(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。ここで、本発明の入賞装置ユニットは複数の構造を有しており、その中から予め選択したいずれかの構造を適用することができる。すなわち、入賞装置ユニットの構造は、第1構造、第2構造及び第3構造のいずれかから選択される。このため、以下の実施形態には、第1構造の入賞装置ユニットを適用した場合、第2構造の入賞装置ユニットを適用した場合、そして、第3構造の入賞装置ユニットを適用した場合の複数パターンが含まれるものとする。
【0022】
図1は、各種構造の入賞装置ユニットが適用されるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また
図2は、パチンコ機1の背面図である。ここでは先ず、入賞装置ユニットを備えた遊技機としての実施形態を挙げるものとする。
【0023】
パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、
図1及び
図2を参照しつつパチンコ機1の全体構成について説明する。
【0024】
〔全体構成〕
パチンコ機1は、その本体として主に外枠ユニット2、一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7(プラ枠、遊技機枠)を備えている。遊技者に相対する正面からみて、その最も前面側には一体扉ユニット4が位置している。一体扉ユニット4の背面側(奥側)には内枠アセンブリ7が位置しており、内枠アセンブリ7の外側を囲むようにして外枠ユニット2が配置されている。
【0025】
外枠ユニット2は、木材及び金属材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠ユニット2は、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定されるものである。なお、縦長矩形状の外枠ユニット2において、上下の短辺に相当する部位には木材が用いられており、左右の長辺に相当する部位には金属材が用いられている。
【0026】
一体扉ユニット4は、その下部位置に受皿ユニット6が一体化された構造である。一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7は、外枠ユニット2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の正面からみて左側端部に沿って垂直方向に延びている。
【0027】
図1中の正面からみて内枠アセンブリ7の右側縁部(
図2では左側縁部)には、その内側に統一錠ユニット9が設けられている。また、これに対応して一体扉ユニット4及び外枠ユニット2の右側縁部(裏側)にも、それぞれ図示しない施錠具が設けられている。
図1に示されるように、外枠ユニット2に対して一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7が閉じた状態で、その裏側にある統一錠ユニット9は施錠具とともに一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7の開放を不能にしている。
【0028】
また、受け皿ユニット6の右側縁部には鍵穴付きのシリンダ錠6aが設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キーを鍵穴に差し込んでシリンダ錠6aを時計回りに捻ると、統一錠ユニット9が作動して内枠アセンブリ7とともに一体扉ユニット4の開放が可能な状態となる。これら全体を外枠ユニット2から前面側へ開放する(扉のように動かす)と、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出することになる。
【0029】
一方、シリンダ錠6aを反時計回りに捻ると、内枠アセンブリ7は施錠されたままで一体扉ユニット4の施錠だけが解除され、一体扉ユニット4が開放可能となる。一体扉ユニット4を前面側へ開放すると遊技盤ユニット8が直に露出し、この状態で遊技場の管理者が盤面内での球詰まり等の障害を取り除くことができる。また一体扉ユニット4を開放すると、受け皿ユニット6も一緒に前面側へ開放される。
【0030】
またパチンコ機1は、遊技用ユニットとして上記の遊技盤ユニット8を備えている。遊技盤ユニット8は、一体扉ユニット4の背後(内側)で上記の内枠アセンブリ7に支持されている。遊技盤ユニット8は、例えば一体扉ユニット4を前面側へ開放した状態で内枠アセンブリ7に対して着脱可能である。一体扉ユニット4には、その中央部に縦長円形状の窓4aが形成されており、この窓4a内にガラスユニット4bが取り付けられている。ガラスユニット4bは、例えば窓4aの形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。ガラスユニット4bは、一体扉ユニット4の裏側に図示しない取り付け具を介して取り付けられる。遊技盤ユニット8の前面には遊技領域8a(盤面、遊技盤)が形成されており、この遊技領域8aは窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。一体扉ユニット4が閉じられると、ガラスユニット4bの内面と盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
【0031】
受け皿ユニット6は、全体的に一体扉ユニット4から前面側へ突出した形状をなしており、その上面に上皿6bが形成されている。この上皿6bには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。また受け皿ユニット6には、上皿6bの下段位置に下皿6cが形成されている。この下皿6cには、上皿6bが満杯の状態でさらに払い出された遊技球が貯留される。なお本実施形態のパチンコ機1はいわゆるCR機(CRユニットに接続する機種)であり、遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に裏側の払出装置ユニット172から受け皿ユニット6(上皿6b又は下皿6c)に払い出される。
【0032】
受け皿ユニット6の上面には貸出操作部14が設けられており、この貸出操作部14には、球貸ボタン10及び返却ボタン12が配置されている。図示しないCRユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で球貸ボタン10を遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。このため貸出操作部14の上面には度数表示部(図示されていない)が配置されており、この度数表示部には、CRユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお遊技者は、返却ボタン12を操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。本実施形態ではCR機を例に挙げているが、パチンコ機1はCR機とは別の現金機(CRユニットに接続されない機種)であってもよい。
【0033】
また、受け皿ユニット6の上面には、上段位置にある上皿6bの手前に上皿球抜きボタン6dが設置されており、そして下皿6cの手前でその中央部には下皿球抜きレバー6eが設置されている。遊技者は上皿球抜きボタン6dを例えば押し込み操作することで、上皿6bに貯留された遊技球を下皿6cへ流下させることができる。また遊技者は、下皿球抜きレバー6eを例えば左方向へスライドさせることで、下皿6cに貯留された遊技球を下方へ落下させて排出することができる。排出された遊技球は、例えば図示しない球受け箱等に受け止められる。
【0034】
受け皿ユニット6の右下部には、ハンドルユニット16が設置されている。遊技者はこのハンドルユニット16を操作することで発射制御基板セット174を作動させ、遊技領域8aに向けて遊技球を発射する(打ち込む)ことができる(球発射装置)。発射された遊技球は、遊技盤ユニット8の下縁部から左側縁部に沿って上昇し、図示しない外バンドに案内されて遊技領域8a内に放り込まれる。遊技領域8a内には多数の障害釘や風車(図中参照符号なし)等が配置されており、放り込まれた遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域8a内を流下する。なお、遊技領域8a内(盤面、遊技盤)の構成については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
【0035】
〔枠前面の構成〕
一体扉ユニット4には、演出用の構成要素として左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49が設置されている。このうち左トップレンズユニット47にはガラス枠トップランプ46及び左側のガラス枠装飾ランプ48が組み込まれており、右上電飾ユニット49には右側のガラス枠装飾ランプ50が組み込まれている。その他にも一体扉ユニット4には、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49の下方にそれぞれ連なるようにして左右のガラス枠装飾ランプ52が設置されており、これらガラス枠装飾ランプ52は、一体扉ユニット4の左右縁部から受皿ユニット6の前面部にまで回り込むようにして延びている。一体扉ユニット4においてガラス枠トップランプ46や左右のガラス枠装飾ランプ48,50,52等は、ガラスユニット4bを取り巻くようにして配置されている。
【0036】
上述した各種ランプ46,48,50,52は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。また一体扉ユニット4の上部において、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49にはそれぞれガラス枠上スピーカ54,55が組み込まれている。一方、外枠ユニット2の左下位置には外枠スピーカ56が組み込まれている。これらスピーカ54,55,56は、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して演出を実行するものである。
【0037】
また受け皿ユニット6の中央には、上皿6bの手前位置に演出切替ボタン45が設置されている。演出切替ボタン45は、例えば押し込み式の円形状ボタンとその周囲に回転式のジョグリング(ジョグダイアル)を組み合わせた形態である。遊技者は、この演出切替ボタン45を押し込み操作又は回転操作することで演出内容(例えば液晶表示器42に表示される背景画面)を切り替えたり、例えば図柄の変動中や大当りの確定表示中、あるいは大当り遊技中に何らかの演出(予告演出、確変昇格演出、大役中の昇格演出等)を発生させたりすることができる。
【0038】
〔裏側の構成〕
図2に示されているように、パチンコ機1の裏側には、電源制御ユニット162や主制御基板ユニット170、払出装置ユニット172、流路ユニット173、発射制御基板セット174、払出制御基板ユニット176、裏カバーユニット178等が設置されている。この他にパチンコ機1の裏側には、パチンコ機1の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)や外部端子板160、電源コード(電源プラグ)164、アース線(アース端子)166、図示しない接続配線等が設置されている。
【0039】
上記の払出装置ユニット172は、例えば賞球タンク172a及び賞球ケース(参照符号なし)を有しており、このうち賞球タンク172aは内枠アセンブリ7の上縁部(裏側)に設置された状態で、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球タンク172aに蓄えられた遊技球は、図示しない上側賞球樋を通じて賞球ケースに導かれる。流路ユニット173は、払出装置ユニット172から送り出された遊技球を前面側の受け皿ユニット6に向けて案内する。
【0040】
また上記の外部端子板160は、パチンコ機1を外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に接続するためのものであり、この外部端子板160からは、パチンコ機1の遊技進行状態やメンテナンス状態等を表す各種の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)が外部の電子機器に向けて出力されるものとなっている。
【0041】
電源コード164は、例えば遊技場の島設備に設置された電源装置(例えばAC24V)に接続されることで、パチンコ機1の動作に必要な電源(電力)を確保するものである。またアース線166は、同じく島設備に設置されたアース端子に接続されることで、パチンコ機1のアース(接地)を確保するものである。
【0042】
〔第1構造の適用例〕
図3は、第1構造の入賞装置ユニット190が適用された遊技盤ユニット8を単独で示した正面図である。遊技盤ユニット8は、ベースとなる遊技板8bを備えており、この遊技板8bの前面側に遊技領域8aが形成されている。遊技板8bは、例えば透明樹脂板で構成されており、遊技盤ユニット8が内枠アセンブリ7に固定された状態で、遊技板8bの前面はガラスユニット4bに平行となる。遊技板8bの前面には、略円形状に設置された発射レール(参照符号なし)の内側に上記の遊技領域8aが形成されている。
【0043】
遊技領域8a内には、始動ゲート20や普通入賞口22,24の他、入賞装置ユニット190、可変入賞装置30等が設置されている。なお、入賞装置ユニット190は、球振り分け装置200及び始動入賞口ユニット300を含む構成である。
図3中の矢印で示されるように、遊技領域8a内に打ち込まれた遊技球は、その流下の過程で無作為に始動ゲート20を通過したり、普通入賞口22,24に入賞したり、あるいは、球振り分け装置200を通過したり、始動入賞口ユニット300にて入球したりする。なお、始動入賞口ユニット300は、例えば左右に並んだ2つの始動入賞口(
図3には示されていない)を有しており、球振り分け装置200で振り分けられた遊技球は、始動入賞口ユニット300において左右いずれかの始動入賞口に入球することができる。
【0044】
打ち込まれた遊技球のうち、始動ゲート20を通過した遊技球は続けて遊技領域8a内を流下するが、普通入賞口22,24に入賞するか、もしくは始動入賞口ユニット300にて左右いずれかの始動入賞口に入球した遊技球は、遊技板8bに形成された開口(図示していない)を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。なお、球振り分け装置200及び始動入賞口ユニット300を含めた入賞装置ユニット190の詳細については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
【0045】
第1構造の入賞装置ユニット190において、始動入賞口ユニット300の左側に可変始動入賞装置28が設置されている。可変始動入賞装置28は、第1構造の入賞装置ユニット190において左側の始動入賞口に対応するものである。
【0046】
可変始動入賞装置28は、例えば左右一対の可動片28bを有しており、これら可動片28bは、例えばソレノイド(
図3には示されていない)を用いたリンク機構の働きにより、盤面(遊技板8bの前面)に沿って左右方向に往復動作する。このような往復動作は、一対の可動片28bの間に形成される遊技球の流入路の幅を変化させる動作に相当し、本実施形態ではこれを開閉動作と称する。そして、可変始動入賞装置28は所定の条件が満たされた場合(普通図柄が当りの態様で停止表示時間にわたり停止表示された場合)に作動し、上記の開閉動作を行う。
【0047】
一対の可動片28bの開閉動作は、以下の態様で行われる。すなわち、図中に実線で示されるように、先端が上を向いた状態で左右の可動片28bは非作動位置にあり、このとき可動片28bの間で遊技球が流入できる開口幅は狭められた状態となっている。なお、このとき可変始動入賞装置28での入球は容易化されていないが、入球の発生自体は可能な状態である。すなわち、左右一対の可動片28bの上方からは遊技球が流入可能であり、例えば球振り分け装置200から放出された遊技球は、左右一対の可動片28bの間に流入することができる。
【0048】
一方、可変始動入賞装置28が作動すると、図中に二点鎖線で示されているように、左右の可動片28bはそれぞれ非作動位置から開放位置に向けて変位(拡開)し、これらの間に形成される流入路の幅を左右に拡大する。この間に可変始動入賞装置28は遊技球の流入が容易化された状態となり、非作動時と比較して入球を容易に発生させることができる。なお、可変始動入賞装置28や左側の始動入賞口の詳細については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
【0049】
また、始動入賞口ユニット300には、可変始動入賞装置28の右側に一対の固定片302aが設置されている。一対の固定片302aは、第1構造の入賞装置ユニット190において、右側の始動入賞口に対応している(ただし、入賞口そのものではない)。
【0050】
一対の固定片302aもまた、その間に遊技球の流入路を形成しているが、その幅は常時固定である。なお、一対の可動片28bの幅は固定されているが、これら可動片28bの上方から遊技球が流入可能であり、例えば球振り分け装置200から放出された遊技球は、図示しない右側の始動入賞口に入球した後、左右一対の固定片302aの間に流入することができる。なお、固定片302aや右側の始動入賞口の詳細についても、別の図面を参照しながらさらに後述する。
【0051】
遊技板8bに設置されている障害釘の配列は、基本的に球振り分け装置200や始動入賞口ユニット300に向けて遊技球の流下を案内しやすい態様となっているが、必ず遊技球が球振り分け装置200や左右の始動入賞口(一対の可動片28bの間又は一対の固定片302aの間)に流入するというわけではなく、あくまで遊技球の流入は無作為に発生する。
【0052】
また、上記の可変入賞装置30は、規定の条件が満たされた場合(特別図柄が非当選以外の態様で停止表示時間にわたり停止表示された場合)に作動し、大入賞口(参照符号なし)への入球(入賞)を可能にする(特別電動役物)。可変入賞装置30は、遊技領域8a内の上部位置に設けられた入賞装置であり(いわゆる上方アタッカー)、本実施形態では演出ユニット40(詳細は後述)の上端部の左側に可変入賞装置30が配置されている。可変入賞装置30は例えば1つの開閉部材30aを有しており、この開閉部材30aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、閉位置から開放位置に向けて変位する。図示のように先端が上を向いた状態(演出ユニット40と連続している状態)で開閉部材30aは閉位置(閉止状態)にあり、このとき大入賞口への入球(入賞)は常に不能(大入賞口は閉塞中)である。可変入賞装置30が作動すると、開閉部材30aが図示しないヒンジを中心として左方へ倒れ込むようにして変位し、大入賞口を開放する(開放状態)。この間に可変入賞装置30は遊技球の流入が不能ではない状態となり、大入賞口への入球(入賞)を発生させることができる。なお、このとき開閉部材30aは大入賞口への遊技球の流入を案内する部材としても機能する。大入賞口に流入した遊技球は、カウントスイッチ84を通過して入球(入賞)を検出された後、回収通路(参照符号なし)を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。
【0053】
遊技盤ユニット8には、その中央位置から右側部分にかけて上記の演出ユニット40が設置されている。演出ユニット40は、その上縁部40aが遊技球の流下方向を変化させる案内部材として機能する他、その内側に各種の装飾部品40b,40c,40k,40m等を備えている。装飾部品40b,40c,40k,40mはその立体的な造形により遊技盤ユニット8の装飾性を高めるとともに、例えば内蔵された発光器(LED等)により透過光を発することで、演出的な動作をすることができる。また、演出ユニット40の内側には液晶表示器42(画像表示器)が設置されており、この液晶表示器42には特別図柄に対応させた演出図柄をはじめ、各種の演出画像が表示される。このように遊技盤ユニット8は、その盤面の構成や演出ユニット40の装飾性に基づいて、遊技者にパチンコ機1の特徴を印象付けている。また、本実施形態のように遊技板8bが透明樹脂板(例えばアクリル板)である場合、前面側だけでなく遊技板8bの背後に配置された各種の装飾体(可動体や発光体を含む)による装飾性を付加することができる。
【0054】
演出ユニット40の左側縁部には球案内通路40dが形成されており、その下縁部には転動ステージ40eが形成されている。球案内通路40dは遊技領域8a内にて左斜め上方に開口しており、遊技領域8a内を流下する遊技球が無作為に球案内通路40d内に流入すると、その内部を通過して転動ステージ40e上に放出される。転動ステージ40eの上面は滑らかな湾曲面を有しており、ここでは遊技球が左右方向に転動自在である。転動ステージ40e上で転動した遊技球は、やがて下方の遊技領域8a内に流下する。転動ステージ40eには、その略中央位置に球放出部40iが形成されており、転動ステージ40eから球放出部40iを介して流下した遊技球は、その真下にある球振り分け装置200に入球しやすくなる(ただし、必ず入球するわけではない。)。
【0055】
また、転動ステージ40eの略中央位置には流入通路40gが形成されており、この流入通路40gには転動ステージ40eから遊技球が無作為に流入し得る。流入通路40gは演出ユニット40の下縁部を下方に延びた後、手前側へL字形状に屈曲して形成されており、その終端に球放出口40hが形成されている。球放出口40hは前面に向けて開口しており、その開口位置が球振り分け装置200の真上に位置している。このため転動ステージ40e上から流入通路40g内に流入した遊技球は、球放出口40hから放出されて、その真下にある球振り分け装置200に流入しやすくなる(ただし、常に流入するわけではない。)。
【0056】
また、演出ユニット40には、液晶表示器42の右上位置に大型回転ランプ41が設置されている。大型回転ランプ41は、例えば光透過性の樹脂カバーと装飾体(いずれも参照符号なし)から構成されている。このうち樹脂カバーは、例えば赤色半透明の材料で容器(ドーム底)形状に成形されており、樹脂カバーの内部には発光体(例えばLED)と反射体(図示されていない)が設けられている。反射体は、例えば凹面鏡を模した構造であり、その鏡面を反射体に対向させた状態で配置されている。また反射体は、例えば図示しないモータの動力により、樹脂カバーの内部で回転運動することができる。このとき反射板は、その鏡面を発光体の周囲に沿って回転させる動きをする。なお、モータの回転軸線は樹脂カバーの中心軸線(
図3中で僅かに右側に傾斜した仮想線)に一致している。
【0057】
このため大型回転ランプ41は、発光体を発光させながら反射体をモータで回転させることにより、発光体の光を凹面鏡で集光しながら反射し、その反射光を灯台のように回転させながら樹脂カバーに透過させることができる。このとき発光体が白色光を発するものであっても、樹脂カバーの材料が赤色半透明であるため、大型回転ランプ41の発光動作は、あたかも赤色回転灯が回転発光動作しているかのように視認されることになる。
【0058】
その他、遊技領域8a内にはアウト口32が形成されており、各種入賞口に入球(入賞)しなかった遊技球は最終的にアウト口32を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。また、普通入賞口22,24や始動入賞口ユニット300、可変入賞装置30に入球した遊技球も含めて、遊技領域8a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。回収された遊技球は、図示しないアウト通路アセンブリを通じてパチンコ機1の裏側から枠外へ排出され、さらに図示しない島設備の補給経路に合流する。
【0059】
図4は、遊技盤ユニット8の一部(窓4a内の右下位置)を拡大して示す正面図である。すなわち遊技盤ユニット8には、例えば窓4a内の右下位置に普通図柄表示装置33及び普通図柄作動記憶ランプ33aが設けられている他、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35及び遊技状態表示装置38が設けられている。このうち普通図柄表示装置33は、例えば2つのランプ(LED)を交互に点灯させて普通図柄を変動表示し、そしてランプの点灯又は消灯により普通図柄を停止表示する。普通図柄作動記憶ランプ33aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせによって0〜4個の記憶数を表示する。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。なお、ここでは2つのランプ(LED)を使用することとしているが、4つのランプ(LED)を使用して普通図柄作動記憶ランプ33aを構成してもよい。この場合、点灯するランプの個数で作動記憶数を表示することができる。
【0060】
普通図柄作動記憶ランプ33aは、上記の始動ゲート20を遊技球が通過すると、その都度、作動抽選の契機となる通過が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その通過を契機として普通図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。なお本実施形態では、普通図柄作動記憶ランプ33aが未点灯(記憶数が0個)の場合、普通図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で始動ゲート20を遊技球が通過しても表示態様は変化しない。すなわち、普通図柄作動記憶ランプ33aの表示態様によって表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ普通図柄の変動が開始されていない通過の回数を表している。
【0061】
また、第1特別図柄表示装置34及び第2特別図柄表示装置35は、例えばそれぞれ7セグメントLED(ドット付き)により、対応する第1特別図柄又は第2特別図柄の変動状態と停止状態とを表示することができる(図柄表示手段)。なお、第1特別図柄表示装置34や第2特別図柄表示装置35は、複数のドットLEDを幾何学的(例えば円形状)に配列した形態であってもよい。
【0062】
また、第1特別図柄作動記憶ランプ34a及び第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、例えばそれぞれ2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせで構成される表示態様により、それぞれ0〜4個の記憶数を表示する(記憶数表示手段)。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。
【0063】
第1特別図柄作動記憶ランプ34aは、始動入賞口ユニット300において一対の固定片302aの間に遊技球が流入するごとに、右側の始動入賞口への入賞が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その入賞を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。また第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、始動入賞口ユニット300において可変始動入賞装置28に遊技球が流入するごとに、左側の始動入賞口への入賞が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化し(最大4個まで)、その入賞を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化する。なお本実施形態では、第1特別図柄作動記憶ランプ34aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第1特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で一対の固定片302aの間に遊技球が流入しても表示態様は変化しない。また第2特別図柄作動記憶ランプ35aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第2特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で可変始動入賞装置28に遊技球が流入しても表示態様は変化しない。すなわち、各特別図柄作動記憶ランプ34a,35aの表示態様により表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ第1特別図柄又は第2特別図柄の変動が開始されていない入賞の回数を表している。
【0064】
また遊技状態表示装置38には、例えば大当り種別表示ランプ38a,38b、確率変動状態表示ランプ38c、時短状態表示ランプ38d、発射位置指定ランプ38e(不使用)にそれぞれ対応する5つのLEDが含まれている。なお、本実施形態では、上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に取り付けられている。
【0065】
〔入賞装置ユニットの構成(第1構造)〕
図5及び
図6は、第1構造の入賞装置ユニット190の構成を詳細に示す分解斜視図である。このうち
図5は、入賞装置ユニット190を斜め上前方から示し、
図6は入賞装置ユニット190を斜め上後方から示している。
【0066】
上記のように入賞装置ユニット190は、球振り分け装置200及び始動入賞口ユニット300を有しており、このうち球振り分け装置200が始動入賞口ユニット300の上方に位置している。入賞装置ユニット190はベース部材192を備えており、このベース部材192は、上記の遊技板8b(
図3に示す)に設けられた開口を覆う位置に設置されるものとなっている。球振り分け装置200は、大きく分けてフロントパーツ200a及びリヤパーツ200bから構成されており、これら2つのパーツ200a,200bがベース部材192を挟んで前後に位置している。すなわち、フロントパーツ200aはベース部材192の前面側に設置されており、リヤパーツ200bはベース部材192の裏面側に設置されている。なお、各パーツ200a,200bの内部構造についてはさらに後述する。
【0067】
〔共通構成〕
上記の球振り分け装置200は、入賞装置ユニット190が第1〜第3構造のいずれであっても共通の構成とすることができる。また、ベース部材192についても、入賞装置ユニット190を第1〜第3構造のいずれとする場合であっても共通の構成を適用することができる。以下、共通構成のベース部材192について説明する。
【0068】
〔球通過孔〕
球振り分け装置200の下方で、ベース部材192の下部位置には、幅方向(左右)に並んで一対をなす2つの球通過孔196が形成されている。これら球通過孔196は互いに同一形状であり、いずれもベース部材192を厚み方向に貫通して形成されている。これら球通過孔196は、始動入賞口ユニット300において一対の可動片28bの間、又は固定片302aの間に流入した遊技球を1個ずつ遊技盤ユニット8の裏面側へ通過させることができる。
【0069】
〔可動片設置部〕
また、ベース部材192には、各球通過孔196の両側で一対をなす2つの円弧状孔194及び2つのピン穴195が形成されている。このため、円弧状孔194及びピン穴195は一対の球通過孔196にそれぞれ対応して2つずつ、左右で合計2組となっている。円弧状孔194はベース部材192を厚み方向に貫通して形成されているが、ピン穴195はベース部材192を前面側から厚み方向に陥没させた上で、その裏面側を凸状に盛り上げて形成されている。ベース部材192の前面側からみて、球通過孔196の右側で円弧状孔194はC字形状であり、左側では逆C字形状となっている。また、各ピン穴195は、各円弧状孔194が描く円弧の中心に位置している。
【0070】
可変始動入賞装置28を構成する一対の可動片28bは、ヒンジピン28dを介してベース部材192に設置されている。このときヒンジピン28dは、その大部分が各可動片28bに挿入されているが、前面側と裏面側で両端部がそれぞれ突出し、このうち裏面側に突出した端部がピン穴195に嵌め合わされている。また、一対の可動片28bには、それぞれ裏面側に突出するリンクロッド28cが一体に形成されており、これらリンクロッド28cは、一対の可動片28bの設置状態にて、それぞれ円弧状孔194に挿入されている。
【0071】
〔駆動機構設置部〕
一方、ベース部材192の裏面側には、一対の通過孔196にそれぞれ対応して、2組の設置用ボス192aが形成されている。設置用ボス192aは合計で4本あるが、このうち各通過孔196の両側に位置する2本が1つの組をなし、左右で合計2組となっている。
【0072】
〔駆動機構〕
可変始動入賞装置28は、駆動機構の動力源となるソレノイド88を備えており、このソレノイド88がブラケット880を介してベース部材192の裏面側に設置されている。このときブラケット880は、上記の設置用ボス192aにねじ留めされる。また、可変始動入賞装置28は、ソレノイド88の他に駆動機構として2つのリンクアーム882、リンクピン886及び1本のリンクロッド884を備えており、このうちリンクロッド884がソレノイド88のプランジャ(参照符号なし)に取り付けられている。リンクロッド884はプランジャを中心として左右(水平方向)に延びており、その両端に各リンクアーム882の一端部がピン接合されている。各リンクアーム882はL字形状をなしており、そのL字に折れ曲がった中間位置がリンクピン886を介してブラケット880に支持されている。リンクアーム882の他端部は側面視でC字形状をなしており、そのC字の開いた先端部分が各可動片28bのリンクロッド28cの端部を上下からくわえ込むようにして取り付けられる。
【0073】
ソレノイド88がOFFの状態でプランジャが伸長していると、各リンクアーム882が各可動片28bのリンクロッド28cを押し下げているので、一対の可動片28bは上述した非作動位置に保持される。ソレノイド88がONの状態でプランジャが収縮すると、リンクロッド884がソレノイド88に引きつけられて後退し、これに伴って各リンクアーム882が各可動片28bのリンクロッド28cを持ち上げる。これにより、一対の可動片28bがヒンジピン28dを中心として左右対称に回転(約4分の1回転)し、上述した開放位置に変位する。このとき、持ち上げられたリンクロッド28cは、各円弧状孔194に沿って円運動する。この後、ソレノイド88がOFFになると、図示しないターンスプリングの反発力でプランジャが伸長し、一対の可動片28bは再び非作動位置に復帰する。
【0074】
ここで、上記のようにベース部材192には、左右一対をなす球通過孔196にそれぞれ対応して、前面側には左右2組の円弧状孔194及びピン穴195が設けられており、裏面側には左右2組の設置用ボス192aが設けられている。このため、ベース部材192には左右いずれの球通過孔196に対しても、選択的に一対の可動片28bを設置することが可能であるし、また、ソレノイド88をはじめとした駆動機構を設置することが可能である。
【0075】
その上で、
図5及び
図6に示される第1構造の入賞装置ユニット190では、前面側からみて左側に位置する1組の円弧状孔194及びヒンジピン28dを選択的に用いて一対の可動片28bが設置されており、裏面側ではこれに対応する方(前面側からみて左側)に位置する1組の設置用ボス192aを用いてソレノイド88等の駆動機構が設置されている。このように、第1構造の入賞装置ユニット190を構成する場合、始動入賞口ユニット300には第1形態の前面側部材302が適用されるものとなっている。以下、第1形態の前面側部材302について説明する。
【0076】
〔第1形態の前面側部材〕
前面側部材302は、左右一対の球通過孔196を覆う状態でベース部材192の前面側に設置される。このとき第1形態の前面側部材302は、前面側からみて左側の球通過孔196に対応する円弧状孔194及びピン穴195の組との間で一対の可動片28bを支持し、右側の球通過孔196に対応する位置に上記の固定片302aを有する構造となっている。
【0077】
すなわち、前面側部材302の内壁には、前面側からみて左側に一対のピン穴302eが形成されており、これらピン穴302eには、一対の可動片28bから前面側に突出したヒンジピン28dの端部が嵌め合わされる。これにより、前面側部材302の取付状態で、一対の可動片28bが開閉動作可能に支持されることになる。
【0078】
また、前面側部材302の内部には、前面側からみて左側に可動片受け部302bが一体に形成されており、この可動片受け部302bは、一対の可動片28bの下方を覆っている。また、一対の可動片28bが開放位置に変位した状態で、可動片受け部302bは各可動片28bの外面を支持することができる。
【0079】
さらに前面側部材302の内部には、可動片受け部302bと一体に球受け部302cが形成されている。この球受け部302cは、一対の可動片28bの間に流入した遊技球を受け止め、対応する球通過孔196に向けて誘導する。また、合わせて前面側部材302の内部には、左右方向でみて可動片受け部302b及び球受け部302cの中央位置に球誘導リブ302dが形成されている。球誘導リブ302dは、前面側部材302の内壁面と球受け部302cの底面との間の隅角部に位置し、側面視では上方から球通過孔196の下縁に向けて円弧状に湾曲している。このため、一対の可動片28bの間に流入してきた遊技球は、球受け部302cに受け止められつつ、球誘導リブ302dに案内されてスムーズに球通過孔196を通過することができる。
【0080】
一方、前面側部材302の前面側からみて右側の内部には、上記のように一対の固定片302aが一体に形成されている。一対の固定片302aは前面側部材302の内部でつながっており、これらが全体として背面視でU字形状をなしている。そして、一対の固定片302aの中央位置には、球受け部302cと同様の球誘導リブ302dが形成されている。このため、一対の固定片302aの間に流入してきた遊技球は、前面側部材302の内部で受け止められ、球誘導リブ302dに案内されてスムーズに球通過孔196を通過することができる。
【0081】
〔その他の構成〕
その他にも入賞装置ユニット190には、共通構成部品として右始動入賞口スイッチ80、左始動入賞口スイッチ82、裏カバー304,306等を有している。左右の始動入賞口スイッチ80,82は、それぞれ対応する球通過孔196を遊技球が通過したことを検出する。裏カバー304,306は、ベース部材192の裏面にねじ留めして設置されることで、右始動入賞口スイッチ80又は左始動入賞口スイッチ82の脱落を防止する。また、裏カバー304,306には、それぞれ球誘導部304a,306aが一体に形成されており、これら球誘導部304a,306aは、対応する球通過孔196を通過した遊技球を図示しないアウト通路アセンブリに向けて誘導する。なお、前面側からみて左側の裏カバー304は、リンクアーム882との干渉が防止された形状となっている。
【0082】
〔第1構造のまとめ〕
以上のように第1構造の入賞装置ユニット190では、予め選択された第1形態の前面側部材302をベース部材192に取り付けることで、左側の球通過孔196を可変始動入賞装置28に対応させるとともに、右側の球通過孔196を始動入賞口に対応させて使用することができる。
【0083】
第1構造の入賞装置ユニット190を適用して遊技盤ユニット8を構成した場合、パチンコ機1において以下の遊技性が実現される。
(1)可変始動入賞装置28の作動頻度が相対的に低く設定された通常状態では、遊技領域8aの左側部分に遊技球を打ち込む「左打ち」を遊技者が行うことにより、球振り分け装置200による振り分け動作を経て可変始動入賞装置28に遊技球を入球させることができる。なお、右側の始動入賞口についても、球振り分け装置200による振り分け動作を経て遊技球を入球させることができる。
(2)可変始動入賞装置28の作動頻度が通常状態に比較して高く設定された時間短縮機能作動状態においても、遊技者が主に「左打ち」することにより、球振り分け装置200による振り分け動作を経て可変始動入賞装置28への入球が発生するほか、球振り分け装置200の左側からも可変始動入賞装置28への入球が発生する。なお、右側の始動入賞口については、通常状態と同様に球振り分け装置200による振り分け動作を経て遊技球を入球させることができる。
【0084】
以上より、第1構造の入賞装置ユニット190を適用すると、
図3中に矢印で示されているように、常時「左打ち」を中心とした遊技性のパチンコ機1を実現することができる。
【0085】
〔第2構造の適用例〕
図7は、第2構造の入賞装置ユニット290が適用された遊技盤ユニット8を単独で示した正面図である。以下、第1構造の入賞装置ユニット190を適用した場合との相違点を中心として説明する。
【0086】
第2構造の入賞装置ユニット290は、可変始動入賞装置28が前面側からみて右側に設置されている点が第1構造との大きな違いである。この場合、球振り分け装置200による球振り分け動作を経て右側の可変始動入賞装置28に遊技球を入球させることができるが、可変始動入賞装置28の作動時(開放状態)には、遊技領域8aの右側部分からの入球が容易化されることになる。したがって、第2構造の入賞装置ユニット290を適用した場合、
図7中の矢印で示されるように、遊技領域8aの左側部分に遊技球を打ち込む「左打ち」の他に、右側部分に遊技球を打ち込む「右打ち」が有効となる。このため、
図7に示される遊技盤ユニット8の構成では、遊技領域8aの右側部分に始動ゲート20が設置されている他、可変入賞装置30も遊技領域8aの右側部分に設置されている。また、1つの普通入賞口24が遊技領域8aの右側部分に設置されている。
【0087】
〔その他の相違点〕
また、
図7に示される遊技盤ユニット8では、可変入賞装置30の形態が
図3の場合と異なっている。すなわち、
図7に示される遊技盤ユニット8において、可変入賞装置30は、例えば1つの開閉部材30aを有している。この開閉部材30aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。図示のように盤面に沿った状態で開閉部材30aは閉位置(閉鎖状態又は閉止状態)にあり、このとき大入賞口への入賞は常に不能(大入賞口は閉塞中)である。可変入賞装置30が作動すると、開閉部材30aがその下端縁部分をヒンジとして前方へ倒れ込むようにして変位し、大入賞口を開放する(開放状態)。この間に可変入賞装置30は遊技球の流入が不能ではない状態となり、大入賞口への入球(入賞)を発生させることができる。なお、このとき開閉部材30aは大入賞口への遊技球の流入を案内する部材としても機能する。また、可変入賞装置30の作動時(主に大当り遊技中)は、「右打ち」することで大入賞口への入球(入賞)が可能となる。
【0088】
また、演出ユニット40については、内側の装飾部品40b,40c,40k,40m等の形態が異なっている。これら装飾部品40b,40c,40k,40mの形態の違いに基づき、
図7に示される遊技盤ユニット8の印象が
図3の場合と大きく異なっている。また、転動ステージ40eは例えば上下2段に形成されており、このうち上段が遊技者からみて奥に位置し、下段が遊技者からみて手前に位置する。上下2段とも、それぞれ転動ステージ40eの上面は滑らかな湾曲面を有しており、ここでは遊技球が左右方向に転動自在である。転動ステージ40e上で転動した遊技球は、やがてその下段から下方の遊技領域8a内に流下する。転動ステージ40eの略中央位置に流入通路40gが形成されている点は同じであるが、この流入通路40gには上段の転動ステージ40eから遊技球が無作為に流入し得る。
【0089】
その他に演出ユニット40には、演出用の可動体40f(例えばハート形の装飾物)とともに図示しない駆動源(例えばモータ、ソレノイド等)が付属している。演出用の可動体40fは、液晶表示器42による画像を用いた演出や発光器による演出に加えて、有形物の動作を伴う演出を実行することができる。このような可動体40fを用いた演出により、二次元の画像を用いた演出とは別の訴求力を発揮することができる。なお、
図7に示される遊技盤ユニット8の場合、演出ユニット40に大型回転ランプ41は設置されていない。
【0090】
〔入賞装置ユニットの構成(第2構造)〕
図8及び
図9は、第2構造の入賞装置ユニット290の構成を詳細に示す分解斜視図である。このうち
図8は、入賞装置ユニット290を斜め上前方から示し、
図9は入賞装置ユニット290を斜め上後方から示している。以下、第1構造との違いを中心として説明する。また、第1構造と共通する構成については同じ符号を付し、その重複した説明を適宜省略する。
【0091】
第2構造の入賞装置ユニット290では、前面側からみて右側に位置する1組の円弧状孔194及びヒンジピン28dを選択的に用いて一対の可動片28bが設置されており、裏面側では対応する側(前面側からみて右側)に位置する1組の設置用ボス192aを用いてソレノイド88等の駆動機構が設置されている点が第1構造と異なっている。そして、第2構造の入賞装置ユニット290を構成する場合、始動入賞口ユニット300には第2形態の前面側部材322が適用されるものとなっている。以下、第2形態の前面側部材322について説明する。
【0092】
〔第2形態の前面側部材〕
前面側部材322もまた、左右一対の球通過孔196を覆う状態でベース部材192の前面側に設置される点は第1形態と同じである。ただし、第2形態の前面側部材322は、前面側からみて右側の球通過孔196に対応する円弧状孔194及びピン穴195の組との間で一対の可動片28bを支持し、左側の球通過孔196に対応する位置に上記の固定片302aを有する構造となっている点が異なっている。なお、可動片受け部302bや球受け部302c、球誘導リブ302d等については、第1形態の場合と配置は異なっているが、個々の構造は共通である(第1形態と左右対称)。
【0093】
〔その他の構成〕
左右の始動入賞口スイッチ80,82は、第1構造から特に配置を変更していない。なお、裏カバー304,306については、前面側からみて左側に裏カバー306を設置し、ソレノイド88等の駆動機構が位置する右側に裏カバー304を設置することで、リンクアーム882との干渉を防止している。
【0094】
〔第2構造のまとめ〕
以上のように第2構造の入賞装置ユニット290では、予め選択された第2形態の前面側部材322をベース部材192に取り付けることで、第1構造とは反対に右側の球通過孔196を可変始動入賞装置28に対応させるとともに、左側の球通過孔196を始動入賞口に対応させて使用することができる。
【0095】
このような第2構造の入賞装置ユニット290を適用して遊技盤ユニット8を構成した場合、パチンコ機1において以下の遊技性が実現される。
(1)可変始動入賞装置28の作動頻度が相対的に低く設定された通常状態では、遊技領域8aの左側部分に遊技球を打ち込む「左打ち」を遊技者が行うことにより、球振り分け装置200による振り分け動作を経て可変始動入賞装置28に遊技球を入球させることができる。なお、右側の始動入賞口についても、球振り分け装置200による振り分け動作を経て遊技球を入球させることができる。
(2)可変始動入賞装置28の作動頻度が通常状態に比較して高く設定された時間短縮機能作動状態に移行した場合、遊技者が主に「右打ち」することにより、通過ゲート20の通過を契機として高い頻度で可変始動入賞装置28が作動する。これにより、球振り分け装置200の右側から可変始動入賞装置28への入球が発生しやすくなる。この場合でも、球振り分け装置200による振り分け動作を経て可変始動入賞装置28への入球は発生する。また、左側の始動入賞口についても、「右打ち」された遊技球が球振り分け装置200による振り分け動作を経て遊技球を入球させることができる。
【0096】
以上より、第2構造の入賞装置ユニット290を適用すると、
図7中に矢印で示されているように、通常状態では「左打ち」を中心とした遊技性であるが、変動時間短縮機能作動状態(高確・時短中)では「右打ち」を中心とした遊技性のパチンコ機1を実現することができる。
【0097】
〔第3構造の適用例〕
図10は、第3構造の入賞装置ユニット390が適用された遊技盤ユニット8を単独で示した正面図である。この場合、遊技盤ユニット8の構成には、第2構造の入賞装置ユニット290を適用した場合(
図7)との共通点が多い。このため以下では、第2構造の入賞装置ユニット290を適用した場合との相違点を中心として説明する。
【0098】
第3構造の入賞装置ユニット390は、可変始動入賞装置28が設置されておらず、前面側からみて左右両側にそれぞれ一対の固定片302aが設置されている点が第1構造及び第2構造との大きな違いである。この場合、可変始動入賞装置28は遊技領域8aの右側部分に設置されており、入賞装置ユニット390とは分離されている。したがって、球振り分け装置200による球振り分け動作は可変始動入賞装置28への入球に影響せず、球振り分け装置200は、純粋に左右の始動入賞口(左右両側でそれぞれ一対をなす固定片302aの上方に位置する)への入球を振り分けるものとなる。
【0099】
なお、第3構造の入賞装置ユニット390を適用した場合でも、遊技領域8aの右側部分に可変始動入賞装置28が設置されているため、「左打ち」の他に「右打ち」が有効となる。
【0100】
〔入賞装置ユニットの構成(第3構造)〕
図11及び
図12は、第3構造の入賞装置ユニット390の構成を詳細に示す分解斜視図である。このうち
図11は、入賞装置ユニット390を斜め上前方から示し、
図12は入賞装置ユニット390を斜め上後方から示している。以下、第1,第2構造との違いを中心として説明する。また、第1,第2構造と共通する構成については同じ符号を付し、その重複した説明を適宜省略する。
【0101】
第3構造の入賞装置ユニット390には、上記のように一対の可動片28bは設置されておらず、ソレノイド88を含む駆動機構も設置されていない。このような第3構造の入賞装置ユニット390を構成する場合、始動入賞口ユニット300には代替前面側部材332が適用される。以下、代替前面側部材332について説明する。
【0102】
〔代替前面側部材〕
代替前面側部材332は、上述した第1,第2形態の前面側部材302,322と同様に、左右一対の球通過孔196を覆う状態でベース部材192の前面側に設置される。ただし、代替前面側部材332は、左右両側の球通過孔196に対応する位置にそれぞれ一対の固定片302aを有する構造となっている点が大きく異なっている。したがって、代替前面側部材332には、可動片受け部302bや球受け部302cが形成されていない。また、球誘導リブ302dは、左右両側の固定片302aに対してそれぞれ形成されている。
【0103】
〔その他の構成〕
左右の始動入賞口スイッチ80,82は、上述した第1,第2構造から特に配置を変更されていない。また、裏カバー304,306については、第1構造と同様に配置されている。なお、第3構造ではリンクアーム882との干渉を考慮しなくてよいため、左右両側を同一構造の裏カバー306としてもよい。ただし、敢えて第1構造と同様に裏カバー304,306を配置することで、構造別に裏カバー304,306の組み合わせを異ならせる必要がない。したがって、構造によって部品の過不足が生じることがなく、また、構造別に部品点数を細かく調整する手間を省略できるという利点がある。
【0104】
〔第3構造のまとめ〕
以上のように第3構造の入賞装置ユニット390では、これまでの第1,第2形態の前面側部材302,322に代えて、代替前面側部材332をベース部材192に取り付けることで、第1,第2構造とは異なり、左右両側の球通過孔196を始動入賞口に対応させて使用することができる。この場合、可変始動入賞装置28は入賞装置ユニット390と別に設置されることが前提となる。
【0105】
このような第3構造の入賞装置ユニット390を適用して遊技盤ユニット8を構成した場合、パチンコ機1において以下の遊技性が実現される。
(1)可変始動入賞装置28の作動頻度が相対的に低く設定された通常状態では、遊技領域8aの左側部分に遊技球を打ち込む「左打ち」を遊技者が行うことにより、球振り分け装置200による振り分け動作を経て、左右両側の始動入賞口に対して交互に入球が発生する。この場合でも、第1特別図柄と第2特別図柄とを交互に変動させることができる。
(2)可変始動入賞装置28の作動頻度が通常状態に比較して高く設定された時間短縮機能作動状態に移行した場合、遊技者が主に「右打ち」することにより、通過ゲート20の通過を契機として高い頻度で可変始動入賞装置28が作動する。これにより、遊技領域8aの右側部分で可変始動入賞装置28への入球が発生しやすくなる。また、「右打ち」された遊技球が球振り分け装置200に入球することで、球振り分け装置200による振り分け動作を経て左右両側の始動入賞口への入球は可能であるし、入賞装置ユニット390の右側から流下してきた遊技球が無作為に左右両側の始動入賞口に流入することは可能である。
【0106】
以上より、第3構造の入賞装置ユニット390を適用した場合、
図10中に矢印で示されているように、通常状態では「左打ち」を中心とした遊技性であるが、変動時間短縮機能作動状態(高確・時短中)では「右打ち」を中心とした遊技性のパチンコ機1を実現することができる。
【0107】
〔球振り分け装置の構成〕
次に、球振り分け装置200の構成について説明する。上記のように球振り分け装置200は、第1〜第3構造の入賞装置ユニット190,290,390のいずれについても共通の構成とすることができる。以下では、第1構造の入賞装置ユニット190を例に挙げて球振り分け装置200の構成を説明するものとする。
【0108】
図13は、球振り分け装置200を単独で示す正面図(A)及び部分断面図(B)である。なお、
図13及び以降に挙げる図面では煩雑化を防止するため、球振り分け装置200の説明に関係しない部位の参照符号について適宜その図示を省略している。
【0109】
球振り分け装置200は、上記のようにフロントパーツ200a及びリヤパーツ200bを有しており、これら2つのパーツ200a,200bが球振り分け装置200の本体部分(装置本体)を主に構成している。なお、リヤパーツ200bは正面視で表出しておらず、
図13にはリヤパーツ200bが示されていない。
【0110】
球振り分け装置200は、その一部の構成要素としてベース部材192を利用している。すなわち、上記のようにフロントパーツ200aはベース部材192の前面に取り付けられ、この状態でフロントパーツ200a及びベース部材192の上部位置に流入口202が形成されている。なお、流入口202は遊技領域8a内で上向きに開口しており、流入口202には上方から流下してきた遊技球が流入する。
【0111】
また、球振り分け装置200には、1つの流入口202に対して2つの出口(第1放出口204及び第2放出口203)が形成されている。流入口202に流入した遊技球は、球振り分け装置200の内部で流下経路が二手に振り分けられ、第1放出口204又は第2放出口203のいずれかへと導かれる。第1放出口204及び第2放出口203は、フロントパーツ200aの内側でいずれも前面に向けて開放している。すなわち、これら第1放出口204及び第2放出口203の各開口面は、遊技板8bの前面(盤面)と平行に配置されている。
【0112】
前面に開口した第1放出口204及び第2放出口203を形成するため、球振り分け装置200には、正面視で縦型の整流誘導路208,209が形成されている。これら整流誘導路208,209は、振分誘導路201の両端にそれぞれ連なり、そこからリヤパーツ200bの裏面側へ向けて屈曲されている。そして各整流誘導路208,209は、リヤパーツ200bの裏面側で下方に潜り込み、さらにその前面側へ折り返すようにして反転(Uターン)している。そして第1放出口204及び第2放出口203は、各整流誘導路208,209が反転した終端(開放端)に位置している。なお、整流誘導路208,209は、ベース部材192の裏面側でリヤパーツ200bの内部に形成されている。また、リヤパーツ200bを含めてフロントパーツ200a及びベース部材192には透明樹脂材料が使用されており、これにより、球振り分け装置200内部での遊技球の視認性が確保されている。
【0113】
遊技球の振り分け動作を行うため、フロントパーツ200aの内部には、流入口202の真下位置に風車型の回転体205が配置されている。回転体205は、その中心軸から放射状に延びた3つの羽部材205a,205b,205cを有している。回転体205は、電気的又はその他の動力による動作を行うものではなく、遊技球が羽部材205a,205b,205cに衝突することにより回転する。
【0114】
また、フロントパーツ200aの内部で回転体205の下方位置には、盤面に沿って左右両側に下り傾斜して延びる振分誘導路201が形成されている。振分誘導路201の中央位置には、回転体205の回転を規制する2つの突起部206a,206bが設けられている。そして、これら突起部206a,206bに羽部材205a,205bが接触することにより、回転体205の回転が規制されるものとなっている。
【0115】
〔左右の始動入賞口〕
ここで、入賞装置ユニット190には、球振り分け装置200と始動入賞口ユニット300との間に右始動入賞口26及び左始動入賞口28aが形成されている。すなわち、ベース部材192には、その前面に突出した4本のスタッド部材198が形成されている。これらスタッド部材198は、球振り分け装置200の第1放出口204及び第2放出口203の直下位置にて、それぞれ2本で1組をなしている。また、各組をなす2本のスタッド部材198は、互いに一定間隔をおいて幅方向に配列されている。各スタッド部材198は横向き台形状の断面を有しており、図示の例では、各組をなす2本のスタッド部材198が互いに台形の下底辺に相当する部位を向かい合わせにして配置されている。この状態で、各組をなす2本のスタッド部材198の間に遊技球の入口、つまり、右始動入賞口26及び左始動入賞口28aが形成されている。
【0116】
このうち、右始動入賞口26に入球した遊技球は、そのまま一対の固定片302aの間に流入し、上記のように右側の球通過孔196を通過して右始動入賞口スイッチ80により検出される。そして、右始動入賞口スイッチ80による入賞検出信号が有効に処理されると、右始動入賞口26での入賞が発生したことになり、遊技制御上で例えば第1特別図柄に対応する作動記憶が上限数(例えば4個)の範囲内で行われる。なお、このような遊技制御を行うのは主制御基板ユニット170に実装された主制御CPU(図示していない)である。
【0117】
また、左始動入賞口28aに入球した遊技球は、可変始動入賞装置28の非作動時において一対の可動片28bの間に流入し、上記のように左側の球通過孔196を通過して左始動入賞口スイッチ82により検出される。可変始動入賞装置28の作動時には、上記のように一対の可動片28bが開放位置に変位した状態となる。この状態では、2本のスタッド部材198の間ではなく、一対の可動片28bの先端同士の間が左始動入賞口28aとなり、その開口幅が拡大される。この場合も同様に、左始動入賞口28aに入球(一対の可動片28bの間に流入)した遊技球は左側の球通過孔196を通過する。いずれにしても、左始動入賞口スイッチ82による入賞検出信号が有効に処理されると、左始動入賞口28aでの入賞が発生したことになり、遊技制御上で例えば第2特別図柄に対応する作動記憶が上限数(例えば4個)の範囲内で行われる。このような遊技制御を行うのも上記の主制御CPU(図示していない)である。
【0118】
図14及び
図15は、球振り分け装置200の構成をより詳細に示す分解斜視図である。このうち
図14は球振り分け装置200を斜め上前方から示し、
図15は球振り分け装置200を斜め上後方から示している。
【0119】
上記のように球振り分け装置200は、その装置本体を構成するフロントパーツ200a及びリヤパーツ200bを有しており、これら2つのパーツ200a,200bは、ベース部材192を挟んで前後方向(図中Z軸方向)に組み合わせられる。入賞装置ユニット190全体が遊技板8b(
図14,
図15には示されない)に取り付けられると、ベース部材192は遊技板8bに形成された開口(同じく図示されていない)を覆う状態で設置される。また、ベース部材192は、その大部分が上記の開口に嵌め込まれている。なお、ベース部材192は、遊技板8bに取り付けられた状態でその全体が盤面に沿って広がり、盤面の一部を装飾する部品となる。
【0120】
回転体205は、フロントパーツ200aとベース部材192との間に挟み込まれるようにして配置され、フロントパーツ200aとベース部材192により支持ピン205gを介して回転自在に支持される。回転体205には、例えば1つの羽部材205cにリンクロッド205dが形成されており、このリンクロッド205dは、回転体205の回転軸線に沿ってベース部材192の裏面側へ突出している。これに対してベース部材192には挿通孔200eが形成されており、フロントパーツ200a及びベース部材192に回転体205が支持された状態で、リンクロッド205dは挿通孔200e内に挿入されるものとなっている。
【0121】
また、球振り分け装置200は回転体205の節度機構を有しており、節度機構は上記のリンクロッド205dの他に、梃子部材205e及びカウンタウエイト205fを組み合わせて構成されている。なお、リヤパーツ200bの内部は2枚の仕切壁200hで3室に区分けされており、節度機構を構成する部品は2枚の仕切壁200hの間に収容されるものとなっている。
【0122】
上記の梃子部材205eは、ベース部材192及びリヤパーツ200bにそれぞれピン接合された状態で、例えば回転体205と同じ回転軸線上にてピン205hにより回転自在に支持される。このとき回転体205のリンクロッド205dが挿通孔200eを通じて裏面側に突出し、その突出端にて梃子部材205eの一端部(短アーム)に接合されるものとなっている。梃子部材205eの他端部(長アーム)には、その長手方向に沿って長孔(参照符号なし)が形成されており、この長孔内にカウンタウエイト205fの自由端がスライダ接合されるものとなっている。カウンタウエイト205fもまたベース部材192及びリヤパーツ200bにそれぞれピン接合され、その下端ピン205kを軸線として回転自在に支持される。なお、
図15に示されているように、ベース部材192の裏面には、上記のピン205h及び下端ピン205kを嵌め込むボス部(参照符号なし)が一体に形成されている。
【0123】
上記の節度機構は、回転体205が時計回り又は反時計回りのいずれかに回転し、羽部材205a,205bのいずれかが突起部206a,206bに接触して回転が規制されると、この状態で回転体205に節度を付与(姿勢を保持)することができる。具体的には、回転体205の回転が規制されると、梃子部材205eが左右いずれかに傾斜した姿勢となるが、このときカウンタウエイト205fによって梃子部材205eが中立姿勢(直立姿勢)に復元しようとする動きが抑えられる。これにより、回転体205は遊技球300を振り分けた後の姿勢に保持されることになる。
【0124】
なお、節度機構による回転体205の姿勢の保持は、突起部206a,206bと接触していない方の羽部材205a,205bに対して遊技球300の荷重が加わると解除される。すなわち節度機構は、遊技球300の荷重に抗してまで回転体205の姿勢を保持することはないため、その振り分け動作が阻害されることはない。
【0125】
図14に示されているように、リヤパーツ200bの内部は中空をなしている。リヤパーツ200bは、その中空の内部が2枚の仕切壁200hで3室に仕切られることにより、各仕切壁200hの外側に位置する2つの室が整流誘導路208,209として形成されている。また、ベース部材192には、整流誘導路208,209にそれぞれ対向する位置に縦長の貫通孔192aが2つ形成されている。リヤパーツ200bがベース部材192に取り付けられると、2つの貫通孔192aがそれぞれ対向する整流誘導路208,209の開口縁に重なり合う。
【0126】
また、
図15に示されているように、フロントパーツ200aには整流誘導路208,209にそれぞれ相対して一対の傾斜板201aが形成されている。フロントパーツ200aがベース部材192に組み合わされると、各傾斜板201aの先端部分はそれぞれ、貫通孔192aを通じて対向する整流誘導路208,209の内部に張り出した状態となる。
【0127】
各傾斜板201aは、振分誘導路201の左右両端に連なって形成されている。振分誘導路201は、中央位置から左右両端の方向に向かって下り傾斜し、それぞれ終端に段差が設けられている。そして各傾斜板201aは、振分誘導路201の左右両端より一段下がった位置からベース部材192の裏面側(後方:図中Z軸方向)に向かって下り傾斜している。
【0128】
また、
図15に示されているように、フロントパーツ200aの内部には、振分誘導路201の左右両端に対して、各傾斜板201aが連なる隅角部にコーナーリブ201bが形成されている。コーナーリブ201bは隅角部に沿う円弧形状をなしており、その円弧面にて遊技球の方向変換を案内することができる。
【0129】
〔遊技球の流下態様〕
図16は、球振り分け装置200における遊技球の流下態様を示す斜視図である。なお
図16では煩雑化を防止するため、外観上で表出していない構成要素については図示を省略している。
【0130】
図16中(A):例えば、回転体205の羽部材205aが突起部206aに接触した姿勢にあり、この状態で流入口202を通じて遊技球が球振り分け装置200に流入すると、回転体205が正面視で時計回り方向に回転し、遊技球は正面視で振分誘導路201の右方向に誘導される。そして、遊技球が振分誘導路201の右終端から段差を介して傾斜板201a上に転動すると、コーナーリブ201bに案内されて遊技盤8の奧方向へ転動する。そして、遊技球は傾斜板201aの下り傾斜によって整流誘導路209内に進入し、盤面に対して直交する軸線(図中Z軸線)に沿ってUターン(反転)すると、第1放出口204を通じて前方へ放出される。
【0131】
図16中(B):あるいは、回転体205の羽部材205bが突起部206bに接触した姿勢にあり、この状態で流入口202を通じて遊技球が球振り分け装置200に流入すると、今度は回転体205が正面視で反時計回り方向に回転し、遊技球は正面視で振分誘導路201の左方向へ誘導される。そして、遊技球が振分誘導路201の左終端から段差を介して傾斜板201a上に転動すると、コーナーリブ201bに案内されて遊技盤8の奧方向に転動する。そして、遊技球は傾斜板201aの下り傾斜によって整流誘導路208内に進入し、盤面に対して直交する軸線(図中Z軸線)に沿ってUターン(反転)すると、第2放出口203を通じて前方へ放出される。
【0132】
上記いずれの場合についても、遊技球の荷重によって節度機構による回転体205の姿勢保持は解除される。また、遊技球を振り分けたことで回転体205の回転が規制されると、節度機構が働いて回転体205の姿勢が保持される。
【0133】
図17及び
図18は、球振り分け装置200の動作原理について説明する図である。このうち
図17は右始動入賞口26への入球(入賞)を促進する態様で遊技球が振り分けられる場合の状態を示しており、
図18は左始動入賞口28aへの入球(入賞)を促進する態様で遊技球が振り分けられる場合の状態を示している。
【0134】
〔右始動入賞口26側への振り分け〕
図17中(A):例えば最初の状態で、回転体205の羽部材205aが左側の突起部206aと接触している状態を想定する。このとき回転体205には、節度機構による姿勢保持が作用している。
【0135】
この状態で遊技球が流入口202に流入すると、回転体205における羽部材205bと羽部材205cとの間に遊技球が入り込み、遊技球の重みによって節度機構が解除され、回転体205は右回り(時計回り)に回転する。
【0136】
そして、
図17中(B)に示すように、回転体205が右回りに回転することにより、遊技球が振分誘導路201の右方向へ誘導される。そして、遊技球が右側の傾斜板201aに達した所でコーナーリブ201bにより転動方向を奥側へ変換されると、遊技球は傾斜板201aの傾斜に沿って右側の整流誘導路209に流下する。そして、遊技球は整流誘導路209に案内されて方向変換し、第1放出口204から前面側へ放出される。これにより、遊技球が右始動入賞口26側へ振り分けられることになる。このとき回転体205の羽部材205bは、右側の突起部206bに接触することにより、そこで回転体205の回転が規制される。そして、次に流入してきた遊技球の荷重を受けるまでは、回転体205の姿勢が節度機構により保持される。
【0137】
より好ましくは、整流誘導路208,209内にはそれぞれUターンリブ200fが形成されており、このUターンリブ200fは、整流誘導路208,209の上面から奥側の壁面、及び底面に至る領域内に形成されている。Uターンリブ200fは全体としてU字形状をなし、その湾曲した円弧面に沿って遊技球のスムーズな流下を案内する。
【0138】
上記のように、第1放出口204は前面に向けて開口しており、この開口の下端縁(Uターンリブ200fのエッジ)から右側で2本1組のスタッド部材198の上端(右始動入賞口26)までの距離Dは、例えば遊技球の直径より大きく設定されていてもよいし、遊技球の直径より小さく設定されていてもよい。いずれにしても、第1放出口204から遊技領域8a(
図17には示さず)に再放出された遊技球は、無作為な流下に伴って右始動入賞口26に入球する場合もあるし、スタッド部材198に弾かれて右始動入賞口26に入球しない場合もある。また、フロントパーツ200aの両端部における下面とスタッド部材198の傾斜した上面との間隔Sは、遊技球の直径より大きく設定されている。このため、遊技領域8a内の障害釘の状態によっては球振り分け装置200を経由することなく、その周辺から間隔S内を通って右始動入賞口26に入球する遊技球もある。
【0139】
〔左始動入賞口28a側への振り分け〕
図18中(A):次に、回転体205の羽部材205bが右側の突起部206bと接触している状態を想定する。このときも同様に、回転体205には節度機構による姿勢保持が作用している。
【0140】
この状態で遊技球が流入口202に流入すると、回転体205における羽部材205aと羽部材205cとの間に遊技球が入り込み、遊技球の重みによって節度機構が解除され、回転体205は左回り(反時計回り)に回転する。
【0141】
そして、
図18中(B)に示すように、回転体205が左回りに回転することにより、遊技球が振分誘導路201の左方向へ誘導される。そして、遊技球が左側の傾斜板201aに達した所でコーナーリブ201bにより転動方向を奥側へ変換されると、遊技球は傾斜板201aの傾斜に沿って左側の整流誘導路208に流下する。そして、遊技球は整流誘導路208内でUターンリブ200fに案内されて方向変換し、第2放出口203から前面側へ放出される。これにより、遊技球が左始動入賞口28a側へ振り分けられることになる。このとき回転体205の羽部材205aは、左側の突起部206aに接触することにより、そこで回転体205の回転が規制される。そして、次に流入してきた遊技球の荷重を受けるまでは、回転体205の姿勢が節度機構により保持される。
【0142】
第2放出口203もまた前面に向けて開口しており、この開口の下端縁(Uターンリブ200fのエッジ)から左側で2本1組のスタッド部材198の上端(左始動入賞口28a)までの距離Dは、同じく遊技球の直径より大きく設定されていてもよいし、遊技球の直径より小さく設定されていてもよい。いずれにしても、第2放出口203から遊技領域8a(
図18には示さず)に再放出された遊技球は、無作為な流下に伴って左始動入賞口28aに入球する場合もあるし、スタッド部材198に弾かれて左始動入賞口28aに入球しない場合もある。ここでも同様に、フロントパーツ200aの両端部における下面とスタッド部材198の傾斜した上面との間隔Sは、遊技球の直径より大きく設定されているため、遊技領域8a内の障害釘の状態によっては、球振り分け装置200を経由することなく、その周辺から間隔S内を通って左始動入賞口28aに入球する遊技球もある。
【0143】
図19は、球振り分け装置200の内部構造を示す縦断面図(
図18中のXIX−XIX線に沿う断面図)である。なお、ここでは左側の整流誘導路208を例に挙げているが、右側の整流誘導路209についても構造は同じである。
【0144】
上記のように、遊技板8bには厚み方向に貫通した開口8cが形成されており、リヤパーツ200bは全体的に開口8c内に嵌め込まれている。このため整流誘導路208は、遊技板8bの内部(肉厚部分)を盤面より裏面側へ延び、この位置で下方へ屈曲された後に盤面の前面側へ折り返すようにして延びている。なお
図19には、Uターンリブ200fの側面視形状が示されている。
【0145】
また第2放出口203は、前後方向(図中Z軸方向)でみて盤面とほぼ同じ位置(ベース部材192の厚み分後方)にて開口しており、その開口面は盤面と平行であることが分かる。
【0146】
〔遊技球の整流作用〕
球振り分け装置200によれば、遊技球の流下に対して以下の誘導や整流が行われる。
(1)先ず、流入口202を通じて流入した遊技球を回転体205及び振分誘導路201により盤面に沿って左右いずれかの方向へ交互に振り分ける。
(2)次に、振分誘導路201の左右両端では、それぞれコーナーリブ201b及び傾斜板201aにより盤面に対して直交する軸線(図中Z軸線)に沿って奥側へ遊技球の転動方向を変換する。
(3)左右の整流誘導路208,209内では、盤面より奧の位置でその軸線(図中Z軸線)に沿って遊技球をUターンさせる。このとき遊技球は、盤面の奧で下方に潜り込むようにして反転する。
(4)Uターンされた遊技球は、前面に向けて開放した第1放出口204又は第2放出口203を通じて遊技領域8a内に再度放出される。
【0147】
上記(2)から(3)の過程を通じて、遊技球の流下の態様は左右方向から上下方向へ整えられており、上記(1)で与えられた左右方向への勢いが殺される(整流作用)。これにより、第1放出口204又は第2放出口203から放出された遊技球の流下方向がほとんど下向きで安定し、左右方向に暴れにくくなるため、放出された遊技球を右始動入賞口26又は左始動入賞口28aへ高頻度で入球(入賞)させやすくすることができる。
【0148】
これにより、流入口202に遊技球が流入したことに起因して、右始動入賞口26での入賞及び左始動入賞口28aでの入賞が比較的高頻度で交互に発生することを促進することができる。ただし、球振り分け装置200は右始動入賞口26で発生し得る無作為な入賞と、可変始動入賞装置28(右始動入賞口26)で発生し得る無作為な入賞とを交互に促進するものであり、必ず交互に入賞させる態様で振り分け動作を行うものではない。
【0149】
すなわち、球振り分け装置200による第1放出口204からの遊技球の放出は、右始動入賞口26での無作為な入球(入賞)が発生する機会を付与する動作である。また、球振り分け装置200による第2放出口203からの遊技球の放出は、左始動入賞口28aでの無作為な入球(入賞)が発生する機会を付与する動作である。そして、右始動入賞口26や左始動入賞口28aでは、球振り分け装置200による振り分けの動作とは無関係にそれぞれ遊技領域8a内からの入球(入賞)が無作為に発生し得るため、右始動入賞口26での入球(入賞)の発生が連続することもあり得るし、左始動入賞口28aでの入球(入賞)の発生が連続することもあり得る。
【0150】
〔球振り分け装置の特性〕
このように、球振り分け装置200は、右始動入賞口26及び左始動入賞口28aに対して必ず交互に入球(入賞)を発生させるものではなく、あくまで無作為に入球(入賞)が発生する機会を交互に付与するものである。したがって、球振り分け装置200の流入口202に遊技球が流入しても、その時点で直ちに「入賞球」には該当せず、流入口202は「入賞口」に該当しない。
【0151】
このため、本実施形態ではあくまで右始動入賞口26や左始動入賞口28aがそれぞれ「入賞口」となり、たとえ球振り分け装置200を経由して遊技球が右始動入賞口26に入賞した場合であっても、球振り分け装置200への流入ではなく、あくまで右始動入賞口26への入賞の発生を契機として第1特別図柄に対応する抽選用乱数を取得すればよい。また、球振り分け装置200を経由して遊技球が左始動入賞口28aに入賞した場合であっても、同じく球振り分け装置200への流入ではなく、あくまで左始動入賞口28aへの入賞の発生を契機として第2特別図柄に対応する抽選用乱数を取得すればよい。
【0152】
これにより、球振り分け装置200内に入賞検出用の右始動入賞口スイッチ80や左始動入賞口スイッチ82をわざわざ組み込む必要がなく、球振り分け装置200の構造を簡素化することができる。
【0153】
〔可変始動入賞装置の作動時〕
図20は、可変始動入賞装置28の作動時における入賞装置ユニット190の状態を示した正面図(A)及び部分断面図(B)である。
【0154】
図20中(A):可変始動入賞装置28が作動すると、上記のように一対の可動片28bが開放位置に変位する。この場合、入賞装置ユニット190の左側からは、球振り分け装置200を経由することなく、遊技領域8aから遊技球が容易に流入することがわかる。なお、可変始動入賞装置28の作動時でも、球振り分け装置200の第2放出口203から遊技球が放出された場合、2本のスタッド部材198の間を通って左始動入賞口28aへの入賞が可能である。
【0155】
図20中(B):また、球振り分け装置200の第2放出口203から遊技球が放出された場合でも、上記のように遊技球がスタッド部材198に弾かれて2本のスタッド部材198の間に流入しない場合もある。この場合でも、可変始動入賞装置28の作動時には、一対の可動片28bの先端同士の間が左始動入賞口28aとして拡幅されている。したがって、非作動時であれば入賞しなかったはず遊技球も、可変始動入賞装置28の作動時には左始動入賞口28aへの入賞が可能となることが分かる。
【0156】
以上が第1構造の入賞装置ユニット190を用いた説明であるが、第2構造の入賞装置ユニット290の場合、ここまでの説明と左右の勝手が反対となる。すなわち、第2構造の入賞装置ユニット290では、可変始動入賞装置28が右側に配置されるため、これに合わせて右側が右始動入賞口28aとなり、左側が左始動入賞口26となる。
【0157】
いずれにても、上述した第1〜第3構造の入賞装置ユニット190,290,390によれば、ベース部材192及び球振り分け装置200を構成する部品やベース部材192の裏面側に取り付けられる部品を汎用性の高い形状としつつ、これら共通部品に対して前面側部材302,322,332を選択的に用いるだけで、多様な盤面構成(例えば、
図3,
図7,
図10)に対応することができる。
【0158】
したがって、状態別の発射操作(「左打ち」と「右打ち」)が異なる遊技性に合わせて構造の異なる遊技盤ユニット8に入賞装置ユニット190,290,390を搭載する場合であっても、ほとんどの部品が流用可能であるため、それだけ製造コストを低減することができる。
【0159】
また、第1〜第3構造の入賞装置ユニット190,290,390のいずれかをパチンコ機1に搭載することで、多様な遊技性を容易かつ低コストに実現することができる。
【0160】
本発明は上述した実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施することができる。
例えば、一実施形態では球振り分け装置200と始動入賞口ユニット300とでベース部材192を共通にしているが、球振り分け装置200と始動入賞口ユニット300とを構造的に分離し、それぞれに専用のベース部材を設けてもよい。この場合、球振り分け装置200と始動入賞口ユニット300との間に障害釘(遊技釘)を打設し、スタッド部材198の設置を省略してもよい。
【0161】
また、入賞装置ユニットは、左右両側の球通過孔196にそれぞれ対応して、2つの可変始動入賞装置28を備えていてもよい。この場合、前面側部材の内部には、左右両側にそれぞれ可動片受け部302b及び球受け部302cを形成することができる。
【0162】
その他、パチンコ機1の構造や盤面構成等は図示のものも含めて好ましい例示であり、これらを適宜に変形可能であることはいうまでもない。