【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成23年度、総務省、「情報通信ネットワークの耐災害性強化のための研究開発(大規模災害においても通信を確保する耐災害ネットワーク管理生業技術の研究開発) 課題ア 震災時を想定した有限ネットワーク資源適応的活用技術」委託研究 産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の例示的な実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、実施形態の説明に必要ではない構成要素については図から省略する。
【0011】
<光伝送装置の構成>
まず、
図1乃至
図3を参照して、本発明の実施形態に係る基本概念について説明する。
図1及び
図2は、それぞれ、本実施形態に係る光伝送装置における送信側及び受信側の構成を示すブロック図である。
図1及び
図2に示すように、光伝送装置100は、送信側及び受信側において同様の構成を備えている。
【0012】
光伝送装置100は、送信側の構成(
図1)として、k(kは1以上の整数)個のクライアント側インタフェース(I/F)102−1〜k、クロスコネクトスイッチ101、n(nは1以上の整数)個のライン側I/F 103−1〜n、制御部110、及び通信部120を備える。また、光伝送装置100は、受信側の構成(
図2)として、k個のクライアント側I/F 202−1〜k、クロスコネクトスイッチ201、n個のライン側I/F 203−1〜n、制御部110、及び通信部120を備える。このように、光伝送装置100では、送信側及び受信側に対して共通する制御部110及び通信部120が設けられている。
【0013】
なお、
図1における「送信側」及び「受信側」とは、ライン側I/F 103−1〜nと、当該ライン側I/F 103−1〜nにそれぞれ接続された対向装置(光伝送装置)との間の通信に対応している。即ち、光伝送装置100からライン側の対向装置への通信に対応する構成を「送信側」、ライン側の対向装置から光伝送装置100への通信に対応する構成を「受信側」としている。
【0014】
(クライアント側I/F)
k個のクライアント側I/F 102−1〜k(202−1〜k)は、クロスコネクトスイッチ101(201)に接続されている。クライアント側I/F 102−1〜k及びクライアント側I/F 202−1〜kは、それぞれ、クライアント側の対応する対向装置(クライアント装置)との間で、クライアント信号を受信及び送信する。クライアント側I/F 102−1〜kは、対向装置から受信し、クロスコネクトスイッチ101に送信する信号のフォーマットを、クライアント信号のフォーマットからクロスコネクトスイッチ101が取り扱う信号フォーマットに変換する機能を有する。また、クライアント側I/F 202−1〜kは、クロスコネクトスイッチ201から受信し、対向装置に送信する信号のフォーマットを、クロスコネクトスイッチ201が取り扱う信号フォーマットからクライアント信号のフォーマットに変換する機能を有する。
【0015】
(クロスコネクトスイッチ)
クロスコネクトスイッチ101(201)は、
図1(
図2)に示すように、クライアント側I/F 102−1〜k(202−1〜k)と、ライン側I/F 103−1〜n(203−1〜n)との間に設けられている。クロスコネクトスイッチ101(201)のライン側には、n個のライン側I/F 103−1〜n(203−1〜n)が接続されている。
【0016】
ライン側I/F 103−1〜n(203−1〜n)のそれぞれは、クロスコネクトスイッチ101(201)が備える少なくとも1つのポートと接続されている。本実施形態では、ライン側I/F 103−1〜n(203−1〜n)は、それぞれ、クロスコネクトスイッチが備えるm
x個(m
xは1以上の整数、xは1〜nの整数)のポートと接続されている。ライン側I/Fはn個存在するため、クロスコネクトスイッチ101(201)のライン側のポート数は、m
x(x=1,2,...,n)の総和となる。
【0017】
クロスコネクトスイッチ101(201)は、信号をある入力ポートからある出力ポートへとスイッチングする機能を有する。クロスコネクトスイッチ101(201)は、いずれの入力ポートからの信号でも、任意の出力ポートにスイッチング可能である。このように、クロスコネクトスイッチ101(201)は、各クライアント側I/Fと各ライン側I/Fとの接続状態をスイッチングする機能を有する。
【0018】
(ライン側I/F)
ライン側I/F 103−1〜n及びライン側I/F 203−1〜nは、それぞれ、ライン側の対応する対向装置(光伝送装置)との間で、ライン信号を送信及び受信する。ライン側I/F 203−1〜nは、対向装置から受信し、クロスコネクトスイッチ201に送信する信号のフォーマットを、ライン信号のフォーマットからクロスコネクトスイッチ201が取り扱う信号フォーマットに変換する機能を有する。また、ライン側I/F 103−1〜nは、クロスコネクトスイッチ101から受信し、対向装置に送信する信号のフォーマットを、クロスコネクトスイッチ101が取り扱う信号フォーマットからライン信号のフォーマットに変換する機能を有する。
【0019】
ライン側I/F 103−1〜n(203−1〜n)は、更に、複数のクライアント信号を多重してライン信号に収容する機能を有する。ライン側I/F 103−1〜n(203−1〜n)には、クロスコネクトスイッチ101(201)を介して、少なくとも1つのクライアント側I/Fが接続される。ライン側I/F 103−1〜n(203−1〜n)は、クライアント側I/F 201−1〜k(201〜k)に対応するクライアント信号のうち、接続されるクライアント側I/Fに対応するクライアント信号を収容したライン信号を送信(受信)する。なお、ライン側I/F 203−1〜nは、対向装置から受信したライン信号に収容された各クライアント信号を取り出して、クロスコネクトスイッチ101を介して接続された、当該クライアント信号に対応するクライアント側I/Fに送信する。
【0020】
ライン側I/F 103−1〜n(203−1〜n)は、ライン信号に収容するクライアント信号の量に応じて、ライン信号の伝送速度を可変に制御できる。ライン信号の伝送速度の制御は、ライン信号の多値度(変調多値数)を制御することによって実現できる。
図1では、ライン側I/F 103−1〜n(203−1〜n)はそれぞれ、クロスコネクトスイッチ101(201)のm
x個(xは1〜nの整数)のポートに接続されているため、m
x個のクライアント側I/Fからの接続を収容可能である。即ち、ライン側I/F 103−1〜n(203−1〜n)はそれぞれ、m
x個のクライアント信号をライン信号に収容したライン信号を、対向装置との間で送信(受信)可能である。
【0021】
なお、以下では、例えば「ライン側I/Fがクライアント側I/Fを収容する」と記載した場合、以下を意味するものとする。即ち、ライン側I/Fが、クライアント側I/Fからの接続を収容し、かつ、当該クライアント側I/Fが送受信する(即ち、当該クライアント側I/Fに対応する)クライアント信号を収容したライン信号を取り扱うことを意味するものとする。
【0022】
(制御部)
制御部110は、上述の、クライアント側I/F 102−1〜k及び202−1〜k、クロスコネクトスイッチ101及び201、並びにライン側I/F 103−1〜n及び203−1〜nを(
図3を用いて後述するように)制御する機能を有する。
【0023】
(通信部)
通信部120は、外部のネットワーク(NW)管理システムからの命令を受信して、受信した命令を制御部110に伝える機能を有する。また、通信部120は、制御部110から出力された警報を外部(NW管理システム等)に出力する機能を有する。
【0024】
このように、光伝送装置100は、ライン側I/F 103−1〜n(203−1〜n)の伝送速度を制御可能な光伝送装置の一例である。このような光伝送装置100では、例えば、上述のように、ライン側I/Fの伝送速度に適合した数のクライアント側I/Fを、当該ライン側I/Fに接続可能にする必要がある。より具体的には、(特定の)ライン側I/Fに接続するクライアント側I/Fの数を増加させる場合でも、ライン側I/Fが有する(伝送速度、接続ポート数等の)容量の範囲内で、接続するクライアント側I/Fの数を適切に制御する必要がある。
【0025】
これを達成するために、本実施形態では、制御部110は、クロスコネクトスイッチ101を介して特定のライン側I/Fに接続されるクライアント側I/Fの数を増加または減少させる際に、クロスコネクトスイッチ101の接続状態と、ライン側I/F 103−1〜nの伝送速度とを、以下のように制御する。具体的には、制御部110は、増加または減少後に当該特定のライン側I/Fに接続されるクライアント側I/Fに対応するクライアント信号が、当該特定のライン側I/Fに対応するライン信号に収容可能となるように、制御を行う。なお、制御部110は、送信側だけでなく、受信側のクロスコネクトスイッチ201等についても、同様に制御すればよい。
【0026】
<光伝送装置における制御手順>
以下では、
図3を参照して、本実施形態に係る光伝送装置100における、制御部110による具体的な制御について説明する。なお、光伝送装置100内の装置内の送信I/Fと受信I/Fは対をなしているものとする。即ち、制御部110は、送信側(
図1)と受信側(
図2)とで、各構成要素を同様に制御する。このため、以下では、送信側の制御について説明するが、受信側の制御についても同様である。
【0027】
制御部110は、光伝送装置100が起動して動作を開始すると、S301に処理を進める。S301で、制御部110は、通信部120を介して外部から受信される命令に基づいて、ライン側I/F 103−1〜nに接続するクライアント側I/F 102−1〜kの数の増減に関する命令を確認する。なお、本実施形態では、NW管理システムからそのような命令が受信される場合を一例として想定している。また、受信された命令が示す、対象とする特定のライン側I/Fの番号をα(αは1〜nの整数)とし、当該ライン側I/Fに接続されるクライアント側I/F数をβ(βは0〜kの整数)とする。
【0028】
S301で、制御部110は、受信された命令に基づいて、クロスコネクトスイッチ101を介してライン側I/F 103−αに接続されるクライアント側I/Fの数βを、減少させる場合にはS304へ、増加させる場合にはS302へ、処理を進める。また、S301で、制御部110は、命令自体を受信していない場合には、命令を受信するまでS301で待機する(判定処理を繰り返す)。
【0029】
(ライン側I/Fに接続するクライアント側I/Fの数を増加させる場合)
S302で、制御部110は、ライン側I/F 103−αに、増加後のβ個のクライアント側I/Fを収容可能か否かを判定し、収容可能な場合にはS306へ、収容不可能な場合にはS303へ、処理を進める。即ち、制御部110は、増加後にライン側I/F 103−αに接続されるβ個のクライアント側I/Fに対応するクライアント信号を、当該ライン側I/Fに対応するライン信号に収容可能か否かを判定する。
【0030】
より具体的には、制御部110は、増加後にライン側I/F 103−αに接続されるβ個のクライアント側I/Fに対応する総容量が、当該ライン側I/Fに対して予め定められた最大容量以下であるかを判定する。ここで、総容量は、増加後にライン側I/F 103−αに接続されるβ個のクライアント側I/Fに対応するクライアント信号の伝送速度の総和(BW
client_β)に相当する。また、最大容量は、ライン側I/F 103−αにおけるライン信号の最大伝送速度(BW
line_α)に相当する。なお、ライン側I/F 103−αの最大伝送速度は、例えば、光伝送装置100の工場出荷時に予め初期値として設定される。
【0031】
制御部110は、S302で、ライン側I/F 103−αに、β個のクライアント側I/Fを収容する容量が不足している場合(BW
line_α<BW
client_β)、収容不可能であると判定する。一方、制御部110は、ライン側I/F 103−αにβ個のクライアント側I/Fを収容する容量がある場合(BW
line_α≧BW
client_β)、収容可能であると判定する。このような判定処理により、制御部110は、ライン側I/F 103−αの最大伝送速度の範囲内で、β個のクライアント側I/Fを当該ライン側I/Fに収容可能か否かを判定する。
【0032】
なお、後述する実施例2で示すように、S302の判定処理に用いる総容量を、増加後にライン側I/F 103−αに接続されるクライアント側I/Fの数(β)とし、最大容量を、ライン側I/F 103−αが接続されているクロスコネクトスイッチ101のポート数(m
α)としてもよい。即ち、クロスコネクトスイッチ101を介してライン側I/F 103−αに収容可能(接続可能な)クライアント側I/Fの数(回線数)に相当する容量を、S302の判定処理に用いてもよい。これにより、制御部110は、ライン側I/F 103−αに接続可能なクライアント側I/F数の範囲内で、β個のクライアント側I/Fを当該ライン側I/Fに収容可能か否かを判定する。
【0033】
S302からS303へ処理を進めた場合、制御部110は、ライン側I/F 103−αに、クライアント側I/Fを新たに収容するための容量が不足していることを示す警報を、通信部120を介して外部(ここではNW管理システム)に出力する。即ち、当該警報は、ライン側I/F 103−αに接続するクライアント側I/Fの数を増加不可能であることを示す。制御部110は、警報の出力後、処理をS301に戻す。
【0034】
一方、S302からS306へ処理を進めた場合、制御部110は、ライン側I/F 103−αの伝送速度を増加させる。具体的には、制御部110は、BW
line_α以下で、かつ、BW
client_β以上の伝送速度となるように、ライン側I/F 103−αの伝送速度を設定する。更に、S307で、制御部110は、ライン側I/F 103−αと新たに接続する、増加対象のクライアント側I/Fを、クロスコネクトスイッチ101によって接続させる。その際、制御部110は、クロスコネクトスイッチ101に対して、ライン側I/F 103−αに新たに接続すべきクライアント側I/Fの番号(1〜k)を指定すればよい。その後、制御部110は処理をS301に戻す。
【0035】
(ライン側I/Fに接続するクライアント側I/Fの数を減少させる場合)
S304で、制御部110は、減少対象のクライアント側I/Fと、ライン側I/F 103−αとの接続を、クロスコネクトスイッチ101によって解放させる。その際、制御部110は、クロスコネクトスイッチ101に対して、ライン側I/F 103−αとの接続を解放すべきクライアント側I/Fの番号(1〜k)を指定すればよい。更に、S305で、制御部110は、ライン側I/F 103−αの伝送速度を減少させる。例えば、制御部110は、接続を解放したクライアント側I/Fに対応するクライアント信号の伝送速度に相当する分、ライン側I/F 103−αの伝送速度を減少させればよい。その後、制御部110は処理をS301に戻す。
【0036】
[実施例1]
次に、上述した実施形態に対する具体的な実施例として、
図3乃至
図5を参照して、実施例1及び2について説明する。
図4は、光伝送装置100の送信側の構成例、
図5は、光伝送装置100の受信側の構成例を示している。実施例1及び2のいずれも、光伝送装置100が、6個のクライアント側I/F 102−1〜6及び4個のライン側I/F 103−1〜4を備え、ライン側I/F 103−1に対して接続するクライアント側I/Fの数を段階的に増加させていく例について示す。具体的には、制御部110は、
(1)クライアント側I/F 102−1及び102−2
(2)クライアント側I/F 102−3及び102−4
(3)クライアント側I/F 102−5
の順に、ライン側I/F 103−1に対して接続するクライアント側I/Fの数を増加させることを試みる。なお、以下では、送信側(
図4)の制御について説明するが、受信側(
図5)の制御についても同様である。
【0037】
ここで、ライン側I/F 103−1の最大伝送速度をBW
line_1とする。このため、制御部110は、ライン側I/F 103−1の最大伝送速度(BW
line_1)の範囲内で、クライアント側I/F 102−1〜6をライン側I/F 103−1に収容可能である。また、
図4及び
図5に示すように、ライン側I/F 103−1が接続されているクロスコネクトスイッチ101のポート数は4である。このため、制御部110は、最大で4個の範囲内で、クライアント側I/F 102−1〜6をライン側I/F 103−1に収容可能である。
【0038】
(1)クライアント側I/F 102−1及び102−2の接続
まず、制御部110は、クライアント側I/F 102−1及び102−2をライン側I/F 103−1に接続すべきことを示す命令を、NW管理システムから受信する。この場合、制御部110は、
図3のフローチャートに従って、以下のように処理を実行する。
【0039】
S301で、制御部110は、受信された上記命令に基づいて、クロスコネクトスイッチ101を介してライン側I/F 103−1に接続されるクライアント側I/Fの数を増加させると判定し、処理をS302に進める。
【0040】
S302で、制御部110は、ライン側I/F 103−1に、増加後の2個のクライアント側I/F 102−1及び102−2を収容可能か否かを判定する。ここでは、クライアント側I/F 102−1及び102−2に対応するクライアント信号の伝送速度の総和がBW
line_1以下であるものとする。その結果、制御部110は、ライン側I/F 103−1にクライアント側I/F 102−1及び102−2を収容可能であると判定し、処理をS306に進める。
【0041】
S306で、制御部110は、ライン側I/F 103−1の伝送速度を増加させ、クライアント側I/F 102−1及び102−2に対応するクライアント信号をライン信号に収容可能な伝送速度に設定する。更に、S307で、制御部110は、クライアント側I/F 102−1及び102−2を、クロスコネクトスイッチ101によって、ライン側I/F1 03−1と接続させる。その後、制御部110は、処理をS301に戻す。
【0042】
なお、制御部110は、S307では、ライン側I/F 103−1に接続された、クロスコネクトスイッチ101が有するポートのうち、未使用のポートを使用して、クライアント側I/F 102−1及び102−2とライン側I/F 103−1とを接続すればよい。ここでは、クロスコネクトスイッチ101のポート1〜4はいずれも未使用であるため、ポート1及び2を使用して、クライアント側I/F 102−1及び102−2とライン側I/F 103−1とを接続させるものとする。
【0043】
(2)クライアント側I/F 102−3及び102−4の接続
次に、制御部110は、クライアント側I/F 102−3及び102−4をライン側I/F 103−1に接続すべきことを示す命令を、NW管理システムから受信する。ここでは、クライアント側I/F 102−3については、ライン側I/F 103−1に新たに収容可能であるものとする。この場合、制御部110は、S306で、ライン側I/F 103−1の伝送速度を、クライアント側I/F 102−1〜3に対応するクライアント信号をライン信号に収容可能な伝送速度に設定する。即ち、ライン側I/F 103−1の伝送速度を、既に収容しているクライアントI/F 102−1及び102−2に対応するクライアント信号に加えて、クライアント側I/F 102−3に対応するクライアント信号をライン信号に収容可能な伝送速度に設定する。更に、制御部110は、S307で、クライアント側I/F 102−3を、クロスコネクトスイッチ101のポート3を使用してライン側I/F 103−1に接続させる。その後、制御部110は、処理をS301に戻す。
【0044】
一方、クライアント側I/F 102−4については、ライン側I/F 103−1に新たに収容不可能であるものとする。具体的には、クライアント側I/F 102−1〜4に対応するクライアント信号の伝送速度の総和がBW
line_1を上回るものとする。その結果、制御部110は、ライン側I/F 103−1にクライアント側I/F 102−4を収容不可能であると判定し、処理をS303に進める。
【0045】
S303で、制御部110は、ライン側I/F 103−1に、クライアント側I/F 102−4を新たに収容するための容量が不足していることを示す警報を、通信部120を介してNW管理システムに出力し、処理をS301に戻す。なお、クライアント側I/F 102−5をライン側I/F 103−1に接続すべきことを示す命令をNW管理システムからその後に受信した場合にも、ライン側I/F 103−1の容量不足に起因して、上述のクライアント側I/F 102−4の場合と同様の処理が行われるものとする。
【0046】
本実施例では、ライン側I/F 103−1に接続するクライアント側I/Fの数を増加させる場合に、ライン側I/F 103−1の最大伝送速度に基づいて、接続するクライアント側I/Fの数を制御する。これにより、ライン側I/Fの伝送速度に適合した数のクライアント側I/Fを、ライン側I/Fに接続可能となる。また、ライン側I/Fの伝送速度に適合した数のクライアント側I/Fをライン側I/Fに収容可能となるため、ライン側のリンク利用率を向上させることが可能となる。
【0047】
[実施例2]
実施例2では、ライン側I/F 103−1に接続するクライアント側I/Fの数を増加させる場合に、ライン側I/F 103−1が有する容量として、ライン側I/F 103−1に収容可能なクライアント側I/Fの数(回線数)に基づいて、接続するクライアント側I/Fの数を制御する例について説明する。本実施例では、ライン側I/F 103−1が接続されているクロスコネクトスイッチ101の全ポートを使用した場合にも、ライン側I/F 103−1の最大伝送速度(BW
line_1)の範囲内で、ライン信号の伝送速度を制御できるものとしている。なお、説明の簡略化のため、実施例1と共通する部分については説明を省略しうる。
【0048】
(1)クライアント側I/F 102−1及び102−2の接続
まず、制御部110は、クライアント側I/F 102−1及び102−2をライン側I/F 103−1に接続すべきことを示す命令を、NW管理システムから受信する。ここで、ライン側I/F 103−1に接続されるクライアント側I/F 102−1及び102−2の数(=2)は、ライン側I/F 103−1に収容可能なクライアント側I/Fの数(=4)以下である。このため、S302で、制御部110は、ライン側I/F 103−1にクライアント側I/F 102−1及び102−2を収容可能であると判定する。
【0049】
その結果、S306で、制御部110は、ライン側I/F 103−1の伝送速度を、クライアント側I/F 102−1及び102−2に対応するクライアント信号をライン信号に収容可能な伝送速度に設定する。更に、制御部110は、S307で、クライアント側I/F 102−1及び102−2を、クロスコネクトスイッチ101のポート1及び2を使用してライン側I/F 103−1に接続させる。
【0050】
(2)クライアント側I/F 102−3及び102−4の接続
次に、制御部110は、クライアント側I/F 102−3及び102−4をライン側I/F 103−1に接続すべきことを示す命令を、NW管理システムから受信する。ここで、ライン側I/F 103−1に接続されるクライアント側I/F 102−1〜4の数(=4)は、ライン側I/F 103−1に収容可能なクライアント側I/Fの数(=4)以下である。このため、S302で、制御部110は、ライン側I/F 103−1にクライアント側I/F 102−3及び102−4を収容可能であると判定する。
【0051】
その結果、S306で、制御部110は、ライン側I/F 103−1の伝送速度を、クライアント側I/F 102−1〜4に対応するクライアント信号をライン信号に収容可能な伝送速度に設定する。即ち、ライン側I/F 103−1の伝送速度を、既に収容しているクライアントI/F 102−1及び102−2に対応するクライアント信号に加えて、クライアント側I/F 102−3及び102−4に対応するクライアント信号をライン信号に収容可能な伝送速度に設定する。更に、制御部110は、S307で、クライアント側I/F 102−3及び102−4を、クロスコネクトスイッチ101のポート3及び4を使用してライン側I/F 103−1に接続させる。その後、制御部110は、処理をS301に戻す。
【0052】
(3)クライアント側I/F 102−5の接続
次に、制御部110は、クライアント側I/F 102−5をライン側I/F 103−1に接続すべきことを示す命令を、NW管理システムから受信する。ここで、ライン側I/F 103−1に接続されるクライアント側I/F 102−1〜5の数(=5)は、ライン側I/F 103−1に収容可能なクライアント側I/Fの数(=5)を上回る。このため、S302で、制御部110は、ライン側I/F 103−1にクライアント側I/F 102−5を収容不可能であると判定し、処理をS303に進める。
【0053】
S303で、制御部110は、ライン側I/F 103−1に、クライアント側I/F 102−5を新たに収容するための容量が不足していることを示す警報を、通信部120を介してNW管理システムに出力し、処理をS301に戻す。
【0054】
本実施例では、ライン側I/F 103−1に接続するクライアント側I/Fの数を増加させる場合に、ライン側I/F 103−1に収容可能なクライアント側I/Fの数(回線数)に基づいて、接続するクライアント側I/Fの数を制御する。これにより、ライン側I/Fが収容可能な回線数に適合した数のクライアント側I/Fをライン側I/Fに接続可能となる。
【0055】
なお、上述の実施例1及び2は、適宜組み合わせて実施することも可能である。具体的には、S302で、制御部110は、
・ライン側I/F 103−1に接続される(増加後の)クライアント側I/Fに対応するクライアント信号の伝送速度の総和が、ライン側I/F 103−1の最大伝送速度以下であること、及び
・そのクライアント側I/Fの数が、ライン側I/F 103−1が接続されているクロスコネクトスイッチ101のポート数以下であること、
の両方が満たされる場合に、ライン側I/F 103−1にクライアント側I/Fを収容可能と判定し、それ以外の場合、収容不可能と判定してもよい。
【0056】
以上説明したように、上述の種々の実施形態(実施例)によれば、ライン側I/Fの、伝送速度、収容可能な回線数等の伝送容量に適合した数のクライアント側I/Fを、ライン側I/Fに接続可能となる。また、ライン側I/Fの伝送容量に適合した数のクライアント側I/Fをライン側I/Fに収容可能となるため、ライン側のリンク利用率を向上させることが可能となる。