特許第5985614号(P5985614)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5985614上部が開口する空洞を少なくとも部分的に閉鎖する閉鎖装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5985614
(24)【登録日】2016年8月12日
(45)【発行日】2016年9月6日
(54)【発明の名称】上部が開口する空洞を少なくとも部分的に閉鎖する閉鎖装置
(51)【国際特許分類】
   E04H 5/06 20060101AFI20160823BHJP
   B60S 5/00 20060101ALI20160823BHJP
【FI】
   E04H5/06
   B60S5/00
【請求項の数】11
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-510857(P2014-510857)
(86)(22)【出願日】2012年5月10日
(65)【公表番号】特表2014-523495(P2014-523495A)
(43)【公表日】2014年9月11日
(86)【国際出願番号】FR2012051035
(87)【国際公開番号】WO2012156622
(87)【国際公開日】20121122
【審査請求日】2015年4月20日
(31)【優先権主張番号】1154260
(32)【優先日】2011年5月17日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】513282249
【氏名又は名称】エル−ペーイー
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リュー ピエール
【審査官】 新井 夕起子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−116118(JP,A)
【文献】 独国特許出願公開第3139896(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 5/06
B60S 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部が開口する空洞(1)を少なくとも部分的に閉鎖する閉鎖装置であって、前記空洞を少なくとも部分的に閉鎖する閉鎖カバーを形成することに適した一組のパネル(3)と、前記パネルが展開されて前記閉鎖カバーを形成する時に前記パネルを支持できるようにするカバー支持手段(13)とを含み、
各々の前記パネル(3)は、隣接するパネル(3)と連結するリンク手段(3A、3B)を有し、前記空洞(1)内の前記開口部を少なくとも部分的に開放するために前記一組のパネル(3)が互いに重ね合わされたスタックされた形態から、前記閉鎖カバーを形成するために前記カバー支持手段(13)に支持されながら前記一組のパネル(3)の少なくとも一部のパネルが互いに直線状に延びる展開された形態に、およびその逆に、前記一組のパネル(3)が移行可能とされており、
前記閉鎖装置は、前記一組のパネル(3)がスタックされた形態にある時、前記パネルによって圧縮されることに適した弾性変形手段(4)を更に含み、
前記弾性変形手段(4)の剛性は、前記パネルがスタックされた形態にある時、および少なくとも幾つかの前記パネルが展開された形態にある時すなわち少なくとも幾つかの前記パネルの重量が前記カバー支持手段(13)によって支持される時、の両方で、前記弾性変形手段(4)に対して耐力を及ぼす前記パネルのスタックの上部または前記パネルの上部が実質的に一定の高さに位置するように、前記パネル(3)の厚さおよび重量の関数として選択されることを特徴とする閉鎖装置。
【請求項2】
前記パネル(3)が、パネル(3)毎に実質的に同じ厚さ、および実質的に同じ重量であることを特徴とする請求項に記載の装置。
【請求項3】
前記弾性変形手段(4)が、mmで表される厚さで除した、kgで表されるパネル(3)の重量に実質的に等しい、daN/mmで表される剛性を有することを特徴とする請求項に記載の装置。
【請求項4】
前記パネルの前記リンク手段(3A、3B)が、前記パネルを蛇腹式に折り畳めるように構成されることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
少なくとも幾つかの前記パネル(3)には、前記空洞(1)の2つの対向する側壁またはその近傍に備えられ、前記カバー支持手段(13)上で回転および/または摺動するようになることに適した、転および/または摺動手段(30)が備えられることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
回転および/または摺動手段(30)を備えた前記パネルの各々の側縁部で、前記回転および/または摺動手段(30)は2つの前記回転および/または摺動部材(30)を有し、各々の前記回転および/または摺動部材(30)は、前記回転および/または摺動部材(30)に近い前記パネルの前記縁部から、他方の回転および/または摺動部材と他方の前記回転および/または摺動部材(30)に近い前記パネルの前記縁部との距離とは異なる距離だけ離間していることを特徴とする請求項に記載の装置。
【請求項7】
2つの他のパネルの間に位置する少なくとも各々のパネル(3)の前記リンク手段(3A、3B)は2つのヒンジ要素(3A、3B)を有し、一方の前記ヒンジ要素(3A)が前記パネルの前縁部を備え、他方の前記ヒンジ要素(3B)が前記パネルの後対向縁部を備え、
前記パネルの2つの前記ヒンジ要素(3A、3B)が、前記パネル(3)の中間面の両側に分配されていることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記装置は、前記パネルがスタックされた状態にある時に一組の前記パネル(3)を支持することに適した支持トレイ(23)を更に含み、前記支持トレイ(23)が前記弾性変形手段(4)に結合されており、
前記支持トレイには、前記支持トレイ(23)と前記パネル(3)の前記スタックの前記下部を形成する前記パネル(3)とを一緒に連結できる、好ましくはヒンジ手段である、リンク手段(231)が備えられ、
前記支持トレイ(23)が好ましくは、前記支持トレイ(23)に実質的に平行なパネルの前記スタックの前記下部に前記パネル(13)を維持するように、前記支持トレイを備える前記リンク手段(231)が突き出る高さに実質的に等しい高さに、前記トレイから突き出る支持領域(230)を有することを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
好ましくはピットタイプの空洞(1)と、請求項1からのいずれか一項に記載の閉鎖装置とを含む設備であって、前記カバー支持手段(13)が、少なくとも部分的に、空洞(1)の上部開口部を画定する前記空洞(1)の2つの対向する側壁(10)またはその近傍で、実質的に水平に延びることを特徴とする設備。
【請求項10】
前記カバー支持手段(13)が、前記向かい合う側壁(10)の前記自由縁(100)の近傍で好ましくは平行に互いに向かい合って延びて、前記空洞の前記向かい合う側壁(10)またはその近傍に固定された少なくとも2つのレールを有し、前記展開された形態の時に一組の前記パネルの少なくとも一部の前記パネルがその側縁を介して前記レールに載せられることに適していることを特徴とする請求項に記載の設備。
【請求項11】
前記閉鎖装置が、少なくとも部分的、好ましくは全体的に、空洞(1)内部、好ましくは前記空洞の前記向かい合う側壁(10)を相互接続する前記空洞(1)の端壁(11)の近傍に、収容されていることを特徴とする請求項10に記載の設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上部が開口するピットまたはプールタイプの空洞を少なくとも部分的に閉鎖し、特に前記空洞内に落ちることを防ぐ閉鎖装置に関する。
【0002】
本発明は特には、上部が開口する空洞を少なくとも部分的に閉鎖する閉鎖装置に関し、前記装置は、前記空洞を閉鎖する閉鎖カバーを形成することに適した一組のパネルと、前記パネルが展開され、前記閉鎖カバーを形成する時に前記パネルを支持できるようにするカバー支持手段とを含む。
【0003】
本発明は、少なくとも空洞と、空洞の開口部を閉鎖する、上記タイプの閉鎖装置とを含むタイプの設備、特に車両修理設備も提供する。
【背景技術】
【0004】
車両を修理するために整備士によって使用されるタイプの検査または作業ピットが使用されない間、かかるピットを閉鎖するように設計された装置が当業者に周知である。
【0005】
かかるピットは、床面に掘り抜かれ、かつ修理する車両の幅よりも狭い幅の、全体として長方形溝の形状をした空洞によって形成され、その結果、車両がピット上にその長手軸に沿って位置決めできる。使用されない間、確実な安全上の理由から、かかるピットの開口部は、閉鎖されねばならない。このことは、通常、前記ピットの上に一連のパネル、厚板、または横梁を渡すことよって達成され、パネル、厚板、または梁のそれぞれの端面は、ピットの全長にわたって連続したカバー面を形成するように互いに対向して設けられている。
【0006】
かかるパネルを設置することは、面倒であり、かつ信頼性が低い。作業者がピットの開口部に沿ってパネルを位置決めするにつれ、スタックの高さが減少するので、作業者は、位置決めするパネルのスタックから始めて、取り扱う各パネルに作業者の作業位置を適応させねばならない。それ故に作業者は、開口部に沿ってパネルを位置決めする目的で、パネルをつかむために、体を次第に低くかがめなければならない。あるいは、反対に、ピットの開口部からカバーを取り外す操作中にパネルをスタックするために、背中を次第に伸ばして立たねばならない。その上、作業者は、前記パネルを位置決めするために開口部に沿って移動せねばならない。それ故にかかる解決策は、限られた数の取扱操作によって迅速にピットの開口部を開閉できない。またかかる解決策は、前記パネルが正確に設置されるよう保証できない。
【0007】
それ故に、かかる解決策によるならば、作業者は、その作業位置を連続して変えねばならず、このことは面倒であり、かつ厄介である。特に、かかる解決策は、作業者が最小量の労力によって前記パネルをスタックおよび展開するための所与の作業位置を維持することができない。
【0008】
このタイプのピットを自動的または半自動的に開閉できるように構成された閉鎖装置は、同様に技術水準から知られている。特に、長手レールに摺動可能に搭載され、モータ駆動機構によって駆動される金属カーテンシステムを含む装置が存在する。
【0009】
モータ駆動される閉鎖装置によって、空洞を開閉する操作は簡単かつ労力を要しないようにされ得るが、モータ駆動手段に関するかかる摺動金属カーテンシステムは、特に長い金属カーテンが高価であり、高価かつ信頼性が低かった。長い摺動カーテンのモータ駆動は、装置の欠陥によって引き起こされる干渉力をしばしば伴う、大きな摩擦力を受ける。モータ駆動を備えたかかる装置は、その場合故障し、破損することがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、簡単に、作業者にとって限定された工数で、かつ作業者がピットの開口部を開閉するために大きな労力を払う必要がなく、空洞の開口部を閉鎖しカバーを取り外せるようにする設計の閉鎖装置を提案することである。
【0011】
本発明のもう1つの目的は、モータ駆動を必要とせずに空洞の開口部を開閉できるようにする設計の、閉鎖手段を取り扱うために必要な力が減少された閉鎖装置を提案することである。
【0012】
特に、本発明の目的は、作業者が、同じ作業位置に留まりながら、かつ各展開および格納操作中になされる労力を抑えながら、閉鎖装置の閉鎖手段を展開および格納できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
このために、本発明は、上部が開口する空洞を少なくとも部分的に閉鎖する閉鎖装置を提供し、前記装置は、前記空洞を少なくとも部分的に閉鎖する閉鎖カバーを形成することに適した一組のパネルと、前記パネルが展開されて前記閉鎖カバーを形成する時に前記パネルを支持できるようにするカバー支持手段とを含み、
各々の前記パネルは、隣接するパネルと連結するリンク手段を有し、前記空洞内の前記開口部を少なくとも部分的に開放するために前記一組のパネルが互いに重ね合わされたスタックされた形態から、前記閉鎖カバーを形成するために前記カバー支持手段に支持されながら前記一組のパネルの少なくとも一部のパネルが互いに直線状に延びる展開された形態に、およびその逆に、前記一組のパネルが移行可能とされており、
前記閉鎖装置は、前記一組のパネルがスタックされた形態にある時、前記パネルによって圧縮されることに適した弾性変形手段を更に含むことを特徴とする。
【0014】
前記弾性変形手段は、前記パネルの少なくとも幾つかがスタックされた形態にあるか、または展開された形態にあるかに応じてパネルのスタックの位置を調整できるようにする。閉鎖装置および特に前記弾性変形手段は、空洞内部に収容されるように設計される。パネルがスタックから取り出される時、前記弾性変形手段は、圧縮が弱まり、それによりスタックが上昇しスタック上部のパネルを空洞の開口部に近付け、それ故に、前回スタックから取られたばかりのパネルの下に位置するパネルに対応する、スタックの上部のパネルが作業者に近付けられる。それ故に、スタックを上昇させることは、除去されたパネルに起因するスタックの高さ減少を少なくとも部分的に相殺できるようにする。反対に、空洞の開口部からカバーを取り外すためにパネルがスタックに戻される時、弾性変形手段は、圧縮が強まり、それによりスタックされたばかりのパネルがある高さだけ下げられ、パネルが下げられるこの高さは、パネルの厚さに対応する高さだけ少なくとも部分的に相殺され、それにより作業者がその作業位置を大幅に変えることを避けることができる。
【0015】
パネルがスタックから取り出される、または除去されると述べられる時、前記パネルは、当然に隣接パネル、特にその場合にスタックの上部を形成する隣接パネルへリンク手段を介して連結された状態のままである。前記パネルは、その重量が作業者によって、またはカバー支持手段によって支持される時、すなわちその重量が前記弾性変形手段によってもはや支持されない時、取り出された、除去された、または展開されたとみなされる。反対に、パネルが、スタックに戻される時、その重量は、以下で詳細に記載される支持トレイを介して弾性変形手段によって支持され、もはや前記カバー支持手段によって支持されない。前記弾性変形手段は、所定の場所に位置され、スタックされた状態のパネルによって占められる場所の下に位置する。
【0016】
本発明の好適な特徴によれば、前記弾性変形手段の剛性は、前記パネルがスタックされた形態にある時、およびまた少なくとも幾つかのパネルが展開された形態にある時すなわち前記少なくとも幾つかのパネルの重量が前記カバー支持手段によって支持される時、の両方で、弾性変形手段に対して耐力を及ぼすパネルのスタックの上部またはパネルの上部が、実質的に一定の高さに位置するように、パネルの厚さおよび重量の関数として選択される。
【0017】
それ故に、前記弾性変形手段は、スタックの上部を実質的に一定の高さ位置に維持できるようにし、それにより作業者の空洞の開口部を開閉する操作を容易にする。スタックの上部は、ピット内の開口部を少なくとも部分的に閉鎖する目的でパネルを前記カバー支持手段にわたって展開するために、作業者がつかまねばならないスタックの上部パネルに対応し、または反対に、作業者がピットの開口部を少なくとも部分的に開放するためにカバーのパネルをスタックすることになる、スタックの上部パネルに対応する。
【0018】
それ故に、ピット内の開口部を少なくとも部分的に閉鎖しようとする作業者は、スタックの上部パネルをつかむことができ、それを他のパネルに連結するリンク手段によって、それをカバー支持手段に運ぶことができる。スタックから取り出されるパネルの重量はカバー支持手段によって支持されるので、弾性変形手段の戻し力およびスタックの残存重量の間の平衡によって、スタックから取り出されるパネルの厚さに対応する高さだけ弾性変形手段がスタックを上昇させるように、パネルのスタックはパネルの重量分だけ軽くなる。それ故に、スタックの上部は、好ましくは支持手段の高さまたはレベルに近い実質的に一定の高さに維持され、支持手段自体は好適には空洞の開口面の近傍に位置し、その結果、前記カバー支持手段上に載るカバーの長さを増加させるために、スタックの上部を形成するパネルがスタックから容易に取り出され、かつ前記カバー支持手段に運ばれ得る。
【0019】
弾性変形手段の剛性のかかる選択によって、弾性変形手段は、スタックの高さに対応する高さに、パネルのスタックの重量を受けて落ち着く。弾性変形手段が強く圧縮される、一組のパネルのスタックされた形態から始めて、作業者が一組のパネルのある一部のスタックを崩して、カバー支持手段に支持される閉鎖カバーを形成する時、弾性変形手段は、スタックから取り出されたパネルの総厚みに対応する距離を上昇させ、その重量は、弾性変形手段ではなく前記長手支持手段によって支持される。反対に、弾性変形手段がパネルがスタックされた形態にある時と比較して弱く圧縮され、一組のパネルの少なくともある一部がスタックから取り出されたスタックが崩された形態(unstacked configuration)から始めて、作業者がパネルを再び互いにスタックする時、弾性変形手段はスタックされたパネルの総厚みに対応する距離だけ圧縮され、その重量は再び弾性変形手段によって支持されて前記長手支持手段によって支持されない。
【0020】
換言すると、パネルが弾性変形手段に支持された状態からカバー支持手段に支持された状態に、およびその逆に移行する間の、前記弾性変形手段の弛緩ストロークまたは圧縮ストロークに対応する、前記弾性変形手段の変形のステップサイズは、パネルの厚さと実質的に等しい。
【0021】
閉鎖カバーを形成するためにスタックから複数のパネルを取り出しても、スタックの上部がこのように実質的に同じ高さ位置に位置するので、スタックの上部の高さ位置が増減することなく作業者はパネルを容易にスタックまたは展開でき、それにより作業者は、空洞の上部開口部を閉鎖およびカバーを取り外す各作業を通して、実質的に同じ作業位置に留まることができる。スタックの上部をこのようにして実質的に一定の高さ位置に維持すること、特にカバー支持手段の近傍に維持することは、同様に、パネルを展開する操作中またはパネルをスタックする操作中に、パネルのカバーのパネルが長手支持手段に沿って移動する時に生じ得る干渉を抑える。
【0022】
閉鎖カバーまたはスタックを形成するために一緒にヒンジで連結され、かつスタックの上部を実質的に一定の高さ位置に維持するシステムに関する、一組のパネルから形成される閉鎖装置のかかる設計により、閉鎖要素を駆動する複雑なモータ駆動手段を省くことができる。
【0023】
本発明の好適な特徴によれば、前記パネルは、パネル毎に実質的に同じ厚さ、および実質的に同じ重量である。
【0024】
換言すると、前記一組のパネルの各パネルは、前記一組のパネルの他のパネルの各々の厚さおよび重量と実質的に等しい厚さおよび重量を有する。
【0025】
好適には、弾性変形手段は、ミリメートル(mm)で表される厚さで除した、キログラム(kg)で表されるパネルの重量に実質的に等しい、デカニュートン毎ミリメートル(daN/mm)で表される剛性を有する。
【0026】
それ故に、パネルがスタックから取り出される時、スタックの重量の軽減によって弾性変形手段およびそれ故にスタックは取り出されたパネルの厚さに対応する高さだけ上昇させられ、その結果、スタックの上部は同じ高さ位置となる。それ故に、パネルがスタックに戻される時、追加されたパネルの重量によって、弾性変形手段およびスタックは追加されたパネルの厚さに対応する高さだけ下降し、その結果、スタックの上部は同じ高さ位置となる。
【0027】
本発明の好適な特徴によれば、パネルの前記リンク手段は、パネルを蛇腹式に折り畳めるように構成される。
【0028】
パネルが蛇腹式に折り畳まれる能力を有するので、パネルは、スタックおよび展開が容易である。
【0029】
本発明の好適な特徴によれば、少なくとも幾つかのパネルには、空洞の2つの対向する側壁またはその近傍に備えられ、前記カバー支持手段上で回転および/または摺動するようになることに適した、レールのような、回転および/または摺動手段が備えられる。
【0030】
それ故に、作業者は、パネルがスタックされた形態にある時に前記パネルを収容する空洞の領域に実質的に関連付けられた、空洞の縁部に位置取ることができ、空洞の上部開口部を少なくとも部分的に閉鎖するために、作業者は、スタックの上部のパネルをつかみ、前記カバー支持手段に運ぶことができる。作業者は、同じ作業位置に留まりながら、スタックの上部を形成する次のパネルを前記カバー支持手段に運ぶためにつかむことができ、それにより先行する展開されたパネルを回転および/または摺動により前記カバー支持手段に沿って押すことができる。
【0031】
好適には、回転および/または摺動手段を備えた前記パネルの各々の側縁部で、前記回転および/または摺動手段は、2つの回転および/または摺動部材を含み、各々の前記回転および/または摺動部材は、前記回転および/または摺動部材に近い前記パネルの前記縁部から、他方の回転および/または摺動部材と他方の前記回転および/または摺動部材に近い前記パネルの前記縁部との距離とは異なる距離だけ離間している。各パネルの前記縁部は、端面と呼ぶこともできる。
【0032】
好ましくは、2つの他のパネルの間に位置する少なくとも各々のパネルの前記リンク手段は2つのヒンジ要素を有し、一方の前記ヒンジ要素が前記パネルの前縁部を備え、他方の前記ヒンジ要素が前記パネルの後対向縁部を備え、前記パネルの2つの前記ヒンジ要素が、前記パネルの中間面の両側に分配されている。
【0033】
パネルの2つのヒンジ要素をパネルの中間面の両側に分配することにより、隣接するパネルに対してパネルを回転させるために、このようにヒンジを有するパネルの縁部からヒンジ軸を極端に離すことなく、前記パネルを互いに蛇腹式にスタックすることを可能にする。リンク軸を極端に離すと、展開した形態においてパネル間に大きな空隙を空けることになり、パネルのカバー上を歩くことがある作業者にとって危険である。
【0034】
本発明の好適な特徴によれば、前記装置は、変形する時に弾性変形可能な戻し手段を案内可能な案内手段を含む。
【0035】
本発明の好適な特徴によれば、前記装置は、前記パネルがスタックされた状態にある時に一組のパネルを支持することに適した支持トレイを更に含み、前記支持プレートは弾性変形手段に結合される。
【0036】
前記支持トレイは、各パネルを実質的に水平に、すなわち空洞内の開口部に実質的に平行に維持できるようにするパネルのスタックの支承面を提供する。前記トレイは、実質的に水平に延びる。
【0037】
本発明の好適な特徴によれば、前記支持トレイには、前記支持トレイとパネルのスタックの下部を形成するパネルとを一緒に連結できる、好ましくはヒンジ手段である、リンク手段が備えられ、
前記支持トレイが、支持トレイに実質的に平行なパネルのスタックの下部にパネルを維持するように、支持トレイを備えるリンク手段が突き出る高さに実質的に等しい高さにトレイから突き出る支持領域も有する。
【0038】
本発明は、好ましくはピットタイプの空洞と、上記のような閉鎖装置とを含む設備も提供し、前記設備は、前記カバー支持手段が少なくとも部分的に、空洞の上部開口部を画定する空洞の2つの対向する側壁またはその近傍で、実質的に水平に延びることを特徴とする。前記カバー支持手段は、前記パネルが前記カバー支持手段に沿って展開される間、一組のパネルの少なくとも幾つかのパネルを支持および案内することに適している。
【0039】
本発明の好適な特徴によれば、前記カバー支持手段は、向かい合う側壁の自由縁の近傍で好ましくは平行に向かい合って延びる、空洞の向かい合う側壁またはその近傍に固定された少なくとも2つのレールを有し、展開された形態の時に一組のパネルの少なくとも一部のパネルがその側縁を介してレールに載せられることに適している。
【0040】
本発明の好適な特徴によれば、前記閉鎖装置が、少なくとも部分的、好ましくは全体的に、空洞内部、好ましくは空洞の向かい合う側壁を相互接続する空洞の端壁の近傍に、収容されている。
【0041】
弾性変形手段は、空洞内に位置する。好ましくは、少なくともパネルがスタックされた形態にある時、閉鎖装置のパネルのスタックは空洞内部に収容されている。
【0042】
本発明は、添付図面を参照して与えられる実施態様の以下の説明を読めば良く理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】ピットを閉鎖する目的でパネルを展開するパネル展開操作の開始時の本発明の閉鎖装置を備えたピットの縦断面略図である。
図2】ピット内の開口部を閉鎖するカバーを形成するパネルの展開終了時の図1の閉鎖装置を備えたピットの縦断面略図である。
図3図1のピット内部の閉鎖装置の下から見た斜視図である。
図4図1のピット内部の閉鎖装置の上から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
図を参照して、かつ前述のように、本発明は、上部が開口する空洞1を少なくとも部分的に閉鎖する閉鎖装置に関する。
【0045】
図示された実施例において、前記空洞は、全体的に長方形の溝の形状をし、かつ2つの側縁部100および2つの端縁部110によって画定される、掘り抜かれた空洞形状の作業場ピットによって形成される。側縁部100および端縁部110は、それぞれ空洞の側壁10および端壁11の自由縁部に対応する。端縁部110は、一般的にピット内部へのアクセスを許容する階段を備える。
【0046】
同様に、装置は、プール、例えば水泳プールまたは他の何らかのタイプのプールに応用できる。
【0047】
前記閉鎖装置は、空洞の開口部を少なくとも部分的に閉鎖するカバーを形成することに適した一組のパネル3と、前記パネルが展開されて前記カバーを形成する時に前記パネルを支持し好ましくは案内する、空洞1の2つの対向する側壁10の上縁部100またはその近傍に位置されるように設計されたカバー支持手段13とを含む。パネルのカバーは、展開された状態にある時、空洞の上部開口部を少なくとも部分的に閉鎖するように、空洞の側壁に沿って、かつ前記側壁の間で、端壁またはその近傍から、空洞1の他方の端壁に向かって延びるように設計されている。前記パネルまたはスラブは、アルミ製であっても良い。
【0048】
このカバー装置の目的は、特に空洞が使用されない期間中に、何もまたは誰も空洞に落ちないようにすること、および閉鎖カバーを形成するパネルを耐荷重床として使用し得るようにすることである。
【0049】
以下に詳細に記載されるように、前記カバー支持手段13は、少なくとも部分的に、前記側壁10の上縁部100に実質的に平行に延びる。前記側壁10は、互いに協働し、また、側壁10を接続する対向する端壁11と協働して、空洞の上部開口部を画定する。一般的に、空洞は長い形状であり、対向する側壁10は長手方向に延び、それ故、対向する側壁10は空洞の長手方向壁を形成する。図3に示されるように、カバー支持手段13に亘りパネルを展開しやすくするための斜面を形成するために、カバー支持手段13の端部に傾斜された部位を設けてもよい。それ故に、スタックから取り出されるパネルは、斜面130に運ばれ、次に押されてカバー支持手段の残りの水平部分に到達し得る。同様に、反対方向について、斜面はパネルをスタックに戻すことを容易にする。
【0050】
本発明の特徴のように、各パネルは、隣接パネル3に連結するリンク手段3A、3Bを有する。リンク手段3A、3Bにより、前記空洞1内の開口部を少なくとも部分的に開放するように、前記一組のパネル3が互いに重ね合わされたスタック形態から、空洞1内で前記開口部を部分的に閉鎖することに適したカバーを形成するために、前記カバー支持手段13で支持されながら、少なくとも幾つかの前記一組のパネル3のパネルが互いに一直線上に伸長する展開形態に、およびその逆に前記一組のパネル3が移行される。
【0051】
少なくとも幾つかのパネル3はスタックから展開されるが、スタックから取り出されて、カバー支持手段13に支持される閉鎖カバーを形成するパネルは、そのリンク手段3A、3Bを介してスタック内の他方のパネルまたは最終のパネルに接続されたままである。
【0052】
閉鎖装置は、前記一組のパネル3がスタック形態にある時、前記パネルによって圧縮される弾性変形手段4を含む。以下で詳細に記載されるように、スタックを支持する支持トレイ23が弾性変形手段4に重みをかけ続けているので、弾性変形手段は、パネルが展開形態の時も、少し圧縮されている。以下で詳細に記載されるように、リンクされた支持トレイで少なくとも部分的に支持される状態に留まるスタックの下部にパネルを設けてもよい。弾性変形手段4は、垂直に、すなわち空洞の下壁に実質的に直角に延びてもよい。弾性変形手段4は、パネルのスタックの重量の関数として垂直方向に変形する。
【0053】
前記弾性変形手段4は、パネルが、スタック形態にあるか、または展開された位置にあるかに応じて、前記パネルの重量によって、圧縮状態で駆動される1つ以上のばねによって形成される。
【0054】
弾性変形手段4の剛性は、弾性変形手段が受ける力の変動(この実施例において重量の変動)と弾性変形手段の対応する変形との比に対応する。弾性変形手段4の剛性は、パネル3の厚さおよび重量の関数として選択される。その結果、前記パネルがスタックされた形態にある時、および展開されたパネルの重量がカバー支持手段13によって支持される時に少なくとも幾つかのパネルが展開された形態にある時の両方で、弾性変形手段4に対して耐力を及ぼすパネルのスタックの上部またはパネルの上部(他のパネル全部が展開される時)は、実質的に一定の高さに位置する。
【0055】
弾性変形手段4は、その厚さで除したパネル3の重量に実質的に等しい剛性を有する。
【0056】
図中に示される実施例において、らせん状バネによって形成される弾性変形手段の剛性は、daN/mmで表される。剛性は、その厚さで除したパネルの重量の比に実質的に等しいように選択される。一例として、各パネルの重量が4kgであり、かつ厚さが20mmあるならば、弾性変形手段が形成するばねは、4/20=0.2daN/mmの剛性を有し、その5枚のパネルがスタックされてスタックの重量が20kgである場合、5枚のパネル全部の総厚みに対応する20/0.2=100mmだけばねが圧縮される。
【0057】
前記弾性変形手段4は、スタック形態から全てのパネルが完全に取り出された形態に対応する最小値から、全てのパネルが互いにスタックされて支持トレイ23を介して弾性変形手段4に支持される形態に対応する最大値まで変動する力の範囲で、実質的に直線状の圧縮力の関数として変形される。
【0058】
パネルが展開された形態にある時、支持プレート23と弾性変形手段4は、スタックの下部でパネルの重量をなおも支承するが、他のパネルの重量は、前記パネルが互いに直線状に展開されるカバー支持手段13によって支持される。
【0059】
弾性変形手段を備えたこの閉鎖装置は、一緒に連結されたパネルのスタックと組み合わされ、第1に開口部に沿って展開されるパネルをつかむこと、第2に空洞内で前記開口部を開放するために前記パネルを蛇腹式にスタックすることを容易にするように、閉鎖すべき開口部に近い、特にカバー支持手段13に近い一定の高さ位置に、スタックの上面を保つ。それ故に、パネルは、操作中のいかなる時にも、取り扱われる各パネルの配置および重量の点で類似する条件下で展開またはスタックできる。
【0060】
前記弾性変形手段は、それ故に、パネルのスタックの上部が所与の高さ位置に戻ることを促す、弾性変形可能な戻し手段4を形成する。
【0061】
好ましくは、図中に示されるように、閉鎖装置、および特に前記弾性変形手段は、空洞内部に、空洞の端壁11の近傍に、または空洞の端壁11に寄せて位置する。図中に示した実施例において、前記閉鎖装置は、以下で詳細に記載され、かつパネルのスタックを格納する格納庫を形成するフレーム20を含む。前記フレーム20は、空洞の下壁に立てられている。前記フレーム20は、好適には対向する端壁に固定され、あるいは、前記フレームが延びる近傍に固定される。
【0062】
前記支持手段13は、好ましくは前記空洞1内で開口部を画定する2つの対向する側壁の上縁部に沿って、空洞1内またはその近くに、閉鎖カバーを形成するパネルを位置させることができる。
【0063】
支持手段13は、空洞の上部開口部を少なくとも部分的に閉鎖するために、実質的に水平に、かつ実質的に平行に、かつ好ましくは空洞1の2つの対向する側壁の上縁部近傍で延びて、その側壁に沿ってパネルのカバーが展開されるように設計される。
【0064】
図中に示される実施例において、前記支持手段13は、互いに向かい合い、実質的に水平に延びて、空洞の対向する側壁10に固定される、少なくとも2つのレールを含む。展開された形態にある時、このレールの上または内部に、一組のパネルの少なくとも一部がその側縁部を介して載せられる。レールが設けられた空洞の対向する側壁10は、パネルがスタックされていない状態にある時、パネルのカバーの長手方向軸に平行な中間面に延びる壁である。
【0065】
一般的に、空洞の開口部を少なくとも部分的に閉鎖するように設計されるパネルのカバーは、前記空洞の開口面で、前記面の僅かに上、または僅かに下に延びる。カバーが、空洞の前記開口面の下に延びる時、前記開口面で延びる時と同様に、空洞内部に配置される。カバーが、空洞の開口面の上に配置される時、例えば空洞の長手方向縁部に沿って、または空洞の中央に位置決めされ、かつその開口部上にカバーを掛けることによって空洞を閉鎖する。
【0066】
図中に示される実施例において、前記戻し手段4は、2つの対向する端部を有するばねによって形成され、その上端は、パネルと同じ端部に位置する。特に、前記上端は、パネル3のスタックを支持することに適した支持プレート23を備える。他方の下端は、空洞1に対して静止している。特に、図中に示される実施例において、前記下端は、空洞内部に位置するフレーム20の静止基本要素24に取り付けられる。好適には、上述のように、前記フレームは空洞内部に固定される。前記フレームは、パネルの格納庫、すなわちパネルを格納する構造を形成する。
【0067】
前記装置は、弾性変形可能な戻し手段4が変形する時に案内する案内手段234を含む。
【0068】
前記案内手段は、少なくとも1つの柱234と、好ましくは2つの平行な柱234とを含み、それらに沿ってパネルのスタックを支持する前記支持トレイ23が取り付けられて摺動する。前記柱は、フレーム20に固着されて実質的に垂直に延びる。前記支持トレイは、パネルのスタックに面する上面に対向する下面を介して、前記弾性変形可能な戻し手段4の上端で接続される。
【0069】
パネルを一緒に連結するヒンジ手段3A、3Bは、パネルのスタックを解除(アンスタック)することによって、または蛇腹式にスタックし戻すことによって、前記一組のパネルがスタックされた位置から展開された位置に、またはその逆に、移行できるように構成される。スタックするパネルを蛇腹式に折り畳まれたスタック形態に移行させるために、それらのスタックするパネルは、重ね合わされるパネルに対して交互の方向に回転される。
【0070】
各パネル3は、前縁部および後縁部と呼ばれ、かつ2つの側縁部を介して相互接続される2つの対向する縁部を有する。2つの他のパネルの間に位置するパネル3の少なくとも各々のヒンジ手段30は、少なくとも2つのヒンジ要素3A、3Bを含み、一方がパネルの前縁部またはその近傍に配置され、他方はパネルの対向する後縁部またはその近傍に配置される。パネルの各ヒンジ要素3A、3Bは、もう1つのパネルのヒンジ要素3B、3Aと協働することに適している。前記パネルの各々の2つのヒンジ要素3A、3Bは、パネル3の中間面の両側に分配される。
【0071】
換言すると、ヒンジ要素3A、3Bの一方は、パネルの一面と同じ側で延びて、前記面から少なくとも部分的に突き出し、かつ他方のヒンジ要素3Bは、前記パネルの反対の面と同じ側で延びて、前記反対の面から少なくとも部分的に突き出る。ヒンジ要素3A、3Bの各々は、それが備えるパネル3の前縁部または後縁部に対して同様に突き出る。
【0072】
各ヒンジ要素3A、3Bは、ヒンジ連結を形成するためにもう1つのヒンジ要素3B、3Aと協働することに適したヒンジタイプの要素である。パネルは、前記ヒンジ結合によって互いに対して回転でき、かつそれ故に蛇腹式に互いに折り畳むことができ、パネルのスタックを形成する。パネルのカバーを、互いにスタックさせることによって、単に蛇腹式に折り畳むことによって格納することは、特に作業者がパネルを折り畳むスタックの上部が、弾性変形可能な戻し手段によって一定の高さにあり続けるので、実行が簡単で、かつ時間がかからず、かつ作業者にとってほとんど労力を必要としない操作である。その上、かかるパネルのスタックを形成することは、空洞内の開口部がカバーを取られた状態にある時、特にスタックが、空洞の開口面と同一平面で、または空洞の開口面の下で、空洞内部に延びる時に、前記パネルの小型化を改善できるようにする。
【0073】
少なくとも幾つかの前記パネル3には、空洞1の2つの対向する側壁上またはその近傍に備えられた前記カバー支持レール13上または内部で、回転および/または摺動することに適した回転および/または摺動手段30が設けられる。図中に示される実施例において、各パネルに、かかる回転および/または摺動手段30が設けられる。変形例として、カバー支持手段13に支持されるパネルのみに、かかる回転および/または摺動手段30を設けてもよい。
【0074】
図中に示される解決策において、回転および/または摺動手段30は車輪によって形成され、問題のパネルの各側縁部に設けられる。特に、パネルの各側縁部には、互いに離間した2つの車輪が備えられる。かかる車輪は、好適には前記空洞の上縁部の近傍で、好ましくは空洞の側壁に沿って固定されるレール内で、パネルを労力を要さずに回転させる。
【0075】
その上、パネルの各側縁に設けられた2つの車輪の各々は、近い側のパネルの端縁から、他方の車輪と対応するパネルの端縁(つまり他方の車輪に近い側のパネルの端縁)との距離とは異なる距離だけ、離間されている。このような車輪の配置により、パネルが互いに蛇腹式に折り畳まれた時に車輪同士が干渉しないようにすることができる。
【0076】
パネルの各側縁部に位置する車輪は、前記パネルの反対側の側縁部に位置するそれぞれの車輪の軸と一致する軸を有する。
【0077】
前記レールの各々は、他方のレールに向けて開口し、パネルが展開された形態にある時に前記パネルの回転および/または摺動手段30が挿入される、U字形またはC字形断面を有する。
【0078】
前記支持トレイ23には、パネル3に向く面に、好ましくはヒンジ手段であるリンク手段231が備えられ、パネル3のスタックの下部を形成するパネル3と前記支持トレイ23とを一緒に連結できるようにする。好ましくはヒンジタイプの前記リンク手段は、パネルのスタックの下部を支持トレイ23に結合し、スタックを支持する支持トレイ23に対して、スタックの下部で、パネルにある程度の自由度を与える。かかる自由度は、全てのパネルが展開されてパネルのカバーを形成する時、およびスタックの下部のパネルをカバーの全体的なライン(general line)に沿わせるために支持トレイ23に対して傾斜させる必要がある時に、好適である。
【0079】
図1から図3に示されるように、前記支持トレイ23は、支持トレイのヒンジ手段231から離間した支持領域230を有する。支持領域230は、支持トレイを備えるリンク手段231が突き出る高さと実質的に等しい高さにトレイから突き出て、支持トレイ23に実質的に平行に、すなわち実質的に水平に、パネルのスタックの下部にパネル13を維持する。
【0080】
本発明は、記載され、かつ図示された実施態様にいささかも限定されず、かつ当業者は、本発明の精神の範囲内にある、そのいかなる変形例も作ることができる。
図1
図2
図3
図4