(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5985855
(24)【登録日】2016年8月12日
(45)【発行日】2016年9月6日
(54)【発明の名称】生体検査装置、進行状況表示方法および進行状況表示プログラム
(51)【国際特許分類】
A61B 5/00 20060101AFI20160823BHJP
A61B 5/022 20060101ALI20160823BHJP
A61B 5/02 20060101ALI20160823BHJP
【FI】
A61B5/00 D
A61B5/02 635L
A61B5/02 A
【請求項の数】9
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-76120(P2012-76120)
(22)【出願日】2012年3月29日
(65)【公開番号】特開2013-202266(P2013-202266A)
(43)【公開日】2013年10月7日
【審査請求日】2015年3月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000112602
【氏名又は名称】フクダ電子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105050
【弁理士】
【氏名又は名称】鷲田 公一
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 恒生
(72)【発明者】
【氏名】津田 愼一
(72)【発明者】
【氏名】都志見 圭一
(72)【発明者】
【氏名】山本 智幸
(72)【発明者】
【氏名】深谷 恭平
【審査官】
伊藤 幸仙
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−088523(JP,A)
【文献】
特開2009−233005(JP,A)
【文献】
特開平06−114035(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00
A61B 5/02 − 5/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検者に対して内容の異なる複数の検査を進行順序に沿ってインターバルを挟みつつ順次実行する検査実行制御部と、
前記検査実行制御部により実行される前記複数の検査の進行状況を判断する進行状況判断部と、
前記進行状況判断部により判断された進行状況を表示部に表示するように制御する表示制御部と、
を備え、
前記表示制御部は、前記進行状況を表す工程表を、連続する検査の表示枠間の間隔を空けない形態で前記表示部に表示する、
ことを特徴とする生体検査装置。
【請求項2】
被検者に対して、いずれもカフの加減圧を伴い且つ互いに内容の異なる複数の検査を進行順序に沿って順次実行する検査実行制御部と、
前記検査実行制御部により実行される前記複数の検査の進行状況を判断する進行状況判断部と、
前記進行状況判断部により判断された進行状況を表示部に表示するように制御する表示制御部と、
を備え、
前記表示制御部は、前記進行状況を表す工程表を、連続する検査の表示枠間の間隔を空けない形態で前記表示部に表示する、
ことを特徴とする生体検査装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記進行状況を表示するために、前記検査実行制御部により現時点で実行されている検査、および、前記検査実行制御部により今後実行される検査をそれぞれ識別可能に表示することを特徴とする、請求項1または2に記載の生体検査装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記進行状況を表示するために、前記検査実行制御部により既に実行された検査、前記検査実行制御部により現時点で実行されている検査、および、前記検査実行制御部により今後実行される検査をそれぞれ識別可能に表示することを特徴とする、請求項1または2に記載の生体検査装置。
【請求項5】
前記実行制御部は、前記複数の検査から成る血圧脈波検査を実行することを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載の生体検査装置。
【請求項6】
被検者に対して内容の異なる複数の検査を進行順序に沿ってインターバルを挟みつつ順次実行する生体検査装置における進行状況表示方法であって、
前記生体検査装置により実行される前記複数の検査の進行状況を判断する第1のステップと、
前記第1のステップにより判断された進行状況を表示部に表示するように制御する第2のステップとを有し、
前記第2のステップは、前記進行状況を表す工程表を、連続する検査の表示枠間の間隔を空けない形態で前記表示部に表示する、
ことを特徴とする進行状況表示方法。
【請求項7】
被検者に対して、いずれもカフの加減圧を伴い且つ互いに内容の異なる複数の検査を進行順序に沿って順次実行する生体検査装置における進行状況表示方法であって、
前記生体検査装置により実行される前記複数の検査の進行状況を判断する第1のステップと、
前記第1のステップにより判断された進行状況を表示部に表示するように制御する第2のステップとを有し、
前記第2のステップは、前記進行状況を表す工程表を、連続する検査の表示枠間の間隔を空けない形態で前記表示部に表示する、
ことを特徴とする進行状況表示方法。
【請求項8】
被検者に対して内容の異なる複数の検査を進行順序に沿ってインターバルを挟みつつ順次実行する検査実行制御部と、
前記検査実行制御部により実行される前記複数の検査の進行状況を判断する進行状況判断部と、
前記進行状況判断部により判断された進行状況を表示部に表示するように制御する表示制御部として機能させるためのコンピュータ読み取り可能な進行状況表示プログラムであって、
前記表示制御部は、前記進行状況を表す工程表を、連続する検査の表示枠間の間隔を空けない形態で前記表示部に表示する、
ことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な進行状況表示プログラム。
【請求項9】
被検者に対して、いずれもカフの加減圧を伴い且つ互いに内容の異なる複数の検査を進行順序に沿って順次実行する検査実行制御部と、
前記検査実行制御部により実行される前記複数の検査の進行状況を判断する進行状況判断部と、
前記進行状況判断部により判断された進行状況を表示部に表示するように制御する表示制御部として機能させるためのコンピュータ読み取り可能な進行状況表示プログラムであって、
前記表示制御部は、前記進行状況を表す工程表を、連続する検査の表示枠間の間隔を空けない形態で前記表示部に表示する、
ことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な進行状況表示プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体検査装置、進行状況表示方法および進行状況表示プログラムに関し、例えば、動脈硬化度を導出するために、被検者に対して内容の異なる複数の検査を進行順序に沿って順次実行する血圧脈波検査装置に用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
動脈硬化の検査には、例えば、下肢血管の血流障害の検査と、動脈伸展性の検査とがある。これらの検査に用いられる血圧脈波検査装置は、血圧や脈波といった生体情報を計測して、動脈硬化の指標(以下「動脈硬化度」という)を導出する。
【0003】
血圧脈波検査装置は、検査を受ける被検者の動脈硬化度を導出するために、脈波検査、四肢血圧検査、足趾血圧検査といった内容の異なる複数の検査を進行順序に沿って順次実行する。ここで、脈波検査は、四肢(両腕、両脚)に巻いたカフを用いて四肢の脈波を計測する検査である。四肢血圧検査は、四肢に巻いたカフを用いて四肢の血圧を計測する検査である。足趾血圧検査は、足の指に巻いたカフを用いて足趾の血圧を測定する検査である。
【0004】
なお、血圧脈波検査装置の信頼性や効率性を向上するため、被検者の脈波を取得するとともに当該取得した脈波の特徴点を検出し、検出した脈波の特徴点と取得した脈波の波形を画面表示する技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−168073号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、血圧脈波検査装置により行われる脈波検査、四肢血圧検査、足趾血圧検査等の複数の検査工程においては、それぞれカフに空気を導入することによりカフの加圧を行ったのち、空気を排出することによりカフの減圧を行う。つまり、血圧脈波検査では、通常の血圧検査で1回だけ行われるカフの加圧および減圧が複数回行われる。また、次の検査への移行時においては、血流の回復を待ったり、血管に生じたスパスム等の生体反応からの回復を待ったりする為、前の検査の減圧後すぐに次の検査に移行する(具体的にはカフの加圧を開始する)ことをせず、ある程度のインターバル(例えば5〜10秒)を設けてから、次の検査へ移行する。そのため、血圧脈波検査の途中であるにも拘わらず、例えば最初のカフの加圧および減圧が行われた時点や各検査のインターバル中に、被検者は検査が終了したと勘違いして起きあがってしまう場合があるという問題があった。また、装置を操作し検査を行う医師や検査技師等の操作者も、検査の進行状況が直感的に理解出来ない為、被検者に対して検査が終了したのか否か、あとどの程度で検査が終了するのか、適切な指導をすることが出来ず、被検者が起き上がってしまう場合があった。この場合、血圧脈波検査を最初からやり直さなくてはならず大変不便である。
【0007】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、生体検査の途中であるにも拘わらず、被検者が、検査が終了したと勘違いしてしまうことを確実に防止し、また操作者が被検者に検査の状況を把握し、被検者を適切に指導出来るような生体検査装置、進行状況表示方法および進行状況表示プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る生体検査装置は、被検者に対して内容の異なる複数の検査を進行順序に沿って
インターバルを挟みつつ順次実行する検査実行制御部と、
前記検査実行制御部により実行される前記複数の検査の進行状況を判断する進行状況判断部と、
前記進行状況判断部により判断された進行状況を表示部に表示するように制御する表示制御部とを備え
、
前記表示制御部は、前記進行状況を表す工程表を、連続する検査の表示枠間の間隔を空けない形態で前記表示部に表示することを特徴とする。
また、本発明に係る生体検査装置は、被検者に対して、いずれもカフの加減圧を伴い且つ互いに内容の異なる複数の検査を進行順序に沿って順次実行する検査実行制御部と、
前記検査実行制御部により実行される前記複数の検査の進行状況を判断する進行状況判断部と、
前記進行状況判断部により判断された進行状況を表示部に表示するように制御する表示制御部と、
を備え、
前記表示制御部は、前記進行状況を表す工程表を、連続する検査の表示枠間の間隔を空けない形態で前記表示部に表示することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る進行状況表示方法は、被検者に対して内容の異なる複数の検査を進行順序に沿って
インターバルを挟みつつ順次実行する生体検査装置における進行状況表示方法であって、
前記生体検査装置により実行される前記複数の検査の進行状況を判断する第1のステップと、
前記第1のステップにより判断された進行状況を表示部に表示するように制御する第2のステップとを有し
、
前記第2のステップは、前記進行状況を表す工程表を、連続する検査の表示枠間の間隔を空けない形態で前記表示部に表示することを特徴とする。
また、本発明に係る進行状況表示方法は、被検者に対して、いずれもカフの加減圧を伴い且つ互いに内容の異なる複数の検査を進行順序に沿って順次実行する生体検査装置における進行状況表示方法であって、
前記生体検査装置により実行される前記複数の検査の進行状況を判断する第1のステップと、
前記第1のステップにより判断された進行状況を表示部に表示するように制御する第2のステップとを有し、
前記第2のステップは、前記進行状況を表す工程表を、連続する検査の表示枠間の間隔を空けない形態で前記表示部に表示することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る進行状況表示プログラムは、被検者に対して内容の異なる複数の検査を進行順序に沿って
インターバルを挟みつつ順次実行する検査実行制御部と、
前記検査実行制御部により実行される前記複数の検査の進行状況を判断する進行状況判断部と、
前記進行状況判断部により判断された進行状況を表示部に表示するように制御する表示制御部として機能させるためのコンピュータ読み取り可能な進行状況表示プログラム
であって、
前記表示制御部は、前記進行状況を表す工程表を、連続する検査の表示枠間の間隔を空けない形態で前記表示部に表示することを特徴とする。
また、本発明に係る進行状況表示プログラムは、被検者に対して、いずれもカフの加減圧を伴い且つ互いに内容の異なる複数の検査を進行順序に沿って順次実行する検査実行制御部と、
前記検査実行制御部により実行される前記複数の検査の進行状況を判断する進行状況判断部と、
前記進行状況判断部により判断された進行状況を表示部に表示するように制御する表示制御部として機能させるためのコンピュータ読み取り可能な進行状況表示プログラムであって、
前記表示制御部は、前記進行状況を表す工程表を、連続する検査の表示枠間の間隔を空けない形態で前記表示部に表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、被検者や操作者に対して順次実行される複数の検査の進行状況が表示され、被検者や操作者は、あとどれくらいで検査が終わるかを具体的に把握することができ、生体検査が最後まで終わったかを直感的に理解することができる。よって、生体検査の途中であるにも拘わらず、被検者が、検査が終了したと勘違いしてしまうことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本実施の形態における血圧脈波検査装置の構成例を示すブロック図である。
【
図2】本実施の形態における計測画面の表示例を示す図である。
【
図3】本実施の形態における血圧脈波検査装置の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本実施の形態における血圧脈波検査装置100の構成例を示すブロック図である。血圧脈波検査装置100は、動脈硬化を総合的に診断するための血圧脈波検査に関する各種処理を実行する。
図1に示すように、血圧脈波検査装置100には、操作入力部120およびディスプレイ140が接続されている。なお、血圧脈波検査装置100は、特許請求の範囲の「生体検査装置」に対応する。また、ディスプレイ140は、特許請求の範囲の「表示部」に対応する。
【0014】
操作入力部120は、血圧脈波検査装置100に対する操作者の指示を入力する。本実施形態では、操作入力部120は、例えば、タッチパネルまたは操作スイッチ等の入力装置を含んで構成される。ディスプレイ140は、血圧脈波検査装置100により生成された計測画面を表示する。
【0015】
次に、血圧脈波検査装置100の内部構成について説明する。
図1に示すように、血圧脈波検査装置100は、操作受付部200、検査実行制御部220、心音計測部240、心電図計測部260、血圧脈波計測部280、進行状況判断部300、計測画面生成部320および表示制御部340を備えて構成されている。
【0016】
操作受付部200は、操作入力部120を介して、血圧脈波検査を実行する際に必要な入力操作を受け付ける。例えば、操作受付部200は、操作入力部120を介して、血圧脈波検査の実行を指示する実行指示操作を受け付ける。この場合、操作受付部200は、実行指示操作を受け付けた旨を検査実行制御部220に通知する。
【0017】
検査実行制御部220は、実行指示操作を受け付けた旨の通知を操作受付部200から受けた場合、血圧脈波検査に含まれる複数の検査を進行順序に沿って順次実行する。検査実行制御部220は、所定時間(例えば、1秒)毎に、現時点で実行している検査を進行状況判断部300に通知する。
【0018】
具体的には、検査実行制御部220は、被検者の四肢に巻かれたカフ(図示せず)を用いて四肢の脈波を計測する四肢脈波検査、当該カフを用いて右上腕および右足首の血圧を計測する右血圧検査、当該カフを用いて左上腕および左足首の血圧を計測する左血圧検査、足趾に巻いたカフを用いて足趾の血圧を測定する足趾血圧検査、右分節(例えば、右大腿および右膝下)に装着された脈波センサ(図示せず)を用いて右分節の脈波を計測する右分節脈波検査、および、左分節(例えば、左大腿および左膝下)に装着された脈波センサを用いて左分節の脈波を計測する左分節脈波検査を順番(記載した順番)に実行する。上述の検査を全て実行した後、検査実行制御部220は、血圧脈波検査に含まれる複数の検査結果に基づいて、動脈硬化度の算出を行うことができる。
【0019】
心音計測部240は、被検者に装着された心音マイク(図示せず)により検出された心音信号を計測画面生成部320に出力する。心電図計測部260は、被検者に装着された四肢用心電電極部(図示せず)および胸部用心電電極部(図示せず)により検出された心電図信号を計測画面生成部320に出力する。ここで、四肢用心電電極部は、右手首、左手首、右足首および左足首にそれぞれ装着される4つの心電電極から構成される。また、胸部用心電電極部は、胸部の6箇所にそれぞれ装着される6つの心電電極から構成される。
【0020】
血圧脈波計測部280は、検査実行制御部220が実行する各種検査と連動して、血圧の計測および脈波の計測を行う。つまり、血圧脈波計測部280は、四肢の脈波を計測し、当該計測した脈波信号を計測画面生成部320に出力する。また、血圧脈波計測部280は、右分節および左分節の脈波を計測し、当該計測した脈波信号を計測画面生成部320に出力する。
【0021】
また、血圧脈波計測部280は、右上腕および右足首の血圧を計測し、当該計測した血圧信号を計測画面生成部320に出力する。また、血圧脈波計測部280は、左上腕および左足首の血圧を計測し、当該計測した血圧信号を計測画面生成部320に出力する。また、血圧脈波計測部280は、足趾の血圧を計測し、当該計測した血圧信号を計測画面生成部320に出力する。
【0022】
進行状況判断部300は、検査実行制御部220からの通知を受けることによって、検査実行制御部220により実行される複数の検査の進行状況を判断する。ここで、進行状況とは、血圧脈波検査の終了までに実施される複数の検査の中で、現在、どの検査工程に滞在しているか等を指す。そして、進行状況判断部300は、判断した進行状況を示す進行状況情報を計測画面生成部320に出力する。
【0023】
計測画面生成部320は、心音計測部240から出力された心音信号、心電図計測部260から出力された心電図信号、血圧脈波計測部280から出力された脈波信号および血圧信号に基づいて、血圧脈波検査の実行過程において計測された各生体情報を一元的に表示するための計測画面を生成する。本実施形態では、計測画面生成部320は、進行状況判断部300から出力された進行状況情報に基づいて、検査実行制御部220により実行される複数の検査の進行状況を示す工程表を生成し、当該生成した工程表を含めて計測画面を生成する。そして、計測画面生成部320は、生成した計測画面を表示制御部340に出力する。
【0024】
表示制御部340は、計測画面生成部320から出力された計測画面をディスプレイ140に表示する。
【0025】
図2は、本実施形態による計測画面の表示例を示す図である。
図2の計測画面には、血圧脈波検査の実行過程において計測された各生体情報を一元的に表示する領域400において、心電図計測部260から出力された心電図信号に基づく心電図波形(ECG)、心音計測部240から出力された心音信号に基づく心音波形(PCG)、血圧脈波計測部280から出力された脈波信号に基づく右上腕脈波波形(右上腕)、左上腕脈波波形(左上腕)、右足首脈波波形(右足首)および左足首脈波波形(左足首)がそれぞれ上から順に表示されている。なお、これらの波形は、計測時間の経過に伴って右手方向に並進する。
【0026】
また、計測画面には、検査実行制御部220により実行される複数の検査の進行状況を示す工程表420が表示されている。工程表420は、検査前の準備処理に対応する「準備」工程を除き、検査が実行される順に左から、「脈波取得(四肢脈波検査に対応)」工程、「右血圧(右血圧検査に対応)」工程、「左血圧(左血圧検査に対応)」工程、「足趾血圧(足趾血圧検査に対応)」工程、「右分節脈波(右分節脈波検査に対応)」工程および「左分節脈波(左分節脈波検査に対応)」工程から構成される。さらに、工程表420では、検査実行制御部220により既に実行された検査(
図2の例では、脈波取得(四肢脈波検査)および右血圧(右血圧検査))、検査実行制御部220により現時点で実行されている検査(
図2の例では、左血圧(左血圧検査))、および、検査実行制御部220により今後実行される検査(
図2の例では、足趾血圧(足趾血圧検査)、右分節脈波(右分節脈波検査)および左分節脈波(左分節脈波検査))をそれぞれ識別可能に(つまり、各工程の背景色を異ならせて)表示している。
【0027】
図2に示す計測画面を見た被検者や操作者は、あとどれくらいで検査が終わるかを具体的に把握することができ、血圧脈波検査が最後まで終わったかを直感的に理解することができる。よって、血圧脈波検査の途中であるにも拘わらず、被検者が、検査が終了したと勘違いしてしまうことを防止することができる。
【0028】
また被検者が進行状況の表示が見られないような場合でも、操作者が進行状況の表示を確認することにより、被検者に対し検査が終了したのか否か、あとどの程度で検査が終了するのか、適切な指導をすることが出来るようになり、被検者の勘違いを防止できる。
【0029】
次に、本実施の形態における血圧脈波検査装置100の動作について説明する。
図3は、本実施の形態における血圧脈波検査装置100の動作例を示すフローチャートである。
図3に示すフローチャートは、血圧脈波検査装置100の電源が投入されることにより開始する。
【0030】
まず、操作受付部200は、操作入力部120を介して、血圧脈波検査の実行を指示する実行指示操作を受け付けたか否かについて判定する(ステップS100)。もし、実行指示操作を受け付けていないと操作受付部200にて判定した場合(ステップS100にてNO)、処理はステップS100に遷移する。
【0031】
一方、実行指示操作を受け付けたと操作受付部200にて判定した場合(ステップS100にてYES)、操作受付部200は、実行指示操作を受け付けた旨を検査実行制御部220に通知する。次に、検査実行制御部220は、実行指示操作を受け付けた旨の通知を操作受付部200から受けて、内容の異なる複数の検査を含む血圧脈波検査の実行を開始する(ステップS120)。
【0032】
次に、進行状況判断部300は、検査実行制御部220からの検査通知を受けることによって、実行される複数の検査の進行状況を判断する(ステップS140)。そして、進行状況判断部300は、判断した進行状況を示す進行状況情報を計測画面生成部320に出力する。
【0033】
次に、計測画面生成部320は、心音計測部240から出力された心音信号、心電図計測部260から出力された心電図信号、血圧脈波計測部280から出力された脈波信号および血圧信号に基づいて、血圧脈波検査の実行過程において計測された各生体情報を一元的に表示するための計測画面を生成する(ステップS160)。本実施形態では、計測画面生成部320は、進行状況判断部300から出力された進行状況情報に基づいて、検査実行制御部220により実行される複数の検査の進行状況を示す工程表を生成し、当該生成した工程表を含めて計測画面を生成する。
【0034】
次に、表示制御部340は、計測画面生成部320により生成された計測画面をディスプレイ140に表示する(ステップS180)。最後に、血圧脈波検査装置100は、検査実行制御部220の実行状態を確認し、血圧脈波検査に含まれる全ての検査が実行されたか否かについて判定する(ステップS200)。もし、血圧脈波検査に含まれる全ての検査が実行されていないと血圧脈波検査装置100にて判定した場合(ステップS200にてNO)、処理はステップS140に遷移する。一方、血圧脈波検査に含まれる全ての検査が実行されたと血圧脈波検査装置100にて判定した場合(ステップS200にてYES)、血圧脈波検査装置100は、
図3における処理を終了する。
【0035】
以上詳しく説明したように、本実施の形態の血圧脈波検査装置100は、被検者に対して内容の異なる複数の検査を進行順序に沿って順次実行する検査実行制御部220と、検査実行制御部220により実行される複数の検査の進行状況を判断する進行状況判断部300と、進行状況判断部300により判断された進行状況をディスプレイ140に表示するように制御する表示制御部340とを備えている。そして、表示制御部340は、検査の進行状況を表示するために、検査実行制御部220により既に実行された検査、検査実行制御部220により現時点で実行されている検査、および、検査実行制御部220により今後実行される検査をそれぞれ識別可能に表示する。
【0036】
このように構成した本実施の形態によれば、被検者に対して順次実行される複数の検査の進行状況が表示され、被検者や操作者は、あとどれくらいで検査が終わるかを具体的に把握することができ、血圧脈波検査が最後まで終わったかを直感的に理解することができる。よって、血圧脈波検査の途中であるにも拘わらず、被検者が、検査が終了したと勘違いしてしまうことを防止することができる。
【0037】
また被検者が進行状況の表示が見られないような場合でも、操作者が進行状況の表示を確認することにより、被検者に対し検査が終了したのか否か、あとどの程度で検査が終了するのか、適切な指導をすることが出来るようになり、被検者の勘違いを防止できる。
【0038】
以上に説明した実施の形態による血圧脈波検査装置100の機能は、ソフトウェアによって実現される。実際には、血圧脈波検査装置100がCPUあるいはMPU、RAM、ROMなどを備えたコンピュータとして構成され、RAMやROMに記憶されたプログラム(本発明の「進行状況表示プログラム」に対応)が動作することによって実現できる。なお、本実施の形態の機能を果たすように動作させるプログラムを例えばCD−ROMのような記録媒体に記録し、血圧脈波検査装置100に読み込ませることによって実現することも可能である。
【0039】
上記プログラムを記録する記録媒体としては、CD−ROM以外に、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、光ディスク、光磁気ディスク、DVD、不揮発性メモリカード等を用いることができる。また、上記プログラムをインターネット等のネットワークを介して血圧脈波検査装置100にダウンロードするようにしても良い。
【0040】
なお、上記実施の形態では、血圧脈波検査装置100が、本発明の「生体検査装置」に対応する例について説明したが、本発明はこれに限らない。要は、本発明の「生体検査装置」に対応するのは、被検者に対して測定方法や測定箇所などの内容の異なる複数の検査を進行順序に沿って順次実行する生体検査装置であれば何れでも良い。
【0041】
また、上記実施の形態では、検査の進行状況を表示する態様として、検査実行制御部220により実行される複数の検査の進行状況を示す工程表を表示する例について説明したが、本発明はこれに限らない。例えば、検査の進行状況を表示する態様として、「現時点で実行されている検査の実行順番/血圧脈波検査に含まれる検査数」で示される分数形式にて表示するようにしても良い。例えば、血圧脈波検査に含まれる検査数が5で、現時点で実行されている検査の実行順番が2であれば「2/5」の分数形式で表示する。この表示形式によっても、被検者や操作者は、あとどれくらい(例えば、3つの検査)で血圧脈波検査が終わるかを具体的に把握することができ、検査が最後まで終わったかを直感的に理解することができる。
【0042】
また、上記実施の形態では、検査の進行状況を表示するために、既に実行された検査、現時点で実行されている検査、および、今後実行される検査をそれぞれ識別可能に表示する例について説明したが、既に実行された検査の表示は必ずしも必須ではない。この場合でも、被検者や操作者は、あとどれくらいで血圧脈波検査が終わるかを具体的に把握することができ、検査が最後まで終わったかを直感的に理解することができる。
【0043】
また、上記実施の形態では、検査実行制御部220により実行される複数の検査の進行状況を示す工程表を計測画面に含めて表示する例について説明したが、本発明はこれに限らない。例えば、計測画面とは分けて、検査実行制御部220により実行される複数の検査の進行状況を示す工程表を単独で表示するようにしても良い。
【0044】
その他、上記実施の形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0045】
100 血圧脈波検査装置
120 操作入力部
140 ディスプレイ
200 操作受付部
220 検査実行制御部
240 心音計測部
260 心電図計測部
280 血圧脈波計測部
300 進行状況判断部
320 計測画面生成部
340 表示制御部