループに含まれる複数のユーザの進行度の差が基準値を超えると、前記進行度の変更を調整してもよい。
前記変更調整部は、前記進行度の変更の調整を、前記進行度を示す値に増加させる増加量を調整することにより行ってもよい。
【0010】
前記変更調整部は、前記グループに含まれる複数のユーザのうち進行度の高いユーザに対する前記増加量を減少させる第一の調整処理と、前記グループに含まれる複数のユーザのうち進行度の低いユーザに対する前記増加量を増加させる第二の調整処理との少なくとも一方を行ってもよい。
【0011】
前記変更調整部は、前記グループに含まれる複数のユーザのうち進行度の高いユーザに対する前記増加量を減少させる第一の調整処理と、減少させた量の少なくとも一部を、前記グループに含まれる複数のユーザのうち進行度の低いユーザに対する前記増加量に加える第二の調整処理とを行ってもよい。
【0012】
前記ゲームシステムは、前記各ユーザの進行度を管理する管理部と、前記進行度の変化に基づいて、前記グループに含まれるユーザ毎の進行度の予測値を算出する予測値算出部と、前記予測値を出力部に出力させる予測値出力制御部と、を更に含んでもよい。
【0013】
前記ゲームシステムは、前記予測値算出部が算出した前記ユーザの進行度の予測値が、前記予測値算出部が算出した前記グループに含まれる他のユーザの進行度の予測値の所定量以下である場合、前記ユーザに警告を出力する警告部を更に含んでもよい。
【0014】
本発明の一態様は、ゲーム制御方法を提供する。前記ゲーム制御方法は、各ユーザに関連付けられた個別のパラメータの変更に応じて前記各ユーザの進行度を個別に変更させてゲームを進行するステップと、同一グループに含まれる複数のユーザ間の進行度の差を参照して、前記複数のユーザの進行度の変更を個別に調整するステップと、を少なくとも含むゲーム制御方法を少なくとも含む。
【0015】
本発明の一態様は、ゲーム制御方法を行うために実行されるコンピュータプログラムを提供する。前記ゲーム制御方法は、各ユーザに関連付けられた個別のパラメータの変更に応じて前記各ユーザの進行度を個別に変更させてゲームを進行するステップと、同一グループに含まれる複数のユーザ間の進行度の差を参照して、前記複数のユーザの進行度の変更を個別に調整するステップと、を少なくとも含む。
【0016】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
<第1の実施形態>
まず、本発明の第1の実施形態として、本発明の概要を説明する。
図1は、本実施形態によるゲーム装置1の構成を示すブロック図である。ゲーム装置1は、記憶部320と、制御部330とを備えており、ユーザから入力される指示情報に応じて進行させるゲームを提供する。本実施形態で提供するゲームは、ゲームの進行中において敵キャラクタが登場し、ユーザに関連付けられたキャラクタと敵キャラクタとが戦闘を行い、敵キャラクタを倒しながら先に進んでいくものである。
【0017】
記憶部320は、ユーザ情報記憶部321と変更量記憶部323とを備えており、ゲームを提供するために利用する各種情報を記憶する。
ユーザ情報記憶部321は、ゲーム装置1が提供するゲームをプレイするユーザに関するユーザ情報を記憶する。
図2は、ユーザ情報記憶部321が記憶するユーザ情報のデータ例を示す図である。ユーザ情報には、各ユーザを識別する情報であるユーザIDと、各ユーザが所属するグループを識別する情報であるグループIDと、体力(現状値/上限値)と、達成率とが含まれる。ユーザIDは、ゲーム装置1が提供するソーシャルゲームをプレイするユーザを識別する情報である。
【0018】
体力(現状値/上限値)は、ゲーム内においてユーザがゲームを実行する際に減少 する値である。具体的には、ユーザによるゲームの指示情報の入力を受けて当該ユーザがゲームを実行する毎に減少し、一定時間経過する毎に所定量増加して回復する。現状値は、現在の体力の値であり、上限値は体力が回復する際の上限値である。達成率は、ユーザ毎のゲームの進行度合いを示す値である。例えばゲーム内に複数のステージが用意され、あるステージをクリアすると、次のステージに進むことが可能となる構成を採用している場合は、前記達成率は、初期状態では0から開始し、ステージクリアを100としてゲームの進行とともに増加する。
【0019】
変更量記憶部323は、達成率に加算する値である達成率増加量を記憶する。この達成率増加量は、ユーザがゲームを実行する毎に減少する体力値に応じて増加する達成率の増加量である。
図3は、変更量記憶部323が記憶する達成率増加量のデータ例を示す図である。達成率増加量の初期値は、例えば10であり、この場合、体力が所定値減少する毎に達成率は10増加する。
【0020】
図1に戻り、制御部330は、変更調整部331とゲーム進行部332とを備えており、上述のようなゲームを提供する。
変更調整部331は、所定のグループに含まれる複数のユーザの進行度の差に基づいて、進行度の変更を調整する。本実施形態では、進行度とは、達成率の値である。通常、
図3に示したように、ユーザがゲームを進行する際に、体力の値の減少に応じて加算される達成率の増加量は、ユーザに関わらず一定である。しかし、本実施形態の変更調整部331は、グループ内における他のユーザの達成率の値に応じて、ユーザに加算する達成率の増加量を変化させる。
【0021】
変更調整部331は、各ユーザの達成率増加量を、ある基準やルールに従って調整する。達成率増加量は、同一グループに属する他のユーザの達成率と当該ユーザの達成率との相対的な関係を参照して、ユーザ毎に個別に調整が行われる。例えば、同一グループに属する他のユーザの達成率と当該ユーザの達成率との差を参照して、ユーザ毎に達成率増加量の調整を行ってもよい。達成率増加量の調整基準やルールは、特に限定するものではないが、同一グループに属するユーザ間の達成率の差が、以下の説明する条件の下で、減少するように調整基準及び具体的適用ルールを決めることができる。ここで、具体的適用ルールとは、調整基準を充足するように調整を行うための具体的手法を定めたルールである。前述した条件とは、同一グループに属する複数のユーザによるゲームの指示情報の入力が同程度の頻度で行われることで、当該ユーザのゲームの実行頻度も同様に行なわれたとする条件である。達成率の増加は、達成率増加量に加え、ユーザのゲームの実行頻度が影響する。ユーザのゲームの実行頻度は、ユーザによるゲームの指示情報の入力の頻度に依存する。このため、上記条件が前提条件として、達成率増加量の調整基準やルールを決める必要がある。即ち、達成率の高いユーザに対する達成率増加量が、達成率の低いユーザに対する達成率増加量より低くなるように、達成率増加量の調整の基準を決めることで、上記条件の下では、ユーザ間の達成率の差が減少することに寄与するはずである。ユーザ間の達成率の差が減少することは、ユーザ間の進行度の差を減少することになる。ユーザ間の進行度の差が減少することで、各ユーザは、現実には個別にゲームをしているにもかかわらず、あたかも同一グループに属する他のユーザと同一のゲームをプレイしているという感覚を想起させるのに寄与するはずである。
上記調整基準を充足するように達成率増加量の調整を行うための手法は、同一グループに属する複数のユーザ間の達成率の差を参照する手法を含む。尚、ユーザ間の達成率の差を参照することは、ユーザ間の進行度の差を参照することと実質同じ効果になるはずであるため、以下、「達成率の差を参照する」の表現の意味は、文言通りの意味に加え、「進行度の差を参照する」ことの意味を含むものとする。具体的には、上記調整基準を満たす適用ルールの一例として、複数のユーザ間の達成率の差を参照して、ユーザ毎に補正係数を決定し、ユーザ毎に決めた当該補正係数を、予め定められたベースとなる共通の値に適用することで、ユーザ毎の達成率増加量を算出する手法であってもよい。前述の補正係数決定手法は、達成率が高いほど補正係数が小さくなる関係であればよい。この関係を満たす多数の利用可能な補正係数決定手法が存在するが、達成率の高いユーザの補正係数が低くなり達成率の低いユーザの補正係数が高くなる補正係数算出のルールを適用することができる。以下に上記補正係数算出ルールの一例を挙げるが、必ずしもこれに限定されるものではない。
例えば、
図2に示したように、ユーザU1の達成率は5であり、ユーザU2の達成率は60であって、ユーザU1とユーザU2との達成率の差が開いている場合、達成率の高いユーザU2に対して加算する達成率増加量を減少させるような所定の補正値(例えば、1/2)を乗じ、達成率の低いユーザU1に対して加算する達成率増加量を増加させるように所定の補正値(例えば、2)を乗じて補正後の達成率増加量を算出する。例えば、変更調整部331は、ユーザU2に対しては、達成率増加量を1/2倍に減少させた値を補正後の達成率増加量として算出し(10×(1/2)=5)、ユーザU1に対しては、達成率増加量を2倍に増加させた値を補正後の達成率増加量として算出する(10×2=20)。
前記達成率増加量の調整を行うための手法の他例として、例えば、達成率の差が所定の値を超えた場合に、主ユーザが最も達成率の高いユーザであるか否か、または最も達成率の低いユーザであるか否かを判定してもよい。更なる他の例として、グループ内における主ユーザの順位を確認し、最も達成率が高い、あるいは最も達成率が低い場合に達成率の差を求めても良い。更なる他の例として、主ユーザから所定の値以上達成率が離れたユーザがいるか否かの判断を行い、所定の値以上に先に進んだユーザがいれば、主ユーザの達成率の増加量を上げる処理を行い、所定の値以上に遅れたユーザがいれば、主ユーザの達成率の増加量を下げる処理を行ってもよい。更なる他の例として、達成率の差と増加量の変更値を段階的に設定し、主ユーザとの達成率の差が最も離れているユーザとの差に基づいて、主ユーザの達成率の増加量の差を変更しても良い。
「達成率」は、ゲームの各ステージでの進行の程度を示す値である。進行度の一例は、ユーザが進行している進行ステージと、そのステージにおける達成率とによって示されるものであってもよい。この場合、前述したように達成率の差を参照することに代え、ゲームの進行度の差を参照して進行の変化量を調整してもよい。即ち、達成率の差を参照して、達成率増加量の調整を行うことは、ゲームの進行度の差を参照して進行の変化量の調整を行うことの典型例に過ぎない。
【0022】
「ゲームの進行度」は、ユーザが進行している進行ステージと、そのステージにおける達成率とによって示されるものに限定されるものではない。例えば、ゲームの進行度は、ユーザが保有するアイテムやキャラクタ等のゲーム内オブジェクトのユーザ毎の所有量に関連する値であってもよい。例えば、ゲーム内の進行過程におけるある一つのエリアにおいてしかユーザに付与しない固有のアイテムの保有量を、当該エリアにおけるユーザの進行度として適用することもできる。例えば、同じグループに属する複数のユーザがそれぞれ保有する所定のアイテムの保有量の差が所定の差以上となった場合に、ゲームの進行に応じてユーザに付与するアイテムの抽選確率を変更することにより、ユーザの進行度の変更を調整することができる。抽選確率が変更されることで、ユーザがそのアイテムをその後入手する確率が変更され、結果として、アイテム保有量に影響を与える。アイテム保有量は、ゲームの進行に影響を与えるため、結果として、抽選確率の変更が、ゲームの進行度の変更に影響を与える。即ち、抽選確率の変更することで、ゲームの進行度の変更を調整することができる。
このように、同じグループに属する複数のユーザ同士の進行度の差を参照して、達成率に加算する達成率増加量を調整することで、ユーザ間の進行度の差を少なくすることができる。
同じグループに属するユーザ同士の達成率がゲームの進行に影響しあうようにすることで、前述したように、ユーザ同士が現実には個別にゲームをしているにもかかわらず、あたかも同一のゲームをプレイしているという感覚を想起させるのに寄与するはずである。例えば、ゲームのユーザ同士が、互いにゲーム内でのコミュニケーションを行うことを可能にする既知の技術をゲームシステムに適用することで、ユーザ同士がコミュニケーションをとって協力しながらゲームを楽しむことを促すことができ、ゲーム性を高めることができる。達成率の高いユーザが、達成率の低いユーザに、攻略方法やアイテムの取得方法等のゲームの進行に役立つ情報を提供する動機付けになる。この情報提供の結果、当該達成率の低いユーザによるゲームの進行の促進に寄与し、結果として、ユーザ間の達成率の差を更に低減することにつながる。あるいは、達成率の高いユーザが達成率の低いユーザにメッセージを送って励ましたり、達成率の高いユーザが達成率の低いユーザにアイテム等を提供したりすることでゲーム進行をサポートする動機付けになる。
【0023】
具体的には、例えば、変更調整部331は、ゲーム進行部332によってユーザに対応する体力の値が減少され、達成率に増加量が加算される際に、そのユーザとそのユーザが属するグループ内における他のユーザとの達成率の差を算出し、他のユーザとの達成率の差に応じて、達成率増加量に所定の補正値を乗じて、補正後の達成率増加量を算出する。
ゲーム進行部332は、ユーザに対応するパラメータの変更に応じてユーザの達成率或いは進行度を変更させてゲームを進行する。ここでは、ゲーム進行部332は、ユーザに対応するパラメータである体力の値を減少させることに応じて、ユーザの達成率に所定の増加量を加算させることによりゲームを進行する。ゲーム進行部332がユーザの達成率に加算する達成率増加量は、変更調整部331によって算出される。
【0024】
次に、本実施形態のゲーム装置1の動作例を説明する。
図4は、本実施形態のゲーム装置1の動作例を示すフローチャートである。
ゲーム装置1に、ユーザからの指示情報が、 例えばユーザ端末(図示しない)を介して入力されると(ステップS1)、変更調整部331は、そのユーザが属するグループ内における他のユーザ(同一グループに含まれる他のユーザ)と、そのユーザの達成率との差を算出する(ステップS2)。また、変更調整部331は、変更量記憶部323に記憶されているユーザの達成率増加量を読み出し、読み出した達成率増加量を前述の手法で調整する。即ち、前記読み出した達成率増加量に、前記算出した差に応じた補正値を乗じた補正後の達成率増加量を算出する。ゲーム進行部332は、変更調整部331が算出した補正後の達成率増加量を、ステップS1においてユーザからの指示情報を入力したユーザの達成率に加算し、ユーザ情報記憶部321に記憶させる(ステップS3)。
【0025】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。第1の実施形態と同様の構成については
図1と同一の符号を付し、説明を省略する。第2の実施形態では、前述した第1の実施形態で説明したゲーム制御を実際に実現するのに必要となるゲームシステム全体を説明する。
図5は、ゲームシステム2の構成を示すブロック図である。ゲームシステム2は、ユーザ端末100−1と、ユーザ端末100−2と、ユーザ端末100−3、・・・と、SNSサーバ200と、ゲーム装置300の各コンピュータ装置を備えており、これらのコンピュータ装置はインターネット網やLAN(Local Area Network)等のネットワークを介して接続されている。ユーザ端末100−1と、ユーザ端末100−2と、ユーザ端末100−3とは同様の構成であるため、特に区別しない場合には、「−1」、「−2」等の記載を省略してユーザ端末100として説明する。ここでは3台のユーザ端末100を図示して説明するが、任意の台数のユーザ端末100がSNSサーバ200に接続されていてもよい。
【0026】
まず、ゲームシステム2の概要を説明する。SNSサーバ200は、複数のユーザを会員とするSNSを提供する。ゲーム装置300は、SNSサーバ200によって提供されるSNS上において動作するソーシャルゲームを提供する。ユーザ端末100は、SNSサーバ200によって提供されるSNSのユーザに、ゲーム装置300から提供されるゲームをプレイさせる。
【0027】
次に、ゲームシステム2が備える各コンピュータ装置の具体的な構成を説明する。
ユーザ端末100は、ユーザが利用するコンピュータ装置であり、例えばPC(Personal Computer)、タブレットPC、スマートフォンやフィーチャーフォン等の携帯電話機、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)等が適用できる。本実施形態では、ユーザ端末100はスマートフォンであるとして説明する。ユーザ端末100は、入力部110と、通信部120と、出力部130と、記憶部140と、制御部150とを備えている。
【0028】
入力部110は、ボタンやタッチパネルなどの入力デバイスを備えており、ユーザからの指示情報の入力を受け付ける。また、入力部110は、ユーザからの指示情報の入力を音声により受け付けるマイクロホンであってもよい。
通信部120は、ネットワークを介して接続された他のコンピュータ装置と通信する。
出力部130は、画像やテキスト等を表示する表示部であるディスプレイや、音声を出力するスピーカであり、情報を出力する。ここで、入力部110と、表示部である出力部130とは一体に構成されてユーザからの操作を受け付けるタッチパネルでもよい。
記憶部140には、ユーザ端末100を動作する際に用いる各種情報が記憶される。
【0029】
制御部150は、ユーザ端末100の制御中枢として機能するCPU(Central Processing Unit)等の情報処理装置を備えており、ユーザ端末100の各部を制御する。例えば、制御部150は、入力部110に入力されるユーザからの指示情報に応じた処理を実行したり、通信部120を介してSNSサーバ200やゲーム装置300から受信するゲーム画面等の情報を出力部130に表示させたりする処理を行う。また、制御部150は、SNSサーバ200を介してゲーム装置300と通信を行うことにより所定のゲームを進行させる。
【0030】
本実施形態においてゲーム装置300から提供されるゲームはSNS上において動作するソーシャルゲームであり、制御部150はブラウザアプリケーションを動作させることによりゲームを進行させる。
図6から
図9は、制御部150が出力部130に表示させるゲーム画面の例を示す図である。
図6は、出力部130が表示するゲームの基本画面の例を示す図である。ゲームの基本画面における符号aの領域には、ユーザを示す画像を表示する。この画像は、例えば、SNSにおけるアバター画像を適用してもよい。符号bの領域には、ユーザIDを表示する。符号cの領域には、ゲーム内におけるユーザの各パラメータを表示する。符号dの領域には、ユーザがゲームを開始することを示すゲーム開始要求である指示情報の入力を受け付ける「ゲーム開始」ボタンを表示する。符号eの領域には、同じグループに属する各ユーザの達成率を表示する画面を要求する指示情報の入力を受け付ける「グループの達成率をみる」ボタンを表示する。
【0031】
図7は、タッチパネル等のユーザインターフェイスを介してゲーム開始ボタンがタッチされて指示情報が入力されると表示するゲームの進行画面の例を示す図である。ここでは、所定のエリアであるエリアAに複数のステージが対応付けられており、このようなステージを進むことによりゲームが進行する。例えば、エリアAには、エリアA−1からエリアA−6までのステージが対応付けられており、ゲームはこのステージ順に進行する。この図は、符号fに示すエリアA−1を進み終え、符号gに示すエリアA−2を進んでいる場合の進行画面である。符号g1の領域には、進行中のステージを識別する「エリアA−2」の文字を表示する。符号g2の領域には、そのステージにおける達成率を表示する。達成率は、例えばステージ毎に0から開始し、ユーザが進む毎に増加して、100になった時点でそのステージのクリアとなる。ステージをクリアすると、次のステージに移行する。次のステージに移行すると、新たなステージの達成率を0から開始し、ユーザがゲームを実行する毎に達成率が増加する。エリアに定められた全てのステージをクリアすると、そのエリアのクリアとなる。符号g3の領域には、ユーザに対応する体力を示しており、体力は、タッチパネル等のユーザインターフェイスを介して「進む」の指示情報が入力される毎に減少し、0になると進むことができなくなる。体力は、例えば一定時間毎(例えば、3分)に一定量(例えば、1)が回復(増加)する。符号g4の領域には、「進む」の指示情報を入力するためのボタンを表示しており、このボタンにユーザがタッチすることで当該ユーザの指示情報が入力され、ユーザに対応する体力が減少すると共に、達成率が増加し、ゲームが進行する。
【0032】
ここで、本実施形態により提供するゲームはソーシャルゲームであり、タッチパネル等のユーザインターフェイスを介して「進む」の指示情報が入力され、ユーザがステージを進む毎に、定められた確率に基づく抽選処理を行い、抽選対象物を報酬としてユーザに付与する。ここでユーザに付与する報酬は、例えば、ユーザが敵キャラクタと対戦する際に使用するキャラクタや、キャラクタに装備させる武器や防具等といったアイテムなどが適用できる。ユーザは、このようなキャラクタやアイテムなどのオブジェクトを収集するとともにゲーム内で使用することにより、ゲームを有利に進めることができる。また、ユーザに対応する体力を増加させる回復薬等のアイテムを、ユーザがステージを進む毎に、定められた確率でユーザに報酬として付与することもできる。さらに、タッチパネル等のユーザインターフェイスを介して「進む」の指示情報が入力され、ステージを進む毎に、一定の確率でイベントが発生し、敵キャラクタが出現することもある。尚、抽選処理を行う基準及び一定の確率でイベントを発生させる基準は、前述した例に限るものではない。
【0033】
図8は、イベントが発生して、敵キャラクタが出現した際の戦闘画面の例を示す図である。
符号hの領域には、敵キャラクタの姿を示す画像を表示する。符号iの領域には、ユーザに関連付けられたキャラクタが敵キャラクタとの戦闘において使用するオブジェクトを表示する。符号jの領域には、「戦闘開始」ボタンを表示しており、このボタンにユーザがタッチすることで戦闘要求である指示情報が入力され、戦闘処理を行う。
【0034】
ユーザは、タッチパネル等のユーザインターフェイスを介して、自身が属するグループの他のユーザの達成率を表示画面に表示させる指示情報を入力することができる。
図9は、ゲームの基本画面において「グループの達成率をみる」ボタンがタッチされた場合に表示する達成率表示画面の例を示す図である。「グループの達成率をみる」ボタンは、ユーザ自身が属するグループの他のユーザの達成率を表示画面に表示させる指示情報を入力する際に使用する。
図9に例示するように、符号kの領域には、同じグループに属する複数のユーザが、それぞれエリアにおけるステージをどこまで進行させているかを表示する。エリアAは、第1ステージ乃至第6ステージを有する。ユーザは、第1ステージから第6ステージの順番に進む。
図9の例では、第6ステージから第1ステージを上から下へ順番に表示する。そして、各ステージの直下に当該ステージを進行中のユーザを識別する情報であるユーザIDを表示する。ここでは、進行度が高いステージ順 に、そのステージまでゲームを進行させているユーザのユーザIDを対応付けて表示している。例えば、ゲームを行っている主ユーザであるユーザU1は、エリアA−1のステージをクリアし、現在エリアA−2のステージを進行中であることを示している。図に示すように、主ユーザの箇所には星印☆を付加する等の表示を行い、グループ内におけるユーザ自身の相対的な位置を目立たせて表示することができる。一方、例えば、主ユーザと同一のグループに属する他のユーザであるユーザU2は、エリアA−1からエリアA−5までのステージをクリアし、現在エリアA−6のステージを進行中であることを示している。このような達成率表示画面を表示させることより、例えば、他のユーザと比べてゲームの進行が遅れているユーザは、自身が遅れていることを視覚的に把握することができる。これにより、進行が遅れているユーザに、早くゲームを進行させる動機を与えることができる。
【0035】
図5に戻り、SNSサーバ200は、SNSを提供するコンピュータ装置であり、SNS制御部210と、ユーザ情報記憶部220と、通信部230とを備えている。
SNS制御部210は、例えばウェブサーバの機能を備えており、予め定められたプログラムに基づいてSNSを提供する。
【0036】
ユーザ情報記憶部220は、SNSを利用する会員であるユーザに関するユーザ情報を記憶する。
図10は、ユーザ情報記憶部220が記憶するユーザ情報のデータ例を示す図である。ユーザ情報には、ユーザIDと、フレンドユーザIDと、メールアドレスとが含まれる。ユーザIDは、SNSにおいてユーザを識別する情報である。フレンドユーザIDは、SNSにおいて対応付けられた他のユーザのユーザIDである。例えば、フレンドユーザとして対応付けられたユーザ間ではSNSにおける各種情報が共有されるように制御される。メールアドレスは、ユーザのメールアドレスである。
【0037】
図5に戻り、通信部230は、ネットワークを介して接続された他のコンピュータ装置と通信する。
上記構成を用いて、SNSサーバ200は、ユーザ端末100を介してユーザにSNSを提供する為の処理を行う。また、ユーザ端末100とゲーム装置300との通信を中継する。本実施形態においては、ユーザ端末100とゲーム装置300との間の通信は全てSNSサーバ200を介して行われるものとするが、ユーザ端末100とゲーム装置300とが直接通信を行うようにしてもよい。
【0038】
ゲーム装置300は、SNS上で動作するソーシャルゲームを提供するコンピュータ装置であり、通信部310と、記憶部320と、制御部330とを備えている。
通信部310は、ネットワークを介して接続された他のコンピュータ装置と通信する。
【0039】
記憶部320は、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等の記録媒体またはこれらの組合せを用いて構成され、ゲーム装置300が実行するプログラム(ゲームプログラム)や、ソーシャルゲームを提供するために利用する各種情報が記憶される。記憶部320は、ユーザ情報記憶部321と、オブジェクト情報記憶部322と、変更量記憶部323とを備えている。
【0040】
ユーザ情報記憶部321は、ゲーム装置300が提供するゲームをプレイするユーザに関するユーザ情報を記憶する。
図11は、ユーザ情報記憶部321が記憶するユーザ情報のデータ例を示す図である。ユーザ情報には、各ユーザを識別する情報であるユーザIDと、各ユーザがゲーム上で仲間関係となり関連付けされた他のユーザを識別する情報である仲間ユーザIDと、各ユーザが所属するグループを識別する情報であるグループIDと、レベルと、経験値と、体力(現状値/上限値)と、ゲーム内通貨と、進行ステージと、 達成率とが含まれる。ユーザIDは、第1の実施形態において説明したユーザIDと同様であるが、SNSサーバ200によって提供されるSNSにおけるユーザIDと共通のIDを使用してもよい。
【0041】
本実施形態では、SNSにおけるフレンドユーザと、ソーシャルゲームにおける仲間ユーザとは別個に管理する例を示すが、仲間ユーザIDは、SNSにおけるフレンドユーザIDと共通のIDを使用してもよい。グループユーザIDは、第1の実施形態において説明したグループユーザIDと同様である。ここで、各ユーザが属するグループと同じグループに属する仲間ユーザはそれぞれのユーザ毎に異なることに対し、グループに属するユーザは各ユーザ間で同一である。
すなわち、各ユーザは所定のひとつのグループに属する。グループは、例えばゲームの開始時に定められ、結成される。
【0042】
レベルは、ゲーム内におけるユーザの成長度を示す情報であり、ゲーム内におけるユーザの強さの段階を示す。例えば、ステージを進む毎にユーザに報酬として経験値を付与し、経験値が定められた閾値を超えると、レベルの値を増加させる。レベルの値が増加すると、例えば、ユーザの体力の上限値等が増加する。また、レベルの値が増加することに応じて、例えば1回の戦闘に使用できるキャラクタ等のオブジェクトの数が増加したり、アイテムの熟練度が上がったりすることにより攻撃力が増加する等の制御を行うこともできる。経験値は、ユーザがステージを進むことによりユーザに付与される報酬である。体力は、第1の実施形態において説明した体力と同様である。ゲーム内通貨は、ゲーム内においてユーザに付与された仮想的な通貨の額を示す。進行ステージは、ユーザが進行中のエリアにおける現在のステージを識別する情報である。達成率は、第1の実施形態において説明した達成率と同様であり、ステージにおいてユーザが進んでいる度合いを示す値である。
【0043】
オブジェクト情報記憶部322は、ユーザが保有するオブジェクトに関するオブジェクト情報を記憶する。
図12は、オブジェクト情報記憶部322が記憶するオブジェクト情報のデータ例を示す図である。オブジェクト情報には、ユーザIDと、オブジェクトIDと、オブジェクト名と、攻撃力と、防御力との情報が含まれる。ユーザIDは、オブジェクトを保有するユーザを識別する情報である。オブジェクトIDは、オブジェクトを識別する情報である。オブジェクト名はオブジェクトの名称であり、例えばオブジェクトであるキャラクタやアイテム等の名称である。攻撃力は、対応するオブジェクトを戦闘において使用した場合に敵キャラクタに与えるダメージの程度を示す能力値である。防御力は、対応するオブジェクトを戦闘において使用した場合に敵キャラクタから与えられる攻撃を防御する能力値である。
【0044】
変更量記憶部323は、ユーザがゲームを進行する際に変更させるユーザのパラメータの変更量を記憶する。
図13は、変更量記憶部323が記憶する変更量のデータ例を示す図である。ここでは、ユーザID毎に、消費体力と、達成率増加量と、経験値増加量と、通貨増加量との値が対応付けられる。消費体力は、ユーザからの指示情報の入力を受けてゲームが実行される度に減少させるユーザの体力の値である。達成率増加量は、第1の実施形態において説明した達成率増加量と同様である。経験値増加量は、ユーザからの指示情報の入力を受けて、ゲームを進行する際に加算するユーザに対応する経験値の値である。通貨増加量は、ユーザからの指示情報の入力を受けて、当該ユーザがゲームを進行する際に加算するゲーム内通貨の値である。
【0045】
図5に戻り、制御部330は、変更調整部331と、ゲーム進行部332と、出力制御部333とを備えており、ユーザに対応する体力を減少させることに応じてユーザの達成率を増加させてゲームを進行する。
変更調整部331は、所定のグループに含まれる複数のユーザの進行度の差を参照して、達成率に加算する達成率増加量の値を調整する。本実施形態では、グループに含まれる複数のユーザの進行度の差が所定の差を超えると、変更調整部331は、グループに含まれる複数のユーザのうち進行度の高いユーザに対する達成率増加量を減少させる処理と、そのグループに含まれる複数のユーザのうち進行度の低いユーザに対する達成率増加量を増加させる処理とを行う。
【0046】
本実施形態では、進行度は、ユーザの進行ステージと、そのステージにおける達成率とによって示される。進行ステージがエリアAにおける最終ステージであるエリアA−6に近いほど進行度は高く、エリアAにおける初期ステージであるエリアA−1に近いほど進行度は低い。また、ステージにおける達成率の値が大きいほど進行度は高く、達成率の値が小さいほど進行度は低い。すなわち、ひとつのステージのクリアは達成率が100になった場合であるため、進行ステージまでにクリアしたステージの数に100を乗じた値と、進行ステージにおける達成率の値とを足した値が、そのユーザのエリアにおける達成率である。同じグループに属するユーザ毎に、このようなエリアにおける達成率を算出して比較することにより、進行ステージの異なるユーザ間の進行度を一律に比較できる。例えば、進行ステージがA−2であり、A−2における達成率が30であるユーザU1のエリアにおける達成率は、(1(クリアしたステージ数)×100+30=)130である。
進行ステージがA−6であり、A−6における達成率が50であるユーザU2のエリアにおける達成率は、(5(クリアしたステージ数)×100+50=)550である。
【0047】
ここで、変更調整部331は、ゲーム進行部332にユーザからの指示情報が入力されると、そのユーザが属するグループと同一のグループに属する各ユーザのエリアにおける達成率を算出し、達成率が最も高いユーザの達成率と、達成率が最も低いユーザの達成率との差を算出する。そして、算出した差が所定の差を超えているか否かを判定する。所定の差は、変更調整部331が自身の記憶領域に記憶している。ここでは、所定の差を300とする。この例において、ユーザU1の達成率がグループにおいて最も低く、ユーザU2の達成率がグループにおいて最も高いとすると、ユーザU1とユーザU2との達成率の差は(550−130=)420であるため、所定の差である300を超えていると判定する。
【0048】
このとき、変更調整部331は、達成率の最も高いユーザU1に対しては増加量を減少させる処理を行い、達成率の最も低いユーザU2に対しては増加量を増加させる処理を行う。例えば、変更調整部331は、第1の実施形態と同様に、達成率の高いユーザU2の達成率増加量を減少させるような所定の補正値(例えば、1/2)を乗じ、達成率の低いユーザU1の達成率増加量を増加させるような所定の補正値(例えば、2)を乗じて補正後の達成率増加量を算出する。変更調整部331は、所定の補正値を自身の記憶領域に予め記憶しておく。このように、変更調整部331は、グループ内のユーザの進行度の差が所定の差を超えた場合にのみ、増加量を変更するので、進行度の差が所定の差を超えるまでは、各ユーザは同一の増加量により同様にゲームを進行することができる。
【0049】
ゲーム進行部332は、ユーザから入力される指示情報に応じて、上述のようなゲーム画面を生成し、ゲームを進行させる。例えば、ゲーム進行部332は、ゲームの基本画面において「グループの達成率をみる」ボタンがタッチされると、ユーザ情報記憶部321に記憶されているユーザ情報を読み出し、読み出したユーザ情報に基づいて達成率表示画面を生成する。
【0050】
出力制御部333は、ゲーム進行部332によって生成されたゲーム画面を、通信部310とSNSサーバ200の通信部230とを介して、ユーザのユーザ端末100に送信し、ユーザ端末100の出力部130に表示させる。例えば、出力制御部333は、ゲーム進行部332によって、グループに含まれる複数のユーザの進行度の差を表示する達成率表示画面が生成されると、生成された達成率表示画面をユーザ端末100に送信し、ユーザ端末100の出力部130に表示させる。
【0051】
次に、図面を参照して、本実施形態によるゲームシステム2の動作例を説明する。
図14は、本実施形態によるゲームシステム2の動作例を示すフローチャートである。
ユーザ端末100の出力部130に表示されたゲーム進行画面において、主ユーザによって「進む」ボタンがタッチされると、入力部110は、ユーザからの指示情報の入力を受け付ける。ユーザ端末100の制御部150は、通信部120を介して、当該指示情報をゲーム装置300に送信する。
【0052】
ゲーム装置300の通信部310は、SNSサーバ200を介してユーザ端末100から送信される前述した指示情報を受信する(ステップS11)。変更調整部331は、主ユーザのグループに属する他の複数のユーザのユーザ情報をユーザ情報記憶部321から読み出してエリアにおけるユーザ毎の達成率を算出し、同グループ内において最も達成率の高いユーザと、最も達成率の低いユーザとの達成率の差を算出する。そして、算出した達成率の差が、所定の差以上であるか否かを判定する(ステップS12)。
【0053】
変更調整部331は、達成率の差が所定の差以上であると判定すると(ステップS12:YES)、主ユーザがグループ内において最も達成率が高いユーザであるか否かを判定する(ステップS13)。変更調整部331は、主ユーザがグループ内において最も達成率が高いユーザであると判定すると(ステップS13:YES)、ユーザ情報記憶部321から達成率増加量を読み出し、読み出した達成率増加量に補正値(1/2)を乗じた補正後の達成率増加量を算出する。ゲーム進行部332は、変更調整部331が算出した補正後の達成率増加量を主ユーザの達成率に加算する(ステップS14)。
【0054】
ステップS13において、変更調整部331が、主ユーザはグループ内において最も達成率が高いユーザでないと判定すると(ステップS13:NO)、主ユーザがグループ内において最も達成率が低いユーザであるか否かを判定する(ステップS15)。変更調整部331は、主ユーザがグループ内において最も達成率が低いユーザであると判定すると(ステップS15:YES)、ユーザ情報記憶部321から達成率増加量を読み出し、読み出した達成率増加量に補正値(2)を乗じた値を算出する。ゲーム進行部332は、変更調整部331が算出した補正後の達成率増加量を主ユーザの達成率に加算する(ステップS16)。
【0055】
ステップS12において、変更調整部331が、達成率の差は所定の差以上でないと判定した場合(ステップS12:NO)、および、ステップS15において、変更調整部331が、主ユーザはグループ内において最も達成率が低いユーザでないと判定した場合(ステップS15:NO)、ゲーム進行部332は、ユーザ情報記憶部321から達成率増加量を読み出し、変更調整部331による達成率増加量の変更をせずに、読み出した値を主ユーザの達成率に加算する(ステップS17)。
【0056】
以上説明したように、本実施形態によれば、同一のグループに属する複数のユーザの進行度が、所定の差以上となった場合に、進行度の高いユーザに対する達成率増加量を下げ、進行度の低いユーザに対する達成率増加量を上げるようにした。このようにすれば、同一のグループに属するユーザ間の進行度の差を一定の範囲内に抑え、進行度が広がり過ぎないように制御することができる。また、同一のグループに属するユーザ同士の進行度が互いのゲーム進行に影響するため、ユーザ同士が現実には個別にゲームをしているにもかかわらず、あたかも同一のゲームをプレイしているという感覚を想起させるのに寄与し、ゲーム性が向上する。
【0057】
なお、本実施形態では、達成率の差が所定の値を超えた場合に、主ユーザが最も達成率の高いユーザであるか否か、または最も達成率の低いユーザであるか否かを判定しているが、グループ内における主ユーザの順位を確認し、最も達成率が高い、あるいは最も達成率が低い場合に達成率の差を求めても良い。また、主ユーザから所定の値以上達成率が離れたユーザがいるか否かの判断を行い、所定の値以上に先に進んだユーザがいれば、主ユーザの達成率の増加量を上げる処理を行い、所定の値以上に遅れたユーザがいれば、主ユーザの達成率の増加量を下げる処理を行ってもよい。さらに、達成率の差と増加量の変更値を段階的に設定し、主ユーザとの達成率の差が最も離れているユーザとの差に基づいて、主ユーザの達成率の増加量の差を変更しても良い。
【0058】
また、本実施形態では、ゲームシステム2が備える構成を
図5のように示したが、ユーザ端末100とSNSサーバ200とゲーム装置300とが備える構成は、クラウド環境やネットワーク環境、プレイヤ数の規模、ゲームシステム2を構成するために用意されたハードウェアの数やスペック等に応じて、任意の台数のコンピュータ装置に分散または集約して配置することができる。例えば、ゲーム装置300が備える各機能は、複数台のコンピュータ装置に分散させて構成することができる。
【0059】
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態を説明する。第1の実施形態、第2の実施形態と同様の構成については
図1と同一の符号を付し、説明を省略する。本実施形態では、ゲーム装置300が、ユーザの進行度の変化に基づいて、今後の進行度の増加量の予測値を算出し、算出した予測値をユーザ端末100に送信する。これにより、進行が遅れる可能性のあるユーザに、その旨を知らせることができ、早くゲームを進めるように促すことができる。
また、同一のグループに属するユーザ間の進行度の差を一定の範囲内に抑え、進行度が広がり過ぎないように制御することができる。
図15は、本実施形態におけるゲームシステム3の構成例を示すブロック図である。
【0060】
本実施形態のゲーム装置300の記憶部320は、第2の実施形態において備える構成に加え、進行履歴記憶部324を備えている。
進行履歴記憶部324は、ユーザの進行履歴を記憶する。
図16は、進行履歴記憶部324が記憶する進行履歴のデータ例を示す図である。進行履歴には、ユーザIDに対応付けて、進行日時と達成率とが記憶される。進行日時は、対応するユーザIDが示すユーザから当該ユーザからの指示情報が入力された日時である。達成率は、対応する進行日時に入力された当該指示情報に応じて所定の達成率増加量が加算されたユーザの達成率の値である。
【0061】
本実施形態のゲーム装置300の制御部330は、第2の実施形態において備える構成に加え、管理部334と、予測値算出部335と、予測値出力制御部336と、警告部337とを備えている。
管理部334は、ユーザの進行度を管理する。具体的には、管理部334は、ゲーム進行部332によって、ユーザからの指示情報に応じて所定の達成率増加量がユーザの達成率に加算される際に、そのユーザのユーザIDと、その指示情報が入力された日時と、その達成率増加量を加算したユーザの達成率とを対応付けて進行履歴記憶部324に記憶させる。
【0062】
予測値算出部335は、進行履歴記憶部324に記憶されたユーザの進行度の変化に基づいて、グループに含まれるユーザ毎の進行度の予測値を算出する。例えば、予測値算出部335は、あるユーザの進行履歴に含まれる進行日時と達成率とに基づいて、進行日時に応じた達成率の変化を示す傾きを算出し、その傾きに応じて今後も達成率が増加するとした場合の、一定期間(例えば、1日)後の達成率の予測値を算出する。
【0063】
予測値出力制御部336は、予測値算出部335が算出した達成率の予測値を、通信部310を介してユーザ端末100に送信し、出力部130に表示させる。予測値出力制御部336は、例えば、グループ内の各ユーザの達成率の予測値に基づいて、
図9に示したような達成率予測値の表示画面を生成し、ユーザ端末100に送信して表示させることができる。
【0064】
警告部337は、予測値算出部335が算出したユーザの達成率の予測値が、そのグループに含まれる他のユーザの進行度の予測値の所定量以下である場合、そのユーザに警告を出力する。例えば、ユーザの達成率の予測値が、そのグループにおける達成率の予測値が最も高いユーザの達成率の予測値よりも所定量(例えば、300)以下である場合、そのユーザのゲームの基本画面に、警告を表示させる。
図17は、警告部337がゲームの基本画面に表示する警告の例を示す図である。符号lの領域に、他のユーザよりも進行が遅れていることを知らせる警告を表示する。
【0065】
なお、本実施形態では、ゲーム装置300が進行履歴記憶部324を備える例を示したが、進行履歴記憶部324はゲーム装置300とは異なる記憶装置に記憶させ、管理部334がその記憶装置に情報を記憶させて管理するように構成することもできる。また、管理部334自体を、ゲーム装置300とは異なる管理装置として構成することもできる。
また、本実施形態では、1日後の進行度の予測値を算出しているが、例えば、一定期間(例えば2週間)の期間限定イベントの場合、イベント開始後、所定期間(例えば前半の期間(1週間))経過した後に、イベント終了時の進行度の予測値を算出し、その後日々更新しながら、所定値を超えると警告するようにしてもよい。
【0066】
<第4の実施形態>
第2、第3の実施形態においては、ゲーム装置300がネットワークを介してソーシャルゲームを提供する例を示したが、ユーザが利用するコンピュータ端末自体が、他のコンピュータ装置と通信することにより、第2、第3の実施形態と同様のゲーム制御を行ってもよい。
図18は、このようなコンピュータ端末であるゲーム装置300aの構成の例を示す図である。第2、第3の実施形態のゲーム装置300が備える構成と同名の構成については、同様の構成である。例えば、携帯型のゲーム端末等が本実施形態のゲーム装置300aとして適用できる。入力部340aは、ユーザからの指示情報の入力を受け付けるボタン等である。出力部350aは、ゲーム画面を表示するディスプレイや音声を出力するスピーカである。このような構成でも、第2、第3の実施形態と同様のゲーム制御を行うことができる。ここでは、例えばゲーム装置300a同士が直接通信を行うことによりP2P(Peer to Peer)通信により情報を共有して制御を行ってもよいし、サーバを介して通信してもよい。
【0067】
<他の実施形態>
上述の実施形態では、ユーザの進行度を示す値として達成率を適用する例を示したが、経験値やゲーム内通貨の値を進行度として適用することもできる。例えば、同じグループに属する複数のユーザの経験値やゲーム内通貨の値の差が所定の差以上となった場合に、ゲームの進行に応じてユーザに付与する経験値増加量や通貨増加量に補正値を乗じて、補正後の経験値増加量や通貨増加量に応じた値を加算するようにしてもよい。あるいは、例えば、進行度の高いユーザの一回あたりの体力減少量を、進行度の低いユーザの一回あたりの体力減少量より大きくなるように調整することで、前記進行度の高いユーザより前記進行度の低いユーザを有利にし、結果として、ユーザの進行度の変化を調整することもできる。
また、本実施形態では、達成率の高いユーザと達成率の低いユーザとの双方に対して加算する達成率増加量に補正値を乗じる例を示したが、いずれか一方のみについて補正値を乗じて調整することによっても、ユーザの進行度を調整することができる。
【0068】
あるいは、変更調整部331が、同じグループに含まれる複数のユーザのうち進行度の高いユーザに対する増加量を減少させ、減少させた所定量の少なくとも一部を、グループに含まれる複数のユーザのうち進行度の低いユーザに対する増加量に加えることもできる。例えば、進行度の高いユーザに対する達成率増加量を10から5を引いた5とし、進行度の低いユーザに対する達成率増加量を10に5を足した15とすることができる。
【0069】
また、上述の実施形態では、変更調整部331は、グループに含まれる複数のユーザの進行度の差が所定の差を超えたか否かを、達成率が最も高いユーザの達成率と、達成率が最も低いユーザの達成率と、所定の差とを比較することにより判定する例を示した。ここでは、例えば、グループを構成する各ユーザ間の進行度の差や、グループ全体のユーザの進行度の平均値に基づいて、ユーザの進行度の差が所定の差を超えたか否かを判定することもできる。
【0070】
また、上述の実施形態では、変更調整部331は、グループに含まれる複数のユーザの進行度の差が所定の差を超えた場合に、ユーザに加算する達成率増加量の値を調整する例を示したが、グループに含まれる複数のユーザの進行度の差が所定の差を超えたか否かによらず、進行度の差に応じた補正値を乗じて、補正後の達成率増加量を加算することもできる。
【0071】
また、上述の実施形態では、進行度としてユーザの達成率を適用する例を示したが、例えば、ユーザが保有するアイテムやキャラクタ等を、ゲームの進行度として適用することもできる。例えば、そのエリアにおいてしかユーザに付与しないアイテムの保有量を、そのエリアにおけるユーザの進行度として適用することもできる。例えば、同じグループに属する複数のユーザが保有する所定のアイテムの保有量の差が所定の差以上となった場合に、ゲームの進行に応じてユーザに付与するアイテムの抽選確率を変更することにより、ユーザの進行度の変更を調整することができる。
【0072】
なお、本発明における処理部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによりゲームの制御を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0073】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。