(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5985902
(24)【登録日】2016年8月12日
(45)【発行日】2016年9月6日
(54)【発明の名称】インクジェットプリンター
(51)【国際特許分類】
B41J 2/175 20060101AFI20160823BHJP
【FI】
B41J2/175 303
B41J2/175 175
B41J2/175 117
B41J2/175 133
B41J2/175 121
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-145648(P2012-145648)
(22)【出願日】2012年6月28日
(65)【公開番号】特開2014-8641(P2014-8641A)
(43)【公開日】2014年1月20日
【審査請求日】2015年4月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】395003187
【氏名又は名称】株式会社OKIデータ・インフォテック
(74)【代理人】
【識別番号】100096426
【弁理士】
【氏名又は名称】川合 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100116207
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 俊明
(72)【発明者】
【氏名】飯岡 譲
【審査官】
金田 理香
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−020492(JP,A)
【文献】
特開2011−230513(JP,A)
【文献】
特開2003−048327(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01 − 2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクを吐出するヘッドと、外部から前記インクを補充するインク補充口と、前記ヘッドにインクを供給するインク供給口を備えるインクタンクと、前記ヘッドと前記インクタンクとの間のインク供給経路に配置されるサブタンクと、記録媒体を搬送する搬送手段と、前記ヘッドを搭載して前記記録媒体の搬送方向に交差する方向に往復移動するキャリッジと、前記インクタンクから前記サブタンクにインクを供給するポンプと、前記サブタンク内のインク量を検出する検出手段と、を有し、前記サブタンク内の前記インク量を所定の範囲の量に維持し、前記サブタンクから前記ヘッドに前記インクを供給するインクジェットプリンターにおいて、
ICカードに読み書きが可能なカードリードライターと、前記インクの使用量を検出する検出手段と、前記検出手段で検出した前記使用量に基づいて前記インクタンク内の前記インクの量を推定する推定手段と、入力を行う入力手段と、報知を行う報知手段と、を有し、
前記ヘッド、前記サブタンク、前記インクタンクは前記インクの色毎に備わり、
前記カードリードライターは、前記ICカードに記憶された前記インクジェットプリンターで使用できる前記インクの総量の情報を読み取り、
前記インクジェットプリンターは、前記総量の情報と前記推定手段で推定した前記インクの量に基づいて、前記インクタンク内の各色のインク量の合計の量が所定量を下回ると前記報知手段によって報知を行い、前記入力手段から入力されたインクの量と前記推定手段で推定した各色の前記インクの量に基づいて各色の前記インクタンク内のインクの量が第1の所定時間連続印字できる量を下回ると前記報知手段によって報知を行うことを特徴とするインクジェットプリンター。
【請求項2】
前記推定手段は、前記ヘッドのメンテナンス動作に基づき使用されるインク量と前記ヘッドの記録動作に基づき使用されるインク量とに基づいて演算することを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンター。
【請求項3】
前記報知手段によって報知された後であって、前記インクタンク内の各色のインク量の合計の量が前記所定量より少ない第2の所定量を下回った場合か、各色の前記インクタンク内のインクの量が前記第1の所定時間より短い第2の所定時間連続印字できる量を下回った場合に、前記ヘッドからの前記インクの吐出を停止することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインクジェットプリンター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘッドからインクを吐出するインクジェットプリンターに関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェットプリンターは、インクの粘度、顔料や樹脂等の粒径などの性質によってヘッドからの吐出性能が左右されることがある。例えば、ヘッドに適合した粘度でないとヘッドからインクが漏れたり、インク吐出不能となったりすることがある。また、ヘッドに対して適切な溶剤を使用しないと、ヘッドの破損の原因となることがある。このようにインクジェットプリンターに適したインクを使用する必要があるため、インクジェットプリンターでは、専用のインクカートリッジを用意している。専用のカートリッジはプリンター本体に対して着脱可能に構成されている。インクが消費されても、カートリッジを交換することで、インクを供給することができる。
【0003】
また、インクジェットプリンターを長時間連続で使用したいという要求もあり、その要求に対応するために、インクを貯留するインクカートリッジの大型化の必要性が高まっている。しかし、専用のインクカートリッジを用いる場合は、インクカートリッジの携帯性、取扱い性、プリンター本体への装着スペースなどを考慮しなければならないため、大型化が難しいという問題がある。さらに、インクカートリッジは、内部に格納するインクパックを保護するように作られていたり、インク容量を検出するための機構が備わっていたりするため、複雑な構造となってしまい、製造コストが高くなってしまうという問題もある。
【0004】
また、インク色毎にインクの使用頻度が異なるので、インク色毎にインク切れになるタイミングが異なる。そのため容量の小さなインクカートリッジを使用すると頻繁にインクカートリッジを交換しなければならないという問題も生じる。
【0005】
インクカートリッジの容量を大きくする場合、プリンター本体に着脱する構成では、インクカートリッジの大型化に限界がある。そのため、プリンター本体の外部にインクを格納するインクタンクを設けることが考えられる。例えば特開2008−238787号公報のように外部に容量の大きいインクタンクを備えたプリンターが考えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−238787号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
大容量のインクタンクを使用した場合、インクの補充頻度は小さくなる。例えば、1日1回インクタンクをフルにすることで、次の日までインク補充を不必要にすることができたり、各色同時にインクを補充することができたりする。しかし、インクタンク内のインクが空にならないように、インクの残量が少なくなったら、インクを補充する運用をする必要はある。インクタンクにインクを補充するときに、ごみ等が混入しないように、またインクがこぼれないようにする必要もある。また、インクジェットプリンターに適合したインクを補充する必要がある。そして、補充時の作業は容易であることが望まれる。このような課題を解決する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のインクジェットプリンターは、インクを吐出するヘッドと、外部から前記インクを補充するインク補充口と、前記ヘッドにインクを供給するインク供給口を備えるインクタンクと、前記ヘッドと前記インクタンクとの間のインク供給経路に配置されるサブタンクと、記録媒体を搬送する搬送手段と、前記ヘッドを搭載して前記記録媒体の搬送方向に交差する方向に往復移動するキャリッジと、前記インクタンクから前記サブタンクにインクを供給するポンプと、前記サブタンク内
のインク量を検出する検出手段と、を有し、前記サブタンク内の前記インク量を所定の範囲の量に維持し、前記サブタンクから前記ヘッドに前記インクを供給するインクジェットプリンターにおいて、ICカードに読み書きが可能なカードリードライターと、前記インクの使用量を検出する検出手段と、前記検出手段で検出した前記使用量に基づいて前記インクタンク内の前記インクの量を推定する推定手段と、入力を行う入力手段と、報知を行う報知手段と、を有し、前記ヘッド、前記サブタンク、前記インクタンクは前記インクの色毎に備わり、前記カードリードライターは、前記ICカードに記憶された前記インクジェットプリンターで使用できる前記インクの総量の情報を読み取り、前記インクジェットプリンターは、前記総量の情報と前記推定手段で推定した前記インクの量に基づいて、前記インクタンク内の各色のインク量の合計の量が所定量を下回ると前記報知手段によって報知を行い、前記入力手段から入力されたインクの量と前記推定手段で推定した各色の前記インクの量に基づいて各色の前記インクタンク内のインクの量が
第1の所定時間連続印字できる量を下回ると前記報知手段によって報知を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によって、容易にインクタンク内のインク容量を適正に維持することができ、また、大容量のインクタンクを提供できるので、長時間の連続印字が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1はインクジェットプリンターの構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2はインク容量管理用のメモリーの例を示す図である。
【
図3】
図3はインクタンクにインクを補充するときの動作の例を示すフローチャートである。
【
図4】
図4はインクタンク内のインク量管理の動作の例を示すフローチャートである。
【
図5】
図5はインクジェットプリンターの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面を用いて実施の形態を説明する。
図5はインクジェットプリンターの概略図である。インクジェットプリンター37はキャリッジ27を備えている。キャリッジ27は駆動ベルト28によって、Yレール29に沿って直線状に往復移動する。キャリッジ27内には、インクジェットヘッドが搭載されている。インクジェットヘッドはシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックなどのカラーのインクに対応して複数備えられている。チューブ群35はインクジェットヘッドに接続され、各色のインクを対応した夫々のインクジェットヘッドへ供給する。インクジェットプリンター37には、サブタンクが備わっている。インクはインクタンク33から供給チューブ34を介し、ポンプによってサブタンクへ供給される。サブタンクからインクジェットヘッドまでチューブ群35を用いてインクを供給する。インクタンク33には着脱可能な補給タンク36によってインクが供給される。インクタンク33と補給タンク36は専用のジョイントによって固定されている。インクタンク33に接続された専用のジョイントは、接続できる補給タンク36を制限できる。すなわち、ジョイントに接続可能に適合した補給タンク36のみが容易に接続ができる。また、補給タンク36をジョイントに接続したままにすることで、外部からごみなどの異物の混入を防止できる。インクタンク33にジョイント介して補給タンク36が逆さまに接続され、インクは自重で補給タンク36からインクタンク33に移動する。インクタンク33は、4色夫々に1個配置されている。カードリードライター22は、補給タンク36に関する使用可能なインク量などの情報を記憶したICカード対して読み書きできる。
【0012】
紙、樹脂シートなどの記録媒体は搬送ローラーとピンチローラーを備える搬送手段30によって搬送される。搬送ローラーとピンチローラーによって記録媒体を挟み、搬送ローラーの回転に応じて記録媒体が搬送される。プラテン31は平板状に構成され、また吸引機構が備わり、記録媒体を平面に保持する。プラテン31上まで搬送された記録媒体は、往復移動するキャリッジ27に搭載されたインクジェットヘッドから吐出されるインクを受け、画像が記録される。記録後の記録媒体は、ヒーターを備えるペーパーガイド32上を搬送され、インクを定着させる。
インクタンク33は、インクをフルに充填した場合、連続印字を所定の時間、例えば連続して1日印字しても空にならないように設定されている。
【0013】
図1は、インクジェットプリンター37の構成を示している。制御手段1はインクジェットプリンター37の全体の制御を司る制御手段である。ROM24に制御手段1の制御プログラムが記憶され、制御手段1はこのプログラムに基づいて動作する。搬送手段30は制御手段1の制御に基づいて動作する。ROM24は制御プログラムの他に、初期設定値や動作条件などの設定データが保存されている。RAM25は一時的なデータ保存や制御手段1の演算などのワークエリアとして使用される。ここではRAM25に一時的なデータ保存をさせているが、フラッシュメモリー等の読み書き可能な不揮発性メモリーを用いても良い。
【0014】
カードリードライター22は制御手段1に接続され制御される。ICカードへの読み書きが可能であり、ICカードに格納されているデータを制御回路1へ出力する。また、その逆に制御回路1からICカードにデータを格納できる。メンテナンス手段23は制御手段1によって制御される。メンテナンス手段23は、各色のヘッドのノズル面を清掃するワイパー、各色のヘッドのノズル内からインクを吸い出す吸引装置を備えている。メンテナンス手段23の1回のメンテナンス動作のインクの消費量は予め把握されている。メンテナンスの回数をカウントすることで、インク使用量を演算することができる。メンテナンスの回数はRAM25に記憶されるので、制御手段1はこの回数と予め記憶されている1回のインク使用量からメンテナンスの回数に基づいたインク使用量を演算できる。
【0015】
操作パネル26は制御手段1に接続され制御される。操作パネル26は入力部と表示部を備え、入力部から各種データの入力をし、制御手段1に出力する。表示部はLCDパネル、スピーカーが備わり、制御手段1によって表示、報音が制御され、ユーザーに報知する報知手段とし用いることができる。
【0016】
Yインクタンク2はイエロー色のインクを格納するインクタンクである。Mインクタンク7はマゼンタ色のインクを格納するインクタンクである。Cインクタンク12はシアン色のインクを格納するインクタンクである。Kインクタンク17はブラック色のインクを格納するインクタンクである。各色のインクタンクは夫々ポンプによって各色のサブタンクにインクを供給する。また各色のサブタンクから各色のヘッドにインクが供給される。各色のヘッドは供給されたインクを記録媒体に吐出してカラー画像を記録する。
【0017】
ポンプ3は制御手段1によって制御され、Yインクタンク2からYサブタンク4に、インクを供給する。Yインクタンク2はインクジェットプリンター37に対して挿抜が可能となっている。検出手段6は、制御手段1によって制御される。検出手段6はYサブタンク4の挿抜状態の検出、容量の検出、Yインクタンク2に対応する物であることを示すインクタンク情報の検出を行う。
【0018】
挿抜状態の検出結果は制御手段1によって取得される。Yサブタンク4がインクジェットプリンター37に正常に挿入されているか確認でき、挿入されている場合に動作するように制御する。
【0019】
容量の検出は、インク量がフル状態であるかエンプティ状態であるかを検出し、検出結果は制御手段1によって取得される。制御手段1はこの検出結果に基づいてポンプ3を動作せる。Yサブタンク4内のインクがエンプティ状態になるとポンプ3を動作させ、フル状態になるまでYインクタンク2からインクを供給する。すなわちYサブタンク4内のインクを所定範囲の量に維持する制御が行われる。
【0020】
Yインクタンク2に対応する物であることを示すインクタンク情報の検出は、Yインクタンク2の使用に対応してYサブタンク4が使用される事を確認する。例えば、Yサブタンク4がインクジェットプリンター37に挿入されている状態で、インクタンク情報を検出します。この時のインクタンク情報が”1”ならYインクタンク2を使用でき、”0”ならYインクタンク2を使用できないと判断します。すなわちYインクタンク2を使用する場合に、それに対する専用のYサブタンク4を使用しなければ、正常に動作しない制御を行います。これは、印字を所定の品質に保つために必要となります。インクジェットプリンター37を適正な動作を保つため、インク及びインク供給経路の品質を適正に管理する必要があるからです。すなわち所定の品質を持った部品を使用していることが確認できるようにしています。
【0021】
Yヘッド5はインクジェットヘッドであり、制御手段1によって制御される。Yヘッド5は、Yサブタンク4からインクの供給を受け、インクを吐出する。制御手段1はYヘッド5から吐出されるインク量の推定を行う。インク種類、ドットサイズ、温度、駆動信号種類などの条件に応じた1回の吐出のインク量の情報を予め保持しておき、吐出回数をカウントすることで、消費するインク量の演算を行う。
【0022】
イエロー色について、Yインクタンク2、ポンプ3、Yサブタンク4、Yヘッド5、検出手段6に関して説明してきたが、他の色についても同様に動作制御がされる。すなわち、マゼンタ色については、Mインクタンク7、ポンプ8、Mサブタンク9、Mヘッド10、検出手段11が夫々Yインクタンク2、ポンプ3、Yサブタンク4、Yヘッド5、検出手段6に対応し、それと同様に制御手段1によって制御される。シアン色については、Cインクタンク12、ポンプ13、Mサブタンク14、Mヘッド15、検出手段16が夫々Yインクタンク2、ポンプ3、Yサブタンク4、Yヘッド5、検出手段6に対応し、それと同様に制御手段1によって制御される。ブラック色については、Kインクタンク17、ポンプ18、Mサブタンク19、Mヘッド20、検出手段21が夫々Yインクタンク2、ポンプ3、Yサブタンク4、Yヘッド5、検出手段6に対応し、それと同様に制御手段1によって制御される。
【0023】
図2はインク容量管理用のメモリーの例を示す図である。印字及びヘッドのメンテナンス時に使用されるインク量を演算して記憶する。そのときインクの色毎に記憶する。例えばYインクすなわちイエロー色インクは、Yヘッド5から吐出されるインク量をYインク吐出消費量として記憶し、メンテナンス時に使用されるインク量をYインクメンテナンス消費量として記憶する。また、使用されたインク量をYインク容量から減算する。Mインクすなわちマゼンタ色インク、Cインクすなわちシアン色インク、Kインクすなわちブラック色インクについて同様にインク量が記憶される。また、ヘッドから吐出された各色の合算のインク量、メンテナンスで使用された各色の合算のインク量を記憶する。また、インクジェットプリンター37が使用可能なインクの使用可能インク量も記憶する。使用可能インク量から各色で使用されたインク量の合算の値が減算される。これらの情報は、RAM25またはROM24に記憶される。
【0024】
図3はインクタンクにインクを補充するときの動作の例を示すフローチャートである。Yインクタンク2、Mインクタンク7、Cインクタンク12またはKインクタンク17の何れかにインクを充填する場合の動作を説明する。これらのインクタンクは例えば
図1にあるようなインクタンク33である。補給タンク36を逆さまにして専用のジョイントに接続することで、補給タンク36内のインクがインクタンク33に供給される。この時のインクの充填がステップS1である。次にステップS2では、ICカードリードライター22にICカードをセットすると、ICカード内に記憶されている使用可能インク量の情報が制御手段1の制御によって読み出される。次にステップS3では、例えばRAM25あるいはROM24などのメモリー内に記憶されているインクジェットプリンター37が使用可能なインクの使用可能インク量の情報に、読み出された使用可能インク量の情報を加算し、ICカード内の情報を無効にする。次にステップS4では、操作パネル26から充填されたインク色について充填した量をセットする。すなわち、何色のインクをインクタンクに何リットル充填したかを入力する。入力された情報は、例えばRAM25あるいはROM24などのメモリー内に記憶されている入力した色のインク容量に加算される。
【0025】
図4はインクタンク内のインク量管理の動作の例を示すフローチャートである。インクの消費がされるとそれに応じてインク量の管理が行われる。インクタンク内のインク量は、外部から補給しなくても長時間、例えば24時間、の連続印字ができる量以上に常に維持しておくため、インクタンク内のインクがある量より少なくならないように運用する。
【0026】
各色インクの総量と、各色インク個別の量の両方を用いて管理する。ICカードから入力される使用可能インク量は各色インクを合わせた総量の管理に用いる。これは、インクジェットプリンター37が印字可能なインク量を管理することに用いる。すなわち、インクジェットプリンター37は、ICカードから入力される使用可能インク量以上のインクを使用しないように制御する。また、各色のインクタンク33には、所定範囲のインク量を常に維持するように管理する。インクタンク内のインクが少なくなるとインク補充を要求する報知を行い、さらに少なくなると印字ができないように制御する。インクタンク内のインク量は、インクタンク33には残量検出機構が備わっていないので、メンテナンス時に使用する量と印字に使用する量から使用したインク量を推定し、その量に基づいてインクタンク33内のインク量の管理制御をする。
【0027】
各色のインク量を合わせた総量に関しては、ICカードから入力されるインク量に応じて使用できるインク量が増え、使用されたインク量に応じて使用できるインク量が減る。また、各色のインク量に関しては、入力されるインク量に応じて使用できるインク量が増え、使用されたインク量に応じて使用できるインク量が減る。
【0028】
ステップS10では、インクの消費がメンテナンスによるものか否かを判断する。メンテナンスによるものの場合はステップS11へ、そうでないものはステップS12に処理が移行する。
ステップS11では、インク色毎にメンテナンス時のインクメンテナンス消費量と、インクタンク33内のインク容量の演算を行いメモリーに記憶する。次にステップS13に移行する。
【0029】
ステップS12では、インク色毎に吐出して消費されたインク吐出消費量と、インクタンク33内のインク容量の演算を行いメモリーに記憶する。次にステップS13に移行する。
ステップS13では、インク色毎にインクの使用量あるいはインクタンク33内のインクの容量を確認する。何れかのインク色のインク使用量が第1所定量を超えたか確認する。超えた場合はステップS14に移行する。超えない場合はステップS15に移行する。第1所定量は、予め決められた時間連続印字可能なインク量である。
【0030】
ステップS14では、いずれかの色のインクについてインクタンク33内のインク量が予め決められた時間連続印字可能なインク量より少なくなったので、印字処理を停止させる。その後ステップS17に移行する。
【0031】
ステップS15では、いずれかの色のインクについてインクタンク33内のインク量が予め決められた時間連続印字可能なインク量より多い状態で、第2所定量を超えたか確認する。超えた場合はステップS16に移行し、超えない場合はステップS17に移行する。第2の所定量は予め決められた時間連続印字可能なインク量より多いが、その値に近づきインクを補充した方が良い量である。例えば、12時間連続印字すると第1所定量となる値である。
【0032】
ステップS16では、報知手段によってインクの補充を要求する。操作パネル26のLCDに文字または画像を表示さたり、スピーカーによって報知する。次にステップS17に移行する。
ステップS17では、各色を合わせたインク使用量の総量が第3所定量を超えたか判断する。超えた場合はステップS18に移行し、超えない場合はステップS19に移行する。
【0033】
ステップS18では、印字停止の処理がされる。これは、ICカードから入力される使用可能インク量を超えたので、印字をしない処理を行う。
ステップS19では、各色を合わせたインク使用量の総量が第4所定量を超えたか判断する。超えた場合はステップS20に移行し、超えない場合は処理が終了する。
ステップS20では、色を限らずインクの補充およびICカードからの使用可能インク量の入力を要求する。操作パネル26のLCDに文字または画像を表示さたり、スピーカーによって報知する。
【0034】
ユーザーは夫々の報知を確認し、それに応じてインクを補充することで、常に長時間印字可能なインク量を保持できる。インク量の入力がICカードとユーザーによる入力でああっても、両者を組み合わせて管理することでることで、個別のインク色毎と各色を合わせたインク量の両方を用いて管理することで、常に長時間印字可能なインク量を保持できる確実性が向上する。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、インクジェットプリンターなどインクタンクを備える記録装置に利用できる。
【符号の説明】
【0036】
1 制御手段
2 Yインクタンク
3 ポンプ
4 Yサブタンク4
5 Yヘッド
6 検出手段
7 Mインクタンク
12 Cインクタンク
17 Kインクタンク
22 カードリードライター
23 メンテナンス手段
24 ROM
25 RAM
26 操作パネル
27 キャリッジ
28 駆動ベルト
29 Yレール
30 搬送手段
33 インクタンク
36 補給タンク
37 インクジェットプリンター