(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
円筒形状をしたターボ機構風胴体(2)の風上側(24)先端に、従動風車(12)と一体化した発電機(13)と、電動・発電機(14)を設け、このターボ機構風胴体(2)の風下側(25)後端の気流吸い込み口(33)近傍に変速機(51)を設け、前記電動・発電機(14)の出力軸にはカップリング(15)を備え、またカップリング(15)の近傍に、円盤状の軸受け板(20)を設け、この軸受板(20)の風下側(25)面の外周縁が、ターボ機構風胴体(2)の内周面と接する基点に、円周状に気流を射出するための細隙導管を有する細隙孔(4)を角度付けて備え、この角度は、細隙導管から射出した気流がブースター風車風洞体(1)の排気口縁(22)方向に射出する構成をしたことを特徴とした、ターボファン機能付き風力発電装置。
前記発電機(13)で発電した電力及び電動・発電機(14)を駆動する電力及び電動・発電機(14)で回生発電した電力を蓄える蓄電池を、電源部(17)内に設け,この電源部(17)は前記ブースター風車風洞体(1)の外部に設け、また、一定の値を定めた風洞内気流(28)において、電動・発電機(14)をセカンド発電機として電源部に設けた蓄電池に充電し、更に、このブースター風車風洞体(1)内の流通気流状況を管理するために、風圧センサー・回転センサー・トルクセンサー等を備えた計測部(39)を、ターボ機構風胴体(2)に設けた発電機(13)の近傍に備え、そのセンサーで収集した情報を処理する手段に記憶・演算・信号処理機能及び電磁制御等を制御装置(16)内に備えたことを特徴とする請求項9項記載のいずれかのターボファン機能付き風力発電装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来のものは、円筒状の導風筒4の一端側に複数のブレード6を有する偏流体7を設け、導風筒4の他端側に複数のブレード9aを有する翼車9を設けたものであり、オープンタイプのプロペラ型風力発電機の翼車の直径と同一としても,従来のものに比して、はるかに効率がよく、翼車高速回転ができるというものである。然し乍ら、円筒状の導風筒4内で複数のブレード6を回転駆動して、その回転によって生じる運動エネルギーを発電機用翼車9の駆動エネルギーに利用する構成では、導風筒4の一端側に設けた複数のブレード6の駆動には、空気抵抗や気流の粘性による損失、また駆動系の摩擦損失等が存在するが、この発明では、導風筒4の内面、偏流体7翼車9、ハウジング10の外面は、空気との摩擦ができるだけ小さい材料からなるものとし、かつ凹凸が極力小となるように平滑に仕上げているとしている。しかし、導風筒4内を流通する通常の気流は空気抵抗や気流の粘性による損失が生じる、(極低温の液体ヘリウム以外に完全流体は存在しない)また、風車の回転によって取り出せる運動エネルギーは、風車単体の理論効率はベッツの限界法則では59,3%で、その他前記損失等から効率は40%程度と推定される、従って前記導風筒4の流入気流のみで複数のブレード6を設けた風車を回転駆動した場合、複数のブレード6の回転駆動に消費された残余のエネルギーで、発電機用翼車9を駆動することになり本構成では、これらの、エネルギーの消費・損失の補償手段を設けていないから実現性はなく、複数のブレード6を有する偏流体7を無くして風車9のみを利用したほうが期待できる。
【0009】
また特許文献2に示されている従来のものは、円筒状をなす円筒状の導風筒4における軸線上の前端部に、流入気流によって回転させられる従動ファン7とこの従動ファン7によって回転させられる吸い込ファン11を設け,かつ導風筒4の後端部に発電機17駆動用の駆動ファン12を設けたものであり、この特許文2の技術も上記特許文献1と同様に、従動ファン7と吸い込ファン11(従動ファン7も吸い込ファン11も呼び名が異なるが同じ性質である)の駆動にはエネルギーの消費や機構的な損失が伴いその補償手段が講じられていないものであり、実現性はなく発電用風車の翼車14のみを利用したほうが期待できる。
【0010】
また、特許文献3に示されている従来のものは、円筒状をなし、かつ前方拡開するラッパ状をなす導風筒4における軸線上に、外側縁が導風筒4の内面に近接する捩回板9を設け、かつ捩回板9の後方において、発電機駆動用の風車14を配設したものである。
然し乍ら、前方拡開するラッパ状をなす導風筒4内に設置した捩回板9を回転駆動した場合、前記捩回板9の回転作用によって導風筒4内筒に渦気流が形成され大きな渦流損失が生じる、また導風筒4の直径よりも捩回板9の方が長さが、長いために捩回板9の表翼面積が非常大きくなり、粘性のある気流の空気抵抗による損失が大になる、更に捩回板9側から、この捩回板9の負荷である発電機駆動用の風車14に流通する気流の伸縮作用により気流密度の変動が増し、捩回板9の回転が不規則になる。
以上のことから、前記導風筒4の「流入気流のみ」で捩回板9を回転駆動した場合、その捩回板9を回転駆動に要するエネルギーにほとんど消費され、その残余のエネルギーで発電機駆動用の翼車14を駆動することになり、これ等損失の補償手段が講じられていないから本構成では実現が期待できない。
【0011】
また、特許文献4に示されている従来のものは、風洞内に設けた調速風車14を駆使して風洞内流通気流20を制御しているが、これらの機構を駆動するエネルギーを、風洞体外周流通気流21によって回転するブースター風車11の回転トルク及び電動・発電機17のアシスト駆動に依存している、本発明は調速風車14を、廃止し、ターボ機構風胴体で構成するトルネード・アダプターによる渦流形成や大気圧の加勢を利用したターボ機構の手段によって風洞内気流28の加速や減速の流速制御を行う機能を備えたことで従来のものを凌駕する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決する手段としてこの発明は、ターボ機構風胴体をブースター風車風洞体内に設置する場合、ブースター風車を支える輻を、この輻の回転軸の軸線上を直角に、ボスとブースター風車間に連結した場合、ボスの直径を大きくすると、ブースター風車風胴体の排気口縁の排気開口面積が減少して発電機用の従動風車に係る背圧が増し、発電機の発電効率が悪くなる。
従って、前記ターボ機構風胴体のターボ気流吸い込み口の縁を、ブースター風車風洞体の排気口縁より突出した位置に設けることで、前記ボスの直径を大きくすることが可能となり、従ってそのボスに装着したトルネード・アダプターの直径も大きくし、またボス内に設けたターボ
ファンの受風面積を大きくすることによって、大量のターボ流通気流をターボ機構内筒に送風することができ、ターボ機構の機能が顕著に向上する。
【0013】
ターボ機構風胴体に設けているボスと、ブースター風車と一体化した円筒形内輪との間を、偏向翼状に形成した輻で連結する。その手段としてこの輻を、前記円筒形内輪よりボス方向に傾斜角度を付けて輻の基端側の植込ボルトを前記ボスに設けた装着螺子穴に装着する。またその輻は、その輻の回転によりブースター風車風洞体内の合成気流を排気口縁から排出する配役と、排気口縁から排出される風洞内合成気流を、偏向翼状に形成した輻の気流偏向手段によって渦巻き気流を形成する配役を兼ね備えた機構である。
【0014】
また、前記ブースター風車風洞体の風洞外周面及び排気口縁の面と、前記ブースター風車の円筒形内輪の内周面が「摺接しない間隙をあけて」回転自在に装着する、その装着手段は、前記ボスに装着された輻の先端側をボスより円筒形内輪方向に傾斜角度をつけて円筒形内輪に設けてある嵌合部材に装着して、ブースター風車風洞体とターボ機構風胴体を一体化した極めてシンプルな構造である。
【0015】
また、ボスに装着したトルネード・アダプターの回転作用によって、そのトルネード・アダプターに設けた偏向板が形成する渦巻流と、前記気流偏向の配役を担った輻の手段によって排出した渦巻き気流と双方が合成し、その相乗作用で渦巻き気流を増大形成してブースター風車風洞体内の圧力を下げ、風洞内気流を加速させて従動風車と一体化した発電機の発電効率を高める機能が有る。
【0016】
また、微風下における従動風車の自己起動を促進するには、アダプター内筒近傍から大気圧の加勢を得て流入する気流で回転するターボファンを、そのターボ
ファンの回転軸と共通の回転軸を有する電動・発電機がアシスト駆動し、その相互の回転エネルギーが相俟って、ターボファンの回転軸と、変速機を介して共通の回転軸を有するブースター風車を回転駆動し,この手段によって、ブースター風車風洞体の気流入り口近傍に浮遊する気流を強制的にブースター風車風洞体の気流入口に集め、更に、前記トルネード・アダプターの、アダプター内筒近傍を浮遊する気流を、ターボファンの回転手段によってターボ機構内筒へ送風し、その気流が円錐形加速筒の側面を流通する過程で加速し、その加速した流通気流を細隙孔に設けた細隙導管から射出して、この加速気流とブースター風車風洞体内の風洞内気流と合成し、トルネード・アダプターの気流偏向手段で渦巻き気流を形成し、ブースター風車風洞体内から排出する気流を加速させ、従動風車の背圧を下げ、従動風車の無負荷起動を容易に促進する機能がある。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、上記の構成により、次のような効果を有する装置を提供できる。
ターボ機構風胴体とブースター風車を一体化したことで、極めてシンプルな構成でありながら、ブースター風車風洞体内に設置された発電機と一体化した従動風車の背圧を下げる機能や、ブースター風車風洞体内の流通気流を加速及び減速させる機構を併有していて、これらを駆動する必要なエネルギーを、ターボファンが大気圧の加勢を得て回転するエネルギーやブースター風車風がブースター風車風洞体の外周を流れる気流によって回転して得たエネルギーを活用し、外部からの供給に頼らず機能を果たし、従来からの課題であった、弱風下における風力発電機の起動が困難な問題を、複雑な機械機構を設けることなく従動風車の起動促進が容易になり、また、ブースター風車風洞体の風洞内気流の頻繁な流速変化よる従動風車と一体化した発電機の出力電力の平滑化も可能で、置場所も取らず制作費も廉価で汎用性に富む風力発電装置を提供する。
【0018】
また、予め所定の値に設定した風速以上の強風時にはブースター風車の偏向翼と、このブースター風車と一体化した偏向翼状に形成した輻の回転手段によって回転
する回転軸と、この回転軸を共有する電動・発電機の電磁制御手段で回転する回転軸を固定する、更には、ターボ機構風胴体に設けた細隙孔をロータリーソレノイドの制御によって帯状リングで細隙孔を閉隙し、気流の射出を止め、
ターボファンの負荷を気流の圧縮ブレーキとしてターボファンの回転を抑圧し、ブースター風車の回転軸を固定すると共に、発電機と一体化した従動風車の回転を抑圧停止する機構が動作して強風の被害を食い止めることが可能となる。
【0019】
ブースター風車風洞体とターボ機構風胴体を一体化したことで小型化が可能となり、ビルの屋上や工事現場の仮設電源に使用でき、また防錆処理や防護網を取り付け漁船の集魚灯や停泊中のエネルギー備蓄用電源に応用も可能で、移設簡易型汎用電源として利用する用途が広がり、機構の要部を射出成型等で量産が進めば生産コストも安くなり,今後は広く一般家庭にも普及する効果がある。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下この発明の実施例について図面を基に説明をする。
【実施例1】
【0022】
屋外に設置される風力発電機は風のエネルギー密度に強く依存し、風力発電機の出力は発電機用風車の断面積に比例し、また、風速の3乗に比例することから本発明は、発電機(13)と一体化した従動風車(12)を駆動する流通気流を加速させる機構を図るもので、この実施例1は
図1及び
図3を示し説明をする。
【0023】
筒状をしたターボ機構風胴体(2)の風上側(24)先端に、従動風車(12)と一体化した発電機(13)と電動・発電機(14)を設け、前記電動・発電機の出力軸にはカップリング(15)を装着し、そのカップリング(3
図15)の近傍に、円盤状の軸受け板(3
図20)を設けて、その軸受け板の風下側(3
図25)の外周縁が、ターボ機構内筒(3
図18)の内周面と接する基点、即ち
図3の56、表示の位置に、円周状に気流を射出するための細隙導管を有する細隙孔(3
図4)を角度付けて設け、前記細隙孔の角度は、細隙孔に備えた細隙導管口から射出した加速気流(29)がブースター風車風洞体(1)の排気口縁(22)方向に射出する角度とする。
【実施例2】
【0024】
この実施例を、
図1、
図3を示し説明をする。
図3に示した円錐形状の加速筒(3
図3)で加速気流を得る手段として、
前記ターボ機構風胴体(3
図2)に設けた円盤状の軸受け板(3
図20)の外周縁
と、前記細隙孔(3
図4)との境界点からターボ機構内筒(3
図18)に設けたベアリングホルダーのフランジ部分(3
図19)までの間に、ターボ流通気流(3
図34)の断面積が前記フランジ部分(3
図19)から細隙孔(3
図4)に向かって次第に縮小した中空の円錐形状の加速筒(3
図3)を設ける。
【0025】
また、ターボ機構風胴体(2)の風下側(25)末端に設けた気流吸い込み口
(33)近傍を浮遊している気流を、吸込気流(31)として、ターボファン(6)
の回転手段と大気圧の加勢によってターボ機構内筒(18)に吸い込み、流入した
ターボ流通気流(3
図34)が、円錐形状の加速筒(3
図3)外周部を細隙孔
(3
図4)方向に流通する過程で気流速度を加速させ、その加速された気流を細隙孔(4)の細隙導管口から加速気流(29)とし射出し、この加速気流と、ブースター風車風洞体(1)内から排出される風洞内気流(28)と合流して風洞内合成気流(30)を形成し、その相乗効果を得て、ブースター風車風洞体(1)の排気口縁(22)から排出する。
【実施例3】
【0026】
この実施例を
図1、
図3、
図4を示し説明をする。
ターボ機構風胴体(2)の風下側(25)末端に設けた気流吸い込み口(3
図33)に、ボス(3
図5)を設け、このボスの基端側(4
図38)から末端側に向けて径を次第に小さくしたテーパー状の円錘体を形成し、このボス(4
図5)の外周面には放射状に複数個の輻(4
図11)を傾斜を付けて装着するための凹型螺子孔(4
図42)を備え、また前記ボスの基端側(4
図38)にはアダプター取り付け面と取り付け穴(4
図41)を設ける。
【0027】
更に、ボス(4
図5)は、このボスの基端側(4
図38)から末端側に向けてテーパー状に中刳り内筒(4
図55)を形成し、その中刳り内筒の末端側に変速機(3
図51)の内歯車の外周を抱持し、その内歯車と連動した
太陽歯車の軸芯部を回転軸(3
図7)が強圧入仕様で貫通し、その回転軸の先端にターボファン(3
図6)を設ける。前記ターボファン(6)を回転駆動することで、トルネード・アダプター(40)の開口近傍を浮遊している吸入気流(31)を容易に
吸い込むことを可能にして、大気圧の加勢によって加速された吸入気流(31)をターボ機構内筒(18)へ送風する。
【0028】
また、ボス(3
図5)のテーパー状の中刳り内筒(4
図55)内に設けたターボファン(3
図6)は、従動風車としての配役と送風ファンとしての配役を担い、従動風車としては、前記ボス(5)に着装されたアダブター内筒(3
図49)に流入する大気圧の加勢を得て回転し、このターボファンの回転するエネルギーと、ブースター風車(32)がブースター風車風洞体(1)の風洞体外周気流(26)によって回転するエネルギーと、その相互の回転エネルギーを相互に回転軸(7)に伝達し、この回転軸(7)と共有する電動・発電機(14)を駆動し、この電動・発電機をセカンド発電機としてブースター風車風洞筒体(1)の外部に設けた電源部(17)の蓄電池に回生充電をする。
【実施例4】
【0029】
ボス(2
図5)は、ブースター風車(2
図32)に設けられた円筒形内輪(2
図10)を支える輻(2
図11)を、回転軸(2
図7)を中心とする周方向に一定間隔をおいて複数個(この実施例2図では4個)を放射状にボスの基端側(3
図38)から末端方向に向って傾斜角を付けて(3
図52)、前記ボス(2
図5)と前記円筒形内輪(2
図10)間に嵌合部材(5
図35)を用いて連結する。
【0030】
また、公知の事実であるコアンダ効果を応用した偏向翼状に形成した輻(11)は、ブースター風車(2
図32)と一体化していて、そのブースター風車の回転と共に、前記輻も回転し、その回転手段によってブースター風車風洞体(1)内の風洞内合成気流(6
図30)を軸方向から周方向へ偏向形成して(6
図43)排出し、その作用によってブースター風車風洞体(1)内の圧力を下げ、トルネード・アダプター内筒(3
図49)の吸入気流(3
図31)の気圧よりも細隙孔(4)導管内の気圧を負圧にし、ターボ機構風胴体(2)の吸い込み口(3
図33)からの大気圧の加勢を得ることができる。
【実施例5】
【0031】
ボスの中刳り内筒(4
図55)に回転自在に設けたターボファン(4
図6)の回転軸(3
図7)は、ボス(3
図5)に抱持された変速機(3
図51)の
太陽歯車の軸芯穴を強圧入仕様で貫通し、ターボ機構風胴体(3
図2)に設けた電動・発電機(3
図14)の出力軸に備えたカップリング(3
図15)に連結する、そのカップリングに連結した回転軸(7)とブースター風車(32)を支えるボス(5)の回転軸(7)は変速機(3
図51)を介して共有している。従って、ターボファンの回転軸(7)と共通の回転軸(7)を有する電動・発電機及びブースター風車(32)並びにターボファン(6)は相互にアシスト駆動を共有する。
また、前記変速機(3
図51)は、内歯車・遊星歯車・太陽歯車・キャリアから構成された通常の遊星歯車であり、本機構ではターボ
ファン(6)を高速回転で駆動する配役と、ボス(5)と一体化したブースター風車(32)を低速で回転駆動する配役を担う。
【実施例6】
【0032】
図6に示した渦巻き気流生成の相乗効果を得る手段や、大気圧の加勢によって加速された吸入気流(31)を、ターボーファン(6)へ導く配役のトルネード・アダプター(40)は、
図4に示すように円筒外周輪(36)の周方向に一定間隔をおいて偏向板(37)を複数個(説明図では6枚)放射状に設け、ボス(5)の基側(38)のアダブター脱着ビス穴(41)に取り付けビスで装着する。
【0033】
また、トルネード・アダプター(40)のアダプター内筒(49)に、適宜に風車羽根を複数枚放射状に設け、この手段によってターボファン(6)の補助的役割を担う。
【0034】
また、ボス(5)に装着されたトルネード・アダプター(40)の回転を、電動・発電機(14)及びブースター風車(32)の相互の回転作用によって回転駆動し、トルネード・アダプターに設けた偏向板(4
図37)の回転手段によって、風洞内から排出される気流を軸方向から円周方向へ偏向し(6
図44)また、ブースター風車風洞体(1)の外周近傍を風上側(24)から風下側(25)へ軸方向に流れる風洞体外周気流(6
図26)をブースター風車に設けた偏向翼(6
図9)の手段により、軸方向(6
図27)から円周方向へ偏向(6
図50)し、前記風洞外排気気流(6
図44)と回転合成し、渦巻き気流の成形に相乗効果がある。
【実施例7】
【0035】
ターボ機構風胴体(3
図2)に設けた細隙孔(3
図4)を開閉する弁として、帯状のリング(3
図53)とロータリーソレノイド(3
図54)で構成し、その帯状のリングの外周面が、細隙内筒面(3
図56)を摺接移動し、前記細隙孔の面積を閉鎖から開鎖までをアナログ的に制御し、細隙孔(4)に設けた細隙導管から射出する加速気流(29)を制御する。
【0036】
また、ロータリーソレノイド(3
図54)の制御によって帯状リング(3
図53)が細隙孔(3
図4)の開孔面積を閉鎖から開鎖までをアナログ的に行い、ターボ機構風胴体(3
図2)の気流吸い込み口(3
図33)に設けたターボファン(3
図6)の回転負荷を可変してターボファン回転を制御する。
従ってターボファンの回転軸(7)と変速機(51)を介してブースター風車(32)の回転軸(7)が共有しているのでブースター風車(32)の回転制御ができる。
【0037】
また、ターボファン(6)の回転によって、ターボ機構風胴体の気流吸い込み口(33)から吸入する吸入気流(31)の流速よりも、細隙孔(4)の細隙導管から射出するときの流速のほうが速くするために、この細隙孔(4)の開口面積を、ベンチュリー効果を応用して予め定めた開口面積に適合するように、帯状リング(3
図53)をロータリーソレノイドで制御する。
【実施例8】
【0038】
前記ブースター風車風洞体(1)内に設けたターボ機構風胴体(2)の構成の要素として、このターボ機構風胴体の気流吸い込み口(33)にボス(5)やトルネード・アダブター(40)を設けることが必要で、このボスやトルネード・アダプターの直径の大,小が、風洞体内から排出される気流の密度に大きく影響する。
もし、上記条件を考慮せずにボスやトルネード・アダプターの直径を、前記ターボ機構風胴体の直径より大きくすれば、風洞体排気口縁(22)の排気有効面積が減少し、ブースター風車風洞体内に設けた従動風車(12)の背圧が増し,前記従動風車と一体化した発電機(13)の発電効率が悪くなる。
従って、前記課題を回避するために、ターボ機構風胴体(2)の気流吸い込み口
(33)の縁を、前記ブースター風車風洞体(1)の風洞排気口縁(22)より突出した位置に設けることで、ボス(5)やトルネード・アダプター(40)の直径をターボ機構風胴体(2)の直径よりも大きくすることが可能となり、前記風洞体排気口縁の排気有効面積の減少を防ぎ、ボス(5)に装着したトルネード・アダプター(40)の直径を大きくすることが可能となり、ターボファンの直径を大きくして機能を向上させ、ブースター風車風洞体(1)内に設けた発電機(13)の発電効率を高めることができる。
【実施例9】
【0039】
この実施例を、
図1及び
図5を示し説明をする。
このブースター風車風洞体は既に知られているが、本件申請人が発明したもので
〔特許文献4号参照〕この一部を本発明の機構部材として利用している。
従って、このブースター風車風洞体(1)と、本発明のターボ機構風胴体(2)を一体化する手段として、前記ターボ機構風胴体(2)の気流吸い込み口(33)縁を、前記ブースター風車風洞体(1)の排気口縁(22)より突出した位置に設けることが必要で、それに伴ってブースター風車(32)を支える回転軸(7)と、ターボ機構風胴体(2)に設けた回転軸(7)の相関連結が重要な要素となる。
【0040】
従って、ブースター風車風洞体(5
図1)の風洞体外周面(5
図48)及び排気口縁(5
図22)の面と、前記ブースター風車(32)の円筒形内輪の内周面
(5
図10)が「摺接しない間隙をあけて」(5
図46)回転自在に」連結する、
その法方は、前記ボス(5)に装着された輻(11)の先端側をボスより円筒形内輪方向に傾斜角度(5
図52)をつけて前記円筒形内輪に備えた嵌合部材(5
図35)に装着し、ブースター風車風洞体(1)とターボ機構風胴体(2)を
一体化したターボ機能付き風力発電機構である。
【0041】
前記嵌合部材(5
図35)は、円筒形内輪(10)からボス(5)に至る軸方に傾斜角度(5
図52)を付けて、円筒形内輪(5
図10)と輻(5
図11)を構成する取り付け具であり、この取り付け具に、前記輻(5
図11)の周方向の先端部を装着してターボ機構風胴体(2)とブースター風車風洞体(1)と一体化してターボ機能付き風力発電装置を構成する。
【0042】
ブースター風車風洞体(1)の流入口(21)近傍に設けた従動風車(12)は、
流入口(21)から流入する気流によって無負荷でスタート回転し、その従動風車が一定以上の回転数に達した時点又は、流入する気流の状況に基づいて判断し、従動風車(12)と発電機(13)を発電機内に設けた接続機構で接続して発電機を駆動する、その接続,非接続の切り替え機構は、発電機(13)の機構内に備え、その切り替え手段は、従動風車(12)と発電機(13)の機構内に回転センサー・トルクセンサー等を備え、その各センサーで収集した情報を処理する、その処理する手段として、記憶・演算・信号処理機能及び電磁制御等の機器を制御装置(16)内には備えていて、回転センサー・トルクセンサー等で時時刻刻と絶え間なく情報を検知して、其の数値を制御装置(16)へ送信して、その情報に基づいて処理された信号によって従動風車(12)と発電機(14)の接続,非接続の切り替えを行う。
【0043】
また、ブースター風車風洞体(1)内の流通気流の密度が少なく発電機用の従動風車(12)の自己起動が困難なときには、トルネード・アププター(40)のアダプター内筒(49)近傍から大気圧の加勢によって流入するターボ吸入気流(31)の手段によって回転するターボファン(6)と、このターボファンと共通の回転軸(7)を有する電動・発電機(14)を低電力運転方式でアシスト駆動し、共通の回転軸(7)を有するブースター風車(32)の回転をアシストして、強制的にブースター風車風洞体の気流入口(21)近傍に浮遊する風を集め従動風車(12)の自己起動を促進する。
【0044】
ブースター風車風洞体(1)の流入気流密度の変動が激しく所定発電に至らない時は、ターボ機構風洞体(3
図2)に設けた電動・発電機(14)をアシスト駆動してターボファン(3
図6)を送風機として駆動し、トルネード・アダブター内筒(49)近傍に浮遊する気流をターボ吸入気流(31)として気流吸い込み口(3
図33)からターボ流通気流(3
図34)へと送風する、この送風された前記ターボ流通気流は、円錐形状の加速筒(3
図3)の外周部分を細隙孔(3
図4)方向に流通する過程で気流速度を加速させ、ロータリーソレノイド(3
図54)の手段によって帯状リング(3
図53)が作用し、細隙孔(3
図4)の開口面積を制御して細隙導管口から加速気流(29)を射出し、風洞内気流(28)と合流し加速してブースター風車(32)に設けた輻(11)の回転駆動を助勢する。
【0045】
前記助勢を受けた輻(11)の回転によって、ブースター風車風洞体(1)内から排出される風洞内合成気流(30)を軸方向から周方向に偏向され(6
図43)、その偏向された周方向の速度成分(6
図45)と、ブースター風車風洞体(1)の風胴体外周気流(26)が、ブースター風車(32)に設けられた偏向翼(6
図9)の手段によって軸方向(6
図27)から円周方向(6
図50)に偏向され、その偏向された周方向の速度成分と相互が回転合成(6
図45)し、更に強い渦巻き気流を生成して風洞体内部(23)の圧力下げ、その作用により、アダプター内筒(3
図49)近傍の吸込気流(31)の圧力よりも細隙導管口から射出する加速気流(29)を負圧にし、更に、細隙導管外周面を風洞内気流(3
図28)が風胴体排気口縁(22)方向に流通する過程で細隙導管口にベンチュリー効果を生じ、前記負圧の加速気流(29)を更に負圧にし、相乗効果を得てターボ機構内筒(3
図18)を流通するターボ流通気流(3
図34)が加速し、細隙導管口(4)から射出する加速気流(29)の加速作用を繰り返し、益々風洞体内部(23)の圧力下げ、気流の正帰還特性の様態を構成し、風洞内気流(28)を加速させ発電機(13)の発電効率を高める機能がある。
【0046】
前記正帰還特性の様態に係わるターボフアンの回転駆動や偏向翼状に形成した輻
(11)の回転による空気抵抗や気流の粘性による過流損失、更に機械的摩擦による損失は、ターボファン(6)が大気圧の加勢を得て回転するエネルギーやブースター風車風(32)がブースター風車風洞体(1)の外周を流れる気流によって回転するエネルギーを活用し、更には一定の値を定めた風洞内気流(28)において電動・発電機(14)が発電機として発電したエネルギー等で賄い、外部から供給に頼らず損失を補填し、ベルヌーイの定理を満たす。
またこの場合、ブースター風車風(32)の円筒形外輪の内周直径(5
図8)は、ブースター風車風洞体(1)の内周(5
図1)直径の√2倍以上が望ましい。
【0047】
またブースター風車風洞体(1)周辺の気流密度が激しく変動する場合、
ロータリソレノイド(3
図54)の制御手段によって帯状リング(3
図53)が作動し、細隙孔(3
図4)の開孔面積を閉鎖から開鎖までアナログ的に行う、それに伴って細隙孔(3
図4)の細隙導管から射出する加速気流(29)の時間単位あたり流量も制御され、ターボファン(6)の負荷も気流の圧縮作用で可変し、トルクガバナーとして機能する、
更にそのターボファンの回転軸(7)と共通の回転軸(7)を有する電動・発電機
(14)の正転または逆転及び変速機のキャリアを固定またはフリーと電磁制御手段によって前記回転軸(7)の回転制御を行い風洞内気流(28)の頻繁な流速変化を平滑にする機能がある。
【0048】
また、予め所定の値に設定した風速以上の強風時には,ブースター風車(32)の偏向翼(9)と、このブースター風車と一体化した偏向翼状に形成した輻(11)の回転手段によって回転する回転軸 (7)と,この回転軸(7)を共有する電動・発電機の電磁制御手段で、電動・発電機の出力軸を固定する。
更には,ターボ機構風胴体に設けた気流を射出する細隙孔(4)をロータリーソレノイド(54)の制御によって帯状リング(53)を作動して閉隙し、ターボファン(6)の負荷を気流の圧縮作用で圧縮ブレーキとしてブースター風車(32)の回転を抑圧する、また従動風車(12)と一体化した発電機(13)の負荷を電気二重層コンデンサー等の低インピーダンスで短絡制動し、この手段で前記発電機の入力軸を電磁固定し強風の被害を食い止めることが可能となる。
【実施例10】
【0049】
この場合、
図1で示すように、風力発電装置の発電出力は風のエネルギー密度に強く依存するため、風の情報を発電装置に反映させることが必要不可欠であり、其の情報を収集する手段として風圧センサー・回転センサー・トルクセンサー等を備えた計測部
(51)を、ターボ機構風胴体(2)に設けた発電機(13)の近傍に備え、その各センサーで収集した情報を処理する手段として、記憶・演算・信号処理機能及び電磁制御等の機器を制御装置(16)内には備えていて、風速・風圧・回転・トルクセンサーで時時刻刻と絶え間なく情報を検知して、其の数値を制御装置(16)へ送信して、その情報に基づいて処理された信号によってブースター風車(32)の回転軸(7)と共通の回転軸(7)を有する電動・発電機(14)の回転を正転または逆転及び変速機のキャリアを固定またはフリーと電磁制御手段によって前記回転軸(7)の回転制御を行い、また細隙孔(4)の閉鎖または開鎖を帯状リング(53)をロータリーソレノイドの制御でアナログ的に行う機構を備える。
【0050】
また発電機(13)で発電した電力及び電動・発電機(14)の駆動用電力、または回生発電をした電力を蓄える蓄電池や電気二重層コンデンサ−を電源部 (17)内に設け、この電源部(17)は前記ブースター風車風洞体(1)の外部に設ける。また、電動・発電機(14)は、この電動・発電機の回転軸(7)を他のエネルギーによって回転駆動される場合はセカンド発電機としての配役と、前記回転軸(7)に係わる機構の駆動用電動機としての配役を担う。