(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
修飾化ポリペプチドが、スキャホールドタンパク質、シグナル伝達タンパク質、抗体、免疫グロブリン、イムノアドヘシン、受容体、リガンド、癌タンパク質、転写因子、酵素およびフィブロネクチンポリペプチドからなる群から選択される、請求項1−9のいずれか1項に記載の宿主細胞のライブラリー。
ディスプレイ分子の発現がAOX 1プロモーター、Cup 1プロモーターおよびGal 1プロモーターからなる群から選択される第1誘導プロモーターの制御下にある、請求項1−13のいずれか1項に記載の宿主細胞のライブラリー。
アダプター分子の発現がAOX 1プロモーター、Cup 1プロモーターおよびGal 1プロモーターからなる群から選択される第2誘導プロモーターの制御下にある、請求項1−14のいずれか1項に記載の宿主細胞のライブラリー。
複数の宿主細胞に修飾化ポリペプチドを含むディスプレイポリペプチドを各々コードする第1核酸のディスプレイライブラリーを導入することを含む、宿主細胞ディスプレイライブラリーを作製する方法であって、導入された第1核酸のうちの少なくとも2個が異なる修飾化ポリペプチドをコードし、各宿主細胞が、細胞表面ポリペプチドをコードする第2核酸ならびに第1結合部位および第2結合部位を含むアダプター分子をコードする第3核酸を含み、第1結合部位がディスプレイ分子ではなく細胞表面分子と結合し、第2結合部位が細胞表面分子ではなくディスプレイポリペプチドと結合し、アダプター分子が修飾化ポリペプチドの構成要素ではない、方法。
【発明を実施するための形態】
【0014】
発明の詳細な説明
定義
本明細書で使用される「宿主細胞」なる用語は、細胞表面分子、アダプター分子およびディスプレイ分子を発現するように修飾された真核生物細胞を意味する。さらに、宿主細胞は、宿主細胞の表面上でディスプレイ分子とアダプター分子が結合する前にディスプレイ分子を分泌もしくは放出することが理解されるべきである。
【0015】
本明細書で使用される「細胞表面分子」なる用語は、宿主細胞の細胞外表面に向けられたペプチド、ポリペプチド、結合ドメイン、リガンド、脂質、または炭水化物を意味する。細胞表面分子は、共有結合または非共有結合により細胞表面に係留されていてもよい。細胞表面分子は、それ自体を介して宿主細胞の表面と結合するリン脂質、炭水化物またはタンパク質を含み得る。細胞表面分子は、細胞の表面上のリン脂質、炭水化物もしくはポリペプチドと結合するか、またはそれと共役するポリペプチドであり得る。例えば、ポリペプチドは、ホスファチジルイノシトールグリカン(GPI)アンカーを用いて宿主細胞の表面と結合し得て、例えば、a凝集素、α凝集素、およびフロキュリン(flocculin)であり得る。細胞表面分子はまた、アダプター分子の第1結合部位に結合し得る、宿主細胞の表面上に位置する結合ドメインを有する膜貫通タンパク質であり得る。
【0016】
本明細書で使用される「アダプター分子」なる用語は、2個の異なる結合部位を有するペプチド、ポリペプチド、結合ドメイン、リガンド、脂質もしくは炭水化物またはそれらの組み合わせを意味する。アダプター分子は、細胞表面分子と特異的に結合する結合部位およびディスプレイ分子と特異的に結合する第2の異なる結合部位を有する。本発明を限定することなく、ポリペプチドの2個の結合部位は、異なる分子に対して各々それ自体の結合親和性を有する、一体に融合されたポリペプチドドメインであり得る。例えば、ポリペプチドは、PDZドメインと融合した、a-凝集素サブユニット、例えばAga2pであり得るか、またはPDZドメインと融合した、フロキュリン、例えばFlo1であり得る。
【0017】
本明細書で使用される「第1結合部位」なる用語は、細胞表面分子の少なくとも一部を特異的に認識し、結合するアダプター分子の領域を意味する。例えば、第1結合部位は、ペプチド、結合ドメイン、リガンド、タンパク質、リポタンパク質、脂質または炭水化物を含み得るがこれらに限定されない細胞表面分子と特異的に結合する、ペプチド、ポリペプチド、結合ドメイン、リガンド、脂質もしくは炭水化物またはそれらの組み合わせを含み得る。より具体的には、本発明を限定しないが、第1結合部位は、ジスルフィド結合を介してa凝集素のAga1pサブユニットと特異的に結合するa凝集素のAga2pサブユニットを意味し得る。一般に、任意の2個の分子結合パートナーが第1結合部位および細胞表面分子の対応する部分のために使用され得る。例えば、それは、Ni
2+イオンとポリヒスチジンタグ、糖残基とコンカナバリンA、p-アミノフェニル-β-D-チオガラクトシドとβ-ガラクトシダーゼ(Germino et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80:6848 (1983)、グルタチオンとグルタチオン-S-トランスフェラーゼ(Smith, D. B. and Johnson, K. S. Gene 67:31 (1988)); ブドウ球菌プロテインAとIgG (Uhlen, M. et al. Gene 23:369 (1983))、カルモジュリンニッケル結合タンパク質(CNBP)とカルモジュリンアガロース(Stofko-Hahn, R. E. et al. FEBS Lett. 302(3):274-278); ストレプトアビジンまたはアビジンとビオチン(Takashige, S. and Dale, G. L., Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 85:1647-1651 (1988)); アミラーゼとE. coliのmalE遺伝子由来のマルトース結合タンパク質ドメイン(Bach, H. et al., J. Mol. Biol. 312:79-93 (2001))、任意のエピトープとその対応する抗体(Kolodziej, P. A. and Young, R. A., Methods Enzymol. 194:508-519 (1991)を参照のこと、例えば、FLAG(TM)オクタペプチドまたは抗ジゴキシゲニン抗体とジゴキシゲニン)を含む。
【0018】
本明細書で使用される「第2結合部位」なる用語は、ディスプレイ分子を特異的に認識し、結合するアダプター分子の領域を意味する。例えば、第2結合部位は、ディスプレイ分子を含むペプチド、リガンド、タンパク質、リポタンパク質、脂質または炭水化物と特異的に結合する、ペプチド、ポリペプチド、結合ドメイン、リガンド、脂質または炭水化物を含み得る。より具体的には、本発明を限定しないが、第2結合部位は、NorpAリガンドと特異的に結合するPMZドメインを意味し得る。第1結合部位のために適当な結合対のいずれかはまた、それらが同じパートナーを認識しない限りにおいて第2結合部位のために使用され得る。
【0019】
本明細書で使用される「ディスプレイ分子」なる用語は、宿主細胞の表面上でのアダプター分子の結合により宿主細胞の表面に局在し得る分子を意味する。ディスプレイ分子は、典型的に、提示される分子(または、分子のライブラリー)およびアダプター分子の第2結合部位と特異的に結合する結合パートナーを含む。ある例において、提示される分子および結合パートナーは、同じで1つであり得る。例えば、ディスプレイ分子は、ペプチド、ポリペプチド、結合ドメイン、リガンド、脂質もしくは炭水化物またはそれらの組み合わせを含み得る。ディスプレイ分子は、宿主細胞内で発現もしくは作製され、細胞から分泌または放出されて、該細胞の表面上に提示されることが理解されるべきである。ディスプレイ分子は、標的との結合または改良もしくは改変された活性についてスクリーニングされ得る種々の分子のライブラリーを含み得る。ある態様において、ライブラリーは、修飾化ポリペプチドを含み得る。ディスプレイ分子はまた、ディスプレイ分子と細胞表面の結合を検出するか、または該分子を提示する宿主細胞を選別するために、標識され得るタグまたはペプチドを含み得る。
【0020】
本明細書で使用される「修飾化ポリペプチド」なる用語は、アダプター分子の第2結合部位を含むペプチド、リガンド、タンパク質、リポタンパク質、脂質または炭水化物と特異的に結合するペプチド、ポリペプチド、結合ドメイン、リガンド、脂質、または炭水化物と融合され、宿主細胞の表面上に提示される(したがって、ディスプレイ分子の構成要素である)関心のあるあらゆるポリペプチドを意味する。例えば、修飾化ポリペプチドは、スキャホールドタンパク質、シグナル伝達タンパク質、抗体、免疫グロブリン、イムノアドヘシン、受容体、リガンド、癌タンパク質、転写因子および酵素であるが、これらに限定されない。
【0021】
本明細書で使用される「複数のディスプレイ分子」なる用語は、宿主細胞の表面上に提示される少なくとも2個のディスプレイ分子のコピーを意味する。ある例において、各特定のディスプレイ分子は、異なる宿主細胞により提示される。
【0022】
本明細書で使用される「修飾化ポリペプチドの構成要素」なる用語は、修飾化ペプチドの任意の断片の天然で生じるあらゆる結合パートナーを意味する。例えば、免疫グロブリン重鎖に結合する免疫グロブリン軽鎖、アビジンに結合するビオチン分子、αヘモグロビン二量体の2個のサブユニット、ミオシン軽鎖に結合するミオシン重鎖、グリコホリンA二量体の2個の単量体、または互いに結合する天然で生じるあらゆる二量体タンパク質の2個の単量体を含むが、これらに限定されない。
【0023】
本明細書で使用される「宿主細胞のライブラリー」なる用語は、複数の宿主細胞であって、各宿主細胞が、細胞の表面上に提示される非同一修飾化ポリペプチドを含む宿主細胞を意味する。
【0024】
本明細書で使用される「非同一修飾化ポリペプチド」なる用語は、少なくとも2個の修飾化ポリペプチドのアミノ酸配列であって、各アミノ酸配列が、宿主細胞の表面上に提示される1個の修飾化ポリペプチドを第2の宿主細胞の表面上に提示される他の修飾化ポリペプチドと区別するアミノ酸置換、挿入、または欠失を含むアミノ酸配列を意味する。
【0025】
本明細書で使用される「Fn10」なる用語は、ヒトIII型フィブロネクチンの10番目のドメインを意味する。
【0026】
ディスプレイ分子
ディスプレイ分子は、宿主細胞において発現するか、もしくは産生され得る任意の分子を提示するために使用され得る。そのような分子の非限定的例示を以下に示す。
【0027】
抗体スキャホールド
ディスプレイ分子は、免疫グロブリンであり得る。免疫グロブリンのライブラリーを作製する方法は、最初にファージにより免疫グロブリンを提示するように開発され、ディスプレイのさらなる方法がそれ以来開発されてきている。これらのディスプレイの別法についてライブラリーを作製する方法のすべては、本明細書に開示された方法を用いたディスプレイを可能にするように適合させることができる。抗体のライブラリーを作製する方法は、例えば、Ladner et al.による米国特許第5,223,409号; 第5,403,484号; および第5,571,698号; Dower et al.による米国特許第5,427,908号および第5,580,717号; McCafferty et al.による米国特許第5,969,108号および第6,172,197号; ならびにGriffiths et al.による米国特許第5,885,793号; 第6,521,404号; 第6,544,731号; 第6,555,313号; 第6,582,915号および第6,593,081号において見出され得る。
【0028】
非抗体スキャホールド
本明細書に開示された方法を用いて提示され得る既知の非免疫グロブリンフレームワークまたはスキャホールドは、フィブロネクチン(Compound Therapeutics, Inc., Waltham, MA)、アンキリン(Molecular Partners AG, Zurich, Switzerland)、ドメイン抗体(Domantis, Ltd (Cambridge, MA)およびAblynx nv (Zwijnaarde, Belgium))、リポカリン(Anticalin) (Pieris Proteolab AG, Freising, Germany)、小分子モジュラー免疫医薬(Trubion Pharmaceuticals Inc., Seattle, WA)、マキシボディ(Avidia, Inc. (Mountain View, CA))、プロテインA (Affibody AG, Sweden)およびアフィリン(γクリスタリンまたはユビキチン) (Scil Proteins GmbH, Halle, Germany)、タンパク質エピトープ模倣体(Polyphor Ltd, Allschwil, Switzerland)を含むが、これらに限定されない。
【0029】
(i) フィブロネクチン
アドネクチンスキャホールドは、III型フィブロネクチンのドメイン(例えば、III型フィブロネクチンの10番目のモジュール(10 Fn3ドメイン))に基づく。III型フィブロネクチンドメインは、2つのβシート間に分布する7もしくは8個のβ鎖を有し、それ自身互いに密集してタンパク質のコアを形成し、さらに、β鎖を互いに連結させ、溶媒に曝されるループ(CDRに類似の)を含む。βシートサンドウィッチの各端に、少なくとも3つのそのようなループが存在し、各端は、β鎖の方向と垂直なタンパク質の境界である(米国特許第6,673,901号)。
【0030】
これらのフィブロネクチンに基づくスキャホールドは、全体のホールドが、最小の機能的抗体断片のそれ、すなわち、重鎖の可変領域に密接に関連しており、ラクダおよびラマIgGにおける全体の抗原認識ユニットを含むが、免疫グロブリンではない。この構造のために、非免疫グロブリン抗体は、性質および親和性において抗体のそれらと類似する抗原結合特性を模倣する。これらのスキャホールドは、インビボでの抗体の親和性成熟の過程に類似する、インビトロでのループランダム化およびシャッフリング戦略で使用され得る。これらのフィブロネクチンに基づく分子は、分子のループ領域が標準的なクローニング技術を用いて本発明のCDRと置換され得るスキャホールドとして使用され得る。
【0031】
(ii) アンキリン-分子パートナー
該技術は、異なる標的に結合するために使用し得る可変領域を保持するためのスキャホールドとして、アンキリン誘導リピートモジュールを有するタンパク質を用いることに基づく。アンキリンリピートモジュールは、2個の逆平行αヘリックスおよび1個のターンからなる33個のアミノ酸ポリペプチドである。可変領域の結合は、多くは、リボソームディスプレイを用いて最適化される。
【0032】
(iii) マキシボディ/アビマー-Avidia
アビマーは、天然のAドメイン含有タンパク質、例えば、LRP-1に由来する。これらのドメインは、もともと、タンパク質-タンパク質相互作用のために使用され、ヒトでは、250を超えるタンパク質が構造的にAドメインに基づく。アビマーは、アミノ酸リンカーを介して連結した多数のの異なる「Aドメイン」モノマー(2-10個)からなる。標的抗原に結合し得るアビマーは、例えば、20040175756; 20050053973; 20050048512; および20060008844に記載された方法を用いて作製され得る。
【0033】
(vi) プロテインA-アフィボディ
アフィボディ(登録商標)親和性リガンドは、プロテインAのIgG結合ドメインのうちの1つのスキャホールドに基づく3個のヘリックスバンドルからなる、小さく単純なタンパク質である。プロテインAは、黄色ブドウ球菌由来の表面タンパク質である。このスキャホールドドメインは、58個のアミノ酸からなり、そのうちの13個は、多数のリガンド変異形を有するアフィボディ(登録商標)ライブラリーを作製するためにランダム化されている(例えば、米国特許第5,831,012号を参照のこと)。アフィボディ(登録商標)分子は、抗体を模倣しており、抗体の分子量が150 kDaであるのと比較して、それらの分子量は、6 kDaである。その小さいサイズにも関わらず、アフィボディ(登録商標)分子の結合サイトは、抗体のそれと同様である。
【0034】
(v) アンチカリン-Pieris
アンチカリン(登録商標)は、Pieris ProteoLab AG社により開発された製品である。それらは、低分子で強固なタンパク質として広く知られた集団であり、通常、化学的に感受性が高いか、または不可溶な化合物の生理学的輸送もしくは貯蔵に関与するリポカリンに由来する。いくつかの天然のリポカリンは、ヒト組織もしくは体液で生じる。
【0035】
該タンパク質の構造は、固定されたフレームワークの頂点に超可変ループを有する点で、免疫グロブリンを彷彿させるものである。しかしながら、抗体またはそれらの組み換え断片とは対照的に、リポカリンは、160から180アミノ酸残基を有する単一ポリペプチド鎖からなり、それは、単一免疫グロブリンドメインよりもわずかに大きい。
【0036】
結合ポケットを形成する4つのループのセットは、顕著な構造的可塑性を示し、さまざまな側鎖を許容する。結合サイトは、したがって、高い親和性および特異性で所定の異なる形の標的分子を認識するために、特有の工程(proprietary process)で再形成され得る。
【0037】
リポカリンファミリーの1つのタンパク質であるPieris Brassicaeのビリン結合タンパク質(BBP)は、4つのループのセットに突然変異を引き起こすことによりアンチカリンを開発するために使用されている。「アンチカリン」を記載する特許出願の1つの例は、PCT WO 199916873である。
【0038】
(vi) アフィリン-Scil Proteins
アフィリン(商標)分子は、タンパク質および小分子に対する特定の親和性のために設計された小さな非免疫グロブリンタンパク質である。新規アフィリン(商標)分子は、各々異なるヒト由来スキャホールドタンパク質に基づくものであり得る2つのライブラリーから、非常に迅速に選択される。
【0039】
アフィリン(商標)分子は、免疫グロブリンタンパク質と、構造的な相同性を全く示さない。Scil Proteinsは、2つのアフィリン(商標)スキャホールドを使用し、そのうちの1つは、ヒト構造目のレンズタンパク質であるγクリスタリンであり、他方は、「ユビキチン」スーパーファミリータンパク質である。ヒトスキャホールドはいずれも、非常に小さく、高温安定性を示し、pH変化および変性剤にほぼ耐性がある。この高い安定性は、主に、該タンパク質の拡張されたβシート構造による。ガンマ結晶由来のタンパク質の例は、WO200104144に記載されており、「ユビキチン様」タンパク質の例は、WO2004106368に記載されている。
【0040】
(vii) タンパク質エピトープ模倣体(PEM)
PEMは、タンパク質のβヘパリン二次構造を模倣する中間のサイズの環状ペプチド様分子(MW 1-2kDa)であり、主要二次構造は、タンパク質-タンパク質相互作用に関与する。
【0041】
非スキャホールド
特定の親和性を有する分子のデノボ産生のために有用なスキャホールドに加えて、本明細書に開示された方法は、宿主細胞において発現するか、または産生され得る任意の他の分子を提示するために使用され得る。そのような生物学的分子、特に、宿主細胞による容易な発現のためのポリヌクレオチドによりコードされ得るポリペプチドのライブラリーは、関心のある改良された特性、例えば、受容体とリガンドとの改良された結合(ここで、受容体またはリガンドは、ディスプレイ分子の一部である)または改良された酵素活性(ここで、酵素は、ディスプレイ分子の一部である)についてスクリーニングされ得る。
【0042】
発現系
発現ベクターは、宿主細胞内において1個またはそれ以上の細胞表面分子、アダプター分子およびディスプレイ分子を発現するために使用され得る。真核生物宿主細胞のための発現ベクターは、一般に、(i) 転写の開始を制御する真核生物DNAエレメント、例えば、プロモーター、(ii) 転写産物のプロセッシングを制御する真核生物DNAエレメント、例えば、転写終結/ポリアデニル化シグナル配列、および(iii) 所望により、ベクターが独立して複製される場合(例えば、非統合ベクター)に、真核生物宿主細胞において複製を制御する真核生物DNAエレメントを含む。そのような発現ベクターの容易な構築のために、ベクターは、所望により、(iv) 細菌宿主細胞においてベクターを操作する場合に、発現ベクターの増殖および選択を提供する細菌複製起源および抗生物質耐性マーカーをコードする原核生物DNAエレメントを含んでいてもよい。真菌、酵母および哺乳動物細胞宿主を用いた使用のための適当な真核生物発現ベクターは、当分野において既知であり、例えば、Powels et al. (Cloning Vectors: A Laboratory Manual, Elsevier, N.Y., 1985)に記載されている。
【0043】
酵母宿主細胞は、特に関心があり、Saccharomyces cerevisiae、Pichia pastorisおよびPichia methanolicaを含む。これらのベクターは、YIpに基づくベクター、例えばYIp5、YRpベクター、例えばYRp17、YEpベクター、例えばYEp13、およびYCpベクター、例えば、YCp19を含む。酵母における組み換えタンパク質の発現のための多くのベクターが存在する。YEpベクターの他の例は、YEp24、YEp51およびYEp52を含み、それらは、遺伝学的構築体のS. cerevisiaeへの導入において有用なクローニングおよび発現ビヒクルである(例えば、Broach et al. (1983) in Experimental Manipulation of Gene Expression, ed. M. Inouye Academic Press, p. 83を参照のこと)。これらのベクターはまた、それらが、pBR322 oriの存在のためにE. coliにおいて複製し得て、かつ、酵母2ミクロンプラスミドの複製決定因子のためにS. cerevisiaeにおいて複製し得るという点でシャトルベクターである。
【0044】
酵母における機能のための適当なプロモーターは、メタロチオネイン、3-ホスホグリセリン酸キナーゼ(Hitzeman et al., J. Biol. Chem. 255, 2073 (1980)または他の糖分解酵素(Hess et al., J. Adv. Enzyme Req. 7, 149 (1968); およびHolland et al. Biochemistry 17, 4900 (1978))についてのプロモーターを含み、例えば、エノラーゼ、グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ、ヘキソキナーゼ、ピルビン酸デカルボキシラーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、グルコース-6-リン酸イソメラーゼ、3-ホスホグリセリン酸ムターゼ、ピルビン酸キナーゼ、トリオースリン酸イソメラーゼ、ホスホグルコースイソメラーゼおよびグルコキナーゼについてのプロモーターである。酵母発現における使用のための適当なベクターおよびプロモーターはさらに、R. Hitzeman et al., EP073,657に記載されている。酵母における発現のための他の適当なプロモーターは、GAL1 (ガラクトース)、PGK (ホスホグリセリン酸キナーゼ)、ADH (アルコールデヒドロゲナーゼ)、AOX1 (アルコールオキシダーゼ)、HIS4 (ヒスチジノールデヒドロゲナーゼ)などに由来するプロモーターを含む。多くの酵母クローニングベクターが容易に利用可能であり、上記に従って修飾されていてもよい。増殖条件により制御される転写のさらなる利点を有するさらに別のプロモーターは、アルコールデヒドロゲナーゼ2、イソチトクロームC、酸性ホスファターゼ、窒素代謝と関連する分解酵素、および上記のメタロチオネインおよびグリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ、ならびにマルトースおよびガラクトース利用に関与する酵素についてのプロモーター領域である。最後に、2個の半数体接合型の1個のみにおいて活性であるプロモーターは、特定の状況下において適当であり得る。これらの半数体特異的プロモーターの中で、フェロモンプロモーターMFa1およびMFα1は、特に関心がある。
【0045】
アダプター分子(宿主細胞において産生される場合)およびディスプレイ分子を含む構成要素の酵母宿主細胞からの分泌は、任意の利用可能な酵母タンパク質の分泌シグナル配列の使用により増大させることができる。1つの例は、酵母接合フェロモン(α因子)の前駆体のリーダー配列であり、それはまた、酵母における異種タンパク質の直接分泌のために使用される(例えば、Valenzuela, P., eds pp. 269-280, Butterworths, London; Brake, A. J. (1990) Meth. Enzymol. 185, 408-441を参照のこと)。17残基のN末端シグナルペプチドに加えてα因子リーダー配列は、親水性のプロ領域を含み、それは、72残基を含み、N結合型グリコシル化の3個の部位を有する。プロ領域は、専ら、ERおよびゴルジにおいてグリコシル化され、後期ゴルジ画分においてKex2エンドペプチターゼにより切断される。N末端におけるプロ領域の存在は、いくつかの異種タンパク質がERにおける品質制御を通過し、ペリプラズムに到達するのを可能にすると考えられる。
【0046】
他の例は、酵母インベルターゼ由来のリーダー配列である(MLLQAFLFLLAGFAAKISADAHKS) (配列番号1)。このリーダー配列は、小胞体に入ると新生異種ペプチドから切断されることが証明されている。プレ配列の切断に関与する酵素であるKex2は、トランスゴルジに存在する。さらなる例は、酵母酸性ホスファターゼのシグナル配列であり、それは、本明細書に開示された化合物の分泌を目的として使用され得る。
【0047】
外因性DNAを用いてS. cerevisiae細胞を形質転換する方法、およびそれから組み換えポリペプチドを産生する方法は、例えば、Kawasakiによる米国特許第4,599,311号、Kawasaki et al.による米国特許第4,931,373号、Brakeによる米国特許第4,870,008号、Welch et al.による米国特許第5,037,743号、およびMurray et al.による米国特許第4,845,075号により開示されている。形質転換細胞は、選択可能マーカー(通常は、薬剤耐性または特定の栄養(例えば、ロイシン)の非存在下で増殖する能力)により決定される表現型により選択される。Saccharomyces cerevisiaeにおける使用のための好ましいベクター系は、Kawasaki et al. (米国特許第4,931,373号)により開示されたPOT1ベクター系であり、それは、形質転換細胞がグルコース含有培地における増殖により選択されることを可能にする。
【0048】
Hansenula polymorpha、Schizosaccharomyces pombe、Kluyveromyces lactis、Kluyveromyces fragilis、Ustilago maydis、Pichia pastoris、Pichia methanolica、Pichia guillermondiiおよびCandida maltosaを含む他の酵母についての形質転換系は、当分野において既知である。例えば、Gleeson et al., J. Gen. Microbiol. 132:3459 (1986)、およびCreggによる米国特許第4,882,279号を参照のこと。Acremonium chrysogenumを形質転換する方法は、Sumino et al.による米国特許第5,162,228号に開示されている。Neurosporaを形質転換する方法は、Laambowitzによる米国特許第4,486,533号に開示されている。
【0049】
例えば、組み換えタンパク質の製造のための宿主としてのPichia methanolicaの使用は、Raymondによる米国特許第5,716,808号、Raymondによる米国特許第5,736,383号、Raymond et al., Yeast 14:11-23 (1998)、ならびに国際公開番号WO 97/17450、WO 97/17451、WO 98/02536およびWO 98/02565により開示されている。P. methanolicaの形質転換において使用するためのDNA分子は、通常、二本鎖環状プラスミドとして作製され、好ましくは、形質転換前に直線化される。P. methanolicaにおけるポリペプチド産生のために、プラスミド中のプロモーターおよびターミネーターは、P. methanolica遺伝子のもの、例えば、P. methanolicaアルコール利用遺伝子(AUG1またはAUG2)であることが好ましい。他の有用なプロモーターは、ジヒドロキシアセトンシンターゼ(DHAS)、ギ酸デヒドロゲナーゼ(FMD)およびカタラーゼ(CAT)遺伝子のものを含む。DNAの宿主染色体への組み込みを促進するために、宿主DNA配列の両末端に隣接するプラスミドの全発現断片を有することが好ましい。メタノールの使用を最小限にすることが望ましい大規模工業プロセスのために、両メタノール利用遺伝子(AUG1およびAUG2)が欠損した宿主細胞を用いることが好ましい。分泌タンパク質の製造のために、液胞プロテアーゼ遺伝子(PEP4およびPRB1)を欠損した宿主細胞が好ましい。エレクトロポレーションは、関心のあるポリペプチドをコードするDNAを含むプラスミドのP. methanolica細胞への導入を促進するために使用される。P. methanolica細胞は、指数関数的に減衰する2.5から4.5 kV/cm、好ましくは、約3.75 kV/cmの電界強度を有するパルス電場、および1から40ミリ秒、最も好ましくは、約20ミリ秒の時定数(t)を用いたエレクトロポレーションにより形質転換され得る。
【0050】
哺乳動物宿主細胞の使用のために、哺乳動物発現ベクターはまた、当分野において既知であり、同様に使用され得る。適当な哺乳動物宿主細胞の例は、アフリカミドリザル腎臓細胞(Vero; ATCC CRL 1587)、ヒト胚性腎臓細胞(293-HEK; ATCC CRL 1573)、ベビーハムスター腎臓細胞(BHK-21, BHK-570; ATCC CRL 8544, ATCC CRL 10314)、イヌ腎臓細胞(MDCK; ATCC CCL 34)、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO-K1; ATCC CCL61; CHO DG44 (Chasin et al., Som. Cell. Molec. Genet. 12:555, 1986))、ラット下垂体細胞(GH1; ATCC CCL82)、HeLa S3細胞(ATCC CCL2.2)、ラット肝癌細胞(H4-II-E; ATCC CRL 1548)、SV40形質転換サル腎臓細胞(COS-1; ATCC CRL 1650)およびマウス胚性細胞(NIH-3T3; ATCC CRL 1658)を含む。
【実施例】
【0051】
実施例
下記において本明細書に開示された系、組成物および方法の一例を提供する。タンパク質は、酵母InaDタンパク質のPDZドメインおよび酵母NorpAタンパク質のC末端の5個のアミノ酸を利用することにより、酵母細胞の表面上に提示され得る。この3個の構成要素タンパク質ディスプレイ系は、N末端において融合した分泌シグナルを有し、かつ、C末端において融合したNorpAリガンドを有する、提示されるタンパク質を発現するベクター; 酵母細胞壁タンパク質と特異的に結合し得て、NorpAリガンドと特異的に結合するInaDのPDZドメインと融合したアダプタータンパク質を発現する第2ベクター; およびアダプタータンパク質と特異的に結合する酵母細胞壁タンパク質を発現する第3ベクターからなる。この系は、Sacchromyces cerrevisiaeおよびPichia pastorisにおける使用のために適合されている。
【0052】
実施例1: Pichia pastorisにおけるInaD/NorpAを用いた酵母ディスプレイ
Fn10のN末端においてハイブリッド分泌配列(MFα/HSA)または酵母リーダー配列(MFα1)を融合し、かつ、NorpAリガンドをそのC末端と融合することにより、III型フィブロネクチンドメイン(Fn10)を提示するP. pastorisについてのタンパク質ディスプレイ系を開発した。Fn10は、発現されると細胞から分泌され、NorpAリガンドがジスルフィド結合を介してInaDのPDZドメインと特異的に結合した。InaDをAgap2タンパク質のC末端と融合させた。Aga2p-InaD融合タンパク質をアダプタータンパク質として利用し、N末端Aga2pは、細胞の表面上に固定されたAga1pと結合した。Aga2pは、ジスルフィド結合を介してAga1pと特異的に結合した。
【0053】
Fn10-NorpA融合タンパク質、Aga2p-InaD融合タンパク質およびAga1p細胞表面タンパク質からなる3個の構成要素系を、誘導性プロモーターの制御下、pPIC発現ベクターにクローン化した。用いられた誘導性プロモーターは、メタノールにより誘導されるAOX1プロモーターであった。したがって、該ベクターで形質転換された酵母細胞にメタノールを加えると、3個のタンパク質が発現した。Aga1pは、細胞の表面上に発現した。Aga2p-InaDは、細胞表面に局在し、そこで、Aga2p-InaDのN末端領域は、Aga1pと結合した。Fn10-NorpAは、分泌経路に局在し、細胞から分泌され、C末端NorpAリガンドを介してInaDと結合した(
図1)。この系はまた、InaDをAga1と融合させ、NorpAをAga2pと融合させるように変換することができる(
図12および13を参照のこと)。
【0054】
c-mycエピトープタグをNorpAリガンドとFn10のC末端の間に融合させた。c-mycエピトープは、c-myc抗体を用いることにより、提示されたフィブロネクチンの検出を可能にした。細胞表面上でc-mycエピトープと結合した蛍光標識化c-myc抗体を、蛍光活性化セルソーター(FACS)により検出した。
【0055】
株および培地
組み換えDNA操作のための宿主株として、Escherichia coli Top10株(Invitrogen Carlsbad, CA)を用いた。融合タンパク質AGA2-InaDおよびHSA/MFα1-Fn10-NorpAの産生のために、P. pastoris GS115株(Invitrogen Co., Carlsbad, CA)を用いた。100 μg/mL アンピシリンを含むLB培地(1% トリプトン、0.5% 酵母抽出物、および0.5% 塩化ナトリウム)で、E. coliを培養した。BMGY培地(1% 酵母抽出物、2% ペプトン、100 mM リン酸カリウム緩衝液(pH 6.0)、1.34%酵母窒素原礎培地(yeast nitrogen base)、4x10
-5% ビオチン、および1% グリセロール)、およびBMMY培地(1% 酵母抽出物、2% ペプトン、100 mM リン酸カリウム緩衝液(pH 6.0)、1.34% 酵母窒素原礎培地、4x10
-5% ビオチン、および0.5-2.0% メタノール)で、P. pastorisを培養した。
【0056】
発現プラスミドの構築
AGA1に対応する遺伝子をGeneartにより合成し、pPIC3.5 (Invitrogen)にサブクローン化した。生じたベクターをpPIC3.5-AGA1と名付けた(
図2)。AGA2-InaDアンカー遺伝子をGeneart (Germany)により合成し、BstIおよびEcoRI制限酵素部位を用いて発現ベクターpPIC6a (Invitrogen)にサブクローン化した。生じたベクターをpPIC6-AGA2-InaDと名付けた(
図4)。フィブロネクチン構築体は、MFα1/HSAハイブリッドリーダー、次いで、C末端においてNorpAリガンド配列と融合したフィブロネクチンからなる。完全な遺伝子をGeneart (Germany)により合成し、pPICHOLI-1 (Mobitec)にサブクローン化した。生じたベクターをpPICHOLI-1 MFα1Hsa-Fn10-NorpAと名付けた(
図6)。
【0057】
酵母形質転換
供給者により提供されたプロトコールに基づいてElectro-competent P. pastoris GS115 (Invitrogen)株を調製し、SalI消化pPIC3.5-AGA1、pPIC6-AGA2-InaD、およびpPICHOLI-1 MFα1Hsa-Fn10-NorpAを共導入した。
【0058】
培養条件
酵母形質転換体を、30℃で16時間、100 μg/ml Zeocinおよび200 μg/ml Blasticidinを含むBMGY培地でプレ培養し、1 l バッフル付フラスコ中、200 mlのBMGY培地(100 μg/ml Zeocinおよび200 μg/ml Balsticidinを含む)を接種するために使用し、0.1の最初のOD600値を生じた。培養の24時間後、培養物を1000gで10分間遠心分離し、0.5%、1.0%、または2.0% メタノールを含むBMMY培地(+100 μg/ml Zeocinおよび200 μg/ml Blasticidin)で再懸濁した。融合タンパク質の誘導を維持するために、上記の最終濃度まで24時間毎に、培養物に100% メタノールを加えた。FACSおよび抗myc抗体を用いて、酵母の表面上に提示されたフィブロネクチンの解析を行った。
【0059】
実施例2: Pichia pastorisの表面上にフィブロネクチンを分泌または提示するための変換系
上記ディスプレイ系の1つの変異型は、P. pastorisからのタンパク質の分泌と提示との間の選択を可能にする。これを達成するために、MFα1/HSAハイブリッドリーダー、次いで、C末端においてNorpAリガンド配列と融合したフィブロネクチンからなるフィブロネクチン構築体を、pPICHOLI-1の代わりにpPICHOLI-Cにクローン化した。生じたベクターをpPICHOLI-C MFα1Hsa-Fn10-NorpAと名付けた(
図8)。2個のベクター間の重要な差異はプロモーターであり、pPICHOLI-1においてはメタノールにより誘導されるAOX1プロモーターであり、pPICHOLI-Cにおいては銅により誘導されるCup1プロモーターである。P. pastorisの表面上にフィブロネクチンを提示するために、AGA1およびAGA2-InaDをメタノールで誘導し、pPICHOLI-Cを銅で誘導する。これは、酵母の表面上に分泌されたフィブロネクチンの捕捉を可能にし、それは、強固なInaD/NorpA相互作用により仲介される。酵母の表面上にタンパク質を提示することなくフィブロネクチンを分泌するために、銅を用いた誘導が十分である。AGA1およびAGA2-InaD (メタノールにより誘導される)の誘導がないと、NorpAについての結合パートナー(AGA1/AGA2-InaD)が酵母の表面上に存在せず、その結果、フィブロネクチンは分泌される。
【0060】
実施例3: Saccharomyces cerevisiaeにおけるInaD/NorpA相互作用を用いた酵母ディスプレイ
Saccharomyces cerevisiaeのような他の酵母株によるInaD/NorpA系を用いた例を記載する。
【0061】
株および培地
組み換えDNA操作のための宿主株として、Escherichia coli Top10株(Invitrogen Carlsbad, CA)を用いた。融合タンパク質AGA2-InaDおよびMSalpha1/HSA-Fn10-NorpAまたはpYS6CT*MFα1-HSA-NorpAの産生のために、S. cerevisiae株EBY100 (Invitrogen Co., Carlsbad, CA)を用いた。100 μg/mL アンピシリンまたは100 μg/ml Blasticidinを含むLB培地(1% トリプトン、0.5% 酵母抽出物、および0.5% 塩化ナトリウム)で、E. coliを培養した。CM培地URAでEBY100を培養した。
【0062】
発現プラスミドの構築
InaDアンカー遺伝子をGeneart (Germany)により合成し、HindIIIおよびEcoRI制限酵素部位を用いて、発現ベクターpYD NBC1 (pYD1の誘導体、Invitrogen)にAGA2アンカータンパク質と共にインフレームでサブクローン化した。生じたベクターをpYD_NBC1 AGA2-InaDと名付けた(
図10)。フィブロネクチン構築体は、MFα1/HSAハイブリッドリーダー配列、次いで、そのC末端においてNorpAリガンドと融合したフィブロネクチンからなる。完全な遺伝子をGeneart (Germany)により合成し、pYS6CT (Invitrogen)にサブクローン化し、ここで、複製開始点をCEN6/ARS4領域により置換した。生じたベクターをpYS6CT_HSA_MFα1_Fn10_NorpAと名付けた(
図12)。
【0063】
プラスミドをE. coliから単離し、配列を確認した。次いで、精製化プラスミドにEBY100を共導入し、CM-TRP, + 200 μg/ml Blasticidinからなる選択培地上に播種した。形質転換されたコロニーは、2日以内に出現し、抗myc抗体(ccccc)を用いたFACS解析によりフィブロネクチンの提示について試験した。
【0064】
実施例4: Pichia pastorisにおけるFlo1-InaD/NorpAを用いた酵母ディスプレイ
Pichia pastorisにおいてInaD/NorpAと共に用いられる、別の発現系であるFlo1を用いた例を記載する。
【0065】
株および培地
組み換えDNA操作のための宿主株として、Escherichia coli Top10株(Invitrogen Carlsbad, CA)を用いた。融合タンパク質Flo1-InaDおよびHSA/MFα1-Fn10-NorpAの産生のために、P. pastoris GS115株(Invitrogen Co., Carlsbad, CA)を用いた。100 μg/mL アンピシリンを含むLB培地(1% トリプトン、0.5% 酵母抽出物、および0.5% 塩化ナトリウム)で、E. coliを培養した。BMGY培地(1% 酵母抽出物、2% ペプトン、100 mM リン酸カリウム緩衝液(pH 6.0)、1.34%酵母窒素原礎培地、4x10
-5% ビオチン、および1% グリセロール)、およびBMMY培地(1% 酵母抽出物、2% ペプトン、100 mM リン酸カリウム緩衝液(pH 6.0)、1.34% 酵母窒素原礎培地、4x10
-5% ビオチン、および0.5-2.0% メタノール)で、P. pastorisを培養した。
【0066】
発現プラスミドの構築
C末端においてInaDのPDZドメインと融合したFlo1についての遺伝子をGeneart (Germany)により合成し、5'EcoR1制限酵素部位および3'Not1制限酵素部位を用いてpPIC3.5 (Invitrogen)にサブクローン化した。生じたベクターをpPIC3.5-Flo1-InaDと名付けた。融合タンパク質の発現は、メタノール誘導性プロモーターAOX1により誘導される。フィブロネクチン構築体は、MFα1/HSAハイブリッドリーダー、次いで、C末端においてNorpAリガンド配列と融合したフィブロネクチンからなる。完全な遺伝子をGeneart (Germany)により合成し、pPICHOLI-1 (Mobitec)にサブクローン化した。生じたベクターをpPICHOLI-1 MFα1Hsa-Fn10-NorpAと名付けた。フィブロネクチン構築体の発現は、メタノール誘導性プロモーターAOX1により誘導される。
【0067】
酵母形質転換
供給者により提供されたプロトコールに基づいてElectro-competent P. pastoris GS115 (Invitrogen)株を調製し、SalI消化pPIC3.5-Flo1-InaDおよびpPICHOLI-1 MFα1Hsa-Fn10-NorpAを共導入した。
【0068】
培養条件
酵母形質転換体を、30℃で16時間、100 μg/ml Zeocinおよび200 μg/ml Blasticidinを含むBMGY培地でプレ培養し、1 l バッフル付フラスコ中、200 mlのBMGY培地(100 μg/ml Zeocinおよび200 μg/ml Balsticidinを含む)を接種するために使用し、0.1の最初のOD600値を生じた。培養の24時間後、培養物を1000gで10分間遠心分離し、0.5%、1.0%、または2.0% メタノールを含むBMMY培地(+100 μg/ml Zeocinおよび200 μg/ml Blasticidin)で再懸濁した。融合タンパク質の誘導を維持するために、上記の最終濃度まで24時間毎に、培養物に100% メタノールを加えた。FACSおよび抗myc抗体を用いて、酵母の表面上に提示されたフィブロネクチンの解析を行った。
【0069】
実施例5: フィブロネクチンライブラリーのスクリーニング
フィブロネクチンライブラリーディスプレイ
フィブロネクチンライブラリーを、米国特許第6,673,901号に開示された方法を含む当分野において既知の方法により作製する。他の方法、例えば、エラープローンPCRの使用、ランダムプライミング技術の使用、もしくはコンピューター技術の使用は、当分野において既知であり、それらはまた使用され得る。フィブロネクチンライブラリーを酵母発現ベクターにクローン化するために、該ライブラリーを適当な制限酵素切断部位を用いて設計する。
【0070】
フィブロネクチンライブラリーは、実施例1において上記されたとおり、複数のP. pastoris細胞上に提示される。フィブロネクチンライブラリーを、N末端と融合したMFα/HSAハイブリッドリーダー配列およびC末端と融合したNorpAリガンド配列を含むように修飾する。次いで、修飾化フィブロネクチンライブラリーをpPICHOLI-1ベクターにクローン化する。上記実施例と同様に、フィブロネクチンライブラリーの発現は、AOX1プロモーターの制御下にある。P. pastoris細胞を、フィブロネクチンライブラリーを発現するpPICHOLI-1ベクターおよびAga1pとAga2p-InaDを発現するベクターで形質転換する。構成要素の発現は、メタノールの細胞への添加により誘導され、フィブロネクチンライブラリーは、複数のP. pastoris細胞上に提示される。
【0071】
ディスプレイライブラリーのスクリーニング
当分野において既知である多くの方法のうちの1つを用いて、酵母ディスプレイフィブロネクチンライブラリーを、関心のある標的タンパク質への結合についてスクリーニングする。例えば、標的タンパク質のライブラリーの任意のメンバーへの特異的結合を可能にする条件下で、標的タンパク質を酵母ディスプレイフィブロネクチンライブラリーと接触させる。その結果、すべての結合した標的タンパク質は、酵母細胞の表面に固定される。すべての非結合標的タンパク質を洗浄する。結合した標的タンパク質を、当分野において既知の方法、例えば、標的タンパク質に特異的な蛍光標識化抗体により蛍光で標識化する。次いで、現在のところ酵母細胞の表面上に固定されている標識化標的タンパク質を、フローサイトメトリー、すなわち、FACSを用いて検出する。標識化標的タンパク質と結合した酵母細胞は、蛍光を発し、標的タンパク質と結合していない酵母細胞から選別される。標的タンパク質と結合した選別酵母細胞をクローン増殖させ、標的タンパク質と結合するフィブロネクチンライブラリーのメンバーを含むクローン株または株を決定する。
【0072】
実施例6: タンパク質ライブラリーのスクリーニング
タンパク質ライブラリーディスプレイ
タンパク質ライブラリーを、当分野において既知の方法、例えば、エラープローンPCRの使用、ランダムプライミング技術の使用、もしくはコンピューター技術の使用により作製する。タンパク質ライブラリーを酵母発現ベクターにクローン化するために、該ライブラリーを適当な制限酵素切断部位を用いて設計する。
【0073】
クローン化タンパク質ライブラリーは、実施例1において上記されたとおり、複数のP. pastoris細胞上に提示される。タンパク質ライブラリーを、N末端と融合したMFα/HSAハイブリッドリーダー配列およびC末端と融合したNorpAリガンド配列を含むように修飾する。次いで、修飾化タンパク質ライブラリーをpPICHOLI-1ベクターにクローン化する。上記実施例と同様に、タンパク質ライブラリーの発現は、AOX1プロモーターの制御下にある。P. pastoris細胞を、タンパク質ライブラリーを発現するpPICHOLI-1ベクターおよびAga1pとAga2p-InaDを発現するベクターで形質転換する。構成要素の発現は、メタノールの細胞への添加により誘導され、タンパク質ライブラリーは、複数のP. pastoris細胞上に提示される。
【0074】
ディスプレイライブラリーのスクリーニング
当分野において既知である多くの方法のうちの1つを用いて、酵母ディスプレイタンパク質ライブラリーを、関心のある標的タンパク質への結合についてスクリーニングする。例えば、標的タンパク質のライブラリーの任意のメンバーへの特異的結合を可能にする条件下で、標的タンパク質を酵母ディスプレイタンパク質ライブラリーと接触させる。その結果、すべての結合した標的タンパク質は、酵母細胞の表面に固定される。すべての非結合標的タンパク質を洗浄する。結合した標的タンパク質を、当分野において既知の方法、例えば、標的タンパク質に特異的な蛍光標識化抗体により蛍光で標識化する。次いで、現在のところ酵母細胞の表面上に固定されている標識化標的タンパク質を、フローサイトメトリー、すなわち、FACSを用いて検出する。標識化標的タンパク質と結合した酵母細胞は、蛍光を発し、標的タンパク質と結合していない酵母細胞から選別される。標的タンパク質と結合した選別酵母細胞をクローン増殖させ、標的タンパク質と結合するタンパク質ライブラリーのメンバーを含むクローン株または株を決定する。
【0075】
実施例7: フィブロネクチンまたはHSAライブラリーのスクリーニング
フィブロネクチンまたはHSAライブラリーディスプレイ
フィブロネクチンまたはHSAライブラリーを、当分野において既知の方法、例えば、エラープローンPCRの使用、ランダムプライミング技術の使用、もしくはコンピューター技術の使用により作製する。ライブラリーを酵母発現ベクターにクローン化するために、該ライブラリーを適当な制限酵素切断部位を用いて設計する(
図8および配列番号10を参照のこと)。
【0076】
クローン化フィブロネクチンライブラリーまたはHSAライブラリーは、実施例1において上記されたとおり、複数のP. pastoris細胞上に提示される。フィブロネクチンライブラリーを、N末端と融合したMFα/HSAハイブリッドリーダー配列およびC末端と融合したNorpAリガンド配列を含むように修飾する(pYS HSA_MFα1 Fn10 NorpA)。HSAライブラリーをMFα CT (C末端)を含むように修飾する。それは、構築のために使用された元のInvitrogenベクターの余剰品(left-over)である。もし、ベクターマップ(例えば、
図13)が参照されれば、挿入物のc末端におけるc末端v5および6xhis配列を理解することができる。私は、その前にストップを置き、リーダー配列は、最終提示タンパク質において翻訳されない(pYS6/CT HSA-NorpA)。次いで、修飾化フィブロネクチンまたはHSAライブラリーをpYSベクターにクローン化する。フィブロネクチンまたはHSAライブラリーの発現は、T7プロモーターの制御下にある。P. pastoris細胞を、フィブロネクチンまたはHSAライブラリーを発現するpYSベクターおよびAga1pとAga2p-InaDを発現するベクターで形質転換する。構成要素の発現は、メタノールの細胞への添加により誘導され、フィブロネクチンまたはHSAライブラリーは、複数のP. pastoris細胞上に提示される。
【0077】
(a) タンパク質表面発現のFACS解析
フィブロネクチン(pYS HSA_ MFα1 Fn10 NorpA)またはHSA (pYS6/CT HSA-NorpA)を発現する酵母細胞を抗myc抗体、次いで、APC標識化二次抗マウス抗体で染色し、その後、FACS解析にかけた。解析の結果を
図9A-Eに示す。特に、
図9Aは、非染色酵母細胞を示すコントロールサンプルであり:
図9Bは、フィブロネクチンを発現する非誘導酵母細胞のサンプルであり;
図9Cは、フィブロネクチンを発現する誘導酵母細胞のサンプルであり、非誘導細胞と比較した場合に遷移を示し;
図9Dは、HSAを発現する非誘導酵母細胞のサンプルであり; そして
図9Eは、HSAを発現する誘導酵母細胞のサンプルであり、再び非誘導細胞と比較した場合に遷移を示す。これらの結果は、酵母ディスプレイ系がフィブロネクチン分子、およびタンパク質、例えば、HSAを発現することが可能であることを明確に示す。
【0078】
(b) フィブロネクチンまたはHSAを発現する酵母の蛍光マイクロ量アッセイ技術(Fluorometric mircovolume assay technology) (FMAT, Perkin Elmer)解析
抗myc抗体およびAPC標識化二次抗マウス抗体で染色することにより、フィブロネクチン(プラスミド)またはHSA (プラスミド)を発現する酵母細胞をまたFMATで解析した。次いで、サンプルをFMAT共焦点蛍光顕微鏡にかけた(結果を
図10A-Eに示す)。フィブロネクチンまたはHSAを発現するコロニーは、黒色バックグラウンドに対して白色点として現れる。特に、
図10Aは、非染色酵母細胞を示すコントロールサンプルであり、全体的に黒色として示され:
図10Bは、フィブロネクチンを発現する非誘導酵母細胞のサンプルである。非誘導酵母細胞は、フィブロネクチンを産生せず、検出されず(画像は、黒色として示される);
図10Cは、フィブロネクチンを発現する誘導酵母細胞のサンプルである。この場合には、誘導は、発現され、抗myc抗体を用いて検出されるmycタグを有するフィブロネクチンを生じる。次のAPC二次抗マウス抗体およびFMAT共焦点蛍光顕微鏡を用いた検出は、検出される可視的な白色コロニーを生じる。
図10Dは、HSAを発現する非誘導酵母細胞のサンプルであり、上記と同様に、非誘導酵母細胞は、フィブロネクチンを産生せず、画像は、黒色として示され; そして
図10Eは、HSAを発現する誘導酵母細胞のサンプルであり、再び非誘導細胞と比較した場合に小さな白色コロニーを示す。これらの結果はさらに、酵母ディスプレイ系がフィブロネクチン分子、およびタンパク質、例えば、HSAを発現することが可能であることを確認する。
【0079】
実施例8: 一本鎖Fvライブラリーのスクリーニング
一本鎖Fvライブラリーディスプレイ
一本鎖Fvライブラリーを、当分野において既知の方法、例えば、エラープローンPCRの使用、ランダムプライミング技術の使用、もしくはコンピューター技術の使用により作製する。ライブラリーを酵母発現ベクターにクローン化するために、該ライブラリーを適当な制限酵素切断部位を用いて設計する(
図11および配列番号11を参照のこと)。
【0080】
クローン化scFvリゾチームライブラリーは、実施例1において上記されたとおり、複数のP. pastoris細胞上に提示される。scFvライブラリーを、N末端と融合したMFαリーダー配列およびC末端と融合したNorpAリガンド配列を含むように修飾する(pYS6/CT* MFα1-scFv リゾチーム-NorpA)。次いで、修飾化scFvリゾチームライブラリーをpYSベクターにクローン化する。scFvリゾチームの発現は、T7プロモーターの制御下にある。P. pastoris細胞を、scFvリゾチームライブラリーを発現するpYSベクターおよびAga1pとAga2p-InaDを発現するベクターで形質転換する。構成要素の発現は、メタノールの細胞への添加により誘導され、フィブロネクチンまたはHSAライブラリーは、複数のP. pastoris細胞上に提示される。
【0081】
(a) タンパク質表面発現のFACS解析
scFvリゾチームを発現する酵母細胞を抗myc抗体、次いで、APC標識化二次抗マウス抗体で染色し、その後、FACS解析にかけた。
【0082】
(b) フィブロネクチンまたはHSAを発現する酵母のFMAT解析
抗myc抗体およびAPC標識化二次抗マウス抗体で染色することにより、scFvリゾチームを発現する酵母細胞をまたFMATで解析した。次いで、サンプルをFMAT共焦点蛍光顕微鏡にかけた。
【0083】
実施例9: 逆系を用いたタンパク質ライブラリーのスクリーニング
タンパク質ライブラリーディスプレイ
本実施例において、本明細書に開示された酵母ディスプレイ系を、NorpAがAga2と融合し、InaDがAga1と融合するように逆転させる。タンパク質ライブラリーを、当分野において既知の方法、例えば、エラープローンPCRの使用、ランダムプライミング技術の使用、もしくはコンピューター技術の使用により作製する。ライブラリーを酵母発現ベクターにクローン化するために、該ライブラリーを適当な制限酵素切断部位を用いて設計する(
図12および13ならびに配列番号12および13を参照のこと)。
【0084】
InaDのN末端においてリーダー配列(MFα1)を融合し、かつ、そのC末端においてFn10を融合することにより、III型フィブロネクチンドメイン(Fn10)を提示するP. pastorisについてのタンパク質ディスプレイ系を開発した。Fn10は、発現されると細胞から分泌され、InaDのPDZドメインがジスルフィド結合を介してNorpAリガンドと結合した。NorpAをAgap2タンパク質のC末端と融合させた。Aga2p-NorpA融合タンパク質をアダプタータンパク質として利用し、N末端Aga2pは、細胞の表面上に固定されたAga1pと結合した。Aga2pは、ジスルフィド結合を介してAga1pと特異的に結合した。
【0085】
Aga2p-NorpA融合タンパク質、Aga1-InaD融合タンパク質、およびAga1p細胞表面タンパク質からなる3個の構成要素系を、Gal誘導性プロモーターの制御下、それぞれpPDおよびpYS発現ベクターにクローン化した。用いられた誘導性プロモーターは、ガラクトースにより誘導されるGal1プロモーターであった。したがって、該ベクターで形質転換された酵母細胞にガラクトースを加えると、3個のタンパク質が発現した。Aga1pは、細胞の表面上に発現した。Aga2p-Norpは、細胞表面に局在し、そこで、Aga2p-NorpAのN末端領域は、Aga1pと結合した。Fn10-InaDは、分泌経路に局在し、細胞から分泌され、C末端InaDリガンドによりNorpAと結合した。
【0086】
配列
pPIC3.5 AGA1 (956bp - 3136bp、直接) 242aa
【表1】
【0087】
pPIC6 A AGA2-InaD (941bp - 1648bp、直接) 78aa
【表2】
【0088】
pPICHOLI-1_MFα1Hsa-Fn10-NorpA (884bp - 1441bp、直接) 62aa
【表3】
【0089】
pPICHOLI-C MFα1Hsa-Fn10-NorpA (691bp - 1248bp、直接) 62aa
【表4】
【0090】
pYD_NBC1_Aga2-InaD (534bp - 1235bp、直接) 78aa
【表5】
【0091】
pYS6/CT_HSA_MFα1_Fn10_NorpA (513bp - 1080bp、直接) 63aa
【表6】
【0092】
InaD PDZドメインアミノ酸配列(InaD aa 11-107)
【表7】
【0093】
EFCAモチーフを含むNorpA C末端の11個のアミノ酸
【表8】
【0094】
pYS6/CT* MFα HSA-NorpA
【表9】
【0095】
pYS6/CT* MFα1-scFv リゾチーム-NorpA
【表10】
【0096】
pYD_NBC1_Aga2-NorpA
【表11】
【0097】
pYS6/CT* MFα1-InaD-Fn10 (507bp - 1487bp、直接) 109aa
【表12】