(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5985931
(24)【登録日】2016年8月12日
(45)【発行日】2016年9月6日
(54)【発明の名称】受信装置及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
H03G 3/30 20060101AFI20160823BHJP
H04B 1/16 20060101ALI20160823BHJP
【FI】
H03G3/30 B
H04B1/16 R
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-189033(P2012-189033)
(22)【出願日】2012年8月29日
(65)【公開番号】特開2014-49821(P2014-49821A)
(43)【公開日】2014年3月17日
【審査請求日】2015年7月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100153017
【弁理士】
【氏名又は名称】大倉 昭人
(74)【代理人】
【識別番号】100139491
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 隆慶
(72)【発明者】
【氏名】北門 順
【審査官】
緒方 寿彦
(56)【参考文献】
【文献】
特開平10−303665(JP,A)
【文献】
特開2003−101427(JP,A)
【文献】
特開昭63−301629(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2004/0162043(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03G 1/00− 3/34
H04B 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力される受信信号の振幅を目標振幅に近づくような利得で増幅するAGCアンプと、
前記受信信号のデータから得られたフェージング速度を求め、前記求めたフェージング速度に応じた前記目標振幅を設定する制御部と、を有し、
前記制御部は、第1のフェージング速度のときに第1の目標振幅を設定し、前記第1のフェージング速度より速い第2のフェージング速度のときに前記第1の目標振幅より小さい第2の目標振幅を設定する、
受信装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記制御部は、前記求めたフェージング速度が基準速度以下のときには、所定の目標振幅を設定し、前記求めたフェージング速度が前記基準速度を上回るときには、所定の目標振幅より小さい目標振幅を設定する、
受信装置。
【請求項3】
請求項1において、
前記フェージング速度それぞれに対応する目標振幅が予め決められたデータテーブルが格納されたメモリを有し、
前記制御部は、前記データテーブルに基づいて、前記求めたフェージング速度に対応する目標振幅を設定する、
受信装置。
【請求項4】
入力される受信信号の振幅が目標振幅に近づくような利得で当該受信信号をAGCアンプにて増幅する工程と、
前記受信信号のデータから得られたフェージング速度を求め、前記求めたフェージング速度に応じた前記目標振幅を設定する工程と、
第1のフェージング速度のときに第1の目標振幅を設定し、前記第1のフェージング速度より速い第2のフェージング速度のときに前記第1の目標振幅より小さい第2の目標振幅を設定する制御工程と、
を有する受信装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信信号の振幅を目標振幅に近づけるように制御するAGCアンプを備えた受信装置、及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
受信装置、たとえば、PHS(Personal Handy-phone System)や携帯電話といった移動体無線通信端末における受信装置には、受信信号の中間周波増幅回路に、AGC(Automatic Gain Control)アンプが備えられる(たとえば、特許文献1)。AGCアンプは、受信信号が目標振幅に近づくような利得(増幅率)で受信信号を増幅する。目標振幅は、受信信号内の同期用プリアンブル信号を好適にAD変換するために設定される。移動体通信においては、送信側や受信側装置の移動に起因して受信側の受信電力が変動し、いわゆるフェージング(受信信号の振幅の強弱)が生じる場合がある。かかる場合、AGCアンプにより、受信信号の振幅が目標振幅より小さいときには利得を増大させ、目標振幅より大きいときには利得を減少させることで、目標振幅のプリアンブル信号を得る。
【0003】
しかし、たとえばPHSのフレームフォーマットでは、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying:4位相偏移変調)方式で変調されたプリアンブル信号に続いて、16QAM(16-Quadrature Amplitude Modulation:直交振幅変調)等の方式で変調されたデータ信号が伝送される。すると、プリアンブル信号を増幅したときの利得でデータ信号を増幅する際、データ信号の最大振幅が十分大きくないと、データ信号の振幅がAD変換可能な振幅範囲で飽和してしまい、振幅成分の情報が失われるおそれがある。すると、AD変換したときの信号が歪んで受信特性が劣化する。
【0004】
よって、従来、たとえばデータ信号の最大振幅からある程度のマージンの分、目標振幅を小さめに設定することで、データ信号の振幅が飽和しないようにする方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−312938号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、目標振幅をマージンの分小さめに設定したとしても、フェージング速度が速い場合、すなわち、受信信号の振幅の時間変化率が大きい場合には、制御量の変化率も大きくなる。そして、振幅が逆方向に急変するような場合、制御が発散してしまう。すると、利得の制御が受信信号の振幅変動に追従しきれず、AGCアンプの出力を目標振幅に収束させることが困難になるという問題がある。かといって、目標振幅をさらに下げ、AGCアンプの出力の収束に必要な制御量を小さくすることで制御を容易にしようとすると、フロアノイズに信号成分が埋もれやすくなり、受信信号をAD変換したときの信号分解能(解像度)が全般的に低下するという問題がある。
【0007】
従って、上記のような問題点に鑑みてなされた本発明の目的は、フェージング速度が速い場合であっても、AGCアンプの出力を容易に目標振幅に収束できる受信装置、及びその制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明の一側面における受信装置は、入力される受信信号の振幅を目標振幅に近づくような利得で増幅するAGCアンプと、
前記受信信号のデータから得られたフェージング速度を求め、前記求めたフェージング速度に応じた前記目標振幅を設定する制御部と、
を有し、
前記制御部は、第1のフェージング速度のときに第1の目標振幅を設定し、前記第1のフェージング速度より速い第2のフェージング速度のときに前記第1の目標振幅より小さい第2の目標振幅を設定する、ことを特徴とする。
【0009】
前記制御部は、前記求めたフェージング速度が基準速度以下のときには、所定の目標振幅を設定し、前記求めたフェージング速度が前記基準速度を上回るときには、所定の目標振幅より小さい目標振幅を設定する、ことを特徴とする。
【0010】
上記側面における受信装置は、
前記フェージング速度それぞれに対応する目標振幅が予め決められたデータテーブルが格納されたメモリを有し、前記制御部は、前記データテーブルに基づいて、前記求めたフェージング速度に対応する目標振幅を設定する、ことを特徴とする。
【0011】
上述したように本発明の解決手段を装置として説明してきたが、本発明はこれらに実質的に相当する方法、プログラム、プログラムを記録した記憶媒体としても実現し得るものであり、本発明の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。なお、方法やプログラムの各ステップは、データの処理においては必要に応じて、CPU、DSPなどの演算処理装置を使用するものであり、入力したデータや加工・生成したデータなどをHDD、メモリなどの記憶装置に格納するものである。
【0012】
例えば、本発明を方法として実現した受信装置の制御方法は、入力される受信信号の振幅が目標振幅に近づくような利得で当該受信信号をAGCアンプにて増幅する工程と、
前記受信信号のデータから得られたフェージング速度を求め、前記求めたフェージング速度に応じた前記目標振幅を設定する工程と、
第1のフェージング速度のときに第1の目標振幅を設定し、前記第1のフェージング速度より速い第2のフェージング速度のときに前記第1の目標振幅より小さい第2の目標振幅を設定する制御工程と、を有する。
【発明の効果】
【0013】
以下に説明する実施形態によれば、フェージング速度が速い場合であっても、AGCアンプの出力を好適な目標振幅に容易に収束できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本実施形態における受信装置のブロック図である。
【
図2】受信信号の振幅と目標振幅の関係を示す図である。
【
図3】目標振幅の変更について説明するための図である。
【
図4】フェージング速度と目標振幅の関係を説明する図である。
【
図5】受信装置による目標振幅の設定手順を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0016】
図1は、本実施形態における受信装置のブロック図である。この受信装置は、PHSや携帯電話などの移動通信端末に、または、移動通信端末と通信を行う基地局に設けられる。受信装置10は、アンテナ12、RF(Radio Frequency)部14、AGCアンプ16、AGC制御部18、A/D変換器20、直交検波部22、フェージング速度検出部23、および復調部24を有する。
【0017】
アンテナ12は、無線信号を受信し、受信された無線信号をRF部14に出力する。
【0018】
RF部14は、ローノイズアンプ、周波数変換器、帯域通過フィルタ、受信電力検出部などを含む。RF部14は、アンテナ12から入力される無線信号をローノイズアンプで増幅し、さらに中間周波数信号にダウンコンバートした信号を受信信号としてAGCアンプ16に出力する。また、RF部14は、アンテナ12から入力される無線信号の電力を受信電力検出部により検出し、検出された電力値を受信電力値(受信信号の振幅)としてAGC制御部18に出力する。
【0019】
AGCアンプ16は、RF部14から入力される受信信号の振幅が目標振幅に近づくような利得で受信信号を増幅する。そして、AGCアンプ16は、増幅した受信信号を、A/D変換器20に出力する。具体的には、受信信号に含まれる同期用プリアンブル信号が、所定目標振幅に近づくような利得で増幅されて出力される。そして、プリアンブル信号に続くデータ信号が、プリアンブル信号と同じ利得で増幅されて、出力される。
【0020】
A/D変換器20は、AGCアンプ16から入力されるアナログの受信信号をディジタル信号に変換し、そのディジタル信号を直交検波部22に出力する。
【0021】
直交検波部22は、A/D変換器20から入力されるディジタル信号に含まれる、同期用プリアンブル信号に続くデータ信号を直交検波し、分離されたI信号(同相信号)とQ信号(直交信号)を復調部24とフェージング速度検出部23に出力する。
【0022】
復調部24は、直交検波部22から入力されるI信号およびQ信号のレベルを判定し、その判定結果に基づいてシリアルデータを復元する。復元されたシリアルデータは、復調データとして図示しない後段回路に出力される。
【0023】
一方、フェージング速度検出部23は、IQ信号の変調精度(たとえば、EVM:Error Vector Magnitude)を算出する。フェージングは、通信相手の移動通信端末が移動して、受信装置10が受信する受信信号の振幅が大きくなったり、小さくなったりすることで生じる。ここでは、IQ信号の変調精度の時間変化率が、フェージング速度を示す。フェージング速度検出部23は、変調精度の時間変化率を算出し、算出結果を示すデータを、AGC制御部18に出力する。ここで、変調精度の時間変化率を示すデータが、本実施形態における「フェージング速度を示すデータ」に対応する。フェージング速度検出部23は、たとえば、制御プログラムを格納したメモリと、制御プログラムを実行するプロセッサとを備えたDSP(Digital Signal Processor)やマイクロコンピュータである。
【0024】
AGC制御部18は、RF部14から受信信号が入力され、フェージング速度検出部23から変調精度の時間変化率を示すデータが入力される。AGC制御部18は、変調精度の時間変化率を示すデータ、つまりフェージング速度を示すデータに応じて、AGCアンプ16の目標振幅を設定する。そして、AGC制御部18は、目標振幅ごとに、受信信号が目標振幅に近づくような利得をAGCアンプ16に設定する。AGC制御部18は、たとえば、目標振幅ごとに、受信信号の振幅に利得が対応付けられたテーブルデータTBLを有する。AGC制御部18は、たとえば、テーブルデータTBLや制御プログラムを格納したメモリと、制御プログラムを実行するプロセッサとを備えたDSP(Digital Signal Processor)やマイクロコンピュータである。ここで、AGC制御部18の制御動作について、
図2〜
図4を用いて説明する。
【0025】
図2は、フェージング速度ごとの受信信号の振幅を示す図である。
図2(A)、(B)は、横軸に経過時間を、縦軸に受信信号の振幅を示す。
図2(A)は、フェージング速度が比較的遅い場合の、経過時間に対する受信信号の振幅の変化210を示す。また、
図2(B)は、フェージング速度が比較的速い場合の、経過時間に対する受信信号の振幅の変化220を示す。
【0026】
図2(A)、(B)に示すように、フェージング速度が速いときの方が、フェージング速度が遅いときより、単位時間における振幅の変化量が大きい。換言すると、受信信号の振幅の変化220の方が、振幅の変化210より周期が短い。
【0027】
フェージング速度が遅いと、
図2(A)に示すように、受信信号の振幅を目標振幅A21に近づけようとしてAGCアンプ16が制御を行うことで、受信信号の振幅が飽和レベルA2を超えることなく目標振幅A21に収束する。たとえば、受信信号の振幅が目標振幅A21を超えると、AGCアンプ16は利得を減少させ、受信信号の振幅を減少させる。一方、受信信号の振幅が目標振幅A21を下回ると、AGCアンプ16は利得を増大させ、受信信号の振幅を上昇させる。かかる制御が繰り返され、受信信号の振幅が目標振幅A21に収束する。
【0028】
しかし、フェージング速度が速いと、目標振幅A21に近づけようとして制御を行ったとしても、振幅の変化に制御が追従しない場合がある。たとえば、
図2(B)に示すように、受信信号の振幅が目標振幅A21を超えたときに、AGCアンプ16が受信信号の振幅を目標振幅A21まで減少させるために利得を減少させたとしても、受信信号の振幅の変化220に制御が追従せず、受信信号の振幅が飽和レベルA2を超えることがある(240)。すると受信特性の劣化につながる。
【0029】
そこで、本実施形態では、AGC制御部18は、フェージング速度に応じて、AGCアンプ16の目標振幅を変更する。
【0030】
図3は、目標振幅の変更について説明するための図である。
図3(A)、(B)は、横軸に経過時間を、縦軸に受信信号の振幅を示す。
図3(A)、(B)は、それぞれ
図2(A)、(B)の場合に、すなわちフェージング速度が比較的遅い場合と比較的速い場合とに対応する。そして、
図3(A)、(B)には、それぞれの場合における受信信号の振幅の変化31、32が示される。
【0031】
図3(A)、(B)に示すように、AGC制御部18は、フェージング速度が遅い場合には目標振幅をA31に、フェージング速度が速い場合には目標振幅をA31より小さいA32に設定する。フェージング速度が遅い場合には、目標振幅を大きめ(A31)に設定しても、受信信号の振幅の変化31に制御が追従でき、振幅が飽和レベルA2を超えることなく増幅が行える。また、受信電力を高くすることができ、A/D変換後の信号分解能が向上する。一方、フェージング速度が速い場合には、目標振幅を小さめ(A32)に設定することで、受信信号の振幅の変化32に対し制御の追従が遅れたとしても、振幅が飽和レベルA2を超えることなく増幅が行える。よって、受信特性の劣化を防止できる。
【0032】
図4は、フェージング速度と目標振幅の関係を説明する図である。
図4では、横軸はフェージング速度を示し、縦軸は受信特性に対するフェージング速度の影響度と、目標振幅とを示す。影響度は、具体的には、受信信号の振幅が飽和する可能性を示し、影響度が大きくなるほど受信特性が劣化する。ここで、フェージング速度に対するその影響度42は、フェージング速度が増大すると増加する。すなわち、フェージング速度が速くなるほど、AGC16の制御が追従できずに受信信号の振幅が飽和する可能性が大きくなる。よって、本実施形態では、比較的遅いフェージング速度のときは目標振幅44を比較的大きく設定し、比較的速いフェージング速度のときは目標振幅44を比較的小さく設定する。そうすることで、受信信号が飽和することを回避しつつ、受信電力を好適なレベルに増幅できる。
【0033】
目標振幅は、たとえば、基準速度Thを予め実験やシミュレーションに基づいて設定しておき、フェージング速度が基準速度Thを上回るときには
図3(B)で示した目標振幅A32を設定し、フェージング速度が基準速度Th以下のときにはA32より大きい
図3(A)で示した目標振幅A31に目標振幅を切り替えて設定することが可能である。あるいは、さらに、複数の基準速度を設けておき、目標振幅を段階的に切り替えてもよい。たとえば、基準速度ThとThより大きいTh´(図示省略)を設定しておき、フェージング速度がTh以下のときは第1の目標振幅、Thより大きくTh´以下のときは第1の目標振幅より小さい第2の目標振幅、そしてTh´より大きいときは第2の目標振幅より小さい第3の目標振幅というように切替えを行うことが可能である。AGC制御部18は、たとえば、基準速度と目標振幅とが対応付けられたマップデータを予め内部のメモリに格納している。そして、メモリからかかるデータがプロセッサにより読み出されて、フェージング速度と基準速度との比較に基づいて対応する目標振幅が決定される。そして、決定された目標振幅ごとに、受信信号の振幅と利得とを対応付けたデータテーブルが切り替えられ、受信信号に応じた利得が決定されてAGCアンプ16に設定される。
【0034】
なお、
図4では、フェージング速度とその影響度42、及びフェージング速度ごとの目標振幅44を直線で示し、その交点にThが設定された例を示した。しかし、フェージング速度とその影響度は必ずしも線形に変化しなくてもよい。また、目標振幅44は、上述のように段階的に切り替えられるので、
図4は、フェージング速度が速くなるほど小さい目標振幅が設定されることを概念的に示す例と理解されたい。
【0035】
図5は、本実施形態における受信装置10の、目標振幅の設定手順を示すフローチャート図である。この手順は、たとえば、数マイクロ秒〜数十マイクロ秒といった周期で定期的にAGC制御部18により実行される。
【0036】
AGC制御部18は、RF部14から受信信号が入力されると(S500)、フェージング速度検出部23から入力されるフェージング速度を示すデータに基づいて、フェージング速度が基準速度より速いか否かを判断する(S501)。ここでは、基準速度が1つの場合(たとえば
図4で示したTh)の処理が示される。
【0037】
フェージング速度が基準速度より速い場合(S501のYes)、AGC制御部18は、小さい目標振幅を設定する(S502)。一方、フェージング速度が基準速度以下の場合(S501のNo)、AGC制御部18は、大きい目標振幅を設定する(S504)。
【0038】
AGC制御部18は、受信信号の入力が終了するまで上記の処理を繰り返し(S506のNo)、受信信号の入力が終了すると(S506のYes)、本制御サイクルを終了する。
【0039】
そして、
図5の制御サイクルの後、AGC制御部18は、目標振幅に応じたテーブルデータTBLを用いて、受信信号を目標振幅に近づけるような利得を決定して、AGCアンプ16に設定する。
【0040】
このように、本実施形態における受信装置、及びその制御方法によれば、フェージング速度が速い場合であっても、AGCアンプの出力を容易に目標振幅に収束でき、好適な受信特性を得ることができる。
【0041】
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各手段、各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段やステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【符号の説明】
【0042】
10 受信装置
12 アンテナ
14 RF部
16 AGCアンプ
18 AGC制御部
20 A/D変換器
22 直交検波部、
23 フェージング速度検出部
24 復調部