特許第5985762号(P5985762)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5985762
(24)【登録日】2016年8月12日
(45)【発行日】2016年9月6日
(54)【発明の名称】スチーム発生器
(51)【国際特許分類】
   F22B 1/28 20060101AFI20160823BHJP
   F22B 3/04 20060101ALI20160823BHJP
   F22B 37/38 20060101ALI20160823BHJP
   F22B 35/00 20060101ALI20160823BHJP
【FI】
   F22B1/28 Z
   F22B3/04
   F22B37/38 C
   F22B35/00 Z
   F22B1/28 B
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-546390(P2015-546390)
(86)(22)【出願日】2013年12月5日
(65)【公表番号】特表2016-505798(P2016-505798A)
(43)【公表日】2016年2月25日
(86)【国際出願番号】KR2013011224
(87)【国際公開番号】WO2014088345
(87)【国際公開日】20140612
【審査請求日】2015年6月3日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0140009
(32)【優先日】2012年12月5日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2013-0084326
(32)【優先日】2013年7月17日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】514170813
【氏名又は名称】コーウェイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115738
【弁理士】
【氏名又は名称】鷲頭 光宏
(74)【代理人】
【識別番号】100121681
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 和文
(74)【代理人】
【識別番号】100130982
【弁理士】
【氏名又は名称】黒瀬 泰之
(72)【発明者】
【氏名】パク ジ ノン
(72)【発明者】
【氏名】パク サン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム ヒョ スン
(72)【発明者】
【氏名】パク チャン ジュン
【審査官】 吉村 俊厚
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭62−128537(JP,U)
【文献】 特開2008−116092(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F22B 1/00 − 37/78
B01B 1/00 − 1/08
B01D 1/00 − 8/00
B05B 5/00 − 5/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水槽200と、
前記水槽200に連結されて水を加熱するヒータ部300と、
前記ヒータ部300に連結された噴射部500とを含み、
前記ヒータ部300により加熱された原水は前記ヒータ部300内で高温高圧状態であり、前記高温高圧状態の原水は前記噴射部500により外側に噴射されると同時に減圧によりスチームになり、
前記ヒータ部300は、
原水流入口312及び上部に配置される蒸気排出口313を含む中空のケース310と、
前記ケース310内の原水及び蒸気に対して熱を供給する加熱部材320とを含み、
前記加熱部材320は、前記原水流入口312から前記ケース310内に進入する前記原水に対して1次加熱し、前記1次加熱により相変化した蒸気に対して2次加熱により微粒子化することを特徴とする、
スチーム発生器1000。
【請求項2】
前記加熱部材320は、
前記ケース310内の原水に浸漬される水中加熱部321と、
前記原水の上側で相変化した蒸気上に配置される気中加熱部322とを含むことを特徴とする、
請求項に記載のスチーム発生器1000。
【請求項3】
前記ヒータ部300は、
前記水中加熱部321を囲むように配置される気泡分散部材330をさらに含むことを特徴とする、
請求項に記載のスチーム発生器1000。
【請求項4】
前記気泡分散部材330はコイル状であることを特徴とする、
請求項に記載のスチーム発生器1000。
【請求項5】
前記ヒータ部300は、
前記ケース310内の温度を検知する温度検知センサ340と、
前記温度検知センサ340と前記水中加熱部321間に配置されるセンサ遮蔽部350とをさらに含むことを特徴とする、
請求項に記載のスチーム発生器1000。
【請求項6】
前記ヒータ部300は、
前記水中加熱部321の上側に前記ケース310の内壁に沿って配置される隔膜360をさらに含み、
前記隔膜360は、下部へ行くほど前記ケース310の内側に傾斜するように形成されることを特徴とする、
請求項に記載のスチーム発生器1000。
【請求項7】
前記温度検知センサ340は、
前記ケース310内部の温度をリアルタイムで測定し、前記ケース310内部の温度が予め設定された温度値より高くなると、前記加熱部材320の作動を停止させることを特徴とする、
請求項に記載のスチーム発生器1000。
【請求項8】
前記温度検知センサ340は、
前記ケース310内の測定温度により前記ケース310内の水位を検知することを特徴とする、
請求項に記載のスチーム発生器1000。
【請求項9】
前記スチーム発生器1000は、
前記ヒータ部300に連結される滞留槽400をさらに含み、
前記ヒータ部300内の前記高温高圧状態の原水は前記滞留槽400において減圧によりスチームになり、
前記スチームは、前記噴射部500により外側に噴射されることを特徴とする、
請求項1〜8のいずれかに記載のスチーム発生器1000。
【請求項10】
前記スチーム発生器1000は、
前記噴射部500の一側に備えられて前記噴射部500から吐出されるスチームの方向を転換する方向転換部520をさらに含むことを特徴とする、
請求項に記載のスチーム発生器1000。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、減圧方式を用いたスチーム発生器に関し、より詳しくは、加熱された原水にさらに熱を加えて高温高圧状態になるようにし、加熱過程において過熱領域が発生すると生じる突沸などの強いスチームを防止するために、供給される原水を二重に加熱する過程により安定して原水の霧化を行わせ、原水が相対的に低い圧力及び温度に露出すると減圧によりスチームが発生する原理を用いるスチーム発生器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スチームは、清掃、加湿、調理、美容管理などの様々な用途に用いられている。特に、スチームを皮膚に噴射することにより、毛穴の中の老廃物や老化した角質細胞などを除去することができる。よって、スチームを供給する装置は皮膚科やエステティックサロンだけでなく、家庭でも美容管理のために多く用いられている。
【0003】
従来のスチーム発生器は、一般に静電霧化方式を用いている。静電霧化方式を用いる場合、スチーム発生器は、水が貯蔵される貯蔵部と、前記貯蔵部に位置する放電電極及び対向電極とを含む。スチーム発生器は、放電電極に高電圧を印加して放電電極付近に位置する液体を霧化(atomization)する。前記霧化した液体を一般にスチームといい、これをユーザに供給する。
【0004】
このような静電霧化方式のスチーム発生器は、別途の電極を必要とするので、装置の小型化に限界がある。
【0005】
また、高電圧を印加して水を霧化する場合、スチーム発生器は、スチーム以外にオゾンを生成及び吐出する。オゾンの濃度が高いと人体に好ましくない影響を及ぼすことは多くの研究により公知となっており、装置の安全性及び信頼性が問題となっていた。
【0006】
このような静電霧化方式を用いるスチーム発生器は、別途にオゾン濃度を低下する装置を備える以外に方法がなく、よって装置が大型化して生産コストが増加していた。装置の消費電力が多くなるという問題もあった。
【0007】
よって、原水を加熱してスチームを発生させる方式を用いるようになったが、加熱方式のスチーム発生器は、ハウジング内部に流入する原水を加熱する過程において不安定な過熱領域が発生し、このような過熱領域の発生はハウジング内に存在する原水を上方に押し上げる作用をする。
【0008】
前述したように、ハウジング内部の側壁に沿って上昇する原水が高温に熱せられた側壁と接触する過程を通じて瞬間的に気化することにより、結果的にハウジング内部の圧力が急激に上昇して強いスチーム(突沸)をハウジング外部に放出する。
【0009】
一方、スチーム発生器を備えたスチームオーブンの安定した動作を可能にする方法を提示する文献として特許文献2が挙げられる。前記文献は、水位変化を安定して検知する水位センサ、それを有するスチーム発生器、及びそのスチーム発生器を有する調理装置を提供するものであり、スチーム発生に必要な水を貯蔵するスチーム容器に1つの電極棒を有する水位センサを設け、スケール発生に影響されることなく水位変化を安定して検知できるスチーム発生器に関して提案している。
【0010】
前記文献においては、スチーム発生器の水位センサを設けることにより安定した動作を可能にする方法を提案しているが、供給された原水の突然の気化や圧力上昇により生じる蒸気爆発を防止する方法については具体的に記載しておらず、前述した装置の安定性及び信頼性の問題は依然として残っているといえる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2011−67725号公報
【特許文献2】韓国公開特許第10−2008−0065134号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、減圧原理を用いて装置を小型化し、人体に無害なスチームを発生させるスチーム発生器を提供する。
【0013】
また、供給される原水の加熱過程において過熱領域が発生すると生じる強いスチームを防止するために、供給される原水及び蒸気を二重に加熱する過程により安定して噴霧化を行わせるスチーム発生器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、本発明によるスチーム発生器は、水槽200と、前記水槽200に連結されて水を加熱するヒータ部300と、前記ヒータ部300に連結された噴射部500とを含み、前記ヒータ部300により加熱された原水は前記ヒータ部300内で高温高圧状態であり、前記高温高圧状態の原水は前記噴射部500により外側に噴射されると同時に減圧によりスチームになることを特徴とする。
【0015】
前記ヒータ部300は、下部に配置される原水流入口312及び上部に配置される蒸気排出口313を含む中空のケース310と、ケース310内の原水及び蒸気に対して熱を供給する加熱部材320とを含み、前記加熱部材320は、前記原水流入口312から前記ケース310内に進入する前記原水に対して1次加熱し、前記1次加熱により相変化した蒸気に対して2次加熱により微粒子化することが好ましい。
【0016】
前記加熱部材320は、前記ケース310内の原水に浸漬される水中加熱部321と、前記原水の上側で相変化した蒸気相に配置される気中加熱部322とを含むことが好ましい。
【0017】
前記ヒータ部300は、前記水中加熱部321を囲むように配置される気泡分散部材330をさらに含むことが好ましい。
【0018】
前記気泡分散部材330はコイル状であることが好ましい。
【0019】
前記ヒータ部300は、前記ケース310内の温度を検知する温度検知センサ340と、前記温度検知センサ340と前記水中加熱部321間に配置されるセンサ遮蔽部350とをさらに含むことが好ましい。
【0020】
前記ヒータ部300は、前記水中加熱部321の上側に前記ケース310の内壁に沿って配置される隔膜360をさらに含み、前記隔膜360は、下部へ行くほど前記ケース310の内側に傾斜するように形成されることが好ましい。


【0021】
前記温度検知センサ340は、前記ケース310内部の温度をリアルタイムで測定し、前記ケース310内部の温度が予め設定された温度値より高くなると、前記加熱部材320の作動を停止させることが好ましい。
【0022】
前記温度検知センサ340は、前記ケース310内の測定温度により前記ケース310内の水位を検知することが好ましい。
【0023】
前記スチーム発生器1000は、前記ヒータ部300に連結される滞留槽400をさらに含み、前記ヒータ部300内の前記高温高圧状態の原水は前記滞留槽400において減圧によりスチームになり、前記スチームは、前記噴射部500により外側に噴射されることが好ましい。
【0024】
前記スチーム発生器1000は、前記噴射部500の一側に備えられて前記噴射部500から吐出されるスチームの方向を転換する方向転換部520をさらに含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、別途の電気印加装置を備えることなくスチームを生成することができ、オゾンが発生しないので人体に無害なスチームを発生させることができ、ハウジング内に配置された加熱部材を用いて、供給される原水を直接加熱して1次的に相変化した蒸気をさらに2次的に加熱して蒸気粒子を微粒化する過程により、豊富な霧化スチームを発生させ、結果として凝結水吐出を抑制することができる。
【0026】
また、本発明は、加熱部材と供給原水間の表面過熱度やハウジング内に形成された過熱領域などにより発生し得る急沸騰及びそれによるハウジング内の蒸気爆発現象を抑制するために、気泡分散部材を加熱部材に取り付けて用いることにより、蒸気の急激な膨張を防止することができる。
【0027】
さらに、オゾン除去装置や電気印加装置などが必要ないので、装置の小型化及び生産コストの低減が実現され、家庭においてもスチーム発生器の購入や使用が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の実施形態によるスチーム発生器の斜視図である。
図2】本発明の実施形態によるスチーム発生器の分解斜視図である。
図3】本発明の実施形態によるスチーム発生器の構成要素の1つであるヒータ部の斜視図である。
図4図3をC方向から見た切開斜視図である。
図5図3のA−A線断面図である。
図6図3のB−B線断面図である。
図7】水の相平衡図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明のスチーム発生器1000を構成する構成要素は、必要に応じて一体型で用いることもでき、それぞれ分離して用いることもできる。また、使用形態によっては一部構成要素を省略して用いることもできる。
【0030】
本発明によるスチーム発生器1000の好ましい実施形態について、添付図面を参照して説明する。その過程で、図面に示す線の太さや構成要素の大きさなどは、説明の明瞭性と便宜を考慮して誇張して示すこともある。また、後述する用語は本発明における機能を考慮して定義した用語であるが、それらはユーザ、運用者の意図や慣例によって異なることもある。よって、それらの用語に対する定義は、本明細書全般にわたる内容に基づいてなされるべきである。
【0031】
1.スチーム発生器1000の構成要素の説明
以下、図1図6を参照して、本発明の一実施形態によるスチーム発生器1000の構成要素について説明する。
【0032】
スチーム発生器1000は、図1に示すように、ハウジング100、水槽200、ヒータ部300、滞留槽400、噴射部500などを含み、スチームを供給する。スチームは様々な分野で用いられるが、本発明の一態様によれば、ユーザの美容管理のために用いられる。
【0033】
ハウジング100は、スチーム発生器1000の外側ケースであり、ハウジング100の内側にはスチーム発生器1000の構成要素が位置する。
【0034】
水槽200は、ハウジング100の内側に位置し、ユーザが供給する水を貯蔵する。ユーザは水槽200に直接水を供給することができ、発明の実施形態によってはユーザが水を供給できるように別途のタンクを備えてもよい。
【0035】
以下、図3図6を参照して、本発明によるスチーム発生器1000の主要構成要素の1つであるヒータ部300について詳細に説明する。
【0036】
ヒータ部300は、中空のケース310と、ケース310内の原水及び蒸気に対して熱を供給する加熱部材320と、ケース310内の温度を検知する温度検知センサ340と、加熱部材320を囲むように配置される気泡分散部材330と、温度検知センサ340と加熱部材320間に配置されるセンサ遮蔽部350と、ケース310の内壁に沿って下部へ行くほどケース310の内側に傾斜するように配置される隔膜360とを含む。ケース310は、その下部に配置される原水流入口312と、その上部に配置される蒸気排出口313とを含む。
【0037】
加熱部材320は、ケース310内の原水に浸漬される水中加熱部321と、原水の上部で相変化した蒸気上に配置される気中加熱部322とを含む。
【0038】
加熱部材320は、一例としてケース310外部の熱供給源(図示せず)に連結された状態で電気的な方法で熱を発生する部材であってもよい。
【0039】
また、加熱部材320は、その形状が限定されるものではないが、図5に示すように、コ字状の加熱部材320を例に挙げて説明する。
【0040】
加熱部材320の気中加熱部322は、ケース310内部における原水の上部空間に配置される。気中加熱部322は、原水から蒸発したスチームに対して再び熱を供給する過程により、スチーム粒子をより緻密に調節する。
【0041】
すなわち、加熱部材320は、原水流入口312を介して水槽200からケース310内に進入する原水に対する1次加熱、及び前記1次加熱により相変化した蒸気を微粒子化する2次加熱を行う。
【0042】
加熱部材320の水中加熱部321は、原水に直接接触して熱を伝達する機能を有するものであり、特に気泡分散部材330が直接水中加熱部321を囲むように配置される。一例として、気泡分散部材330は、コイル状に形成され、水中加熱部321に巻き付くように結合される。
【0043】
このように、水中加熱部321に結合された気泡分散部材330は、水中加熱部321から熱が伝えられる原水から発生する気泡を分散させる。すなわち、原水が沸騰する過程で発生する気泡は、気泡分散部材330によりその大きさが調節されて小さくなる。
【0044】
温度検知センサ340は、ケース310内において水中加熱部321と気中加熱部322間に配置される。本発明においては、温度検知センサ340によりケース310内部の温度がリアルタイムで測定され、その測定された温度により原水の水位を検知する。具体的には、ケース310内で原水が基準以下の状態を維持する場合は、測定温度が予め設定された温度値を超えた状態であるので、このような場合は加熱部材320に供給される電力を遮断することにより作動を中止することができる。
【0045】
すなわち、温度検知センサ340は、原水の水位を検知する機能と、リアルタイム測定温度により非常に高い温度に達するとスチーム発生を中断する安全装置としての機能の2つの役割を果たす。
【0046】
センサ遮蔽部350は、温度検知センサ340と水中加熱部321間に配置される。ケース310内に流入した原水の加熱過程で発生する気泡が突然温度検知センサ340に向かうことにより温度測定結果に影響を与えることがあるので、センサ遮蔽部350が水中加熱部321の上部を遮蔽することによりそれを未然に防止する。
【0047】
隔膜360は、水中加熱部321の上側にケース310の内壁に沿って配置され、具体的には、下部へ行くほどケース310の内側に傾斜するように形成される。このような隔膜360の配置は、加熱部材320によりケース310内に過熱領域が形成されると発生する急沸騰によりケース310の内壁に沿って上昇する突然の蒸気流動を遮断する機能を有する。
【0048】
ヒータ部300は、ケース310内に配置される内部フレーム311をさらに含み、ケース310と内部フレーム311間には別途の断熱部材(図示せず)が配置される。内部フレーム311はケース310の内壁に固定され、内部フレーム311には隔膜360及び原水流入口312が固定される。
【0049】
前記断熱部材は、ケース310内の加熱された蒸気から外部への熱伝達を最小限に抑え、それにより加熱部材320の熱効率を最大化する。
【0050】
滞留槽400はヒータ部300に連結されており、ヒータ部300で加熱された高温高圧状態の原水が蒸気排出口313から排出され、連結流路を介して滞留槽400に流入する。高温高圧状態の加熱された水が滞留槽400に流入すると、低下した周囲の気圧及び温度によりスチームに変換される。これについては、後述する動作説明においてより詳細に説明する。
【0051】
また、発明の実施形態によっては滞留槽400を省略することもでき、その場合はヒータ部300が噴射部500に連結される。
【0052】
噴射部500は、発生したスチームをスチーム発生器1000の外側に噴射するが、そのためにいかなる方式を用いてもよい。ユーザにスチームを効果的に供給するために、噴射部500はハウジング100の外側に位置することが好ましく、発明の一態様においては、図1に示すように、ハウジング100の上方に位置する。
【0053】
また、図2に示すように、噴射部500は、供給ホース152に連結されることによりスチームが供給され、噴射部500の一側に備えられる方向転換部520の操作によりスチームが吐出される方向を転換することができる。
【0054】
2.スチーム発生器1000の動作説明
以下、本発明によるスチーム発生器1000の動作について説明する。
【0055】
まず、ユーザは、水槽200に水を入れるか、または別途のタンクからスチーム発生器1000に原水を供給する。このように供給された原水は、水槽200に連結された流路を介して原水流入口312からヒータ部300に流入する。
【0056】
また、温度検知センサ340によりケース310内部の原水供給状態をチェックする。
【0057】
ここで、ヒータ部300に流入する原水の量は、ヒータ部300が加える熱をどれほど吸収するかに関連している。これは、ヒータ部300に流入した原水が高温高圧状態に変わる際の重要変数の1つである。よって、ヒータ部300には適切な所定の原水が流入し、それを加熱することが好ましい。
【0058】
また、ヒータ部300が含む加熱部材320は、発明の一態様において、コ字状であってもよい。
【0059】
この場合、原水はコ字状の加熱部材320の下側にのみ満たされることが好ましく、より詳細には、原水はコ字状の加熱部材の下側の一部にのみ満たされる。
【0060】
すなわち、下側の水中加熱部321のみが原水に浸漬されるように、流入する原水の量が調節される。図5及び図6に示すように、一例として温度検知センサ340の下端部に設定されるa線を原水の基準水位に設定することができる。
【0061】
その後、ケース310内の原水の水位が基準水位に達すると、加熱部材320に電力を供給して水中加熱部321による1次加熱を行う。流入した原水が100℃を越えてもさらに加熱するが、このとき前記原水は高温高圧状態となる。図7に示すように、流入した原水は状態Aから状態Bになり、このように高温高圧状態の原水は、コ字状のヒータの上側、すなわち気中加熱部322側に満たされる。
【0062】
次に、気中加熱部322により2次加熱が行われるが、このとき1次加熱により加熱された高温高圧の原水において微粒子化現象が発生する。
【0063】
加熱部材320による加熱過程において、センサ遮蔽部350が温度検知センサ340の正確な測定を可能にすると共に、隔膜360が突然の原水の温度上昇により発生する強いスチームの突沸現象を防止する。
【0064】
次に、ヒータ部300内に貯蔵された前記高温高圧状態の原水は、蒸気排出口313から流出し、連結流路を介して滞留槽400に流動する。前記原水が滞留槽400に流入すると、滞留槽400の温度及び圧力はヒータ部300内の温度及び圧力に比べて著しく低いので、前記原水は減圧によりスチームを生成する。図7に示すように、高温高圧状態の原水(図7の状態B)が滞留槽400に流入することにより気化(図7の状態C)し、スチームを生成する。
【0065】
このように生成されたスチームは、滞留槽400に連結された供給流路を流動して噴射部500からスチーム発生器1000の外側に吐出される。このように吐出されるスチームは、方向転換部における調節によりユーザが要求する位置又は方向に吐出させることができる。
【0066】
また、発明の一実施形態においては、滞留槽400を備えることなく、ヒータ部300内の前記高温高圧状態の原水を噴射口に流動させることができる。噴射口に流動して吐出される前記原水は、大気圧に露出すると、前述したようにスチームを生成する。装置の使用後は、水槽200又は噴射口に連結されたドレインバルブ600を介して残留する原水を吐出することができ、図2に示すように、ドレインバルブボタン610を用いることができる。
【0067】
前述した減圧方式を用いるスチーム発生器1000は、別途の電極やオゾン低下装置などを必要としないので、装置を小型化することができ、人体に無害なスチームを発生させることができる。
【0068】
また、流体直接加熱方式により入手した原水から1次的に相変化した蒸気をさらに2次的に加熱して蒸気粒子をさらに小さくする過程により、豊富な霧化スチームを発生させ、結果として凝結水吐出を抑制することができる。
【0069】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は前述した特定の実施形態に限定されるものではない。すなわち、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、請求の範囲の思想及びカテゴリーを逸脱することなく、本発明に対する多くの変更及び修正が可能であり、それらの適切な変更及び修正の均等物も全て本発明に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7