(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5985988
(24)【登録日】2016年8月12日
(45)【発行日】2016年9月6日
(54)【発明の名称】マルチルーメン型潅注チュービングを用いる潅注式カテーテル
(51)【国際特許分類】
A61M 25/14 20060101AFI20160823BHJP
A61B 18/12 20060101ALI20160823BHJP
【FI】
A61M25/14 512
A61B18/12
【請求項の数】13
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-547065(P2012-547065)
(86)(22)【出願日】2010年9月22日
(65)【公表番号】特表2013-516217(P2013-516217A)
(43)【公表日】2013年5月13日
(86)【国際出願番号】US2010049832
(87)【国際公開番号】WO2011081685
(87)【国際公開日】20110707
【審査請求日】2013年9月19日
【審判番号】不服2015-16309(P2015-16309/J1)
【審判請求日】2015年9月3日
(31)【優先権主張番号】12/650,956
(32)【優先日】2009年12月31日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506257180
【氏名又は名称】セント・ジュード・メディカル・エイトリアル・フィブリレーション・ディヴィジョン・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン フイサン
(72)【発明者】
【氏名】ジャスト デイル イー.
(72)【発明者】
【氏名】パーヤー ハリー エイ.
【合議体】
【審判長】
山口 直
【審判官】
平瀬 知明
【審判官】
土田 嘉一
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2008/0249522(US,A1)
【文献】
特表2009−537243(JP,A)
【文献】
特開平9−108358(JP,A)
【文献】
特表2005−510301(JP,A)
【文献】
特開2009−261767(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0137944(US,A1)
【文献】
特表2003−532439(JP,A)
【文献】
特表2009−501565(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの近位潅注通路と、少なくとも1つの遠位潅注通路とを有するカテーテル本体と、
前記カテーテル本体を貫通して延在し、且つ、第1の潅注ルーメンを画定する、第1の流体送給管であって、前記第1の潅注ルーメンが前記少なくとも1つの近位潅注通路と流体連通し、且つ、前記少なくとも1つの遠位潅注通路から流体的に隔離されている、第1の流体送給管と、
前記カテーテル本体を貫通して延在し、且つ、第2の潅注ルーメンを画定する、第2の流体送給管であって、前記第2の潅注ルーメンが前記少なくとも1つの遠位潅注通路と流体連通し、且つ、前記少なくとも1つの近位潅注通路から流体的に隔離されている、第2の流体送給管と、
前記第1の流体送給管と前記第2の流体送給管とに流体的に接続される単一の潅注流体供給源と、
潅注流体を前記潅注流体供給源から前記第1の流体送給管と前記第2の流体送給管とを通じて圧送し、前記少なくとも1つの近位潅注通路と前記少なくとも1つの遠位潅注通路とに送り出すように作動可能な単一のポンプと、を備え、
前記第1の流体送給管が前記第2の流体送給管に取り付けられて単体型二重ルーメン流体送給管を形成している、潅注式カテーテルシステム。
【請求項2】
前記単体型二重ルーメン流体送給管は、楕円形状の軸方向断面を有する、請求項1に記載の潅注式カテーテルシステム。
【請求項3】
前記第1の流体送給管が前記第2の流体送給管と一体形成されて前記単体型二重ルーメン流体送給管を形成している、請求項1または2に記載の潅注式カテーテルシステム。
【請求項4】
前記第1の潅注ルーメンと前記第2の潅注ルーメンとが実質的に合同な軸方向断面形状を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の潅注式カテーテルシステム。
【請求項5】
近位流体マニホールドと、
遠位流体マニホールドと、
をさらに備え、
前記第1の潅注ルーメンは前記近位流体マニホールドを介して前記少なくとも1つの近位潅注通路と流体連通し、且つ、前記第2の潅注ルーメンは前記遠位流体マニホールドを介して前記少なくとも1つの遠位潅注通路と流体連通する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の潅注式カテーテルシステム。
【請求項6】
前記少なくとも1つの遠位潅注通路と連通する遠位流体送給通路をさらに備え、
前記第2の潅注ルーメンが前記遠位流体送給通路を介して前記少なくとも1つの遠位潅注通路と流体連通する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の潅注式カテーテルシステム。
【請求項7】
前記ポンプは回転ポンプを含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の潅注式カテーテルシステム。
【請求項8】
近位端部分と遠位端部分とを有するカテーテルシャフトであって、前記遠位部分が複数の潅注通路を含む、カテーテルシャフトと、
前記カテーテルシャフトの前記遠位端部分にある少なくとも1つの電極と、
前記カテーテルシャフトの前記近位端部分から前記カテーテルシャフトを貫通して延在し、第1の流体送給ルーメンと第2の流体送給ルーメンとを含む複数の別個の流体送給ルーメンを画定する、単体型マルチルーメン型流体送給管と、
前記第1の流体送給ルーメンと前記第2の流体送給ルーメンとに流体連通する単一の潅注流体供給部と、
潅注流体を前記潅注流体供給部から前記第1の流体送給ルーメンと前記第2の流体送給ルーメンとを通じて圧送し、且つ前記複数の潅注通路に送り出すように作動可能な単一のポンプと、を備え、
前記第1の流体送給ルーメンは、前記複数の潅注通路の第1の群と流体連通し、且つ、前記複数の潅注通路の第2の群から流体的に隔離され、
前記第2の流体送給ルーメンは、前記複数の潅注通路の第3の群と流体連通し、且つ、前記複数の潅注通路の第4の群から流体的に隔離される、潅注式電気生理学的カテーテル。
【請求項9】
前記複数の潅注通路の第1の群は、前記複数の潅注通路の第4の群と同一であり、
前記複数の潅注通路の第2の群は、前記複数の潅注通路の第3の群と同一である、請求項8に記載の潅注式電気生理学的カテーテル。
【請求項10】
前記第1の流体送給ルーメンと前記複数の潅注通路の前記第1の群との双方に流体連通する第1の潅注マニホールドと、
前記第2の流体送給ルーメンと前記複数の潅注通路の前記第3の群との双方に流体連通する第2の潅注マニホールドと、をさらに備え、
前記第1の潅注マニホールドは、前記第2の潅注マニホールドから流体的に隔離されている、請求項8または9に記載の潅注式電気生理学的カテーテル。
【請求項11】
前記少なくとも1つの電極に作動可能に連結された発生器をさらに含む、請求項8〜10のいずれか一項に記載の潅注式電気生理学的カテーテル。
【請求項12】
前記マルチルーメン型流体送給管が扁平化した軸方向断面形状を有する、請求項8〜11のいずれか一項に記載の潅注式電気生理学的カテーテル。
【請求項13】
前記マルチルーメン型流体送給管により画定される前記複数の別個の流体送給ルーメンの各々が実質的に同一の軸方向断面積を有する、請求項8〜12のいずれか一項に記載の潅注式電気生理学的カテーテル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2009年12月31日に出願された米国特許出願第12/650,956号明細書の利益及びそれに対する優先権を主張し、この出願の全開示は、それぞれ全体として本明細書に示されたかのように、本明細書によって参照により援用される。
【0002】
(技術分野)
本発明は、人体で使用されるカテーテルに関する。特に本発明は、マルチルーメン型潅注チュービングを利用して複数の専用の及び/又は独立した潅注流を提供する潅注式カテーテルに関する。本発明はまた、かかるカテーテルの製造及び使用方法にも関する。
【背景技術】
【0003】
カテーテルが使用される手技の数は増え続けている。例えばカテーテルは、いくつか例を挙げれば、診断手技、治療手技、及びアブレーション手技に使用される。典型的には、カテーテルは患者の血管系を介して目的の部位、例えば患者の心臓内の部位まで操作される。
【0004】
典型的な電気生理学的カテーテルは、細長シャフトと、シャフトの遠位端にある1つ又は複数の電極とを含む。電極は、アブレーション、診断などに使用され得る。電気生理学的カテーテルはまた潅注を含むことも多く、これは例えば、アブレーションエネルギーを近接組織に搬送する伝導経路を提供し、及び/又は近接組織を冷却してチャーリングなどの過度の熱による損傷を防止する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
既存の潅注式カテーテルは、多くの場合に特定の欠点を呈する。例えば、圧力駆動による潅注流を含む潅注式カテーテルでは、ある潅注通路が塞がった場合、潅注流体はより低圧の出口を求めて他の潅注通路へと流れるため、カテーテルの特定の範囲が所望の程度まで潅注されない状況が起こる。別の例として、容積駆動による潅注流を含む潅注式カテーテルでは、ある潅注通路が栓封された場合、容積駆動式ポンプが通路を押し開け得る(すなわち、送給に必要な圧力に関係なく、その塞がった通路に同じ容積の潅注流体が送給される)。
【0006】
これらの欠点は、複数の独立した潅注流を設けることにより改善され得る。しかしながらこの解決策は、それ自体の欠点を呈する。複数の独立した潅注流の一つの方法は複数の生理食塩水バッグを用いることであり、各潅注流につき一つのバッグが専用で用いられる。しかしながら生理食塩水バッグは、正確で一貫した、且つ予測可能な潅注流の送給には理想的でない。生理食塩水バッグに関連するこのような欠点を解消するため、潅注又は注入ポンプが用いられ得るが、複数のかかるポンプを利用して複数の潅注流を提供することは経済的でない。
【0007】
従って、本発明の目的は、複数の専用の及び/又は独立した潅注流を有する潅注式カテーテルを提供することである。
【0008】
本発明の別の目的は、複数の潅注供給源を必要とすることなく複数の専用の及び/又は独立した潅注流を有する潅注式カテーテルを提供することである。
【0009】
本発明のさらに別の目的は、単一の潅注ポンプにより駆動される複数の専用の及び/又は独立した潅注流を有する潅注式カテーテルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本明細書には潅注式カテーテルシステムが開示される。このシステムは、少なくとも1つの近位潅注通路と少なくとも1つの遠位潅注通路とを有するカテーテル本体と;カテーテル本体を貫通して延在し、且つ、第1の潅注ルーメンを画定する第1の流体送給管であって、第1の潅注ルーメンが少なくとも1つの近位潅注通路と流体連通し、且つ、少なくとも1つの遠位潅注通路から流体的に隔離されている、第1の流体送給管と;カテーテル本体を貫通して延在し、且つ、第2の潅注ルーメンを画定する第2の流体送給管であって、第2の潅注ルーメンが少なくとも1つの遠位潅注通路と流体連通し、且つ、少なくとも1つの近位潅注通路から流体的に隔離されている、第2の流体送給管とを含む。有利には、第1の流体送給管は第2の流体送給管に取り付けられ、本発明のいくつかの態様において楕円形状の軸方向断面を有する、単体型二重ルーメン流体送給管を形成する。また、第1の潅注ルーメンと第2の潅注ルーメンとが実質的に合同な軸方向断面形状を有し得ることも企図される。場合により、第1の流体送給管は第2の流体送給管と一体形成されるが、しかしながら第1及び第2の流体送給管はまた別個に形成され、加熱、接着剤、又は任意の他の好適な方法により接合されてもよい。
【0011】
特定の実施形態において、潅注式カテーテルシステムはまた、近位流体マニホールドと遠位流体マニホールドとを含む。このとき第1の潅注ルーメンは近位流体マニホールドを介して少なくとも1つの近位潅注通路と流体連通してもよく、一方で第2の潅注ルーメンは遠位流体マニホールドを介して少なくとも1つの遠位潅注通路と流体連通してもよい。場合により、第2の潅注ルーメンは遠位流体送給通路を介して少なくとも1つの遠位潅注通路と流体連通してもよい。
【0012】
潅注式カテーテルシステムはまた、第1の流体送給管と第2の流体送給管とに流体的に接続される少なくとも1つの潅注流体供給源と、潅注流体を少なくとも1つの潅注流体供給源から第1の流体送給管と第2の流体送給管とを通じて圧送し、少なくとも1つの近位潅注通路と少なくとも1つの遠位潅注通路とに送り出すように作動可能な少なくとも1つのポンプとを含んでもよい。単一の潅注流体供給源が第1及び第2の双方の流体送給管に流体的に接続され得ることが企図される。或いは、第1の潅注流体供給源が第1の流体送給管に流体的に接続されてもよく、及び第2の潅注流体供給源が第2の流体送給管に流体的に接続されてもよい。少なくとも1つのポンプは、望ましくは回転ポンプなどの容積駆動式ポンプである。
【0013】
また、本明細書には潅注式電気生理学的カテーテルも開示される。このカテーテルは、近位端部分と遠位端部分とを有するカテーテルシャフトであって、遠位部分が複数の潅注通路を含む、カテーテルシャフトと;カテーテルシャフトの遠位端部分にある少なくとも1つの電極と;カテーテルシャフトの近位端部分からカテーテルシャフトを貫通して延在するマルチルーメン型流体送給管であって、第1の流体送給ルーメンと第2の流体送給ルーメンとを含む複数の別個の流体送給ルーメンを画定するマルチルーメン型流体送給管とを含む。第1の流体送給ルーメンは複数の潅注通路の第1のサブセットと流体連通し、且つ、複数の潅注通路の第2のサブセットから流体的に隔離され;及び第2の流体送給ルーメンは複数の潅注通路の第3のサブセットと流体連通し、且つ、複数の潅注通路の第4のサブセットから流体的に隔離される。典型的には、複数の潅注通路の第1のサブセットは複数の潅注通路の第4のサブセットと同延であり、複数の潅注通路の第2のサブセットは複数の潅注通路の第3のサブセットと同延である。マルチルーメン型流体送給管は扁平化した軸方向断面形状を有してもよい。マルチルーメン型流体送給管により画定される複数の別個の流体送給ルーメンの各々は、実質的に同一の軸方向断面積を有してもよい。
【0014】
潅注式電気生理学的カテーテルはまた、第1の流体送給ルーメンと複数の潅注通路の第1のサブセットとの双方に流体連通する第1の潅注マニホールドと、第2の流体送給ルーメンと複数の潅注通路の第3のサブセットとの双方に流体連通する第2の潅注マニホールドとを含んでもよい。望ましくは、第1の潅注マニホールドは第2の潅注マニホールドから流体的に隔離されている。
【0015】
潅注式電気生理学的カテーテルはまた、第1の流体送給ルーメンと第2の流体送給ルーメンとに流体連通する少なくとも1つの潅注流体供給部と、潅注流体を少なくとも1つの潅注流体供給部から第1の流体送給ルーメンと第2の流体送給ルーメンとを通じて圧送し、複数の潅注通路に送り出すように作動可能なポンプとを含んでもよい。本発明のいくつかの態様において、潅注式電気生理学的カテーテルはまた、少なくとも1つの電極に作動可能に連結された発生器も含む。
【0016】
本発明はまた、潅注式カテーテルアセンブリの製造方法も提供する。この方法は、複数の潅注通路を含むカテーテル本体を提供するステップと;第1の潅注ルーメンを画定する第1の流体送給管を提供するステップと;第2の潅注ルーメンを画定する第2の流体送給管を提供するステップと;第1の流体送給管をカテーテル本体に挿入するステップと;第1の潅注ルーメンを複数の潅注通路の第1のサブセットに流体的に連結するステップと;第1の潅注ルーメンを複数の潅注通路の第2のサブセットから流体的に隔離するステップと;第2の流体送給管をカテーテル本体に挿入するステップと;第2の潅注ルーメンを複数の潅注通路の第3のサブセットに流体的に連結するステップと;第2の潅注ルーメンを複数の潅注通路の第4のサブセットから流体的に隔離するステップとを含む。第1及び第2の流体送給管は、第1の潅注ルーメンと第2の潅注ルーメンとの双方を画定する一体形成されたマルチルーメン型流体送給管として提供されてもよい。或いは、第1及び第2の流体送給管は別個に形成及び提供され、加熱、接着剤、又は別の好適な方法により互いに取り付けられてもよい。
【0017】
本発明に係る潅注式カテーテルの利点は、それが複数の専用の及び/又は独立した潅注流を含むことである。
【0018】
本発明に係る潅注式カテーテルの別の利点は、複数の専用の及び/又は独立した潅注流が単一の潅注供給源により提供されてもよいことである。
【0019】
本発明のさらに別の利点は、複数の専用の及び/又は独立した潅注流が単一のポンプにより駆動されてもよいことである。
【0020】
本発明の前述の、及び他の態様、特徴、詳細、有用性、及び利点が、以下の説明及び特許請求の範囲を読み、且つ添付の図面を見ることで明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】潅注式アブレーションカテーテルシステムの概略図である。
【
図2A】実質的に同一の断面構成の2つのルーメンを有するマルチルーメン型チュービングの一実施形態の軸方向断面図である。
【
図2B】異なるサイズの2つのルーメンを有するマルチルーメン型チュービングの別の実施形態の軸方向断面図である。
【
図3】扁平化した形状又はレーストラック形状の軸方向断面構成を有するマルチルーメン型チュービングのさらに別の実施形態の軸方向断面図である。
【
図4】本発明のいくつかの態様に係るカテーテル本体の遠位端部分の長手方向断面図である。
【
図5】本発明の他の態様に係るカテーテル本体の遠位端部分の長手方向断面図である。
【
図6】専用の近位及び遠位潅注通路を含む電気生理学的マッピングカテーテルを表す。
【
図7】本発明の特定の態様に係るマルチルーメン型チュービングの軸方向断面図を示す。
【
図8】回転ポンプとマルチルーメン型チュービングとの間の相互作用を表す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は、望ましくは、及び有利には、複数の専用の及び/又は独立した潅注流を送給するように構成されたマルチルーメン型潅注チュービングを提供する。本発明はまた、かかるチュービングと、場合により回転ポンプとを用いて、かかるカテーテルの遠位端部分に専用の及び/又は独立した潅注流を提供する潅注式カテーテル又はカテーテルシステム、例えば潅注式アブレーション又は電気生理学的マッピングカテーテルも提供する。
【0023】
説明のため、本発明は潅注式高周波(「RF」)アブレーションカテーテルとの関連において説明及び例示する。また、潅注式電気生理学的マッピングカテーテルも参照する。双方とも、専用の遠位潅注流及び近位潅注流を参照して説明される。しかしながら、当業者は理解するであろうとおり、説明される特徴及び方法は、任意の数の潅注通路を有する任意の数のカテーテル又は他の診断及び/又は治療装置にも組み込まれ得ることが企図される。実際、本教示は、専用の及び/又は独立した潅注流が提供される離間された潅注ポートを有することが有利又は望ましい、任意の潅注式カテーテル又は同様の装置において十分に有利に用いられてもよい。
【0024】
潅注式カテーテルシステム
ここで図を参照すると、特に
図1において、アブレーションカテーテルシステム10は、遠位端部分14と近位端部分16とを有する細長カテーテル本体又はシャフト12を含む。カテーテル本体12は、典型的には可撓性で十分な長さを有し、そのため心不整脈の治療において心臓組織をアブレーションするための患者の心臓の特定の心腔内への導入など、診断及び/又は治療のための目的とする到達先まで患者の血管系の蛇行した経路を通じて送り進めることが可能である。この目的を促進するため、カテーテル本体12の近位端16にカテーテル10を制御するハンドル18が連結されてもよい。ハンドル18は、目的の到達先までの途上で血管系を進むときに遠位端部分14を偏向させたり、又は操縦したりするために、1つ又は複数の好適なアクチュエータ(図示せず)を含んでいてもよい。
【0025】
カテーテル本体12の遠位端部分14に1つ又は複数の電極20が提供される。電極20を診断目的(例えば、マッピング)又は治療目的(例えば、アブレーション又はペーシング)で通電するため、電極20は高周波(「RF」)発生器などの発生器22に作動可能に接続される。
【0026】
図6は電気生理学的マッピングカテーテル102の遠位端領域100を表す。
図6に示されるとおり、電気生理学的マッピングカテーテル102の遠位端領域100は複数の電極104を含み、これらの電極104は解剖学的領域(例えば、心腔)の接触式及び/又は非接触式電気生理学試験用に構成されていてもよい。近位潅注ポート106及び遠位潅注ポート108もまた見ることができ、以下でさらに詳細に考察されるとおり、これらの双方に潅注流体が供給されてもよい。
【0027】
当業者は、上記で考察されるアブレーションカテーテルシステム10及び電気生理学的マッピングカテーテル102の一般的な構成要素に精通しているであろう。従ってそれらについては、本発明の詳細の理解に必要となるであろう場合を除き、本明細書ではこれ以上詳細には説明しない。
【0028】
潅注流体は、生理食塩水リザーバなどの少なくとも1つの潅注流体供給源24を介して提供され、少なくとも1つのポンプ26を介して送給される。供給チュービング28がポンプ26を潅注流体供給源24に接続し、一方、いくつかの実施形態を以下でさらに詳細に考察するマルチルーメン型チュービング30が、ポンプ26をカテーテル本体12に接続する。ポンプ26は、典型的には回転ポンプなどの容積駆動式ポンプであってよく、潅注流体を潅注流体供給源24から供給チュービング28を通じて、次にマルチルーメン型チュービング30を通じて圧送し、潅注流体をカテーテル本体12の遠位端部分14に送給するように作動することが可能である。経済性が高まり、且つアブレーションカテーテルシステム10の複雑性が低下するため、望ましくは単一のポンプ26のみが使用される。
【0029】
潅注流体はまた、重力によって(例えば、適切なバルブが装着された生理食塩水バッグを介して)カテーテル本体12の遠位端部分14に送給されてもよいことが理解されなければならない。同様に潅注流体は、ポジティブディスプレイスメント装置(例えば、容積駆動式又は圧力駆動式ポンプ)と重力を介するものとの組み合わせによって送給されてもよい。
【0030】
マルチルーメン型チュービング
図2Aは、30Aで示されるマルチルーメン型チュービング30の第1の実施形態の軸方向断面を表す。具体的には、
図2Aは、マルチルーメン型チュービングが2つの結合された流体送給管31と33とを含む実施形態を表し、流体送給管31と33との間の仮想上の境界が破線で示される。流体送給管31及び33は、それぞれ2つの流体送給ルーメン(本明細書では「潅注ルーメン」とも称される)、すなわち第1の流体送給ルーメン32と第2の流体送給ルーメン34とを画定する。
図2Aに示される実施形態において、第1の流体送給ルーメン32と第2の流体送給ルーメン34とは実質的に同一の軸方向断面積を有する。すなわち、第1の流体送給ルーメン32と第2の流体送給ルーメン34とは実質的に合同であり、同じサイズ(例えば、同じ直径)及び同じ形状(例えば、実質的に円形)を有する。
【0031】
図2Bは、30Bで示されるマルチルーメ型ンチュービング30の第2の実施形態の軸方向断面を表す。具体的には、
図2Bは、マルチルーメン型チュービングが2つの結合された流体送給管31’と33’とを含み、そのそれぞれが第1の流体送給ルーメン32’と第2の流体送給ルーメン34’とを画定する実施形態を表す。
図2Aと同様に、管31’と33’との間の仮想上の境界が破線で示される。しかしながら、
図2Aの実施形態とは対照的に、流体送給ルーメン32’と34’とは異なる軸方向断面積を有する(例えば、それらは異なるサイズである)。
【0032】
図2A及び
図2Bは、2つの実質的に円形のチュービング部材が結合されているため、総じて「8の字形」に似た軸方向断面形状を有するマルチルーメン型チュービング30を表す。或いは、
図3に示されるとおり、30Cとして示されるマルチルーメン型チュービング30は楕円形の(又はその他の扁平化した)軸方向断面形状を有していてもよい。当然ながら、同様に
図3に示されるとおり、流体送給管31”及び33”によってそれぞれ画定される流体送給ルーメン32”及び34”もまた扁平化した軸方向断面形状を有していてもよい。
【0033】
また、マルチルーメン型チュービング30が、
図7に表すものなどの、入れ子状、同軸状又はその他のルーメンを有し得ることも企図される。例えば、
図7に表すマルチルーメン型チュービング30Dは、第2の流体送給管33’’’により画定される第2の流体送給ルーメン34’’’の中に位置する第1の流体送給管31’’’により画定される第1の流体送給ルーメン32’’’を有していてもよい。以下でさらに詳細に説明するとおり、第1の流体送給ルーメン32’’’は潅注流体をより近位の潅注通路に送給してもよく、一方、第2の流体送給ルーメン34’’’は潅注流体をより遠位の潅注通路に送給してもよい。
【0034】
当業者は、マルチルーメン型チュービング30が任意の好適な全体形状(例えば、
図2A及び
図2Bに示されるとおりの8の字形、
図3に示されるとおりの扁平化した形状/レーストラック形状、又は
図7に示されるとおりの入れ子状)をとり得ることを理解するであろう。同様に、流体送給ルーメン32及び34も任意の好適な形状(例えば、円形、楕円形)をとり得る。同様に、流体送給ルーメンは同じ軸方向断面構成(例えば、形状及びサイズ)を有していてもよく、又はサイズ及び/又は形状が異なっていてもよい。換言すれば、マルチルーメン型チュービング30の全体的な構成、並びにそれにより定義されるルーメンの数、サイズ、及び構成は様々であってもよく、カテーテルシステム10の特定の用途に合わせて容易に調整することができる。
【0035】
図2A、
図2B、
図3、及び
図7に示されるとおり、マルチルーメン型チュービング30は、複数の潅注ルーメンを画定する単体のチュービングである。この単体チュービングは一体形成されてもよい(例えば、複数のルーメンを含む管を単一の製造工程で押出しすることによる)。或いは、単体マルチルーメン型チュービング30は、1つ又は複数のルーメンを各々が有する別個に形成された管を、加熱、接着剤によるか、又は別の好適な結合技術を用いて互いに接合することにより形成されてもよい。また、マルチルーメン型チュービング30は、典型的には少なくともカテーテル本体12の長さ全体にわたって単体であるであろうが、その全長に沿って単体である必要はないことも理解されるべきである。例えば、マルチルーメン型チュービング30の近位端は、マルチルーメン型チュービング30がY字形を有するように互いに分離している流体送給管31及び33を有してもよく、これにより流体送給ルーメン32及び34を異なる流体供給部に接続することが可能となる。マルチルーメン型チュービング30には、従来の医療チュービング材料、例えば、PVC、ポリウレタン、及び他のポリマー材料が好適である。
【0036】
専用の潅注通路
図4は、カテーテル本体12の遠位端部分14の第1の実施形態の内部を表す破断図を表す。当然ながら、この構成を電気生理学的マッピングカテーテル102(又は任意の他の潅注式カテーテル又は同様の装置)の遠位端領域100に用いて専用の近位潅注流及び遠位潅注流を送給してもよい。
図4に示されるとおり、カテーテル本体12の遠位端部分14は、少なくとも1つの近位潅注通路36と少なくとも1つの遠位潅注通路38とを含む複数の潅注通路を含む。2つの近位潅注通路36及び1つの遠位潅注通路38しか図示されていないが、任意の数の潅注通路が本教示の趣旨及び範囲内にあるものと見なされる。しかしながら、以下でさらに詳細に考察するとおり、マルチルーメン型チュービング30の各潅注ルーメンはいくつかの潅注通路に流体的に連結される一方、他の潅注通路からは流体的に隔離される。同様に、近位潅注通路36は遠位潅注通路38から流体的に隔離される。
【0037】
図4に見られるとおり、マルチルーメン型チュービング30(例えば、第1の流体送給管31及び第2の流体送給管33)はカテーテル本体12を貫通して延在する。第1の潅注ルーメン32が近位潅注通路36と流体連通し、一方、第2の潅注ルーメン34が遠位潅注通路38と流体連通する。本発明のいくつかの実施形態において、第2の潅注ルーメン34は遠位流体送給通路40を介して遠位潅注通路38と流体連通する。しかしながら、本発明の特定の実施形態では
第2の潅注ルーメン34は遠位潅注通路38と直接流体連通し得ることが企図される。
【0038】
これに対して、第1の潅注ルーメン32は遠位潅注通路38から流体的に隔離され、第2の潅注ルーメン34は近位潅注通路36から流体的に隔離される。従って、第1の潅注ルーメン32が専用の独立した近位潅注流を提供する一方、第2の潅注ルーメン34が専用の独立した遠位潅注流を提供する。
【0039】
典型的には、第1の流体送給管31及び第2の流体送給管33の双方が同じ潅注流体供給源に接続される。しかしながら、本教示の趣旨及び範囲から逸脱することなく各流体送給管が専用の潅注流体供給源に接続されてもよいことは理解されるべきである。しかしながら、いずれの場合にも、ポンプ26が潅注流体を潅注流体供給源から潅注ルーメンを通じて圧送し、潅注通路に送り出すように作動する。
図8は回転ポンプ26とマルチルーメン型チュービング30との間の相互作用を表す。
【0040】
図5は、カテーテル本体12の遠位端部分14の第2の実施形態の内部を表す破断図を表し、これを電気生理学的マッピングカテーテル102(又は任意の他の潅注式カテーテル又は同様の装置)の遠位端領域100に用いて専用の近位潅注流及び遠位潅注流を送給してもよい。カテーテル本体12の遠位端部分14に係るこの実施形態は、
図4には単一の遠位潅注通路のみが示されているのに対して、
図5に示される本発明の実施形態は、3つの遠位潅注通路38を含むものの、
図4に図示されるものといくらか類似している。しかしながら、
図5の実施形態において、第1の潅注ルーメン32は近位流体マニホールド42を介して近位潅注通路36と流体連通する。同様に、第2の潅注ルーメン34は遠位流体マニホールド44を介して遠位潅注通路38と流体連通する。近位流体マニホールド42は流体遮断壁46によって遠位流体マニホールド44から流体的に隔離されている。
【0041】
本発明のいくつかの実施形態を上記にある程度詳細に説明したが、当業者は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく開示される実施形態の代替例を数多く実現し得る。例えば本発明は、二重ルーメン潅注管により供給される2組の(例えば、近位及び遠位の)潅注通路を含むカテーテルに関連して説明したが、2組より多い(例えば、近位、中央、及び遠位の)潅注通路を有するカテーテルに潅注を供給するために、2つより多い潅注ルーメンを有する潅注管を使用し得ることが企図される。
【0042】
同様に本発明は、開放された潅注式構成及び隔離された潅注式構成の双方において十分に有利に用いられ得る。
【0043】
また、本明細書における教示を、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、化学物質、医薬品などの治療物質を含めた任意の流体の送給に容易に適合させ得ることも企図される。同様に、流体の特性(例えば、温度、流速)が流体供給源ごとに異なってもよい。
【0044】
全ての方向に関する指示(例えば、上部、下部、上向き、下向き、左、右、左向き、右向き、最上部、底部、より上方に、より下方に、垂直の、水平の、時計回り、反時計回り)は、読者の本発明についての理解を助けるべく、識別する目的で使用されているに過ぎず、特に本発明の位置、方向又は使用に関して制限を与えるものではない。結合に関する指示(例えば、取り付けられる、連結される、接続されるなど)は、広義に解釈されるべきであり、要素の接続部と、要素の間の相対的な動きと、の間の中間部材を含んでいる場合がある。その様に、結合に関する指示は、2つの要素が直接的に接続されている及び互いに固定した関係にあることを必ずしも推定しているものではない。
【0045】
上記の説明に含まれる又は添付図面に示される全ての内容は、制限的なものとしてではなく、単に例示的なものとして解釈されるべきである。添付の特許請求の範囲で定義されている本発明から逸脱すること無く、細部又は構造に変更を加えることができる。
以下の項目は、国際出願時の特許請求の範囲に記載の要素である。
(項目1)
少なくとも1つの近位潅注通路と、少なくとも1つの遠位潅注通路とを有するカテーテル本体と、
前記カテーテル本体を貫通して延在し、且つ、第1の潅注ルーメンを画定する、第1の流体送給管であって、前記第1の潅注ルーメンが前記少なくとも1つの近位潅注通路と流体連通し、且つ、前記少なくとも1つの遠位潅注通路から流体的に隔離されている、第1の流体送給管と、
前記カテーテル本体を貫通して延在し、且つ、第2の潅注ルーメンを画定する、第2の流体送給管であって、前記第2の潅注ルーメンが前記少なくとも1つの遠位潅注通路と流体連通し、且つ、前記少なくとも1つの近位潅注通路から流体的に隔離されている、第2の流体送給管と、を備える、潅注式カテーテルシステム。
(項目2)
前記第1の流体送給管が前記第2の流体送給管に取り付けられて単体型二重ルーメン流体送給管を形成している、項目1に記載の潅注式カテーテルシステム。
(項目3)
前記単体型二重ルーメン流体送給管は、楕円形状の軸方向断面を有する、項目2に記載の潅注式カテーテルシステム。
(項目4)
前記第1の流体送給管が前記第2の流体送給管と一体形成されて前記単体型二重ルーメン流体送給管を形成している、項目2に記載の潅注式カテーテルシステム。
(項目5)
前記第1の潅注ルーメンと前記第2の潅注ルーメンとが実質的に合同な軸方向断面形状を有する、項目2に記載の潅注式カテーテルシステム。
(項目6)
近位流体マニホールドと、
遠位流体マニホールドと、
をさらに備え、
前記第1の潅注ルーメンは前記近位流体マニホールドを介して前記少なくとも1つの近位潅注通路と流体連通し、且つ、前記第2の潅注ルーメンは前記遠位流体マニホールドを介して前記少なくとも1つの遠位潅注通路と流体連通する、項目1に記載の潅注式カテーテルシステム。
(項目7)
前記少なくとも1つの遠位潅注通路と連通する遠位流体送給通路をさらに備え、
前記第2の潅注ルーメンが前記遠位流体送給通路を介して前記少なくとも1つの遠位潅注通路と流体連通する、項目1に記載の潅注式カテーテルシステム。
(項目8)
前記第1の流体送給管と前記第2の流体送給管とに流体的に接続される少なくとも1つの潅注流体供給源と、
潅注流体を前記少なくとも1つの潅注流体供給源から前記第1の流体送給管と前記第2の流体送給管とを通じて圧送し、前記少なくとも1つの近位潅注通路と前記少なくとも1つの遠位潅注通路とに送り出すように作動可能な少なくとも1つのポンプと、
をさらに備える、項目1に記載の潅注式カテーテルシステム。
(項目9)
前記少なくとも1つの潅注流体供給源は、
前記第1の流体送給管に流体的に接続される第1の潅注流体供給源と、
前記第2の流体送給管に流体的に接続される第2の潅注流体供給源と、
を含む、項目8に記載の潅注式カテーテルシステム。
(項目10)
前記少なくとも1つのポンプは回転ポンプを含む、項目8に記載の潅注式カテーテルシステム。
(項目11)
近位端部分と遠位端部分とを有するカテーテルシャフトであって、前記遠位部分が複数の潅注通路を含む、カテーテルシャフトと、
前記カテーテルシャフトの前記遠位端部分にある少なくとも1つの電極と、
前記カテーテルシャフトの前記近位端部分から前記カテーテルシャフトを貫通して延在し、第1の流体送給ルーメンと第2の流体送給ルーメンとを含む複数の別個の流体送給ルーメンを画定する、マルチルーメン型流体送給管と、を備え、
前記第1の流体送給ルーメンは、前記複数の潅注通路の第1のサブセットと流体連通し、且つ、前記複数の潅注通路の第2のサブセットから流体的に隔離され、
前記第2の流体送給ルーメンは、前記複数の潅注通路の第3のサブセットと流体連通し、且つ、前記複数の潅注通路の第4のサブセットから流体的に隔離される、潅注式電気生理学的カテーテル。
(項目12)
前記複数の潅注通路の第1のサブセットは、前記複数の潅注通路の第4のサブセットと同延であり、
前記複数の潅注通路の第2のサブセットは、前記複数の潅注通路の第3のサブセットと同延である、項目11に記載の潅注式電気生理学的カテーテル。
(項目13)
前記第1の流体送給ルーメンと前記複数の潅注通路の前記第1のサブセットとの双方に流体連通する第1の潅注マニホールドと、
前記第2の流体送給ルーメンと前記複数の潅注通路の前記第3のサブセットとの双方に流体連通する第2の潅注マニホールドと、をさらに備え、
前記第1の潅注マニホールドは、前記第2の潅注マニホールドから流体的に隔離されている、項目11に記載の潅注式電気生理学的カテーテル。
(項目14)
前記第1の流体送給ルーメンと前記第2の流体送給ルーメンとに流体連通する少なくとも1つの潅注流体供給部と、
潅注流体を前記少なくとも1つの潅注流体供給部から前記第1の流体送給ルーメンと前記第2の流体送給ルーメンとを通じて圧送し、且つ前記複数の潅注通路に送り出すように作動可能なポンプと、
をさらに備える、項目11に記載の潅注式電気生理学的カテーテル。
(項目15)
前記少なくとも1つの電極に作動可能に連結された発生器をさらに含む、項目11に記載の潅注式電気生理学的カテーテル。
(項目16)
前記マルチルーメン型流体送給管が扁平化した軸方向断面形状を有する、項目11に記載の潅注式電気生理学的カテーテル。
(項目17)
前記マルチルーメン型流体送給管により画定される前記複数の別個の流体送給ルーメンの各々が実質的に同一の軸方向断面積を有する、項目11に記載の潅注式電気生理学的カテーテル。
(項目18)
潅注式カテーテルアセンブリの製造方法であって、
複数の潅注通路を含むカテーテル本体を提供するステップと、
第1の潅注ルーメンを画定する第1の流体送給管を提供するステップと、
第2の潅注ルーメンを画定する第2の流体送給管を提供するステップと、
前記第1の流体送給管を前記カテーテル本体に挿入するステップと、
前記第1の潅注ルーメンを前記複数の潅注通路の第1のサブセットに流体的に連結するステップと、
前記第1の潅注ルーメンを前記複数の潅注通路の第2のサブセットから流体的に隔離するステップと、
前記第2の流体送給管を前記カテーテル本体に挿入するステップと、
前記第2の潅注ルーメンを前記複数の潅注通路の第3のサブセットに流体的に連結するステップと、
前記第2の潅注ルーメンを前記複数の潅注通路の第4のサブセットから流体的に隔離するステップと、
を含む方法。
(項目19)
前記第1の流体送給管を提供するステップ及び前記第2の流体送給管を提供するステップは、前記第1の潅注ルーメン及び前記第2の潅注ルーメンの双方を画定する一体形成されたマルチルーメン型流体送給管を提供するステップを含む、項目18に記載の方法。
(項目20)
前記第1の流体送給管を前記第2の流体送給管に取り付けるステップをさらに含む、項目18に記載の方法。