(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る農作物栽培管理システムについて詳細に説明する。本実施形態では、農作物栽培の依頼者であるユーザの依頼に基づいて、栽培管理業者が実際の圃場で農作物栽培を代行する農作物栽培管理サービスに使用される農作物栽培管理システムを例に挙げて説明する。
【0013】
図1は、本実施形態に係る農作物栽培管理システムの構成を概略的に示す模式図である。同図に示すように、農作物栽培管理システム1は、農作物栽培の管理を行うための管理サーバ10と、ユーザが利用するユーザ端末20と、圃場で農作業に従事する作業者が利用する作業者端末30とを備えている。
【0014】
管理サーバ10とユーザ端末20は、インターネットや専用回線等のネットワーク5によって接続されており、作業者端末30は無線の基地局8を介してネットワーク5に接続されている。よって、管理サーバ10、ユーザ端末20及び作業者端末30の間では、それぞれの通信インターフェースを介してデータの送受信が可能である。
【0015】
続いて、
図2及び
図3を参照しながら、管理サーバ10の構成について説明する。
図2は、本実施形態に係る管理サーバの構成を概略的に示す模式図、
図3は、本実施形態に係る管理サーバの機能を概略的に示すブロック図である。
【0016】
図2に示すように、管理サーバ10は、各種演算を行うCPU等の演算装置11と、各種情報を記録しておくHDDやフラッシュメモリ、演算処理のワークエリアとして機能するRAM等からなる記憶装置13と、を備えている。管理サーバ10は、栽培管理業者が設置するサーバである。
【0017】
記憶装置13は、管理サーバ10において後述する所定の処理を実行するための各種プログラムを格納しておくプログラム格納部131と、農作物栽培管理サービスの利用者として登録しているユーザに関する各種情報を記録しておくユーザ情報DB(データベース)132と、圃場で栽培される農作物に関する各種情報を記録しておく農作物情報DB133と、ユーザ端末20や作業者端末30に表示される各種コンテンツ情報を記録しておくコンテンツ情報DB136と、農作物の栽培状況を記録しておく栽培状況DB137と、を備えている。
【0018】
プログラム格納部131に格納されている各種プログラムには、作業者が所定の日に圃場で行うべき作業の一覧が記載された作業指示書を作成する作業情報作成プログラムが含まれる。ユーザ情報DB132は、農作物栽培管理サービスに登録した各ユーザのID、パスワード、住所等のユーザ情報を記録している。
【0019】
農作物情報DB133は、農作物栽培管理サービスにおいて提供されている農作物に関して、各農作物の名称、説明、作付け可能期間、成長フェーズ情報、病害情報、虫害情報等を記録している。圃場情報DB134は、管理する圃場の住所、各圃場のブロック数、各ブロックに設定されている農作物の品種、各ブロックのフィールド数、各ブロック内の使用中のフィールド数等を記録している。
【0020】
ここで、フィールドは、農作物の作付けの最小単位となる区画であり、フィールドの大きさは、農作物の品種によって異なる。よって、各ブロックに品種が設定される際に、各ブロック内のフィールド数も品種に応じて設定される。
【0021】
コンテンツ情報DB136は、ユーザ端末20や作業者端末30の表示装置にコンテンツを表示する際の画面情報等、各種コンテンツ情報を記録している。コンテンツ情報DB136は、ネットワーク5を介して、ユーザ端末20及び作業者端末30からアクセス可能な領域に設定されている。栽培状況DB137は、ユーザが作付け依頼した農作物の栽培状況を記録している。栽培状況の詳細については、後述する。
【0022】
また、
図3に示すように、管理サーバ10は、作業情報作成部51を備えている。作業情報作成部51は、作業者が所定の日に圃場で行うべき作業の一覧表である作業指示書を作成する。この作業情報作成部51の機能は、演算装置11が、ユーザ情報DB132、農作物情報DB133、圃場情報DB134及び栽培状況DB137の情報を参照しながら、プログラム格納部131に格納されている作業情報作成プログラムを実行することで実現され、作成した作業指示書はコンテンツ情報DB136に記録される。
【0023】
ユーザ端末20は、ユーザが使用するPCであり、各種演算処理を行う演算装置と、各種情報を記憶しておくと共に演算処理のワークエリアとして機能する記憶装置と、各種情報を表示するディスプレイ23と、を備えている。ユーザ端末20としては、デスクトップ型のPCだけでなく、ノート型PC、スマートフォンを含む携帯電話、タブレット型コンピュータ、PDA(personal Digital Assistant)、ネットブック、ゲーム機等、種々の端末を利用することが可能である。
【0024】
作業者端末30は、作業者が圃場で使用する携帯端末であり、スマートフォンを含む携帯電話、タブレット型コンピュータ、PDA等、種々の端末を使用することができる。作業者端末30は、各種演算処理を行う演算装置と、各種情報を記憶しておくと共に演算処理のワークエリアとして機能する記憶装置と、作業者が各種情報を入力するための入力装置としてのキーボード31と、写真を撮影するためのカメラ32と、各種情報を表示するディスプレイ33と、を備えている。
【0025】
圃場での作業者は、作業者端末30を使うことで、管理サーバ10から受信した作業指示書を見たり、カメラ32で撮影した農作物の写真や、キーボード31から入力した農作物の成長状況に関する情報等を、管理サーバ10に送信したりすることができる。
【0026】
ここで、実際の圃場での栽培方法について図面を参照しながら説明する。
図4は、本実施形態に係る圃場の栽培区分けを示す模式図である。同図に示すように、圃場は、畝に相当するブロックに区分けされ、ブロック毎に栽培する農作物の品種が設定されている。同じブロックには同じ農作物が作付けされる。
図4では、ブロック1〜3にレタス、ブロック4〜5に小松菜が作付けされている。
【0027】
また、各ブロックは、圃場での作付け単位であるフィールドに分割されている。本実施形態に係る農作物栽培管理サービスにおいて、ユーザは、一区画単位で作付け依頼を行うことができ、一区画が圃場での一フィールドに相当する。圃場において、各フィールドには作業コードが表示されており、例えば、作業コードが記されたプレートが各フィールドに立てておくことで、各フィールドの作業コードが一目で分かるようになっている。
【0028】
本実施形態では、圃場での栽培状況を作業コード単位で管理すると共に、圃場での農作業を作業コード単位で行うように管理することを特徴としており、作業者への作業指示書は、作業コード毎に作業指示情報が記載されている。
【0029】
すなわち、作業コードは、圃場で作業者が行う農作業の作業単位となる識別情報である。栽培状況DB137に記録されるレコードは、作付け単位であるフィールド毎に作業コードが付されるが、同一品種についての同日の作付け依頼のレコードには、同一の作業コードが付される。作業指示情報は、作業コード毎に記載されるため、同一の作業コードが付されたフィールドは常に同じ作業が行われることになる。
【0030】
続いて、栽培状況DB137に記録される栽培状況について、詳細に説明する。
図5は、栽培状況DB137に記録される情報の一部を示す図である。同図に示すように、栽培状況DB137には、フィールド単位で情報が記録されており、各レコードは、「レコードNo.」、「作業コード」、「ユーザ」、「農作物」、「ブロック」、「フィールド数」、「作付依頼日」、「作付日」、「写真」及び「収穫予想日」の情報を含んでいる。
【0031】
「ユーザ」は、農作物栽培管理サービスに登録したユーザのユーザ識別子(ID)であり、「農作物」は、農作物の品種を表す識別子である。「ブロック」は、圃場におけるブロック番号、「フィールド数」は、当該レコードに係る農作物が作付けされているフィールド数(区画数)である。
【0032】
「作付依頼日」は、ユーザがユーザ端末20から栽培(作付け)を依頼した日であり、「作付日」は、ユーザからの作付け依頼に基づいて作成された作業指示書に従って、作業者が圃場で実際に作付けした日である。「写真」は、各レコードの農作物の生育状況を撮影した写真データであり、「収穫予想日」は、収穫時期が近づいた農作物について、作業者が圃場での生育状況を観察して収穫に適した日であるとして入力した日である。
【0033】
図5に示すように、本実施形態では、同一の作業コードであっても複数人のユーザが含まれる場合には、各ユーザの作付けフィールド数を管理するために別のレコードに分けている。もちろん、圃場での作業は作業コード単位で行われるため、作業者が作業者端末30を介して入力するデータである「作付日」、「写真」、「収穫予想日」のデータは、作業コードが同じであれば同じデータになる。
【0034】
以上、農作物栽培管理システム1の構成について詳細に説明したが、次に、農作物栽培管理サービスにおける処理の流れについて説明する。
図6は、農作物栽培管理サービスの処理の流れを示すフローチャートである。なお、管理サーバ10、ユーザ端末20及び作業者端末30における種々の処理は、各装置の演算装置が所定のプログラムを実行することで実現される。
【0035】
まず、S11において、農作物栽培管理サービスに登録済みのユーザが、ユーザ端末20を介して、所望の農作物の栽培管理を依頼する。具体的には、ユーザ端末20のディスプレイ23に管理サーバ10から受信した依頼可能な農作物の一覧が表示されるので、ユーザは、栽培管理を依頼したい所望の農作物を選択すると共に、選択した農作物の作付け数(フィールド数)を入力する。本実施形態では、フィールド単位で所望の作付け数を入力することができる。
【0036】
ユーザの依頼情報は、S12において、管理サーバ10へと送信される。依頼情報を受信した管理サーバ10は、S13において、栽培状況DB137の情報を更新する。具体的には、新たな作付け依頼に関する新規レコードを作成して栽培状況DB137に記録する。このとき、同日に同じ品種について作付け依頼があった場合には、それらのレコードについては、同一の作業コードを付して記録する。
【0037】
続いて、S14に進み、作業情報作成部51が作業指示書の作成を行う。作業者が作業指示書を毎朝確認できるように、本実施形態では、毎日夜中の1時に作業指示書の作成が行われるように設定されている。
図7は、本実施形態に係る作業指示書の内容を示す図である。
【0038】
同図に示すように作業指示書は、「新規作付け」、「収穫日指定」、「収穫」及び「写真撮影」の4つの作業を含んでいる。「新規作付け」は、ユーザからの作付け依頼に基づいて作業者に指示される作業である。「新規作付け」の指示情報は、「作業コード」、圃場でブロック番号を示す「ブロック」、作付けする農作物の品種を表す「農作物」、当該農作物を作付けするフィールドの数を示す「フィールド数」、作付け後に作業者が記入した作付日を示す「作付日」の情報を含んでいる。
【0039】
ここで、「新規作付け」の作業情報には、フィールドを特定する情報が含まれていないが、作業情報作成部51は、栽培状況DB137及び圃場情報DB134を参照して、ブロック内の使用されていない空きフィールド数を考慮しながらブロックを割り振っており、圃場において、作付け場所が不足することはない。
【0040】
圃場での作業者は、作業情報に示されたブロック番号が付されたブロック内の空きフィールドに新規の作付けを行い、作付け後に、当該フィールドに作業コードを表示しておけば、今後の農作業も作業コード単位で効率的に行うことができる。
【0041】
なお、作業情報作成部51は、ブロック内のフィールド数が不足する場合には、不足分を他のブロックへの作付け依頼として作業指示書を作成する。本実施形態では、ブロックが異なる場合には、作業コードを異ならせるように設定されているので、同日の同一品種についての作付け依頼であっても作業コードが異なる場合がある(
図5の作業コード1003,1004参照)。
【0042】
「収穫日指定」の作業情報には、「作業コード」、「ブロック」、「農作物」、「予想収量」及び「収穫予定日」の情報が含まれている。「収穫日指定」は、収穫時期が近づいた農作物について、作業者に生育状況を確認してもらい、収穫に適した収穫予定日と予想収量の入力を行ってもらう作業である。
【0043】
「収穫」の作業情報には、「作業コード」、「ブロック」及び「農作物」の情報が含まれている。「収穫」は、成長した農作物の収穫作業を作業者に行ってもらう作業である。
【0044】
「写真撮影」の作業情報には、「作業コード」、「ブロック」、「農作物」、「作付日」、「撮影日」及び「写真」の情報が含まれている。「写真撮影」は、定期的に依頼者であるユーザに栽培状況を知らせるために提供される写真の撮影を作業者に行ってもらう作業である。
【0045】
S14において作成された作業指示書の情報は、管理サーバ10のコンテンツ情報DB136に記録される。この作業情報は、所定のタイミング(例えば、作業者端末30から管理サーバ10へのアクセスがあったとき)で作業者端末30へと送信され(S15)、ディスプレイ33に作業指示書が表示される(S16)。
【0046】
続いて、S21では、圃場に居る作業者が、作業指示書の作業情報を見ながら、指示された農作業を行う。このとき、作業者は、必要な情報を適宜作業者端末30に入力する(S22)。新規作付けの指示に対して、作業者は、指示されたブロックの空きフィールドに、指示されたフィールド数分だけ、指示された農作物の作付けを行う。このとき、作業者は、作付けを行った領域(フィールド)の作業コードがひと目で分かるように、当該領域に作業コードの記されたプレート等を立てておく。
【0047】
このように、作付け作業を作業コード単位で行うことで、作付けする場所が同じブロック内の連続する領域(フィールド)になるため、複数のユーザの依頼に基づいて同じ農作物の作付けを行う場合であっても、圃場での移動を最小限に抑え、効率的な作付け作業が可能である。特に、ユーザ毎に区画を割り当てる従来の場合と比較して、格段に作業性を向上させることができる。
【0048】
収穫日指定の作業指示に対して、作業者は、圃場において指示された作業コードが付された領域の農作物を観察し、作業者端末30から「予想収量」及び「収穫予定日」を入力する。収穫の作業指示に対して、作業者は、指示された作業コードが付された領域の農作物の収穫を行う。収穫物は、栽培管理を依頼したユーザへと配分される。
【0049】
写真撮影の作業指示に対して、作業者は、圃場において、作業者端末30のカメラ32を用いて、指示された作業コードが付された領域の農作物の写真を撮影し、撮影日の情報等をキーボード31から入力する。当該作業コードが複数のフィールドにまたがる領域に付されている場合であっても、栽培管理を作業コード単位で行う本実施形態では、当該領域内の一箇所で農作物の写真を撮影するだけで良い。当該領域内で栽培されている農作物の依頼ユーザが複数の場合には、この写真が共通の栽培状況として複数のユーザに提供される。
【0050】
このように、収穫日指定、写真撮影の作業についても、圃場での栽培管理を作業コード単位で行うことで、作業の対象領域が広い場合でもあっても作業コードが同一であれば一つの作業で済むため、作業効率を高めて、農作業の負担を大きく抑えることができる。
【0051】
S22において作業者端末30に入力された予想収量、収穫予定日、写真等の入力情報は、S23において、作業者端末30から管理サーバ10へと送信される。入力情報を受信した管理サーバ10は、S24において、栽培状況DB137に記録されている栽培状況の情報を更新する。
【0052】
ここで、本実施形態では、ユーザは、自分が栽培管理を依頼している農作物の栽培状況を適宜閲覧することが可能である。閲覧したいときに、ユーザがユーザ端末20から管理サーバ10へアクセスする(S25)と、S26において、コンテンツ情報DB136経由で栽培状況DB137に記録されている栽培状況の情報がユーザ端末20へと送信される。
【0053】
ユーザ端末20が受信した栽培状況の情報、例えば、農作物の写真、収量予想、収穫予定日等の情報がディスプレイ23に表示され、栽培管理を依頼している農作物の状況をユーザが知ることができる。
【0054】
以上、農作物栽培管理サービスの処理の流れについて説明したが、S13の作業コードを付すタイミング、S14の作業指示書の作成処理が行われるタイミング、作業者が圃場で農作業を行うタイミング等は適宜変更可能である。
【0055】
例えば、作業コードを付すタイミングは、S13の新規レコード作成時以外にも変更可能であり、S14における作業指示書作成を行う際に、同一品種のレコードにまとめて付すようにしても良い。
【0056】
また、作業指示書を作成した後に、天候急変等により実際の圃場での作業が行われないケースも生じうるため、最初の作業コードは仮に付しておき、S22における作付けの完了報告により、作業コードを確定するようにしても良い。なお、作業指示書を作成するときに、前回の作業指示書に記載されている作付け作業が行われていない場合には、前回の作付け作業と今回の作付け作業にまとめて新しい作業コードを付するように構成すれば良い。
【0057】
また、本実施形態では、作業指示書の作成が毎日行われており、それに合わせて、作業者は毎日圃場での農作業を行っているが、作業指示書の作成を一日おきや、平日だけにして、それに合わせて作業者が農作業を行うようにしても良い。
【0058】
また、農作業を行える日は天気に左右されるため、作業者が農作業を行う日の朝に作業者端末30から作業指示書の作成指示を行ったときに、作業指示書の作成を行うようにしても良い。
【0059】
なお、作業指示書の作成が毎日行われない場合には、同一品種について前回の作業指示書の作成から現在まで(所定の期間)に依頼があった分について、同一の作業コードを付すようにすれば良い。このように、同一品種についての所定の期間内の作付け依頼は、ブロック内に空きがある限り、同一の作業コードが付されて同じ日に同じブロック内に作付けされることになる。
【0060】
また、作業の種類によって、作業指示書の作成周期を異ならせるようにしても良い。例えば、作付け指示以外の作業は毎日作業指示書を作成し、作付け指示だけは一週間に一回まとめて行うようにしても良い。
【0061】
また、収穫された領域は、空きフィールドになるが、本実施形態では、空いたフィールドに次の作付けを行うことはせず、当該ブロック内の全てのフィールドが空くまでは、当該ブロックへの作付け指示を行わないように設定している。そして、ブロック内の全てのフィールドの収穫終了後は、連作障害を避けるために、もう一度肥料等を蒔いて土を作り直すと共に、次は、別の品種の農作物を当該ブロックに対して設定するように構成されている。
【0062】
以上、詳細に説明した本実施形態に係る農作物栽培管理システム1を使用することで、ユーザからの依頼に基づいて農作物の栽培管理を行う際に、圃場をユーザ毎に区分けするのではなく、品種及び作付日に従って付与される作業コードによって区分けすることが可能となり、農作業の効率性を格段の向上させることができる。
【0063】
特に、農作物栽培管理サービスの登録ユーザが増大し、所定の期間内に同一品種についての作付け依頼が増加する場合には、より作業の効率性を上げることができる。これは、作業コードが増えない限り作業量の負担が大きくならない作業(収穫日指定、写真撮影)があるためである。
【0064】
このように、本実施形態において、作業コードによって複数のユーザの依頼による栽培管理をまとめて行うことができるのは、作付け以外のユーザの依頼に基づく作業を作業指示書の中に含まないようにしているからである。例えば、ユーザからの水遣りや肥料遣り、写真撮影等の依頼作業を作業指示書に反映させると、ユーザ単位の作業が発生し、同一作業コード内でも異なる作業を指示する必要が出てきてしまう。
【0065】
これに対して、本実施形態では、ユーザからの作付け依頼に基づいて作業コードを付しながら作成される作付け作業以外には、ユーザからの依頼作業に基づく作業を作業指示書の中に含まないため、作付けを含めて、圃場での作業を全て作業コード単位で管理することが可能となる。
【0066】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の実施の形態は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。例えば、上述した管理サーバの機能は、単一のサーバではなく、複数のサーバで分散して行わせるようにしても良い。
【0067】
また、上記実施形態では、作業者は作業者端末から各種情報を入力しているが、管理サーバの入力装置を使って直接サーバに入力するようにしても良い。また、作業者端末は、圃場で使用する携帯端末ではなく、事務所等の圃場以外の場所に設置された端末であっても良い。圃場から離れた場所にある端末の場合には、作業指示書を端末としてのプリンターで印刷し、紙の作業指示書を圃場に持参して作業すれば良い。
【0068】
また、上記実施形態では、ユーザからの依頼に基づいて農作物の栽培管理を代行する農作物栽培管理サービスに使用される農作物栽培管理システムについて説明したが、ユーザが参加する栽培シミュレーションゲームサービスと連動する農作物栽培管理システムであっても良い。
【0069】
このように、コンピュータ上で農作物の栽培を疑似体験できると共に、ゲーム終了後にゲームの成績等に応じて実際の農作物の収穫物を得られる栽培シミュレーションゲームに使用される場合には、シミュレーションゲーム内でのユーザの作付け依頼に基づいて、シミュレーション上のバーチャル栽培での作付けに加えて、実在のリアル圃場での作付けも行われ、リアル圃場でのリアル農作物の栽培状況がシミュレーションゲームを通じてユーザに提供されることになる。
【0070】
なお、上述した実施形態には、以下の発明を含んでいる。
(1)ユーザからの作付け依頼に基づいて圃場で農作物の代行栽培を行う農作物代行栽培方法において、
前記圃場を複数のブロックに分割し、前記ブロック毎に栽培する農作物を設定するブロック設定工程と、
所定の期間内の同一品種についての作付け依頼について、同一の作業コードを付して、当該品種が設定された前記ブロック内に当該品種の農作物を作付けする作付け工程と、
前記作付け工程の後に、水遣り、肥料遣り、収穫の作業を前記作業コード単位で行う作業工程と、
を備えることを特徴とする農作物代行栽培方法。