【課題を解決するための手段】
【0013】
このために、本発明は、上部が開口する空洞を少なくとも部分的に閉鎖する閉鎖装置を提供し、前記装置は、前記空洞を少なくとも部分的に閉鎖する閉鎖カバーを形成することに適した一組のパネルと、前記パネルが展開されて前記閉鎖カバーを形成する時に前記パネルを支持できるようにするカバー支持手段とを含み、
各々の前記パネルは、隣接するパネルと連結するリンク手段を有し、前記空洞内の前記開口部を少なくとも部分的に開放するために前記一組のパネルが互いに重ね合わされたスタックされた形態から、前記閉鎖カバーを形成するために前記カバー支持手段に支持されながら前記一組のパネルの少なくとも一部のパネルが互いに直線状に延びる展開された形態に、およびその逆に、前記一組のパネルが移行可能とされており、
前記閉鎖装置は、前記一組のパネルがスタックされた形態にある時、前記パネルによって圧縮されることに適した弾性変形手段を更に含むことを特徴とする。
【0014】
前記弾性変形手段は、前記パネルの少なくとも幾つかがスタックされた形態にあるか、または展開された形態にあるかに応じてパネルのスタックの位置を調整できるようにする。閉鎖装置および特に前記弾性変形手段は、空洞内部に収容されるように設計される。パネルがスタックから取り出される時、前記弾性変形手段は、圧縮が弱まり、それによりスタックが上昇しスタック上部のパネルを空洞の開口部に近付け、それ故に、前回スタックから取られたばかりのパネルの下に位置するパネルに対応する、スタックの上部のパネルが作業者に近付けられる。それ故に、スタックを上昇させることは、除去されたパネルに起因するスタックの高さ減少を少なくとも部分的に相殺できるようにする。反対に、空洞の開口部からカバーを取り外すためにパネルがスタックに戻される時、弾性変形手段は、圧縮が強まり、それによりスタックされたばかりのパネルがある高さだけ下げられ、パネルが下げられるこの高さは、パネルの厚さに対応する高さだけ少なくとも部分的に相殺され、それにより作業者がその作業位置を大幅に変えることを避けることができる。
【0015】
パネルがスタックから取り出される、または除去されると述べられる時、前記パネルは、当然に隣接パネル、特にその場合にスタックの上部を形成する隣接パネルへリンク手段を介して連結された状態のままである。前記パネルは、その重量が作業者によって、またはカバー支持手段によって支持される時、すなわちその重量が前記弾性変形手段によってもはや支持されない時、取り出された、除去された、または展開されたとみなされる。反対に、パネルが、スタックに戻される時、その重量は、以下で詳細に記載される支持トレイを介して弾性変形手段によって支持され、もはや前記カバー支持手段によって支持されない。前記弾性変形手段は、所定の場所に位置され、スタックされた状態のパネルによって占められる場所の下に位置する。
【0016】
本発明の好適な特徴によれば、前記弾性変形手段の剛性は、前記パネルがスタックされた形態にある時、およびまた少なくとも幾つかのパネルが展開された形態にある時すなわち前記少なくとも幾つかのパネルの重量が前記カバー支持手段によって支持される時、の両方で、弾性変形手段に対して耐力を及ぼすパネルのスタックの上部またはパネルの上部が、実質的に一定の高さに位置するように、パネルの厚さおよび重量の関数として選択される。
【0017】
それ故に、前記弾性変形手段は、スタックの上部を実質的に一定の高さ位置に維持できるようにし、それにより作業者の空洞の開口部を開閉する操作を容易にする。スタックの上部は、ピット内の開口部を少なくとも部分的に閉鎖する目的でパネルを前記カバー支持手段にわたって展開するために、作業者がつかまねばならないスタックの上部パネルに対応し、または反対に、作業者がピットの開口部を少なくとも部分的に開放するためにカバーのパネルをスタックすることになる、スタックの上部パネルに対応する。
【0018】
それ故に、ピット内の開口部を少なくとも部分的に閉鎖しようとする作業者は、スタックの上部パネルをつかむことができ、それを他のパネルに連結するリンク手段によって、それをカバー支持手段に運ぶことができる。スタックから取り出されるパネルの重量はカバー支持手段によって支持されるので、弾性変形手段の戻し力およびスタックの残存重量の間の平衡によって、スタックから取り出されるパネルの厚さに対応する高さだけ弾性変形手段がスタックを上昇させるように、パネルのスタックはパネルの重量分だけ軽くなる。それ故に、スタックの上部は、好ましくは支持手段の高さまたはレベルに近い実質的に一定の高さに維持され、支持手段自体は好適には空洞の開口面の近傍に位置し、その結果、前記カバー支持手段上に載るカバーの長さを増加させるために、スタックの上部を形成するパネルがスタックから容易に取り出され、かつ前記カバー支持手段に運ばれ得る。
【0019】
弾性変形手段の剛性のかかる選択によって、弾性変形手段は、スタックの高さに対応する高さに、パネルのスタックの重量を受けて落ち着く。弾性変形手段が強く圧縮される、一組のパネルのスタックされた形態から始めて、作業者が一組のパネルのある一部のスタックを崩して、カバー支持手段に支持される閉鎖カバーを形成する時、弾性変形手段は、スタックから取り出されたパネルの総厚みに対応する距離を上昇させ、その重量は、弾性変形手段ではなく前記長手支持手段によって支持される。反対に、弾性変形手段がパネルがスタックされた形態にある時と比較して弱く圧縮され、一組のパネルの少なくともある一部がスタックから取り出されたスタックが崩された形態(unstacked configuration)から始めて、作業者がパネルを再び互いにスタックする時、弾性変形手段はスタックされたパネルの総厚みに対応する距離だけ圧縮され、その重量は再び弾性変形手段によって支持されて前記長手支持手段によって支持されない。
【0020】
換言すると、パネルが弾性変形手段に支持された状態からカバー支持手段に支持された状態に、およびその逆に移行する間の、前記弾性変形手段の弛緩ストロークまたは圧縮ストロークに対応する、前記弾性変形手段の変形のステップサイズは、パネルの厚さと実質的に等しい。
【0021】
閉鎖カバーを形成するためにスタックから複数のパネルを取り出しても、スタックの上部がこのように実質的に同じ高さ位置に位置するので、スタックの上部の高さ位置が増減することなく作業者はパネルを容易にスタックまたは展開でき、それにより作業者は、空洞の上部開口部を閉鎖およびカバーを取り外す各作業を通して、実質的に同じ作業位置に留まることができる。スタックの上部をこのようにして実質的に一定の高さ位置に維持すること、特にカバー支持手段の近傍に維持することは、同様に、パネルを展開する操作中またはパネルをスタックする操作中に、パネルのカバーのパネルが長手支持手段に沿って移動する時に生じ得る干渉を抑える。
【0022】
閉鎖カバーまたはスタックを形成するために一緒にヒンジで連結され、かつスタックの上部を実質的に一定の高さ位置に維持するシステムに関する、一組のパネルから形成される閉鎖装置のかかる設計により、閉鎖要素を駆動する複雑なモータ駆動手段を省くことができる。
【0023】
本発明の好適な特徴によれば、前記パネルは、パネル毎に実質的に同じ厚さ、および実質的に同じ重量である。
【0024】
換言すると、前記一組のパネルの各パネルは、前記一組のパネルの他のパネルの各々の厚さおよび重量と実質的に等しい厚さおよび重量を有する。
【0025】
好適には、弾性変形手段は、ミリメートル(mm)で表される厚さで除した、キログラム(kg)で表されるパネルの重量に実質的に等しい、デカニュートン毎ミリメートル(daN/mm)で表される剛性を有する。
【0026】
それ故に、パネルがスタックから取り出される時、スタックの重量の軽減によって弾性変形手段およびそれ故にスタックは取り出されたパネルの厚さに対応する高さだけ上昇させられ、その結果、スタックの上部は同じ高さ位置となる。それ故に、パネルがスタックに戻される時、追加されたパネルの重量によって、弾性変形手段およびスタックは追加されたパネルの厚さに対応する高さだけ下降し、その結果、スタックの上部は同じ高さ位置となる。
【0027】
本発明の好適な特徴によれば、パネルの前記リンク手段は、パネルを蛇腹式に折り畳めるように構成される。
【0028】
パネルが蛇腹式に折り畳まれる能力を有するので、パネルは、スタックおよび展開が容易である。
【0029】
本発明の好適な特徴によれば、少なくとも幾つかのパネルには、空洞の2つの対向する側壁またはその近傍に備えられ、前記カバー支持手段上で回転および/または摺動するようになることに適した、レールのような、回転および/または摺動手段が備えられる。
【0030】
それ故に、作業者は、パネルがスタックされた形態にある時に前記パネルを収容する空洞の領域に実質的に関連付けられた、空洞の縁部に位置取ることができ、空洞の上部開口部を少なくとも部分的に閉鎖するために、作業者は、スタックの上部のパネルをつかみ、前記カバー支持手段に運ぶことができる。作業者は、同じ作業位置に留まりながら、スタックの上部を形成する次のパネルを前記カバー支持手段に運ぶためにつかむことができ、それにより先行する展開されたパネルを回転および/または摺動により前記カバー支持手段に沿って押すことができる。
【0031】
好適には、回転および/または摺動手段を備えた前記パネルの各々の側縁部で、前記回転および/または摺動手段は、2つの回転および/または摺動部材を含み、各々の前記回転および/または摺動部材は、前記回転および/または摺動部材に近い前記パネルの前記縁部から、他方の回転および/または摺動部材と他方の前記回転および/または摺動部材に近い前記パネルの前記縁部との距離とは異なる距離だけ離間している。各パネルの前記縁部は、端面と呼ぶこともできる。
【0032】
好ましくは、2つの他のパネルの間に位置する少なくとも各々のパネルの前記リンク手段は2つのヒンジ要素を有し、一方の前記ヒンジ要素が前記パネルの前縁部を備え、他方の前記ヒンジ要素が前記パネルの後対向縁部を備え、前記パネルの2つの前記ヒンジ要素が、前記パネルの中間面の両側に分配されている。
【0033】
パネルの2つのヒンジ要素をパネルの中間面の両側に分配することにより、隣接するパネルに対してパネルを回転させるために、このようにヒンジを有するパネルの縁部からヒンジ軸を極端に離すことなく、前記パネルを互いに蛇腹式にスタックすることを可能にする。リンク軸を極端に離すと、展開した形態においてパネル間に大きな空隙を空けることになり、パネルのカバー上を歩くことがある作業者にとって危険である。
【0034】
本発明の好適な特徴によれば、前記装置は、変形する時に弾性変形可能な戻し手段を案内可能な案内手段を含む。
【0035】
本発明の好適な特徴によれば、前記装置は、前記パネルがスタックされた状態にある時に一組のパネルを支持することに適した支持トレイを更に含み、前記支持プレートは弾性変形手段に結合される。
【0036】
前記支持トレイは、各パネルを実質的に水平に、すなわち空洞内の開口部に実質的に平行に維持できるようにするパネルのスタックの支承面を提供する。前記トレイは、実質的に水平に延びる。
【0037】
本発明の好適な特徴によれば、前記支持トレイには、前記支持トレイとパネルのスタックの下部を形成するパネルとを一緒に連結できる、好ましくはヒンジ手段である、リンク手段が備えられ、
前記支持トレイが、支持トレイに実質的に平行なパネルのスタックの下部にパネルを維持するように、支持トレイを備えるリンク手段が突き出る高さに実質的に等しい高さにトレイから突き出る支持領域も有する。
【0038】
本発明は、好ましくはピットタイプの空洞と、上記のような閉鎖装置とを含む設備も提供し、前記設備は、前記カバー支持手段が少なくとも部分的に、空洞の上部開口部を画定する空洞の2つの対向する側壁またはその近傍で、実質的に水平に延びることを特徴とする。前記カバー支持手段は、前記パネルが前記カバー支持手段に沿って展開される間、一組のパネルの少なくとも幾つかのパネルを支持および案内することに適している。
【0039】
本発明の好適な特徴によれば、前記カバー支持手段は、向かい合う側壁の自由縁の近傍で好ましくは平行に向かい合って延びる、空洞の向かい合う側壁またはその近傍に固定された少なくとも2つのレールを有し、展開された形態の時に一組のパネルの少なくとも一部のパネルがその側縁を介してレールに載せられることに適している。
【0040】
本発明の好適な特徴によれば、前記閉鎖装置が、少なくとも部分的、好ましくは全体的に、空洞内部、好ましくは空洞の向かい合う側壁を相互接続する空洞の端壁の近傍に、収容されている。
【0041】
弾性変形手段は、空洞内に位置する。好ましくは、少なくともパネルがスタックされた形態にある時、閉鎖装置のパネルのスタックは空洞内部に収容されている。
【0042】
本発明は、添付図面を参照して与えられる実施態様の以下の説明を読めば良く理解できる。