【実施例】
【0044】
次に、本発明の実施例及び比較例を示す。
【0045】
〔実施例1〕
実施例1では、紙ペレット68質量%と、ポリプロピレン樹脂群26.4質量%と、低密度ポリエチレン樹脂(宇部丸善ポリエチレン社製、商品名:L719)4.0質量%と、相溶化剤(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名:タフテックH1062)0.8質量%と、白色顔料(トーヨーカラー株式会社製、商品名:高濃度酸化チタンマスターバッチTET 1TA538 WHT−FD)0.8質量%とを原料とし、
図3に示す押出機10を用い、原料全量に対して3.0質量%の水を添加して発泡成形することにより、
図1に示す発泡体1を作成した。
【0046】
前記紙ペレットは、前記原料の全量に対し、平均粒径100μmの紙微粉末22.0質量%と、工業用デンプン46.0質量%とを含んでいる。ここで、前記紙ペレットの全量に占める前記紙微粉末の割合は32.4質量%であり、前記工業用デンプンの割合は67.6質量%である。
【0047】
また、前記ポリプロピレン樹脂群は、前記原料の全量に対し、発泡性ポリプロピレン樹脂(日本ポリプロ社製、商品名:ニューフォーマー)8.5質量%と、通常のポリプロピレン樹脂(日本ポリプロ社製、商品名:FY−6)17.9質量%とを含んでいる。
【0048】
また、前記白色顔料は、その全量の70質量%の酸化チタンと、30質量%の低密度ポリエチレン樹脂とからなる。
【0049】
この結果、本実施例1の発泡体1は、前記紙微粉末22質量%と、工業用デンプン46質量%と、ポリプロピレン樹脂群26.4質量%と、低密度ポリエチレン樹脂4.0質量%と、相溶化剤0.8質量%と、白色顔料0.8質量%とを含むものとなっている。
【0050】
次に、本実施例1で得られた発泡体1を、内寸法170mm×149mm×144mmのダンボール箱の内部六面に配設した保冷容器を作成し、該保冷容器内にドライアイス2kgを収容して、ドライアイスの残重量の経時変化を測定した。結果を
図4に示す。
【0051】
〔実施例2〕
本実施例2では、紙ペレット56.1質量%と、ポリプロピレン樹脂群28.5質量%と、低密度ポリエチレン樹脂(東ソー社製、商品名:ペトロセン221)14.6質量%と、相溶化剤(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名:タフテックH1062)0.8質量%とを原料とし、
図3に示す押出機10を用い、原料全量に対して3.0質量%の水を添加して発泡成形することにより、て
図1に示す発泡体1を作成した。
【0052】
前記紙ペレットは、前記原料の全量に対し、平均粒径100μmの紙微粉末18.2質量%と、工業用デンプン37.9質量%とを含んでいる。ここで、前記紙ペレットの全量に占める前記紙微粉末の割合は32.3質量%であり、前記工業用デンプンの割合は67.7質量%である。
【0053】
また、前記ポリプロピレン樹脂群は、前記原料の全量に対し、発泡性ポリプロピレン樹脂(日本ポリプロ社製、商品名:ニューフォーマー)8.5質量%と、通常のポリプロピレン樹脂(日本ポリプロ社製、商品名:VS700)20.0質量%とを含んでいる。
【0054】
この結果、本実施例の発泡体1は、前記紙微粉末18.2質量%と、工業用デンプン37.9質量%と、ポリプロピレン樹脂群28.5質量%と、低密度ポリエチレン樹脂14.6質量%と、相溶化剤0.8質量%と含むものとなっている。
【0055】
次に、実施例2で得られた発泡体1を、内寸法170mm×149mm×144mmのダンボール箱の内部六面に配設した保冷容器を作成し、該保冷容器内にドライアイス2kgを収容して、ドライアイスの残重量の経時変化を測定したところ、実施例1の発泡体1と同様の性能を得ることができた。
【0056】
〔実施例3〕
実施例3では、紙ペレット53.9質量%と、ポリプロピレン樹脂群30.5質量%と、低密度ポリエチレン樹脂(宇部丸善ポリエチレン社製、商品名:L719)14.0質量%と、相溶化剤(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名:タフテックH1062)0.8質量%と、白色顔料(トーヨーカラー株式会社製、商品名:高濃度酸化チタンマスターバッチTET 1TA538 WHT−FD)0.8質量%とを原料とし、
図3に示す押出機10を用い、原料全量に対して3.0質量%の水を添加して発泡成形することにより、
図1に示す発泡体1を作成した。
【0057】
前記紙ペレットは、前記原料の全量に対し、平均粒径100μmの紙微粉末17.5質量%と、工業用デンプン36.4質量%とを含んでいる。ここで、前記紙ペレットの全量に占める前記紙微粉末の割合は32.4質量%であり、前記工業用デンプンの割合は67.6質量%である。
【0058】
また、前記ポリプロピレン樹脂群は、前記原料の全量に対し、発泡性ポリプロピレン樹脂(日本ポリプロ社製、商品名:ニューフォーマー)10.5質量%と、通常のポリプロピレン樹脂(日本ポリプロ社製、商品名:FY−6)20.0質量%とを含んでいる。
【0059】
この結果、実施例3の発泡体1は、前記紙微粉末17.5質量%と、工業用デンプン36.4質量%と、ポリプロピレン樹脂群30.5質量%と、低密度ポリエチレン樹脂14.0質量%と、相溶化剤0.8質量%と、白色顔料0.8質量%とを含むものとなっている。
【0060】
次に、実施例3で得られた発泡体1を、内寸法170mm×149mm×144mmのダンボール箱の内部六面に配設した保冷容器を作成し、該保冷容器内にドライアイス2kgを収容して、ドライアイスの残重量の経時変化を測定したところ、実施例1の発泡体1と同様の性能を得ることができた。
【0061】
〔実施例4〕
実施例4では、紙ペレット54.4質量%と、ポリプロピレン樹脂群28.0質量%と、低密度ポリエチレン樹脂(宇部丸善ポリエチレン社製、商品名:L719)16.0質量%と、相溶化剤(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名:タフテックH1062)0.8質量%と、白色顔料(トーヨーカラー株式会社製、商品名:高濃度酸化チタンマスターバッチTET 1TA538 WHT−FD)0.8質量%とを原料とし、
図3に示す押出機10を用い、原料全量に対して3.0質量%の水を添加して発泡成形することにより、
図1に示す発泡体1を作成した。
【0062】
前記紙ペレットは、前記原料の全量に対し、平均粒径100μmの紙微粉末17.6質量%と、工業用デンプン36.8質量%とを含んでいる。ここで、前記紙ペレットの全量に占める前記紙微粉末の割合は32.4質量%であり、前記工業用デンプンの割合は67.6質量%である。
【0063】
また、前記ポリプロピレン樹脂群は、前記原料の全量に対し、発泡性ポリプロピレン樹脂(日本ポリプロ社製、商品名:ニューフォーマー)6.0質量%と、通常のポリプロピレン樹脂(日本ポリプロ社製、商品名:FY−6)22.0質量%とを含んでいる。
【0064】
この結果、実施例3の発泡体1は、前記紙微粉末17.6質量%と、工業用デンプン36.8質量%と、ポリプロピレン樹脂群28.0質量%と、低密度ポリエチレン樹脂16.0質量%と、相溶化剤0.8質量%と、白色顔料0.8質量%とを含むものとなっている。
【0065】
次に、実施例4で得られた発泡体1を、内寸法170mm×149mm×144mmのダンボール箱の内部六面に配設した保冷容器を作成し、該保冷容器内にドライアイス2kgを収容して、ドライアイスの残重量の経時変化を測定したところ、実施例1の発泡体1と同様の性能を得ることができた。
【0066】
〔比較例〕
本比較例では、特許文献1の実施品とされる市販の発泡体を用いた以外は、発泡体の寸法等を実施例1と同一条件にして、ドライアイスの残重量の経時変化を測定した。
【0067】
特許文献1によれば、粒径が約150〜80μmの紙粉末成分24重量%と澱粉成分36重量%、ポリプロピレン樹脂成分40重量%に、水を適宜供給して混練機で良く混練し、押出機に投入して発泡させたものとなっている。結果を
図4に示す。
【0068】
図4から、実施例1の発泡体1を用いた保冷容器では、測定開始から52時間15分後のドライアイスの残重量が0.39kgであったのに対し、比較例の市販の発泡体を用いた保冷容器では、0.19kgであった。従って、本実施例の保冷容器では、比較例の保冷容器に対して、2倍強のドライアイスが残存しており、本発明の発泡体1は優れた保冷性能を備えていることが明らかである。