(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記取り上げゾーン(332)で前記開口(319)を正圧システム(504)と流体連通するように配置する工程を更に含み、前記不良の別個の吸収性物品を排斥する工程が、前記開口(319)と前記正圧システム(504)との間の流体連通を遮断する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
前記不良の別個の吸収性物品を排斥する工程が、前記キャリア部材(324)の少なくとも1つを、前記キャリア(316)に近接した前記取り上げゾーン(332)で前記正圧システム(504)と流体連通するように配置する工程を更に含む、請求項2に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示を理解する上で、以下の用語が有用であり得る。
「吸収性物品」は、本明細書においては、主な機能が、汚れ及び排泄物を吸収及び保持することである消費者製品を指すために用いられる。本細書で使用するとき、「おむつ」とは、一般的に、幼児、及び失禁症状のある人によって、胴体下部周囲に着用される吸収性物品を指す。本明細書では、用語「使い捨て」は、洗濯、又は他の方法で吸収性物品として修復若しくは再使用することを一般に意図しない吸収性物品を説明するために使用される(例えば、その物品を、1回の使用後に廃棄することを意図し、またリサイクルするか、堆肥化するか、そうでなければ環境に適応した方法で処分するように構成されても良い)。
【0015】
「弾性」、「エラストマー」又は「エラストマーの」は、弾性を呈する材料を指し、これには、その弛緩した初期長に力を付加したときにその初期長より10%以上伸長した長さに伸長する又は長くなることができ、かつその付加された力の解放と同時にほぼその初期長に実質的に回復する、任意の材料が含まれる。
【0016】
本明細書で使用するとき、「結合されている」という用語は、ある要素を別の要素に直接取り付けることによって、その要素がその別の要素に直接取り付けられる構成、及びある要素を中間部材(1つ又は2つ以上)に取り付けてから、その中間部材を別の要素に取り付けることによって、その要素がその別の要素に間接的に取り付けられる構成を包含する。
【0017】
「長手方向」は、物品が平らに延ばされた非収縮状態のときに吸収性物品の腰部縁部から長手方向に対向する腰部縁部まで、又は、2つ折りにされた物品では、腰部縁部から股部の底(即ち、折り目)まで、実質的に垂直に走る方向を意味する。長手方向から45°以内の方向は、「長手方向である」と考えられる。「横方向」とは、物品の長手方向に延びる側縁部から、横方向の反対側の長手方向に延びる側縁部までわたり、かつ長手方向にほぼ垂直である、方向を指す。横方向の45度以内の方向は「横方向」であると見なされる。
【0018】
本明細書においては、用語「基材」は、主に二次元(すなわち、XY平面)であり、その厚さ(Z方向)が、その長さ(X方向)及び幅(Y方向)と比べて比較的小さい(すなわち、1/10以下である)材料を説明するために用いられる。基材の非限定的な例としては、ウェブ、繊維性材料の層(単数及び複数)、不織布、フィルム、及び、高分子フィルム又は金属箔などの箔が挙げられる。これらの材料は、単独で使用されてもよく、又は一緒に積層化された2つ以上の層を備えてもよい。そのため、ウェブは基材である。
【0019】
用語「不織布」は、本明細書において、スパンボンド、メルトブロー、カーディングなどの方法によって、連続的な(長い)フィラメント(繊維)及び/又は非連続的な(短い)フィラメント(繊維)から作製された材料を指す。不織布は、画定された、織られた又は編まれたフィラメント模様を有さない。
【0020】
用語「機械方向」(MD)は、本明細書において、プロセスを通過する材料の方向を指すために用いられる。加えて、材料の相対的配置及び動きは、プロセスの上流からプロセスの下流へと、プロセス全体で機械方向に流れるものとして記述され得る。
【0021】
用語「横断方向」(CD)は、本明細書において、機械方向に対してほぼ垂直な方向を指すために使用される。
【0022】
本明細書中、用語「パンツ」(同様に、「トレーニングパンツ」、「予め閉じたおむつ」、「おむつパンツ」、「パンツ型おむつ」、及び「プルオンおむつ」)は、幼児又は成人の着用者のために設計された、連続的な外辺部腰部開口部及び連続的な外辺部脚部開口部を有する、使い捨て吸収性物品を指す。パンツは、物品が着用者に適用される前に、連続的な、又は閉じた腰部開口部と、少なくとも1つの連続的な、閉じた脚部開口部とを有して構成され得る。パンツは、任意の再締結可能な及び/又は恒久的なクロージャ部材(例えば、シーム、熱接合、圧力溶接、接着剤、粘着接合、機械的締結具など)を使用して物品の部分を一緒に結合することが挙げられるがこれらに限定されない種々の技術で予備成形され得る。パンツは、腰部領域において物品の周囲に沿った任意の場所で予め形成され得る。(例えば、側部が締結又は継ぎ接ぎされている、前側腰部が締結又は継ぎ接ぎされている、後側腰部が締結又は継ぎ接ぎされている)。
【0023】
「予め締結された」とは、本明細書において、着用者に適用される前に、包装の際に前側腰部区域と後側腰部区域とが互いに締結又は連結された形態で製造され、かつ消費者に提供されるパンツ型おむつを指す。したがって、パンツ型おむつは、幼児又は成人の着用者向けに設計された、連続的な外辺部腰部開口部及び連続的な外辺部脚部開口部を有し得る。下記により詳細に述べられるように、おむつパンツは、再締結可能な及び/又は恒久的なクロージャ部材(例えば、シーム、熱接合、圧力溶接、接着剤、粘着接合、機械的締結具など)を使用して、おむつの一部を一緒に結合することを含むがそれに限定されない種々の技術によって、予備成形されることができる。加えて、パンツ型おむつは、腰部区域の周囲に沿った任意の場所で予備成形されることができる(例えば、締結又は連結された側部、締結又は連結された前側腰部、締結又は連結された後方腰部など)。
【0024】
本開示は、吸収性物品の製造のための方法及び装置に関するものであって、より具体的には、不良吸収性物品を加工ラインから検出及び排斥するためのシステム及び方法に関する。以下でより詳細に述べるように、加工プロセス中、様々な連続基材及び/又は別個の構成要素が互いに組み合わされて、連続長の吸収性物品を形成することができる。加工プロセスの下流部分において、連続長の吸収性物品が、最終ナイフに供され、切断されて、おむつの形状の分離した別個の吸収性物品を生成することができる。次いで、別個の吸収性物品を第1キャリア上で、第1配向で、機械方向MDに進めることができる。別個の吸収性物品は第1キャリアから移動装置に送られる。次いで、移動装置は別個の吸収性物品を第1配向と異なる第2配向で第2キャリアに転移させる。より具体的には、移動装置は、回転軸の周りを回転するものであり、その回転軸の周りを軌道運動するキャリア部材を含むことができる。キャリア部材は、第1キャリアから吸収性物品を第1配向で受け取り、吸収性物品を第2配向で第2キャリアに転移させるように適応される。したがって、吸収性物品は、取り上げゾーンにおいて、第1キャリアからキャリア部材に第1配向で移動され得、吸収性物品は、下ろしゾーンにおいて、キャリア部材から第2キャリアへ第2配向で移動され得る。以下でより詳細に述べるように、不良吸収性物品を検査システムにより検出し追跡することができる。次いで、加工プロセスから不良吸収性物品を取り除くために、検査システムを移動装置及び/又は第1キャリアに動作可能に接続することができる。不良と判定されなかった吸収性物品は、移動装置から第2キャリアに移動し、例えばサイドパネルタック作業及び包装作業などのような更なる処理工程に供することができる。
【0025】
以下でより詳細に述べるように、製造プロセスから不良吸収性物品を取り除くために、検査システムは、様々な方法で移動装置及び第1キャリアとともに動作するように構成することができる。いくつかの実施形態では、第1キャリアは、吸収性物品が取り上げゾーンに進む際に第1キャリアに吸収性物品を保持するように吸引力を付加する真空源を含む場合がある。第1キャリアは、取り上げゾーンで、又はその下流で、第1キャリアから吸収性物品を「吹き飛ばす」又は押し放す正圧源もまた含むことができる。更に、移動装置のキャリア部材を真空源に流体接続することができ、この真空源は、吸引力を付加して、吸収性物品をキャリア部材上で保持しながら第1キャリアから第2キャリアに転移させる。したがって、加工プロセスから不良吸収性物品を排斥及び方向変換するために検査システムを移動装置及び/又は第1キャリアと関連付けられた真空及び/又は正圧システムと動作可能に接続することができる。
【0026】
いくつかの構成においては、移動装置のキャリア部材に不良吸収性物品が移動された後に不良吸収性物品を排斥するように検査システムを構成することができる。例えば、不良吸収性物品を保持しているキャリア部材から真空システムを一時的に切断するように検査システムを動作させることが可能である。したがって、不良吸収性物品は吸引力でキャリア部材に保持されなくなり、次いで、キャリア部材から不合格品容器に送られる又は方向転換される場合がある。いくつかの実施形態では、真空源を切断し、次いで、不良品を保持しているキャリア部材と正空気圧源を一時的に接続するように、検査システムが動作可能である場合がある。そのようにして、正空気圧源は、キャリア部材から不良吸収性物品を押す又は「吹き飛ばす」ように作用する。
【0027】
いくつかの実施形態では、検査システムは、不良吸収性物品が移動装置のキャリア部材に送られるのを防ぐことによって不良吸収性物品を排斥するように構成される場合がある。例えば、検査システムは、キャリア部材が第1キャリアから不良吸収性物品を取り上げる前に、取り上げゾーンの近く又は取り上げゾーンにあるキャリア部材から真空システムを一時的に解放するように動作可能である場合がある。加えて、検査システムは、取り上げゾーン内で第1キャリアとの真空システムの接続を維持するように動作可能であってもよい。そのようにして、不良吸収性物品が取り上げゾーンに進む際に、真空システムからの吸引力は不良吸収性物品を第1キャリア上で保持し続ける。加えて、不良吸収性物品が取り上げゾーンを通り過ぎて進む際に、第1キャリア上で不良吸収性物品を保持するように吸引力を維持してもよい。
【0028】
移動装置に関しての第1配向及び第2配向を様々な方法で説明することができることを理解されたい。例えば、以下でより詳細に述べるように、第1配向は、機械方向MD又は横方向CDに対して吸収性物品を進める何らかの物理的側面又は構成要素を基準にして説明することができる。いくつかの実施形態では、第1配向は、横方向CDに配向されたそれぞれの吸収性物品の長手方向軸を有するものとして、あるいは、機械方向MDに対して垂直又は概ね垂直のものとして説明することができる。上述のように、吸収性物品は、次いで、前進中の吸収性物品を第2配向に位置づける移動装置に進むことができる。第2配向は、例えば、第1配向に対して例えば90度又は180度回転されているなど、第1配向に対していくらかの角度で回転されている前進中の吸収性物品を有するものとして説明することができる。いくつかの実施形態では、第2配向は、機械方向MDに平行又は概ね平行であるそれぞれの前進中の吸収性物品の長手方向軸を有するものとして説明することができる。
【0029】
本明細書に記載の方法及び装置は様々な種類の製品を排斥するように構成することが可能であるが、以下に説明する本明細書に記載の方法及び装置は吸収性物品の製造という文脈におけるものであることを理解されたい。具体的には、製造中に不良おむつを排斥する、前進する、という文脈において、これらの方法及び装置を説明する。
【0030】
図1及び2Aは、本明細書に開示される装置及び方法にしたがって組み立てること及び折り畳むことが可能なおむつパンツ100の一例を示す。特に、
図1は、事前に固定された構成のおむつパンツ100の斜視図を示し、
図2Aは、見る人に向かって配向された着用者から離れて向いているおむつの部分を有する、おむつパンツ100の平面図を示す。
図1及び2Aに示されるおむつパンツ100は、シャーシ102及び環状弾性ベルト104を含む。以下で更に詳述されるように、第1の弾性ベルト106及び第2の弾性ベルト108は、一緒に接続されて環状弾性ベルト104を形成する。
【0031】
図2Aを続けて参照すると、シャーシ102は、第1の腰部区域116と、第2の腰部区域118と、第1の腰部区域と第2の腰部区域との間に配置された股部区域119と、を含む。第1の腰部区域116は、前側腰部区域として構成されてもよく、また第2の腰部区域118は、後側腰部区域として構成されてもよい。いくつかの実施形態において、前側腰部区域、後側腰部区域、及び股部区域のそれぞれの長さは、吸収性物品100の長さの1/3であり得る。おむつ100はまた、前側腰部区域116内で横方向に延在する前側腰部縁部120、及び長手方向に対向し、後側腰部区域118内で横方向に延在する後側腰部縁部122を含み得る。本考察に関する基準枠を提供するため、
図2Aのおむつ100及びシャーシ102は、長手方向軸124及び横方向軸126を伴って示される。いくつかの実施形態において、長手方向軸124は、前側腰部縁部120を通り、かつ後側腰部縁部122を通って延在し得る。横方向軸126は、シャーシ102の第1の長手方向つまり右側縁部128を通り、かつ第2の長手方向つまり左側縁部130の中点を通って延在し得る。
【0032】
図1及び2Aに示されるように、おむつパンツ100は、内側の身体に面する表面132と、外側の衣類に面する表面134とを含んでよい。シャーシ102は、バックシート136及びトップシート138を含み得る。シャーシ102は、トップシート138の一部分とバックシート136との間に配置され得る吸収性コア142を含む吸収性アセンブリ140もまた含み得る。以下でより詳細に述べられるように、おむつ100はまた、着用者の脚部の周りのフィットを改善するために、脚部弾性部材及び/又はレッグカフなどの他の特徴を有していてもよい。
【0033】
図2Aに示されるように、シャーシ102の周縁部は、第1の長手方向側縁部128、第2の長手方向側縁部130、第1の腰部区域116内に配置される第1の横方向に延在する端縁部144、及び第2の腰部区域118内に配置される第2の横方向に延在する端縁部146によって画定され得る。側縁部128及び130の双方は、第1の端縁部144と第2の端縁部146との間に長手方向に延びている。
図2Aに示されるように、横方向に延びている端縁部144及び146は、前側腰部区域116内の横方向に延びている前側腰部縁部120、及び後側腰部区域118内の横方向に延びている後側腰部縁部122から、長手方向に内方に位置する。おむつパンツ100が、着用者の下部胴体上に着用されているとき、シャーシ102の前側腰部縁部120及び後側腰部縁部122は、着用者の腰の一部分を取り囲み得る。同時に、シャーシ側縁部128及び130は、着用者の脚の少なくとも一部分を取り囲み得る。また、股部区域119は一般に着用者の脚の間に位置され、吸収性コア142は前側腰部区域116から股部区域119を通って後側腰部区域118まで延びている。
【0034】
おむつ100の一部又は全体は、横方向に延伸性があるようにも作製され得ることも理解すべきである。この追加の延伸性は、着用者が動いている間、おむつ100が着用者の身体に適合するのを可能にするのを支援することができる。追加の延伸性はまた、異なる寸法の着用者のための追加の身体適用範囲を提供するために、即ち、おむつを個々の着用者に合わせて調整するために、例えば、延伸前に特定の大きさを有するシャーシ102を含むおむつ100のユーザーが、おむつ100及び/又はシャーシ102の前側腰部区域116、後側腰部区域118、及び両方の腰部区域を延ばすのを可能にするのを支援することができる。腰部区域又は区域類のこのような延伸は、股部区域が腰部区域又は区域類より相対的に少ない程度に延伸される限り、吸収性物品に略砂時計形状を与えることがあり、またそれが着用されたときに、ぴったり合った外観を物品に付与することがある。
【0035】
前述のとおり、おむつパンツ100は、バックシート136を含んでよい。バックシート136はまた、シャーシ102の外側面134を画定し得る。バックシート136は、液体(例えば、経血、尿及び/又は液状の糞便)に対して不透過性であってもよく、薄いプラスチックフィルムから製造されてもよいが、他の可撓性の液体不透過性材料もまた使用されてもよい。バックシート136は、吸収性コアに吸収されかつ封じ込められた排出物が、おむつ100に接触する物品、例えば、ベッドシーツ、パジャマ、及び下着等を濡らすのを防ぐことができる。バックシート136はまた、織布若しくは不織布材料、ポリエチレン若しくはポリプロピレンの熱可塑性フィルムなどの高分子フィルム、並びに/又はフィルム及び不織布材料を含む多層若しくは複合材料(例えば、内側フィルム層及び外側不織布層を有する)を含んでもよい。バックシートはまた、エラストマーフィルムを含んでもよい。バックシート136の例は、約0.012mm(0.5ミル)〜約0.051mm(2.0ミル)の厚さを有するポリエチレンフィルムであってもよい。ポリエチレンフィルムの例としては、オハイオ州シンシナティ(Cincinnati)所在のクロペイ社(Clopay Corporation)によってBR−120及びBR−121の製品名にて、及びインディアナ州テレホート(Terre Haute)所在のトレデガー・フィルム・プロダクツ(Tredegar Film Products)社によってXP−39385の製品名にて製造されるものがある。バックシート136はまた、より布様の外観を提供するために、エンボス加工及び/又はつや消し仕上げされてもよい。更に、バックシート136は、蒸気を吸収性コアから逃がし(即ち、バックシートは通気性である)、尚且つ排出物がバックシート136を通過するのを防止することができる。バックシート136の寸法は、吸収性コア142の寸法及び/又はおむつ100の特定の形状若しくは寸法によって決定され得る。
【0036】
また先に述べたように、おむつパンツ100は、トップシート138を含んでよい。トップシート138は、シャーシ102の内側表面132の全て又は一部を画定してもよい。トップシート138は、柔軟であり、ソフトな感触を有し、着用者の皮膚に対する刺激がなくてもよい。トップシートは、一方向又は二方向に弾性的に伸張可能であってもよい。更にトップシート138は、液体透過性であってもよく、液体(経血、尿、及び/又は液状の糞便など)を、その厚みを通して容易に浸透させる。トップシート138は、織布及び不織布材料、有孔若しくはハイドロフォーミングされた熱可塑性フィルム、有孔不織布、多孔質発泡体、網状発泡体、網状熱可塑性フィルム、及び熱可塑性スクリムといった、広範な材料から製造され得る。織布及び不織布材料は、木質繊維又は綿繊維などの天然繊維、ポリエステル、ポリプロピレン、若しくはポリエチレン繊維などの合成繊維、又はこれらの組み合わせを含み得る。トップシート138が繊維を含む場合、繊維は、スパンボンド、カード、湿式、メルトブロー、水流交絡、又は当該技術分野において既知の別の方法で処理されてよい。
【0037】
トップシート138は、高ロフト不織布トップシート、有孔フィルムトップシート及び有孔不織布トップシートから選択されてよい。有孔フィルムトップシートは、身体滲出物に対して透過性であるが、実質的に非吸収性であり得、流体がトップシートを通過して戻って着用者の皮膚を再度濡らす傾向が少ない。例示的な有孔フィルムとしては、米国特許第5,628,097、同第5,916,661号、同第6,545,197号、及び同第6,107,539号に記載されているようなものを挙げることができる。
【0038】
先に述べたように、おむつパンツ100は、シャーシ102に結合される吸収性アセンブリ140を含んでもよい。
図2Aに示されるように、吸収性組立体140は、前側腰部区域116内に横方向に延在する前側縁部148を有してもよく、また、長手方向に対向し、かつ後側腰部区域118内に横方向に延在する後側縁部150を有してもよい。吸収性アセンブリは、長手方向に延在する右側縁部152を有してもよく、また横方向に対向し、長手方向に延在する左側縁部154を有してもよく、吸収性アセンブリの側縁部152及び154は双方とも、前側縁部148と後側縁部150との間に長手方向に延在してもよい。吸収性組立体140は、1つ以上の吸収性コア142又は吸収性コア層を追加で含んでもよい。吸収性コア142は、トップシート138とバックシート136との間に少なくとも部分的に配置されてよく、また、おむつと適合性のある種々の大きさ及び形状で形成され得る。本開示の吸収性コアとして使用するための代表的な吸収性構造は、米国特許第4,610,678号、同第4,673,402号、同第4,888,231号、及び同第4,834,735号に開示されている。
【0039】
いくつかの吸収性コア実施形態は、低減された量のセルロース系エアフェルト材料を含有する流体貯蔵コアを備えてもよい。例えば、こうしたコアは、約40%、30%、20%、10%、5%、又は更には約1%未満のセルロースエアフェルト材料を含んでもよい。こうしたコアは、少なくとも約60%、70%、80%、85%、90%、95%、又は更には約100%の量の吸収性ゲル材料を主に含んでもよく、コアの残りはマイクロファイバー接着剤を含む(妥当な場合)。そのようなコア、マイクロファイバー接着剤、及び吸収性ゲル材料は、米国特許第5,599,335号、同第5,562,646号、同第5,669,894号、及び同第6,790,798号、並びに米国特許公開第2004/0158212号及び同第2004/0097895号に記載されている。
【0040】
先に述べたように、おむつ100は、伸縮性の脚部カフ156を含んでもよい。脚部カフ156は、脚部バンド、側部フラップ、バリアカフ、弾性カフ、又はガスケッティングカフとも称され得る、また時として称されることがあることを理解すべきである。弾性脚部カフ156は、脚部区域における身体滲出物の漏れを低減するのに役立つ種々の方法で構成されてよい。脚部カフ156の例には、米国特許第3,860,003号、同第4,909,803号、同第4,695,278号、同第4,795,454号、同第4,704,115号、及び米国特許公開第2009/0312730A1号に開示されているものが挙げられ得る。
【0041】
先に述べたように、おむつパンツは、環状弾性ベルト104と共に製造されてよく、前側腰部区域116及び後側腰部区域118が、着用者に適用される前に互いに接続され、パッケージ化された構成で消費者に提供され得る。そのように、おむつパンツは、
図1に示されるような連続する周囲腰部開口部110及び連続する周囲脚部開口部112を有してよい。
【0042】
先に述べたように、環状弾性ベルト104は、第2の弾性ベルト108に接続された第1の弾性ベルト106によって画定される。
図2Aに示されるように、第1の弾性ベルト106は、第1及び第2の両側の端区域106a、106b、及び中央区域106cを画定し、第2の弾性ベルト108は、第1及び第2の両側の端区域108a、108b、及び中央区域108cを画定する。
【0043】
第1の弾性ベルトの中央区域106cは、シャーシ102の第1の腰部区域116に接続され、第2の弾性ベルト108の中央区域108cは、シャーシ102の第2の腰部区域118に接続される。
図1に示されるように、第1の弾性ベルト106の第1の端区域106aは、第1のサイドシーム178において第2の弾性ベルト108の第1の端区域108aに接続され、第1の弾性ベルト106の第2の端区域106bは、第2のサイドシーム180において第2の弾性ベルト108の第2の端区域108bに接続されて、環状弾性ベルト104並びに腰部開口部110及び脚部開口部112を画定する。
【0044】
図2A、3A、及び3Bに示されるように、第1の弾性ベルト106は、外側横方向縁部107a及び内側横方向縁部107bも画定し、第2の弾性ベルト108は、外側横方向縁部109a及び内側横方向縁部109bを画定する。外側横方向縁部107a、109aは、前側腰部縁部120及び横方向に延びている後側腰部縁部122もまた画定し得る。第1の弾性ベルト及び第2の弾性ベルトはそれぞれ、外側の衣類に面する層162、及び内側の着用者に面する層164を含んでもよい。当然のことながら、第1の弾性ベルト106及び第2の弾性ベルト108は、同一の材料を含んでよく、及び/又は同一の構造を有し得ることが理解されるべきである。いくつかの実施形態において、第1の弾性ベルト106及び第2の弾性ベルトは、異なる材料を含んでよく、及び/又は異なる構造を有し得る。また第1の弾性ベルト106及び第2の弾性ベルト108は、種々の材料から構成され得ることも理解されたい。例えば、第1及び第2のベルトは、プラスチックフィルム、孔あきプラスチックフィルム、天然材料(例えば木材繊維若しくは木綿繊維)、合成繊維(例えば、ポリオレフィン類、ポリアミド類、ポリエステル、ポリエチレン、若しくはポリプロピレンの繊維)又は天然繊維及び/若しくは合成繊維の組み合わせの織布、又はコーティングされた織布ウェブ若しくは不織布ウェブ、などの材料から製造され得る。いくつかの実施形態において、第1及び第2の弾性ベルトは、合成繊維の不織布ウェブを含み、伸縮性不織布を含んでよい。他の実施形態において、第1及び第2の弾性ベルトは、内側の、疎水性の非伸縮性不織布材料と、外側の、疎水性の非伸縮性不織布材料と、を含む。
【0045】
第1及び第2の弾性ベルト106、108はまた、それぞれ、外側層162と内側層164との間に間置されるベルト弾性材料166も含んでもよい。ベルト弾性材料は、弾性ベルトの長さに沿って延びているストランド、リボン、又はパネルなどの1つ以上の弾性要素を含んでよい。
図2A、3A、及び3Bに示されるように、ベルト弾性材料は、複数の弾性ストランド168を含んでよく、本明細書では、外側腰部弾性体170及び内側腰部弾性体172と称され得る。
【0046】
図2Aに示すように、外側腰部弾性体170は、第1弾性ベルト106の第1と第2の対向する端領域106a、106bの間及び中央領域106cを横切って、かつ第1及び第2の対向する端領域108a、108bの間及び第2弾性ベルト108の中央領域108cを横切って、横方向に連続して延在する。いくつかの実施形態では、いくつかの弾性ストランド168は、部分的な不連続を有するように構成される場合がある。例えば、
図2Aに示すように、より内側の腰部弾性体172は、第1及び第2の弾性ベルト106、108に沿って断続的に延在する。より具体的には、より内側の腰部弾性体172は、第1及び第2の対向する端領域106a、106bに沿って、及び第1弾性ベルト106の中央領域106cを部分的に横切って、延在する。より内側の腰部弾性体172はまた、第1及び第2の対向する端領域108a、108bに沿って、及び第2弾性ベルト108の中央領域108cを部分的に横切って、延在する。したがって、より内側の腰部弾性体172は、第1及び第2の弾性ベルト106、108の中央領域106c、108cの全部を横切って延在していない。このように、いくつかの弾性ストランド168は、第1及び第2の弾性ベルト106、108が吸収性アセンブリ140と重なり合う第1及び第2の弾性ベルト106、108の領域を通じて連続して延在しなくてもよい。いくつかの実施形態では、いくつかの弾性ストランド168は、第1及び第2の弾性ベルト106、108が吸収性アセンブリ140と重なり合う第1及び第2の弾性ベルト106、108の領域の中に部分的に延在する場合がある。いくつかの実施形態では、いくつかの弾性ストランド168は、第1及び第2の弾性ベルト106、108が吸収性アセンブリ140と重なり合う第1及び第2の弾性ベルト106、108のどの領域にも延在しない場合がある。外側腰部弾性体170及び/又は内側腰部弾性体172に様々な構成の不連続を有するように第1及び/又は第2の弾性ベルト106、108を構成することができることを理解されたい。
【0047】
いくつかの実施形態において、弾性ストランド168は、一定間隔で長手方向に配設され得る。他の実施形態において、弾性ストランド168は、異なる間隔で長手方向に配設され得る。以下に詳述するように、伸長状態のベルト弾性ストランド168を、非収縮状態の外層と非収縮状態の内層との間に間置し、接合することができる。ベルト弾性材料が弛緩しているとき、ベルト弾性材料は、非伸張状態に戻り、外側層及び内側層を収縮させる。ベルト弾性材料は、環状弾性ベルトの領域内で望ましい収縮力の変化をもたらし得る。
【0048】
シャーシ102及び弾性ベルト106、108は
図2Aに表されるものとは異なる方法で構成されてもよいことを理解されたい。例えば、
図2Bは、シャーシ102の第1の横方向に延びている端縁部144が、第1の弾性ベルト106の外側横方向縁部107aに沿って整列するとともに重なり、第2の横方向に延びている端縁部146が、第2のベルト108の外側横方向縁部109aに沿って整列するとともに重なることを除いて、
図2Aを参照して上述したものと同一の構成要素を有する、おむつパンツ100の平面図を示す。
【0049】
既に述べたように、本開示による検査方法及びシステムは、おむつ100の様々な構成要素の組み立て中に利用することができる。例えば、
図4は、パンツ型おむつ100を製造するように適合された加工装置300の概略図を示す。上述し、
図1及び2Aに示したパンツ型おむつ100の様々な構成要素を参照して、加工装置300の動作方法を説明することができる。
図1及び2Aに示すおむつ100の文脈において以下の方法が提供されているが、本明細書に開示されている方法にしたがって、例えば、米国特許第7,569,039号及び同第5,745,922号、米国特許公開第2005/0107764A1号、同第2012/0061016A1号、及び同第2012/0061015A1号(これらの全ては参照により本明細書に組み込まれる)に開示されている吸収性物品のような、おむつの様々な実施形態を製造することができることを理解されたい。
【0050】
図4は、製造プロセスから不良物品を取り除くように構成された検査システムとともに動作し得る加工装置300の一例を示す。この加工装置は、機械方向MDに沿って前進する連続長の第1及び第2の弾性ベルト基材402、404と接続された別個のシャーシ102を含む連続長の吸収性物品400を進めるように動作する。以下に詳述するように、第1弾性ベルト106に対応するように第1ベルト基材の部分を加工することができ、
図1〜3Bを参照して上述した第2弾性ベルト108に対応するように第2ベルト基材の部分を加工することができる。
図4及び5Aに示すように、第1ベルト基材402は、第1の、衣服に面する表面402aと、第2の、着用者に面する表面402bとを含む。第2ベルト基材404aは、第1の、衣服に面する表面404aと、対向する第2の、着用者に面する表面404bとを含む。各シャーシ102の横方向の軸は機械方向MDと平行であり、各シャーシの長手方向の軸は機械方向MDに垂直である。シャーシ102はまた、機械方向に沿って互いから離間配置されている。離間配置されたシャーシ102の対向する腰部領域116、118は、前進する連続長の第1及び第2の弾性ベルト基材402、404と接続される。
【0051】
様々な連続基材及び/又は別個の構成要素を互いに組み合わせることによって連続長の吸収性物品を組み立てるように構成された加工プロセスの下流部分の一例を
図4が示していることを理解されたい。例えば、2012年3月30日に出願された「Apparatuses and Methods for Making Absorbent Articles」と題する米国特許出願第13/434,984号(更に代理人整理番号第12390号によっても特定される)に開示されているような様々な構成の加工システムと機能するように
図4の装置を構成することができることを理解されたい。
【0052】
図4及び5Aに示すように、連続長の吸収性物品400は折り畳み装置302に進む。折り畳み装置302において、各シャーシ102は、横方向軸126に沿って横方向CDに折り畳まれ、第1の腰部区域116、特に内側の身体に面する表面132を、第2の腰部区域118の内側の身体に面する表面132と面対面で配向させる。シャーシ102の折り畳みはまた、各シャーシ102の間に延在する第1ベルト基材402の着用者に面する表面402bを、各シャーシ102の間に延在する第2ベルト基材404の着用者に面する表面404bと対面した関係で位置付ける。
【0053】
図4及び5Bに示すように、第1及び第2のベルト基材402、404と接続した折り畳まれた別個のシャーシ102は、折り畳み装置302から結合装置304に進む。結合装置304は、各シャーシ102の間に延在する第1ベルト基材402の一部分を各シャーシ102の間に延在する第2ベルト基材404の一部分と結合し、それにより、別個の結合領域406を生成するように動作する。例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,248,195号、同第6,546,987号、同第7,383,865号、及び米国特許公開第2012/0021186A1号に開示されているような様々な種類の結合装置及び方法を使用して第2ベルト基材材料404を第1ベルト基材材料402と結合することができることを理解されたい。
【0054】
図4を引き続き参照すると、連続長の吸収物品400は、結合装置304から、ナイフロール308及びアンビルロール310を含む切断装置306へと進む。切断装置は別個の結合領域406を切断し、それらは、横方向CDに沿って切断されて、吸収性物品100に第1サイドシーム178を作り、その後に進む吸収性物品に第2サイドシーム180を作る。このように、弾性ベルト基材402、404がシーム406に沿って切断されて、
図1に示すような別個のおむつ100が作られる。
図4に示すように、装置300は、連続長の吸収性物品400を切断装置306に進める一方で所定の位置に保持するために役立つ対向する第1及び第2のベルトコンベア312、314を含むことができる。
【0055】
第1キャリア316は、別個のおむつ100を第1配向で切断装置306から機械方向MDにおいて移動装置320へ進めることができる。
図4及び5Cを引き続き参照すると、別個のおむつ100は第1配向で第1キャリア316から移動装置320へ送られる。次いで、
図5Dに示すように、移動装置320は別個のおむつ100を第1配向で第1キャリア316から転移し、おむつ100を第2配向に向けて、物品100を第2配向で第2キャリア322に転移させる。第2キャリア322から、別個のおむつ100を例えばサイドパネルタック作業及び/又は包装作業などのような更なる処理工程に供することができる。
【0056】
上述のように、加工装置300は、別個のおむつ100が移動装置320に送られる前に様々な位置又は配向で構成及び配置するように構成することができ、したがって、第1配向の様々な表現は様々な方法で説明され得る。例えば、
図5Cに示すように、前進する別個のおむつ100は第1配向で示され、一方、各吸収性物品100の長手方向軸124は横方向CDに配向されている。
図5Cにおいて、第1配向はまた、機械方向MDに対して垂直又は概ね垂直の長手方向軸124を有するものであるとも説明され得る。別個の物品100は、移動装置320に送られ、次いで、第2配向で第2キャリア322に送られる。第1配向に関して上述したように、第2配向は様々な方法で説明される場合がある。例えば、
図5Dに示すように、前進する別個のおむつ100は、それぞれの前進する吸収性物品100の長手方向軸124が機械方向MDに平行又は概ね平行である第2配向で示されている。第2配向は、第1配向を参照して説明することもできる。例えば、第2配向のおむつ100は、第1配向のおむつ100に対して例えば90度の角度で回転されているというように説明することができる。
【0057】
加工装置300の様々な構成要素は様々な構成を有することを理解されたい。例えば、第1キャリア316及び第2キャリアは
図4でベルトコンベアとして図示されているが、第1キャリア316及び/又は第2キャリア322は様々な方法で構成することができることを理解されたい。例えば、いくつかの実施形態では、第1キャリア316及び/又は第2キャリア322を回転ドラムとして構成することができる。運ばれている間の別個のおむつ100の制御されない動きに関連する問題を軽減するのを助けるために、第1キャリア316及び/又は第2キャリア322は、真空システムの吸引力をおむつ100に及ぼすことを可能にする、開口付き及び/又は孔を形成したベルト又は他の小孔つきのキャリア表面317、323と連通する真空システムもまた含むことができる。
図6を参照して以下に説明するように、真空システム502及び正圧システム504を含む空気圧システム500を、第1キャリア322の有孔及び/又は開口付きのキャリア表面317と流体接続することができる。真空システム502は、キャリア表面317上で別個のおむつ100を保持するのを助けるために吸引力を付加するために動作することができ、正圧システム504は、キャリア表面317から別個のおむつ504を吹き飛ばす又は押し放すために正圧を付加するように動作することができる。以下に詳述するように、空気圧システム500は、不良おむつ100Rを加工プロセスから取り除くために検査システムとともに稼動するように適応することもできる。再び
図4を参照すると、別個のおむつ100を第1キャリア316に対して平らに保持するのを助けるために、ベルトコンベア318を第1キャリア316に隣接させて位置づけることもできる。
【0058】
図4に示すように、移動装置320は、支持部材326と接続された、第1回転軸328の周りを回転又は軌道運動するように構成された1つ以上のキャリア部材324を含むことができる。例えば、
図4に示す移動装置320の実施形態は、第1回転軸328の周りを時計回りに回転する。キャリア部材324は、第2軸330の周りを枢動しながら第1キャリア316に隣接した物品取り上げゾーン332から第2キャリア322に隣接した物品下ろしゾーン334まで移動又は軌道運動するように適応することができる。このように、取り上げゾーン332において、それぞれの前進する別個のおむつ100を第1配向で第1キャリア316からキャリア部材324へと転移させることができる。より具体的には、おむつ100をキャリア部材324のキャリア表面325上に転移させることができる。移動装置320が回転するにつれて、キャリア部材324及びおむつ100は取り上げゾーン332から転移させる。キャリア部材324が取り上げゾーンから移動して第1回転軸328の周りを軌道運動するにつれて、キャリア部材324は第2軸330の周りを枢動して、おむつ100を第2配向に向ける。取り上げゾーン332から下ろしゾーン334へ転移させる間に、キャリア部材324が第2軸330の周りを例えば90度又は180度などの様々な角度で枢動することができることを理解されたい。キャリア部材324は第1回転軸328の周りを引き続き軌道運動し、おむつ100は第2配向で第2キャリア322の下ろしゾーン334に送られる。
【0059】
例えば、米国特許出願第13/447,531号、米国特許第4,578,133号、同第4,617,082号、同第6,319,347号、同第7,341,047号、同第7,587,966号、同第8,011,493号、欧州特許公開第EP0812789A2号、同第EP1179495A1号、同第EP1820757A1号、及び欧州特許出願第EP12162251.8号に開示されている移動装置のような様々な移動装置構成を使用することができることを理解されたい。また、第1キャリア316から第2キャリア322まで転移させる物品の速度及び/又は間隔を増す又は減らすように移動装置320を構成することもできることを理解されたい。また、いくつかの実施形態では、キャリア部材324は第2軸324の周りを枢動しない場合があることを理解されたい。
【0060】
図6を参照して以下に説明するように、真空システム552及び正圧システム554を含む空気圧システム550は、各キャリア部材324の有孔及び/又は開口付きのキャリア表面325と流体接続することができる。真空システム552は、キャリア表面552上で別個のおむつ100を保持するのを助けるために吸引力を付加するために動作することができ、正圧システム554は、キャリア表面325から別個のおむつ554を吹き飛ばす又は押し放すために正圧を付加するように動作することができる。このようにして、真空システム552は、第1回転軸328に対して放射状に内方におむつ100に対する吸引力を付加することができ、正圧システム552は、第1回転軸328に対して放射状に外方に押す又は吹き飛ばす力を付加することができる。いくつかの実施形態では、真空システム552は、取り上げゾーン332でおむつ100に吸引力を付加し、下ろしゾーン334でおむつ100への吸引力の付加を停止するように構成される場合がある。いくつかの構成では、キャリア部材324のキャリア表面325からおむつ100を取り除くことを助けるために押す又は吹き飛ばす力を付加するように下ろしゾーン334で正圧システムを動作する場合がある。以下でより詳細に述べるように、不良おむつ100Rが下ろしゾーン334に運ばれる前にキャリア部材324から不良おむつ100Rを取り除くように検査システムとともに稼動するように空気圧システム550を適応することもできる。
【0061】
既に述べたように、第1キャリア316は有孔及び/又は開口付きのキャリア表面317を含むことができ、各キャリア部材324は、有孔及び/又は開口付きのキャリア表面325を含むことができる。例えば、
図7A〜8Bに示す第1キャリア316の実施形態は、複数の開口319を含むことができるキャリア表面317を有する。
図10A〜11に示すキャリア部材324の実施形態は、複数開口321を含むことができるキャリア表面325を有する。既に述べたように、装置300は、第1キャリア316のキャリア表面317と流体連通する空気圧システム500、及び/又は、移動装置320の各キャリア部材324の有孔及び/又は開口付きのキャリア表面325と流体連通する空気圧システム550を含むことができる。このように、様々なタイプの空気圧構成を使用して真空圧及び/又は空気圧を第1キャリア316及び/又はキャリア部材324に選択的に付加することができることを理解されたい。
【0062】
例えば、
図6は、第1キャリア316と流体接続された空気圧システム500の概略図を示す。空気圧システム500は、真空システム502及び正圧システム504を含む。真空システム502は、大気圧より低い真空圧(−p)を生成するように構成される。したがって、真空システム502が第1キャリア316のキャリア表面317と流体接続しているとき、
図7A及び8Aに示すように、空気Aはキャリア表面317の開口319に向かって引き寄せられて通り、おむつ100をキャリア表面317上で保持するのを助ける吸引力を生成する。正圧システム504は、大気圧より大きい正圧(+p)を生成するように構成される。したがって、正圧システム504が第1キャリア316のキャリア表面317と流体接続しているとき、
図7B及び8Bに示すように、空気Aはキャリア表面317の開口319を通じてそこから押し出され、キャリア表面317からおむつ100を押し放すのを助ける、押す又は吹き飛ばす力を生成する。
【0063】
図6に示す構成においては、真空システム502は第1キャリア316のキャリア表面317の第1ゾーン又は長さ317aに連続吸引圧をもたらすように構成される。真空システム502及び圧力システム504は、真空システム502又は圧力システム504を第1キャリア316のキャリア表面317の第2ゾーン又は長さ317bに流体接続するように動作可能なロータリー弁アセンブリ506ともまた接続される。本明細書ではロータリー弁アセンブリ構成を説明するが、様々な種類の弁の構成を使用することができることを理解されたい。第1ゾーン317aは第2ゾーン317bの上流である場合があり、第2ゾーン317bは第1ゾーン317aの下流である場合がある。更に、第1ゾーン317aから第2ゾーン317bへの移行は、取り上げゾーン332で、又は取り上げゾーン332の上流で、又は取り上げゾーン332の下流で生じる場合がある。
図7A〜8Bに示すように、弁アセンブリ506は、第1キャリア316のキャリア表面317と流体接続する穴510を有する弁本体508を含むことができる。弁本体508は、真空システム502及び正圧システム504ともまた流体接続している。弁本体508には、壁518により互いから分離されている第1チャンバと第2チャンバ516とを有する弁挿入物512が入っている。第1チャンバ514は第1ポート520と第2ポート522を含むことができ、第2チャンバ516は第1ポート524と第2ポート526を含むことができる。
【0064】
図7A〜8Bに示すように、弁挿入物512は、真空システム502及び正圧システム504を第1キャリア316のキャリア表面317と流体連通するように選択的に配置するように弁本体508の中で弁挿入物512を回転又は枢動するように適応された作動装置528と接続することができる。例えば、作動装置528は、真空システム502を第1キャリア316のキャリア表面317と流体連通するように配置するように、
図7A及び8Aに示されているように弁挿入物512を第1位置に回転することができる。弁挿入物512が第1位置に配置されると、空気圧システム500は第1動作モードになり、このモードでは、真空システム502は第1ゾーン317a及び第2ゾーン317bに沿ってキャリア表面317と流体連通する。より具体的には、
図7A及び8Aに示すように、第1チャンバ514の第1ポート520が真空システム502と流体連通するように配置され、第1チャンバ514の第2ポート522が弁本体508の穴510と流体連通するように配置される。したがって、第1位置では、真空システム502は空気Aをキャリア表面317の開口319の方に向けて通し、弁本体508の穴510に通し、第2ポート522に通して、第1チャンバ514の中に引き込む。空気はまた、第1チャンバ514から第1ポート520を通じて真空システム502にも引き込まれる。真空システムがキャリア表面317の開口319の中に空気を引き込むにつれて、おむつ100をキャリア表面317の上の位置に保持するのを助ける吸引力が生成される。
【0065】
作動装置528は様々な方法で構成することができることを理解されたい。例えば、いくつかの実施形態において、作動装置528は、電気機械ソレノイド、サーボモータ、空気圧シリンダ、又は油圧シリンダの形態で提供することができ、必要とされる弁挿入物の運動の方向と合うように作動装置の出力運動を方向づけるために、歯車のようなリンク機構を含むことができる。
【0066】
図7B及び8Bに示すように、作動装置528はまた、正圧システム504を第1キャリア316のキャリア表面317と流体連通させるように配置するために、弁挿入物512を第2位置に回転することもできる。弁挿入物512が第2位置に配置されると、空気圧システム500は第2動作モードになり、このモードでは、真空システム502は第1ゾーン317aに沿ってキャリア表面317と流体連通し、正圧システム504は第2ゾーン317bと流体連通する。より具体的には、
図7B及び8Bに示すように、第2チャンバ516の第1ポート524が真空システム502と流体連通するように配置され、第2チャンバ516の第2ポート526が弁本体508の穴510と流体連通するように配置される。したがって、第2位置では、正圧システム504は第1ポート524を通じて空気を押し出し、弁挿入物512の第2チャンバ516の中に送る。第2チャンバ516から空気Aは第2ポート526を通じて押し出され、弁本体508の穴510を通り、キャリア表面317を通り、離れて行く。正圧システムがキャリア表面317を通じて空気を押し出すにつれて、キャリア表面317から離れる方向へ吹き飛ばす又は押す力が生成され、キャリア表面317からおむつ100を取り除くのを助ける。以下に説明するように、作動装置528は、不良おむつ100Rを加工プロセスから取り除く検査システムからの排斥コマンドへの応答として、
図7A及び8Aに示す第1位置に弁挿入物512を回転するように、検査システムと動作可能に接続することができる。
【0067】
図6は、移動装置320のキャリア部材324と動作可能に接続された空気圧システム550の概略図もまた示す。空気圧システム550は、真空システム552及び正圧システム554を含む。真空システム552は、大気圧より低い真空圧(−p)を生成するように構成される。したがって、真空システム552がキャリア部材324のキャリア表面325と流体接続しているとき、
図10A及び11に示すように、空気Aはキャリア表面325の開口321に向かって引かれて通り、おむつ100を有孔表面325上で保持するのを助ける吸引力を生成する。正圧システム554は、大気圧より大きい正圧(+p)を生成するように構成される。したがって、正圧システム554がキャリア部材324の有孔表面325と流体接続しているとき、
図10Bに示すように、空気Aはキャリア表面325の開口321を通じてそこから押し出され、キャリア部材324からおむつ100を押し放すのを助ける、押す又は吹き飛ばす力を生成する。
【0068】
図6に示す構成において、真空システム552及び圧力システム554は、第1回転軸328の周りでキャリア部材324によって画定される軌道の第1部分558上でキャリア部材324のキャリア表面325と真空システム552又は圧力システム554を選択的に流体接続するように動作可能なマニホールド弁アセンブリ556と接続されている。真空システム552は、第1回転軸328の周りでキャリア部材324によって画定される軌道の第2部分560上でキャリア部材324のキャリア表面325に連続吸引圧をもたらすようにもまた構成される。
【0069】
図6〜11に示すように、移動装置320の支持部材326は、第1回転軸328の周りを回転するように適応されたローター部材327から放射状に外方に延在することができる。支持部材324はまた、キャリア部材324のキャリア表面325と流体連通する穴329もまた含むことができる。したがって、
図10A及び10Bに示すように、空気Aはキャリア表面325の開口321から出入りし、支持部材326を通り、穴329から出入りして流れることができる。以下に述べるように、ローター部材327が第1回転軸328の周りで回転するにつれて、穴329は、本明細書でマニホールドステータ562と呼ぶステータ部材を通じて、第1ゾーン558及び第2ゾーン560で真空システム552及び/又は正圧システム554と流体連通するように配置され得る。
【0070】
図9〜11に示すように、マニホールドステータ562は静止しており、ローター部材562に隣接して位置づけられる。マニホールドステータ562は、ローター部材562が支持部材326を回転するにつれて、支持部材326の穴329に流体接続されている円弧状マニホールド564と、第1ゾーン558及び第2ゾーン560を通る関連づけられたキャリア部材とを含む。マニホールドステータはまた、マニホールド弁アセンブリ556とも動作可能に接続されている。より具体的には、マニホールド弁アセンブリ556は、作動装置568と接続されているマニホールド挿入物566を含む。マニホールド挿入物566は、円弧形であり、マニホールド564の長さの一部分の内側に延在する。マニホールド挿入物は、可動式及び/又は摺動式にマニホールド564に接続されている。作動装置568は、
図10A及び10Bに示すように、マニホールド564の中でマニホールド挿入物566を第1位置Vと第2位置Pとの間で選択的に前後に移動させる。
図9に示すように、マニホールド挿入物566が入っているマニホールド564の部分は第1ゾーン558に対応しており、マニホールド564の残りの部分には第2ゾーン560に対応するマニホールド挿入物566が入っていない。
【0071】
作動装置568は様々な方法で構成することができることを理解されたい。例えば、いくつかの実施形態において、作動装置568は、電気機械ソレノイド、サーボモータ、空気圧シリンダ、又は油圧シリンダの形態で提供することができ、必要とされる弁挿入物の運動方向と合うように作動装置の出力運動を方向づけるために、歯車のようなリンク機構を含むことができる。
【0072】
引き続き
図9〜11を参照すると、正圧システム554は第1ポート570を通してマニホールドステータ562と流体接続しており、真空システム552は第2ポート572を通してマニホールドステータ562と流体接続している。作動装置568は、第1ゾーン558に対応するマニホールド564の一部分と流体連通するように正圧システム554を選択的に配置するためにマニホールド挿入物566を前後に移動させる。より具体的には、マニホールド挿入物は、マニホールド挿入物566の位置に依存してマニホールドステータ562の第1ポート570と流体連通するように選択的に配置される穴574を含む。例えば、
図10Aでは、作動装置568はマニホールド挿入物566を第1位置Vに移動している。位置Vでは、マニホールド挿入物566は第1ポート570を覆う又は遮断する。これに対して、
図10Bに示すように、作動装置568はマニホールド566を第2位置Pに移動している。位置Pでは、マニホールド挿入物566は第1ポート570を遮断しない。したがって、加圧された空気は、第1ポート570とマニホールド挿入物の穴574を通じて正圧システム554から流れ、マニホールド挿入物566の弧の長さに対応するマニホールド564の一部分の中に流れ込む。
図9及び11に示すように、真空システム552は、マニホールド挿入物566が入っていないマニホールド564の部分に連続真空圧(−p)をもたらす。
図10Bに示すようにマニホールド挿入物566が位置Vにあるとき、真空システム552はマニホールド挿入物566が入っているマニホールド564の部分に真空圧(−p)をもたらす。
【0073】
作動装置568は第1ゾーン558に対応するマニホールド564の一部分と流体連通するように正圧システム554を選択的に配置するようにマニホールド挿入物566を前後に移動させるものであると上記に説明したが、追加の構成が企図されることを理解されたい。例えば、作動装置568は、マニホールド挿入物566を動かしてマニホールド564の一部分で真空システム552の流体連通を遮断するように構成されてもよく、マニホールド564の一部分と流体連通するように正圧システム554を選択的に配置するためにソレノイドを使用することもできる。
【0074】
図9、10A及び11に示すように、マニホールド挿入物566が位置Vにあるとき、真空システムは、第1ゾーン558及び第2ゾーン560を含むマニホールド564の全長に沿って吸引圧を付加する。ローター部材327がマニホールド564の長さに沿って支持部材326の穴329を回転し、移動させるにつれて、真空システム552は支持部材326及びマニホールド324を通じてマニホールドステータ562の第2ポート572からキャリア部材324のキャリア表面325の開口321の中に空気Aを引き込む。したがって、マニホールド挿入物566が位置Vにあるときに空気圧システム550を第1動作モードに配置することができ、真空システム552は、第1ゾーン558及び第2ゾーン560を通じてキャリア部材324上でおむつ100を保持するのを助けるために吸引力を付加する。
【0075】
図9、10B及び11に示すように、マニホールド挿入物566が位置Pにあるとき、正圧システム554は第1ゾーン558に対応するマニホールド546の長さに沿って正圧(+p)を付加する。真空システムは、第2ゾーン560に対応するマニホールド564の長さに沿って吸引圧(−p)を付加する。したがって、ローター部材327が第1ゾーン558に対応するマニホールド564の長さに沿って支持部材326の穴329を回転し、移動させるにつれて、正圧システム554はマニホールドステータ562の第1ポート570の中に空気を押し入れ、マニホールド挿入物566の穴574を通じて、第1ゾーン558に対応するマニホールド564の部分に空気を流し込む。次いで、加圧された空気は支持部材326を通じてマニホールドから流れ、空気Aはキャリア部材324のキャリア表面325の開口321から出る。したがって、マニホールド挿入物566が位置Pにあるときに空気圧システム550を第2動作モードに配置することができ、正圧システム554は、第1ゾーン558のキャリア部材324からおむつ100を押し放すのを助けるように吹き飛ばす又は押す力を付加する。
【0076】
以下に説明するように、作動装置568は、不良おむつ100Rを加工プロセスから取り除くために検査システムからの排斥コマンドに応答してマニホールド挿入物566を位置Pに移動させるように動作可能に検査システムと接続することができる。
【0077】
上述したように、本明細書に記載の方法及び装置300は、製造プロセス中に不良吸収性物品100を検出及び監視するための検査システム及びプロセスもまた利用することができる。検査システム600の実施形態を概略的に
図4に示す。以下に詳述するように、この検査システム及び方法は、ビジョンシステム、センサ、通信ネットワーク、及びコントローラのような技術からのフィードバックを利用することができる。いくつかの実施形態では、検査システムは、製造プロセス中に不良製品の発生を警告及び/又は記録し、かつまた製造プロセスから不要製品を取り除くように構成することができる。
【0078】
いくつかの実施形態では、検査システム600は、不足又は不良の構成要素及び/又は基材を、製造プロセスを通じて検出及び/又は追跡することができる。検査システム600は、そのような不良構成要素及び/又は基材からの検査結果を、それにより作られる吸収性物品100と相関することもできる。次いで、検査システム600を使用して、キャリア装置320の空気圧システムを制御することができ、不良吸収性物品100Rは排斥される。いくつかの構成では、不良品100Rは
図4に示されるようにプロセスから取り除かれる場合があり、この場合、不良おむつ100Rは取り上げゾーン332からの移動中にキャリア部材324から取り除かれ、不合格品容器336に送られる。不良と判定されなかったおむつ100は下ろしゾーン332に移動され、更なる処理工程に供することができる。
【0079】
本明細書で使用する「不合格品容器」という用語は、排斥されたおむつが運ばれて行く場所を概ね指すものであると理解されたい。したがって、不合格品容器336は様々なシステムを含み得る。例えば、不合格品容器336は、排斥されたおむつを別の場所に追加的に輸送又は運搬するコンベア及び/又は空気圧システムのようなシステムを含む場合がある。
【0080】
図4に示すように、検査システム600は、コントローラ604と動作可能に接続されたセンサ602を含む場合がある。様々な種類のセンサ602及び他のデバイスを装置300に隣接して配置することができ、コントローラ604と通信させることができる。そのような通信に基づいて、コントローラ604は装置300の様々な動作を監視し、影響を及ぼすことができる。以下でより詳細に述べるように、例えば、コントローラ604は、センサ602との通信に基づいて、第1キャリア316と動作可能に接続された空気圧システム500及び/又は移動装置320と動作可能に接続された空気圧システム550の動作に影響を及ぼす排斥コマンド1000を送信することができる。
【0081】
例えば米国特許第8,145,338号に開示されているような様々なタイプのコントローラ及びセンサの構成を検査システム600とともに利用することができることを理解されたい。例えば、コントローラ604は、コンピュータシステムを含むことができ、このコンピュータシステムは例えば、ソフトウェアを実行し、EthernetIPネットワーク上で通信するように適合されるプログラマブルロジックコントローラ(PLC)及び/又はパーソナルコンピュータ(PC)を1つ以上のタイプを含むことができる。いくつかの実施形態は、Siemens S7シリーズ、Rockwell ControlLogix、SLC又はPLC 5シリーズ、又は三菱Qシリーズなどの産業用プログラマブルコントローラを利用することができる。前述の実施形態は、Rockwell SoftLogix又はNational Instruments Labviewのような制御アルゴリズムを実行するパーソナルコンピュータ若しくはサーバを使用してもよく、あるいは、センサからの入力を受信し、そのような入力に基づいて計算を実行し、サーボモーターコントロール、電気作動装置、又は電気空気圧式、電気油圧式、及び他の方式の作動装置を通じて制御作用を生成することができる、任意の他のデバイスであってもよい。
【0082】
基材及び様々な構成要素を監視するために様々な異なる種類の検査センサ602を使用することができると理解されたい。例えば、検査センサ602は、反射光又は透過光のいずれかを受光して特定物質の有無を決定するように働く光センサとして、又は強磁性体の有無を決定する電磁波を使用する金属近接センサとして、又は材料の有無を決定する多数の多様な技術の任意のいずれかを用いる容量性センサ若しくは他の近接センサとして、構成することができる。検査センサ602は、検査対象製品の状態をより正確に決定するために、ビジョンシステム及び他の、検出並びに場合によってはロジックを実行する下位処理デバイスとして構成されてもよい。そのような検査センサ602の具体例としては、Cognex Insight、DVT Legend、又はKeyenceのスマートカメラ、National Instruments PXIのようなコンポーネントビジョンシステム、又は例えば、Cognex VisionProのようなPCベースのビジョンシステム若しくはPCプラットホームで実行可能な任意の他のビジョンシステムソフトウェアが挙げられる。
【0083】
上述のように、検査センサ602は、吸収性物品100の組み立てに使用される構成要素及び/又は基材の不足、誤った配置、及び/又は不良及び/又は損傷を検出することができる。また、検査システム600における多様な機能を実行するように検査センサ602を構成することができることも理解されたい。例えば、センサは、例えば、損傷、穴、破れ、汚れなどのような、基材及び/又は構成要素自体の不良を検出するように構成することができ、かつ例えば、弾性材料などの不足及び/又は誤った配置のような、基材及び構成要素の組み立て及び/又は組み合わせの不良もまた検出することができる。したがって、検査センサは、物質及び/又は構成要素の有無を検出するように構成されてもよく、基材及び/又は構成要素の相対的配置を検出するように構成されてもよい。以下でより詳細に述べるように、検査センサ602の検出結果に基づいて、検査パラメータ1000という形態で検査センサからの帰還信号がコントローラ604に伝達される。
【0084】
また、検査パラメータ1000は様々な形態で検査センサ602から提供され得ることも理解されたい。いくつかの構成では、検査パラメータ1000は、例えば、構成要素及び/又は基材の有無のような、検出された不良の有無に相当するバイナリ入力を結果としてもたらすセンサ状態の変化から提供されるような「結果」の形態である場合がある。例えば、検査パラメータ1000は、別個の結合領域406、及びサイドシーム178、180の有無を示す場合がある。他の例では、検査パラメータ1000は、第1及び第2の弾性ベルト基材402、404及び/又はシャーシ102における破れ、穴、スプライステープ、及び/又は汚染物の有無を示す場合がある。
【0085】
また別の実施形態では、検査センサ602は、吸収性物品100の不適切な切断及び/又は未切断を検出するように構成される場合がある。例えば、いくつかの構成では、検査センサ602は、空気シリンダのような、切断装置306のローディングシステムの位置を検出する近接センサを含むことができる。そのような近接センサは、例えば、意図せずして下ろされたナイフロール308によりもたらされた動作条件のような、切断装置306に関係する様々な動作条件を検出するように構成することができる。そのような条件は、例えば、アンビルロール310からのナイフロール308の変位を引き起こす、ナイフロール308とアンビルロール310との間を進む吸収性コア142の誤った配置によって引き起こされる場合がある。ナイフロールの変位の結果として、切断装置306によっていくつかの吸収性物品100が切断されないこと、又は不適切に切断されることがあり得る。したがって、検査システム500は近接センサからのフィードバックを使用して、排斥コマンドを発信し、不良品を取り除くために全加工プロセスを止めることなく、移動装置320が未切断及び/又は不適切な切断の吸収性物品100Rを転移させるのを防ぐことができる。
【0086】
いくつかの実施形態では、検査パラメータ1000は、弾性材料及び/又は基材の検出位置の測定値及び/又は数値表示、他の弾性材料及び/又は基材に対する弾性材料及び/又は基材の位置の数値表示、及び/又は別の物理的又は仮想の基準に対する弾性材料及び/又は基材の位置の数値表示という形態で提供される場合がある。例えば、検査パラメータ1000は、弾性ストランド168に対する弾性ベルト106、108の外側横方向縁部107a、109aのような、吸収性物品の1つの特徴の相対位置を示すことができる。他の実施形態では、検査パラメータ1000は、FTP(ファイル転送プロトコル)、DDE(ダイナミックデータエクスチェンジ)、又はOPC(プロセスコントロールのためのオブジェクトリンキング及び埋め込み)などの標準プロトコルを介して転送される画像の形態である場合があり、それらは、データベースに格納されるか、あるいは、オペレータの視覚化、オフライン画像処理、又はクレームサポートのいずれかを目的として画像サーバ上の指定ディレクトリに格納される。
【0087】
図4に示すように、検査センサ602は、通信ネットワーク606を介してコントローラ604と接続することができ、これは、検査センサ602が検査パラメータ1000をコントローラ604に伝達することを可能にする。検査センサ602とコントローラ604は、通信ネットワーク606で直接接続され得る。そのようなセンサとしては、例えば、National Instruments CVSのようなビジョンシステム、又はCognex VisionProのような任意のPCベースのビジョンシステムを挙げることができる。そのようなセンサはまた、そのコントローラのピアとして構成され得る又はそのコントローラの下位装置として構成され得る他のコントローラもまた含むことができる。いくつかの実施形態では、検査センサ602は通信ネットワーク606と間接接続され得る。例えば、検査センサ602は、米国特許公開第2010/0305740A1号に記載されているようなリモート入出力(I/O)ステーションを介して通信ネットワーク606と接続することができる。リモートI/Oステーションを利用するとき、検査センサ602をリモートI/Oステーションに配線接続することができ、次いで、リモートI/Oステーションを通信ネットワーク606に接続することができる。本明細書に記載のシステム及び方法と使用することができるリモートI/Oステーション又は他のIEEE−1588に基づく機器の例としては、例えば、Ethernet/IP又はBeckhoff Automation EtherCat、及びXFC(eXtreme Fast Control)技術を介してPXIシステム、I/Oモジュール、及び機器類を同期するNational Instruments PCI−1588 Interface(IEEE 1588高精度時間プロトコル同期インタフェース)が挙げられる。
【0088】
いくつかの実施形態では、検査センサ602は、検査パラメータ1002をコントローラ604に伝達することができる。場合によっては、検査パラメータ1002は、吸収性物品100を作るために使用されている基材及び/又は構成要素の不良、及び/又はそれらの基材と構成要素の組み立て及び/又は組み合わせの不良を示す表示を提供することができる。
図4に示されている場所に加えて、検査システム600は製造プロセスの様々な場所を監視する検査センサ602を含むことができることを理解されたい。製造プロセス中、検出された不良を追跡することができ、不良吸収性物品100Rと相関することができる。次いで、検査システム600のコントローラ604は、製造プロセスから不良品100Rを取り除くために、1つ以上の空気圧システム500、550のような、加工装置300の1つ以上の構成要素に、排斥コマンド1000を送信することができる。
【0089】
既に述べたように、検査システム600を本明細書に記載の装置及び方法300とともに使用して、製造プロセス中に不良を検出及び監視することができる。例えば、
図4に示すように、センサ602は、結合装置304から進む連続長の吸収性物品400を監視する。したがって、
図4のセンサ602、602aは、
図5Bに示すような別個の結合領域406の質及び/又は場所を検査及び/又は検出するように構成され得る。検査センサ602、602bはまた、切断装置306と移動装置320との間にも位置づけることができる。したがって、センサ602は、連続長の吸収性物品400を生成するように組み合わされる構成要素及び基材を組み立てプロセスの様々な段階で監視するように、及び/又は、切断装置306により作られたカットの質及び/又は場所を監視するように、構成され得る。
【0090】
引き続き
図4を参照すると、検査システム600はまた、不良基材及び構成要素からの検査結果及び測定値を、それから作られた不良吸収性物品100Rと相関させることもできる。次いで、検査システム600を使用して、装置又はシステムを制御することができ、不良吸収性物品100Rは排斥される。いくつかの構成では、検査システム600のコントローラ604は、第1キャリア316に動作可能に接続された空気圧システム500及び/又は移動装置320と動作可能に接続された空気圧システム550に排斥コマンド1000を送信することができ、次いで、
図4に示されているように、不良品100Rをプロセスから取り除く。いくつかの実施形態では、不良おむつ100Rを製造プロセスから不合格品容器336に送るようにすることができる。不良と判定されなかったおむつ100は、例えば折り畳み及び包装などの更なる処理工程に供することができる。
【0091】
検査システム600は様々な方法で加工装置300の要素と共に動作することができることを理解されたい。例えば、製造プロセスから不良おむつ100Rを取り除くために、排斥コマンド1000への応答として様々な方法で動作するように、空気圧システム500、550、第1キャリア316、及び/又は移動装置320の様々な構成要素を適応することができる。
【0092】
上述のように、吸収性物品100を移動装置320の第1キャリア316からキャリア部材324に転移させることができる。
図6及び9〜11を参照して上述したように、真空システム552及び正圧システム554を含む空気圧システム550もまた、移動装置320と動作可能に接続することができる。したがって、第1動作モードにおいて、真空システム552は、おむつ100を取り上げゾーン332から第1ゾーン558及び第2ゾーン560を通して下ろしゾーン334に転移させる一方でキャリア部材324の上の所定の位置に保持するのを助けるために、吸引力を及ぼす。いくつかの実施形態では、排斥コマンド1000は、例えば、マニホールド挿入物566を位置Pに移動させるように作動装置568を動作することによって空気圧システムを第2動作モードにするように動作可能である場合がある。したがって、正圧システム554は、取り上げゾーン332及び/又は第1ゾーン558においてキャリア部材324から不良おむつ100Rを押し放すのを助けるために吹き飛ばす又は押す力を適用する。次いで、不良おむつ100Rが排斥された後、検査システム600は空気圧システムを第1動作モードに戻すことができる。検査システム600及び空気圧システム550は不良おむつ100Rが取り上げゾーン332でキャリア部材324に転移される前に空気圧システム550を第2動作モードにすることによって不良おむつ100Rを排斥するように動作可能であってもよいことを理解されたい。したがって、正圧システム554は、不良おむつ100Rがキャリア部材324に転移されるのを防ぐことができ、代わりにそれを移動装置320から不合格品容器336の方へ押しやることができる。いくつかの実施形態では、検査システム600及び空気圧システム550は不良おむつ100Rが取り上げゾーン332でキャリア部材324に転移された後に空気圧システム550を第2動作モードにすることによって不良おむつ100Rを排斥するように動作可能である場合がある。したがって、正圧システム554は、例えば第1ゾーン558でキャリア部材324から不良おむつ100Rを取り除き、移動装置320から離れて不合格品容器336の方に向かわせることができる。
【0093】
いくつかの実施形態では、空気圧システム550は正圧システム554を含まない場合がある。したがって、排斥コマンド1000は、真空システムが取り上げゾーン332で不良おむつ100Rに吸引力を付加するのを防ぐようにだけ動作可能であり得る。したがって、不良おむつ100Rはキャリア部材324に転移されず、代わりに移動装置320から不合格品容器336に向かって落ちることができる。いくつかの実施形態では、排斥コマンド1000に応答して、キャリア部材324によって取り上げられた不良おむつ100Rが下ろしゾーン334に移動される前に、不良おむつ100Rに吸引力を適用することをやめるように真空システムを適応することができる。したがって、不良おむつ100Rは真空システムによってキャリア部材324に保持されなくなる。移動装置320の回転運動がもたらす遠心力は、移動中のキャリア部材324から不良おむつ100Rを分離することができる。
【0094】
いくつかの実施形態では、
図6〜8Bを参照して上述したように、真空システム502及び正圧システム504を含む空気圧システム500はまた、第1キャリア316と動作可能に接続することもできる。
図4、6、7B及び8Bを参照して上述した第2動作モードでは、真空システム502は第1ゾーン317aに沿ってキャリア表面317と流体連通し、正圧システム504は第2ゾーン317bと流体連通する。第1ゾーン317aから第2ゾーン317bへの移行は、取り上げゾーン332に位置する場合がある。したがって、真空システム502は、おむつ100が取り上げゾーン332に進む間にそれを第1キャリア316のキャリア表面317上で保持するのを助けるために、おむつ100に吸引力を付加する。取り上げゾーン334で第2ゾーン317bに進む間、正圧システム504は、おむつ100を第1キャリア316のキャリア表面317から放ち、取り上げゾーン334を通って移動中のキャリア部材324の方へ押しやるように、吹き飛ばし力を適用する場合がある。
【0095】
いくつかの実施形態では、排斥コマンド1000は、
図4、6、7A、及び8Aを参照して上述したように、例えば弁挿入物566を第1位置に回転するように作動装置528を動作することによって、空気圧システム500を第1動作モードに配置するように動作可能である場合がある。したがって、第1動作モードでは、真空システム502は第1ゾーン317a及び第2ゾーン317bに沿ってキャリア表面317と流体連通する。したがって、真空システム502は、不良おむつ100Rが取り上げゾーンを通り過ぎて第2ゾーン317bに進むにつれて、第1キャリア316上で不良おむつ100Rを保持する吸引力を付加する。したがって、排斥コマンド1000は、第1キャリア316が不良おむつ100Rを、取り上げゾーン332を通過させて進めることができるように、第1キャリア316上で不良おむつ100Rを保持する吸引圧を維持するように動作可能なように構成され得る。いったん取り上げゾーンを過ぎたら、排斥コマンド1000は、空気圧システムを第2動作モードに戻して、正圧システム504を再び係合し、不良おむつを第2ゾーン317bで第1キャリア316のキャリア表面317から不合格品容器336の方へ吹き飛ばす又は押し放つように動作可能であり得る。いくつかの実施形態では、不良おむつ100Rは、第2ゾーン317bの端を越えて進むまで吸引力によって第1キャリア316に保持され、ここで、不良おむつは吸引力で保持されなくなり、第1キャリアのキャリア表面317から放れて不合格品容器336の方へ落ちる。
【0096】
図4に示すように、不合格品容器336は、第1キャリア316、取り上げゾーン316、及び/又は移動装置320の下に位置づけられてもよく、したがって、重力もまた、不良おむつ100Rがキャリア部材324及び/又は第1キャリア316から離れた後にそれを不合格品容器336の方へ下方に案内するのを助けることができる。また、第1キャリア316と動作可能に接続された空気圧システム500及び移動装置320と動作可能に接続された空気圧システム550は、排斥コマンド1000に対する応答として様々な方法で共に又は個別に動作するように構成され得ることも理解されたい。
【0097】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に断らないかぎり、そのような寸法のそれぞれは、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40ミリメートル」として開示される寸法は、「約40ミリメートル」を意味するものである。
【0098】
任意の相互参照又は関連特許若しくは関連出願を包含する本明細書に引用される全ての文献は、明確に除外ないしは別の方法で限定されない限り、その全てを本明細書中に参照により組み込まれる。いずれの文献の引用も、こうした文献が本願で開示又は特許請求される全ての発明に対する先行技術であることを容認するものではなく、あるいは、こうした文献が、単独で、あるいは他の全ての参照文献とのあらゆる組み合わせにおいて、こうした発明のいずれかを参照、教示、示唆又は開示していることを容認するものでもない。更に、本文書において、用語の任意の意味又は定義の範囲が、参考として組み込まれた文書中の同様の用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合には、本文書中で用語に割り当てられる意味又は定義に準拠するものとする。
【0099】
本発明の特定の実施形態が例示され記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を添付の特許請求の範囲で扱うものとする。