特許第5985945号(P5985945)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5985945
(24)【登録日】2016年8月12日
(45)【発行日】2016年9月6日
(54)【発明の名称】シートのフレーム
(51)【国際特許分類】
   A47C 27/07 20060101AFI20160823BHJP
   B60N 2/72 20060101ALI20160823BHJP
   B60N 2/68 20060101ALI20160823BHJP
【FI】
   A47C27/07
   B60N2/72
   B60N2/68
【請求項の数】9
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2012-212306(P2012-212306)
(22)【出願日】2012年9月26日
(65)【公開番号】特開2014-64764(P2014-64764A)
(43)【公開日】2014年4月17日
【審査請求日】2015年9月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000220066
【氏名又は名称】テイ・エス テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】古田 将也
【審査官】 大谷 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭60−039646(JP,U)
【文献】 実開昭61−160747(JP,U)
【文献】 国際公開第2012/086546(WO,A1)
【文献】 特開2001−112569(JP,A)
【文献】 特開平10−211058(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第02261075(EP,A1)
【文献】 特開昭53−077754(JP,A)
【文献】 実開昭56−158956(JP,U)
【文献】 実開昭56−158957(JP,U)
【文献】 特開2005−119468(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 27/07
B60N 2/68
B60N 2/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦断面において下方に開口した開断面構造を備えるシートのフレームにおいて、
前記開断面構造の側面にバネ取付部が形成され、そのバネ取付部が前記開断面構造の側面から側方へ膨出し、バネが掛けられるバネ掛け穴が前記開断面構造の外側から内側まで前記バネ取付部を貫通し、前記バネ取付部が下方に向けて開口する、
ことを特徴とするシートのフレーム。
【請求項2】
前記バネ取付部の上面が側方へ向かって下りに傾斜し、前記バネ取付部の側面が側方に向かって下りに傾斜し、前記バネ取付部の側面の勾配が前記バネ取付部の上面の勾配よりも高い、
請求項1に記載のシートのフレーム。
【請求項3】
前記バネ取付部の前面が前方へ向かって下りに傾斜する、
請求項1又は2に記載のシートのフレーム。
【請求項4】
前記バネ取付部の後面が後方へ向かって下りに傾斜する、
請求項1から3の何れか一項に記載のシートのフレーム。
【請求項5】
前記バネ取付部の数が複数であり、前記複数のバネ取付部が前後に配列され、前記複数のバネ取付部のうち最前列のバネ取付部に形成されたバネ掛け穴が前記最前列のバネ取付部の上面に沿っているとともに前上がりに傾斜する、
請求項1から4の何れか一項に記載のシートのフレーム。
【請求項6】
前記バネ取付部の数が複数であり、前記複数のバネ取付部が前後に配列され、前記複数のバネ取付部のうち最後列のバネ取付部に形成されたバネ掛け穴が前記最後列のバネ取付部の上面に沿っているとともに後ろ上がりに傾斜する、
請求項1から4の何れか一項に記載のシートのフレーム。
【請求項7】
前記バネ取付部の数が2であり、前記2つのバネ取付部が前後に配列され、
前に配置された前記バネ取付部に形成された前記バネ掛け穴が前上がりに傾斜し、
後ろに配置された前記バネ取付部に形成された前記バネ掛け穴が後ろ上がりに傾斜する、
請求項1から4の何れか一項に記載のシートのフレーム。
【請求項8】
前記バネ取付部の数が複数であり、
前記複数のバネ取付部が左右又は前後に配列され、
前記複数のバネ取付部が前記開断面構造の側面から側方に延出した延出部によって連結されている、
請求項1から4の何れか一項に記載のシートのフレーム。
【請求項9】
前記バネ掛け穴に掛けられた前記バネと前記バネ取付部の上面とが前記側面視で互いに平行である、
請求項1から8の何れか一項に記載のシートのフレーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートのフレームに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両用シートがボトムシート及びバックレストから構成され、ボトムシートのフレームが板金製であり、フレームが枠状に設けられ、バネがフレームの枠内の開口を架け渡すようにしてフレームに取り付けられている(特許文献1の図8及び図9参照)。
【0003】
また、車両用シートを軽量化するべく、車両用シートのフレームの一部又は全体を繊維強化樹脂により成形する技術がある(例えば、特許文献1の図1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−75984号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、樹脂製のフレームにバネを取り付けるためには、フレームにバネ取付部を一体形成する必要がある。バネ取付部はバネによって引っ張られるため、バネ取付部の剛性を向上させるべく、バネ取付部がフレームの表面から膨出するようにフレームに形成されている。
一方、樹脂製のフレームは金型を用いて成形される。つまり、キャビティの金型の凹部にコアの金型の凸部を嵌めて、両金型を閉じた状態でこれら金型の隙間に樹脂を充填することによってフレーム及びバネ取付部を成形する。フレームの成形後、フレームを金型から外す必要がある。しかし、バネ取付部がフレームの外側に膨出しているから、コアの金型の一部がバネ取付部の内側に入り込んでいて、フレームをコアの金型から取り外すのが困難である。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、金型から取り外しやすいフレームを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するための請求項1に係る発明は、縦断面において下方に開口した開断面構造を備えるシートのフレームにおいて、前記開断面構造の側面にバネ取付部が形成され、そのバネ取付部が前記開断面構造の側面から側方へ膨出し、バネが掛けられるバネ掛け穴が前記開断面構造の外側から内側まで前記バネ取付部を貫通し、前記バネ取付部が下方に向けて開口することを特徴とするシートのフレームである。
【0007】
請求項2に係る発明は、前記バネ取付部の上面が側方へ向かって下りに傾斜し、前記バネ取付部の側面が側方に向かって下りに傾斜し、前記バネ取付部の側面の勾配が前記バネ取付部の上面の勾配よりも高い請求項1に記載のシートのフレームである。
【0008】
請求項3に係る発明は、前記バネ取付部の前面が前方へ向かって下りに傾斜する請求項1又は2に記載のシートのフレームである。
【0009】
請求項4に係る発明は、前記バネ取付部の後面が後方へ向かって下りに傾斜する請求項1から3の何れか一項に記載のシートのフレームである。
【0010】
請求項5に係る発明は、前記バネ取付部の数が複数であり、前記複数のバネ取付部が前後に配列され、前記複数のバネ取付部のうち最前列のバネ取付部に形成されたバネ掛け穴が前記最前列のバネ取付部の上面に沿っているとともに前上がりに傾斜する請求項1から4の何れか一項に記載のシートのフレームである。
【0011】
請求項6に係る発明は、前記バネ取付部の数が複数であり、前記複数のバネ取付部が前後に配列され、前記複数のバネ取付部のうち最後列のバネ取付部に形成されたバネ掛け穴が前記最後列のバネ取付部の上面に沿っているとともに後ろ上がりに傾斜する請求項1から4の何れか一項に記載のシートのフレームである。
【0012】
請求項7に係る発明は、前記バネ取付部の数が2であり、前記2つのバネ取付部が前後に配列され、前に配置された前記バネ取付部に形成された前記バネ掛け穴が前上がりに傾斜し、後ろに配置された前記バネ取付部に形成された前記バネ掛け穴が後ろ上がりに傾斜する請求項1から4の何れか一項に記載のシートのフレームである。
【0013】
請求項8に係る発明は、前記バネ取付部の数が複数であり、前記バネ取付部が左右又は前後に配列され、前記バネ取付部が前記開断面構造の側面から側方に延出した延出部によって連結されている請求項1から4の何れか一項に記載のシートのフレームである。
【0014】
請求項9に係る発明は、前記バネ掛け穴に掛けられた前記バネと前記バネ取付部の上面とが前記側面視で互いに平行である請求項1から8の何れか一項に記載のシートのフレームである。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に係る発明によれば、バネ取付部が下方に向けて開口しているから、フレームの成形後に金型を開く際に、バネ取付部の内側に嵌め込まれた金型からバネ取付部を取り外しやすい。
【0016】
請求項2に係る発明によれば、バネ取付部の上面が側方へ向かって下りに傾斜し、バネ取付部の側面が側方に向かって下りに傾斜し、バネ取付部の側面の勾配がバネ取付部の上面の勾配よりも高いので、バネ取付部の内側に嵌め込まれた金型からバネ取付部を取り外しやすい。
【0017】
請求項3に係る発明によれば、バネ取付部の前面が前方へ向かって下りに傾斜しているから、バネ取付部の内側に嵌め込まれた金型からバネ取付部を取り外しやすい。
【0018】
請求項4に係る発明によれば、バネ取付部の後面が後方へ向かって下りに傾斜しているから、バネ取付部の内側に嵌め込まれた金型からバネ取付部を取り外しやすい。
【0019】
請求項5に係る発明によれば、最前列のバネ取付部に形成されたバネ掛け穴が前上がりに傾斜するから、そのバネ掛け穴に掛けられたバネが前上がりに傾斜し、着座者の臀部の前側をバネによって下から支えた場合にバネが臀部の形状に沿う。よって、着座者の臀部に違和感を与えることを抑制することができる。
最前列のバネ取付部に形成されたバネ掛け穴が最前列のバネ取付部の上面に沿っているから、最前列のバネ取付部の剛性を向上させることができる。
【0020】
請求項6に係る発明によれば、最後列のバネ取付部に形成されたバネ掛け穴が後ろ上がりに傾斜するから、そのバネ掛け穴に掛けられたバネが後ろ上がりに傾斜し、着座者の臀部の後ろ側をバネによって下から支えた場合にバネが臀部の形状に沿う。よって、着座者の臀部に違和感を与えることを抑制することができる。
最後列のバネ取付部に形成されたバネ掛け穴が最後列のバネ取付部の上面に沿っているから、最後列のバネ取付部の剛性を向上させることができる。
【0021】
請求項7に係る発明によれば、前のバネ掛け穴に掛けられたバネが前上がりに傾斜し、後ろのバネ掛け穴に掛けられたバネが後ろ上がりに傾斜するから、これらバネが着座者の臀部の形状に沿う。よって、着座者の臀部に違和感を与えることを抑制することができる。
【0022】
請求項8に係る発明によれば、複数のバネ取付部が開断面構造の側面から側方に延出した延出部によって連結されているから、バネ取付部の剛性を向上させることができるとともに、開断面構造の剛性を向上させることができる。
【0023】
請求項9に係る発明によれば、バネに引張力に対してバネ取付部の耐力が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施の形態に係るシートの側面図である。
図2】同実施形態に係るシートのフレームの斜視図である。
図3】同実施形態に係るボトムシートのフレームの平面図である。
図4図3に示すIV−IVに沿った縦断面を前から見て示した断面図である。
図5図3に示すV−Vに沿った縦断面を側方から見て示した断面図である。
図6図3に示すVI−VIに沿った縦断面を前から見て示した断面図である。
図7】同実施形態に係るボトムシートのフレームの要部の斜視図である。
図8】同実施形態に係るボトムシートのフレームの要部を枠内側から見て示した側面図である。
図9】同実施形態に係るボトムシートのフレームの要部を枠内側から見て示した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。但し、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が以下の実施形態に付されているので、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0026】
図1はシート1の側面図であり、図2はシート1のフレームの斜視図である。以下の説明では、シート1の後ろから前に向かって見て「左」及び「右」を定める。つまり、シート1に着座した着座者の視点で「左」及び「右」を定める。
【0027】
このシート1は乗物用シートであり、特に自動車の室内に設けられる車両用シートである。
【0028】
シート1はスライドレール2、ボトムシート3、バックレスト4及びリクライニング機構5等を備える。バックレスト4の下端部がリクライニング機構5によってボトムシート3の後端部に連結され、バックレスト4がボトムシート3の後端部で立てられている。バックレスト4は、その下端部を支点にして、リクライニング機構5によってボトムシート3に対して前後方向に傾動可能である。リクライニング機構5は、バックレスト4をボトムシート3にロックすることによってバックレスト4の傾動を止めるとともに、そのロックを解除してバックレスト4を前に傾動する方向にバックレスト4を付勢する。
【0029】
ボトムシート3はフレーム30、バネ36,37、クッションパッド38及び表皮39を有する。フレーム30を上から見るとフレーム30が枠状に形作られ、フレーム30の枠内にバネ36,37が架設され、フレーム30及びバネ36,37がクッションパッド38に包み込まれ、表皮39がクッションパッド38に覆い被さっている。フレーム30がスライドレール2に取り付けられ、スライドレール2によってボトムシート3が前後移動可能に設けられている。
【0030】
バックレスト4はフレーム40、バネ46,47、クッションパッド48及び表皮49等を有する。フレーム40は樹脂材料(例えば、炭素繊維強化樹脂、ガラス繊維強化樹脂その他の繊維強化樹脂)又は金属材料(例えば、ステンレス鋼)からなる。フレーム40を前から見るとフレーム40が枠状に形作られ、フレーム40の枠内にバネ46,47が架設され、フレーム40及びバネ46,47がクッションパッド48に包み込まれ、表皮49がクッションパッド48に覆い被さっている。フレーム40の下端部がリクライニング機構5に連結され、そのリクライニング機構5がフレーム30の後端部に連結され、フレーム40がリクライニング機構5によって前後に傾動可能に設けられている。
【0031】
図2図5を参照してボトムシート3のフレーム30について詳細に説明する。図3はボトムシート3のフレーム30の平面図である。図4図3に示すIV−IVに沿った縦断面を矢印方向へ向かって見て示した断面図である。図5図3に示すV−Vに沿った縦断面を矢印方向へ向かって見て示した断面図である。
【0032】
フレーム30は樹脂材料(例えば、炭素繊維強化樹脂、ガラス繊維強化樹脂その他の繊維強化樹脂)からなる。フレーム30は、金型を用いた金型成形法(例えば、射出成形法、モールド成形法、プレス成形法等)によって成形されたものである。
【0033】
フレーム30は、縦断面において下方に開口するとともに枠状に延びた開断面構造(図4図5参照)を備える。以下、フレーム30の開断面構造について具体的に説明する。
【0034】
図2及び図3に示すように、フレーム30はパンフレーム部31、サイドビーム部32,32及びリアビーム部33等を備え、これらパンフレーム部31、サイドビーム部32,32及びリアビーム部33が開断面構造である。
【0035】
サイドビーム部32,32が左右に互いに離れているとともに、前後に延びている。リアビーム部33が左右に延び、リアビーム部33の左端部が左のサイドビーム部32の後端部に連結され、リアビーム部33の右端部が右のサイドビーム部32の後端部に連結されている。パンフレーム部31が左右に延び、パンフレーム部31の左端部が左のサイドビーム部32の前部に連結され、パンフレーム部31の右端部が右のサイドビーム部32の前部に連結されている。こうして、パンフレーム部31、サイドビーム部32,32及びリアビーム部33によって平面視でフレーム30の枠型が形作られ、平面視でフレーム30によって囲われた開口30aがフレーム30の中央に形成されている。
【0036】
図4に示すように、サイドビーム部32は、上下左右に沿った縦断面において下方に開口した開断面構造を有する。上下左右に沿った縦断面において、サイドビーム部32の開断面構造は、上に凸状で下に凹状の門型(例えば、横コ字型、逆V字型、逆U字型又は鉤型)に形作られる。つまり、サイドビーム部32は、前後に延びたウエブ32aと、ウエブ32aの枠内側(枠内側とは、フレーム30が形作った枠状の内側をいう。以下、同じ。)の縁から下方へ延出して前後に延びたインナーフランジ32bと、ウエブ32aの枠外側(枠外側とは、フレーム30が形作った枠状の外側をいう。以下、同じ。)の縁から下方へ延出して前後に延びたアウターフランジ32cと、を有する。ウエブ32a、インナーフランジ32b及びアウターフランジ32cによって開断面構造が構成されており、その開断面構造が前後に延びる。アウターフランジ32cはウエブ32aの枠外側の縁から鉛直に垂下しており、インナーフランジ32bはウエブ32aの枠内側の縁から枠内側へ斜めに垂下している。インナーフランジ32bが枠内側へ向かって下りに傾斜し、インナーフランジ32bとアウターフランジ32cの間隔は下方へ向かって広がる。
【0037】
図2及び図3に示すように、リアビーム部33は、上下前後に沿った縦断面において下方に開口した開断面構造を有する。上下前後に沿った縦断面において、リアビーム部33の開断面構造は、上に凸状で下に凹状の門型(例えば、横コ字型、逆V字型、逆U字型又は鉤型)に形作られている。つまり、リアビーム部33は、左右に延びたウエブ33aと、ウエブ33aの枠内側の縁から下方へ延出して左右に延びたインナーフランジ33bと、ウエブ33aの枠外側の縁から下方へ延出して左右に延びたアウターフランジ33cと、を有する。ウエブ33a、インナーフランジ33b及びアウターフランジ33cによって開断面構造が構成されており、その開断面構造が左右に延びる。リアビーム部33の開断面構造の左右両端がサイドビーム部32,32の開断面構造の後端部にそれぞれ連なっている。
【0038】
図5に示すように、パンフレーム部31は、上下前後に沿った縦断面において下方に開口した開断面構造を有する。上下前後に沿った縦断面において、パンフレーム部31の開断面構造は、上に凸状で下に凹状の門型(例えば、横コ字型又は鉤型)に形作られる。つまり、パンフレーム部31は、左右に延びたウエブ31aと、ウエブ31aの枠内側の縁から下方へ延出して左右に延びたインナーフランジ31bと、ウエブ33aの枠外側の縁から下方へ延出して左右に延びたアウターフランジ31cと、を有する。ウエブ31a、インナーフランジ31b及びアウターフランジ31cによって開断面構造が構成されており、その開断面構造が左右に延びる。パンフレーム部31の開断面構造の左右両端がサイドビーム部32,32の開断面構造の前部にそれぞれ連なっている。パンフレーム部31のウエブ31aの前後方向の長さは、リアビーム部33のウエブ33aの前後方向の長さよりも長い。また、パンフレーム部31のウエブ31aの前後方向の長さは、サイドビーム部32のウエブ32aの左右方向の長さよりも長い。パンフレーム部31のウエブ31aの前端部の高さがサイドビーム部32のウエブ32aの前部の高さにほぼ揃っており、パンフレーム部31のウエブ31aの後端部の高さがサイドビーム部32のウエブ32aの前部の高さよりも低く、パンフレーム部31のウエブ31aが後方に向かって下りに傾斜している。
【0039】
以上に、フレーム30の開断面構造について説明した。以下に、フレーム30の細部について説明する。
【0040】
図2及び図3に示すように、サイドビーム部32のインナーフランジ32bの下端に延出部32dが形成されている。図4に示すように、延出部32dはインナーフランジ32bの下端から枠内側へ延出して、その先の部分が下方へ折り曲げられている。そのため、延出部32dの剛性が向上する。
図2及び図3に示すように、サイドビーム部32のアウターフランジ32cの下端部には、折返し部32eが形成されている。図4に示すように、折返し部32eはアウターフランジ32cの下端から枠外側へ延出して、その先の部分が上方へ折り曲げられている。
【0041】
図2及び図3に示すように、リアビーム部33のインナーフランジ33bの下端に延出部33dが形成されている。延出部33dはインナーフランジ33b下端から枠内側へ延出して、その先の部分が下方へ折り曲げられている。延出部33dの左右両端が左右の延出部32d,32dの後端にそれぞれ連なっており、延出部33dが左のインナーフランジ32bの下端から右方へ延出し、延出部33dが右のインナーフランジ32bの下端から左方へ延出する。
【0042】
パンフレーム部31のインナーフランジ31bの下端には、延出部31dが形成されている。延出部31dは、インナーフランジ31bの下端から枠内側へ延出して、その先の部分が下方へ折り曲げられている。延出部31dの左右両端が左右の延出部32d,32dの前端にそれぞれ連なっており、延出部31dが左のインナーフランジ32bの下端から右方へ延出し、延出部31dが右のインナーフランジ32bの下端から左方へ延出する。延出部31d、延出部32d,32d及び延出部33dによって囲われた開口30aが形成されている。パンフレーム部31のアウターフランジ31cの下端部には、折返し部31eが形成されている。折返し部31eは、アウターフランジ31cの下端から枠外側へ延出して、その先の部分が上方へ折り曲げられている。折返し部31eの左右両端が左右の折返し部32e,32eの前端にそれぞれ連なっている。
【0043】
図6は、図3に示すVI−VIに沿った縦断面を矢印方向に見て示した断面図である。図7は、サイドビーム部32をその枠内側の上から見て示した斜視図である。図6及び図7に示すように、サイドビーム部32の枠内側部分には、2つのバネ取付部32g,32hが形成されている。具体的には、バネ取付部32g,32hは、サイドビーム部32のインナーフランジ32bの一部が枠内側へ膨出することによって、バネ取付部32g,32hがインナーフランジ32bに形成されている。従って、サイドビーム部32の内側から見ると、バネ取付部32g,32hは枠内側へ窪んでいる。
【0044】
バネ取付部32g,32hは下方に向けて開口し、バネ取付部32g,32hの下端が開放している。また、バネ取付部32g,32hの下端が延出部32dに連結され、延出部32dはバネ取付部32g,32hの下端から枠内側へ折れ曲がっている。バネ取付部32g,32hは、これらの間に設けられた延出部32dによって連結されている。また、2つのバネ取付部32g,32gが左右に並列されており、バネ取付部32g,32gはこれらの間に設けられた延出部31dによって連結されている。また、2つのバネ取付部32h,32hが左右に並列されており、バネ取付部32h,32hはこれらの間に設けられた延出部33dによって連結されている。また、従って、延出部31d,32d,32d,33dが全体として枠状に形作られており、4つのバネ取付部32g,32g,32h,32hがその枠状の延出部によって連結されている。
【0045】
また、上下左右に沿った縦断面において、バネ取付部32g,32hの上面32g3,32h3が枠内側へ向かって下りに傾斜し、バネ取付部32g,32hの枠内側の側面32g4,32h4が枠内側へ向かって下りに傾斜し、側面32g4,32h4の勾配が上面32g3,32h3の勾配よりも高い。
【0046】
バネ取付部32gはバネ取付部32hよりも前に配置されている。
図8は、前側のバネ取付部32gの側面図である。図8に示すように、バネ取付部32gの前面32g5が前方に向かって下りに傾斜し、バネ取付部32gの後面32g6が後方に向かって下りに傾斜する。
【0047】
図7及び図8に示すように、前側のバネ取付部32gの前部にはバネ掛け穴が32g1が形成されており、バネ取付部32gの後部にはバネ掛け穴32g2が形成され、バネ掛け穴32g1,32g2がサイドビーム部32の内側まで貫通している。バネ掛け穴32g1がバネ掛け穴32g2の前に配置され、バネ掛け穴32g1がバネ取付部32gの側面32g4から前面32g5にかけて延在し、バネ掛け穴32g2がバネ取付部32gの側面32g4から後面32g6にかけて延在する。バネ掛け穴32g1,32g2は前上がりに傾斜し、前側のバネ掛け穴32g1が後ろ側のバネ掛け穴32g2よりも上に配置されている。バネ取付部32gの上面32g3が前上がりに傾斜し、枠内側から側面視してバネ掛け穴32g1,32g2とバネ取付部32gの上面32g3が平行である。なお、バネ取付部32gの上面32g3が水平であり、枠内側から側面視してバネ掛け穴32g1,32g2とバネ取付部32gの上面32g3に対して傾斜していてもよい。
【0048】
図9は、後ろ側のバネ取付部32hの側面図である。図9に示すように、バネ取付部32hの前面32h5が前方に向かって下りに傾斜し、バネ取付部32hの後面32h6が後方に向かって下りに傾斜する。
【0049】
図7及び図9に示すように、後ろ側のバネ取付部32hの前部にはバネ掛け穴が32h1が形成されており、バネ取付部32hの後部にはバネ掛け穴32h2が形成され、バネ掛け穴32h1,32h2は、サイドビーム部32の内側まで貫通している。バネ掛け穴32h1がバネ掛け穴32g2の前に配置され、バネ掛け穴32h1がバネ取付部32hの側面32h4から前面32h5にかけて延在し、バネ掛け穴32h2がバネ取付部32hの側面32h4から後面32h6にかけて延在する。バネ掛け穴32h1,32h2は後ろ上がりに傾斜し、後ろ側のバネ掛け穴32h2が前側のバネ掛け穴32h1よりも上に配置されている。バネ取付部32hの上面32g3が後ろ上がりに傾斜し、枠内側から側面視してバネ掛け穴32h1,32h2とバネ取付部32hの上面32h3が平行である。なお、バネ取付部32hの上面32h3が水平であり、枠内側から側面視してバネ掛け穴32h1,32h2とバネ取付部32hの上面32h3に対して傾斜していてもよい。
【0050】
続いて、バネ36とバネ取付部32gの取り付け及びバネ37とバネ取付部32hの取り付けについて説明する。
バネ36の端部がバネ取付部32gの枠内側からバネ掛け穴32g2に通されて、更にその端部がサイドビーム部32の内側からバネ掛け穴32g1に通されて、バネ36の端部がバネ取付部32gに引っ掛かっている。こうして、バネ36が左右のバネ取付部32g,32gの間に架設されている。
【0051】
また、バネ37の端部がバネ取付部32hの枠内側からバネ掛け穴32h2に通されて、更にその端部がサイドビーム部32の内側からバネ掛け穴32h1に通されて、バネ37の端部がバネ取付部32hに引っ掛かっている。こうして、バネ37が左右のバネ取付部32h,32hの間に架設されている。
【0052】
バネ36,37は平面視で波状に形作られている。
【0053】
バネ掛け穴32g1,32g2が前上がりに傾斜し、前側のバネ掛け穴32g1が後ろ側のバネ掛け穴32g2よりも上に配置されているので、バネ36が前上がりに傾斜している。また、バネ取付部32gの上面32g3が前上がりに傾斜し、枠内側から側面視してバネ取付部32gの上面32g3とバネ36が平行である。なお、バネ取付部32gの上面32g3が水平であれば、枠内側から側面視してバネ36がバネ取付部32gの上面32g3に対して傾斜している。
【0054】
バネ掛け穴32h1,32h2が後ろ上がりに傾斜し、後ろ側のバネ掛け穴32h2が前側のバネ掛け穴32h1よりも上に配置されているから、バネ37が後ろ上がりに傾斜している。バネ取付部32hの上面32h3が後ろ上がりに傾斜し、枠内側から側面視してバネ取付部32hの上面32h3とバネ37が平行である。なお、バネ取付部32hの上面32h3が水平であれば、枠内側から側面視してバネ36がバネ取付部32hの上面32h3に対して傾斜している。
【0055】
図5に示すように、延出部31dがインナーフランジ31bの下端から後方へ向かってバネ36の下方にまで延出しており、延出部31dが左右に架設されたバネ36の下方に潜り込んでいる。従って、図3に示すように、平面視で、バネ36と延出部31dが部分的に重なっている。
【0056】
フレーム30及びバネ36,37を包み込んだクッションパッド38のうちバネ36,37の上の部分がバネ36,37上に載置され、その部分がバネ36,37によって支持されている。よって、着座者の荷重がバネ36,37に受けられる。
【0057】
下方への過荷重(着座者の重量を超えるような大きな荷重)がクッションパッド38の上面に作用すると、バネ36が下方へ大きく撓むが、バネ36が延出部31dに当接することによってバネ36が撓み過ぎることを抑制することができる。延出部31dの後端部が下に曲げられているので、バネ36の撓みを更に効率よく抑制することができる。
【0058】
本発明の実施の形態によれば、次のような作用効果が生じる。
【0059】
(1) 以上のように構成されたフレーム30は金型を用いて成形されたものであり、フレーム30の成形時にフレーム30の上側に配置される金型がキャビティであり、フレーム30の下側に配置される金型がコアである。バネ取付部32g,32hが下方に向けて開口しているから(図6参照)、フレーム30の成形後に金型を開く際に、バネ取付部32g,32hの内側に嵌め込まれたコアの金型からバネ取付部32g,32hを上方へ取り外しやすい。
【0060】
(2) バネ取付部32g,32hの上面32g3,32h3が側方へ向かって下りに傾斜し、バネ取付部32g,32hの側面32g4,32h4が側方に向かって下りに傾斜し、側面32g4,32h4の勾配が上面32g3,32h3の勾配よりも高いので、バネ取付部32g,32hをコアの金型から上方へ取り外しやすい。
【0061】
(3) バネ取付部32g,32hの前面32g5,32h5が前方へ向かって下りに傾斜しているから(図8図9参照)、バネ取付部32g,32hをコアの金型から上方へ取り外しやすい。
【0062】
(4) バネ取付部32g,32hの後面32g6,32h6が後方へ向かって下りに傾斜しているから(図8図9参照)、バネ取付部32g,32hをコアの金型から上方へ取り外しやすい。
【0063】
(5) サイドビーム部32のインナーフランジ32bが枠内側へ斜めに垂下し、インナーフランジ32bとアウターフランジ32cの間隔は下方へ向かって広がるから(図4参照)、サイドビーム部32の内側に嵌め込まれたコアの金型からサイドビーム部32を上方へ取り外しやすい。
【0064】
(6) 前のバネ36がバネ掛け穴32g1,32g2によって前上がりに傾斜し、後ろのバネ37がバネ掛け穴32h1,32h2によって後ろ上がりに傾斜しているから、バネ36,37が着座者の臀部の形状に沿い、着座者が臀部に違和感を持たずにボトムシート3に座ることができる。
【0065】
(7) 枠内側から側面視してバネ掛け穴32g1,32g2とバネ取付部32gの上面32g3が平行であれば、バネ36がバネ取付部32gの上面32g3に対して平行であり、それゆえ、バネ36に引張力に対してバネ取付部32gの耐力が向上する。バネ取付部32hについても同様である。
【0066】
(8) 枠内側から側面視してバネ掛け穴32g1,32g2がバネ取付部32gの上面32g3に対して傾斜していれば、バネ36がバネ取付部32gの上面32g3に対して傾斜し、それゆえ、バネ36に引張力に対してバネ取付部32gの耐力が向上する。
【0067】
(9) バネ36が下方へ撓んだ場合、バネ36が延出部31dに当接することによってバネ36がそれ以上撓むことを防止することができる。
【0068】
(10) 前のバネ取付部32gに形成されたバネ掛け穴32g1,32g2がバネ取付部の上面32g3に沿っているから、バネ掛け穴32g1,32g2から上面32gまでの間隔が一様である。そのため、バネ掛け穴32g1,32g2が上面32gに近づきすぎて、バネ取付部32gの剛性が低下するようなことを抑制することができる。後ろのバネ取付部32hについても同様である。
【0069】
本発明を適用可能な実施形態は上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0070】
1 シート
30 フレーム
32 サイドビーム部(開断面構造)
32g、32h バネ取付部
32g1、32g2、32h1、32h2 バネ掛け穴
32g3、32h3 バネ取付部の上面
32g4、32h4 バネ取付部の側面
32g5、32h5 バネ取付部の前面
32g6、32h6 バネ取付部の後面
36、37 バネ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9