特許第5986052号(P5986052)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5986052
(24)【登録日】2016年8月12日
(45)【発行日】2016年9月6日
(54)【発明の名称】乗用型草刈り機
(51)【国際特許分類】
   A01D 34/63 20060101AFI20160823BHJP
   A01D 34/64 20060101ALI20160823BHJP
【FI】
   A01D34/63 E
   A01D34/64 A
【請求項の数】5
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-190931(P2013-190931)
(22)【出願日】2013年9月13日
(65)【公開番号】特開2015-53929(P2015-53929A)
(43)【公開日】2015年3月23日
【審査請求日】2015年9月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180507
【弁理士】
【氏名又は名称】畑山 吉孝
(74)【代理人】
【識別番号】100137590
【弁理士】
【氏名又は名称】音野 太陽
(72)【発明者】
【氏名】浅原 将人
(72)【発明者】
【氏名】原田 選也
(72)【発明者】
【氏名】秋田 真幸
(72)【発明者】
【氏名】山下 信行
(72)【発明者】
【氏名】岩田 州之助
【審査官】 中澤 真吾
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−252625(JP,A)
【文献】 米国特許第03618157(US,A)
【文献】 米国特許第04118826(US,A)
【文献】 特開昭64−016513(JP,A)
【文献】 実開昭58−006994(JP,U)
【文献】 特開2000−209924(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 34/00−34/01
A01D 34/412−34/90
A01D 42/00−42/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モーアと、集草部と、前記モーアにより刈り取られた草を搬送風によって前記集草部に搬送するブロアとを備え、
前記ブロアは、前記モーアから草が入ってくる導入口及び草が前記集草部に向けて排出される排出口を備えたブロアケースと、前記ブロアケースの内部で回転駆動されることにより搬送風を発生させる羽根部材とを有し、
前記ブロアケースの排出口と前記集草部とが接続及び接続解除自在に構成され、
前記ブロアケースの排出口と前記集草部とを接続する為の第1姿勢、及び、前記集草部との接続が解除された前記ブロアケースの排出口を機体の横外方に向けた第2姿勢に、前記ブロアケースが前記羽根部材の回転軸芯周りに回転操作自在に構成されている乗用型草刈り機。
【請求項2】
前記ブロアケースの導入口と前記モーアとが接続及び接続解除自在に構成されている請求項1に記載の乗用型草刈り機。
【請求項3】
前記ブロアが機体の右又は左の横側部に備えられている請求項1又は2に記載の乗用型草刈り機。
【請求項4】
前記羽根部材の回転軸芯が機体の前後方向に設定されている請求項1〜3のうちのいずれか一つに記載の乗用型草刈り機。
【請求項5】
前記ブロアケースを前記第1及び第2姿勢に保持する保持機構が備えられている請求項1〜4のうちのいずれか一つに記載の乗用型草刈り機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗用型草刈り機において多目的利用の構成に関する。
【背景技術】
【0002】
乗用型草刈り機では、特許文献1に開示されているように、モーアと、集草部と、ブロアとを備えて、モーアにより刈り取られた草をブロアの搬送風によって集草部に搬送するように構成されたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−92894号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
乗用型草刈り機においてブロアを備えた場合、ブロアを通常の草刈り作業以外の作業に利用することができないかという要望が出てきている。
本発明は、乗用型草刈り機においてブロアを備えた場合、ブロアを通常の草刈り作業以外の作業に利用できるように構成することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(構成)
本発明の特徴は、乗用型草刈り機において次のように構成することにある。
モーアと、集草部と、前記モーアにより刈り取られた草を搬送風によって前記集草部に搬送するブロアとを備え、
前記ブロアは、前記モーアから草が入ってくる導入口及び草が前記集草部に向けて排出される排出口を備えたブロアケースと、前記ブロアケースの内部で回転駆動されることにより搬送風を発生させる羽根部材とを有し、
前記ブロアケースの排出口と前記集草部とが接続及び接続解除自在に構成され、
前記ブロアケースの排出口と前記集草部とを接続する為の第1姿勢、及び、前記集草部との接続が解除された前記ブロアケースの排出口を機体の横外方に向けた第2姿勢に、前記ブロアケースが前記羽根部材の回転軸芯周りに回転操作自在に構成されている。
【0006】
(作用及び発明の効果)
本発明の特徴によると、通常の草刈り作業を行う場合、ブロアケースを第1姿勢に設定して、ブロアケースの排出口と集草部とを接続する。これにより、モーアによって刈り取られた草がブロア(ブロアケースの導入口)に導入され、ブロア(ブロアケースの排出口)から搬送風により集草部に搬送される。
【0007】
前述のような通常の草刈り作業とは別の作業として、例えば路上に散乱する枯葉や落葉を路肩に寄せて集める作業がある。
本発明の特徴によると、前述のような作業を行う場合、ブロアケースの排出口と集草部との接続を解除して、ブロアケースを第2姿勢に設定する。これにより、乗用型草刈り機を走行させながらブロアを作動させることによって、ブロアの搬送風がブロアケースの排出口から横外方に送り出されるのであり、路上に散乱する枯葉や落葉をブロアの搬送風により路肩に寄せて集めることができる。
【0008】
ブロアは、導入口及び排出口を備えたブロアケースの内部に、回転駆動される羽根部材を備えて構成されている。
これにより、本発明の特徴のように、ブロアケースを羽根部材の回転軸芯周りに回転操作自在に構成することによって、前述のようにブロアケースを第1及び第2姿勢に回転操作しても、ブロアケースの内面が羽根部材に接触したりすることはなく、ブロアケースを第1及び第2姿勢に無理なく回転操作することができる。
【0009】
以上のように、本発明の特徴によると、乗用型草刈り機においてブロアを通常の草刈り作業以外に、路上に散乱する枯葉や落葉を路肩に寄せて集める作業にも有効に利用することができるようになり、乗用型草刈り機の作業性を向上させて付加価値を高めることができる。
本発明の特徴によると、通常の草刈り作業、並びに、路上に散乱する枯葉や落葉を路肩に寄せて集める作業を行う場合、ブロアケースの内面が羽根部材に接触したりすることはなく、ブロアケースを第1及び第2姿勢に無理なく回転操作することができるようになって、ブロアケースの内面が羽根部材に接触したりすることによる破損の発生を避けることができる。
【0010】
(構成)
本発明の特徴は、乗用型草刈り機において次のように構成することにある。
前記ブロアケースの導入口と前記モーアとが接続及び接続解除自在に構成されている。
【0011】
(作用及び発明の効果)
本発明の特徴によると、ブロアケースの排出口と集草部との接続を解除して、ブロアケースを第2姿勢に設定した場合、ブロアケースの導入口とモーアとを接続しておけば、路上に散乱する枯葉や落葉をモーアから吸引してブロアに送り、ブロアの搬送風をブロアケースの排出口から横外方に送り出しながら、モーアから吸引した枯葉や落葉をブロアから横外方に送り出すことができるので、路上に散乱する枯葉や落葉を路肩に寄せて集める作業を効率良く行うことができる。
この場合、モーアを作動させれば、モーアの刈刃により発生する搬送風により、枯葉や落葉がモーアからブロアに搬送することができるので、路上に散乱する枯葉や落葉をモーアから吸引してブロアに送ることがさらに効率良く行われるようになる。
【0012】
本発明の特徴によると、路上に散乱する枯葉や落葉をモーアから吸引せずに、ブロアの搬送風をブロアケースの排出口から横外方に送り出す場合、ブロアケースの導入口とモーアとの接続を解除すればよい。これにより、ブロアを作動させることによって、ブロアケースの導入口から外気が導入されて、ブロアの搬送風をブロアケースの排出口から横外方に送り出すことができる。
【0013】
以上のように、本発明の特徴によると、路上に散乱する枯葉や落葉を路肩に寄せて集める作業において、路上に散乱する枯葉や落葉をモーアから吸引してブロアに送り、モーアから吸引した枯葉や落葉をブロアの搬送風と一緒にブロアケースの排出口から横外方に送り出す状態と、ブロアの搬送風をブロアケースの排出口から横外方に送り出す状態とを選択することができるようになり、乗用型草刈り機の作業性を向上させて付加価値を高めることができる。
【0014】
(構成)
本発明の特徴は、前記ブロアが機体の右又は左の横側部に備えられている。
【0015】
(作用及び発明の効果)
本発明の特徴によると、路上に散乱する枯葉や落葉を路肩に寄せて集める作業を行う場合、ブロアが存在する側が路肩側となるように機体の向きを設定して走行することによって、ブロアの搬送風を路上に散乱する枯葉や落葉に効率良く当てることができ、路上に散乱する枯葉や落葉を効率良く路肩に寄せて集めることができる。
【0016】
(構成)
本発明の特徴は、前記羽根部材の回転軸芯が機体の前後方向に設定されている。
【0017】
(作用及び発明の効果)
乗用型草刈り機では一般に、モーアは機体の低い位置に配置され、集草部の入口は機体の比較的高い位置に配置されるのであり、ブロアはモーアと集草部(入口)との間でモーアと略同じ高さに配置されることが多い。
これにより、モーアにより刈り取られた草が、ブロアに送られ、ブロアの搬送風によって上方に持ち上げられて、集草部(入口)に搬送される状態となるのであり、この状態においてブロアケースの排出口は、集草部(入口)に向けて上向きに設定されていることが多い。
【0018】
前述のような状態において、本発明の特徴によると、羽根部材の回転軸芯が機体の前後方向に設定されている。
これにより、ブロアケースを第1姿勢(前述のようにモーアにより刈り取られた草が、ブロアに送られ、ブロアの搬送風によって上方に持ち上げられて、集草部(入口)に搬送される状態)に設定した状態において、前述のようにブロアケースの排出口が上向きに設定されていれば、ブロアケースの排出口を機体の横外方に向けた第2姿勢と、前述の第1姿勢とにおいて、ブロアケースを羽根部材の回転軸芯(機体の前後方向)周りに回転操作することにより、ブロアケースを第1及び第2姿勢に無理なく設定することができる。
【0019】
(構成)
本発明の特徴によると、前記ブロアケースを前記第1及び第2姿勢に保持する保持機構が備えられている。
【0020】
(作用及び発明の効果)
本発明の特徴によると、ブロアケースを第1姿勢(第2姿勢)に設定している状態において、保持機構によりブロアケースが第1姿勢(第2姿勢)に保持されるので、例えば走行時の振動や羽根部材の回転による振動等により、ブロアケースが第1姿勢(第2姿勢)から移動するような状態が防止される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】乗用型草刈り機の全体側面図である。
図2】乗用型草刈り機の全体平面図である。
図3】ブロア、支持部材及び集草部の支持構造を示す平面図である。
図4】ブロア、支持部材及び集草部の支持構造を示す側面図である。
図5】ブロアの支持及び駆動構造を示す横断平面図である。
図6】ブロアの支持及び駆動構造を示す縦断正面図である。
図7】ブロアケースを第2姿勢に設定した状態での乗用型草刈り機の全体平面図である。
図8】発明の実施の第1別形態における乗用型草刈り機の全体側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[1]
乗用型草刈り機の全体の構成について説明する。
図1及び図2に示すように、右及び左の前輪1、右及び左の後輪2により支持された機体フレーム7の前部にエンジン3が備えられて、前輪1及び後輪2の間にモーア10が備えられ、機体フレーム7の後部に集草部20が備えられて、乗用型草刈り機が構成されている。エンジン3の後側に、運転座席4及び操縦ハンドル5が備えられて運転部が構成されており、運転座席4の上側に位置するようにロプスフレーム6が機体フレーム7に連結されている。
【0023】
図1及び図2に示すように、機体フレーム7の下側において、前輪1及び後輪2の間にモーア10が備えられている。モーア10は、刈刃ハウジング12、刈刃ハウジング12の内部で上下軸芯周りに回転駆動される刈刃13、刈刃13を回転駆動する為の駆動部14、及び接地輪15等を備えて構成されており、リンク機構11により昇降自在に機体フレーム7に支持されている。
【0024】
図1及び図2に示すように、機体フレーム7の後部にミッションケース8が支持されており、エンジン3の動力がミッションケース8に備えられた静油圧式無段変速装置(図示せず)に伝達され、静油圧式無段変速装置から前輪1及び後輪2に伝達される。静油圧式無段変速装置の直前から分岐した動力が、多板摩擦式のクラッチ(図示せず)から伝動軸9を介して駆動部14に伝達されており、これによってモーア10の刈刃13が回転駆動される。
【0025】
図1及び図2に示すように、右の後輪2と集草部20との間の横外側に、ブロア17が備えられている。刈刃ハウジング12の草の排出部12aとブロア17とに亘って、可撓性を備えたダクト16が接続されており、ブロア17と集草部20とに亘って、可撓性を備えたダクト24が接続されている。
以上の構造により、モーア10(刈刃13)によって刈り取られた草が、刈刃ハウジング12の排出部12aからダクト16を通ってブロア17に搬送され、ブロア17の搬送風によりブロア17からダクト24を通って集草部20に搬送される。
【0026】
[2]
次に、集草部20及び集草部20の支持構造について説明する。
図1及び図2に示すように、集草部20は布製の3個の集草袋21と、集草袋21の上側を覆うように配置される上部カバー22とを備えて構成されている。上部カバー22の右前部に筒状の導入部22aが備えられており、ダクト24が上部カバー22の導入部22aに接続されている。草がダクト24から上部カバー22の導入部22aに搬送されると、草が3個の集草袋21に分散して供給される。
【0027】
図3及び図4に示すように、チャンネル状の上及び下の横フレーム41,43の右及び左側部に亘って右及び左の縦フレーム42が連結されて、正面視正方形状の枠体が構成されている。平面視でコ字状のフレーム44が横フレーム41の右及び左端部に連結されており、フレーム44の前部の右及び左端部に、右及び左の横向きのプレート48及びピン49が連結されている。
【0028】
図3及び図4に示すように、縦フレーム42の上部に右及び左のブラケット46が連結されて、ブラケット46に右及び左のリンク部材47が連結されている。4個の支持フレーム45が縦フレーム42の上部に連結されて後向きに延出されており、支持フレーム45の間に集草袋21が支持され、支持フレーム45の上部に上部カバー22が支持されている。
【0029】
図3及び図4に示すように、右及び左の連結板50が機体フレーム7の後部に連結されており、連結板50の上部にボス部50aが連結され、連結板50の下部にフック状の係合部50bが備えられている。正面視正方形状の枠状のフレーム51が機体フレーム7の後部に連結されており、フレーム51の上部の左右中央部に備えられた支持部51aに、伸縮自在なターンバックル型式のロッド52が上下揺動自在に支持されている。
【0030】
以上の構造により、図3及び図4に示すように、ピン49を連結板50の係合部50bに挿入して、リンク部材47を連結板50のボス部50aにピン53により接続するのであり、横フレーム43の左右中央部に備えられた連結部43aに、収縮させた状態のロッド52をピン54により接続する。これにより、機体フレーム7の後部に集草部20が支持された状態となる。
【0031】
機体フレーム7の後部から集草部20を取り外す場合、図3及び図4に示すように、ピン53を抜いてリンク部材47を連結板50のボス部50aから取り外し、ロッド52を伸ばして、ピン49を支点として集草部20を後方に倒すのであり、これによって後述するユニバーサルジョイント29を出力軸26から抜く。
前述のようにユニバーサルジョイント29が出力軸26から抜ける位置まで集草部20を後方に倒すと、ピン54を抜いてロッド52を横フレーム43の連結部43aから取り外し、ピン49を連結板50の係合部50bから上方に抜いて、集草部20を取り外す。この場合、後述する支持部材23及びブロア17も一緒に取り外される。
【0032】
[3]
次に、ブロア17及びブロア17の支持構造について説明する。
図3及び図5に示すように、ブロア17はブロアケース18と、ブロアケース18の内部で回転駆動される羽根部材19とを備えて構成されている。羽根部材19は、円板19aに複数の平板状の羽根19bを放射状に備えて構成されており、羽根部材19の回転軸芯P1が機体の前後方向に設定されるように、ブロア17が支持されている。
【0033】
図5及び図6に示すように、ブロアケース18は円形に構成され、中央部に導入口18aが備えられて前方に向いており、図2に示すようにダクト16がブロアケース18の導入口18aに接続されている。
この場合、ダクト16がブロアケース18の導入口18aに、接続及び取り外し自在(接続解除自在)に構成されている(ブロアケース18の導入口18aとモーア10とが接続及び接続解除自在な状態に相当)。
同様にダクト16が刈刃ハウジング12の排出部12aに、接続及び取り外し自在(接続解除自在)に構成されている(ブロアケース18の導入口18aとモーア10とが接続及び接続解除自在な状態に相当)。
【0034】
図5及び図6に示すように、ブロアケース18の外周部に排出口18bが備えられており、図2に示すようにダクト24がブロアケース18の排出口18bに接続されている。
この場合、ダクト24がブロアケース18の排出口18bに、接続及び取り外し自在(接続解除自在)に構成されている。
同様にダクト24が上部カバー22の導入口22aに、接続及び取り外し自在(接続解除自在)に構成されている(ダクト24がブロアケース18の排出口18bから取り外された状態、及び、ダクト24が上部カバー22の導入口22aから取り外された状態が、ブロアケース18の排出口18bと集草部20との接続が解除された状態に相当)。
【0035】
以上の構造により、図1及び図2に示すように、モーア10(刈刃13)によって刈り取られた草が、刈刃ハウジング12の排出部12aからダクト16を通って搬送され、ブロアケース18の導入口18aからブロアケース18の内部に搬送される。ブロアケース18の内部に搬送された草が、ブロア7の搬送風によりブロアケース18の排出口18bから排出され、ダクト24を通って集草部20に搬送される。
【0036】
図3及び図4に示すように、縦壁状の支持部材23がリンク部材47及びフレーム44の間において機体の左右方向に配置されており、支持部材23の上部が前方に折り曲げられて上壁部23aが形成され、支持部材23の上壁部23aが連結部材25を介してリンク部材47に連結されている。
【0037】
図1,2,3,4に示すように、支持部材23がリンク部材47から右の後輪2及び集草部20の間を通って右横外方に延出されており、支持部材23の右端部にブロア17が支持されている(ブロア17が機体の右の横側部に備えられた状態に相当)。
【0038】
[4]
次に、ブロア17の駆動構造について説明する。
図5及び図6に示すように、エンジン3の動力が伝達されてくる出力軸26が、ミッションケース8の後部に後向きに備えられている。支持部材23において出力軸26に対向する部分に、箱状のカバー30が連結されており、カバー30に軸受け部材27が連結されている。軸受け部材27に入力軸28が回転自在に支持されており、出力軸26と入力軸28とがユニバーサルジョイント29を介して連結されている。
【0039】
図5及び図6に示すように、支持部材23の左右中間部に軸受け部材31が連結されており、軸受け部材31に中間軸32が回転自在に支持されている。入力軸28の後部にプーリー28aが連結され、中間軸32の前部にプーリー32aが連結されており、入力軸28のプーリー28aと中間軸32のプーリー32aとに亘って、伝動ベルト33が巻き掛けられている。
【0040】
図5及び図6に示すように、支持部材23の機体の前後方向の横軸芯P2周りにアーム34が揺動自在に支持されて、アーム34にテンションプーリー35が回転自在に支持されている。バネ36によりアーム34が下方に揺動するように付勢されており、テンションプーリー35が伝動ベルト33に押し付けられている。
入力軸28のプーリー28a、中間軸32のプーリー32a、伝動ベルト33、アーム34及びテンションプーリー35が、支持部材23及びカバー30により覆われている。
【0041】
図5及び図6に示すように、支持部材23の右端部に軸受け部材37が連結されて、軸受け部材37に駆動軸38が回転自在に支持されており、駆動軸38が前方に延出されブロアケース18の内部に挿入されて、駆動軸38に羽根部材19が連結されている。駆動軸38の後部にプーリー38aが連結され、中間軸32の後部にプーリー32bが連結されており、駆動軸38のプーリー38aと中間軸32のプーリー32bとに亘って、伝動ベルト39が巻き掛けられている。
【0042】
図5及び図6に示すように、支持部材23の機体の前後方向の横軸芯P3周りにアーム40が揺動自在に支持されて、アーム40にテンションプーリー55が回転自在に支持されている。バネ56によりアーム40が下方に揺動するように付勢されており、テンションプーリー55が伝動ベルト39に押し付けられている。
支持部材23の後側にカバー57が取り付けられている。これにより、駆動軸38のプーリー38a、中間軸32のプーリー32b、伝動ベルト39、アーム40及びテンションプーリー55が、支持部材23及びカバー57により覆われている。
【0043】
以上の構造により、出力軸26の動力が、入力軸28、伝動ベルト33、中間軸32及び伝動ベルト39を介して駆動軸38に伝達されるのであり、羽根部材19及び駆動軸38が図6の紙面反時計方向に回転駆動される。
この場合、入力軸28のプーリー28aよりも中間軸32のプーリー32aが小径に構成され、中間軸32のプーリー32bよりも駆動軸38のプーリー38aが小径に構成されている。これにより、出力軸26の動力が増速されて駆動軸38に伝達されるように構成されており、羽根部材19が高速で回転駆動されるように構成されている。
【0044】
[5]
次に、ブロアケース17の姿勢変更について説明する。
図5及び図6に示すように、軸受け部材37に端部にフランジ部37aが備えられており、軸受け部材37のフランジ部37aが支持部材23の後面に接触して、ボルト58により軸受け部材37のフランジ部37aが支持部材23に連結されている。
【0045】
図5及び図6に示すように、軸受け部材37にボス部材59が回転自在に取り付けられており、ブロアケース18がボルト58との干渉を避けるように折り曲げられてボス部材59に連結されている。これにより、ブロアケース18がボス部材59によって、軸受け部材37(回転軸芯P1)周りに回転自在に支持されている。ブロアケース18の内面において軸受け部材37の上方及び下方、右方及び左方の4箇所に、3個のナット60(保持機構に相当)が連結されている(3個のナット60が4組)。
【0046】
図5及び図6に示す状態は、ブロアケース18の排出口18bが上方に向いた第1姿勢A1にブロアケース18が設定された状態であり、3個のナット60の中央のナット60(4個)に、ボルト61(4個)(保持機構に相当)が締め付けられて、ブロアケース18が第1姿勢A1で固定されている。
【0047】
図1,2,5,6に示す状態において、刈刃ハウジング12の排出部12aとブロアケース18の導入口18aとに亘ってダクト16が接続されており、ブロアケース18の排出口18bと上部カバー22の導入部22aとに亘ってダクト24が接続されている。
以上の状態において、通常の草刈り作業を行う。
【0048】
路上に散乱する枯葉や落葉を路肩に寄せて集める作業を行う場合、図7に示すように、ダクト24をブロアケース18の排出口18bから取り外す。次にボルト61を取り外して、ブロアケース18を軸受け部材37(回転軸芯P1)周りに90°回転させて、ブロアケース18の排出口18bが機体の右の横外方に向けた第2姿勢A2にブロアケース18を設定し、3個のナット60の中央のナット60(4個)に、ボルト61(4個)を締め付けて、ブロアケース18を第2姿勢A2で固定する。この場合、ボルト61の取り外し及び締め付けは、カバー57を取り外して行う。
【0049】
以上の状態において、乗用型草刈り機を走行させながらブロア17を作動させることによって(羽根部材19を回転駆動することによって)、ブロア17の搬送風がブロアケース18の排出口18bから右の横外方に送り出されるのであり、路上に散乱する枯葉や落葉をブロア17の搬送風により路肩に寄せて集めることができる。
【0050】
前述のようにブロアケース18を第2姿勢A2で固定する場合、図6に示すように、3個のナット60の一方(他方)の端部のナット60(4個)にボルト61(4個)を締め付けることにより、第2姿勢A2において、ブロアケース18の排出口18bを右の横外方から少し下向き(上向き)に設定することができる。
【0051】
[6]
次に、前項[5]に記載のブロアケース18の姿勢変更において、ブロアケース18を第2姿勢A2に設定した場合について説明する。
図7に示すように、ブロアケース18を第2姿勢A2に設定した場合、刈刃ハウジング12の排出部12aとブロアケース18の導入口18aとに亘ってダクト16を接続した状態において、モーア10の停止状態でブロア17を作動させることによって(羽根部材19を回転駆動することによって)、路上に散乱する枯葉や落葉をブロア17によりモーア10から吸引し、ブロア17の搬送風をブロアケース18の排出口18bから右の横外方に送り出しながら、モーア10から吸引した枯葉や落葉をブロア17から右の横外方に送り出すことができる。
【0052】
前述の状態において、ブロア17を作動させることに加えて、モーア10を作動させると(刈刃13を回転駆動すると)、路上に散乱する枯葉や落葉がモーア10において刈刃13の回転により回収され、刈刃13の回転によって発生する搬送風によりブロア17に送られる。
この場合、刈刃13の回転によって発生する搬送風が、枯葉や落葉と一緒にブロア17に送られるので、刈刃13の回転によって発生する搬送風によりブロア17の搬送風の風力が増大された状態で、ブロア17の搬送風、枯葉や落葉がブロアケース18の排出口18bから右の横外方に送り出される。
【0053】
図7に示すように、ブロアケース18を第2姿勢A2に設定した場合、刈刃ハウジング12の排出部12aとブロアケース18の導入口18aとに亘ってダクト16を接続した状態において、ブロアケース18の導入口18aからダクト16を取り外すと、ブロア17を作動させることによって(羽根部材19を回転駆動することによって)、外気をブロアケース18の導入口18aからブロアケース18に導入して、ブロア17の搬送風をブロアケース18の排出口18bから右の横外方に送り出すことができる。
【0054】
図7に示すように、ブロアケース18を第2姿勢A2に設定した場合、刈刃ハウジング12の排出部12aとブロアケース18の導入口18aとに亘ってダクト16を接続した状態において、ダクト16を刈刃ハウジング12の排出部12aから取り外すと、ブロア17を作動させることによって(羽根部材19を回転駆動することによって)、外気をダクト16からブロアケース18に導入して、ブロア17の搬送風をブロアケース18の排出口18bから右の横外方に送り出すことができる。
【0055】
この場合、ダクト16を路上付近に向けておくと、路上に散乱する枯葉や落葉をダクト16から吸引してブロア17に送り、ブロア17の搬送風をブロアケース18の排出口18bから右の横外方に送り出しながら、ダクト16から吸引した枯葉や落葉をブロア17から右の横外方に送り出すことができる。
【0056】
図7に示すように、ブロアケース18を第2姿勢A2に設定した場合、ブロアケース18の排出口18bにダクト24を接続した状態で、ダクト24を上部カバー22の導入部22aから取り外すと、ダクト24の向きをブロアケース18の排出口18bの延長線上に位置する姿勢や、ブロアケース18の排出口18bの右の横外方から少し下向き(上向き)や少し前向き(後向き)に設定することができる。この場合、ダクト24を所望の向きに保持する支持フレーム(図示せず)を備えてもよい。
【0057】
[発明の実施の第1別形態]
前述の[発明を実施するための形態]に記載された乗用型草刈り機は、以下に示すように使用することもできる。
図8(a)に示すように、機体の右の横側部においてブロア17の前方の位置に、ノズル状の吹き出し部62が、機体の上下方向の縦軸芯P4周りに前方、右の横外方及び後方に亘る範囲で向き変更自在に備えられている。
【0058】
図8(a)に示すように、通常の草刈り作業において、刈刃ハウジング12の排出部12aとブロアケース18の導入口18aとに亘ってダクト16が接続され、ブロアケース18の排出口18bと上部カバー22の導入部22aとに亘ってダクト24が接続されており、吹き出し部62は使用されない。
【0059】
路上に散乱する枯葉や落葉を路肩に寄せて集める作業を行う場合、図8(b)に示すように、ダクト24を上部カバー22の導入口22aから取り外して吹き出し部62に接続する。これにより、ブロア17の搬送風がダクト24から吹き出し部62に供給され、吹き出し部62から吹き出し部62の向く方向に送り出される。
【0060】
この場合、吹き出し部62の向きを縦軸芯P4周りに変更することにより、吹き出し部62から送り出されるブロア17の搬送風の向きを所望の向きに設定することができる。前項[6]に記載のように、ダクト16を刈刃ハウジング12の排出部12aから取り外して作業を行ってもよい。ブロア17は第1及び第2姿勢A1,A2のどちらに設定しておいてもよい。
【0061】
路上に散乱する枯葉や落葉を集草部20に回収する作業を行う場合、図8(c)に示すように、ブロアケース18の排出口18bと上部カバー22の導入部22aとに亘ってダクト24を接続した状態において、ダクト16を刈刃ハウジング12の排出部12aから取り外して吹き出し部62に接続する。
【0062】
これにより、ブロア17を作動させ、吹き出し部62を機体から取り外した状態で、作業者が吹き出し部62を持って、例えば家庭用の掃除機を使用するように、路上に散乱する枯葉や落葉をブロア17及び吹き出し部62により吸引して、ブロア17からダクト24を介して集草部20に搬送して回収する。この場合、ブロア17は第1及び第2姿勢A1,A2のどちらに設定しておいてもよい。
【0063】
[発明の実施の第2別形態]
前述の[発明を実施するための形態][発明の実施の第1別形態]において、以下の(1)〜(4)に示すように構成してもよい。
【0064】
(1)ブロア17において、羽根部材19をエンジン3の動力により直接に回転駆動するのではなく、エンジン3により駆動される油圧ポンプ(図示せず)の作動油により作動する油圧モータ(図示せず)により、羽根部材19を回転駆動するように構成したり、電動モータ(図示せず)により、羽根部材19を回転駆動するように構成してもよい。
このように構成すると、羽根部材19の回転数を任意の回転数に設定することができるのであり、作業の状態に応じて羽根部材19の回転数を高速に設定したり、低速に設定したりすることができる。
【0065】
(2)図5及び図6に示すボルト61及びナット60に代えて、ブロアケース18に係合するボール部材(図示せず)、及びボール部材を係合側に付勢するバネ(図示せず)により構成されたデテント機構(保持機構に相当)を、支持部材23に備えてもよい。
このように構成すると、ボルト61の取り外し及び締め付けを行わなくても、ブロアケース18を第1及び第2姿勢A1,A2に容易に回転操作して保持することができる。
【0066】
(3)支持部材23をリンク部材47から左の後輪2及び集草部20の間を通って左横外方に延出し、支持部材23の左端部にブロア17を支持するように構成してもよい(ブロア17が機体の左の横側部に備えられた状態に相当)。
このように構成すると、刈刃ハウジング10の左側部に排出部12aを備え、上部カバー22の左前部に導入部22aを備えるように構成することになるのであり、ブロアケース18の排出口18bが機体の左の横外方に向けた第2姿勢A2に、ブロアケース18を設定することになる。
【0067】
(4)ブロア17を後輪2と集草部20との間に配置するのではなく、ブロア17を刈刃ハウジング12の右(左)の排出部12aに直接に連結するように構成し、ダクト16を廃止するように構成してもよい。
このように構成すると、羽根部材19の回転軸芯P1が機体の上下方向に設定されることが多いので、ブロアケース18を機体の上下方向の回転軸芯P1周りに回転操作することにより、ブロアケース18の排出口18bが機体の右(左)の横外方に向けた第2姿勢A2に、ブロアケース18を設定することになる。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、ブロア17を備えた乗用型草刈り機に適用されるものであり、前輪1及び後輪2の間にモーア10を備えた乗用型草刈り機ばかりではなく、機体の前部(前輪1の前側)にモーア10を備えた乗用型草刈り機にも適用できる。
【符号の説明】
【0069】
10 モーア
17 ブロア
18 ブロアケース
18a 導入口
18b 排出口
19 羽根部材
20 集草部
60,61 保持機構
A1 第1姿勢
A2 第2姿勢
P1 回転軸芯
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8