特許第5985951号(P5985951)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5985951
(24)【登録日】2016年8月12日
(45)【発行日】2016年9月6日
(54)【発明の名称】パネル取付用機器
(51)【国際特許分類】
   G09F 13/20 20060101AFI20160823BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20160823BHJP
【FI】
   G09F13/20 Z
   F21S2/00 663
【請求項の数】9
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2012-222298(P2012-222298)
(22)【出願日】2012年10月4日
(65)【公開番号】特開2014-74807(P2014-74807A)
(43)【公開日】2014年4月24日
【審査請求日】2015年2月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000309
【氏名又は名称】IDEC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110847
【弁理士】
【氏名又は名称】松阪 正弘
(74)【代理人】
【識別番号】100136526
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 勉
(74)【代理人】
【識別番号】100136755
【弁理士】
【氏名又は名称】井田 正道
(72)【発明者】
【氏名】谷口 正純
(72)【発明者】
【氏名】柏木 剛
(72)【発明者】
【氏名】藤本 正司
【審査官】 佐藤 洋允
(56)【参考文献】
【文献】 実開平04−118515(JP,U)
【文献】 実開昭62−037808(JP,U)
【文献】 特開2006−100124(JP,A)
【文献】 特表平06−508955(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F13/00−13/46
F21S2/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付パネルに取り付けられるパネル取付用機器であって、
取付パネルの前面から背面へと貫通するパネル貫通孔に挿入されるとともに前部に第1係合部を有する本体部と、
前記取付パネルの後側にて前記本体部を前記取付パネルに固定する固定部と、
前記第1係合部と係合する第2係合部を有し、前記取付パネルの前側にて前記本体部の前記前部に着脱可能に取り付けられるカバー部材と、
前記カバー部材の外側面の少なくとも一部を覆う保護部材と、
を備え、
前記保護部材が、
前記本体部が挿入される開口を有する略環状であり、前記本体部の前記前部または前記カバー部材と前記取付パネルの前記前面との間に挟まれる底部と、
前記底部の外縁部から前方に広がり、前記カバー部材の前記外側面に接することにより、前記第2係合部と前記第1係合部との係合が解除される方向への前記カバー部材の移動を妨げる側壁部と、
を備えることを特徴とするパネル取付用機器。
【請求項2】
請求項1に記載のパネル取付用機器であって、
前記保護部材の前記底部が前記取付パネルの前記前面に向かって押圧されて撓むことにより、前記保護部材の前記側壁部が、内側へと撓んで前記カバー部材の前記外側面を内側へと押圧することを特徴とするパネル取付用機器。
【請求項3】
請求項2に記載のパネル取付用機器であって、
前記本体部の前記前部または前記カバー部材が前記保護部材の前記底部の内縁部を前記取付パネルに向けて押圧し、前記内縁部を支点として前記底部の外縁部が前側に撓むことにより、前記側壁部が内側へと撓んで前記外側面を押圧することを特徴とするパネル取付用機器。
【請求項4】
請求項1に記載のパネル取付用機器であって、
前記カバー部材が前記保護部材の前記側壁部の内側に圧入されることにより、前記保護部材の前記側壁部が、前記カバー部材の前記外側面を内側へと押圧することを特徴とするパネル取付用機器。
【請求項5】
請求項1ないしのいずれかに記載のパネル取付用機器であって、
前記保護部材が、
前記底部から前記側壁部の内側面に至る穴と、
前記穴に挿入され、前記側壁部の前記内側面から一部が露出して前記カバー部材の前記外側面に接する外接部材と、
をさらに備えることを特徴とするパネル取付用機器。
【請求項6】
取付パネルに取り付けられるパネル取付用機器であって、
取付パネルの前面から背面へと貫通するパネル貫通孔に挿入されるとともに前部に第1係合部を有する本体部と、
前記第1係合部と係合する第2係合部を有し、前記取付パネルの前側にて前記本体部の前記前部に着脱可能に取り付けられるカバー部材と、
前記取付パネルの前側にて前記本体部に着脱自在に取り付けられ、前記取付パネルの後側にて前記本体部から側方に突出する部位との間で前記取付パネルを挟むことにより、前記本体部を前記取付パネルに固定するとともに、前記カバー部材の外側面に接することにより、前記第2係合部と前記第1係合部との係合が解除される方向への前記カバー部材の移動を妨げる保護部材と、
を備えることを特徴とするパネル取付用機器。
【請求項7】
請求項に記載のパネル取付用機器であって、
前記保護部材が前記取付パネルの前記前面に向かって押圧されて撓むことにより、前記保護部材が、内側へと撓んで前記カバー部材の前記外側面を内側へと押圧することを特徴とするパネル取付用機器。
【請求項8】
請求項に記載のパネル取付用機器であって、
前記保護部材の背面の外縁部が、前記取付パネルにより前方に押圧されて前側に撓むことにより、前記保護部材の内側面が内側へと撓んで前記外側面を押圧することを特徴とするパネル取付用機器。
【請求項9】
請求項6に記載のパネル取付用機器であって、
前記カバー部材が前記保護部材の内側に圧入されることにより、前記保護部材が、前記カバー部材の前記外側面を内側へと押圧することを特徴とするパネル取付用機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取付パネルに取り付けられるパネル取付用機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、工場等では、装置類の作動状態等を示す表示灯が、装置近傍の壁面や装置本体の側壁等の取付パネルに取り付けられる。また、生産ラインにおいて、作業者等の安全を確保するための表示灯が、壁面や天井等の取付パネルに設置される。
【0003】
例えば、特許文献1では、LED光源を備える表示灯が開示されている。当該表示灯は、LED光源が収容される本体と、LED光源の前方側を覆う円形ドーム状のカバーレンズとを備える。カバーレンズの後端部の内周面には雌ねじが設けられており、当該雌ねじが、本体の前部に設けられた雄ねじと螺合することにより、カバーレンズが本体に取り付けられる。LED光源を交換する場合には、カバーレンズを回すことにより、本体からカバーレンズを容易に取り外すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4615949号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、鉄道の駅では、転落防止柵が設置されるプラットホームが増加しており、転落防止柵の可動ドア(いわゆる、ホームドア)の作動状態を示す表示灯が、ホームドア近傍の取付パネルに取り付けられる。このような表示灯は、通常、不特定多数の乗客の手が届く位置に設置されるため、いたずら等によりカバーレンズが取り外されてしまうことがある。カバーレンズが取り外されると、表示灯の視認性や防水性能が低下する。また、露出した光源に乗客が触れるおそれもある。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、パネル取付用機器のカバー部材の取り外しを防止することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、取付パネルに取り付けられるパネル取付用機器であって、取付パネルの前面から背面へと貫通するパネル貫通孔に挿入されるとともに前部に第1係合部を有する本体部と、前記取付パネルの後側にて前記本体部を前記取付パネルに固定する固定部と、前記第1係合部と係合する第2係合部を有し、前記取付パネルの前側にて前記本体部の前記前部に着脱可能に取り付けられるカバー部材と、前記カバー部材の外側面の少なくとも一部を覆う保護部材とを備え、前記保護部材が、前記本体部が挿入される開口を有する略環状であり、前記本体部の前記前部または前記カバー部材と前記取付パネルの前記前面との間に挟まれる底部と、前記底部の外縁部から前方に広がり、前記カバー部材の前記外側面に接することにより、前記第2係合部と前記第1係合部との係合が解除される方向への前記カバー部材の移動を妨げる側壁部とを備える。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のパネル取付用機器であって、前記保護部材の前記底部が前記取付パネルの前記前面に向かって押圧されて撓むことにより、前記保護部材の前記側壁部が、内側へと撓んで前記カバー部材の前記外側面を内側へと押圧する。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のパネル取付用機器であって、前記本体部の前記前部または前記カバー部材が前記保護部材の前記底部の内縁部を前記取付パネルに向けて押圧し、前記内縁部を支点として前記底部の外縁部が前側に撓むことにより、前記側壁部が内側へと撓んで前記外側面を押圧する。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載のパネル取付用機器であって、前記カバー部材が前記保護部材の前記側壁部の内側に圧入されることにより、前記保護部材の前記側壁部が、前記カバー部材の前記外側面を内側へと押圧する。
【0010】
請求項に記載の発明は、請求項1ないしのいずれかに記載のパネル取付用機器であって、前記保護部材が、前記底部から前記側壁部の内側面に至る穴と、前記穴に挿入され、前記側壁部の前記内側面から一部が露出して前記カバー部材の前記外側面に接する外接部材とをさらに備える。
【0011】
請求項に記載の発明は、取付パネルに取り付けられるパネル取付用機器であって、取付パネルの前面から背面へと貫通するパネル貫通孔に挿入されるとともに前部に第1係合部を有する本体部と、前記第1係合部と係合する第2係合部を有し、前記取付パネルの前側にて前記本体部の前記前部に着脱可能に取り付けられるカバー部材と、前記取付パネルの前側にて前記本体部に着脱自在に取り付けられ、前記取付パネルの後側にて前記本体部から側方に突出する部位との間で前記取付パネルを挟むことにより、前記本体部を前記取付パネルに固定するとともに、前記カバー部材の外側面に接することにより、前記第2係合部と前記第1係合部との係合が解除される方向への前記カバー部材の移動を妨げる保護部材とを備える。
【0012】
請求項に記載の発明は、請求項に記載のパネル取付用機器であって、前記保護部材が前記取付パネルの前記前面に向かって押圧されて撓むことにより、前記保護部材が、内側へと撓んで前記カバー部材の前記外側面を内側へと押圧する。
【0013】
請求項に記載の発明は、請求項に記載のパネル取付用機器であって、前記保護部材の背面の外縁部が、前記取付パネルにより前方に押圧されて前側に撓むことにより、前記保護部材の内側面が内側へと撓んで前記外側面を押圧する。
請求項9に記載の発明は、請求項6に記載のパネル取付用機器であって、前記カバー部材が前記保護部材の内側に圧入されることにより、前記保護部材が、前記カバー部材の前記外側面を内側へと押圧する。
【発明の効果】
【0014】
本発明では、カバー部材の取り外しを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1の実施の形態に係る発光装置の側面図である。
図2】発光装置の正面図である。
図3】発光装置の断面図である。
図4】保護部材の斜視図である。
図5】発光装置の一部を拡大して示す断面図である。
図6】発光装置の一部を拡大して示す断面図である。
図7】発光装置の断面図である。
図8】第2の実施の形態に係る発光装置の一部を拡大して示す断面図である。
図9】第3の実施の形態に係る発光装置の一部を拡大して示す断面図である。
図10】第4の実施の形態に係る発光装置の正面図である。
図11】発光装置の一部を拡大して示す断面図である。
図12】保護部材の斜視図である。
図13】発光装置の一部を拡大して示す断面図である。
図14】発光装置の一部を拡大して示す断面図である。
図15】第5の実施の形態に係る発光装置の断面図である。
図16】保護部材の斜視図である。
図17】発光装置の一部を拡大して示す断面図である。
図18】他の発光装置の一部を拡大して示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る発光装置1を示す側面図であり、図2は、発光装置1を前方から見た平面図である。発光装置1は、略平板状の取付パネル9に取り付けられるパネル取付用機器である。発光装置1は、例えば、鉄道の駅のプラットホームに設置される転落防止柵の可動ドア(いわゆる、ホームドア)の近傍において、ホームドアの駆動部が収容された収容部の側壁等の取付パネルに取り付けられ、ホームドアの作動状態を表示する表示灯である。
【0017】
図1に示すように、発光装置1は、本体部2と、固定部3と、カバー部材4と、保護部材5とを備える。本体部2は、図1中の上下方向に延びる略円柱状である。以下の説明では、図1中の上下方向を「前後方向」といい、図1中の上側および下側をそれぞれ「前側」および「後側」という。また、これに合わせて、図2のように発光装置1を前方から見た図を「正面図」という。
【0018】
本体部2は、取付パネル9の前側の面である前面91から後側の面である背面92へと貫通する略円形のパネル貫通孔93に挿入される。本体部2の外側面には第1雄ねじ部21が形成されており、第1雄ねじ部21の一部は、取付パネル9のパネル貫通孔93内に位置し、他の一部は取付パネル9の後側に位置する。第1雄ねじ部21は、前後方向に延びる2つの溝部24(図1では、一方の溝部24のみを図示する。)により周方向において2つの部位に分割されている。2つの溝部24は、周方向において180°ずれた位置に配置される。溝部24には、ねじ山およびねじ溝は設けられない。
【0019】
固定部3は、略円環状であり、内側面に雌ねじ部を有する。固定部3は、本体部2に後側から嵌められ、取付パネル9の後側にて本体部2の第1雄ねじ部21に螺合する。固定部3が、取付パネル9の背面92に接するまで締められることにより、本体部2が取付パネル9に固定される。
【0020】
図1および図2に示すように、カバー部材4は、正面視において略円形のドーム状の部材である。カバー部材4は、取付パネル9の前側にて、本体部2の前部に着脱可能に取り付けられる。本体部2の前部とは、本体部2のうち取付パネル9よりも前側の部位である。また、本体部2の取付パネル9よりも後側の部位を、本体部2の後部という。カバー部材4は、透光性を有する部材であり、本体部2の内部が露出しないように本体部2の一部を前側から覆う。保護部材5は、取付パネル9の前側にて、カバー部材4の周囲に配置されてカバー部材4の外側面の少なくとも一部を覆う。本実施の形態では、カバー部材4は硬質プラスチック等の樹脂により形成され、保護部材5はエラストマー等、比較的容易に弾性変形する樹脂により形成される。
【0021】
図3は、発光装置1を図2中のA−Aの位置にて切断した断面図である。図3は、本体部2の中心軸J1を含む断面を示す。中心軸J1は、取付パネル9の前面91および背面92に垂直であり、パネル貫通孔93の中心を通る。図3に示すように、本体部2は、内部に光源25を有する。光源25は、例えば、LED素子やLED電球であり、本体部2の後部202に設けられた端子(図示省略)を介して電源に接続される。
【0022】
本体部2は、取付パネル9の前側にて、パネル貫通孔93よりも中心軸J1を中心とする径方向の外側に広がるフランジ部23を備える。フランジ部23は、第1雄ねじ部21の前端から、中心軸J1を中心とする全周に亘って径方向外側に広がる略円環板状である。フランジ部23の前面および背面は、取付パネル9の前面91および背面92に略平行である。本体部2は、また、フランジ部23よりも前側に位置する前端部の外側面に第2雄ねじ部22を備える。換言すれば、第2雄ねじ部22は、本体部2の前部201の外縁部に位置する。
【0023】
カバー部材4は、透光部41と、取付部43とを備える。透光部41は、正面視において略円形の透光性を有するドーム状であり、本体部2の内部を前側から覆う。光源25からの光は、透光部41を透過して前方へと導出される。
【0024】
取付部43は、中心軸J1を中心とする略円筒状であり、透光部41の後端から後側へと(すなわち、取付パネル9に向かって)広がる。取付部43は、本体部2の第2雄ねじ部22と径方向に重なる。取付部43の内側面には、雌ねじ部44が設けられる。雌ねじ部44が本体部2の第2雄ねじ部22に螺合することにより、カバー部材4が本体部2の前端部に着脱可能に取り付けられる。本体部2の第2雄ねじ部22を「第1係合部」と呼び、雌ねじ部44を「第2係合部」と呼ぶと、第2係合部が第1係合部に係合することにより、カバー部材4が本体部2に取り付けられる。
【0025】
図4は、保護部材5を示す斜視図である。図3および図4に示すように、保護部材5は、底部51と、側壁部52とを備える。底部51は、本体部2が挿入される略円形の開口53を有する略円環板状である。開口53の直径は、本体部2の第1雄ねじ部21の外径よりも大きく、フランジ部23の外径よりも小さい。底部51は、フランジ部23の背面と取付パネル9の前面91との間に挟まれる。底部51の前面および背面は、取付パネル9の前面91に略平行である。底部51の前面は、ワッシャ61を介して、本体部2のフランジ部23の背面に間接的に接する。底部51の背面は、取付パネル9の前面91に直接的に接する。
【0026】
発光装置1では、上述の固定部3が締められて、底部51がフランジ部23と取付パネル9とに挟まれることにより、保護部材5が、本体部2および取付パネル9に対して固定される。保護部材5の底部51の背面は、フランジ部23により取付パネル9の前面91に向けて押圧される。底部51の前面は、取付パネル9により、ワッシャ61を介してフランジ部23の背面に向けて押圧される。これにより、保護部材5が、本体部2に対して相対的に周方向に回転することを防止(または、抑制)することができる。
【0027】
図4に示すように、底部51の内側面には、径方向内側に突出する2つの凸部54(図4では、一方の凸部54のみを図示する。)が設けられる。2つの凸部54は、周方向において180°ずれた位置に配置される。凸部54の周方向の幅は、本体部2の溝部24(図1参照)の周方向の幅よりも僅かに小さく、凸部54の前後方向の厚さは、本体部2の第1雄ねじ部21におけるねじ山のピッチよりも大きい。2つの凸部54が2つの溝部24内に位置することにより、保護部材5が、本体部2に対して相対的に周方向に回転することを、より一層防止(または、抑制)することができる。
【0028】
図3に示すように、保護部材5の側壁部52は、底部51の外縁部から、カバー部材4の取付部43の外側面45に沿って前方に広がる。側壁部52の内側面57は、略円筒面状であり、内側に雌ねじ部44が位置する取付部43の外側面45に接する。側壁部52の外側面55は、底部51に近づくに従って外径が漸次増大する傾斜面である。本実施の形態では、側壁部52の外側面55は、円錐台の外側面である。側壁部52の前端は、取付部43の前端と前後方向に関しておよそ同じ位置に位置する。取付部43の外側面45は、全周に亘って保護部材5の側壁部52により覆われる。取付部43は、上述のように、本体部2の前端部と径方向に重なっているため、光源25からの光は取付部43から外部にほとんど出射されない。したがって、カバー部材4からの光の導出は、保護部材5により実質的に妨げられない。
【0029】
図5は、取付パネル9への取り付け途上の発光装置1の一部を拡大して示す断面図である。図5では、カバー部材4が取り付けられた本体部2が、保護部材5の底部51の開口53に前側から挿入され、さらに、取付パネル9のパネル貫通孔93に前側から挿入された状態を示す。図5に示す状態では、固定部3は本体部2に取り付けられていない。
【0030】
図5に示すように、保護部材5の底部51の背面56は、内周部561と、外周部562とを有する。内周部561は、底部51の内周縁から側壁部52の内側面57の径方向の位置まで、中心軸J1(図3参照)に垂直に広がる略円環面である。外周部562は、内周部561の外周縁から径方向外側に広がり、背面56の外周縁に至る略円環面である。外周部562は、径方向外側に向かうに従って漸次後側に向かう傾斜面である。中心軸J1に垂直な平面に対する外周部562の傾斜はごく僅かである。図5に示す状態では、内周部561は、僅かな間隙を介して取付パネル9の前面91と前後方向にて対向する。また、外周部562は、径方向外側に向かうに従って取付パネル9の前面91に漸次近づき、外周部562の外縁部のみが取付パネル9の前面91に接する。
【0031】
図5に示す状態では、保護部材5の側壁部52の内側面57は、底部51から離れるに従って漸次径方向外側に向かう傾斜面である。中心軸J1を中心とする円筒面に対する内側面57の傾斜はごく僅かである。側壁部52の内側面57は、僅かな間隙を介してカバー部材4の取付部43の外側面45と径方向にて対向する。
【0032】
発光装置1では、図3に示すように、固定部3が本体部2の第1雄ねじ部21に螺合して取付パネル9の背面92を押圧するまで締められることにより、図5に示す保護部材5の底部51の内縁部(すなわち、内周部561のうち開口53近傍の部位)が、本体部2のフランジ部23により、取付パネル9の前面91に向けて押圧される。底部51の内縁部は、図6に示すように、外周部562の外周縁近傍の部位である外縁部を支点として取付パネル9に向かって撓み、保護部材5の側壁部52は、径方向内側へと撓む(すなわち、弾性変形する。)。換言すれば、底部51の外縁部が、内縁部を支点として前側に撓むことにより、側壁部52が径方向内側へと撓む。これにより、側壁部52の内側面57が、カバー部材4の取付部43の外側面45に接し、取付部43の外側面45が、保護部材5の側壁部52により径方向内側へと押圧される。
【0033】
このため、カバー部材4が本体部2から外れる方向にカバー部材4を回転させようとすると、取付部43の外側面45と側壁部52の内側面57との間に摩擦力(すなわち、抵抗)が生じ、カバー部材4の回転が防止される。換言すれば、保護部材5の側壁部52が、カバー部材4の取付部43の外側面45に接し、外側面45を径方向内側へと押圧することにより、第2雄ねじ部22と雌ねじ部44との係合が解除される方向(すなわち、前方)へのカバー部材4の移動が妨げられる。その結果、カバー部材4の意図に反した取り外し(例えば、いたずらによる取り外し)を防止することができる。
【0034】
また、発光装置1では、カバー部材4を保護部材5と共に回転させようとしても、保護部材5の底部51が、本体部2のフランジ部23により取付パネル9の前面91に向けて押圧されているため、保護部材5の回転も防止される。その結果、カバー部材4の取り外しをより一層防止することができる。
【0035】
上述のように、保護部材5の底部51に設けられた2つの凸部54(図4参照)は、本体部2の2つの溝部24内に配置される。これにより、保護部材5が本体部2に対して相対的に回転することが、より一層防止される。その結果、カバー部材4の取り外しをさらに防止することができる。
【0036】
カバー部材4では、取付部43の外側面45のおよそ全体が、保護部材5の側壁部52により覆われている。このため、カバー部材4を把持しようとしても、指先は透光部41の略球面状の滑らかな外側面にて滑り、カバー部材4を強く把持することは難しい。その結果、カバー部材4の取り外しをより一層防止することができる。また、保護部材5の側壁部52の外側面55が、円錐台の滑らかな外側面であるため、保護部材5を強く把持することも困難である。このため、カバー部材4を保護部材5と共に把持し、カバー部材4を回転させるための力を加えることも容易ではない。その結果、カバー部材4の取り外しをさらに防止することができる。
【0037】
上述のように、発光装置1が取付パネル9に取り付けられる際には、保護部材5の底部51が取付パネル9の前面91に向かって押圧されて撓み、保護部材5の側壁部52が径方向内側へと撓んで取付部43の外側面45に接する。このため、撓む前の側壁部52の内側面57を、カバー部材4の取付部43の外側面45から離間させておくことが可能となる。これにより、保護部材5の側壁部52の内側に、カバー部材4の取付部43を容易に挿入することができる。なお、保護部材5の側壁部52の内側面57は、底部51が撓む前の状態でカバー部材4の取付部43の外側面45に接していてもよい。この場合、底部51を上述のように撓ませることにより、側壁部52が取付部43を径方向内側に押圧する力を増大させることができる。
【0038】
発光装置1は、鉄道の駅のプラットホーム等のように不特定多数の人が触れることができる場所以外の場所に設置されることもある。例えば、発光装置1は、工場内に設置される装置の側壁等に取り付けられてもよい。この場合、いたずら等によるカバー部材4の取り外しを考慮する必要はなく、発光装置1のメンテナンス性の向上等のために、カバー部材4を取付パネル9の前側から容易に着脱できることが好ましい。
【0039】
このように、カバー部材4の容易な着脱が求められる場合には、図7に示すように、本体部2のフランジ部23と取付パネル9との間に保護部材5を挟むことなく、本体部2が取付パネル9に取り付けられる。保護部材5が省略されることにより、カバー部材4の取付部43が径方向内側に向かって押圧されることがないため、カバー部材4を容易に回転させて本体部2から取り外すことができる。
【0040】
図8は、第2の実施の形態に係る発光装置1aの一部を拡大して示す断面図である。発光装置1aでは、保護部材5が、穴581および外接部材582を備える。その他の構成は、図1ないし図6に示す発光装置1と同様であり、以下の説明では、対応する構成に同符号を付す。
【0041】
図8に示す発光装置1aでは、穴581は、保護部材5の底部51の背面56から前側に延びて側壁部52の内側面57に至る。穴581は、側壁部52の前端までは貫通しない。本実施の形態では、4つの穴581が周方向に等角度間隔にて配置される。なお、穴581の周方向における配置は適宜変更されてよい。また、穴581の個数は適宜変更されてよい。
【0042】
複数の穴581にはそれぞれ、複数の外接部材582が挿入される。外接部材582としては、例えば、後端部(すなわち、取付パネル9に近い方の端部)に六角穴が設けられたねじや、穴581に圧入される略円柱状のピンが利用される。本実施の形態では、外接部材582として、穴581に係合する上述のねじが利用される。外接部材582は、カバー部材4の取付部43が保護部材5の側壁部52の内側に挿入された状態、かつ、本体部2が取付パネル9に取り付けられる前に、穴581に挿入される。外接部材582の一部は、側壁部52の内側面57から露出し、取付部43の外側面45に接する。外接部材582の当該一部(以下、「露出部」という。)は、外接部材582の穴581内における回転に伴って取付部43の外側面45を削り、外側面45に溝を形成する。当該溝と外接部材582の露出部のねじ山とが嵌合することにより、外接部材582がカバー部材4と機械的に係合するとともに、取付部43の外側面45を径方向内側へと押圧する。
【0043】
発光装置1aでは、図1に示す発光装置1と同様に、保護部材5の側壁部52が、カバー部材4の取付部43の外側面45を径方向内側へと押圧することにより、第2雄ねじ部22と雌ねじ部44との係合が解除される方向へのカバー部材4の移動が妨げられる。その結果、カバー部材4の取り外しを防止することができる。
【0044】
発光装置1aでは、特に、カバー部材4の外側面45に接して機械的に係合する外接部材582により、カバー部材4の雌ねじ部44と本体部2の第2雄ねじ部22との係合が解除される方向へのカバー部材4の移動がさらに妨げられる。その結果、カバー部材4の取り外しをより一層防止することができる。
【0045】
図9は、第3の実施の形態に係る発光装置1bの一部を拡大して示す断面図である。発光装置1bでは、本体部2の第2雄ねじ部22近傍の部位の形状、および、カバー部材4の取付部43の形状が、図1ないし図6に示す発光装置1と異なる。また、発光装置1bでは、本体部2にフランジ部23(図3参照)が設けられない。その他の構成は、図1ないし図6に示す発光装置1と同様であり、以下の説明では、対応する構成に同符号を付す。
【0046】
図9に示す発光装置1bでは、カバー部材4の取付部43の後端部46(すなわち、図9中の下側の端部)が、ワッシャ61を介して、保護部材5の底部51の前面に間接的に接する。保護部材5の底部51は、カバー部材4の後端部46と取付パネル9の前面91との間に挟まれる。発光装置1bでは、固定部3が締められて、底部51がカバー部材4と取付パネル9とに挟まれることにより、保護部材5が、本体部2および取付パネル9に対して固定される。これにより、保護部材5が、本体部2に対して相対的に周方向に回転することを防止(または、抑制)することができる。
【0047】
発光装置1bでは、図1に示す発光装置1と同様に、保護部材5の側壁部52が、カバー部材4の取付部43の外側面45を径方向内側へと押圧することにより、第2雄ねじ部22と雌ねじ部44との係合が解除される方向へのカバー部材4の移動が妨げられる。その結果、カバー部材4の取り外しを防止することができる。また、カバー部材4を保護部材5と共に回転させようとしても、保護部材5の底部51が、カバー部材4により取付パネル9の前面91に向けて押圧されているため、保護部材5の回転も防止される。その結果、カバー部材4の取り外しをより一層防止することができる。
【0048】
図10は、本発明の第4の実施の形態に係る発光装置1cの正面図であり、図11は、発光装置1cを図10のB−Bの位置にて切断した断面図である。発光装置1cは、略四角柱状の本体部2aと、略矩形環状の固定部3aと、正面視において略矩形のカバー部材4aと、正面視において略矩形の保護部材5aとを備える。図11に示すように、本体部2aは、取付パネル9の略矩形のパネル貫通孔93aに挿入される。取付パネル9の後側において、固定部3aが本体部2aに締まり嵌めにて嵌合されることにより、本体部2aが取付パネル9に固定される。本体部2aの内部には、第1の実施の形態と同様に、LED素子やLED電球等の光源が設けられる。
【0049】
本体部2aの前部201は、取付パネル9の前側にて、パネル貫通孔93aよりも外側に広がる略矩形環板状のフランジ部23と、フランジ部23の外縁部から前方に広がる略矩形筒状の筒部26とを備える。以下の説明では、筒部26の図10中における左右両側の一対の部位(すなわち、正面視における左右両側の一対の辺に対応する部位)を「第1側壁部261」と呼び、図10中における上下の一対の部位を「第2側壁部262」という。図11では、筒部26の第1側壁部261が図示されている。第1側壁部261の前端部には、第1側壁部261の全長(図10中における上下方向の全長)に亘って内側に突出する係合爪である第1係合部22aが設けられる。第2側壁部262には、係合爪は設けられない。
【0050】
カバー部材4aは、略矩形板状の透光部41と、透光部41の外縁部から後方へと広がる略矩形筒状の取付部43とを備える。取付部43は、本体部2aの筒部26の内側に挿入される。以下の説明では、取付部43の4つの側壁部のうち、筒部26の第1側壁部261に対向する側壁部を「第1側壁部431」と呼び、筒部26の第2側壁部262に対向する側壁部を「第2側壁部」と呼ぶ。図11では、取付部43の第1側壁部431が図示されている。取付部43の第1側壁部431の後端部には、第1側壁部431の全長(図10中における上下方向の全長)に亘って外側に突出する係合爪である第2係合部44aが設けられる。取付部43の第2側壁部には、係合爪は設けられない。
【0051】
カバー部材4aが本体部2aに取り付けられる際には、第1側壁部431を内側に撓ませつつ、取付部43が筒部26の内側に挿入される。そして、第1側壁部431の撓みが解消されて元の形状に戻ることにより、カバー部材4aの第2係合部44aが、本体部2aの第1係合部22aの下方に位置する。第1係合部22aと第2係合部44aとが係合することにより、カバー部材4aが本体部2aに着脱可能に取り付けられる。カバー部材4aは、いわゆるパッチン止め(スナップフィット)にて本体部2aに取り付けられ、本体部2aの内部を前側から覆う。
【0052】
図12は、保護部材5aを示す斜視図である。図11および図12に示すように、保護部材5aは、底部51と、側壁部52とを備える。底部51は、本体部2aが挿入される略矩形の開口53を有する略矩形環板状である。図11に示すように、底部51は、本体部2aのフランジ部23の背面と取付パネル9の前面91との間に挟まれる。底部51の前面および背面は、取付パネル9の前面91に略平行である。底部51の前面は、ワッシャ61を介して、フランジ部23の背面に間接的に接する。底部51の背面は、取付パネル9の前面91に直接的に接する。
【0053】
発光装置1cでは、底部51がフランジ部23と取付パネル9とに挟まれることにより、保護部材5aが取付パネル9に固定される。保護部材5aの底部51の背面は、フランジ部23により取付パネル9の前面91に向けて押圧される。底部51の前面は、取付パネル9により、ワッシャ61を介してフランジ部23の背面に向けて押圧される。
【0054】
保護部材5aの側壁部52は、略矩形の底部51の外縁部のうち、本体部2aの筒部26の第1側壁部261およびカバー部材4aの第1側壁部431に対応する一対の辺から、筒部26の第1側壁部261に沿って前方に広がる。側壁部52の内側面は、第1側壁部261の外側面から離間している。側壁部52の外側面55は、底部51に近づくに従って第1側壁部261から漸次離れる傾斜面である。側壁部52の前端は、第1側壁部261の前端よりも前側に位置する。側壁部52の前端部521は、第1側壁部261の前端よりも前方において、カバー部材4aの第1側壁部431に向かって内側へと湾曲する。側壁部52の前端部521の内側面522は、カバー部材4aの第1側壁部431の外側面433に接する。
【0055】
図13は、取付パネル9への取り付け途上の発光装置1cの一部を拡大して示す断面図である。図13では、カバー部材4aが取り付けられた本体部2aが、保護部材5aの底部51の開口53に前側から挿入され、さらに、取付パネル9のパネル貫通孔93aに前側から挿入された状態を示す。図13に示す状態では、固定部3aは本体部2aに取り付けられていない。
【0056】
図13に示すように、保護部材5aの底部51の背面56は、内側部563と、外側部564とを有する。内側部563は、開口53から取付パネル9の前面91に略平行に広がり、外側部564は、内側部563の外縁から開口53から離れる方向に広がる。外側部564は、開口53から離れるに従って漸次後側に向かう傾斜面である。取付パネル9の前面91に対する外側部564の傾斜はごく僅かである。図13に示す状態では、内側部563は、僅かな間隙を介して取付パネル9の前面91と前後方向にて対向する。また、外側部564は、開口53から離れるに従って取付パネル9の前面91に漸次近づき、外側部564の外縁部のみが取付パネル9の前面91に接する。
【0057】
保護部材5aの前端部521の内側面522は、前方に向かうに従って開口53から漸次離れる傾斜面である。内側面522の傾斜はごく僅かである。図13に示す状態では、前端部521の内側面522は、僅かな間隙を介してカバー部材4aの第1側壁部431の外側面433と径方向にて対向する。
【0058】
発光装置1cでは、固定部3a(図11参照)が本体部2aに嵌合して取付パネル9の背面92を押圧することにより、図13に示す保護部材5aの底部51の内縁部(すなわち、内側部563のうち開口53近傍の部位)が、本体部2aのフランジ部23により、取付パネル9の前面91に向けて押圧される。底部51の内縁部は、図11に示すように、外側部564の外縁近傍の部位である外縁部を支点として取付パネル9に向かって撓み、保護部材5aの側壁部52は、本体部2aの第1側壁部261およびカバー部材4aの第1側壁部431に向かって撓む(すなわち、弾性変形する。)。換言すれば、底部51の外縁部が、内縁部を支点として前側に撓むことにより、側壁部52が本体部2aおよびカバー部材4aに向かって撓む。これにより、一対の側壁部52の前端部521の内側面522が、カバー部材4aの一対の第1側壁部431の外側面433に接し、各第1側壁部431の外側面433が、保護部材5aの側壁部52により内側へと(すなわち、他方の第1側壁部431に向かって)押圧される。側壁部52の内側面522の一部は、透光部41の側方にて第1側壁部431の外側面433に接し、内側面522の他の一部は、透光部41よりも後側にて第1側壁部431の外側面433に接する。
【0059】
発光装置1cでは、保護部材5aの側壁部52がカバー部材4aの外側面433を内側へと押圧することにより、カバー部材4aを前方に移動させようとすると、側壁部52の内側面522と第1側壁部431の外側面433との間に摩擦力が生じる。これにより、本体部2aの第1係合部22aとカバー部材4aの第2係合部44aとの係合が解除される方向(すなわち、前方)へのカバー部材4aの移動が妨げられる。その結果、カバー部材4aの取り外しを防止することができる。
【0060】
上述のように、発光装置1cが取付パネル9に取り付けられる際には、保護部材5aの底部51が取付パネル9の前面91に向かって押圧されて撓み、保護部材5aの側壁部52が内側へと撓んで取付部43の第1側壁部431の外側面433に接する。このため、撓む前の一対の側壁部52の前端部521間の距離を大きくすることができる。これにより、一対の側壁部52の間に、本体部2aの筒部26およびカバー部材4aの取付部43を容易に挿入することができる。なお、側壁部52の前端部521の内側面522は、底部51が撓む前の状態でカバー部材4aの第1側壁部431の外側面433に接していてもよい。この場合、底部51を上述のように撓ませることにより、側壁部52が第1側壁部431を内側に押圧する力を増大させることができる。
【0061】
発光装置1cでは、図14に示すように、カバー部材4aの第1側壁部431の外側面433に凹部434が設けられ、保護部材5aの側壁部52において、前端部521の内側面522に、凹部434と嵌合する凸部523が設けられてもよい。凸部523が凹部434に嵌合することにより、本体部2aの第1係合部22aとカバー部材4aの第2係合部44aとの係合が解除される方向へのカバー部材4aの移動がさらに妨げられる。その結果、カバー部材4aの取り外しをより一層防止することができる。なお、保護部材5aの前端部521の内側面522に凹部が設けられ、カバー部材4aの第1側壁部431の外側面433に当該凹部と嵌合する凸部が設けられてもよい。
【0062】
図15は、本発明の第5の実施の形態に係る発光装置1dの断面図である。発光装置1dは、中心軸J1を中心とする略円柱状の本体部2bと、正面視において略円形のカバー部材4bと、正面視において略円環状の保護部材5bとを備える。本体部2bの前部201は、取付パネル9の後側から略円形のパネル貫通孔93に挿入される。
【0063】
本体部2bの前部201の外側面には、第1雄ねじ部21が設けられる。第1雄ねじ部21は、取付パネル9よりも前側から後側まで連続して設けられる。取付パネル9の後側では、略円環状の調整部62が第1雄ねじ部21に螺合する。調整部62の前面には略円環板状のパッキン63が固定されており、パッキン63は取付パネル9の背面92に接する。調整部62の本体部2bに対する前後方向の相対位置を変更することにより、取付パネル9の厚さが変更された場合であっても、本体部2bの取付パネル9から前方への突出長を所望の値に維持することができる。
【0064】
本体部2bの前部201の外側面には、第1雄ねじ部21よりも前方に位置する第2雄ねじ部22が設けられる。第2雄ねじ部22は、第1雄ねじ部21よりも径方向内側に位置する。本体部2bの内部には、LED素子やLED電球等の光源25が設けられる。
【0065】
カバー部材4bは、略円板状の透光部41と、透光部41の外縁部から後側へと(すなわち、取付パネル9に向かって)広がる略円筒状の取付部43とを備える。取付部43の内側面には雌ねじ部44が設けられる。第1係合部である本体部2bの第2雄ねじ部22と、第2係合部であるカバー部材4bの雌ねじ部44とが係合(すなわち、螺合)することにより、カバー部材4bが、取付パネル9の前側にて本体部2bの前部201に取り付けられ、本体部2bの内部を前側から覆う。取付部43の外径は、本体部2bの第1雄ねじ部21が設けられる部位の外径よりも僅かに小さい。
【0066】
図16は、保護部材5bを示す斜視図である。図15および図16に示すように、保護部材5bは、円錐台の中央から当該円錐台の上面よりも小さい直径を有する円柱を除去した形状である。保護部材5bの略円環面状の背面は、取付パネル9の前面91に直接的に接する。保護部材5bの内側面57は、略円筒面状であり、保護部材5bの外側面55は、取付パネル9に近づくに従って外径が漸次増大する傾斜面である。
【0067】
保護部材5bの内側面57の後部(すなわち、取付パネル9に近い部位)には、雌ねじ部59が設けられる。保護部材5bの雌ねじ部59が、取付パネル9の前側にて本体部2bの第1雄ねじ部21に螺合することにより、保護部材5bが本体部2bに取り付けられる。そして、保護部材5bが、調整部62との間で取付パネル9を挟み、取付パネル9の前面91に接するまで締められることにより、本体部2bが取付パネル9に固定される。
【0068】
保護部材5bの内側面57の前部は、内側に雌ねじ部44が位置する取付部43の外側面45に接する。取付部43の外側面45は、全周に亘って保護部材5bにより覆われる。取付部43は、本体部2の前端部と径方向に重なっているため、光源25からの光は取付部43から外部にほとんど出射されない。したがって、カバー部材4bからの光の導出は、保護部材5bにより実質的に妨げられない。
【0069】
図17は、取付パネル9への取り付け途上の発光装置1dの一部を拡大して示す断面図である。図17では、カバー部材4bが取り付けられた本体部2bが、取付パネル9のパネル貫通孔93および保護部材5bに後側から挿入され、保護部材5bの雌ねじ部59が本体部2bの第1雄ねじ部21に途中まで螺合した状態を示す。
【0070】
図17に示すように、保護部材5bの背面56は、内周部561と、外周部562とを有する。内周部561は、背面56の内周縁から中心軸J1に垂直に径方向外側に広がる略円環面である。外周部562は、内周部561の外周縁から径方向外側に広がり、背面56の外周縁に至る略円環面である。外周部562は、径方向外側に向かうに従って漸次後側に向かう傾斜面である。中心軸J1(図15参照)に垂直な平面に対する外周部562の傾斜はごく僅かである。図17に示す状態では、内周部561は、僅かな間隙を介して取付パネル9の前面91と前後方向にて対向する。また、外周部562は、径方向外側に向かうに従って取付パネル9の前面91に漸次近づき、外周部562の外縁部のみが取付パネル9の前面91に接する。
【0071】
図17に示す状態では、保護部材5bの内側面57は、背面56から離れるに従って漸次径方向外側に向かう傾斜面である。中心軸J1を中心とする円筒面に対する内側面57の傾斜はごく僅かである。保護部材5bの内側面57は、僅かな間隙を介してカバー部材4bの取付部43の外側面45と径方向にて対向する。
【0072】
発光装置1dでは、保護部材5bの背面56が、図15に示すように、およそ全面に亘って取付パネル9の前面91に接するまで保護部材5bが締められる。これにより、図17に示す保護部材5bの背面56の外縁部が、取付パネル9の前面91により前方に押圧されて前側に撓む(すなわち、弾性変形する。)。その結果、図15に示すように、保護部材5bの内側面57が、径方向内側へと撓んでカバー部材4bの取付部43の外側面45に接し、取付部43の外側面45が保護部材5bにより径方向内側へと押圧される。
【0073】
このため、カバー部材4bが本体部2bから外れる方向にカバー部材4bを回転させようとすると、取付部43の外側面45と保護部材5bの内側面57との間に摩擦力が生じ、カバー部材4bの回転が防止される。換言すれば、保護部材5bが、カバー部材4bの取付部43の外側面45に接し、外側面45を径方向内側へと押圧することにより、第2雄ねじ部22と雌ねじ部44との係合が解除される方向(すなわち、前方)へのカバー部材4bの移動が妨げられる。その結果、カバー部材4bの取り外しを防止することができる。
【0074】
上述のように、発光装置1dが取付パネル9に取り付けられる際には、保護部材5bが取付パネル9の前面91に向かって押圧されて撓み、保護部材5bの内側面57が径方向内側へと撓んで取付部43の外側面45に接する。このため、撓む前の保護部材5bの内側面57を、カバー部材4bの取付部43の外側面45から離間させておくことが可能となる。これにより、保護部材5bの内側に、カバー部材4bの取付部43を容易に挿入することができる。なお、保護部材5bの内側面57は、保護部材5bが撓む前の状態でカバー部材4bの取付部43の外側面45に接していてもよい。この場合、保護部材5bを上述のように撓ませることにより、保護部材5bが取付部43を径方向内側に押圧する力を増大させることができる。
【0075】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
【0076】
例えば、保護部材5(図4ないし図6参照)では、底部51が撓むことにより側壁部52が径方向内側へと撓むのであれば、底部51の背面56の形状は様々に変更されてよい。例えば、底部51の背面56が中心軸J1に略垂直な円環面であり、背面56の外縁部に後方へと向かって突出する環状の凸部が設けられてもよい。保護部材5a(図11ないし図14参照)においても同様に、底部51の背面56の形状は様々に変更されてよく、例えば、底部51の背面56が取付パネル9の前面91に略平行な矩形環面であり、背面56の外側部564の外縁部に後方へと向かって突出する直線状の凸部が設けられてもよい。保護部材5b(図15ないし図17参照)においても同様に、保護部材5bの背面56の形状は様々に変更されてよく、例えば、中心軸J1に垂直な背面56の外縁部に後方へと向かって突出する環状の凸部が設けられてもよい。
【0077】
保護部材5,5a,5bは、本体部2,2a,2bの取付パネル9への取り付けの際に、必ずしも撓んで変形する必要はない。例えば、保護部材5の側壁部52の内径が、カバー部材4の取付部43の外径よりも僅かに小さく、カバー部材4の取付部43が保護部材5の側壁部52の内側に圧入されてもよい。これにより、カバー部材4の取付部43の外側面45が、保護部材5の側壁部52により径方向内側へと押圧され、取付部43の外側面45と側壁部52の内側面57との間に摩擦力が生じる。その結果、カバー部材4の取り外しを防止することができる。保護部材5bにおいても同様であり、保護部材5bの内側にカバー部材4bの取付部43が圧入されることにより、カバー部材4bの取付部43の外側面45が、保護部材5bにより径方向内側へと押圧されてもよい。
【0078】
カバー部材4の取付部43の外側面45は、必ずしも全周に亘って保護部材5により覆われる必要はない。例えば、正面視において円環の一部が切れた略円弧状(略C字状)の保護部材により、取付部43の外側面45の一部が覆われてもよい。すなわち、カバー部材4の外側面45は、保護部材5により少なくとも一部が覆われていればよい。保護部材5bにおいても同様である。
【0079】
図15に示す発光装置1dでは、図11に示す発光装置1cと同様に、カバー部材の取付部が本体部の内側に挿入され、パッチン止め(スナップフィット)により、カバー部材が本体部に取り付けられてもよい。
【0080】
上述の実施の形態では、保護部材によりカバー部材の外側面が内側に押圧されるが、図18に示すように、保護部材5がカバー部材4の外側面45を径方向内側に押圧することなく、外側面45に接することにより、カバー部材4の前方への移動、すなわち、本体部2の第2雄ねじ部22とカバー部材4の雌ねじ部44との係合が解除される方向へのカバー部材4の移動が妨げられてもよい。
【0081】
図18に示す保護部材5は、側壁部52の前端部に、径方向内側に向かって突出する略円環状の側壁凸部524を備える。また、カバー部材4の外側面45には、取付部43の前側にて中心軸に垂直に広がる略円環状の段差面451が設けられる。保護部材5の側壁凸部524が、カバー部材4の段差面451の前側に位置し、段差面451に接することにより、カバー部材4の前方への移動が妨げられる。なお、側壁凸部524は段差面451との間に僅かな隙間を設けて段差面451の前方に配置されてもよい。この場合であっても、カバー部材4を取り外すために僅かに回転させた時点で、カバー部材4の段差面451が側壁凸部524に接する。図18に示す保護部材5の構造は、上記実施の形態に係る発光装置1,1a〜1dのいずれにも適用可能である。
【0082】
本体部の第1係合部とカバー部材の第2係合部との係合は、必ずしも螺合やパッチン止め(スナップフィット)による係合には限定されず、様々な構造により実現されてよい。固定部3,3aおよび保護部材5bによる本体部の取付パネル9への固定も、様々な方法により行われてよい。本体部の形状は、略円柱状や略四角柱状には限定されず、様々に変更されてよい。取付パネル9のパネル貫通孔93の形状、並びに、固定部および保護部材の開口形状も、本体部の形状に合わせて様々に変更されてよい。
【0083】
本体部は、複数の部材が互いに着脱可能に取り付けられることにより形成されてもよい。例えば、本体部の後部202の一部が取り外されることにより、本体部内部の電球等の交換が容易とされてもよい。また、光源25として、LED素子やLED電球以外の様々なものが利用されてよい。
【0084】
上述の発光装置は、表示灯以外の様々な用途(例えば、照明灯)に利用されてよい。また、上述の発光装置の構造は、内部に光源を有しない様々なパネル取付用機器に利用されてもよい。この場合も、パネル取付用機器において、本体部内の構造を露出させないためのカバー部材の取り外しを防止することができる。
【0085】
上記実施の形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わされてよい。
【符号の説明】
【0086】
1,1a〜1d 発光装置
2,2a,2b 本体部
3,3a 固定部
4,4a,4b カバー部材
5,5a,5b 保護部材
9 取付パネル
22 第2雄ねじ部
22a 第1係合部
44 雌ねじ部
44a 第2係合部
45 (カバー部材の)外側面
51 (保護部材の)底部
52 (保護部材の)側壁部
53 開口
57 (側壁部の)内側面
91 前面
92 背面
93,93a パネル貫通孔
201 (本体部の)前部
581 穴
582 外接部材
図1
図2
図3
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