(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記商用系統周波数計測ステップにu−w間の商用系統電圧の周波数を計測する第1周波数計測ステップと、w−u間の商用系統電圧の周波数を計測する第2周波数計測ステップを備え、
前記単独運転検出ステップは、前記第1周波数計測ステップ及び前記第2周波数計測ステップで半サイクルずらせて計測されるそれぞれの商用系統周波数の現在値、1系統周期前からn系統周期前(n≧2)までの値に基づいて単独運転状態であるか否かを検出するように構成されている請求項5記載の単独運転検出方法。
【背景技術】
【0002】
太陽電池や燃料電池等の分散型電源は、商用系統電源に連系させて使用するために、周波数や電圧を電力系統に適合するように交流電力に変換するパワーコンディショナを備えている。
【0003】
パワーコンディショナは、分散型電源で生成された直流電圧を所定の直流電圧値に調整するDC/DCコンバータと、DC/DCコンバータから出力される直流電力を交流電力に変換するインバータと、インバータの出力から高周波成分を除去するLCフィルタ等を備えている。
【0004】
分散型電源が系統連系運転を行なっている配電線に地絡または短絡事故が発生し、或いは計画停電等によって変電所から配電線への電力の送電が停止した状態、即ち単独運転状態に至った場合には、区分開閉器の動作への影響防止及び配電線の作業の安全性を確保するために、当該配電線から分散型電源を確実に解列させる必要がある。
【0005】
単独運転検出方式には受動的方式と能動的方式があり、何れか一方または双方がパワーコンディショナに採用されている。
【0006】
受動的方式とは単独運転移行時の発電出力と負荷の不平衡による電圧位相や周波数等の急変を検出する方式で、電圧位相の急変を検出する電圧位相跳躍検出方式、変圧器の飽和現象に伴う第3次高調波を検出する3次高調波電圧歪急増検出方式等がある。
【0007】
能動的方式とはパワーコンディショナの制御系や外部に付加した抵抗等により常時電圧や周波数に変動を与えておき単独運転移行時に顕著になる変動を検出する方式で、出力電流位相に微小周波数変化による正帰還をかけることにより周波数異常を検出するスリップモード周波数シフト方式や、出力に周期的な無効電力変動を与え、単独運転移行後に発生する周波数変動を検出する無効電力変動方式等がある。
【0008】
能動的方式として、非特許文献1に示すように、日本電機工業会ではステップ注入付周波数フィードバック方式がJEM1498として規格化されている。
【0009】
特許文献1には、データ収集時間が短い場合に従来よりも高精度で単独運転を検出可能なパワーコンディショナを得ることを目的とするパワーコンディショナが提案されている。
【0010】
当該パワーコンディショナは、直流電力から交流電力に変換されて商用系統側に出力された電圧である系統電圧を検出するセンサと、前記センサが検出した前記系統電圧の正のゼロクロスを検出し、前記正のゼロクロスの検出間隔から前記系統電圧の第1の周期を検出する第1の周期取得手段と、前記センサが検出した前記系統電圧の負のゼロクロスを検出し、前記負のゼロクロスの検出間隔から前記系統電圧の第2の周期を検出する第2の周期取得手段と、前記第1の周期の情報および第2の周期の情報を検出順に取得し、複数の周期の情報を用いて前記系統の状態を評価して前記系統の異常を検出する系統評価手段と、を備えている。
【0011】
そして、前記系統評価手段は、連続して取得した系統の周期の変化の傾きを検出する傾き検出手段、を備え、前記傾き検出手段で検出した傾きが規定より大きい状態が所定時間継続した場合に前記系統の異常と判断するように構成されている。
【0012】
また、特許文献2には、従来、0.5〜1.0秒を要していた単独運転の発生から検出までの時間を、0.2秒以内に短縮することを目的としたる電力変換装置が提案されている。
【0013】
当該電力変換装置は、直流電力を交流電力に変換し、交流電力系統と連系して運転するインバータと、交流電力系統に無効電力を注入する無効電力注入手段と、注入された前記無効電力に起因する周波数変動を検出する周波数変動検出手段と、検出された前記周波数変動に基づき、前記インバータの単独運転を検出する単独運転判定手段とを備え、前記単独運転判定手段は、単独運転発生時に発生した周波数変動に応じた無効電力を注入し続けるとともに、その結果変動した周波数がある変動幅を超えた状態が一定時間継続したら単独運転状態であると判定するように構成されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかし、特許文献1に記載された系統評価手段を用いると、近似直線の傾きのみで単独運転状態か否かを判定しているために、商用系統周波数が一方向に次第に変化する場合には適切に単独運転状態を検出することができるが、商用系統周波数が過渡的に反対方向に変動する様な場合には検出に時間がかかるという問題や、商用系統電源の瞬時電圧低下等で周波数が急変するような場合に、単独運転状態であるとの誤検出(以下、「不要検出」と記す。)を招く虞があった。
【0017】
特許文献2に記載された単独運転判定手段を用いると、商用系統周波数の1周期毎に連続して無効電力を注入し、商用系統周波数がある変動幅を超えた状態が一定時間継続し続けた場合に単独運転状態と判定するため、少なくとも商用系統周波数の整数倍の単位でしか検知できなかった。
【0018】
本発明の目的は、上述した問題点に鑑み、多数台の分散型電源が系統連系運転され、単独運転状態が発生した場合に、商用系統電源と分散形電源との接続極性に関わらず、同時に且つ高速に単独運転を検知できる単独運転検出装置及び単独運転検出方法を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上述の目的を達成するため、本発明による単独運転検出装置の第一の特徴構成は、特許請求の範囲の書類の請求項1に記載した通り、商用系統電源と連系するインバータを備えた分散型電源の単独運転検出装置であって、商用系統電圧(e
uw)のゼロクロスタイミングに基づいて商用系統周波数を計測する商用系統周波数計測部と、前記商用系統周波数計測部で計測された商用系統周波数に基づいて得られる周波数偏差に応じて無効電力注入量を算出する無効電力注入量算出部と、商用系統電圧(e
uw)が入力され商用系統電圧(e
uw)の位相角度(θ
uw)に同期した基準系統電圧信号を生成する第1のPLL処理部と、逆潮流電流(i
sp)が入力され逆潮流電流(i
sp)の位相角度(θ
sp)に同期した基準逆潮流電流信号を生成する第2のPLL処理部とを備え、両信号の位相差(θ
uw−θ
sp)に基づいて帰還信号を生成する帰還信号生成部と、前記無効電力注入量算出部で算出された無効電力注入量に対応する無効電流指令値と前記帰還信号生成部で生成された帰還信号とに基づいて、前記インバータから前記無効電力注入量の無効電力が注入されるように前記インバータに対する出力電流指令値を帰還制御する無効電流制御部と、商用系統電圧(e
uw)の位相角度(θ
uw)が90N°±Δφ(Nは奇数、Δφ≦φ
th(閾値))の範囲にあるときに、前記無効電流指令値を更新し、前記インバータの出力電流が前記出力電流指令値に追従するための出力電流制御部と、前記無効電力注入量の無効電力が注入されたときの商用系統周波数に基づいて単独運転状態であるか否かを検出する単独運転検出部と、を備えている点にある。
【0020】
商用系統周波数計測部によって商用系統電圧(e
uw)のゼロクロスタイミングから商用系統周波数が計測され、その商用系統周波数に基づいて時系列的な周波数偏差が発生すると無効電力注入量算出部によってその周波数偏差に応じた無効電力注入量が算出される。また、帰還信号生成部では、第1のPLL処理部によって生成された商用系統電圧(e
uw)の位相角度(θ
uw)に同期した基準系統電圧信号と第2のPLL処理部によって生成された逆潮流電流(i
sp)の位相角度(θ
sp)に同期した基準逆潮流電流信号との位相差(θ
uw−θ
sp)に基づいて帰還信号が生成される。
【0021】
無効電流制御部は、インバータから当該無効電力注入量の無効電力が適正に注入されるように、当該無効電力注入量に対応する無効電流指令値と帰還信号生成部で生成された帰還信号とに基づいてインバータの出力電流指令値を帰還制御するとともに、インバータ制御部は、商用系統電圧(e
uw)の位相角度(θ
uw)が90N°±Δφ(Nは奇数、Δφ≦φ
th(閾値))の範囲にあるときに無効電流指令値を更新し、インバータの出力電流が当該出力電流指令値に追従するための出力電流制御を行なう。そして、単独運転検出部は当該無効電力注入量の無効電力が注入されたときに、商用系統周波数に基づき、単独運転状態であるか否かを検出する。
【0022】
このように、無効電流制御部によってインバータの出力電流指令値が帰還制御され、インバータ制御部によって商用系統電圧(e
uw)の位相角度(θ
uw)が90N°±Δφ(Nは奇数、Δφ≦φ
th(閾値))の範囲にあるとき、つまり正弦波である商用系統電圧の絶対値がピークの近傍では、余弦波となる無効電力の値が略零となるので、仮に商用系統電圧が歪んだとしても、問題なく安定的に無効電力が注入されることができるようになる。
【0023】
その結果、商用系統電源に目標値である無効電力注入量の無効電力が正確且つ速やかに注入されて、無効電力注入に対する良好な応答性が確保でき、不要検出のための複雑なアルゴリズムを駆使しなくても、不要検出することがなく速やかに単独運転状態であるか否かを検出することができるようになる。
【0024】
同第二の特徴構成は、同請求項2に記載した通り、上述の第一の特徴構成に加えて、前記商用系統周波数計測部にu−w間の商用系統電圧の周波数を計測する第1周波数計測部と、w−u間の商用系統電圧の周波数を計測する第2周波数計測部を備え、前記単独運転検出部は、前記第1周波数計測部及び前記第2周波数計測部で半サイクルずらせて計測されるそれぞれの商用系統周波数の現在値、1系統周期前の値からn系統周期前(n≧2)までの値に基づいて単独運転状態であるか否かを検出するように構成されている点にある。
【0025】
第1周波数計測部によってu−w間の商用系統電圧の周波数が計測され、第2周波数計測部によってw−u間の商用系統電圧の周波数が計測される。商用系統周波数の前半の半周期と後半の半周期で時間が異なるような場合であっても、半周期毎に商用系統周波数の変化が検出でき、従って半周期単位で単独運転状態か否かを判定できるようになる。
【0026】
また、商用系統電源に多数台の分散型電源が系統連系運転されている場合に、商用系統電圧のw−u間に逆極性で接続された分散型電源であっても、他の分散型電源とほぼ同時に単独運転状態か否かを判定することが可能になる。
【0027】
同第三の特徴構成は、同請求項3に記載した通り、上述の第二の特徴構成に加えて、商用系統電源と系統連系運転可能に複数台接続される各分散型電源に組み込まれ、前記単独運転検出部は、単独運転状態が発生した場合に、商用系統電源との接続極性に
関わらず単独運転を検知可能にnの値が設定されている点にある。
【0028】
同第四の特徴構成は、同請求項4に記載した通り、上述の第一から第三の何れかの特徴構成に加えて、前記無効電力注入動作点と前記単独運転状態を検出する時間との
時間差は、0.25周期である点にある。
【0029】
本発明による単独運転検出方法の第一の特徴構成は、同請求項5に記載した通り、商用系統電源と連系するインバータを備えた分散型電源の単独運転検出方法であって、商用系統電圧(e
uw)のゼロクロスタイミングに基づいて商用系統周波数を計測する商用系統周波数計測ステップと、前記商用系統周波数計測ステップで計測された商用系統周波数に基づいて得られる周波数偏差に応じて無効電力注入量を算出する無効電力注入量算出ステップと、商用系統電圧(e
uw)が入力され商用系統電圧(e
uw)の位相角度(θ
uw)に同期した基準系統電圧信号を生成する第1のPLL処理ステップと、逆潮流電流(i
sp)が入力され逆潮流電流(i
sp)の位相角度(θ
sp)に同期した基準逆潮流電流信号を生成する第2のPLL処理ステップとを備え、両信号の位相差(θ
uw−θ
sp)に基づいて帰還信号を生成する帰還信号生成ステップと、前記無効電力注入量算出ステップで算出された無効電力注入量に対応する無効電流指令値と前記帰還信号生成ステップで生成された帰還信号とに基づいて、前記インバータから前記無効電力注入量の無効電力が注入されるように前記インバータに対する出力電流指令値を帰還制御する無効電流制御ステップと、前記インバータの出力電流値が前記出力電流指令値になるように前記インバータを制御するインバータ制御ステップと、商用系統電圧(e
uw)の位相角度(θ
uw)が90N°±Δφ(Nは奇数、Δφ≦φ
th(閾値))の範囲にあるときに、前記無効電流指令値を更新し、前記インバータの出力電流が前記出力電流指令値に追従するための出力電流制御ステップと、前記無効電力注入量の無効電力が注入されたときの商用系統周波数に基づいて単独運転状態であるか否かを検出する単独運転検出ステップと、を備えている点にある。
【0030】
同第二の特徴構成は、同請求項6に記載した通り、上述の第一特徴構成に加えて、前記商用系統周波数計測ステップにu−w間の商用系統電圧の周波数を計測する第1周波数計測ステップと、w−u間の商用系統電圧の周波数を計測する第2周波数計測ステップを備え、前記単独運転検出ステップは、前記第1周波数計測ステップ及び前記第2周波数計測ステップで半サイクルずらせて計測されるそれぞれの商用系統周波数の現在値、1系統周期前からn系統周期前(n≧2)までの値に基づいて単独運転状態であるか否かを検出するように構成されている点にある。
【0031】
本発明による単独運転検出装置の第五の特徴構成は、同請求項7に記載した通り、上述した第一の特徴構成を備えた単独運転検出装置に、上述した第二の特徴構成を備えた単独運転検出方法を実行することにより、商用系統周波数の半周期単位で単独運転状態を判定可能に構成されている点にある。
【発明の効果】
【0032】
以上説明した通り、本発明によれば、多数台の分散型電源が系統連系運転され、単独運転状態が発生した場合に、商用系統電源と分散形電源との接続極性に関わらず、同時に且つ高速に単独運転を検知できる単独運転検出装置及び単独運転検出方法を提供することができるようになった。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明による単独運転検出装置及び単独運転検出方法を図面に基づいて説明する。
図1には、分散型電源の一例である太陽電池発電装置100が示されている。太陽電池発電装置100は太陽電池パネルSPと太陽電池パネルSPが接続されたパワーコンディショナPCを備えて構成され、系統連系リレーS
gridを介して商用系統電源e
gridに接続されている。尚、本発明はパワーコンディショナPCに接続される発電装置が太陽電池パネルSPに限定されるものではなく、燃料電池等の他の発電装置が接続される場合でも適用可能である。
【0035】
パワーコンディショナPCは、太陽電池パネルSPで発電された直流電圧を所定の直流リンク電圧V
dcに昇圧するDC/DCコンバータ1と、商用系統電源と連系運転するように所定の周波数及び電圧値の交流電圧に変換するインバータ3と、高調波成分を除去するインダクタL
invとコンデンサC
invとを備えたLCフィルタ4を備えている。
【0036】
インバータ3に備えたスイッチS1,S2,S3,S4は、単独運転検出装置10を含む制御ブロックによって商用系統電力に連系させるべく周波数や電圧を適合するようにPWM制御によってオン/オフされ、LCフィルタ4によってその出力から高調波成分が除去され、正弦波の交流電力として出力される。尚、図中、符号C
dcは直流リンク電圧の安定化用の電解コンデンサ、i
invはインバータの出力電流、L
gridは系統インピーダンス、e
uwはu−wの線間電圧、i
spは逆潮流電流、Z
Lは交流負荷を示す。
【0037】
図2には、マイクロコンピュータ、メモリ及び周辺回路等を備えて構成された単独運転検出装置10の機能ブロック構成が示されている。本実施形態では、単独運転検出装置10はステップ注入付周波数フィードバック方式に対応するとともに本発明による不要検出回避アルゴリズムを含む制御プログラム等に基づいて所期の単独運転検出方法が実行されるように構成されている。
【0038】
そして、
図2のF
activeが「1」に設定されるとステップ注入付周波数フィードバック方式による単独運転検出が実行され、F
active「0」に設定されると、ステップ注入付周波数フィードバック方式による単独運転検出がマスクされ、受動的単独運転検出方式による単独運転検出が実行されるように構成されている。
【0039】
単独運転検出装置10は、商用系統周波数計測部11(11A,11B)と、無効電力注入量算出部20,21と、第1のPLL処理部12と、第2のPLL処理部13と、帰還信号生成部14と、無効電流制御部15と、有効電力生成部18と、無効電力生成部16と、インバータ制御部19と、単独運転検出部24等を備えている。
【0040】
商用系統周波数計測部11Aは商用系統電圧e
uwのゼロクロスタイミングに基づいて商用系統周波数f
gridを計測するブロックであり、交流電圧を分圧する分圧回路と分圧信号を二値化する二値化回路とを含むゼロクロス検出回路を備えている。
【0041】
図3(a)に示すように、商用系統電圧e
uwを抵抗分圧した商用系統電圧波形(図中、破線で示されている。)を、電圧値ゼロを閾値として二値化回路で二値化することにより商用系統周波数に対応したデューティ比50%の方形波(図中、実線で示されている。)が得られる。
【0042】
方形波の立ち下りエッジと立ち上がりエッジとの中間値と、次の立ち下りエッジと立ち上がりエッジとの中間値との時間差を、2.5MHzのサンプリング周波数(0.4μs.の精度)でカウントすることにより商用系統電圧e
uwに対応する商用系統周波数f
gridが計測される。尚、サンプリング周波数は例示であり、この値に限定されることはない。
【0043】
無効電力注入量算出部は、周波数対応無効電力注入量算出部20とステップ無効電力注入量算出部21とを備えて構成されている。
【0044】
周波数対応無効電力注入量算出部20は商用系統周波数計測部11Aで計測された商用系統周波数f
gridに基づいて得られる周波数偏差Δf
gridに応じて無効電力注入量を算出するブロックで、ある時点の周波数偏差Δf
gridに応じて以後の周波数偏差が次第に大きくなるように無効電力注入量が定められた周波数偏差・無効電力注入量特性テーブルから無効電力注入量K
fvarを算出する。
【0045】
図3(c)に示すように、商用系統周波数f
gridは1周期毎に更新され、5ms.間隔で直近の40ms.間の移動平均が算出され、記憶部に記憶される。
図3(b)に示すように、直近の移動平均算出時から200ms.前の80ms.分の移動平均から直近の40ms.間の移動平均を減算することによって周波数偏差Δf
gridが算出される。
【0046】
図4(a)には周波数偏差・無効電力特性が示されている。周波数対応無効電力注入量算出部20は周波数偏差・無効電力特性に基づいて無効電力注入量K
fvarを算出し、周波数偏差Δf
gridの算出から商用系統周波数f
gridの半サイクル以内に算出した無効電力注入量K
fvarを注入する。
【0047】
当該周波数偏差・無効電力特性は、周波数偏差Δf
gridが±0.01Hz以内の低感帯領域と、±0.01Hzの範囲外の高感帯領域で傾きが異なる無効電力注入量K
fvarが規定されている。更に、周波数偏差を助長するために、正の方向に上昇であれば遅相無効電力を注入し、負の方向に低下であれば進相無効電力を注入するという仕組みである。
【0048】
ここで、
図3(b)で求めた周波数偏差Δf
gridと
図4(a)に示す注入無効電力の正負の符号は逆になる。このように定義する理由は、
図2に示す無効電流I
qがtan(θ
uw−θ
sp)から算出するためである。つまり、進み・遅れ位相の基準値は全て商用系統電圧の位相角度θ
uwになる。
【0049】
また、最大注入量K
fvarが規定され、周波数偏差Δf
gridが低感帯領域の1段目ゲインの傾きよりも高感帯領域の2段目ゲインの傾きが大きくなるように設定されている。最大注入量K
fvarは±0.25p.u.(per unit)に設定されている。尚、周波数偏差・無効電力特性は例示であり、この特性に限定されるものではない。
【0050】
ステップ無効電力注入量算出部21はある時点の周波数偏差Δf
gridに変動がなく基本波電圧E
uw及び/または高調波電圧THD
vが変動する場合に電流位相が一定方向で一定量の無効電力注入量K
stepを算出するブロックである。尚、本明細書では「周波数偏差に変動がない状態」とは変動が小さい状態、つまり上述の低感帯領域にある状態を含む概念で用いている。
【0051】
図4(b)に示すように、ステップ無効電力注入量算出部21は、周波数偏差Δf
gridが低感帯領域であるときに、高調波電圧変動が以下の全ての条件式を満たすと判断すると、それから半サイクル以内に、3サイクル以下の時間で上限を0.1p.u.(K
step=0.1)とする無効電力をパワーコンディショナPCから見て電流位相を遅らせる方向に、つまり周波数が低下する方向に注入する。
【0052】
THD
v(z)−THD
avr>2V
THD
v(z−1)−THD
avr>2V
THD
v(z−2)−THD
avr>−0.5V
│THD
v(z−3)−THD
avr(z)│<0.5V
│THD
v(z−4)−THD
avr(z)│<0.5V
│THD
v(z−5)−THD
avr(z)│<0.5V
【0053】
以下の数1に示すように、本実施形態では高調波電圧実効値THD
vとして2次から7次までの総合高調波電圧実効値が好ましい態様として採用されているが、さらに高次の高調波が含められていてもよい。尚、以下の説明では単に高調波電圧と表記する。また、数1のT
ADCはA/Dコンバータのサンプリング時間、nは高調波の次数である。
【数1】
【0054】
また、ステップ無効電力注入量算出部21は、周波数偏差Δf
gridが低感帯領域であるときに、基本波電圧変動が以下の全ての条件式を満たすと判断すると、それから半サイクル以内に、3サイクル以下の時間で上限を0.1p.u.(K
step=0.1)とする無効電力をパワーコンディショナPCから見て電流位相を遅らせる方向に、つまり周波数が低下する方向に注入する。
【0055】
E
uw.rms(z)−E
uw.rms.avr(z)>2.5V
E
uw.rms(z−1)−E
uw.rms.avr(z)>2.5V
E
uw.rms(z−2)−E
uw.rms.avr(z)>−0.5V
│E
uw.rms(z−3)−E
uw.rms.avr(z)│<0.5V
│E
uw.rms(z−4)−E
uw.rms.avr(z)│<0.5V
│E
uw.rms(z−5)−E
uw.rms.avr(z)│<0.5V
【0056】
第1のPLL処理部12は系統電圧e
uwが入力され系統電圧e
uwの位相角度θ
uwに同期した基準系統電圧信号を生成するブロックであり、第2のPLL処理部13は逆潮流電流i
spが入力され逆潮流電流i
spの位相角度θ
spに同期した基準逆潮流電流信号を生成するブロックである。
【0057】
本実施形態では、第1のPLL処理部12のゲインG1が第2のPLL処理部13のゲインG2よりも大きな値に設定されている。具体的にG2=0.5G1に設定されており、少なくともG2≦0.5G1の関係であることが好ましい。
【0058】
帰還信号生成部14は上述した第1のPLL処理部12及び第2のPLL処理部13を含み、両信号の位相差(θ
uw−θ
sp)を算出し、その値に基づいて帰還信号を生成するブロックである。
【0059】
無効電流制御部15は無効電力注入量算出部20,21で算出された無効電力注入量K
fvar,K
stepに対応する無効電流指令値I
*qと帰還信号生成部14で生成された帰還信号I
qとに基づいて、インバータ3から商用系統電源へ無効電力注入量に対応する無効電力が注入されるようにインバータ3に対する出力電流指令値i
*invを帰還制御するブロックである。即ち、無効電流制御部15は帰還信号I
qが無効電流指令値I
*qに収束するようにPID演算を行ない、その演算値を指令値として無効電力生成部16に出力する。
【0060】
数2に示すように、無効電流指令値I
*qは、基本波有効電力2Puwを基本波電圧の振幅値E
uw,max.1で除算した値に無効電力注入量K
fvar,K
stepを乗算した値である。
【数2】
【0061】
有効電力生成部18は直流電圧制御部17から出力されたバイアス直流電圧と商用系統電源に対応する位相角度θ
uwの正弦波とを乗算して有効電力成分を生成するブロックである。バイアス直流電圧はDC/DCコンバータ1から出力される直流リンク電圧V
dcを直流電圧の指令値V
*dcに調整して出力する直流電圧制御部17から入力され、商用系統電源に対応する位相角度θ
uwの正弦波は第1のPLL処理部12から入力される。
【0062】
無効電力生成部16は無効電流制御部15で帰還制御された指令値と、第1のPLL処理部12から入力される商用系統電源に対応する位相角度θ
uwの余弦波とを乗算して無効電力成分を生成するブロックである。
【0063】
有効電力生成部18及び無効電力生成部16からの出力が加算器で加算されてインバータ3に対する出力電流指令値i
*invが生成され、その出力電流指令値i
*invがインバータ制御部19に入力される。
【0064】
インバータ3の出力電流値i
invが帰還値として入力されたインバータ制御部19は、インバータ3の出力電流値が電流指令値i
*invになるように例えばPID演算等を用いて帰還制御し、インバータ3に対する制御値、ここではデューティ比Dを生成する。
【0065】
図5(a)に示すように、インバータ制御部19は、商用系統電圧(e
uw)の位相角度(θ
uw)が90N°±Δφ(Nは奇数、Δφ≦φ
th(閾値))の範囲にあるときに、無効電流指令値I
*qを更新し、インバータ3の出力電流指令値i
*invの無効成分を零付近から徐々に増加させて、インバータ3の出力電流が出力電流指令値i
*invに追従するように出力電流制御を行なう。
【0066】
商用系統電圧(e
uw)の絶対値がピークの近傍では、余弦波となる無効電力の値が略零となるので、波形歪が生じることなく安定的に無効電力が注入されるようになる。Δφの値はφ
th(閾値)以下であればよく、本実施形態では閾値φ
th=10°に設定され、Δφ=10°に設定されている。は閾値φ
thの値は、問題となるような波形歪の発生を回避可能な値に設定されていればよく、値φ
th=10±3°程度が好ましい。
【0067】
その結果、商用系統電源に目標値である無効電力注入量の無効電力が正確且つ速やかに注入されて、無効電力注入に対する良好な応答性が確保でき、不要検出のための複雑なアルゴリズムを駆使しなくても、不要検出することがなく速やかに単独運転状態であるか否かを検出することができるようになる。
【0068】
インバータ制御部19で生成されたデューティ比DはPWM制御部22に入力されて、PWM制御部22で各スイッチS1,S2,S3,S4に対する制御信号が生成され、バッファ回路23を介してインバータ3のスイッチS1,S2,S3,S4に出力される。
【0069】
単独運転検出部24は無効電力注入量の無効電力が注入されたときの商用系統電源の商用系統周波数に基づいて単独運転状態であるか否かを検出するブロックである。単独運転検出部24には、商用系統周波数計測部11Bで計測された商用系統周波数f
grid(f
a,f
b)が入力されている。
【0070】
一般的に商用系統電圧e
uwが正常(202±10V)である場合に商用系統周波数f
gridが急変すると単独運転状態であると正しく検出できるが、落雷等によって電力設備に故障が生じ、送配電網の電圧が瞬間的に低下するような現象が発生した場合に、瞬時電圧低下に伴う位相急変が発生する。
【0071】
図5(b)には、瞬時電圧低下時の波形の一例が示されている。商用系統電圧e
uwが位相角度90°の時に瞬時電圧低下が発生し、位相角度が最大+41°ずれた瞬間に商用系統周波数f
grid(z−4)に周波数低下が発現している。この周波数の大きな変動に起因し,近似直線の傾きのみで,単独運転状態か否かを判定すると不要検出する虞がある。
【0072】
しかし、瞬時電圧低下等に起因して位相が急変した場合には、その急変時に商用系統周波数f
gridが瞬間的に変動するが、その前後では安定しているのに対し、単独運転状態において,意図的に無効電力注入動作による商用系統周波数の変動が増大する傾向になる。
【0073】
図6(a),(b),(c)には商用系統周波数計測部11Bを実現するための複数の回路構成が示されている。
図6(a)では、
図2に示した商用系統周波数計測部11Aに備えたゼロクロス検出回路と、ゼロクロス検出回路から出力された方形波を反転させる反転回路110を備えて構成されている。
【0074】
商用系統周波数計測部11は、ゼロクロス検出回路から出力された方形波の立上りエッジ間の1周期を基準に商用系統電圧e
uwのu−w間の商用系統周波数f
aを計測する第1周波数計測部111と、反転回路11aから出力された方形波の立上りエッジ間の1周期を基準に商用系統電圧e
uwのw−u間の商用系統周波数f
bを計測する第2周波数計測部112を備えている。
【0075】
第1周波数計測部111で計測された商用系統周波数f
aに基づいて得られる周波数偏差Δf
gridが無効電力注入量算出部20に入力されて無効電力注入量が算出され、第1周波数計測部111で計測された商用系統周波数f
a及び半周期ずれて第2周波数計測部112で計測された商用系統周波数f
bが単独運転検知部24に入力されて単独運転状態か否かが判断される。
【0076】
図6(b)では、商用系統周波数計測部11Aに備えたゼロクロス検出回路から出力された方形波の立上りエッジ間の1周期を基準に商用系統電圧e
uwのu−w間の商用系統周波数f
aを計測する第1周波数計測部111と、商用系統電圧e
uwの分圧信号をAD変換して得られた波形データの符号を反転した波形データにPLL演算処理することにより半周期ずれた商用系統周波数f
bを求める第2周波数計測部112で構成されている。
【0077】
図6(c)では、商用系統電圧e
uwの分圧信号をAD変換して得られた波形データにPLL演算処理することにより商用系統周波数f
aを求める第1周波数計測部111と、商用系統電圧e
uwの分圧信号をAD変換して得られた波形データの符号を反転した波形データにPLL演算処理することにより半周期ずれた商用系統周波数f
bを求める第2周波数計測部112とで商用系統周波数計測部11Bが構成されている。第1周波数計測部111でPLL演算処理する演算ブロックは、第1のPLL処理部12を兼用することができる。
【0078】
単独運転検出部24の動作について詳述する。商用系統電圧e
uwが正常(202±10V)である場合に商用系統周波数f
a,f
bが急変したことを検知すると単独運転状態であると判定する。
【0079】
単独運転検出部24は、第1周波数計測部及び第2周波数計測部で半サイクルずらせて計測されるそれぞれの商用系統周波数f
a,f
bの少なくとも現在値、1系統周期前の値及び2系統周期前の値に基づいて単独運転状態であるか否かを検出するように構成されている。
【0080】
具体的には、以下の数3に示すように、(y−x+1)サイクル前のu−w間の商用系統周波数f
a及びw−u間の商用系統周波数f
bの平均値に対する現在値(z)、一つ前の値(z−1)からn個前の値(z−n)との偏差の積Δf
var(総合周波数変動値)が所定の閾値K以上であれば単独運転状態であり、閾値K未満であれば正常であると判断することができる。尚、本実施形態では、n=2に設定され、単独運転検出部による単独運転状態の検出に要する時間は、最速で3.5系統周期(n=2)となる。
【0081】
また、数式〔数3〕に示す判定手法を用いることにより、
図5(b)に示す瞬時電圧低下に伴う位相急変が発生した場合でも、不要検出を容易に回避することができる。つまり、瞬時電圧低下時において、商用系統周波数の偏差はnサイクル以上、閾値Kより大きくなる可能性が極めて低いためである。
【0082】
ここに、閾値Kは基本波周波数の4〜9%の範囲の値に設定することが好ましく、例えば商用系統周波数が50Hzであれば、Kは2.0〜4.5の範囲に設定することが好ましい。
【数3】
【0083】
尚、本実施形態では、
図7に示すように、xサイクル前のu−w間の商用系統電圧の周波数f
a及びw−u間の商用系統電圧の周波数f
bの平均値として、xサイクル前を基準にその前(y−x+1)サイクルの各商用系統周波数の平均値が採用されている。尚、本実施形態では、x=32、y=63に設定している。
【0084】
図8には、単独運転検出時の波形サンプルが示されている。JEM1498規格に基づいて、単独運転状態が発生すると3サイクル後にステップ注入動作が開始され、その後、周波数フィードバック注入動作が実行される。
【0085】
ここで、ステップ注入動作を開始してから商用系統電圧の半サイクル毎に更新された無効電流指令値に基づいて無効電流が注入され、半サイクル毎に商用系統周波数の変動状態がチェックされる。その結果、u−w間の商用系統電圧の周波数f
a及びw−u間の商用系統電圧の周波数f
bが低下し、無効電流注入後3.5サイクルで単独運転と検知されるようになる。また、最後の周波数フィードバック注入動作を実行してから、0.25サイクル後に単独運転状態が検出され、系統連系運転が停止されることを示している。
【0086】
図9(a),(b)には、単独運転発生後の商用系統周波数の代表的な変動特性が示されている。
図9(a)は無効電流の注入により商用系統周波数f
aが商用系統周波数の平均値f
a.avrより低下する特性が示され、
図9(b)は無効電流の注入により一度商用系統周波数f
aが一旦上昇し、その後、低下する特性が示されている。
【0087】
周波数フィードバック注入動作のアルゴリズムにより、周波数偏差量の変動により、無効電流の注入から遅れ方向の無効電流の注入に変更する場合もある。本発明では、半サイクル毎に無効電流の注入動作を実施することにより、商用系統電圧の位相(θ
uw)が180°を境にして前半部と後半部で時間が異なる非対称波形となるような場合に、
図9(b)の商用系統周波数の変化の傾向が見られる。但し、この場合においても、半周期毎に商用系統周波数の変化が検出でき、従って半周期単位で単独運転状態か否かを判定できるようになる。
【0088】
図10には、正規の極性で商用系統電源に接続されたパワーコンディショナPCS(1)と、工事中に誤って逆極性で商用系統電源に接続されたパワーコンディショナPCS(2)が示されている。
【0089】
この様に、商用系統電源に多数台の分散型電源が系統連系運転されている場合に、商用系統電圧のw−u間に逆極性で接続されたパワーコンディショナPCS(2)であっても、他のパワーコンディショナPCS(1)とほぼ同時に単独運転状態か否かを判定することが可能になる。
【0090】
上述した単独運転検出装置10によって、本発明による単独運転検出方法が実行される。
即ち、商用系統周波数計測部11によって商用系統電圧e
uwのゼロクロスタイミングに基づいて商用系統周波数を計測する系統周波数計測ステップが実行され、無効電力注入量算出部20,21によって商用系統周波数計測ステップで計測された商用系統周波数に基づいて得られる周波数偏差に応じて無効電力注入量を算出する無効電力注入量算出ステップが実行される。
【0091】
そして、第1のPLL処理部12で商用系統電圧e
uwが入力され商用系統電圧e
uwの位相角度(θ
uw)に同期した基準系統電圧信号を生成する第1のPLL処理ステップが実行され、第2のPLL処理部13で逆潮流電流i
spが入力され逆潮流電流i
spの位相角度θ
spに同期した基準逆潮流電流信号を生成する第2のPLL処理ステップが実行され、帰還信号生成部14で両信号の位相差(θ
uw−θ
sp)に基づいて帰還信号を生成する帰還信号生成ステップが実行される。
【0092】
さらに、無効電流制御部15によって、無効電力注入量算出ステップで算出された無効電力注入量に対応する無効電流指令値と前記帰還信号生成ステップで生成された帰還信号とに基づいて、インバータから無効電力注入量の無効電力が注入されるようにインバータに対する出力電流指令値を帰還制御する無効電流制御ステップが実行され、インバータの出力電流値が出力電流指令値に追従するための出力電流制御ステップが実行される。
【0093】
無効電流制御ステップでは、商用系統電圧(e
uw)の位相角度(θ
uw)が90N°±Δφ(Nは奇数、Δφ≦φ
th(閾値))の範囲にあるときに、無効電流指令値を更新し、インバータの出力電流値が出力電流指令値に追従するための出力電流制御を行ない、単独運転検出ステップでは、無効電力注入量の無効電力が注入されたときの商用系統周波数に基づいて単独運転状態であるか否かが検出される。
【0094】
当該商用系統周波数計測ステップにu−w間の商用系統電圧の周波数を計測する第1周波数計測ステップと、w−u間の商用系統電圧周波数を計測する第2周波数計測ステップを備え、単独運転検出ステップは、第1周波数計測ステップ及び第2周波数計測ステップで半サイクルずらせて計測されるそれぞれの商用系統周波数の現在値、1系統周期前の値からn系統周期前までの値に基づいて単独運転状態であるか否かを検出するように構成されている。
【0095】
上述の各実施形態は本発明による分散型電源の単独運転検出装置及び単独運転検出方法の一例に過ぎず、各構成ブロックの具体的な構成(ハードウェアやソフトウェア)や各種の数値等は本発明による作用効果が奏される範囲で適宜変更設計することも可能であることはいうまでもない。
【課題】多数台の分散型電源が系統連系運転され、単独運転状態が発生した場合に、商用系統電源と分散形電源との接続極性に関わらず、同時に且つ高速に単独運転を検知できる単独運転検出装置及び単独運転検出方法を提供する。
(閾値))の範囲にあるときに、無効電流指令値を更新し、インバータの出力電流が出力電流指令値に追従するための出力電流制御部と、u−w間の商用系統電圧の周波数を計測する第1周波数計測部と、w−u間の商用系統電圧の周波数を計測する第2周波数計測部を備え、単独運転検出部は、第1周波数計測部及び第2周波数計測部で半サイクルずらせて計測されるそれぞれの商用系統周波数の現在値、1系統周期前の値からn系統周期前(n≧2)までの値に基づいて単独運転状態であるか否かを検出する単独運転検出装置。