(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5985637
(24)【登録日】2016年8月12日
(45)【発行日】2016年9月6日
(54)【発明の名称】抗酸化剤局所用組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/67 20060101AFI20160823BHJP
A61Q 19/08 20060101ALI20160823BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20160823BHJP
A61K 8/86 20060101ALI20160823BHJP
A61K 8/02 20060101ALI20160823BHJP
【FI】
A61K8/67
A61Q19/08
A61K8/34
A61K8/86
A61K8/02
【請求項の数】17
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2014-524225(P2014-524225)
(86)(22)【出願日】2012年8月10日
(65)【公表番号】特表2014-521703(P2014-521703A)
(43)【公表日】2014年8月28日
(86)【国際出願番号】AU2012000949
(87)【国際公開番号】WO2013020182
(87)【国際公開日】20130214
【審査請求日】2015年5月15日
(31)【優先権主張番号】61/522,377
(32)【優先日】2011年8月11日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507397146
【氏名又は名称】スティーフェル リサーチ オーストラリア ピーティーワイ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100107342
【弁理士】
【氏名又は名称】横田 修孝
(74)【代理人】
【識別番号】100126099
【弁理士】
【氏名又は名称】反町 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100137497
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 未知子
(72)【発明者】
【氏名】リリアン、フックスフーバー
(72)【発明者】
【氏名】ロバート、ジェームズ、ホールデン
【審査官】
手島 理
(56)【参考文献】
【文献】
特開平04−364118(JP,A)
【文献】
特開平08−193019(JP,A)
【文献】
特開2002−212044(JP,A)
【文献】
特開2003−226616(JP,A)
【文献】
特開平03−246215(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8
A61Q
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)L‐アスコルビン酸またはその薬学的に許容可能な塩もしくはエステル、(b)25重量%〜45重量%の量で存在する水、(c)40重量%〜65重量%の量で存在する低級(C1‐C6アルキル)アルコール、(d)ワックス、(e)界面活性剤、および(f)エアロゾル噴射剤、を含んでなる、エアロゾル容器中の局所用美容組成物であって、
水の低級アルコールに対する比率は、1:1〜1:2であり、
前記組成物は、前記容器からの放出後、エアロゾルフォームを形成し、かつ、
全ての重量%は最終組成物に対する重量%であり、総計は100重量%に等しい、局所用美容組成物。
【請求項2】
(a)L‐アスコルビン酸またはその薬学的に許容可能な塩もしくはエステル、(b)40重量%〜60重量%の量で存在する水、(c)20重量%〜40重量%の量で存在する低級(C1‐C6アルキル)アルコール、(d)ワックス、(e)界面活性剤、および(f)エアロゾル噴射剤、を含んでなる、エアロゾル容器中の局所用美容組成物であって、
水の低級アルコールに対する比率は、1:1〜1:0.4であり、
前記組成物は、前記容器からの放出後、エアロゾルフォームを形成し、かつ、
全ての重量%は最終組成物に対する重量%であり、総計は100重量%に等しい、局所用美容組成物。
【請求項3】
L‐アスコルビン酸またはその薬学的に許容可能な塩もしくはエステルが、L‐アスコルビン酸である、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
低級アルコールが、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n‐ブチルアルコール、およびt‐ブチルアルコール、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
低級アルコールが、エタノールである、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
エアロゾル噴射剤が、炭化水素、ジメチルエーテル、クロロフルオロカーボン、ハイドロフルオロカーボン、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
エアロゾル噴射剤が、炭化水素噴射剤である、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
保存剤、第二の抗酸化剤、キレート化剤、保湿剤、およびpH調節剤、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される皮膚科学的に許容可能な賦形剤を含んでなる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
エアロゾルフォームが、3重量%〜10重量%の量でエアロゾル噴射剤を含んでなる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
界面活性剤が、エトキシル化脂肪アルコールエーテル、PEG誘導体、エトキシル化脂肪酸、プロピレングリコールエステル、グリセロールエステルまたは誘導体、ポリマーエーテル、およびソルビタン誘導体、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
界面活性剤が、エトキシル化脂肪アルコールエーテルを含んでなる、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
ワックスが、脂肪アルコールである、請求項1〜11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
脂肪アルコールが、ステアリルアルコールとセチルアルコールとの混合物である、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
組成物が、栄養剤をさらに含んでなる、請求項1〜13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
(a)L‐アスコルビン酸またはその薬学的に許容可能な塩もしくはエステル、
(b)40重量%〜60重量%の量の水、
(c)20重量%〜40重量%の量の低級アルコール、
(d)ワックス、
(e)界面活性剤、
(f)保存剤、第二の抗酸化剤、キレート化剤、保湿剤、およびpH調節剤からなる群から選択される1以上の皮膚科学的に許容可能な賦形剤、ならびに、
(g)3重量%〜10重量%の量のエアロゾル噴射剤、
を含んでなる、エアロゾル容器中の局所用美容組成物であって、
水の低級アルコールに対する比率は、1:1〜1:0.4であり、
前記組成物は、前記容器からの放出後、エアロゾルフォームを形成し、かつ、
全ての重量%は最終組成物に対する重量%であり、総計は100重量%に等しい、局所用美容組成物。
【請求項16】
皮膚の状態の処置のための美容剤の製造における、請求項1〜15のいずれか一項に記載の局所用美容組成物の使用。
【請求項17】
皮膚の状態が、皮膚の老化である、請求項16に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、L‐アスコルビン酸を含んでなる局所用美容組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
遊離ラジカルは、皮膚細胞を含む細胞に損傷を与えることが知られている。抗酸化剤を用いて遊離ラジカルを捕捉することにより、そのような損傷を最小限に抑えることができると考えられる。そのような抗酸化剤の1つ、L‐アスコルビン酸(ビタミンCとしても知られる)は、以下の構造を有する。
【0003】
【化1】
【0004】
L‐アスコルビン酸は、老化防止、皮膚の若返り、および美白目的のための種々の局所用製剤として市販されている。L‐アスコルビン酸はまた、UVによる損傷を最小限に抑えるとも考えられる。市販されている代表的な局所用L‐アスコルビン酸製剤としては、SkinCeuticals
TMセラム(スキンシューティカルズ(SkinCeuticals))、Cellec‐C
TMセラム/クリーム(セレック‐Cインターナショナル社(Cellec-C International, Inc.))、およびC’ensil
TMセラム(グランドアエスピオ社(Grand Aespio, Inc.))が挙げられる。
【0005】
L‐アスコルビン酸は、非常に不安定であり、従って、非常に困難な課題を製剤化学者に提供するものである。L‐アスコルビン酸は、特に、水溶液中で不安定であり、空気、光、および高い温度による影響を受けやすい。従って、本技術分野において、エアロゾルスプレーまたはフォームなどのこのビタミンを含んでなる代替局所用剤形での高安定性である局所用L‐アスコルビン酸製剤が、依然として求められている。
【発明の概要】
【0006】
1つの実施態様では、本発明は、(a)L‐アスコルビン酸またはその薬学的に許容可能な塩もしくはエステル、(b)水、(c)低級アルコール、および(d)エアロゾル噴射剤を含んでなる、エアロゾル容器中の局所用美容組成物を提供する。
【0007】
別の実施態様によると、本発明は、それを必要とする哺乳類の皮膚の状態を処置する方法を提供し、その方法は、(a)L‐アスコルビン酸またはその薬学的に許容可能な塩もしくはエステル、(b)水、(c)低級アルコール、および(d)エアロゾル噴射剤を含んでなる、エアロゾル容器中の局所用美容組成物を前記哺乳類に投与することを含んでなる。
【0008】
さらなる実施態様によると、本発明は、皮膚の状態を処置するための美容剤の製造における、(a)L‐アスコルビン酸またはその薬学的に許容可能な塩もしくはエステル、(b)水、(c)低級アルコール、および(d)エアロゾル噴射剤を含んでなる、エアロゾル容器中の局所用美容組成物の使用に関する。
【0009】
なおさらなる実施態様では、本発明は、皮膚の状態を処置するための、(a)L‐アスコルビン酸またはその薬学的に許容可能な塩もしくはエステル、(b)水、(c)低級アルコール、および(d)エアロゾル噴射剤を含んでなる、エアロゾル容器中の美容組成物の使用に関する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、L‐アスコルビン酸、テトライソパルミチン酸アスコルビル、または6‐パルミチン酸アスコルビン酸を含有するエアロゾルスプレー製剤の安定性を示す。
【
図2】
図2は、L‐アスコルビン酸を含有するさらなるエアロゾルスプレー製剤の安定性を示す。
【
図3】
図3は、種々の代替エアロゾル噴射剤を用いたL‐アスコルビン酸を含有するエアロゾルスプレー製剤の安定性を示す。
【
図4】
図4は、L‐アスコルビン酸を含有するエアロゾルフォームの安定性を示す。
【
図5】
図5は、L‐アスコルビン酸を含有するエアロゾルフォームの安定性を示す。
【
図6】
図6は、L‐アスコルビン酸およびCoffeeberry
TM抽出物を含有するエアロゾルフォームの安定性を示す。
【
図7】
図7は、L‐アスコルビン酸およびCoffeeberry
TM抽出物を含有するエアロゾルフォームの安定性を示す。
【
図8】
図8は、L‐アスコルビン酸およびCoffeeberry
TM抽出物を含有するエアロゾルフォームの安定性を示す。
【0011】
本発明は、(a)L‐アスコルビン酸またはその薬学的に許容可能な塩もしくはエステル、(b)水、(c)低級アルコール、および(d)エアロゾル噴射剤を含んでなる、エアロゾル容器中の局所用美容組成物を提供する。
【0012】
実施態様によると、局所用美容組成物は、エアロゾル容器からの放出後、エアロゾルスプレーまたはエアロゾルフォームを形成する。1つの実施態様では、局所用美容組成物は、エアロゾル容器からの放出後、エアロゾルスプレーを形成する。別の選択肢としての実施態様では、局所用美容組成物は、エアロゾル容器からの放出後、エアロゾルフォームを形成する。
【0013】
1つの特定の実施態様では、L‐アスコルビン酸またはその薬学的に許容可能な塩もしくはエステルは、L‐アスコルビン酸、L‐アスコルビン酸ナトリウム、L‐アスコルビン酸カルシウム、テトライソパルミチン酸アスコルビル、および6‐パルミチン酸アスコルビン酸、ならびにこれらの混合物からなる群より選択される。1つの実施態様では、製剤は、L‐アスコルビン酸を含んでなる。別の実施態様では、製剤は、L‐アスコルビン酸とL‐アスコルビン酸の薬学的に許容可能な塩もしくはエステルとの混合物を含んでなる。L‐アスコルビン酸の塩もしくはエステルは、本技術分野において公知であり、定められるように、溶媒和物または水和物であってよい。別の実施態様では、製剤は、L‐アスコルビン酸、およびテトライソパルミチン酸アスコルビルもしくは6‐パルミチン酸アスコルビン酸またはこれらの組み合わせであるL‐アスコルビン酸の塩またはエステルを含んでなる。
【0014】
L‐アスコルビン酸、その塩またはエステルは、好適には、組成物の総重量に対して約1重量%〜約20重量%の量で存在する。別の実施態様では、L‐アスコルビン酸、その塩またはエステルは、組成物の総重量に対して約2重量%〜約15重量%の量で存在する。1つの特定の実施態様では、L‐アスコルビン酸、またはその薬学的に許容可能な塩もしくはエステルは、約5重量%の量で存在する。別の実施態様では、L‐アスコルビン酸、またはその薬学的に許容可能な塩もしくはエステルは、約12重量%の量で存在する。
【0015】
本発明の局所用組成物は、水を含んでなる。好適には、水は、約10重量%〜約80重量%の量で存在する。1つの実施態様では、水は、約20重量%〜約60重量%の量で存在する。別の実施態様では、水は、約40重量%〜約60重量%の量で存在する。なお別の実施態様では、水は、約15重量%〜約45重量%の量で存在する。さらなる実施態様では、組成物は、約15重量%〜約30重量%の量で水を含んでなる。なおさらなる実施態様では、組成物は、約25重量%〜約45重量%の量で水を含んでなる。
【0016】
美容組成物はまた、(C
1‐C
6)アルコールなどの低級アルコールも含んでなる。アルコールのアルキル部分は、分岐鎖または直鎖の炭化水素部分を表し、メチル、エチル、n‐プロピル、イソプロピル、n‐ブチル、s‐ブチル、イソブチル、t‐ブチルなどである。アルコールに置き換えると、代表的な低級アルコールとしては、これらに限定されないが、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n‐ブチルアルコール、およびt‐ブチルアルコール、ならびにこれらの混合物を挙げることができる。1つの実施態様では、低級アルコールは、エタノールなどの単一のアルコールである。別の実施態様では、低級アルコールは、エタノールおよび少なくとも1つのその他の低級アルコール、などのアルコールの混合物である。
【0017】
好適には、低級アルコールは、約10重量%〜約80重量%の量で組成物中に存在する。1つの実施態様では、低級アルコールは、約20重量%〜約60重量%の量で存在する。別の実施態様では、低級アルコールは、約20重量%〜約40重量%の量で存在する。別の実施態様では、低級アルコールは、約35重量%〜約65重量%の量で存在する。なお別の実施態様では、低級アルコールは、約35重量%〜約50重量%の量で存在する。さらなる実施態様では、低級アルコールは、約40重量%〜約65重量%の量で存在する。1つの実施態様では、低級アルコールは、これらの量で存在するエタノールである。別の実施態様では、低級アルコールは、これらの量で存在する、エタノールおよび少なくとも1つのその他の低級アルコールなどのアルコールの混合物である。
【0018】
美容組成物は、エアロゾル噴射剤(aerosol propellant)を含んでなる。実施態様では、エアロゾル噴射剤は、炭化水素、ジメチルエーテル、クロロフルオロカーボン、ハイドロフルオロカーボン、およびこれらの混合物からなる群より選択される。その他の好適な噴射剤としては、窒素、二酸化炭素、亜酸化窒素、および空気などの圧縮ガスが挙げられる。
【0019】
1つの実施態様では、エアロゾル噴射剤は、炭化水素噴射剤である。好適には、炭化水素噴射剤は、炭化水素の混合物である。1つの実施態様では、炭化水素は、プロパン、n‐ブタン、およびイソブタン、ならびにこれらの混合物からなる群より選択される。別の実施態様では、エアロゾル噴射剤は、ジメチルエーテルである。なお別の実施態様では、エアロゾル噴射剤は、1,1,1,2‐テトラフルオロエタン(ハイドロフルオロカーボン134a)などのハイドロフルオロカーボン噴射剤である。当業者であれば、噴射剤のその他の組み合わせが、本発明において有用であることが理解される。
【0020】
好適には、エアロゾル噴射剤は、約1重量%〜約50重量%の量で存在する。1つの実施態様では、エアロゾル噴射剤は、約30重量%〜約35重量%などの約25重量%〜約40重量%の量で存在する。別の選択肢としての実施態様では、エアロゾル噴射剤は、約3重量%〜約15重量%、または約3重量%〜約10重量%などの約1重量%〜約20重量%の量で存在する。
【0021】
皮膚科学的に許容可能な賦形剤
本発明の局所用美容組成物は、1以上の皮膚科学的に許容可能な賦形剤を含んでよい。
【0022】
好適には、皮膚科学的に許容可能な賦形剤は、保存剤、第二の抗酸化剤、キレート化剤、保湿剤、pH調節剤、ワックス、界面活性剤、およびこれらの混合物からなる群より選択される。
【0023】
1つの実施態様では、皮膚科学的に許容可能な賦形剤は、保存剤、第二の抗酸化剤、キレート化剤、保湿剤、およびpH調節剤、ならびにこれらの混合物からなる群より選択される。
【0024】
その他の好適な賦形剤としては、香料、着色剤、皮膚コンディショニング剤、および浸透促進剤が挙げられる。
【0025】
これらの皮膚科学的に許容可能な賦形剤は、以下にてより詳細に考察される。
【0026】
保存剤
本発明の局所用美容組成物は、保存剤を含んでよい。実施態様において、保存剤は、2以上の保存剤の混合物である。
【0027】
代表的な保存剤としては、これらに限定されないが、ベンジルアルコール、ジアゾリジニルウレア、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、フェノキシエタノール、ソルビン酸、安息香酸、これらの塩、またはこれらの組み合わせもしくは混合物が挙げられる。
【0028】
1つの実施態様では、保存剤は、ベンジルアルコールである。別の実施態様では、保存剤は、フェノキシエタノールである。
【0029】
好適には、保存剤は、約0.01重量%〜約2重量%の量で組成物中に存在する。
【0030】
第二の抗酸化剤
本発明の局所用美容組成物は、第二の抗酸化剤を(すなわち、L‐アスコルビン酸に加えて)含んでよい。1つの実施態様では、第二の抗酸化剤の機能は、犠牲的抗酸化剤(sacrificial antioxidant)として作用し、それによってL‐アスコルビン酸、その塩、またはエステルの組成物中での安定性を最大化することである。実施態様において、第二の抗酸化剤は、2以上の抗酸化剤の混合物である。
【0031】
代表的な第二の抗酸化剤としては、これらに限定されないが、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール、トコフェロール、没食子酸プロピル、ビタミンE TPGS、またはこれらの組み合わせもしくは混合物が挙げられる。
【0032】
1つの実施態様では、第二の抗酸化剤は、BHTである。別の実施態様では、第二の抗酸化剤は、没食子酸プロピルである。なお別の実施態様では、第二の抗酸化剤は、BHTおよび没食子酸プロピルの混合物である。さらなる実施態様では、第二の抗酸化剤は、トコフェロールである。好適には、第二の抗酸化剤は、約0.001重量%〜約1重量%の量で組成物中に存在する。
【0033】
キレート化剤
本発明の局所用美容組成物は、キレート化剤を含んでよい。実施態様において、キレート化剤は、2以上のキレート化剤の混合物である。
【0034】
代表的なキレート化剤としては、これらに限定されないが、クエン酸、グルクロン酸、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸亜鉛、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ホスホネート(phosponates)、これらの塩、またはこれらの組み合わせもしくは混合物が挙げられる。
【0035】
1つの実施態様では、キレート化剤は、EDTAである。別の選択肢としての実施態様では、キレート化剤は、クエン酸である。
【0036】
好適には、キレート化剤は、約0.1重量%〜約1重量%の量で組成物中に存在する。
【0037】
保湿剤
この局所用美容組成物は、保湿剤を含んでよい。実施態様において、保湿剤は、2以上の保湿剤の混合物である。
【0038】
代表的な保湿剤としては、これらに限定されないが、グリセロール、ソルビトール、マルチトール、ポリデキストロース、トリアセチン、プロピレングリコール、ならびにPEG‐4、PEG‐6、PEG‐8、PEG‐12、PEG‐32、PEG‐75、およびPEG‐150などのポリエチレングリコール(PEG)、またはこれらの組み合わせもしくは混合物が挙げられる。
【0039】
実施態様において、保湿剤は、グリセロールである。別の実施態様では、保湿剤は、プロピレングリコールである。なお別の実施態様では、保湿剤は、ポリエチレングリコールである。
【0040】
好適には、保湿剤は、約0.2重量%〜約20重量%などの約0.1重量%〜約40重量%の量で組成物中に存在する。1つの実施態様では、保湿剤は、約0.5重量%〜約5重量%の量で組成物中に存在する。
【0041】
pH調節剤
本発明の局所用美容組成物は、pH調節剤を含んでよい。1つの実施態様では、pH調節剤は、塩基またはその混合物である。好適な塩基としては、アミン、重炭酸塩、炭酸塩、および、アルカリまたはアルカリ土類金属水酸化物、さらには遷移金属水酸化物などの水酸化物が挙げられる。実施態様において、塩基は、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムである。
【0042】
別の実施態様では、pH調節剤は、酸、酸の塩、またはこれらの混合物である。好適には、酸は、乳酸、酢酸、マレイン酸、コハク酸、クエン酸、リン酸、硝酸、硫酸、および塩酸、またはこれらの組み合わせもしくは混合物からなる群より選択される。
【0043】
なお別の実施態様では、pH調節剤は、緩衝剤である。好適には、緩衝剤は、クエン酸塩/クエン酸、酢酸塩/酢酸、リン酸塩/リン酸、プロピオン酸塩/プロピオン酸、乳酸塩/乳酸、炭酸塩/炭酸、アンモニウム塩/アンモニア、およびエデト酸塩/エデト酸、またはこれらの組み合わせもしくは混合物からなる群より選択される。好適には、緩衝剤は、クエン酸塩/クエン酸である。緩衝剤の機能は、組成物のpHを一定またはほぼ一定の値に設定または維持することである。
【0044】
好適には、pH調節剤は、約0.01重量%〜約10重量%の量で組成物中に存在する。別の選択肢としての実施態様では、pH調節剤は、容器中の組成物のpHを、約pH4〜約pH6などの約pH2〜約pH6の間に調節または維持するのに充分である量で存在する。
【0045】
ワックス
本発明の局所用美容組成物は、ワックスを含んでよい。実施態様において、ワックスは、2以上のワックスの混合物である。
【0046】
代表的なワックスとしては、これらに限定されないが、脂肪アルコール、蜜ろうならびにPEG‐8蜜ろう、PEG‐12蜜ろう、およびPEG‐20蜜ろうなどのその誘導体、ホホバワックス、ラノリンワックス、ライスワックス、コレステロール、ならびにこれらの組み合わせまたは混合物が挙げられる。
【0047】
好適には、ワックスは、約0.1重量%〜約5重量%の量で存在する。
【0048】
1つの実施態様では、ワックスは、脂肪アルコールである。別の実施態様では、ワックスは、2以上の脂肪アルコールの混合物である。
【0049】
代表的な脂肪アルコールとしては、これらに限定されないが、カプリルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、ベヘニルアルコール、ラノリンアルコール、アラキジルアルコール、オレイルアルコール、パームアルコール、イソセチルアルコール、セチルアルコール、およびステアリルアルコール、またはこれらの組み合わせもしくは混合物が挙げられる。
【0050】
1つの実施態様では、脂肪アルコールは、ステアリルアルコールである。別の実施態様では、脂肪アルコールは、セチルアルコールである。なお別の実施態様では、脂肪アルコールは、ステアリルアルコールとセチルアルコールとの混合物である。好適には、ステアリルアルコールのセチルアルコールに対する比率は、約1:1〜約1:3である。
【0051】
好適には、ワックスが脂肪アルコールである場合、それは、約0.1重量%〜約5重量%の量で組成物中に存在する。1つの実施態様では、脂肪アルコールは、約0.5重量%〜約4重量%の量で組成物中に存在する。
【0052】
界面活性剤
本発明の局所用美容組成物は、少なくとも1つの界面活性剤を含んでよい。実施態様において、界面活性剤は、2以上の界面活性剤の混合物である。
【0053】
1つの実施態様では、界面活性剤は、1以上の非イオン性界面活性剤からなる。好適な非イオン性界面活性剤としては、これらに限定されないが、エトキシル化脂肪アルコールエーテル、PEG誘導体、エトキシル化脂肪酸、プロピレングリコールエステル、グリセロールエステルおよび誘導体、ポリマーエーテル、およびソルビタン誘導体、ならびにこれらの混合物が挙げられる。
【0054】
1つの実施態様では、界面活性剤は、エトキシル化脂肪アルコールエーテルである。代表的なエトキシル化脂肪アルコールエーテルとしては、セテス‐1、セテス‐2、セテス‐3、セテス‐4、セテス‐5、セテス‐6、セテス‐10、セテス‐12、セテス‐14、セテス‐15、セテス‐16、セテス‐20、セテス‐24、セテス‐25、セテス‐30、セテス‐45、ステアレス‐2、ステアレス‐10、ステアレス‐20、セテアレス‐2、セテアレス‐3、セテアレス‐5、セテアレス‐6、セテアレス‐10、セテアレス‐12、セテアレス‐15、セテアレス‐20、セテアレス‐21、セテアレス‐22、セテアレス‐25、セテアレス‐30、セテアレス‐31、セテアレス‐32、セテアレス‐33、ラウレス‐3、ラウレス‐4、ラウレス‐5、ラウレス‐9、ラウレス‐10、ラウレス‐12、ラウレス‐15、ラウレス‐20、ラウレス‐21、ラウレス‐22、ラウレス‐23、ノノキシノール‐9、オレス‐2、オレス‐5、オレス‐10、およびオレス‐20、ならびにこれらの混合物が挙げられる。
【0055】
別の実施態様では、界面活性剤は、親水性エトキシル化脂肪アルコールエーテルである。代表的な親水性エトキシル化脂肪アルコールエーテルとしては、セテス‐6、セテス‐10、セテス‐12、セテス‐14、セテス‐15、セテス‐16、セテス‐20、セテス‐24、セテス‐25、セテス‐30、セテス‐45、ステアレス‐10、ステアレス‐20、セテアレス‐10、セテアレス‐12、セテアレス‐15、セテアレス‐20、セテアレス‐21、セテアレス‐22、セテアレス‐25、セテアレス‐30、セテアレス‐31、セテアレス‐32、セテアレス‐33、セテアレス‐6、ラウレス‐5、ラウレス‐9、ラウレス‐10、ラウレス‐12、ラウレス‐15、ラウレス‐20、ラウレス‐21、ラウレス‐22、ラウレス‐23、ノノキシノール‐9、オレス‐10、およびオレス‐20、ならびにこれらの混合物が挙げられる。
【0056】
1つの実施態様では、エトキシル化脂肪アルコールエーテルは、ステアレス‐20である。
【0057】
なお別の実施態様では、界面活性剤は、PEG誘導体である。代表的なPEG誘導体としては、PEG‐7水素化ヒマシ油、PEG‐25水素化ヒマシ油、PEG‐30ヒマシ油、PEG‐31ヒマシ油、PEG‐32ヒマシ油、PEG‐33ヒマシ油、PEG‐34ヒマシ油、PEG‐35ヒマシ油、PEG‐40水素化ヒマシ油、PEG‐50ヒマシ油、およびPEG‐60水素化ヒマシ油、ならびにこれらの混合物が挙げられる。
【0058】
さらなる実施態様では、界面活性剤は、エトキシル化脂肪酸である。代表的なエトキシル化脂肪酸としては、PEG‐5オレエート、PEG‐6オレエート、PEG‐10オレエート、PEG‐6ステアレート、PEG‐8ステアレート、PEG‐9ステアレート、PEG‐20ステアレート、PEG‐40ステアレート、PEG‐41ステアレート、PEG‐42ステアレート、PEG‐43ステアレート、PEG‐44ステアレート、PEG‐45ステアレート、PEG‐46ステアレート、PEG‐47ステアレート、PEG‐48ステアレート、PEG‐49ステアレート、PEG‐50ステアレート、およびPEG‐100ステアレート、ならびにこれらの混合物が挙げられる。
【0059】
なおさらなる実施態様では、界面活性剤は、プロピレングリコールエステルである。代表的なプロピレングリコールエステルとしては、プロピレングリコールパルミテートおよびプロピレングリコールステアレート、ならびにこれらの混合物が挙げられる。
【0060】
1つの実施態様では、界面活性剤は、グリセリルエステルまたはその誘導体である。誘導体としては、エトキシル化グリセリルエステルまたはポリグリセリルエステルが挙げられ得る。代表的なグリセリルエステルおよび誘導体としては、グリセリルベヘネート、グリセリルジベヘネート、グリセリルジオレエート、グリセリルジステアレート、グリセリルリノレエート、グリセリルオレエート、グリセリルステアレート、PEG‐23グリセリルココエート、PEG‐6カプリル/カプリングリセリド、PEG‐7グリセリルココエート、ポリグリセリル‐10ジイソステアレート、ポリグリセリル‐2ジイソステアレート、ポリグリセリル‐3ジイソステアレート、およびポリグリセリル‐6ジイソステアレート、ならびにこれらの混合物が挙げられる。
【0061】
別の実施態様では、界面活性剤は、ポリマーエーテルである。代表的なポリマーエーテルとしては、ポロキサマー124、ポロキサマー182、ポロキサマー184、ポロキサマー188、ポロキサマー237、ポロキサマー331、ポロキサマー338、およびポロキサマー407、ならびにこれらの混合物が挙げられる。
【0062】
別の実施態様では、界面活性剤は、ソルビタン誘導体である。代表的なソルビタン誘導体としては、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80、ソルビタンラウレート、ソルビタンオレエート、ソルビタンパルミテート、ソルビタンセスキオレエ−ト、ソルビタンステアレート、およびソルビタントリオレエート、ならびにこれらの混合物が挙げられる。1つの実施態様では、ソルビタン誘導体は、ポリソルベート60である。
【0063】
好適には、少なくとも1つの界面活性剤は、約0.1重量%〜約15重量%の量で組成物中に存在する。1つの実施態様では、界面活性剤は、約0.1重量%〜約5重量%の量で存在する。
【0064】
栄養剤
実施態様によると、局所用美容組成物は、栄養剤をさらに含んでいてよい。実施態様において、栄養剤は、2以上の栄養剤の混合物である。栄養剤の目的は、L‐アスコルビン酸、その塩、またはエステルと協調して組成物の美容効果を高めるように作用することである。
【0065】
代表的な栄養剤としては、ビタミン、コエンザイム、果実抽出物、植物抽出物、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0066】
実施態様において、栄養剤は、ビタミンである。代表的なビタミンとしては、ビタミンA、B、D、E、およびKが挙げられる。1つの実施態様では、ビタミンは、ビタミンAである。別の実施態様では、ビタミンは、ビタミンEである。別の実施態様では、ビタミンは、ビタミンAとビタミンEとの混合物である。
【0067】
別の実施態様では、栄養剤は、コエンザイムである。1つの実施態様では、コエンザイムは、ユビキノン(コエンザイムQ10)である。
【0068】
なお別の実施態様では、栄養剤は、果実抽出物である。代表的な果実抽出物としては、これらに限定されないが、アルブツス ウネド(Arbutus Unedo)果実抽出物、アルクチウム ラッパ(Arctium Lappa)抽出物、バシルス/ヒッポファエ ラムノイデス(Bacillus/Hippophae Rhamnoides)果実発酵抽出物、ベルガモット/グレープフルーツ/オレンジ/タンジェリン果実発酵抽出物、カッパリス モオニイ(Capparis Moonii)果実抽出物、カプシクム アヌウム(Capsicum Annuum)果実抽出物、チャエノメレス シネンシス(Chaenomeles Sinensis)果実抽出物、シトラス メディカ ブルガリス(Citrus Medica Vulgaris)果実抽出物、シトラス ウンシウ(Citrus Unshiu)果実抽出物、コフィア アラビカ(Coffea Arabica)果実抽出物、ダビドソニア プルリエンス(Davidsonia Pruriens)果実抽出物、エンペトルム ニグルム(Empetrum Nigrum)花/果実/葉抽出物、フォルシシア ススペンサ(Forsythia Suspensa)果実抽出物、グリフォラ フロンドサ(Grifola Frondosa)子実体抽出物、加水分解アノナ チェリモリア(Hydrolyzed Annona Cherimolia)果実抽出物、加水分解リシウム バルバルム(Hydrolyzed Lycium Barbarum)果実抽出物、加水分解オリーブ果実抽出物、加水分解ソホファ ジャポニカ(Hydrolyzed Sophora Japonica)果実抽出物、ラクトバシルス/リシウム チネンセ(Lactobacillus/Lycium Chinense)果実抽出物発酵ろ液、ラクトバシルス/サッカロミセス/エウテルペ オレラセア(Lactobacillus/Saccharomyces/Euterpe Oleracea)果実抽出物発酵ろ液、ラクトバシルス/スクテラリア バイカレンシス(Lactobacillus/Scutellaria Baicalensis)根/カメリア シネンシス(Camellia Sinensis)葉/アルテミシア プリンセプス(Artemisia Princeps)葉/ホウツイニア コルダタ(Houttuynia Cordata)葉/シトラス ジュノス(Citrus Junos)果実抽出物発酵ろ液、リシウム チネンセ(Lycium Chinense)果実抽出物、マルピギア プニシフォリア(Malpighia Punicifolia)(アセロラ)果実抽出物、マルス ドメスチカ(Malus Domestica)果実抽出物、モモルディカ グロスベノリイ(Momordica Grosvenorii)果実抽出物、モルス アルバ(Morus Alba)果実抽出物、ムサ バルビシアナ(Musa Balbisiana)果実抽出物、プルヌス セラスス(Prunus Cerasus)(ビターチェリー)果実抽出物、プルヌス サリシナ(Prunus Salicina)果実抽出物、プルヌス トメントサ(Prunus Tomentosa)果実抽出物、プシジウム カトレイアヌム(Psidium Cattleianum)果実抽出物、プニカ グラナツム(Punica Granatum)樹皮/果実抽出物、キュエルクス インフェクトリア(Quercus Infectoria)果実抽出物、ルブス アルクチクス(Rubus Arcticus)果実抽出物、ルブス チャマエモルス(Rubus Chamaemorus)果実抽出物、サンタルム アクミナツム(Santalum Acuminatum)果実抽出物、サピンズス オアフエンシス(Sapindus Oahuensis)果実抽出物、シザンドラ スフェナンセラ(Schizandra Sphenanthera)果実抽出物、スミラックス チナ(Smilax China)果実抽出物、ソラヌム リコペルシクム(Solanum Lycopersicum)(トマト)果実抽出物、シジギウム レウマニイ(Syzygium Leuhmanii)果実抽出物、テルミナリア フェルジナンジアナ(Terminalia Ferdinandiana)果実抽出物、バシニウム ビチス‐イダエア(Vaccinium Vitis-Idaea)果実抽出物、およびビチスビニフェラ(Vitis Vinifera)(ブドウ)果実抽出物、ならびにこれらの混合物が挙げられる。1つの実施態様では、果実抽出物は、コフィア アラビカ果実抽出物である。
【0069】
さらなる実施態様では、栄養剤は、植物抽出物である。代表的な植物抽出物としては、フィサリス アングラタ(Physalis Angulata)抽出物、ピプタデニア コルブリナ(Piptadenia Colubrina)皮抽出物、ブドウ(ビチス ビニフェラ)葉抽出物、カメリア オレイフェラ(Camellia Oleifera)種抽出物、カメリア オレイフェラ葉抽出物、およびカメリア シネンシス葉抽出物、ならびにこれらの混合物が挙げられる。1つの実施態様では、植物抽出物は、カメリア シネンシス葉抽出物であり、グリーンティー抽出物としても知られる。別の実施態様では、植物抽出物は、ピプタデニア コルブリナ皮抽出物である。なお別の実施態様では、植物抽出物は、フィサリス アングラタ抽出物である。さらなる実施態様では、植物抽出物は、ピプタデニア コルブリナ皮抽出物とフィサリス アングラタ抽出物との混合物である。
【0070】
好適には、栄養剤は、栄養剤の性質に応じて、約0.1重量%〜約20重量%の量で組成物中に存在する。1つの実施態様では、栄養剤は、約0.1重量%〜約5重量%の量で組成物中に存在する。別の実施態様では、栄養剤は、約0.5重量%〜約2重量%の量で組成物中に存在する。
【0071】
容器
局所用美容組成物は、エアロゾル容器中に充填される。容器は、組成物に長い有効期間を提供するように選択され、従って、組成物の化学的安定性に干渉することのないように、化学的に不活性であろう。
【0072】
好適な容器は、例えば、スチール、アルミニウム、またはガラスから作られていてよく、1以上の内部および/または外部保護ライニングを用いてよい。実施態様において、エアロゾル容器は、ポリアミド‐イミド(PAM)ライニング付きアルミニウムエアロゾル容器である。別の実施態様では、エアロゾル容器は、バッグインカン型(bag in can)またはバッグオンバルブアセンブリ型(bag on valve assembly)である。
【0073】
エアロゾルスプレー
1つの特定の実施態様では、局所用美容組成物は、エアロゾルスプレー(aerosol spray)として製剤化される。本実施態様において、本発明は、(a)L‐アスコルビン酸またはその薬学的に許容可能な塩もしくはエステル、(b)水、(c)低級アルコール、および(d)エアロゾル噴射剤を含んでなる、エアロゾル容器中の局所用美容組成物を提供し、ここで、組成物は、前記容器からの放出後、エアロゾルスプレーを形成する。
【0074】
実施態様において、水の低級アルコールに対する比率は、約1:1.5〜1:3である。別の実施態様では、水の低級アルコールに対する比率は、約1:1.75〜1:2.5である。なお別の実施態様では、水の低級アルコールに対する比率は、約1:2〜約1:2.2である。好適には、水の低級アルコールに対する比率は、約1:2、1:2.05、1:2.1、1:2.15、または1:2.2である。
【0075】
1つの実施態様では、エアロゾルスプレー中に存在する水の量は、約15重量%〜約30重量%である。1つの実施態様では、エアロゾルスプレー中に存在する低級アルコールの量は、約35重量%〜約50重量%である。1つの実施態様では、エアロゾルスプレー中に存在する噴射剤の量は、約25重量%〜約40重量%である。
【0076】
従って、1つの実施態様において、本発明は、(a)L‐アスコルビン酸またはその薬学的に許容可能な塩もしくはエステル、(b)約15重量%〜約30重量%の量の水、(c)約35重量%〜約50重量%の量の低級アルコール、および(d)約25重量%〜約40重量%の量のエアロゾル噴射剤を含んでなる、エアロゾル容器中の局所用美容組成物を提供し、ここで、組成物は、前記容器からの放出後、エアロゾルスプレーを形成する。所望に応じて、この製剤は、保存剤、第二の抗酸化剤、キレート化剤、およびpH調節剤からなる群より選択される1以上の皮膚科学的に許容可能な賦形剤をさらに含んでよい。
【0077】
別の実施態様において、本発明は、(a)L‐アスコルビン酸またはその薬学的に許容可能な塩もしくはエステル、(b)約15重量%〜約30重量%の量の水、(c)約35重量%〜約50重量%の量の低級アルコール、(d)保存剤、第二の抗酸化剤、キレート化剤、およびpH調節剤からなる群より選択される1以上の皮膚科学的に許容可能な賦形剤、ならびに(e)約25重量%〜約40重量%の量のエアロゾル噴射剤を含んでなる、エアロゾル容器中の局所用美容組成物を提供し、ここで、組成物は、前記容器からの放出後、エアロゾルスプレーを形成する。
【0078】
エアロゾルフォーム
別の選択肢として、組成物は、エアロゾルフォーム(aerosol foam)として製剤化されてよい。このような実施態様では、組成物は、エアロゾル容器中にて、(a)L‐アスコルビン酸またはその薬学的に許容可能な塩もしくはエステル、(b)水、(c)低級アルコール、および(d)エアロゾル噴射剤を含んでなり、ここで、組成物は、前記容器からの放出後、エアロゾルフォームを形成する。
【0079】
実施態様において、エアロゾルフォーム組成物を25℃にて30週間保存した後、失われるL‐アスコルビン酸またはその塩もしくはエステルは、10%未満である。
【0080】
従って、1つの実施態様では、エアロゾルフォーム中に存在する水は、約20重量%〜約60重量%の量である。1つの実施態様では、エアロゾルフォーム中に存在する低級アルコールは、約20重量%〜約60重量%の量である。1つの実施態様では、エアロゾル噴射剤は、約3重量%〜約10重量%の量で存在する。
【0081】
1つの実施態様では、エアロゾルフォームは、高アルコール含有量フォームとして製剤化されてよい。従って、本実施態様では、水の低級アルコールに対する比率は、約1:1〜約1:2である。別の実施態様では、水の低級アルコールに対する比率は、約1:1.25〜約1:1.75である。なお別の実施態様では、水の低級アルコールに対する比率は、約1:1.5である。
【0082】
高アルコール含有量フォームの1つの実施態様では、水は、約25重量%〜約45重量%の量で、エアロゾルフォーム中に存在する。別の実施態様では、低級アルコールは、約40重量%〜約65重量%の量で存在する。なお別の実施態様では、エアロゾル噴射剤は、約3重量%〜約10重量%の量で存在する。
【0083】
従って、1つの実施態様において、本発明は、(a)L‐アスコルビン酸またはその薬学的に許容可能な塩もしくはエステル、(b)約25重量%〜約45重量%の量の水、(c)約40重量%〜約65重量%の量の低級アルコール、(d)約3重量%〜約10重量%の量のエアロゾル噴射剤を含んでなる、エアロゾル容器中の局所用美容組成物を提供し、ここで、組成物は、前記容器からの放出後、エアロゾルフォームを形成する。
【0084】
実施態様において、エアロゾルフォームは、さらにワックスを含んでよい。別の実施態様では、エアロゾルフォームは、さらに界面活性剤を含んでよい。なお別の実施態様では、エアロゾルフォームは、さらにワックスおよび/または界面活性剤を含んでよい。さらなる実施態様では、エアロゾルフォームは、さらにワックスおよび界面活性剤を含んでよい。
【0085】
エアロゾルフォームは、記載したように、1以上の追加の皮膚科学的に許容可能な賦形剤を含んでよい。1つの実施態様では、エアロゾルフォームは、所望に応じて、保存剤、第二の抗酸化剤、キレート化剤、保湿剤、およびpH調節剤からなる群より選択される1以上の皮膚科学的に許容可能な賦形剤を含んでよい。
【0086】
従って、1つの実施態様において、本発明は、(a)L‐アスコルビン酸またはその薬学的に許容可能な塩もしくはエステル、(b)水、(c)低級アルコール、(d)ワックス、(e)界面活性剤、(f)所望により、保存剤、第二の抗酸化剤、キレート化剤、保湿剤、およびpH調節剤からなる群より選択される1以上の皮膚科学的に許容可能な賦形剤、ならびに(g)エアロゾル噴射剤を含んでなる、エアロゾル容器中の局所用美容組成物を提供し、ここで、組成物は、前記容器からの放出後、エアロゾルフォームを形成する。
【0087】
実施態様において、エアロゾルフォームは、素早く消泡する感温性フォーム(quick breaking temperature sensitive foam)である。すなわち、フォームの局所適用後、フォームは、軽く擦るまたは広げることによって使用者の皮膚上で容易に融解し、皮膚表面に残渣をほとんど残さない。
【0088】
1つの実施態様において、本発明は、(a)L‐アスコルビン酸またはその薬学的に許容可能な塩もしくはエステル、(b)約25重量%〜約45重量%の量の水、(c)約40重量%〜約65重量%の量の低級アルコール、(d)ワックス、(e)界面活性剤、(f)所望により、保存剤、第二の抗酸化剤、キレート化剤、保湿剤、およびpH調節剤からなる群より選択される1以上の皮膚科学的に許容可能な賦形剤、ならびに(g)約3重量%〜約10重量%の量のエアロゾル噴射剤を含んでなる、エアロゾル容器中の局所用美容組成物を提供し、ここで、組成物は、前記容器からの放出後、エアロゾルフォームを形成する。
【0089】
別の実施態様では、エアロゾルフォームは、低アルコール含有量フォームとして製剤化される。本実施態様では、組成物中に存在する水の低級アルコールに対する比率は、約1:1〜約1:0.4である。別の実施態様では、水の低級アルコールに対する比率は、約1:0.7〜約1:0.5である。なお別の実施態様では、水の低級アルコールに対する比率は、約1:0.6である。
【0090】
低アルコール含有量フォームの1つの実施態様では、水は、約40重量%〜約60重量%の量で、エアロゾルフォーム中に存在する。別の実施態様では、低級アルコールは、約20重量%〜約40重量%の量で存在する。なお別の実施態様では、エアロゾル噴射剤は、約3重量%〜約10重量%の量で存在する。
【0091】
特定の実施態様において、本発明は、(a)L‐アスコルビン酸またはその薬学的に許容可能な塩もしくはエステル、(b)約40重量%〜約60重量%の量の水、(c)約20重量%〜約40重量%の量の低級アルコール、(d)約3重量%〜約10重量%の量のエアロゾル噴射剤を含んでなる、エアロゾル容器中の局所用美容組成物を提供し、ここで、組成物は、前記容器からの放出後、エアロゾルフォームを形成する。
【0092】
1つの特定の実施態様において、本発明は、(a)L‐アスコルビン酸またはその薬学的に許容可能な塩もしくはエステル、(b)約40重量%〜約60重量%の量の水、(c)約20重量%〜約40重量%の量の低級アルコール、(d)ワックス、(e)界面活性剤、(f)所望により、保存剤、第二の抗酸化剤、キレート化剤、保湿剤、およびpH調節剤からなる群より選択される1以上の皮膚科学的に許容可能な賦形剤、ならびに(g)約3重量%〜約10重量%の量のエアロゾル噴射剤を含んでなる、エアロゾル容器中の局所用美容組成物を提供し、ここで、組成物は、前記容器からの放出後、エアロゾルフォームを形成する。
【0093】
1つのさらなる実施態様において、本発明は、(a)L‐アスコルビン酸またはその薬学的に許容可能な塩もしくはエステル、(b)約40重量%〜約60重量%の量の水、(c)約20重量%〜約40重量%の量の低級アルコール、(d)ワックス、(e)界面活性剤、(f)コフィア アラビカ果実抽出物、(g)所望により、保存剤、第二の抗酸化剤、キレート化剤、保湿剤、およびpH調節剤からなる群より選択される1以上の皮膚科学的に許容可能な賦形剤、ならびに(h)約3重量%〜約10重量%の量のエアロゾル噴射剤を含んでなる、エアロゾル容器中の局所用美容組成物を提供し、ここで、組成物は、前記容器からの放出後、エアロゾルフォームを形成する。
【0094】
処置の方法
実施態様によると、本発明は、それを必要とする哺乳類の皮膚の状態を処置する方法を提供し、その方法は、(a)L‐アスコルビン酸またはその薬学的に許容可能な塩もしくはエステル、(b)水、(c)低級アルコール、および(d)エアロゾル噴射剤を含んでなるエアロゾル容器中の局所用美容組成物を、前記哺乳類に投与することを含んでなる。実施態様において、哺乳類は、ヒトである。
【0095】
好適には、その状態とは、皮膚の老化である。これは、小皺、皺、UV損傷、および/または老化による染みを特徴とし得る。
【0096】
1つの実施態様では、本発明の美容組成物は、1日1回の皮膚への投与に適している。別の実施態様では、組成物は、少なくとも第二の局所用製剤と合わせて用いられ、美容計画を形成する。特に、本発明の組成物は、例えば、フェイシャルスクラブ、ウォッシュ、クレンザー、およびトナーと合わせて用いられ得る。
【0097】
定義
「投与する」の用語は、実質的な美容的実践において、所望される美容効果が得られるような方法で組成物を対象へ局所的に送達するいかなる方法をも意味するために本明細書にて用いられる。
【0098】
美容的状態についての「処置する」または「処置(treatment)」の用語は、その少なくとも1つの症状の緩和、その重篤度の低減、またはその進行の遅延、予防、もしくは阻止を包含する。処置は、状態が完全に治癒されることを意味する必要はない。本明細書における有用な美容組成物に必要とされることは、単に、状態の重篤度の低減、それに関連する症状の重篤度の低減、患者のクォリティオブライフの改善の提供、または状態の発生の遅延、予防、もしくは阻止のみである。
【0099】
「塩」の用語は、美容的に、または薬学的に許容可能な塩を意味する。そのような塩としては、(1)例えば酢酸、安息香酸、クエン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グルタル酸、グリコール酸、塩酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、リン酸、プロピオン酸、ソルビン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、天然および合成由来アミノ酸、ならびにこれらの混合物などの酸によって形成される酸付加塩、ならびに、(2)親化合物に存在する酸性プロトンが、(i)金属イオン(例:アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、またはアルミニウムイオン)によって置き換えられる場合、または(ii)例えばエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、およびN‐メチルグルカミンなどの有機塩基をプロトン化する場合に形成される塩、が挙げられる。
【0100】
本明細書にて列挙されるいずれのパーセント範囲または比率範囲も、特に断りのない限り、その範囲内のいずれの整数、ならびに整数の10分の1および100分の1などのその分数部分のパーセントまたは比率をも含むものと理解されたい。
【0101】
本明細書で用いられる場合、「1つの(a)」および「1つの(an)」の語は、列挙された成分の「1もしくは2以上」を意味することは理解される。当業者であれば、単数形の使用は、特に断りのない限り、複数を含むことは明らかであろう。
【0102】
本出願全体を通して、種々の実施態様の記載では、「含んでなる(comprising)」の言語が用いられるが、しかし、いくつかの具体的な例では、実施態様は、その代わりに、「から本質的になる(consisting essentially of)」または「からなる(consisting of)」の言語を用いて記載される場合がある。
【0103】
量、パーセント、または割合を表現するすべての数値、ならびに明細書および請求項で用いられるその他の数値は、すべての場合において「約」の用語で修飾されているものとして理解されたい。
【0104】
パーセントはすべて、特に断りのない限りにおいて、作製された最終組成物に対する重量パーセント基準であり、総計は100重量%に等しい。
【0105】
本明細書で用いられるその他の用語は、本技術分野におけるそれらの公知の意味によって定義されるものであることを意図している。
【実施例】
【0106】
実施例1−L‐アスコルビン酸エアロゾルスプレー
以下のL‐アスコルビン酸エアロゾルスプレーを作製した:
【0107】
【表1】
【0108】
作製方法および安定性試験
L‐アスコルビン酸(またはテトライソパルミチン酸アスコルビルまたは6‐パルミチン酸アスコルビン酸)を溶媒(水および/またはエタノール)に添加し、透明となるまで攪拌した。エアロゾルベース製剤(#1〜3)は、ガラス製褐色バイアルに保存し、スプレー製剤(#4〜6)は、アップライトバルブおよびディップチューブを有する1オンスプラスチックコーティングガラス製エアロゾルボトルに保存した。エアロゾルボトルを圧着処理し(crimped)、噴射剤を充填してエアロゾルスプレーを得た。
【0109】
これらのサンプルを40℃で保存し、HPLC(ウォーターズ、Atlantis C
18逆相カラム 250×4.6mm、5μm 1.2mL/分 定組成溶出;PDA UV検出;移動相:0.05% H
3PO
4水溶液)を用いて、t=0、4、8、および12週にてL‐アスコルビン酸(または誘導体)の安定性について試験した。これらの分析条件は、実施例2〜7でも用いた。対応するサンプルの安定性を
図1に示す。製剤#6が、40℃での12週間にわたって、最良の安定性プロファイルを有することが観察された。
【0110】
実施例2−さらなる安定性試験
製剤#6のL‐アスコルビン酸の安定性は、予想外に高いものであった。この結果を確認するために、実験を再度行った。以下に示すように、製剤#9および#10には、内部標準として作用するメチルパラベンも添加した。
【0111】
【表2】
【0112】
ここでも、製剤は、L‐アスコルビン酸を溶媒(水およびエタノール)に添加し、同時に透明溶液が得られるまで攪拌することによって作製した。エアロゾルベース製剤(#7および#9)は、ガラス製褐色バイアルに保存し、スプレー製剤(#8および#10)は、アップライトバルブおよびディップチューブを有するポリアミド‐イミド(HOBA PAM8460)ライニング付きアルミニウム製エアロゾル缶に保存した。サンプルを、5℃および40℃にて12週間保存し、次に分析試験に掛けた。分析試験の結果を
図2に示す。ここでも、エアロゾルスプレー製剤は、非常に優れた安定性を示し、40℃での12週間後、5%未満の喪失であった。
【0113】
実施例3−製剤の最適化
噴射剤の選択がL‐アスコルビン酸の安定性に影響を与えるかどうかを調べるために、さらなる試験を実施した。
【0114】
特に、この試験は、L‐アスコルビン酸の安定性の向上が、噴射剤DMEに特異的なものであるかどうか、またはその他のエアロゾル噴射剤を用いて同様の安定性結果を得ることが可能であるかどうかを調べるように設計した。
【0115】
エアロゾルベースの単一のバルクバッチを、実施例1および2に記載の方法を用いて作製し(表3)、続いて、これを用いて、表4に記載の製剤を作製した。
【0116】
【表3】
【0117】
【表4】
【0118】
対応する製剤の安定性を
図3に示す。すべてのエアロゾルスプレー製剤が、40℃での24週間の保存後、活性成分の15%未満の喪失を示した。
図3に示されるように、本発明にしたがって作製されたサンプルは、市販の比較品、すなわち、15%のL‐アスコルビン酸、フェルラ酸、およびアルファトコフェロールを含有するSkinCeuticals
TMC E Ferulicセラムと比較して、非常に良好な安定性を示した。
【0119】
実施例4−L‐アスコルビン酸エアロゾルフォーム
以下のエアロゾルフォームを作製した。
【0120】
【表5】
【0121】
製剤#19は、(i)保湿剤としてPEG‐75、および(ii)皮膚コンディショニング剤としてジメチコン(Dow Corning 200 fluid,0.65cst)を含んでいた。
【0122】
作製の方法
エアロゾルフォームを、以下のようにして作製した。
1.項目1〜6を一緒に混合する。透明となるまで緩やかに加温する。必要時まで静置する(エタノール相)。
2.別のビーカーに、項目7および8を混合する。透明となるまで攪拌する(水相)。
3.エタノール相および水相を、別々にエアロゾル缶に充填する。
4.圧着およびガス注入(項目9)を行う。
【0123】
このフォームを、40℃で保存し、安定性分析に掛けた。分析の結果を
図4に示す。L‐アスコルビン酸は、フォーム媒体中にて特に安定であった。さらに、PEG‐75およびジメチコンの添加は、L‐アスコルビン酸の安定性に影響を与えなかった。
図4に示されるように、フォームサンプルは、市販の比較品(SkinCeuticals
TMC E Ferulicセラム)に対して、非常に優れた安定性を示した。
【0124】
実施例5−L‐アスコルビン酸プラスグリーンティーエアロゾルフォーム
【0125】
【表6】
【0126】
作製の方法
エアロゾルフォームを、以下のようにして作製した。
1.項目1〜4を一緒に混合する。透明となるまで緩やかに加温する。必要時まで静置する(エタノール相)。
2.別の容器に、項目5および6を混合する。透明となるまで攪拌する。
3.攪拌しながら、項目7を添加し、透明となるまで攪拌する。
4.攪拌しながら、項目8を添加し、透明となるまで攪拌する(水相)。
5.エタノール相および水相を、別々にエアロゾル缶に充填する。
4.圧着およびガス注入(項目9)を行う。
【0127】
実施例6−さらなるL‐アスコルビン酸フォーム
【0128】
【表7】
【0129】
作製の方法(製剤#21および#22)
1.項目1〜3を一緒に混合する。透明となるまで緩やかに攪拌する。必要時まで静置する(エタノール相)。
2.別のビーカーに、項目4および6を混合する。透明となるまで攪拌する。
3.攪拌を継続し、項目7を添加する。透明となるまで攪拌する。
4.攪拌を継続し、項目8を添加する。透明となるまで攪拌する。
5.攪拌を継続し、項目9を添加する。透明となるまで攪拌する。
6.攪拌を継続し、項目10を添加する。透明となるまで攪拌する(水相)。
7.エタノール相および水相を、別々にエアロゾル缶に充填する。
8.圧着およびガス注入(項目11)を行う。
【0130】
作製の方法(製剤#23)
1.項目1(全エタノールの60%)、2、3、および5を混合する。透明となるまで緩やかに攪拌する。必要時まで静置する(エタノール相)。
2.別のビーカーに、項目6および7を混合する。透明となるまで攪拌する。
3.攪拌を継続し、項目8を添加する。透明となるまで攪拌する。
4.攪拌を継続し、項目9を添加する。透明となるまで攪拌する。
5.攪拌を継続し、項目10を添加する。透明となるまで攪拌する。
6.攪拌を継続し、残りの項目1(全エタノールの40%)を添加する。透明となるまで攪拌する(水相)。
7.エタノール相および水相を、別々にエアロゾル缶に充填する。
8.圧着およびガス注入(項目11)を行う。
【0131】
作製の方法(製剤#24)
1.項目1、2、3、および5を混合する。透明となるまで緩やかに攪拌する。必要時まで静置する(エタノール相)。
2.別のビーカーに、項目6および8を混合する。透明となるまで攪拌する(水相)。
3.エタノール相および水相を、別々にエアロゾル缶に充填する。
4.圧着およびガス注入(項目11)を行う。
【0132】
このフォームを、40℃で保存し、安定性分析に掛けた。分析の結果を
図5に示す。エタノール含有量とL‐アスコルビン酸の安定性の間の関係性が観察された。すなわち、エタノール含有量の増加により、L‐アスコルビン酸の安定性を向上させることができる。
【0133】
実施例7−L‐アスコルビン酸プラスCoffeeberryTM抽出物エアロゾルフォーム
【0134】
【表8】
【0135】
作製の方法
1.項目1〜4を一緒に混合する。透明となるまで緩やかに攪拌する。必要時まで静置する(エタノール相)。
2.別のビーカーに、項目5および6を混合する。透明となるまで攪拌する。
3.攪拌を継続し、項目7を添加する。透明となるまで攪拌する。
4.攪拌を継続し、項目8を添加する。透明となるまで攪拌する。
5.攪拌を継続し、項目9を添加する。透明となるまで攪拌する。
6.攪拌を継続し、項目10を添加する。透明となるまで攪拌する(水相)。
7.エタノール相および水相を、別々にエアロゾル缶に充填する。
8.エアロゾル缶の圧着および噴射剤(項目11)によるガス注入を行う。
【0136】
製剤を5℃、25℃、および40℃で保存し、安定性分析に掛けた。40℃での保存後の分析の結果を
図6に示す。製剤#25(L‐アスコルビン酸プラスCoffeeberry
TM抽出物)でのL‐アスコルビン酸の安定性は、比較製剤#21(L‐アスコルビン酸のみ)よりも非常に優れていた。このことは、Coffeeberry
TM抽出物が、L‐アスコルビン酸に対する安定化効果を有することを示唆している。
【0137】
図7は、5℃および25℃での製剤#25中のL‐アスコルビン酸の安定性を示す(24週間までの保存)。安定性試験に基づくと、25℃にて約30週間後、L‐アスコルビン酸の喪失は10%未満であり、5℃における約2年後の喪失は、5%未満であることが予測された。
【0138】
以下の製剤も、類似の方法を用いて作製した。
【0139】
【表9】
【0140】
図8は、40℃での保存後の製剤#26および#27におけるL‐アスコルビン酸の安定性を(製剤#25と比較して)示す。
【0141】
上述の記載は、本発明を、その好ましい実施態様を含めてすべて開示するものである。本明細書にて具体的に開示される実施態様の改変および改良は、以下の請求項の範囲内である。さらなる詳述なしに、当業者であれば、上述の記載事項を用いて、本発明を最大限利用することができるものと考えられる。従って、本明細書の実施例は、単なる説明であって、いかなる形であっても、本発明の範囲を限定するものと解釈されてはならない。独占的所有権または特許権が請求される本発明の実施態様は、以下に定める。