(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
粒子径が0.07〜2.0μmである微細粒子をポリイミドフィルムに均一に分散した、厚みが26.5〜36.5μmであるポリイミドフィルムを基材とし、この上に厚みが1〜10μmの銅配線を形成させるタブレット端末向けCOF用基板であって、ポリイミドフィルムが、パラフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルおよび3,4’−ジアミノジフェニルエーテルからなる群から選ばれる1以上の芳香族ジアミンと、ピロメリット酸二無水物および3,3’,4,4’−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物からなる群から選ばれる1以上の酸無水物を使用して製造され、ループスティフネスの値が、フィルムの機械搬送方向で15〜45mN/cm、フィルムの幅方向で25〜55mN/cmであるポリイミドフィルムであるタブレット端末向けCOF用基板。
微細粒子がフィルム樹脂重量当たり0.03〜0.30重量%の割合でポリイミドフィルムに均一に分散され、かつ表面には微細な突起が形成されている請求項1記載のタブレット端末向けCOF用基板。
粒子径が0.07〜2.0μmである微細粒子をポリイミドフィルムに均一に分散した、厚みが26.5〜36.5μmのタブレット端末向けCOF用ポリイミドフィルムであって、ポリイミドフィルムが、パラフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルおよび3,4’−ジアミノジフェニルエーテルからなる群から選ばれる1以上の芳香族ジアミンと、ピロメリット酸二無水物および3,3’,4,4’−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物からなる群から選ばれる1以上の酸無水物とを使用して製造され、ループスティフネスの値が、フィルムの機械搬送方向で15〜45mN/cm、フィルムの幅方向で25〜55mN/cmであるポリイミドフィルム。
【背景技術】
【0002】
フレキシブルプリント基板(FPC)や半導体パッケージの高繊細化(ファインピッチ化)に伴い、それらに用いられるポリイミドフィルムへの要求事項も多くなっており、例えば金属との張り合わせによる寸法変化やカールを小さくすること、及びハンドリング性の高いことなどが挙げられ、ポリイミドフィルムの物性として配線として用いられる金属に近い熱膨張係数(CTE)を有すること、弾性率が高いこと、更には吸水による寸法変化が小さいことなどが要求され、それに応じたポリイミドフィルムが開発されてきた。
【0003】
例えば弾性率を高めるためパラフェニレンジアミンを使用したポリイミドフィルムの例が知られている(特許文献1,2,3)。また高弾性率を保持しつつ吸水による寸法変化を低減させるため、パラフェニレンジアミンに加えビフェニルテトラカルボン酸二無水物を使用したポリイミドフィルムの例が知られている(特許文献4,5)。
【0004】
さらには金属との貼り合わせ工程での寸法変化を抑えるため、フィルムの機械搬送方向(以下MDという)の熱膨張係数(α
MD)をフィルムの幅方向(以下TDという)の熱膨張係数(α
TD)よりも小さく設定し、意図的にMDとTDのバランスを崩し、異方性を持たせたポリイミドフィルムの例が記載されている。これは通常FPC工程では金属との貼り合わせをロールトゥロールで加熱して行うラミネーション方式が採用されており、この工程でのフィルムのMDに張力(テンション)がかかって伸びが生じ、一方TDには縮みが生じる現象を相殺させることを目的としている(特許文献6)。
【0005】
ところで近年、配線の高精細(ファインピッチ)化への対応で、銅張積層体は接着剤を用いない2層タイプ(ポリイミドフィルム上に銅層が直接形成)が採用されている。これはポリイミドフィルム上へのスパッタリングや蒸着、無電解鍍金や電解鍍金により銅層を形成させる方法、銅箔上にポリイミドの前駆体であるポリアミック酸をキャストした後イミド化させる方法があるが、いずれもラミネーション方式のような熱圧着工程ではなく、したがってポリイミドフィルムのMDの熱膨張係数(α
MD)をTDの熱膨張係数(α
TD)より小さくする必要は無くなり、さらには2層タイプで主流をしめるCOF用途では、ポリイミドフィルムのTDに高精細(ファインピッチ)で配線が形成されるパターンが一般的で、逆にTDの熱膨張係数(α
TD)が大きいと半導体チップをCOFに実装する際に配線間の寸法変化が大きくなり、高精細(ファインピッチ)化要求への対応が困難であった。これに対応するには、ポリイミドフィルムの熱膨張係数(CTE)を半導体の主材料であるシリコン(熱膨張係数3〜7ppm/℃)に近似させるほどに小さくさせるのが理想であるが、銅(熱膨張係数14〜18ppm/℃)との熱膨張差異が生じるので、半導体チップ実装をはじめとする加熱工程によりひずみが生じるという問題がある。
【0006】
また、最近、キーボードがなく、タッチパネル等の表示/入力部を持った携帯可能なタブレット端末が増えているが、このようなタブレット端末では、キーボードがない分、パネル上の操作を遅滞なく処理、伝送する必要があり、従来よりも高精細(ファインピッチ)が求められている。
【0007】
更に、これらのタブレット端末は携帯するためのものであるため、従来以上に小型、薄型の要求が強く、従来COF用基板で主流であった38μmのポリイミドフィルムでは厚すぎ、限られたタブレット端末のスペースで十分な機能を盛り込めない欠点があり、他方でやはり従来からFPC(フレキシブル配線板)用途で広く利用されている25μmのポリイミドフィルムでは薄すぎ、配線を十分に保護できず、また要求される絶縁性も十分確保できない問題があった。これらに加え、小型、薄型のタブレット端末に折りたたんで収納する為に、従来のCOF用基板の耐折性では不十分であり、耐折性を向上する必要も出てきている。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明のタブレット端末向けCOF用基板は、ポリイミドフィルムを基材とし、この上に厚みが1〜10μmの銅配線を形成させる。
【0013】
本発明のタブレット端末向けCOF用基板に用いられるポリイミドフィルムは、粒子径が0.07〜2.0μmである微細粒子をポリイミドフィルムに均一に分散した、厚みが26.5〜36.5μmであるポリイミドフィルムであって、ポリイミドフィルムが、パラフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルおよび3,4’−ジアミノジフェニルエーテルからなる群から選ばれる1以上の芳香族ジアミンと、ピロメリット酸二無水物および3,3’,4,4’−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物からなる群から選ばれる1以上の酸無水物とを使用して製造されるポリイミドフィルムである。
【0014】
本発明のタブレット端末向けCOF用基板に用いられるポリイミドフィルムを製造するに際しては、まず芳香族ジアミン成分と酸無水二無水物成分とを有機溶媒中で重合させることにより、ポリアミック酸溶液を得る。
【0015】
上記芳香族ジアミン類は、パラフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテルからなる群から選ばれる1以上の芳香族ジアミンである。フィルムの弾性率を高くする効果のあるパラフェニレンジアミン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルからなる群から選ばれる1以上の芳香族ジアミンの量を調整し、最終的に得られるポリイミドフィルムの弾性率が4.0GPa以上にすることが、高精細(ファインピッチ)でありかつ耐折性に優れた基板用として好ましい。
【0016】
本発明では、必要に応じて、ポリイミドフィルムを製造するために、パラフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテルからなる群から選ばれる1以上の芳香族ジアミンと、メタフェニレンジアミン、ベンジジン、パラキシリレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,5−ジアミノナフタレン、3,3’−ジメトキシベンチジン、1,4−ビス(3メチル−5アミノフェニル)ベンゼンおよびこれらのアミド形成性誘導体を併用して使用することができる。
【0017】
上記酸二無水物成分は、ピロメリット酸二無水物、および、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物からなる群から選ばれる1以上の酸無水物を使用するピロメリット酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸は、耐折性、寸法変化率などが優れている。
【0018】
本発明では、必要に応じて、ポリイミドフィルムを製造するために、ピロメリット酸二無水物、および、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸酸二無水物からなる群から選ばれる1以上の酸無水物と、2,3’,3,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,3,6,7−ナフタレンジカルボン酸、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル、ピリジン−2,3,5,6−テトラカルボン酸およびこれらのアミド形成性誘導体の酸二無水物を併用して使用することができる。
【0019】
また、本発明において、ポリアミック酸溶液の形成に使用される有機溶媒の具体例としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、フェノール、o−,m−,またはp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどのフェノール系溶媒、あるいはヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトンなどの非プロトン性極性溶媒を挙げることができ、これらを単独又は混合物として用いるのが望ましいが、さらにはキシレン、トルエンのような芳香族炭化水素の使用も可能である。
【0020】
重合方法は公知のいずれの方法で行ってもよく、例えば
(1)先に芳香族ジアミン成分全量を溶媒中に入れ、その後芳香族テトラカルボン酸類成分を芳香族ジアミン成分全量と当量になるよう加えて重合する方法。
(2)先に芳香族テトラカルボン酸類成分全量を溶媒中に入れ、その後芳香族ジアミン成分を芳香族テトラカルボン酸類成分と等量になるよう加えて重合する方法。
(3)一方の芳香族ジアミン化合物を溶媒中に入れた後、反応成分に対して芳香族テトラカルボン酸類化合物が95〜105モル%となる比率で反応に必要な時間混合した後、もう一方の芳香族ジアミン化合物を添加し、続いて芳香族テトラカルボン酸類化合物を全芳香族ジアミン成分と全芳香族テトラカルボン酸類成分とがほぼ等量になるよう添加して重合する方法。
(4)芳香族テトラカルボン酸類化合物を溶媒中に入れた後、反応成分に対して一方の芳香族ジアミン化合物が95〜105モル%となる比率で反応に必要な時間混合した後、芳香族テトラカルボン酸類化合物を添加し、続いてもう一方の芳香族ジアミン化合物を全芳香族ジアミン成分と全芳香族テトラカルボン酸類成分とがほぼ等量になるよう添加して重合する方法。
(5)溶媒中で一方の芳香族ジアミン成分と芳香族テトラカルボン酸類をどちらかが過剰になるよう反応させてポリアミド酸溶液(A)を調整し、別の溶媒中でもう一方の芳香族ジアミン成分と芳香族テトラカルボン酸類をどちらかが過剰になるよう反応させポリアミド酸溶液(B)を調整する。こうして得られた各ポリアミド酸溶液(A)と(B)を混合し、重合を完結する方法。この時ポリアミド酸溶液(A)を調整するに際し芳香族ジアミン成分が過剰の場合、ポリアミド酸溶液(B)では芳香族テトラカルボン酸成分を過剰に、またポリアミド酸溶液(A)で芳香族テトラカルボン酸成分が過剰の場合、ポリアミド酸溶液(B)では芳香族ジアミン成分を過剰にし、ポリアミド酸溶液(A)と(B)を混ぜ合わせこれら反応に使用される全芳香族ジアミン成分と全芳香族テトラカルボン酸類成分とがほぼ等量になるよう調整する。
【0021】
なお、重合方法はこれらに限定されることはなく、その他公知の方法を用いてもよい。こうして得られるポリアミック酸溶液は、固形分を5〜40重量%、好ましくは10〜30重量%を含有しており、またその粘度はブルックフィールド粘度計による測定値で10〜2000Pa・s、好ましくは、100〜1000Pa・sのものが、安定した送液のために好ましく使用される。また、有機溶媒溶液中のポリアミック酸は部分的にイミド化されていてもよい。
【0022】
次に、本発明のタブレット端末向けCOF用基板に用いられるポリイミドフィルムの製造方法について説明する。
【0023】
ポリイミドフィルムを製膜する方法としては、ポリアミック酸溶液をフィルム状にキャストし、熱的に脱環化脱溶媒させてポリイミドフィルムを得る方法、およびポリアミック酸溶液に環化触媒及び脱水剤を混合し化学的に脱環化させてゲルフィルムを作成し、これを加熱脱溶媒することによりポリイミドフィルムを得る方法が挙げられるが、後者の方が得られるポリイミドフィルムの熱膨張係数(CTE)を低く抑えることができるので好ましい。
【0024】
上記ポリアミック酸溶液は、環化触媒(イミド化触媒)、脱水剤およびゲル化遅延剤などを含有することができる。
【0025】
環化触媒の具体例としては、トリメチルアミン、トリエチレンジアミンなどの脂肪族第3級アミン、ジメチルアニリンなどの芳香族第3級アミン、およびイソキノリン、ピリジン、β−ピコリンなどの複素環第3級アミンなどが挙げられるが、複素環式第3級アミンから選ばれる少なくとも一種類のアミンを使用するのが好ましい。
【0026】
脱水剤の具体例としては、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸などの脂肪族カルボン酸無水物、および無水安息香酸などの芳香族カルボン酸無水物などが挙げられるが、無水酢酸および/または無水安息香酸が好ましい。
【0027】
ポリアミック酸溶液からポリイミドフィルムを製造する方法としては、環化触媒および脱水剤を含有せしめたポリアミック酸溶液をスリット付き口金から支持体上に流延してフィルム状に成形し、支持体上でイミド化を一部進行させて自己支持性を有するゲルフィルムとした後、支持体より剥離し、加熱乾燥/イミド化し、熱処理を行う。
【0028】
上記ポリアミック酸溶液は、スリット状口金を通ってフィルム状に成型され、加熱された支持体上に流延され、支持体上で熱閉環反応をし、自己支持性を有するゲルフィルムとなって支持体から剥離される。
【0029】
上記支持体とは、金属製の回転ドラムやエンドレスベルトであり、その温度は液体または気体の熱媒によりおよび/または電気ヒーターなどの輻射熱により液体または気体の熱媒によりおよび/または電気ヒーターなどの輻射熱により制御される。
上記ゲルフィルムは、支持体からの受熱および/または熱風や電気ヒーターなどの熱源からの受熱により30〜200℃、好ましくは40〜150℃に加熱されて閉環反応し、遊離した有機溶媒などの揮発分を乾燥させることにより自己支持性を有するようになり、支持体から剥離される。
【0030】
上記支持体から剥離されたゲルフィルムは、通常回転ロールにより走行速度を規制しながら走行方向に延伸される。機械搬送方向(MD)への延伸倍率(MDX)は、140℃以下の温度で1.01〜1.9倍、好ましくは1.05〜1.6倍、さらに好ましくは1.05〜1.4倍で実施される。搬送方向に延伸されたゲルフィルムは、テンター装置に導入され、テンタークリップに幅方向両端部を把持されて、テンタークリップと共に走行しながら、幅方法へ延伸される。この時フィルムの機械搬送方向(MD)の延伸倍率に比べ幅方向(TD)の延伸倍率を高く設定すること、具体的には幅方向の延伸倍率を機械搬送方向の延伸倍率の1.1〜1.5倍に設定することによってフィルムTDに配向勝ったフィルムすなわちフィルムMDには銅に近似した熱膨張係数を保持しつつ、フィルムTDの熱膨張係数を低く抑えたフィルムを得ることができる。これら範囲内にて両者の延伸倍率の調整を行い、フィルムのTDの熱膨張係数α
TDが3〜10ppm/℃、フィルムのMDの熱膨張係数α
MDが10〜20ppm/℃の範囲にするのが好ましく、α
TDが3〜7ppm/℃、α
MDが14〜18ppm/℃の範囲がより好ましい。
上記の乾燥ゾーンで乾燥したフィルムは、熱風、赤外線などで15秒から10分加熱される。次いで、熱風および/または赤外線、電気ヒーターなどにより、250〜500℃の温度で15秒から20分熱処理を行う。
【0031】
本発明のタブレット端末向けCOF用基板に用いられるポリイミドフィルムは、粒子径が0.07〜2.0μmである微細粒子をポリイミドフィルムに均一に分散させる。
【0032】
このため、このポリアミック酸溶液は、フィルムの易滑性を得るため、粒子径0.07〜2.0μmである微細粒子を含有する。微細粒子は、好ましくは、酸化チタン、微細シリカ、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウムおよびポリイミド粒子などの化学的に不活性な有機粒子や無機粒子であり、この中では炭酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、微細シリカが特に好ましい。粒子径0.07〜2.0μmの範囲であれば該ポリイミドフィルムの自動工学検査システム(AOI)での検査が問題なく適応できる。
【0033】
また走行速度を調整しポリイミドフィルムの厚みを調整するが、ポリイミドフィルムの厚みとしては26.5〜36.5μmが好ましい。これより薄くても厚くてもフィルムの耐折性や反発性が著しく悪化するので好ましくない。
【0034】
このようにして得られたポリイミドフィルムを更に200〜500℃の温度でアニール処理を行うことが好ましい。アニール処理することによってフィルムの熱リラックスが起こるので、加熱収縮率を小さく抑えることができる。本発明ポリイミドフィルムの製法では、フィルムTDへの配向が強いため、その分この方向での加熱収縮率が高くなるが、アニール処理からの熱リラックスにより200℃での加熱収縮率をフィルムのMD、TD共に0.04%以下に抑えることができるので、より一層高寸法精度が高くなり好ましい。具体的には200〜500℃の炉の中を、低張力下にてフィルムを走行させ、アニール処理を行う。炉の中でフィルムが滞留する時間が処理時間となるが、走行速度を変えることでコントロールすることになり、30秒〜5分の処理時間であることが好ましい。これより短いとフィルムに充分熱が伝わらず、また長いと過熱気味になりフィルムにしわなどが入り、平面性を損なうので好ましくない。また、走行時のフィルム張力は10〜50N/mが好ましく、更には20〜30N/mが好ましい。この範囲よりも張力が低いとフィルムの走行性が悪くなり、また張力が高いと得られたフィルムの走行方向の熱収縮率が高くなるので好ましくない。
【0035】
また、得られたポリイミドフィルムに接着性を持たせるため、フィルム表面に公知のコロナ処理やプラズマ処理のような電気処理、あるいはサンドブラストやウェットブラストなどのブラスト処理のような物理的処理、アルカリ溶液による薬液処理などを行ってもよい。
【0036】
更に、得られたポリイミドフィルムのループスティフネスの値は、好ましくは、フィルムの機械搬送(MD)方向で15〜45mN/cm、フィルムの幅(TD)方向で25〜55mN/cm、より好ましくはMD向で16〜43mN/cm、フィルムの幅(TD)方向で26〜54mN/cmである。この場合のループスティフネスの値は、東洋精機製作所製ループスティフネステスタDAを使用し、10mm幅×120mmのフィルムを用い、ループ長50mm、圧縮距離10mm、圧縮時間3秒、ロードセルのレンジ×10(試験荷重の最大値100mN)で測定した値である。
【0037】
本発明のタブレット端末向けCOF用基板は、ポリイミドフィルムを基材とし、この上に厚みが1〜10μmの銅配線を形成させる。銅配線の厚みは、好ましくは、4〜9μmである。
【0038】
銅配線の形成方法については、ポリイミドフィルム上にスパッタリングや蒸着、無電解鍍金、電解鍍金などによって直接銅を形成する方法、ポリイミドフィルム上に接着剤を介して銅箔を張り合わせる方法があるが、直接銅配線を形成する方が銅厚みを制御でき、また寸法安定面でも有利で、電気特性面でも信頼性が高いので好ましい。とりわけ、スパッタリングと電解鍍金、蒸着と電解鍍金、無電解鍍金と電解鍍金とを組み合わせて銅を形成する方法が好ましい。但し、直接銅配線を形成すると、ポリイミドフィルムへの銅のエレクトロマイグレーションにより拡散が起こりやすいことから、銅とポリイミドフィルムの間にクロム、ニッケル、クロム/ニッケル合金などの金属層を下地金属層として形成し、銅の拡散を抑制するのが好ましい。この場合、下地金属層のクロム含有率は、5〜25重量%が好ましい。クロム含有率が高い場合、銅の拡散防止効果は高いが、エッチングにより下地金属層を除去するのが困難になる。逆に、クロム含有率が低い場合、銅の拡散を完全に防止できないので、クロム含有率は、5〜25重量%が好ましい。
【0039】
このようにして得られるポリイミドフィルム及びそれを基材とした銅張積層体は、フィルムのTDへの配向を進ませることで、この方向の熱膨張係数を低く抑えることができ、かつMDの熱膨張係数は銅に近似した値を持ち、さらに加熱収縮率も低く、また高い引っ張り弾性率を保持しているので、ファインピッチ回路用基板、特にフィルムのTDにファインピッチに配線されるCOF(Chip on Film)用に好適である。
【0040】
次に、COF用基板の製造方法を例示して説明する。
【0041】
銅張積層体の銅の上に液状フォトレジストを塗布及び乾燥、あるいはドライフィルムレジストをラミネートする。そして、所定のパターンからなるフォトマスクを介して紫外線をフォトレジスト層に照射する。更に、現像工程において、ポジ型フォトレジストの場合は露光部のフォトレジスト、ネガ型フォトレジストの場合は未露光部が溶解除去され、フォトレジストパターンが形成される。この際、現像に用いられる現像液はアルカリ溶液が用いられることが多く、例えば炭酸ナトリウム水溶液などが用いられる。フォトレジストパターンを形成した後、銅エッチング液として塩化第二鉄水溶液、塩化第二銅水溶液、過酸化水素溶液などを用い、フォトレジストが除去されて露出している銅部分をエッチング除去する。この際、エッチング液にはアゾール、グリコール、グリコールエーテル、カチオン界面活性剤などを適宜添加してもよい。なお、エッチングは一段階で行い、一種類のエッチング液で下地金属層まで除去してもよいが、二段階エッチングで銅層の除去と下地金属層の除去を分けてもよい。二段階エッチングを行う場合には、下地金属層の除去が主目的となるので、例えば塩酸を含有する種々の組成のエッチング液を用いることができる。エッチング終了後、フォトレジストを水酸化ナトリウム水溶液や水酸化カリウム水溶液などのアルカリ溶液で剥離除去する。このようにして得られたCOF用基板に錫めっきを施し、銅の表面に錫鍍金層が形成される。
【0042】
本発明のタブレット端末向けCOF用基板では、ポリイミドフィルムに粒子が均一に分散されていることが重要である。ここで、均一に分散されているというのは、例えば粒子としてシリカを用い、樹脂重量当たり0.03重量%を添加した場合、次のような方法で確認が可能である。
(a)フィルムを任意に5cm×5cmの大きさに30箇所取る。
(b)その中のケイ素原子含有量を、蛍光X線などを用いて定量する。
(c)ケイ素原子含有量から、シリカ含有量を算出する。
【0043】
(d)30箇所のシリカ含有量の平均が樹脂重量当たり0.03±0.01重量%であり、かつばらつき(標準偏差)が0.01以下である。
粒子が不均一に分散している場合、また局所的に大きな粒子となって存在している場合、その部分は粒子が非常に多く存在していることになるので、上述のような平均ばらつきに収まらず、また標準偏差も大きくなる。
【0044】
また、本発明のタブレット端末向けCOF用基板では、粒子径0.07〜2.0μmである微細粒子をフィルム樹脂重量当たり0.03〜0.30重量%の割合でポリイミドフィルムに均一に分散されることによって微細な突起を形成させるのが好ましい。添加量については、0.30重量%を越えると機械的強度の低下が見られ、また0.03重量%以下では、十分な易滑性効果が見られず好ましくない。また平均粒子径については、0.10μm以上0.90μm以下が好ましく、0.10μm以上0.30μm以下がより好ましい。平均粒子径が0.10μm以下になると、ポリイミドフィルムの易滑性効果が低下するので好ましくなく、0.90μm以上になると局所的に大きな粒子となって存在するので好ましくない。
【0045】
本発明のタブレット端末向けCOF用基板では、好ましくは、微細粒子により形成される突起数が1mm
2当たり1×10
3〜1×10
8個存在する。微細粒子により形成される突起数は、より好ましくは、1mm
2当たり1×10
4〜1×10
7個である。
【実施例】
【0046】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
なお、実施例中PPDはパラフェニレンジアミン、4,4’−ODAは4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ODAは3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、PMDAはピロメリット酸二無水物、BPDAは3,3’−4,4’−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物、DMAcはN,N−ジメチルアセトアミドをそれぞれ表す。また、実施例中の各特性は次の方法で評価した。
【0047】
(1)熱膨張係数(CTE)
島津製作所製TMA−50を使用し、測定温度範囲:50〜200℃、昇温速度:10℃/分の条件で測定した。なお、MD方向の熱膨張係数をα
MD、TD方向の熱膨張係数をα
TDと表現する。
【0048】
(2)加熱収縮率
20cm×20cmのフィルムを用意し、25℃、60%RHに調整された部屋に2日間放置した後のフィルム寸法(L1)を測定し、続いて200℃60分間加熱した後再び25℃、60%RHに調整された部屋に2日間放置した後フィルム寸法(L2)を測定し、下記式
加熱収縮率=−(L2−L1)/L1×100
計算により評価した。
【0049】
(3)弾性率
エー・アンド・デイ製RTM−250を使用し、引張速度:100mm/分の条件で測定した。
【0050】
(4)粒度分布、粒子径、平均粒子径
粒度分布、粒子径は、島津製作所製SALD−2000Jを用い、極性溶媒に分散させた試料を測定した。平均粒子径は、粒度分布から粒子径の平均値を求めた。
【0051】
(5)突起数
日立製作所製超高分解能電界放射型走査電子顕微鏡(UHR−FE−SEM)S−5000を使用し、フィルム表面を1万倍SEM写真を取り、突起をカウントした。尚SEM前処理として白金(Pt)をコートした。
【0052】
(6)摩擦係数(静摩擦係数)
JIS K−7125に準じて測定した。すなわち、スベリ係数測定装置SlipTester(株式会社テクノニーズ製)を使用し、フィルム処理面同士を重ね合わせて、その上に200gのおもりを載せ、フィルムの一方を固定、もう一方を100mm/分で引っ張り、摩擦係数を測定した。
【0053】
(7)ループスティフネス
東洋精機製作所製ループスティフネステスタDAを使用し、10mm幅×120mmのフィルムを用い、ループ長50mm、圧縮距離10mm、圧縮時間3秒、ロードセルのレンジ×10(試験荷重の最大値100mN)で測定を実施した。
【0054】
(8)COF用基板の、半田浴処理前後の寸法変化率、及びカール
(i)銅層形成
35mm幅(TD)×120mm幅(MD)のフィルム上に,ニッケル/クロム合金(ニッケル/クロム=95/5)をスパッタリングし、0.02μm厚のニッケル/クロム合金下地層を形成した。次に、このニッケル/クロム合金下地層の上に銅をスパッタリングし、0.1μm厚の銅層を形成した。形成した銅層を負電極に用い、硫酸銅鍍金液(硫酸銅五水和物190g、硫酸95g、塩酸0.10ml、水1000l)を用いて電解鍍金を施し、最終的に全体(スパッタリング層と鍍金層の合計)で8μm厚の銅層を形成した。
【0055】
(ii)フォトレジストパターン形成
得られた8μm厚の銅層の上に、クラリアントジャパン製フォトレジストAZP4620をスピンコーター(ミカサ製1H−360S)にて1000rpm×5秒+1500rpm×60秒で塗布した。そして110℃×15分、オーブン内で乾燥し、フォトレジスト中の溶媒を除去した。形成したフォトレジスト層は5μm厚であった。
【0056】
次に、形成したフォトレジスト層を、フォトマスクを用いて露光した。フォトマスクにはTD方向に100μmピッチ(配線幅55μm/配線間隔45μm)の配線が50本並んで形成されているものを用いた。露光量は400mJ/cm2とした。
【0057】
露光後、クラリアントジャパン製フォトレジスト現像液AZ400Kを用い、AZ400K/水=90/10(重量比)水溶液を調合し、この調合液を現像液として25℃×4分浸漬+揺動現像し、目的とする100μmピッチ配線状にフォトレジストを形成した。
【0058】
(iii)銅エッチング
配線状にフォトレジストを形成した後、第一エッチング液として塩酸5重量%を含んだ35重量%塩化第二鉄水溶液を用い、40℃×90秒、銅エッチング液をスプレーノズルからシャワーしながらエッチング処理し、銅層を100μmピッチ(配線幅50μm/配線間隔50μm)にパターニングした。次に、第二エッチング液として塩酸1.4mol/L含んだ3.0mol/L塩化第二銅水溶液を用い、40℃×30秒、銅エッチング液をスプレーノズルからシャワーしながらエッチング処理し、下地金属層を除去した。エッチング後、25℃×5分×2回浸漬+揺動水洗し、その後自然乾燥した。
【0059】
(iv)フォトレジスト除去
銅配線形成後、水酸化ナトリウム2.5重量%水溶液を用い、25℃×3分で浸漬+揺動剥離を行い、フォトレジストを溶解除去した。フォトレジスト除去後、25℃×5分×2回浸漬+揺動水洗し、その後自然乾燥した。
【0060】
(v)錫鍍金
フォトレジスト除去後、シプレイファーイースト製無電解錫鍍金液LT34を用い、25℃×2分浸漬することで無電解錫鍍金を施し、防錆処理した。無電解錫鍍金後、25℃×5分×2回浸漬+揺動水洗し、その後自然乾燥しCOF用基板とした。
【0061】
(vi)寸法変化率、及びカール測定
錫鍍金後、TD方向の寸法を測定(L3)した。次に、250℃の半田浴に30秒浸漬し、浸漬後に再びTD方向の寸法を測定(L4)した。半田浴による処理前後の寸法変化率を下記式により求めた。
寸法変化率(%)=(L4−L3)/L3×100
また、カールについては、半田浴による処理後に平坦な場所にサンプルを静置し、サンプルの端部の床からの反り上がり量を「カール」として評価した。
【0062】
(9)耐折性(MIT)
JIS−P8115に従って、ポリイミドフィルム試験片が切れる迄の往復折曲げ回数を測定した。各ポリイミドフィルムに対して3回の測定を行い、平均した値を耐折性の回数とした。
【0063】
(10)屈曲性
JIS−C6471(1995)に準拠した方法で評価した。COF用基板を張力4.9Nで毎分175回の割合で繰り返し折り曲げ、銅層が断線するまでの回数を測定した。折り曲げの曲率半径(R)は、0.38mm及び0.8mmの2水準とした。COF用基板に対して3回の測定を行い、平均した値を屈曲性の回数とした。
【0064】
[実施例1]
500mlのセパルブルフラスコにDMAc238.0gを入れ、ここにPPD3.24g(0.030モル)、4,4’−ODA23.92g(0.120モル)、BPDA8.79g(0.030モル)、PMDA26.06g(0.119モル)を投入し、常温常圧中で1時間反応させ、均一になるまで撹拌してポリアミック酸溶液を得た。
続いて粒径0.08μm未満及び2μm以上が排除された平均径0.30μmのシリカのDMAcスラリーを前記ポリアミド酸溶液に樹脂重量当たり0.03重量%添加し、十分攪拌、分散させた。
【0065】
その後このポリアミック酸溶液を−5℃で冷却した後、ポリアミック酸溶液100重量%に対して無水酢酸14重量%とβ−ピコリン14重量%を混合
した。
この混合液を、90℃の回転ドラムに30秒流延させた後、得られたゲルフィルムを100℃で5分間加熱しながら、走行方向に1.1倍延伸した。次いで幅方向両端部を把持して、265℃で2分間加熱しながら幅方向に1.5倍延伸した後、385℃にて5分間加熱し、35μm厚のポリイミドフィルムを得た。このポリイミドフィルムを220℃に設定された炉の中で20N/mの張力をかけて50秒アニール処理を行った後、各特性を評価した。
【0066】
フィルムMDの熱膨張係数α
MD:14.0ppm/℃
フィルムTDの熱膨張係数α
TD:4.5ppm/℃
200℃加熱収縮率(MD) :0.02%
200℃加熱収縮率(TD) :0.01%
弾性率(MD) :6.6GPa
弾性率(TD) :7.4GPa
シリカ添加量 :0.03重量%
粒度分布 :0.08〜2.0μm
平均粒径 :0.10μm
突起数 :2.5×10
5個/mm
2
寸法変化率 :0.01%
カール :3.6mm
摩擦係数 :0.86
耐折性(MIT):21,000回 。
【0067】
また、得られたポリイミドフィルムを用い、以下の手順でCOF用基板を作成した。
【0068】
(1).銅層形成
得られたポリイミドフィルムから35mm幅(TD)×120mm幅(MD)の評価サンプルを準備し、この上に,ニッケル/クロム合金(ニッケル/クロム=95/5の比率の合金)をスパッタリングし、0.02μm厚のニッケル/クロム合金下地層を形成した。次に、このニッケル/クロム合金下地層の上に銅をスパッタリングし、0.1μm厚の金属(ニッケル/クロム合金+銅)層を形成した。形成した銅層を負電極に用い、硫酸銅鍍金液(硫酸銅五水和物190g、硫酸95g、塩酸0.10ml、水1000l)を用いて電解鍍金を施し、最終的に全体(スパッタリング層と鍍金層の合計)で8μm厚の銅層を形成した。
【0069】
(2).フォトレジストパターン形成
得られた8μm厚の銅層の上に、クラリアントジャパン製フォトレジストAZP4620をスピンコーター(ミカサ製1H−360S)にて1000rpm×5秒+1500rpm×60秒で塗布した。そして110℃×15分、オーブン内で乾燥し、フォトレジスト中の溶媒を除去した。形成したフォトレジスト層は5μm厚であった。
【0070】
次に、形成したフォトレジスト層を、フォトマスクを用いて配線パターン状に露光した。フォトマスクにはTD方向に100μmピッチ(配線幅55μm/配線間隔45μm)の配線が50本並んで形成されているものを用いた。露光量は400mJ/cm2とした。
【0071】
露光後、クラリアントジャパン製フォトレジスト現像液AZ400Kを用い、AZ400K/水=90/10(重量比)水溶液を調合し、この調合液を現像液として25℃×4分浸漬+揺動現像し、目的とする100μmピッチ配線状にフォトレジストを形成した。
【0072】
(3).銅エッチング(銅配線形成)
配線パターン状にフォトレジストを形成した後、第一エッチング液として、塩酸5重量%を含んだ35重量%塩化第二鉄水溶液を用い、40℃×90秒、第一エッチング液をスプレーノズルからシャワーしながらエッチング処理し、銅層を100μmピッチ(配線幅50μm/配線間隔50μm)にパターニングした。次に、第二エッチング液として、塩酸1.4mol/L含んだ3.0mol/L塩化第二銅水溶液を用い、40℃×30秒、第二エッチング液をスプレーノズルからシャワーしながらエッチング処理し、下地金属層を除去した。エッチング後、25℃×5分×2回浸漬+揺動水洗し、その後自然乾燥し、銅配線を形成した。
【0073】
(4).フォトレジスト除去
銅配線形成後、水酸化ナトリウム2.5重量%水溶液を用い、25℃×3分で浸漬+揺動剥離を行い、フォトレジストを溶解除去した。フォトレジスト除去後、25℃×5分×2回浸漬+揺動水洗し、その後自然乾燥した。これにより、銅配線層を覆っていたフォトレジストが除去され、銅配線層が露出した。
【0074】
(v)錫鍍金
フォトレジスト除去後、シプレイファーイースト製無電解錫鍍金液LT34を用い、25℃×2分浸漬することで無電解錫鍍金を施し、露出した銅配線層に防錆処理を施した。無電解錫鍍金後、25℃×5分×2回浸漬+揺動水洗し、その後自然乾燥し、銅配線層が形成された、COF用基板を得た。
【0075】
得られたCOF用基板を評価した結果、以下であった。
【0076】
屈曲性:R=0.38mm 5,000回
R=0.80mm 33,000回 。
【0077】
[実施例2〜15]
実施例1と同様の手順で、芳香族ジアミン成分および芳香族テトラカルボン酸成分の原料及び比率、シリカの添加量、平均粒子径を表1、2、3に示すように反応させ、それぞれポリアミック酸溶液を得た後、横方向・縦方向の延伸倍率を表1、2、3のように行い実施例1と同じ操作で得られたポリイミドフィルムの各特性評価を行い、表1、2、3にその結果を示した。
【0078】
【表1】
【0079】
【表2】
【0080】
【表3】
【0081】
[比較例1〜4]
実施例1と同様の手順で、芳香族ジアミン成分および芳香族テトラカルボン酸成分、シリカの添加量、平均粒子径を表4に示す割合でそれぞれポリアミック酸溶液を得た後、横方向・縦方向の延伸倍率を表4のよう行い実施例1と同じ操作で得られたポリイミドフィルムの各特性評価を行い、表4にその結果を示した。
【0082】
【表4】