(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
系列の中の選択された画像の1つずつがそれぞれの値を有するピクセルまたはボクセルのアレイを含み、系列の中の画像に対してセグメンテーションマスクを作成するステップが、受信された入力に基づいて幾何学的形状を指定することによる、請求項1に記載の方法。
選択された画像の1つずつがそれぞれの値を有するピクセルまたはボクセルのアレイを含み、セグメンテーションマスクを作成するステップが前のセグメンテーションマスクの作成によって分離された状態のままにされたピクセルまたはボクセルの領域をセグメンテーションマスクに追加することによる、請求項1に記載の方法。
前記取得するステップの前に、系列の中のある一定の画像および別の系列の中のある一定の画像の1つずつを共通基準系の範囲内で位置合わせするステップをさらに備える、請求項1に記載の方法。
共通基準系の範囲内で特定の画像を位置合わせするステップが、原基準系と相対的に前記画像のズーム、回転、または、並進のうちの1つ以上を行うステップを含む、請求項10に記載の方法。
前記画像は放射線画像であって、前記一方の系列の中の前記画像および前記他方の系列の中の前記画像はそれぞれ異なる放射線モダリティに由来するものである、請求項1に記載の方法。
コンピュータおよび表示機器を有するシステムにおいて患者から得られる生体画像の複数の系列を処理するためのコンピュータ実行可能な命令を備えたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、コンピュータ実行可能な命令が、
いずれかの系列の中のある一定の画像と他の系列の中のある一定の画像とが対応する生体画像の複数の系列を前記コンピュータによって取得するための命令と、
一方の系列の中のある一定の画像のピクセルまたはボクセルを、別の系列の中のある一定の画像の対応するピクセルまたはボクセルに合わせて整列させるように、前記コンピュータによって位置合わせ処理を実行するための命令と、
前記一方の系列から1つ以上の選択画像を受信するための命令と、
前記一方の系列の中の前記1つ以上の選択画像のそれぞれに個別のセグメンテーションマスクを前記コンピュータによって作成するための命令と、
前記個別のセグメンテーションマスクを前記他方の系列の中の対応する画像に適用し、そして、前記対応する画像に亘る関心対象の体積の断面に対応する領域を示す画像の組を取得するための命令と、
前記画像の組に基づいて、前記コンピュータで体積計算を実施し、そして、前記画像の組からの画像を前記表示機器に表示するための命令と、を備え、
前記適用するための命令は、前記対応する画像の中の各ピクセルまたは各ボクセルに対し、前記ピクセルまたはボクセルがセグメンテーションマスクによって捕捉されるかどうかを決定するための命令を含む、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
前記一方の系列が拡散強調または灌流強調のどちらかであって、前記他方の系列が拡散強調または灌流強調のもう一方である、請求項13に記載のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
前記一方の系列は第1の放射線モダリティに由来し、前記他方の系列は前記第1の放射線モダリティとは異なる第2の放射線モダリティに由来する、請求項13に記載のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【背景技術】
【0002】
脳卒中は、先進国における疾病および死亡の主要な原因の1つである。脳卒中は脳血管に障害が起こるときに発生する。脳卒中は、「血管原因であると推定される突然の神経学的欠損」として定義されている(「Accidents vasculaires cerebraux」:Bogousslavsky J,Bousser MG,Mas JL,1993,95−103,Doin editeursにおけるBousser MG:Classification et orientation generales du diagnosticからの翻訳)。
【0003】
2つの主要な脳卒中の型、すなわち、出血性脳卒中と虚血性脳卒中とが存在する。出血性脳卒中は比較的稀であり、血管が破裂したときに起こり、脳の一部に血液が流入する。これに反して、虚血性(または非出血性)脳卒中ははるかに一般的であり、血管が閉塞したときに(たとえば、凝血塊に起因して)起こり、脳神経組織から酸素を奪い、治療されないまま放置されると最終的に壊死をもたらす。
【0004】
虚血性脳卒中は、典型的に、血栓溶解剤、すなわち、問題としている血管の閉塞を引き起こした凝血塊を溶解することを目的とする薬の投与によって治療される。この手法は血流を低潅流エリアに戻し、閉塞した血管木の枝と吻合する側副動脈から血流を受け取っているため取り返しがつかないほどには損傷を受けていない病変した脳組織の部分を回復する可能性がある。これらの部分は「虚血性半影部」として知られているが、酸素剥奪が原因で取り返しがつかないほどに損傷を受けた脳組織の部分は「コア虚血性ゾーン」として知られている。さらなる情報は、セントルイスにあるワシントン大学のInternet Stroke Centerを閲覧することによってインターネット上で見つけられる(http://www.strokecenter.org/education/ais_pathogenesis/22_ischemic_penumbra.htm)。
【0005】
したがって、血栓溶解(すなわち、血栓溶解剤を使う治療)の成功は、虚血性脳卒中を患った患者への薬の迅速な投与に依存する。脳細胞が毎分数(約4)百万ニューロンの速度で減少するので、臨床医は、少しでも成功の希望がある場合、脳卒中の発生から(典型的に、僅かに数時間であると考えられる)狭い時間窓の範囲内で活動することになる。血栓溶解剤がこの時間窓の範囲内で患者に投与された場合、虚血性半影部を回復できることがある。しかし、重度低潅流エリアの再潅流は、付随する合併症と共に出血をもたらす可能性がある。患者の回復可能な脳組織が僅かしかないことが最初からわかっている場合(すなわち、最初から楽観的な結果の見通しが暗い場合)、血栓溶解剤の投与は患者を害する危険性を不必要に高めることになる。
【0006】
これらの理由のため、血栓溶解剤の投与の決定は自動的ではない。それどころか、血栓溶解剤の投与の決定は、虚血性半影部が薬理学的治療を正当化するために十分に大きいかどうかと、血栓溶解剤に付随する出血の危険性とに応じて行われる。したがって、他にも要因はあるが中でもこの危険性/利益のシナリオの正確かつ迅速な評価は、脳卒中症状のある患者治療の初期段階において重大である。
【0007】
意志決定プロセスの一部分として、臨床医は、典型的に、磁気共鳴画像(MRI)装置のような放射線機器によって取得された多数の画像を観察し検討することによって、虚血性半影部およびコア虚血性ゾーンのサイズを評価しなければならない。画像の型および提示の差違に起因して、極めて高度の経験をもつ臨床医だけが血栓溶解剤の投与を決定するためにこれらの画像から有用な診断情報を抽出することが可能である。しかし、必要なレベルの経験を有する臨床医の数は、虚血性脳卒中病状の増加を必然的にもたらす、増大し、かつ、高齢化する人口の需要を満たすには不足することが予想される。
【0008】
その結果として、より広範囲の臨床医が虚血性脳卒中に冒された患者に血栓溶解剤を投与することの犠牲と利益とを評価することを可能にする改善された画像表示および処理ツールが診断プロセスを実現しやすくするために必要とされる。
【発明の概要】
【0009】
本発明の第1の広義の態様は、コンピュータおよび表示機器を有するシステムにおいて患者から得られる生体画像の複数の系列を処理する方法であって、
いずれかの系列の中のある一定の画像と他の系列の中のある一定の画像とが対応する生体画像の複数の系列を前記コンピュータによって取得するステップと、
一方の系列の中のある一定の画像のピクセルまたはボクセルを、別の系列の中のある一定の画像の対応するピクセルまたはボクセルに合わせて整列させるように、前記コンピュータによって位置合わせ処理を実行するステップと、
前記一方の系列の中の選択された画像に対してセグメンテーションマスクを前記コンピュータによって作成するステップと、
前記セグメンテーションマスクを前記他の系列の中の対応する画像に適用し、そして、前記対応する画像に亘る関心対象の体積の断面に対応する領域を示す画像の組を取得するステップと、
前記画像の組に基づいて、前記コンピュータで体積計算を実施し、そして、前記画像の組からの画像を前記表示機器に表示するステップと、を備え
、
前記適用するステップは、対応する画像の中の各ピクセルまたは各ボクセルに対し、前記ピクセルまたはボクセルが前記セグメンテーションマスクによって捕捉されるかどうかを決定するステップを含む方法を提供することを目指す。
【0010】
本発明の第2の広義の態様は、コンピュータおよび表示機器を有するシステムにおいて患者から得られる生体画像の複数の系列を処理するためのコンピュータ実行可能な命令を備えたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供することを目指す。コンピュータ実行可能な命令が、
いずれかの系列の中のある一定の画像と他の系列の中のある一定の画像とが対応する生体画像の複数の系列を前記コンピュータによって取得するための命令と、
一方の系列の中のある一定の画像のピクセルまたはボクセルを、別の系列の中のある一定の画像の対応するピクセルまたはボクセルに合わせて整列させるように、前記コンピュータによって位置合わせ処理を実行するための命令と、
前記一方の系列から1つ以上の選択画像を受信するための命令と、
前記一方の系列の中の前記1つ以上の選択画像のそれぞれに個別のセグメンテーションマスクを前記コンピュータによって作成するための命令と、
前記個別のセグメンテーションマスクを前記他方の系列の中の対応する画像に適用し、そして、前記対応する画像に亘る関心対象の体積の断面に対応する領域を示す画像の組を取得するための命令と、
前記画像の組に基づいて前記コンピュータで体積計算を実施し、そして、前記画像の組からの画像を前記表示機器に表示するための命令と、を備え
、
前記適用するための命令は、前記対応する画像の中の各ピクセルまたは各ボクセルに対し、前記ピクセルまたはボクセルがセグメンテーションマスクによって捕捉されるかどうかを決定するための命令を含む。
【0012】
本発明のこれらの態様および特徴と他の態様および特徴とは、発明の特有の実施形態についての以下の説明を添付図面と併せて検討すれば当業者に明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0014】
説明および図面は、発明のいくつかの実施形態の例示の目的のためだけであり、理解の手掛かりであることが明白に理解されるべきである。説明および図面は発明の限定の定義であることを意図されていない。
【0015】
本発明の非限定的な実施形態は、生体画像を処理する方法を実施する画像処理ツールを提供する。これらの方法は、
図1に示されたコンピュータ100のようなコンピューティング装置によって少なくとも部分的に実行されることがある。コンピュータ100は、第1のメモリ104、第2のメモリ106、入力108および出力110に通信的に接続された処理エンティティ部102を有する。処理本体部102は、コンピュータ実行可能な命令およびデータを処理する1台以上のプロセッサを含むことがある。コンピュータ100が
図1に示されていない他のコンポーネントを含むこともあることは当業者によって理解されるであろう。さらに、コンピュータ100は、ネットワーク(図示せず)を介して他の装置およびシステム(図示せず)と通信することがあることも認められるべきである。たとえば、このような他の装置およびシステムは、健康管理の場面において患者の放射線画像および他の生体画像を蓄積するため一般に使用されるPACS(画像保存通信システム)を含むことがある。
【0016】
第1のメモリ104はコンピュータ実行可能な命令および/またはデータを記憶するコンピュータ読み取り可能な媒体を備える電子的記憶装置でもよい。第1のメモリ104は、実行時に処理本体部102によって容易にアクセス可能であり、コンピュータ実行可能な命令および/またはデータを記憶する揮発性メモリ(たとえば、ランダム・アクセス・メモリ−RAM)を含むことがある。第2のメモリ106はコンピュータ実行可能な命令および/またはデータを記憶するコンピュータ読み取り可能な媒体を備える電子的記憶装置でもよい。第2のメモリ106は、コンピュータ実行可能な命令およびデータを永久的に記憶する不揮発性メモリ(たとえば、フラッシュEEPROM)を含むことがある。たとえば、第2のメモリ106は電子ファイル116を記憶することがある。ファイル116は、患者の放射線画像(特に、MRI画像)、および/または、他の形式の生体画像のような画像を符号化する。いくつかの実施形態では、生体画像は二次元でもよく、各画像はそれぞれの値を有する複数の画素(ピクセル)を含むことがある。他の実施形態では、生体画像は三次元でもよく、各画像はそれぞれの値を有する複数の体積要素(ボクセル)を含むことがある。
【0017】
入力108は、リアルタイムで患者に血栓溶解剤を投与するかどうかを決定しようとしている臨床医、または、模擬課題に参加している学生のようなユーザ114からコマンドおよび他の入力を受信するため使用されることがある。入力108は、たとえば、限定されることはないが、キーボード、マウス、マイクロホン、タッチスクリーン、および、画像取得装置(たとえば、スキャナ、カメラ、X線装置、MRI装置など)を含む1台以上の入力機器を含むことがある。1台以上の入力機器は、可搬型メモリ112のようなコンピュータ読み取り可能な媒体の他に、このような媒体にアクセスするため不可欠な機器を含むこともある。1台以上の入力機器は、物理的に、または、通信接続を介するかのどちらかによって、処理エンティティ部102に局所的または遠隔的に接続されることがある。
【0018】
出力110は、スクリーン/モニタのような表示機器を含むことがある1台以上の出力機器を含むことがある。出力機器の他の例は、限定されることなく、プリンタと、スピーカと、コンピュータ書き込み可能な媒体の他にこのような媒体に書き込むため不可欠な機器とを含む。1台以上の出力機器は、物理的に、または、通信接続を介するかのどちらかによって、処理エンティティ部102に局所的または遠隔的に接続されることがある。
【0019】
処理エンティティ部102がメモリ104、106、112のうちの1つ以上によって記憶されたコンピュータ実行可能な命令を実行するとき、コンピュータ100は、本明細書中に記載された1つ以上の方法を実行することを誘発されてもよい。本明細書中に記載された方法が本明細書中に記載された1つ以上の計算または機能を実行する回路を有するハードウェア機器を使用して実施されることもあることが認められるであろう。コンピューティング装置のための他の構成も同様に本発明の範囲内である。
【0020】
本発明のいくつかの非限定的な実施形態は、虚血性脳卒中の診断および治療に用途がある。これに関連して、生体画像のいくつかのクラスは特に重要である。第1のクラスの生体画像は、拡散強調磁気共鳴画像化によって取得され、以下では、DWI画像と呼ばれる。DWI画像は、限定されることなく、
−B0と、
−B500と、
−B1000と、
−ADC(見かけ拡散係数)と、
−FLAIR(水抑制反転回復)と、
−T1(スピン−格子緩和時間)と、
−T2(スピン−スピン緩和時間)と、
−その他と、
を含む種々のパラメータを解明できる。
【0021】
第2のクラスの生体画像は、灌流強調磁気共鳴画像化によって取得され、以下では、PWI画像と呼ばれる。灌流は、毛細血管を通る柔組織への血液の定常状態送達であり、水と細胞材料との微視的なコヒーレント運動を表現する。PWI画像は、限定されることなく、
−CBV(脳血液量)と、
−CBF(脳血流量)と、
−MTT(平均遷移時間)と、
−TTP(ピーク到達時間)と、
−その他と、
を含む種々のパラメータを解明できる。
【0022】
灌流MRIを実行するよく知られた方法は、造影剤を注入し、脳内の造影剤の通過を観測することである。このようにして、PWI画像は未加工画像の時系列に計算を実行することによって取得可能であることが認められるであろう。このような計算の様々な非限定的な例、および、灌流MRI一般に関する情報のため、参考のため本明細書に組み込まれた以下の参考文献を参照することが可能である。
【0023】
−Gregory Sorensen,Peter Reimer:Cerebral MR Perfusion Imaging,Princples and Current Applications,Eds.Thieme,2000、および、
−Wu O,Ostergaard L,Weisskoff RM,Benner T,Rosen BR,Sorensen AG:Tracer arrival timing−insensitive technique for estimating flow in MR−perfusion−weighted imaging using singular value decomposition with a block−circulant deconvolution matrix,Magn Reson Med.2003 Jul;50(1):164−74
PWI画像を使用して解明され得る別の血流力学パラメータは、対側中大脳動脈からの動脈入力関数を使用する「経時的組織濃度」曲線の逆畳み込みを必要とする残留関数のピーク到達時間(「Tmax」と省略されることがある)である。
【0024】
以下の参考文献は、脳血流の測定量および他のパラメータに関する付加的な情報を提供する。
【0025】
−Ostergaard L,Weisskoff RM,Chesler DA,et al.High resolution measurement of cerebral blood flow using intravascular tracer bolus passages,part I:mathematical approach and statistical analysis.Magn Reson Med 1996;36:715−725
−Ostergaard L,Sorensen AG,Kwong KK,et al.High resolution measurement of cerebral blood flow using intravascular tracer bolus passages,part II:experimental comparison and preliminary results.Magn Reson Med 1996;36:726−736
以下の説明の目的のため、上記パラメータのうちの少なくともいくつかを明らかにする生体画像(DWI画像およびPWI画像を含む)は、処理および/または表示のためコンピュータ100で利用可能であると仮定する。このような利用可能性は、生体画像がメモリ106にファイル116として記憶されていることによって、または、PACSなどによって生じ得る。特定のパラメータを明らかにする画像の組は、以下では、画像の「系列」を形成すると言われる。よって、コンピュータ100によって処理および/または表示のため利用できる複数の画像の系列が存在する。1つ以上の系列がDWI画像を含むことがあり、一方、別の1つ以上の系列がPWI画像を含むことがある。
【0026】
以下の説明の目的のため、
図3に関連して、所与の系列306の中の各生体画像3041、3042、3043、3044は、特定の横断面スライス高さH1、H2、H3、H4での患者の脳302の二次元横断面画像である。画像の横断面スライス高さは、ファイル116のヘッダ部のような画像を符号化するファイルのヘッダ部に示されることがある。このようなファイルの共通フォーマットはDICOM(「医療におけるデジタル画像と通信」の略語)であり、このフォーマットは、添付画像が撮影された横断面スライスの高さを指定するDICOMヘッダを含む。他の実施形態では、ヘッダを含まないことがあり、そのために横断面スライスの高さが異なる形式で記録される独自のファイルフォーマットを含むDICOM以外のファイルフォーマットが使用されるかもしれないことが認められるであろう。他の用途では、横断面以外(たとえば、矢状断面または冠状断面)のビューが対象となることも認められるであろう。
【0027】
メモリ104、106、112のうちの1つ以上に記憶されたコンピュータ読み取り可能な命令を実行するときにコンピュータ100によって実行されることがある例の方法についての非限定的な説明が今度は
図2のフローチャートを参照して与えられる。特に、この方法は、位置合わせのステップ202と、画像対応付けのステップ204と、表示のステップ206と、フィルタリングのステップ208と、体積計算のステップ210とを含む。必ずしもこれらのステップの全部がすべての実施形態において不可欠でないことは認められるであろう。以下の説明中、簡単化の理由で、ボクセルを参照することも可能であるという了解の下でピクセルが参照される。
【0028】
ステップ202:位置合わせ
位置合わせのステップ202は、一般に、系列の全部における全画像が同じピクセル間隔、原点、および、方向性を有することを確実にするステップを含む。これは、ズーム、並進、および、回転の演算を使用することによって実現され得る。特に、
a)同じピクセル間隔を実現するため、各画像が距離の単位に関してその画像のためのピクセル間隔を示すヘッダと関連付けられている非限定的なシナリオを考慮する。基準ピクセル間隔は、(たとえば、様々な系列の中の様々な画像の中でのピクセル間隔中央値として)コンピュータ100によって自動的に、または、入力108を介してユーザ114によって手動で選択される。次に、ピクセル間隔が基準ピクセル間隔に等しくない全画像に対して、(限定されることなく、最近傍補間関数のような)補間関数が、基準ピクセル間隔を実現するためこれらの画像に適用される。当然ながら、他の形式の補間、および、一般に、他の方法が共通ピクセル間隔を実現するため本発明の範囲を逸脱することなく考えられる。
【0029】
b)同じ原点を実現するため、各画像の原点は、各系列の各画像の中の同じ生理学的構造を指す点(たとえば、ピクセル)でもよい。原点は、入力108を介してユーザ114によって手動で選択されてもよいが、自動機構が本発明の範囲を逸脱することなく使用され得る。原点が画像毎に特定されると、絶対原点(すなわち、処理が完了すると原点が全画像に対して現れる座標)が選択され、次に、原点が絶対原点に一致しない各画像の並進をこの対応関係が実現されるまで実施すれば十分である。
【0030】
c)同じ方向性を実現するため、共通原点(上記b)を参照のこと)を有する全画像を使って、各系列の各画像の中で第2の共通の生理学的構造を指す第2の基準点(たとえば、ピクセル)が特定される。第2の基準点は入力108を介してユーザ114によって手動で選択されてもよいが、自動機構が本発明の範囲を逸脱することなく使用され得る。第2の基準点(すなわち、処理が完了すると第2の基準点が全画像に対して現れる座標)が各画像に対し特定され、次に、第2の基準点が絶対基準点に一致しない各画像の回転をこの対応関係が実現されるまで実施すれば十分である。
【0031】
ステップ204:画像対応付け
特定の系列の中の画像が異なる横断面スライス高さで撮影されたすべて横断面スライスである非限定的なシナリオを考える。多数の系列が存在することをさらに考える。このとき、画像対応付けのステップ204は、一般に、各系列から1つずつ、類似する横断面スライス高さを有する画像のグループを特定しようとするステップを含む。特定の画像の横断面スライス高さに関する情報は、画像を伴うヘッダで入手できることがある。類似した2個の横断面スライス高さからなる理想的な例は、同一である2個の横断面スライス高さを含む。このように、特定の横断面スライス高さHをもつ系列Aの中の画像と、同様に横断面スライス高さHをもつ系列Bの中の画像とは、画像対応関係を示すと言うことができる。しかし、より一般的には、異なる系列の中の画像は系列毎に異なる横断面スライス高さを有することがわかる。実際上、各系列の中の画像の数はそれ自体が異なることがある。
【0032】
図5に関連して、2つの系列AおよびBの中の画像のペアの間で画像対応付けのステップ204を実行する1つの非限定的な方法は以下の通りである(様々な画像は位置合わせステップ202に従って位置合わせ済みであることを仮定する)。サブステップ502で、系列Aおよび系列Bの中で正確に同じ横断面スライス高さを有する(すなわち、横断面スライス高さの差が零である)画像の全ペアを選択する。サブステップ504で、許容可能な横断面スライス高さ差ΔHが(たとえば、高さの1単位まで)増加され、ステップ502が繰り返される。すなわち、系列Aおよび系列Bの中の残りの画像から、高さの1単位の差で異なる横断面スライス高さを有する画像の全ペアを選択する。許容可能な横断面スライス高さ差はステップ504で再び増加され、プロセスは最大許容可能な高さ差ΔHmaxに達するまで続く(ステップ506)。最大許容可能な高さ差ΔHmaxは、この高さ差を超える2つの画像はZ方向(すなわち、軸方向)に単に非常に離れているので、これらの2つの画像が互いに対応していると言うことができないという高さ差を表す。
【0033】
サブステップ508で、ステップ502によって系列Bの中の画像とペアにされなかった系列Aの中の画像に対し、ブランク対応B系列画像を作成し、ステップ502によって系列Aの中の画像とペアにされなかった系列Bの中の画像に対し、ブランク対応A系列画像を作成する。サブステップ510で、各系列の中の画像(ここでは、ブランク画像を含んでいる可能性がある)は、それらの横断面スライス高さ(または、ブランク画像の場合、もう一方の系列の中の対応する画像の横断面スライス高さ)に従って順序付けされる。サブステップ512で、インデックス(たとえば、「j」)が各系列の中の対応する画像に与えられる。このようにして、A(j)で示された画像は、問題としている「画像」はブランクでも構わないことを想起すると、jのどのような値に対しても、B(j)で示された画像に対応することになる。
【0034】
ステップ206:表示
表示のステップ206は、一般に、1つの系列の中の数個の画像、および/または、(1個以上のjの値に対する画像A(j)およびB(j)のような)2つ以上の系列の中の対応する画像を同時に見るためにスクロール機能を提供するステップを含む。対応する画像は類似した横断面スライス高さを有することがわかった画像であることに注意を要する。
【0035】
一般的な意味では、
図4に示されているように、M行N列の表402が提示されてもよい。M(すなわち、行、つまり、系列の個数)およびN(すなわち、列、つまり、1系列当たりの画像の個数)は可変であり、入力108を用いてユーザ114により変更可能であることが認められるであろう。本例では、M=2であり、特に、系列AおよびBからの画像が表示される。同様に、本例では、N=4であり、特に、インデックス1、2、7および8を有する画像が表示される。
【0036】
同様に、スクロール機能は、たとえば、ユーザ114が表示すべきN個のインデックス(N個のインデックスは連続していてもよく、または、個別に選択されてもよい)を操作することを可能にする水平ナビゲーションバー404によって提供されてもよい。同様に、スクロール機能は、たとえば、ユーザ114が表示するための画像をM個の系列のうちのどの系列から選ぶかを示すことを可能にする垂直ナビゲーションバー406によって提供されてもよい。
【0037】
主要な検討事項が表402の中にどのように画像を表示するかであることは認められるであろう。明らかに、1つの選択肢は、8または16ビットのダイナミックレンジを有する階調ピクセル値を与えることがあるファイル116の未加工画像内容を表示することである。しかし、カラー体系を利用する方が(短い期間の間に多数の画像を見ることを必要とする)臨床医にとってより役立つことがある。カラー体系が利用されるとき、ピクセルの値は色にマップされる。虹色、灰色などを含むいくつかの標準的なカラー体系と、カスタム化されたカラー体系とが提供され得る。異なる画像系列に対し、同じカラー体系が使用されても、異なるカラー体系が使用されてもよい。タッチアップパネル408A、408Bは系列毎に設けられてもよく、それによって、カラー体系が特定の画像系列毎に選択され得る。タッチアップパネル408A、408Bは、コントラストおよび輝度のような他の画像処理特徴を手動で当てはめるためにも使用され得る。
【0038】
特定の系列のため選択されたカラー体系を自動的に最適化することも本発明の範囲に含まれる。特に、カラー体系は、ピクセル値にマップされた色のレンジを有する。最適化無しの場合、いくつかの非常に認識しやすい色が、特定の系列の中の画像に現れないピクセル値にマップされているため、実際には表示機器にレンダリングされないことがある。選択されたカラー体系を最適化するため、(ボタンのような)自動レベルグラフィック要素410A、410Bは、ユーザ114が「自動レベル」機能を選択することを可能にする。自動レベル機能は、特定の系列の画像の中のピクセルの値をm−sとm+sの範囲内に制限することによって特定の系列の画像のコントラストおよび輝度を調節し、ここで、mおよびsは、それぞれ、(i)1つずつの個別の画像の範囲内、または、(ii)系列の全画像の間での平均ピクセル値およびピクセル値の標準偏差である。後者の選択肢の下で、特定の系列がAである場合、(当然ながら、画像A(p)およびA(q)の中に「赤」ピクセルが存在するならば)いずれのpおよびいずれのqに対しても、画像A(p)の中の「赤」ピクセルは、画像A(q)の中の「赤」ピクセルのピクセル値と同じである値に対応することになる。
【0039】
タッチアップパネル408A、408B、および/または、自動レベルボタン410A、410Bの作動は、コンピュータ100に原ファイル116を変更することなく表示機器にレンダリングされているような系列の中の画像の見かけを変化させる。これは以下の通り実現され得る。
図7を参照すると、対象となる画像(たとえば、DICOM画像)は、メモリの中のファイル116のうちの1つ、たとえば、ファイル702に記憶されているピクセル値を有する。これらのピクセル値は、位置合わせステップ202のように処理され、それによって、メモリの中の第2のファイル704に記憶される新しいピクセル値の組を生じる。第2のファイル704の内容は第3のファイル706にコピーされる。該当する場合、第2のファイル704の内容はフィルタリングステップ208によって「セグメンテーションマスク」を生成するためにさらに使用される(以下を参照のこと)。セグメンテーションマスクは、その後、第2のファイル704の内容に適用され、それによって、メモリの中の第3のファイル706に記憶される新しいピクセル値の組を生じる。第3のファイル706の内容は、自動レベルボタン410A、410Bが作動されたとき、最適化されたカラー体系を計算するため使用される。その後、(最適化されているかどうかとは無関係に)選択されたカラー体系と(該当する場合、輝度およびコントラストのような)他の機能とが第3のファイル706の内容に適用され、メモリの中の第4のファイル708に記憶される(カラー情報を格納しているため高解像度である)新しいピクセル値の組を生じる。第4のファイル708は、このようにして、表示機器によってレンダリングされる実際のカラー値を格納する。
【0040】
ステップ208:フィルタリング
フィルタリングのステップ208は、入力108を介して作成され得るセグメンテーションマスクに基づいて実行される。セグメンテーションマスクは、セグメンテーションマスクによって捕捉されたピクセルの値を(零のような)ベースライン値に持ち込むことによって画像から除去されるべきピクセルの組を定める。セグメンテーションマスクは、限定されることなく、以下の技術を含む様々な技術によって作成され得る。
【0041】
a)ピクセルが有効区間[x,y]に制約されているソース画像を使用し、それによって、値が有効窓の範囲の外側にあるピクセルがセグメンテーションマスクの一部を形成すると考えられる。
【0042】
b)たとえば、自由な形式で幾何学的形状を明示的に特定し、または、多角形描画ツールを使用し、それによって、幾何学的形状の範囲内のピクセルがセグメンテーションマスクの一部を形成すると考えられる。
【0043】
c)手付かずのピクセルの分離した領域をそのまま残すセグメンテーションマスクに基づいて、これらの領域をセグメンテーションマスクの中に吸収する。
【0044】
セグメンテーションマスクは、一旦作成されると、画像に適用される。セグメンテーションマスクの適用は、セグメンテーションマスクによって捕捉されたピクセルの値をベースライン値まで持ち込み、他のピクセルの値をそのままの状態で放置する。結果はフィルタ済みの画像の作成である。
【0045】
セグメンテーションマスクは、セグメンテーションマスクが作成された元の画像に適用可能であるが、他の系列に現れ、セグメンテーションマスクが作成された元の画像に対応する画像にも適用可能である(対応関係は上述のステップ204に従って確立される)。対応する画像は同じピクセル間隔、原点および方向性を有するので、セグメンテーションマスクは、セグメンテーションマスクが作成された元の画像に対応する全画像に亘って幾何学的に「当てはまる」。いくつかの場合に、同じセグメンテーションマスクが異なる横断面スライス高さに現れる画像のため使用され得るが、隣接する横断面スライスの間に生理学的な寸法のばらつきに起因して異なる横断面スライス高さに対し異なるセグメンテーションマスクを作成する方が好ましい。
【0046】
作成可能であるセグメンテーションマスクの非限定的な例は、いくつかの考えられる用途と共に、以下の通り与えられる。
【0047】
a)
図6Aを参照すると、セグメンテーションマスク604は、B1000型のDWI画像から取得され、ピクセルが有効区間に制約されているソース画像602を使用して作成可能である。セグメンテーションマスク604の適用は頭蓋骨を表すピクセルを分離させるため役立つ可能性がある。
【0048】
b)
図6Bを参照すると、セグメンテーションマスク622は、CBV型のPWI画像から取得され、ピクセルが有効区間に制約されているソース画像612を使用して作成可能である。セグメンテーションマスク622の適用は患者の大血管を表すピクセルを分離させるため役立つ可能性がある。
【0049】
c)
図6Cを参照すると、セグメンテーションマスク624は、ADC型のDWI画像から取得され、ピクセルが有効区間に制約されているソース画像614を使用して作成可能である。セグメンテーションマスク624の適用は脳脊髄液(CSF)を表すピクセルを分離させるため役立つ可能性がある。より詳しい情報のため、Imagerie de diffusion et de perfusion par resonance magnetique de l’encephale,G.Cosnard et al.,LOUVAIN MED.118:129−140,1999を参照できる。
【0050】
d)TTP型PWI画像またはMTT型灌流強調画像から取得され、ピクセルが有効区間に制約されているソース画像を使用して作成されたセグメンテーションマスクは、虚血性脳卒中によって冒されたエリアを表すピクセルを分離させるため役立つ可能性がある。
【0051】
e)CBF型PWI画像から取得され、ピクセルが有効区間に制約されているソース画像を使用して作成されたセグメンテーションマスクは、値が異常なピクセルを分離させるため役立つ可能性がある。
【0052】
セグメンテーションマスクの他の用途は、当然ながら、本発明の範囲に含まれる。
【0053】
上述のセグメンテーションマスクのうちのいくつかは、同じ画像(または画像の系列)に代わる代わる適用可能であり、「複合」セグメンテーションマスクの用途をもたらし、ノイズ、頭蓋組織、脳脊髄液、および、大血管を除去する形状を有し、よって、脳組織内の対象となる主要な形状の改善された可視性を提供することが認められるであろう。このようにして、多数の系列から取り出された多数のセグメンテーションマスクは同じ系列に適用可能である。同様に、同じ原セグメンテーションマスクが、セグメンテーションマスクが取り出された画像を格納する系列を含む多数の系列の中の画像に適用可能である。
【0054】
よって、たとえば、コア虚血性ゾーン、すなわち、酸素剥奪が原因で取り返しがつかないほどに損傷を受けた組織を特定する状況では、セグメンテーションマスクは頭蓋骨および脳脊髄液を除去するため作成され得る。その後、B1000系列またはADC系列が表示され得る。そこから、1つ以上のさらなるセグメンテーションマスクを作成し適用することにより、コア虚血性ゾーンを表す領域を特定することが可能であることがある。第1のこのさらなるセグメンテーションマスクは、値がスレッショルドを下回るピクセルを除去するため使用され得る。第2のこのさらなるセグメンテーションマスクは残りの分離ピクセルを吸収することにより作成され得る。最後に、複合セグメンテーションマスクによって捕捉されなかったピクセルは、コア虚血性ゾーンの中の脳組織のエリアを表す。
【0055】
次のステップは、したがって、体積計算を実行することである。
【0056】
ステップ210:体積計算
体積計算のステップ210は、所与の系列の複数の画像に関して実行される。対象となる1つの特有の体積計算は、コア虚血性ゾーンの体積を推定しようとする。特に、上述された方法のような方法によって各横断面スライスの中でコア虚血性ゾーンを特定した後、コンピュータ100は、コア虚血性ゾーンの総体積を推定可能である。この推定は、基本的には特定された領域の面積とスライス間の軸断面距離との積の計算であるが、隣接する横断面スライスの間の対象となる領域の面積の変動を考慮するため(たとえば、線形形式で)補間される。いくつかの実施形態では、コンピュータ100は、対象となる領域が現れる選択された系列(たとえば、B1000またはADC)の中の画像に対するこの計算を自動的に実行する。他の実施形態では、ユーザ114は、入力108を介して、体積計算が実行されることになる特有の画像の組を選択可能であり、極端な横断面スライスでのアーティファクトをおそらく低下させることが可能である。出力は、このようにして、適切な単位(たとえば、CC)での体積である。
【0057】
別の体積計算が類似した形式で虚血性半影部に対し実施され得る。この場合、考慮中の画像は、脳の灌流が不足しているが、それにもかかわらず救出可能/生存可能であるエリアの分離を可能にするPWI画像でもよい。適当な画像系列は、たとえば、選択された系列の中の各画像上で虚血性半影部を表す領域に達するために複合セグメンテーションマスクを使用してフィルタリングすることができるTTPまたはMTTまたはTmax系列である。コンピュータ100は、その後、領域の表面積とスライス間の横断面距離との積の計算を実施可能であるが、横断面スライス間の対象となる領域の面積の変動を考慮するため(たとえば、線形形式で)補間される。いくつかの実施形態では、コンピュータ100は、対象となる領域が現れる選択された系列(たとえば、TTPまたはMTTまたはTmax)の中の画像に対しこの計算を自動的に実行するが、他の実施形態では、ユーザ114は、入力108を介して、体積計算が実行されることになる画像を選択可能であり、極端な横断面スライスでのアーティファクトをおそらく低下させることが可能である。出力は、このようにして、適切な単位(たとえば、CC)での体積である。
【0058】
この結果、ユーザ114は、2つの重要な体積計算、すなわち、コア虚血性ゾーンの体積計算と虚血性半影部の体積計算とを使用できることになる。したがって、1つずつの絶対的および/または相対的な体積と、他の要因とに基づいて、ユーザ114は、血栓溶解剤の投与の選択に関して、より多くの情報をもつコスト/利益の検討を実行することができる。このことは、実生活環境と模擬環境の両方において役に立つ可能性がある。このアプローチの臨床的価値に関するさらなる情報は、Optimal Definition for PWI/DWI Mismatch in Acute Ischemic Stroke Patients,W Kakuda et al.,Journal of Cerebral Blood Flow&Metabolism(2008),1−5から入手できる。
【0059】
当然ながら、体積計算を実施する他の方法が本発明の範囲に含まれることが認められ、計算が画像化された生理学的構造の他の対象となる領域の体積を推定するために実行され得ることがさらに認められるであろう。
【0060】
本発明の上記の非限定的な実施形態では、虚血性脳卒中の診断および治療が特に強調されているが、本発明の実施形態は(癲癇、腫瘍、アルツハイマー病などの診断および/または治療のような)神経医学の他の分野、および、潜在的に医学一般の他の分野に適用可能であることが認められるであろう。これらの状況の1つずつにおいて、特に重要な生体画像は異なることがあるが、本明細書中に記載された原理が明らかにそれらに適用可能である。
【0061】
当業者は、ユーザ114から受信された入力が、トレーサビリティおよびトレーニングの目的のため役立つようにコンピュータ100によって記録(かつ、復元)可能であることをさらに認めるであろう。より詳細には、コンピュータ100は、(コントラスト、輝度、カラー体系などのユーザ選択に基づいて)表示されたピクセルの値と、セグメンテーションマスクの作成中に使用された有効区間[x,y]と、コア虚血性ゾーンおよび虚血性半影部を分離するため使用された他のセグメンテーションマスクの様々なパラメータと、灌流画像を計算するため使用されたパラメータと、その他とを記録可能である。
【0062】
本発明の特有の実施形態が説明され図示されているが、多数の変更および変形が特許請求の範囲に記載された発明の範囲から逸脱することなく行われ得ることが当業者に明らかであろう。