特許第5985742号(P5985742)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5985742
(24)【登録日】2016年8月12日
(45)【発行日】2016年9月6日
(54)【発明の名称】同期のための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   H04W 28/06 20090101AFI20160823BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20160823BHJP
   H04L 1/16 20060101ALI20160823BHJP
【FI】
   H04W28/06 110
   H04W84/12
   H04L1/16
【請求項の数】20
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-510522(P2015-510522)
(86)(22)【出願日】2013年6月26日
(65)【公表番号】特表2015-521415(P2015-521415A)
(43)【公表日】2015年7月27日
(86)【国際出願番号】US2013047955
(87)【国際公開番号】WO2014163655
(87)【国際公開日】20141009
【審査請求日】2014年9月25日
(31)【優先権主張番号】61/809,123
(32)【優先日】2013年4月5日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】593096712
【氏名又は名称】インテル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】パク,ミニョン
【審査官】 久慈 渉
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2013/0077610(US,A1)
【文献】 国際公開第2013/009776(WO,A2)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0010223(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−2
CT WG1
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターゲット復帰時間(Target Wake Time:TWT)スケジュールのない端末局(STA)が、アクセスポイント(AP)の変更の判定又は前記APとの同期を行えるようにする方法であって、前記方法は、
制御フレームのフレーム制御(Frame Control:FC)フィールドの1ビットを用いて、ネクストTWT(Next TWT)フィールドの有無を示すステップ、
を含み、
前記Next TWTフィールドは、前記制御フレームに選択的に存在し
前記Next TWTフィールドは、前記制御フレームの目的受信先に対する次回のターゲット復帰時間の値を含む、
方法。
【請求項2】
前記制御フレームは、TACKフレーム、STACKフレーム及びBATフレームのうち1以上を含むS1G制御フレームである、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記FCフィールドの2ビットは、異なる制御フレームを示すのに用いられる、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記FCフィールドの1つのサブタイプ値は、前記制御フレームをS1G制御フレーム又はTGah制御フレームとして示すのに用いられる、
請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
ターゲット復帰時間(Target Wake Time:TWT)スケジュールのない端末局(STA)が、アクセスポイント(AP)の変更の判定又は前記APとの同期を行えるようにするシステムであって、
ある値に設定されるビットを含む制御フレームを生成するように構成される媒体アクセス制御サブレイヤ論理モジュールであって、前記ビットの前記値は、装置が、制御フレームの目的受信先に対する次回のターゲット復帰時間の値を含む任意のネクストTWT(Next TWT)フィールドに対応するか否かを示し、
前記制御フレームを含む第1のデータユニットをデバイスに送信して、無線ネットワークにおいて前記システムを前記デバイスと関連付けるように構成される送受信機と、
を備えるシステム。
【請求項6】
前記制御フレームは、前記Next TWTフィールドの存在を示す(FC)フィールドを含むフレーム制御ビットを有する、
請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記制御フレームは、TACKフレーム、STACKフレーム及びBATフレームのうち1以上を含むS1G制御フレームである、
請求項5又は6に記載のシステム。
【請求項8】
前記FCフィールドの2ビットは、異なる制御フレームを示すのに用いられる、
請求項6又は7に記載のシステム。
【請求項9】
前記FCフィールドの1つのサブタイプ値は、前記制御フレームをS1G制御フレーム又はTGah制御フレームとして示すのに用いられる、
請求項〜8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
求項1〜4のいずれか一項に記載の方法を装置のコンピュータに実行させるコンピュータプログラム。
【請求項11】
コンピュータ可読コードを物理的に具現化するコンピュータ可読媒体であって、
前記コンピュータ可読コードは、プロセッサにより実行されると、前記プロセッサに請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法を実行させる、
コンピュータ可読媒体。
【請求項12】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法を実行する手段を備える電子デバイス。
【請求項13】
プロセッサを備える電子デバイスであって、
前記プロセッサは、メモリと接続され、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法を実行するための命令を実行する、
電子デバイス。
【請求項14】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法を実行する手段を備えるシステム。
【請求項15】
少なくとも1つの電子デバイスを備えるシステムであって、
前記電子デバイスはプロセッサを有し、前記プロセッサは、メモリと通信し、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法を実行するための命令を実行する、
システム。
【請求項16】
請求項1〜4のうち何れか一項に記載の方法を装置のコンピュータ実行させるコンピュータ可読命令を記憶する記憶媒体。
【請求項17】
当該方法は前記制御フレームを生成するステップを更に有し、前記ビットの第1の値は、前記TWTスケジュールを設定していない端末局が、前記制御フレームに基づいてAPを変更すること又はAPと同期すること可能にする、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記ビットの第1の値は、前記ネクストTWTフィールドが前記制御フレームに存在しないことを示す、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記ビットの第1の値は、前記TWTスケジュールを設定していない端末局が、前記制御フレームに基づいてAPを変更すること又はAPと同期することを可能にする、請求項5に記載のシステム。
【請求項20】
前記ビットの第1の値は、前記ネクストTWTフィールドが前記制御フレームに存在しないことを示す、請求項5に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2013年4月5日出願の米国仮出願番号第61/809,123号からの優先権を主張し、参照することによりその全体を本明細書に援用する。
【0002】
本明細書に記載の実施形態は、一般に無線通信分野に関する。より詳細には、該実施形態は、無線送信機と無線受信機との間でやりとりされるパケットの制御フレームに関する。
【背景技術】
【0003】
用語を定義する。(a)無線媒体(Wireless Medium:WM)は、無線ローカルエリアネットワーク(LAN)のピア物理層(PHY)実体間でプロトコルデータユニット(PDU)の伝送を実行する際に用いられる媒体である。(b)端末局(STA)は、IEEE802.11に準拠し無線媒体に接続する媒体アクセス制御(Medium Access Control:MAC)と物理層(PHY)とを含む任意のデバイスである。(c)アクセスポイント(AP)は、端末局(STA)機能を有し、関連するSTAに無線媒体を介して配信サービスへのアクセスを提供する任意の実体である。(d)ビーコンフレームは、IEEE802.11系WLANにおける管理フレームのひとつであり、ネットワークに関するあらゆる情報を含む。ビーコンフレームは、無線LANネットワークの存在を通知するために、定期的に送信される。ビーコンフレームは、アクセスポイント(AP)によって、基本サービスセット(Basic Service Set:BSS)において送信される。IBSS(Independent BSS)において、ネットワークビーコンの生成は、複数の端末局に分散される。例えば、ビーコンフレームは、MACヘッダー、フレーム本体、及びFCSを含むことができ、また、タイムスタンプフィールド、ビーコン間隔フィールド(ビーコン送信間の時間間隔)、性能情報フィールド(16ビットの長さを有し、デバイス又はネットワークの性能についての情報を含む)等のフィールドを有することができる。
【0004】
非特許文献1に定義されるIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11ah仕様のフレームワークでは、TACK(Training Acknowledge)と呼ばれる制御フレームを定義している。TACKはACKフレームの変形である。まず送信側デバイスが1以上の隣接データフレームを受信側デバイスに送信すると、受信側デバイスは、TACKフレームを送信側デバイスに返す。該TACKフレームには、該受信側デバイスがデータフレームを通して測定するアダプテーション情報が含まれる。このプロセスは、受信側デバイス及び送信側デバイスの様々な信号パラメータを一致させることにより完了する。
【0005】
TACKフレームには、ビーコンシーケンス(Beacon Sequence)フィールド、パーシャルタイムスタンプ(Partial Timestamp)フィールド及びネクストTWT(Next TWT)フィールドが含まれる。この制御フレームは、APがデータフレームの受領に関して確認応答を行うと同時に、STAの更新に必要な情報を送出するために送出される。STACKやBAT等の制御フレームにも、TACKフレームの情報と同様の情報が含まれる。
【非特許文献1】Proposed Specification Framework for TGah、IEEE 802.11-11/1137r12、https://mentor.ieee.org/802.11/dcn/11/11-11-1137-12-00ah-specificationframework-for-tgah.docx
【非特許文献2】IEEE Standard for Information Technology-Telecommunications and Information Exchange Between Systems-Local and Metropolitan Area Networks-Specific Requirements-Part 11: Wireless LAN Medium Access Control(MAC) and Physical Layer(PHY) Specifications、http://standards.ieee.org/getieee802/download/802.11-2007.pdf
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本開示の様々な態様及び原理に係る、複数の固定又はモバイルの通信デバイスを含む例示的無線ネットワークの一実施形態を示す図である。
図2】本開示の様々な態様及び原理に係る、無線ネットワークにおいて直交周波数分割多重(OFDM)型通信を生成し送信する装置の一実施形態を示す図である。
図3A】本開示の様々な態様及び原理に係る、TACKフレームと呼ばれる制御フレームの一実施形態を示す図である。
図3B】本開示の様々な態様及び原理に係る、TACKフレームの代替の実施形態を示す図である。
図4A】本開示の様々な態様及び原理に係る、TACKフレームのフレーム制御フィールドの一実施形態を示す図である。
図4B】本開示の様々な態様及び原理に係る、TACKフレームのフレーム制御フィールドの代替の実施形態を示す図である。
図5】本開示の様々な態様及び原理に係る、STACKフレームの一実施形態を示す図である。
図6】本開示の様々な態様及び原理に係る、BATフレームの一実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、添付の図面に示される実施形態を詳細に説明する。しかし、記載される詳細の量によって、記載される実施形態について予測される変形が限定されるものではない。反対に、特許請求の範囲及び詳細な説明は、添付の特許請求の範囲により定められる本教示の要旨及び範囲に該当する全ての変更、均等物及び代替を包含するものである。以下の詳細な説明は、当業者が実施形態を理解しやすいように構成されている。
【0008】
本明細書に記載される実施形態は、APとターゲット復帰時間(Target Wake Time:TWT)スケジュールを設定していないSTAが、該APの変更を判定する目的で、又はビーコンを受信することなく該APのタイミング同期機能に同期する目的で、Next TWTフィールドのオーバーヘッドを発生させることなく制御フレームを利用できるようにするためのものである。一実施形態において、方法は、制御フレームのフレーム制御(Frame Control:FC)フィールドの1ビットを用いて、Next TWTフィールドの有無を示すステップを含んでよい。該Next TWTフィールドは、任意に該制御フレームに含まれる。該Next TWTフィールドは、該制御フレームの目的受信先に対する次回のターゲット復帰時間の値を含む。
【0009】
本明細書に記載の論理回路、モジュール、デバイス及びインターフェースは、ハードウェア及び/又はコードとして実装されてよい機能を実行してよい。ハードウェア及び/又はコードには、ソフトウェア、ファームウェア、マイクロコード、プロセッサ、状態機械、チップセット又は機能性を達成するように設計されたそれらの組み合わせが含まれ得る。
【0010】
実施形態により、無線通信を容易にすることができる。一部の実施形態において、低電力無線通信(Bluetooth(登録商標)、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、無線メトロポリタンエリアネットワーク(WMAN)、無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)、セルラーネットワーク、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)のIEEE802.11‐2007、非特許文献2、ネットワークでの通信、メッセージングシステム及びスマートデバイスを統合して、そのようなデバイス間のインタラクションを容易にすることができる。更に、無線の一部の実施形態において、単一のアンテナを採用しても、複数のアンテナを採用してもよい。
【0011】
本開示の様々な実施形態によれば、提示される方法は、例えばIEEE802.11仕様に基づく無線通信に関する。提示される方法は、APとターゲット復帰時間(Target Wake Time:TWT)スケジュールを設定していないSTAが、オーバーヘッドを発生させることなく制御フレームを利用できるようにするための方法である。該方法は、例えば、制御フレームのフレーム制御(Frame Control:FC)フィールドの1ビットを用いて、Next TWTフィールドの有無を示すステップを含んでよい。該Next TWTフィールドは、任意に該制御フレームに含まれる。該Next TWTフィールドは、該制御フレームの目的受信先に対する次回のターゲット復帰時間の値を含む。
【0012】
様々な実施形態における制御フレームには、TACKフレーム、STACKフレーム、BATフレーム及び将来802.11仕様に組み込まれ得る他のフレームが含まれてよい。制御フレームが例えばTACKフレーム、STACKフレーム、BATフレーム又は他のフレームであることを示すために、制御フレームのフレーム制御(Frame Control:FC)フィールドには、S1G制御拡張(Control Expansion)フィールドが含まれてよい。一部の実施形態において、S1G制御拡張フィールドは2ビットであってよい。
【0013】
図1を参照する。本開示の様々な態様及び原理に係る無線通信システム1000の実施形態が示されている。無線通信システム1000は通信デバイス1010を含み、通信デバイス1010は、有線又は無線でネットワーク1005に接続される。通信デバイス1010は、複数の通信デバイス1030,1050,1055と、ネットワーク1005を介して無線で通信を行ってよい。通信デバイス1010,1030,1050,1055には、センサー、端末局、アクセスポイント、ハブ、スイッチ、ルーター、コンピュータ、ラップトップ、ノートパソコン、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)その他無線対応デバイスが含まれてよい。よって、通信デバイス1010,1030,1050,1055は、モバイル型でも固定型であってもよい。例えば、通信デバイス1010には、近隣の家庭の水消費量を計測する計測局が含まれてよい。近隣の各家庭が通信デバイス1030のような通信デバイスを有し、通信デバイス1030が水使用量メーターと一体化されるか接続されるようにしてよい。通信デバイス1030は、定期的に計測局との通信を開始して、水使用量に関するデータを送信してよい。更に、計測局その他通信デバイスは定期的に通信デバイス1030との通信を開始して、例えば通信デバイス1030のファームウェアを更新してよい。他の実施形態では、通信デバイス1030は通信に応答するのみであり、通信を開始する論理回路を有さないようにしてよい。
【0014】
更なる実施形態において、通信デバイス1010により、データオフロードを容易にすることができる。例えば、低出力センサーである通信デバイスは、例えば計測局へのアクセス待機に費やされる電力消費を低減したり、帯域の利用可能性を増大させたりする目的で、例えばWi−Fiを介して別の通信デバイスや移動体通信ネットワークと通信を行うために、データオフロード構成を有してよい。計測局等のセンサーからデータを受信する通信デバイスは、ネットワーク1005の混雑状態を軽減する目的で、例えばWi−Fiを介して別の通信デバイスや移動体通信ネットワークと通信を行うために、データオフロード構成を有してよい。当然ながら、本明細書に記載の例は一例に過ぎず、当業者であれば、本明細書の記載に基づいて、他の例及びシステムを想到し得る。
【0015】
ネットワーク1005は、複数のネットワークの相互接続を表してよい。例えば、ネットワーク1005は、インターネットやイントラネット等の広域ネットワークと接続してよく、また、1以上のハブ、ルーター又はスイッチを介して有線又は無線で相互接続されたローカルデバイスと相互接続してよい。本実施形態では、ネットワーク1005は、通信デバイス1010,1030,1050,1055を通信可能に接続する。
【0016】
通信デバイス1010,1030は、それぞれメモリ1011,1031と、媒体アクセス制御(Media Access Control:MAC)サブレイヤ論理回路1018,1038とを有する。メモリ1011,1031は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等のメモリであり、フレーム、プリアンブル及びプリアンブル構造1014,1034、又はそれらの一部を格納してよい。フレーム(MAC層プロトコルデータユニット(MAC Layer Protocol Data Unit:MPDU)とも呼ばれる)及びプリアンブル構造1014,1034により、送信側デバイスと受信側デバイスとの同期された通信を確立し、維持することができる。また、プリアンブル構造1014,1034により、通信形式及び通信速度を定めてよい。具体的には、プリアンブル構造1014,1034に基づいて生成又は決定されるプリアンブルにより、例えばアンテナアレイ1024,1044をトレーニングして互いに通信するようにしたり、通信の変調及び符号化の構成(Modulation and Coding Scheme:MCS)や通信の帯域幅、送信ベクトル(TXvector)の長さ、ビームフォーミングの適用等を定めたりしてよい。
【0017】
MACサブレイヤ論理回路1018,1038は、フレーム及び物理層プロトコルデータユニット(Physical-layer Protocol Data Unit:PPDU)を生成してよい。より詳細には、フレーム構築部1012,1032がフレームを生成し、データユニット構築部1013,1033がPPDUを生成してよい。データユニット構築部1013,1033は、フレーム構築部1012,1032により生成されるフレームを含むペイロードをカプセル化することによって、PPDUを生成してよい。本実施形態では、データユニット構築部1013,1033は、プリアンブル構造1014,1034にそれぞれ基づくプリアンブルと共にフレームをカプセル化して、1以上のRFチャネルで送信されるペイロードにプレフィックスしてよい。データユニット構築部1013,1033等のデータユニット構築部の機能は、ビット群をプリアンブル及びペイロードを構成する符号語又は符号記号に組み立て、該記号が、アンテナアレイ1024,1044によりそれぞれ送信される信号に変換されるようにすることである。
【0018】
各データユニット構築部1013,1031は、信号フィールド部分1015,1035を含むプリアンブル構造1014、1034を供給し、プリアンブル構造1014,1034に基づいて生成されるプリアンブルを、該プリアンブルが生成されている間及び/又は該プリアンブルが生成された後に、メモリ1011,1031に格納してよい。本実施形態において、プリアンブル構造1014,1034は、信号フィールド1015,1035及びデータペイロードの前に、1つのショートトレーニングフィールド(STF)と、1つのロングトレーニングフィールド(LTF)とを含む。STF及びLTFにより、アンテナアレイ1022,1042をトレーニングして、通信に関する測定(例えば、直交信号間の相対的な周波数変動、振幅変動及び位相変動に関する測定)を行うことにより、互いに通信を行うようにすることができる。具体的には、STFは、パケット検出、自動利得制御及び周波数粗推定に用いられてよい。LTFは、空間チャネルに関するチャネル推定、タイミング及び周波数精推定に用いられてよい。
【0019】
一部の実施形態において、信号フィールド1015,1035は、データユニットの無線通信を確立するのに用いられる物理層パラメータに関する情報を提供する。該物理層パラメータには、例えば変調と符号化の構成(Modulation and Coding Scheme:MCS)、帯域幅、長さ、ビームフォーミング、時空間ブロック符号(Space-Time Block Code)、符号化、集計、ショートガードインターバル(Short Guard Interval)、巡回冗長検査(Cyclic Redundancy Check:CRC)及びテールを提示するパラメータが含まれる。CRCフィールドには、ハミング距離が1又は2となる4ビットの巡回冗長検査シーケンスが含まれてよい。
【0020】
通信デバイス1010,1030,1050,1055は、それぞれ送受信機(RX/TX)を有してよい(例えば送受信機(RX/TX)1020,1040)。各送受信機1020,1040は、RF送信機及びRF受信機を有する。各RF送信機は、電磁放射によるデータ送信のために、デジタルデータをRF周波数に乗せる。RF受信機は、RF周波数の電磁エネルギーを受け取り、そこからデジタルデータを抽出する。図1は、例えば4つの空間ストリームを用いるMIMO(Multiple Input-Multiple Output)システム等、多くの異なる実施形態を示すことができる。また、図1は、通信デバイス1010,1030,1050,1055のうち1以上が単一アンテナの受信機及び/又は送信機を有する縮退システムを示すことができ、該システムには、SISO(Single Input−Single Output)システム、SIMO(Single Input−Multiple Output)システム及びMISO(Multiple Input-Single Output)システムが含まれる。図1の無線通信システム1000は、IEEE(Institute for Electrical and Electronics Engineers)802.11ahに準拠するシステムを表すものである。同様に、通信デバイス1010,1030,1050,1055は、IEEE802.11ahに準拠するデバイスを表すものである。
【0021】
多くの実施形態において、送受信機1020,1040は、直交周波数分割多重(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:OFDM)を実行する。OFDMは、デジタルデータを複数の搬送周波数で符号化する方法である。OFDMは、デジタルマルチキャリア変調方法として用いられる、周波数分割多重化である。多数の密集した直交副搬送波信号が、データの搬送に用いられる。データは、複数の並列なデータストリーム又はデータチャネルに分割され、1つのストリーム又はチャネルに各副搬送波が対応する。各副搬送波は、変調構成により低い変調速度で変調され、同じ帯域幅において、従来の単一搬送波変調構成と同様の総データ伝送速度を維持する。
【0022】
OFDMシステムは、データ、パイロット、ガード及びナリング(Nulling)等の機能に対応する複数の搬送波すなわち「トーン」を用いる。データトーンは、チャネルの1つを介して送信機と受信機との間で情報を伝達する際に用いられる。パイロットトーンはチャネルの維持に用いられ、時間や周波数、チャネルトラッキングについての情報を提供することができる。ガードトーンは、マルチパス歪みから発生し得るシンボル間干渉(intersymbol interference)を回避するために、伝送中のSTFシンボルやLTFシンボル等のシンボル間に挿入することができる。また、このようなガードトーンにより、信号がスペクトルマスクに従うようにすることができる。直接要素(Direct Component:DC)のナリングを用いて、直接変換受信機の設計を単純化することができる。
【0023】
一実施形態において、通信デバイス1010は、任意にデジタルビームフォーマー(Digital Beam Former:DBF)1022(点線で示される)を有する。DBF1022は、情報信号を、アンテナアレイ1024の要素に印加される信号に変換する。アンテナアレイ1024は、別々に励起可能な個別のアンテナ要素のアレイである。アンテナアレイ1024の要素に印加される信号により、アンテナアレイ1024は、1〜4つの空間チャネルを放射する。このように形成された各空間チャネルは、通信デバイス1030,1050,1055のうち1以上に、情報を搬送することができる。同様に、通信デバイス1030は、通信デバイス1010と信号を送受信する送受信機1040を有する。送受信機1040はアンテナアレイ1044を有してよく、また、任意にDBF1042を有してよい。デジタルビームフォーミングと同時に、送受信機1040は、IEEE802.11ahデバイスと通信を行うことができる。
【0024】
図2は、本開示の様々な態様及び原理に係る、直交周波数分割多重(OFDM)に基づく通信を無線ネットワークで送信する装置の実施形態を示す図である。該装置は送受信機200を有し、送受信機200は、媒体アクセス制御(Medium Access Control:MAC)サブレイヤ論理回路201に接続される。MACサブレイヤ論理回路201は、物理層プロトコルデータユニット(PPDU)を生成して、送受信機200を介して送信してよい。
【0025】
MACサブレイヤ論理回路201は、フレーム構築部202を介してMACサービスデータユニット(MSDU)をカプセル化することによりMSDUからMACプロトコルデータユニット(MPDU)を生成する等の、データリンク層の機能を実行するハードウェア及び/又はコードを有してよい。例えば、フレーム構築部は、フレームが管理フレームなのか、制御フレームなのか、それともデータフレームなのかを特定するタイプフィールドと、該フレームの機能を特定するサブタイプフィールドとを含むフレームを生成してよい。制御フレームは、送信要求(Request To Send)フレーム又は受信準備完了(Clear To Send)フレームを含むことができる。管理フレームには、ビーコン、プローブ応答(Probe Response)、アソシエーション応答(Association Response)、再アソシエーション応答(Reassociation Response)といった種類のフレームが含まれてよい。管理フレームは、機能情報フィールド等のフィールドを定める1以上のビットを含んでよく、また、拡張機能フィールド(機能情報フィールドを拡張する)を含む情報要素を定める1以上のビットを含んでよい。始めのフレーム制御フィールドに続くデュレーション(Duration)フィールドは、この送信の期間を特定する。そして、データタイプフレームは、データを送信するように設計される。期間フィールドの後にはアドレスフィールドが続き、送信対象の受信機のアドレスを特定する。
【0026】
MACサブレイヤ論理回路201は、データユニット構築部203を有してもよい。データユニット構築部203は、図1に示されるプリアンブル構造1014,1034等のプリアンブル構造に基づいてプリアンブルを決定して、MPDUをカプセル化してPPDUを生成してよい。多くの実施形態において、データユニット構築部203は、メモリから、データフレーム伝送、制御フレーム伝送又は管理フレーム伝送のデフォルトのプリアンブル等のプリアンブルを選択してよい。いくつかの実施形態において、データユニット構築部203は、別の通信デバイスから受信されたプリアンブルのデフォルトの値に基づいて、プリアンブルを作成してよい。例えば、フレームに関してIEEE802.11ahに準拠するデータ収集局は、IEEE802.11ahに準拠する無線通信デバイスを搭載した低出力センサーから、データを定期的に受信してよい。センサーは、特定の期間に低電力モードに入り、定期的に復帰してデータを収集し、定期的にデータ収集局と通信を行って、自身が収集したデータを送信するように構成されてよい。一部の実施形態では、センサーは、データ収集局との通信を積極的に開始し、通信機能を示すデータを送信し、CTS等に応答してデータをデータ収集局に伝送し始めるように構成されてよい。他の実施形態において、センサーは、データ収集局(又はアクセスポイント)による通信開始に応答して、データをデータ収集局(又はアクセスポイント)に送信してよい。
【0027】
多くの実施形態において、データユニット構築部203は、11ah‐SIGフィールドを含むプリアンブルを作成してよい。該11ah‐SIGフィールドは、最下位ビット(LSB)を第1に有する16ビット長の長さフィールドである。長さフィールドは、送信ベクトル(TXVECTOR)の長さを含むことができる。更なる実施形態において、データユニット構築部203は、11ah‐SIGフィールドを含むプリアンブルを作成してよい。該11ah‐SIGフィールドは、低密度パリティ検査(LDPC)を選択するための符号化(Coding)ビットと、LDPC期間曖昧さに関する別の符号化(Coding)ビットとを含む。データユニット構築部203は、11ah‐SIGフィールドを含むプリアンブルを作成してよい。該11ah‐SIGフィールドは、ビームフォーミング(TxBF)を伝送するビットを含む。例えば、一部の実施形態では、TxBFビットを論理的に1に設定して、ビームフォーミング機能をもつ通信デバイスに対し、データパケットの送信に関してビームフォーミングを行うべきであることを示してもよいし、TxBFビットを論理的に0に設定して、保護機構(Protection Mechanism)フレームの送信に関してビームフォーミングを行うべきでないことを示してもよい。
【0028】
送受信機200は、受信機204及び送信機206を有する。送信機206は、符号器208、変調器210、OFDM212及びDBF214のうち1以上を有してよい。送信機206の符号器208は、MACサブレイヤ論理回路201から送信されるデータを受信する。MACサブレイヤ論理回路201は、送受信機200に対して、データをブロック又は記号(例えば数バイトのデータ)として表してよい。符号器208は、多くの既知又は開発中のアルゴリズムのうちいずれか1つを用いて、データを符号化してよい。符号化は、複数の異なる目的のうち1以上を達成するために行われてよい。例えば、符号化を行って、送信される情報の各記号を伝達するために送られる必要のある平均ビット数を低減することができる。符号化を行って、受信機で記号検出を行う際にエラーが起こる可能性を低減することができる。結果として、符号器は、データストリームに冗長性をもたらすおそれがある。冗長性が付加されると、情報を送信するのに必要なチャネル帯域幅が増大してしまうが、結果としてエラーが少なくなり、低電力で信号を送信することができる。符号化には、セキュリティ上暗号化が含まれてよい。
【0029】
本実施形態において、符号器208は、時空間ブロック符号化(Space-Time Block Coding:STBC)、バイナリ畳み込み符号化(Binary Convolutional Coding:BCC)、低密度パリティ検査符号化(LDPC)等の符号化を実行してよい。
【0030】
送信機206の変調器210は、符号器208からデータを受信する。変調器210の目的は、符号器208から受信されるバイナリデータの各ブロックを、固有の連続時間波形に変換することである。該連続時間波形は、アップコンバージョン及び増幅が行われ次第、アンテナによって送信される。変調器210は、受信されたデータブロックを、選択された周波数の正弦波に乗せる。より具体的には、変調器210は、データブロックを、正弦波の対応する一連の離散振幅、又は正弦波の一連の離散位相、又は正弦波の周波数に対する一連の離散周波数偏移にマッピングする。変調器210の出力は、バンドパス信号である。
【0031】
送受信機200は、アンテナアレイ218に接続されるダイプレクサ216を有してもよい。よって、本実施形態では、送信と受信の両方に単一のアンテナアレイが用いられる。送信では、信号はダイプレクサ216を通り、アップコンバートされた情報を含む信号、xにより、アンテナを駆動する。送信中、ダイプレクサ216は、送信される信号が受信機204に入るのを防止する。送信では、アンテナアレイにより受信される情報を含む信号は、ダイプレクサ216を通って、アンテナアレイから受信機204に伝達される。ダイプレクサ216は、受信された信号が送信機206に入るのを防止する。このように、ダイプレクサ216は、アンテナアレイ要素を受信機204と送信機206とに交互に接続するスイッチとして動作する。
【0032】
アンテナアレイ218は、時間により変化する電磁エネルギーの空間分布に情報を含む信号を放射し、該信号は、受信機のアンテナにより受信することができる。受信機は、受信した信号の情報を抽出することができる。アンテナ要素のアレイは多重空間チャネルを形成することができ、該空間チャネルを操作して、システム性能を最適化することができる。一方、受信アンテナにおける放射パターンの多重空間チャネルは、異なる空間チャネルに分離することができる。したがって、アンテナアレイ218の放射パターンは、選択性が高いものになり得る。アンテナアレイ218は、プリント基板のメタライゼーション技術を用いて実装されてよい。アンテナアレイ218の候補としては、マイクロストリップ、ストリップ線路、スロットライン、パッチ等がある。
【0033】
送受信機200は、情報を含む信号を受信し、復調し且つ復号する受信機204を有してよい。受信機204は、DBF220、OFDM222、復調器224及び復号器226のうち1以上を有してよい。受信された信号は、アンテナ要素218からデジタルビームフォーマー(Digital Beam Former:DBF)220に送られる。DBF220は、Nアンテナ信号をL情報信号に変換する。
【0034】
DBF220の出力は、OFDM222に送られる。OFDM222は、情報を含む信号が変調された複数の副搬送波から、信号情報を抽出する。
【0035】
復調器224は、受信された信号を復調する。復調は、受信された信号から情報を抽出して、復調されていない情報信号を生成するプロセスである。復調の方法は、情報が受信された搬送信号へ変調された方法によって異なる。よって、例えば変調がBPSKである場合、復調では位相検出を用いて、位相情報をバイナリシーケンスに変換する。復調により、復号器には情報のビット配列が提供される。復号器226は、復調器224から受け取ったデータを復号し、復号した情報、MPDUを、MACサブレイヤ論理回路202に送信する。
【0036】
当業者には当然であるように、送受信機は、図2に示されていない多くの追加的な機能を有してよい。また、受信機204及び送信機206は、1つの送受信機として一体化せずに、別個のデバイスとすることができる。例えば、送受信機の実施形態には、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、基準発振器、フィルター回路構成、同期化回路構成があり、場合によっては多重周波数変換段及び多重増幅段等がある。更に、図2に示す機能の一部を統合してよい。例えば、デジタルビームフォーミングは、直交周波数分割多重と統合されてよい。
【0037】
図3A及び3Bを参照する。図3A及び3Bは、本開示の様々な態様及び原理に係る、TACKフレームと呼ばれる制御フレームの実施形態を示す図である。TACKフレームは、802.11ahの仕様で提案されている制御フレームであり、ACKフレームの変形である。TACKフレームは、ビーコンシーケンス(Beacon Sequence)フィールド、パーシャルタイムスタンプ(Partial Timestamp)フィールド及びネクストTWT(Next TWT)フィールドを含む。
【0038】
TACKフレームには、以下の様々なフィールドが含まれる。(a)RAフィールド(6オクテット)は、フレームの目的受信先のアドレスを含む。(b)TAフィールド(6オクテット)は、フレームの送信機のアドレスを含む。(c)ビーコンシーケンスフィールド(Beacon Sequence)(1オクテット)は、直近に送信されたビーコンからのChange Sequenceフィールドの値を含む。(d)パーシャルタイムスタンプ(Partial Timestamp)フィールド(5オクテット)は、該Partial Timestamp値の1番目のビットを含むデータシンボルがPHYに送信される時点での送信側STAのTSFタイマー値に、ローカルPHYを介してMAC−PHYインターフェースからWMとのインターフェースまでの送信側STAの遅延を加えた値の、最下位5オクテットを含む。(e)Next TWTフィールド(6オクテット)は、次回のTWT値に対応するTSFタイマー値の最下位6バイトとしての、フレームの目的受信先であるSTAに対する次回のTWT値を含む。Next TWTフィールドにおいて、値0は、該フレームがNext TWT値を搬送しないことを意味する。また、TACKフレームは、フレーム制御(Frame Control:FC)フィールド(2オクテット)を含む。FCフィールドに含まれる制御情報は、802.11MACフレームのタイプを定義するのに用いられ、また、続くフィールドにMACフレームがどのように処理されるかを伝えるのに必要な情報を提供することに用いられる。また、TACKフレームは、フレームチェックシーケンス(FCS)フィールド(4オクテット)を含む。FCSフィールドは、送信中にフレーム内でエラーが発生したかを確認するのに用いられる。
【0039】
Next TWTフィールドは、APとTWTスケジュールを設定したSTAに関して用いられるものであり、TWTスケジュールを設定していないSTAに関しては不必要である場合がある。TWTを使用していないSTAは、APにおいて何らかの変更があるのかを判定するために、又はビーコンを受信することなくAPのTSFに同期するために、Beacon Sequence情報へのアクセスを希望する場合がある。Next TWTフィールドは6オクテット長であり、図3Aの制御パケットがTWTを設定していないSTAに対して用いられた場合にオーバーヘッドを増大させてしまう可能性がある。
【0040】
ある実施形態において、図3Bに示されるように、Next TWTフレームは、任意に含まれてよい。そのような実施形態では、APとTWTスケジュールを設定していないSTAは、Next TWTフィールドにより生じる6オクテットのオーバーヘッドを含まないTACKフレームを用いて、APの変更を把握し、又はビーコンを受信することなくAPのTSFに同期することができる。様々な実施形態において、Next TWTフレームが含まれること(又は含まれないこと)は、TACKフレームのFCフィールド内のビットを用いて示されるようにしてよい。
【0041】
図4Aは、本開示の様々な態様及び原理に係る、典型的なFCフィールドを示す図である。FCフィールドは、以下のような情報を含んでよい。例えば(a)プロトコルバージョン(2ビット)、(b)タイプ及びサブタイプ(それぞれ2ビットと4ビット)、(c)帯域インディケーション(Bandwidth Indication)(3ビット)、(d)ダイナミックインディケーション(Dynamic Indication)(1ビット)、(e)電力管理(Power Management)(1ビット)、(f)モアデータ(More Data)(1ビット)、(g)保護フレーム(Protected Frame)(1ビット)及び(h)オーダー(Order)(1ビット)を含んでよい。タイプ及びサブタイプのサブフィールドは、フレームの機能を決定するのに用いられる。
【0042】
図4Bは、本開示の様々な態様及び原理に係る代替のFCフィールドを示す。該代替のFCフィールドは、例えばプロトコルバージョン(2ビット)、タイプ及びサブタイプ(それぞれ2ビットと4ビット)、帯域インディケーション(3ビット)、ダイナミックインディケーション(Dynamic Indication)(1ビット)、Next TWTの有無(Next TWT Present)(1ビット)、モアデータ(More Data)(1ビット)、S1G制御拡張(2ビット)等の情報を含んでよい。
【0043】
一部の実施形態では、S1G制御拡張フィールドを用いて、以下の表1に示すような構成に従うS1G制御フレームを示してよい。
【0044】
【表1】
【0045】
図5は、本開示の様々な態様及び原理に係るSTACK制御フレームの一実施形態を示す図であり、図6は、本開示の様々な態様及び原理に係るBAT制御フレームの一実施形態を示す図である。図5及び図6に見られるように、STACK制御フレーム及びBAT制御フレームには、TACK制御フレームと同様の情報が含まれる。そのようなものとして、様々な実施形態において、APとTWTスケジュールを設定していないSTAの実施形態においてNext TWTフィールドにより生じるオーバーヘッドを減らすために、図4Bに示されるFCフィールドを変更したものをSTACKフレーム及びBATフレームに用いてよい。
【0046】
一実施形態は、送受信機を有する装置として実施されてよい。該送受信機は、制御フレームを含む第1のデータユニットをデバイスに送信して、無線ネットワークにおいて該装置を該デバイスに関連付けるように構成される。また、一実施形態は、本明細書に記載の方法を実行するように構成されるプロセッサ等のハードウェア機器として実施されてよい。
【0047】
別の実施形態は、本明細書に記載のシステム及び方法を実施するためのプログラムとして実施される。一部の実施形態は、完全にハードウェアの実施形態をとることができ、完全にソフトウェアの実施形態をとることもでき、或いはハードウェア要素とソフトウェア要素の両方を含む実施形態をとることもできる。一部の実施形態は、ソフトウェアとして実施されてよい。例えば、ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコード等として実施されてよい。
【0048】
更に、実施形態は、コンピュータが利用できる媒体又はコンピュータ可読の媒体からアクセス可能なコンピュータプログラム(又はマシンがアクセス可能なコンピュータプログラム)の形態をとることができる。コンピュータが利用できる媒体又はコンピュータ可読の媒体は、コンピュータ又は命令を実行する任意のシステムにより用いられるか、或いはコンピュータ又は命令を実行する任意のシステムに関連して用いられるプログラムコードを提供する。本記載の目的のために、コンピュータが利用できる媒体又はコンピュータ可読の媒体は、命令を実行するシステム、装置若しくはデバイスにより用いられるプログラム、又は命令を実行するシステム、装置若しくはデバイスに関連して用いられるプログラムを有し、格納し、通信し、伝搬し、又は伝送することができる任意の装置とすることができる。
【0049】
該媒体は、電子的、磁気的、光学的、電磁的、赤外線又は半導体のシステム(又は装置又はデバイス)とすることができる。コンピュータ可読の媒体の例としては、半導体すなわち固体のメモリ、磁気テープ、着脱式のコンピュータフロッピー(登録商標)ディスク、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read-Only Memory)、剛性磁気ディスク、光ディスク等がある。現在、光ディスクの例としては、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、CD−RW(Compact Disk-Read/Write)、DVD等がある。
【0050】
プログラムコードを格納及び/又は実行するデータ処理システムは、少なくとも1つのプロセッサを有するものである。該少なくとも1つのプロセッサプロセッサは、システムバスを介して、直接又は間接にメモリ要素に接続される。メモリ要素には、プログラムコードを実際に実行する際に用いられるローカルメモリ、大容量記憶装置及び実行中に大容量記憶装置からコードを読み出す回数を減らす目的で少なくとも一部のプログラムコードを一時的に格納するキャッシュメモリが含まれ得る。
【0051】
上述の論理回路は、集積回路チップ設計の一部であってよい。チップ設計は、グラフィカルコンピュータプログラミング言語として作成され、コンピュータ記憶媒体(例えばディスク、テープ、物理的ハードドライブ、又はストレージアクセスネットワーク等に含まれる仮想ハードドライブ)に格納される。設計者は、チップやチップ作製に用いられるフォトリソグラフィーマスクを自身で作製しない場合、物理的手段よって(例えば該設計を格納する記憶媒体をコピーして)、又はコンピュータを用いて(例えばインターネットを介して)、結果として得られた設計を、直接的又は間接的にそのような実体へと送信する。そして、格納された設計は、作製に向けて適切な形式(例えばGDSII)に変換される。
【0052】
結果として得られる集積回路チップは、作製者により、むき出しのダイとして未加工のウエハ(すなわち、複数の未パッケージチップを有する単一のウエハ)の状態で流通することができ、或いは、パッケージされた状態で流通することもできる。パッケージされる場合、チップは、単一のチップパッケージ(例えばリードがマザーボードに装着されたプラスチックキャリアや、より高水準のキャリア)又はマルチチップパッケージ(例えば、表面配線と埋設配線のいずれか又は両方を有するセラミックキャリア)に取り付けられる。いずれの場合も、チップは(a)マザーボード等の中間製品か(b)最終製品のいずかの一部として、他のチップや個別の回路要素、他の信号処理デバイスと一体化される。
【0053】

以下の例により、本開示の様々な態様及び原理における、限定されない特徴及び特性を明らかにする。
【0054】
例1は、ターゲット復帰時間(Target Wake Time:TWT)スケジュールのない端末局(STA)がアクセスポイント(AP)変更の判定又はAPとの同期を行えるようにする方法である。該方法は、制御フレームのフレーム制御(Frame Control:FC)フィールドの1ビットを用いて、ネクストTWT(Next TWT)フィールドの有無を示すステップを含む。該Next TWTフィールドは、任意に該制御フレームに含まれる。該Next TWTフィールドは、該制御フレームの目的受信先に対する次回のターゲット復帰時間の値を含む。
【0055】
例2は、該制御フレームが、TACKフレーム、STACKフレーム及びBATフレームのうち1以上を含むS1G制御フレームである、例1の方法である。
【0056】
例3は、該FCフィールドの2ビットが、異なる制御フレームを示すのに用いられる、例1又は2の方法である。
【0057】
例4は、該FCフィールドの1つのサブタイプ値が、該フレームをS1G制御フレーム又はTGah制御フレームとして示すために用いられる、例1〜3のいずれか1つの方法である。
【0058】
例5は、ターゲット復帰時間(Target Wake Time:TWT)スケジュールのない端末局(STA)が、アクセスポイント(AP)の変更の判定又は該APとの同期を行えるようにするシステムである。該装置は、特定の値に設定されるビットを含むフレームを生成するように構成される媒体アクセス制御サブレイヤ論理モジュールを備える。該ビットの該値は、該装置が、制御フレームの目的受信先に対する次回のターゲット復帰時間の値を含む任意のネクストTWT(Next TWT)フィールドに対応するかを示す。また、該装置は、該制御フレームを含む第1のデータユニットをデバイスに送信して、無線ネットワークにおいて該装置を該デバイスと接続するように構成される送受信機を備える。
【0059】
例6は、該制御フレームが、該Next TWTフィールドの有無を示すビットを含むフレーム制御ビットを有する、例5のシステムである。
【0060】
例7は、該制御フレームが、TACKフレーム、STACKフレーム及びBATフレームのうち1以上を含むS1G制御フレームである、例5又は6のシステムである。
【0061】
例8は、該FCフィールドの2ビットが、異なる制御フレームを示すのに用いられる、例5〜7のうちいずれか1つのシステムである。
【0062】
例9は、該FCフィールドの1つのサブタイプ値が、該フレームをS1G制御フレーム又はTGah制御フレームとして示すのに用いられる、例5〜8のうちいずれか1つのシステムである。
【0063】
例10は、コンピュータ可読媒体を備えるコンピュータプログラムである。該コンピュータ可読媒体は、例1〜4のうちいずれか1つの方法を実行するように構成されるコンピュータプログラム論理を記録する。
【0064】
例11は、物理的に具現化されるコンピュータ可読コードを備えるコンピュータ可読媒体である。該コンピュータ可読コードは、プロセッサにより実行されると、該プロセッサに例1〜4のいずれか1つの方法を実行させる。
【0065】
例12は、例1〜4のいずれか1つの方法を実行する手段を備える電子デバイスである。
【0066】
例13は、プロセッサを備える電子デバイスであって、メモリと接続され、例1〜4のいずれか1つの方法を実行するための命令を実行する、電子デバイスである。
【0067】
例14は、例1〜4のいずれか1つの方法を実行する手段を備えるシステムである
例15は、少なくとも1つの電子デバイスを備えるシステムであって、前記電子デバイスは、メモリと接続され、例1〜4のいずれか1つの方法を実行するための命令を実行する、システムである。
【0068】
例16は、該FCフィールドの2ビットが、異なる制御フレームを示すのに用いられる、例1の方法である。
【0069】
例17は、該FCフィールドの1つのサブタイプ値が、該フレームをS1G制御フレーム又はTGah制御フレームとして示すのに用いられる、例1の方法である。
【0070】
例18は、該制御フレームが、TACKフレーム、STACKフレーム及びBATフレームのうち1以上を含むS1G制御フレームである、例5のシステムである。
【0071】
例19は、該FCフィールドの2ビットが、異なる制御フレームを示すのに用いられる、例5のシステムである。
【0072】
例20は、該FCフィールドの1つのサブタイプ値が、該フレームをS1G制御フレーム又はTGah制御フレームとして示すのに用いられる、例5のシステムである。
【0073】
例21は、コンピュータ可読媒体を備えるコンピュータプログラムである。該コンピュータ可読媒体は、例1の方法を実行するように構成されるコンピュータプログラム論理を記録する。
【0074】
例22は、物理的に具現化されるコンピュータ可読コードを備えるコンピュータ可読媒体である。該コンピュータ可読コードは、プロセッサにより実行されると、該プロセッサに例1の方法を実行させる。
【0075】
例23は、例1の方法を実行する手段を備える電子デバイスである。
【0076】
例24は、プロセッサを備える電子デバイスである。該プロセッサは、メモリと接続され、例1の方法を実行するための命令を実行する。
【0077】
例25は、例1の方法を実行する手段を備えるシステムである。
【0078】
例26は、少なくとも1つの電子デバイスを含むシステムである。該電子デバイスはプロセッサを有し、該プロセッサは、メモリと接続され、例1〜4の方法を実行するための命令を実行する。
【0079】
例27は、実行されると例1の方法を実行するコンピュータ可読命令を含む、コンピュータ可読媒体である。
【0080】
例28は、実行されると例1〜4のうちいずれか1つの方法を実行するコンピュータ可読命令を含む、コンピュータ可読媒体である。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6