(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
パートA:
図1A〜3Aは、縦方向に頭側端部12から足側端部14に延び、横方向に左側16から右側18に延びる病院ベッド10を示す。
図1A〜2Aは、縦方向に延長する中心線22も示す。ベッド構造は、ベースフレーム26、および折り畳みリンク30でベースフレームに接続された上昇可能フレーム28を含む。ベッドは、すべてが上昇可能フレームに接続された、4つのデッキセクション(上半身セクション34、シートセクション36、大腿セクション38およびふくらはぎセクション40)も含む。上半身デッキセクション34は、上部梁56および下部梁58で互いに接合された左右の中空レール52、54を備える枠組み50を含む。第一および第二のレールスロット60、62は各レールの上端を貫通し、それに沿って途中まで延長する。各レールの下端は、両面取付金具64も含む。枠組みが上昇可能フレームに対して縦方向に移動し、旋回軸70の周りにも回転可能なように、枠組み50は上昇可能フレーム28に移動可能なように接続される。デッキセクション34は、枠組み50に移動可能なように接続されたデッキパネル72(破線で表示)も含む。特に、パネル72は枠組みに対して、枠組みの角度方向αに平行な方向P1、P2に移動可能である。この移動は、本出願の「背景技術」セクションに要約された出願で言及されている平行移動である。
【0014】
ベッドは、フレームジョイント78において上昇可能フレームに旋回可能なように接続されたフレーム端76、およびデッキジョイント84においてデッキ枠組みに旋回可能なように接続されたデッキ端82をそれぞれが持つ、一対の圧縮リンク74も含む。
図1A〜3Aに示された実施形態において、フレームジョイント78は、フレームに対して移動可能ではないが、別の実施形態(
図15A)では、ジョイント78はフレームに対して縦方向に移動可能である。
【0015】
ベッドは、上半身デッキ枠組み50に接続されたデッキ端92、および上昇可能フレーム28などの適切な機械的接地に接続された接地端94を持つアクチュエータ90を含む駆動システムも含む。駆動システムは、a)デッキ枠組みとフレームの間の相対的平行移動、およびb)デッキ枠組みとフレームの軸70の周りの相対的回転の少なくとも一つに応じて、パネル72をデッキ枠組みに対して移動するための、移動コンバータ(概して参照番号100で示される)も含む。図で示した実施形態は、右と左の両方の移動コンバータユニット100L、100Rを含む。ユニットは互いの鏡像であるため、ユニットの一つのみをさらに詳細に記述することで十分であろう。
【0016】
図4A〜8Aは、移動コンバータの一つの構成要素および構造をさらに詳細に示す。移動コンバータは、上昇可能フレーム28に装着された歯車ラック102を含む。または、歯車ラックは上昇可能フレームの一部と考えられうる。図で示したラックは、フレームにねじ止めされた単体スライドレール104、およびスライドレールの各端において台座108にねじ止めされたラックプレート106を備える。スロット110は、台座の間をスライドレールに沿って延長する。スライドレールは、それぞれが肩部116を有する、横方向の内側面および外側面112、114を持つ。ラックプレートは、歯車の歯を受け入れるための開口部120を含む。開口部は、歯車の歯の形状に適合する形状を持つ。
【0017】
移動コンバータは、ラックプレートと噛み合う一次歯車124も含む。歯車は、ベッド中心線22から横方向に延長するスタブシャフト126を持つ。一対のラグ128はシャフトから横方向に突き出ている。割歯車ハウジング130は、その基部134を通って延長する長方形の形状の開口部132、基部の内側の空洞136および基部から突き出ている尾部138を持つ。尾部はスライドレールスロット110にぴったりはまり、開口部132はラックプレート106の周りを取り囲み、ぴったりと適合する。内部プレート140は空洞内にある。ねじ142は、ベアリングプレート144およびバッキングプレート146を通って内部プレート140の中に延長し、レール肩部116に隣接するベアリングプレートによってハウジングをスライドレールにスライド式に固定する。一次歯車は、内側および外側歯車ブッシュ154、156および横方向に延長する旋回軸158によって、歯車ハウジング130の内側に回転可能なように取り付けられる。旋回軸も、穴162を通ってレール取付金具64に延長し、一次歯車をデッキ枠組みに接続する。ベアリング164は穴162にはまり、旋回軸158を取り囲む。
【0018】
図9A〜11Aをさらに参照すると、移動コンバータは、パネル駆動スプロケット170などのデッキパネル回転駆動要素も含む。スプロケットは、歯車ハウジング130に隣接し、その外側に配置されたチェーンハウジング172の内側に存在する。スプロケットは、外側歯車ブッシュ156によって、旋回軸158上に回転可能なように取り付けられる。スプロケットは、ベッド中心線22に向かって横方向に延長するスタブシャフト174を持つ。スタブシャフトの内側先端にあるノッチ176は、一次歯車スタブシャフト上でラグ128と結合し、スプロケットを一次歯車に回転可能なように接続する。スプロケットと一次歯車は、従って同軸であり、相互に同速で回転できる。図で示した実施形態では、一次歯車およびスプロケットのピッチ円直径は、それぞれ37.0mmおよび42.6mmである。従って、一次歯車とスプロケットは非単一性駆動比を示し、具体的には、駆動比は約1.15である。
【0019】
チェーンハウジング172は、枠組みの中空内部に(すなわち、レール52の中に)延長する。チェーンハウジングは、内部トラックまたは突起182、肩部184、および枠組みレールの第一のスロット60と一致する細長いスロット186を含む。アイドラースプロケット192は、その遠位端194で、チェーンハウジングの内部に回転可能なように取り付けられる。チェーンハウジングはデッキ枠組み50に対して不動なため、アイドラーは枠組み上に取り付けられていると考えられる。
【0020】
スライダー200は、ハウジング内部トラック182上に移動可能なように保持されているスライドリンク202、およびスライドリンクにボルト締めされているスライドブロック204を含む。スライドリンクは、チェーンハウジング肩部184に隣接する突起206を持ち、スライドリンクをチェーンハウジング172内に閉じ込める。スライドブロックは、第一のレールスロット60の両側の枠組みレール50上部の上に横たわる頭部分208、およびレールスロットを通って突き出しスライドリンクまで延長する首部分210を含む。スライダーは、スライドブロックから突き出している駆動ラグ218も含む。駆動ラグは、デッキパネル72に接続され、それによってスライダーをパネルに接続している。
【0021】
図12Aを参照すると、第二のスライダー212は、頭部分226と首部分228を持つ第二のスライドブロック214を備える。第二のスライダーは、押さえ板230も含む。スライダーブロック214の頭部分226は、第二のレールスロット62の両側の枠組みレール52上部の上に横たわる。首部分228はレールスロット62を通って突き出ており、押さえ板まで延長する。押さえ板の側面が、第二のレールスロット62の両側の枠組みレール52の内部の下に存在し、スライダーがスロットの長さに沿って縦方向にスライドできるように、スライドブロックおよび押さえ板は一緒にボルト締めされる。駆動ラグ218はデッキパネル72に接続され、それによってスライダーをパネルに接続している。
【0022】
ローラーチェーン220、各スプロケットの周りのループ170、192は、スプロケットの歯と噛み合う。チェーンの端部は、スライドリンク202の反対側端部に接続され、それによってチェーンをデッキパネル72にも接続している。スプロケットの間に直線的に延長するチェーンの部分が駆動システムの動作中にP1またはP2の方向に移動する限り、チェーンは線形または移動可能な駆動要素である。他の運動学的に同等の装置を、ローラーチェーン220の代わりに使用してもよい。例えば、
図13Aに見られる一例であるリフトチェーンが、移動可能な駆動要素としての役割を果たしうる。
【0023】
スプロケット170、192、チェーン220およびスライダー200によって、一次歯車はデッキパネル72に動作可能なように接続される。
【0024】
動作中、アクチュエータ90は延長し、枠部材の梁58をベッドの頭側端部12に向かって縦方向に押す。圧縮リンク74は、時計回りに回転して、上半身デッキ枠組みの角度方向αを変化させる。
図5A、8A、9Aおよび10Aに見られるように、上昇可能フレームに対する枠組みの縦方向の移動は、一次歯車124を時計回りに回転させる。一次歯車は、パネル駆動スプロケット170を同じ回転方向に駆動する。スプロケットは、スライダー200に作用するチェーンを駆動して、デッキパネル72をデッキ枠組み50に対してP1の方向に移動させる。アクチュエータの格納は、上述の動きを逆転し、デッキパネルをP2の方向に移動させる。
【0025】
動作中、歯車ラック102と一次歯車124の間の運動学的相互作用は、デッキ枠組みと上昇可能フレームの間の相対的平行移動および/または回転を、一次歯車124の回転運動に変換する手段としての役割を果たす。スプロケット170とチェーン220の間の運動学的相互作用は、回転運動を平行移動運動に変換する手段としての役割を果たす。スライダー200およびラグ218は、チェーンの平行移動運動をパネルに伝える手段としての役割を果たす。
【0026】
図14Aは、上述のベッド構造のアクチュエータ90、上昇可能フレーム28、デッキ枠組み50および圧縮リンク74の運動学的相互作用を示す、簡易概略図である。前述したように、ジョイント78はフレーム28に対して不動である。
図14Aに示されるように、アクチュエータ90の動作によって、デッキパネル72は、上昇可能フレームに対して距離Dだけ縦方向に移動し、上昇可能フレームに対して角度βほど回転する。
図15Aに見られる別の実施形態では、ジョイント78は、第二のアクチュエータ222の動きによってフレームに対して縦方向に移動可能である。アクチュエータ90および222の動きがどのように調整されるかにより、いかなる移動(
図15AC)または第一の実施形態(
図15AD)にあるように回転や移動もされることなく、上昇可能フレームに対して回転される枠組み(
図15AB)の回転なしで、デッキフレーム50は上昇可能フレーム28に対して縦方向に移動することができる。第二のアクチュエータ222を含めると複雑性が増すが、柔軟性も増加し、これは望ましい可能性がある。本明細書に記述の移動コンバータは、フレームとデッキ枠組みの間の相対運動に反応し、その相対運動が平行移動、回転、またはその組み合わせであるかどうかには関係ないため、
図14Aおよび15Aの両方の実施形態に同じように適用できる。
【0027】
移動コンバータのさまざまな構成要素の運動学的同等物を、図で示した構成要素の代わりに使用できることが理解される。例えば、チェーン220およびスプロケット170、192の代わりにベルトおよび滑車を使用することができ、ノッチ付きまたは歯付きベルトおよび噛み合い歯車をチェーンおよびスプロケットの代用とすることもでき、ローラーおよび高摩擦係数のトラック(ローラーの滑りを防ぐため)を歯車124およびラック102の代用とすることもできる。
【0028】
パートB
図1B〜2Bを参照すると、ベッド20は、微気候管理(MCM)機能を持つ保持表面22を持つ。MCM可能な保持表面は、MCMが可能でないマットレスの上に設置されたトッパーとして示されているが、代わりにマットレスそのものでもよい。保持表面は使用者24を保持する。保持表面は、内部流体流路30と境を接し、それを少なくとも部分的に画定する材料層26を含む。保持表面の一部32は、使用者がその上で休む部分で、蒸気透過性である。保持表面は、空気取り込み口36および空気排気口38を含む。作動中、気流40は流路を通って流れ、熱および水蒸気のためのシンクの役割を果たす。ベッドは、微気候管理システムの動作に関するユーザー指示を受け入れるためのユーザーインターフェース42も含む(
図3B、4B)。図で示されたユーザーインターフェースは、ユーザーの指示を受け入れるためのキーパッド44および情報をユーザーに伝えるための表示パネル46を含む。ベッドは、微気候管理システムを制御するために、ユーザーの指示に応答する制御装置50も含む。
図3B〜4Bを参照すると、微気候管理システムは、チラー60、水収集システム62、および一実施形態ではヒーター64を含む。
【0029】
改良された微気候管理のための方法およびシステムをさらに説明する前に、特定の定義およびコンセプトを確立することが有益であろう。
【0030】
熱伝達の2つの主な機序が微気候に影響を与える。一つの機序では、乾熱伝達は温度差に比例し、使用者/表面の接触面における液相汗の有無とは無関係である。保持表面が、所定の温度差で乾熱伝達に影響を与える潜在力は、その乾流束容量DFCと呼ばれる。本明細書に記述のシステムの作動中に実際に実現される乾熱伝達が、実際の乾流束DFである。乾熱伝達は使用者/表面の接触面に液相汗が存在するかどうかには無関係なため、実際の乾流束DFは乾流束容量DFCに等しい:
DF = DFC = (1/R
DRY) (T
SKIN - T
STREAM) (1)
【0031】
ここでR
DRYは、気流40の状態(例えば、温度および流速)および使用者の皮膚への気流の近さと組み合わせた、MCM可能な表面22(特に保持表面の部分32)の特性である。具体的には、R
DRYは、保持表面および気流の乾熱の流れに対する抵抗を特徴付けるシステム定数である。逆数1/R
DRYは、例えば、ワット/メートル
2/℃など、電力/単位面積/温度の単位を持つ。低い値のR
DRYは、高い熱伝達に対応し、高い値のR
DRYは、低い熱伝達に対応する。下に示す例では、R
DRYは0.300(m
2℃)/ワットの値を持つ。
【0032】
T
SKINは、使用者/表面の接触面における使用者の皮膚の温度である。T
SKINは、摂氏温度(℃)などの温度単位を持ち、
T
STREAMは、気流40の温度である。本開示および付随する数字の例の目的で、また多くの実際的な応用では、T
STREAMは、部屋の周囲室温T
AMBIENTに等しいものとして概算できる。周囲空気に与えられる温度変化の影響はトッパーを通して伝わるので、このような概算は温度変化の影響を無視する。これらの温度変化は、トッパーを通して流れるようにするため部屋の周囲空気を加圧することに関連する温度変化、近隣の電子部品による熱遮断から生じる熱伝達、および使用者から気流に伝達される熱など、多くの要因に起因しうる。T
STREAMは、摂氏温度(℃)などの温度単位を持つ。
【0033】
乾流束容量DFCおよび乾流束DFは、例えば、ワット/メートル
2などの、単位面積あたりの電力の単位を持つ。
【0034】
所定のシステムに対するR
DRYの値は、「ドライプレートテスト」で実験的に決定できる。36℃の試験温度(広範な測定値に基づいた合理的な「標準的な」ヒトの皮膚温度)まで加熱したドライテストプレートを、表面上に配置する。36℃より低い既知の温度の気流は、表面の反対側に沿って流れるようになる。テスト気流の冷却効果にもかかわらず、プレートの温度を36℃に維持するのに十分な割合でエネルギーがプレートに供給される。これらの数値は、方程式(1)に使用される(36°はT
SKINの値として使用され、テスト気流の温度はT
STREAMとして使用され、テストプレートを一定の温度36°に保つために供給されるテストプレートの単位面積あたりの電力は、乾流束DFの値として使用される)。次に方程式(1)をR
DRYについて解くことができる。
【0035】
熱伝達の第二の機序である湿熱伝達は、使用者の皮膚における水蒸気(汗)の分圧と気流40の水蒸気の分圧の差に比例する。保持表面が湿熱伝達に影響を与える潜在能力は、その湿流束容量WFCである。本明細書に記述のシステムの作動中に実際に実現される湿熱伝達が、実際の湿流束WFである。皮膚/表面の接触面における蒸発に対して汗が利用できる時に、湿流束容量WFCは、実際の湿流束WFとして実現される。潜在的および実際の湿熱伝達率は、それぞれ湿流束容量WFCおよび湿流束WFと呼ばれ、次のように表すことができる。
WFC = (1/R
WET) (P
H2O,SKIN - P
H2O,STREAM) (2A)
WF = (1/R
WET) (P
H2O,SKIN - P
H2O,STREAM) (2B)
【0036】
ここでR
WETは、気流40の状態(例えば、温度および流速)と使用者の皮膚への気流の近さを組み合わせた、MCM可能な保持表面22(特に保持表面の部分32)の特性である。具体的には、R
WETは、保持表面および気流の蒸発冷却に対する抵抗を特徴付けるシステム定数である。その逆数、1/R
WETは、例えばワット/メートル
2/パスカルなど、電力/単位面積/単位圧力の単位を持つ。R
WETの低い値は高蒸発熱伝達に対応し、R
WETの高い値は低い蒸発熱伝達に対応する。下に示す例では、R
WETは250(m
2Pa)/ワットの値を持つ。
【0037】
P
H2O,SKINは、使用者の皮膚(すなわち、使用者/表面の接触面)における水蒸気の分圧であり、P
H2O,SKINはパスカル(Pa)などの圧力の単位を持ち、
P
H2O,STREAMは、気流40中の水蒸気の分圧である。T
STREAMは、T
AMBIENTに等しいと概算された場合、P
H2O,STREAMは部屋の周囲室温での水蒸気の分圧に等しいものと概算できる。P
H2O,STREAMは、パスカル(Pa)などの圧力の単位を持つ。
【0038】
方程式2Aおよび2Bの右側は形式が同一であるが、方程式2Aは、システムの潜在能力または容量を記述するので、制限なしに適用される。方程式2Bの適用性は、液体汗が蒸発のために利用可能な時のみに実現する実際の湿熱伝達を説明するので、液体汗が使用者/表面の接触面に堆積される時の条件に制限される。
【0039】
湿流束容量WFCおよび湿流束WFは、例えば、ワット/メートル
2などの、電力/単位面積の単位を持つ。
【0040】
所定のシステムに対するR
WETの値は、「ウェットプレートテスト」で実験的に決定できる。まず、ドライプレートテストを上述のように行なう。次に、テストプレート全体がテストの間中濡れたままであることを確実にするために、プレートに方向付けられた水を供給しながら、テストを繰り返す。乾熱伝達およびテスト気流に起因する蒸発冷却の組み合わせ効果にもかかわらず、プレートの温度を36℃に維持するのに十分な割合で、エネルギーがプレートに供給される。次に、テストから得られた適切な数値を方程式(2Aまたは2B)に代入する。WF(またはWFC)に使用される値は、テストの湿相の間にテストプレートに供給された電力と、テストの乾相の間に供給された電力の差である。テスト中、液体水分がプレート/表面の接触面に存在するので、P
H2O,SKINに使用される値は5946Paであり、これは36℃および100%相対湿度(すなわち飽和圧力)での水蒸気の分圧である。P
H2O,STREAMは、部屋の周囲空気の測定相対湿度に、支配的な室温での水蒸気の飽和圧力を掛けて決定される。次に方程式(2)をR
WETについて解くことができる。
【0041】
前述から明らかなように、RDRYおよびRWETは、システムに固有の定数であり、すなわち、それらは表面、または少なくとも対象の表面部分32を作るために使用される材料の特性、保持表面を通過する気流40の状態の特性、および使用者の皮膚への気流の近さの特性である。TSTREAM、TSKIN、PH2O,STREAMおよびPH2O,SKINといった因子は、その値が部屋の空気の温度と湿度、および使用者の皮膚において一般的な条件に依存するため、環境に関連する因子である。
【0042】
合計熱回収(抜熱)容量THWCは、乾流束容量DFCと湿流束容量WFCの和である。実際の合計熱回収THWは、乾流束DFと湿流束WFの和である。
THWC = DFC + WFC (3A)
THW = DF + WF (3B)
【0043】
本出願では、エネルギー/単位時間/単位面積の単位を持つ湿流束容量および湿流束を、(水の)質量/単位時間/単位面積の単位を持つ蒸発容量ECおよび蒸発率ERとして示すことが有効である。約36℃での水の蒸発熱は、約2420ジュール/グラムである。すなわち、1グラムの水を蒸発させるためには、約2420ジュール(2420ワット秒または0.672ワット時)のエネルギーが必要である。従って、1ワット/m
2の湿流束容量は、1.489g/時間/m
2の蒸発容量に対応し、1ワット/m
2の実際の湿流束は、1.489g/時間/m
2の実際の蒸発率に対応する。
EC = 1.489 WFC (4A)
ER = 1.489 WF (4B)
ここでECおよびERはグラム/時間/平方メートルで表される蒸発容量および蒸発率であり、1.489はグラム/ジュールで表される36℃の水の蒸発熱の逆数であり、WFCおよびWFはグラム/ワット時で表される湿流束容量および実際の湿流束である。
【0044】
方程式(1)、(2A)および(2B)を使用して、方程式(3A)および(3B)を次のように書き直すことができる:
THWC =(1/RDRY)(TSKIN - TSTREAM) + (1/RWET)(PH2O,SKIN - PH2O,STREAM)(5A)
THW =(1/RDRY)(TSKIN - TSTREAM) + (1/RWET)(PH2O,SKIN - PH2O,STREAM)(5B)
または別の方法としては、
THWC =(1/RDRY)(TSKIN - TSTREAM) + EC/1.489 (6A)
THW =(1/RDRY)(TSKIN - TSTREAM) + ER/1.489 (6B)
ここで
EC = 1.489 WFC = (1.489/RWET)(PH2O,SKIN - PH2O,STREAM) (7A)
ER = 1.489 WF = (1.489/RWET)(PH2O,SKIN - PH2O,STREAM) (7B)
【0045】
システムの潜在能力または容量を示す方程式(方程式5A、6A、7A)は、液体汗が使用者/表面の接触面に堆積されているかどうかにかかわらず適用され、実際の性能を示す方程式(方程式5B、6B、7B)は、液体汗が使用者/表面の接触面に堆積されている時にのみ適用されるという条件が与えられる。
【0046】
システム定数R
DRYおよびR
WETの値、および環境パラメータT
SKIN、T
STREAM、P
H2O,SKIN、P
H2O,STREAMの値が既知の場合、方程式(5A)、(6A)および(7A)を使用して、潜在的合計熱回収THWCおよびベッド使用者を冷却するために利用可能な蒸発容量ECを決定できる。同様に、方程式(5B)、(6B)および(7B)を使用して、実際の合計熱回収THWおよびベッド使用者に適用された蒸発率を決定できるが、これは、これらの方程式を使用する条件(使用者/表面の接触面での蒸発に利用可能な汗の存在)が満たされていることを条件とする。T
SKINは、実際の皮膚温度の測定値から決定するか、または36℃などの標準値で表すことができる。P
H2O,SKINは、使用者/表面の接触面において支配的な相対湿度での、T
SKINにおける水蒸気の分圧として表すことができる。使用者/表面の接触面に、蒸発のために利用可能な液相汗がある時、相対湿度は100%である。36℃の標準値がT
SKINの値として使用された場合、相対湿度100%でのP
H2O,SKINは5946Paとして表すことができる。
【0047】
または、望ましい蒸発率ERDESIREDが指定された場合、パラメータRWET、RDRY、TSKIN、PH20,SKIN、部屋の周囲空気温度のTAMBIENT、および部屋の相対湿度のRHAMBIENTを使用して、指定された蒸発率および結果得られる合計熱回収を達成するために必要な流れの条件、TSTREAM,REQUIREDおよびPH2O,STREAM,REQUIREDを計算できる。蒸発率がユーザー指定のパラメータであるのに対して、TSTREAM、PH2O,STREAM、およびTHWは従属パラメータであることを反映するために、方程式5、6および7が、方程式5C、6Cおよび7Cとして下記に書き換えられている。方程式5C〜7Cは、皮膚/保持表面の接触面で蒸発するべき汗の存在を前提としている。
WFREQUIRED = ERDESIRED/1.489 =
(1/RWET)(PH2O,SKIN - PH2O,STREAM,REQUIRED) (7C)
THW =(1/RDRY)(TSKIN - TSTREAM,REQUIRED) +
(1/RWET)(PH2O,SKIN - PH2O,STREAM,REQUIRED) (5C)
または別の方法としては
THW =(1/RDRY)(TSKIN - TSTREAM, REQUIRED) + ERDESIRED/1.489 (6C)
【0048】
別の代替法としては、望ましい合計熱回収THWDESIREDが指定され、既存の合計熱回収を超える場合、乾流束を増加させるだけで望ましい合計熱回収が得られるか、または湿流束の増加と乾流束の増加の組み合わせが必要でありうるが、所定のTHWDESIREDに対して乾流束と湿流束の配分を独立して指定することはできない。実際、合計熱回収の一部の指定は、望まれるよりも大きな湿流束(蒸発冷却)を必要としうる。THWがユーザー指定のパラメータであるのに対して、流れ条件のTSTREAM、PH2O,STREAM、およびECは従属パラメータであることを反映するために、方程式5、6および7が、方程式5D、6Dおよび7Dとして下記に書き換えられている。方程式5D〜7Dは、皮膚/保持表面の接触面で蒸発するべき汗の存在を前提としている。
THW
DESIRED =(1/R
DRY)(T
SKIN - T
STREAM,REQUIRED) +
(1/R
WET)(P
H2O,SKIN - P
H2O,STREAM,REQUIRED) (5D)
または別の方法としては
THW
DESIRED =(1/R
DRY)(T
SKIN - T
STREAM, REQUIRED) +
ER
REQUIRED/1.489 (6D)
ここで
ER
REQUIRED = 1.489 WF
REQUIRED =
(1.489/R
WET)(P
H2O,SKIN - P
H2O,STREAM,REQUIRED) (7D)
【0049】
上記のように、方程式5C〜7Cおよび5D〜7Dによる、必要な流れ条件の決定は、T
SKINの値として36℃を使用し、P
H2O,SKINの値として、36℃および100%RHでの水の蒸気圧5946Paを使用することによって、いくらか簡素化できる。
【0050】
MCM可能な保持表面および
図3Bの微気候管理システムの作動は、パスカル(Pa)で表される圧力を、℃で表される温度の関数として示す
図6Bのグラフを参照することにより理解される。線VPは、水の蒸気圧を示し、飽和線または相対湿度(RH)100%の線とも呼ばれる。丸印は、皮膚温度T
SKINが36℃である、発汗しているベッド使用者を示す。使用者/保持表面の接触面での汗のために、接触面での相対湿度は100%であり、これは36℃では5946Paの蒸気圧に対応する。
【0051】
四角の印は、25.6℃の温度および75%の相対湿度を持つ部屋の周囲空気を示し、これは2451PaのP
H2O,AMBIENTに対応する。施設のHVAC機器で加えられる以外には、温度または湿度調節が加えられていないという意味で、部屋の周囲空気は無調節である。保持表面流路30を通って流れる気流40がこの無調節周囲空気を含む場合、方程式(1)〜(4)およびR
DRY=0.300(m
2℃)/ワットおよびR
WET=250(m
2Pa)/ワットによると、使用者は以下を経験することになる:
ER= 20.8g/時間/m
2、3495 Paの分圧差に対応
WF = 14.0ワット/m
2
DF = 34.7ワット/m
2、10.4℃の温度差に対応
THW = 48.7ワット/m
2
【0052】
蒸発冷却を増やすことが望ましい場合、看護師または他の介護者などのユーザーは、キーパッド44を使用して、例えば24.0g/時間/m
2(これは無調節周囲空気で達成可能な20.8g/時間/m
2よりも大きい)などの望ましい蒸発率ERを指定するであろう。ユーザーの指示に反応して、制御装置50は、チラー60の作動に、周囲温度を16.8℃(三角の印)に冷却するように命令するが、この温度は周囲空気が相対湿度100%(楕円の印)の状態に達するのに必要な温度である20.8℃より低い。グラフで見られるように、25.6℃から20.8℃への冷却は、相対湿度が100%に上昇するまで一定の水蒸気分圧で、空気の温度を低下させる。冷却プロセスのこのセグメントは、空気の乾流束容量を増加させる(および実際の乾流束も増加させる)が、分圧の変化がないために、その湿流束容量または実際の湿流束は増加させない。20.8℃から16.8℃への冷却は、飽和線VPに沿って進行し、水蒸気を凝縮させ、それによって、空気を除湿する(すなわち、気相H
2O分子と気体空気の混合物から水分子を除去する)。冷却プロセスのこのセグメントは、湿流束容量WFCおよび実際の湿流束WF、従って(2451Paから1916Paへの分圧の減少のために)蒸発容量ECおよび蒸発率ERを増加させる意図された効果を持ち、(20.8℃から16.8℃へのさらなる温度低下のために)乾流束容量および乾流束をさらに増加させる。
【0053】
水除去システム62は、液体の水を排水またはその他の方法で除去する。図示された水除去システムは、気相から液相への移行の効率を促進・強化するための核生成装置66を含む。
図7Bを参照すると、一例の核生成装置は、気流40中に突き出している多くの垂直に配向された繊維68を持つ装置である。繊維はロート70の中に収束する。水滴が繊維上に集まる。水滴の重さが、ロート内に滴下する場所の繊維を下方に移動させ、システムから水を導出する。冷却・除湿された空気は、次に保持表面内部流路30に供給され、ここでその強化された乾流束容量および湿流束容量が実際の熱伝達として現れる。
【0054】
下記の表1は、無調節の周囲空気(25.6℃、75% RH)および上述のように冷却した空気を使用した、微気候管理システムの性能パラメータを比較している。合計熱回収の31.4g/時間/m
2の増加は、2.1g/時間/m
2の湿流束および29.3g/時間/m
2の乾流束を含むことに注意すべきである。29.3g/時間/m
2の乾流束のうち、13.3g/時間/m
2は、2.1g/時間/m
2の湿流束を達成するために必要な冷却によって生じる乾流束である。
【0055】
【表1】
上述の方法およびシステムは、蒸発率を増加させた結果として、望まれるより大きな合計熱回収(本明細書で「過冷却」と呼ばれる状態)を生じる。例えば、蒸発率を20.8から24.0g/時間/m
2に増加させるという蒸発効果が望ましい場合があるが、合計熱回収の少なくとも一部は望ましくない場合がある。ヒーター64を利用して、冷却・除湿された空気を流路30に供給するステップの前に空気を加熱することによって、このような状態を緩和することができる。実際問題として、ヒーターは、冷却空気の温度が不十分に低い、または低いであろうと判断された場合のみ作動する。再び
図6Bを参照すると、加熱により、冷却・除湿された空気の温度が16.8℃から、例えば19.0℃(六角形の印)などのより高い値に上昇する。加熱ステップは、気流40中の水蒸気の分圧には影響を与えないため、蒸発率にも影響しない。しかし、温度の上昇は乾流束を(16.8℃での乾流束と比較して)減少させる。表2は、19.0℃に再加熱された空気と比較した、16.8℃に冷却された空気を使用した微気候管理システムの性能パラメータの変化を要約している。表3は、25.6℃および75% RHの無調節の周囲空気を使用した場合の類似の比較を示している。
【0057】
【表3】
図6Bも、使用者/表面の接触面に液相汗がない一例を示している。本実施例は、接触面において90%の相対湿度および36℃の温度を仮定している(四半円の印)。従って、P
H2O,SKINは約5351Paである。湿流束容量WFCの計算は、9.2ワット/m
2の熱伝達の潜在能力を示すことになる。対応する蒸発容量の計算は、使用者/表面の接触面から約13.7g/時間/m
2の水分(汗)を除去する潜在能力を示すことになる。しかし、熱伝達および蒸発のこれらの値は、まず乾熱伝達が温度を約34.1℃まで低下させた場合のみ、実現される(温度は5351Paで相対湿度100%に対応している)。
【0058】
図5Bは、MCM可能な保持表面の蒸発容量を、無調節の周囲空気で達成できる程度を超えて増加させるためのアルゴリズムのブロック図である。ダイアグラムブロックの右の数値は上記の実施例からのもので、T
SKINの値として36℃を、P
H2O,SKINの値として36℃および100%RHの水の蒸気圧5946Paを使用している。ブロック100で、アルゴリズムは、支配的な周囲条件での水蒸気の分圧P
H2O,AMBIENTを、相対湿度、および水の蒸気圧P
VAPOR(これは周囲温度T
AMBの関数である)の関数として計算する:
P
H2O,AMBIENT = (RH) (PVAPOR) (8)
P
VAPORは、例えば、
図6Bの飽和線VPと一致する参照テーブルを使用することにより、または三次方程式(9)など、℃での温度の関数として蒸気圧をパスカルで与える方程式によるものなど、任意の便利な方法で決定されうる。方程式(9)は、約10℃〜40℃の間で飽和線と問題なく一致する:
P
VAPOR = .0776(T
AMB3) - .757(T
AMB2) + 80.364(T
AMB) + 413.15 (9)
ブロック102は、方程式(2)および(4)を使用して、周囲空気で達成可能な蒸発率ER
AMBIENTを計算するが、皮膚/保持表面の接触面における蒸発すべき汗の存在を条件とする。
【0059】
ブロック104は、キーパッド44でのユーザーによる望ましい蒸発率値入力が、無調節周囲空気で達成可能な蒸発率を超えるかどうかを評価する。そうでなければ、ユーザーに別の望ましい値を求めるメッセージ、どの蒸発率値が許容可能かについてのガイダンスを提供するメッセージ、または周囲空気で達成可能な蒸発率が条件を満たすことを確認するようユーザーに求めるメッセージなど、一つ以上のメッセージを表示するように表示パネル46に命令するなど、制御装置はブロック106で「是正措置」を取る。ユーザーが、例えば24g/時間/m
2などの許容可能な望ましい蒸発率を提供すると、アルゴリズムはブロック108に進む。
【0060】
ブロック108で、アルゴリズムは方程式(7B)を使用して、望ましい蒸発率を達成するために必要な水蒸気の分圧P
H2O,STREAM,REQUIREDを計算する。
【0061】
ブロック110で、アルゴリズムは再び、蒸気圧と、ブロック108で決定された P
H2O,STREAM,REQUIREDを達成するために必要な温度を決定するための温度T
STREAM,REQUIREDとの間の関係を使用する。
【0062】
ブロック112および114で、アルゴリズムは、周囲温度とブロック110で決定された必要温度との差ΔTを決定し、ΔTがチラーの既知の性能ΔT
MAX以内であるかどうかを評価する。そうでなければ、ユーザーに別の望ましい蒸発率値を求めるメッセージ、またはどの蒸発率値が達成可能かについてのガイダンスを提供するメッセージなど、一つ以上のメッセージを表示するように表示パネル46に命令するなど、制御装置は「是正措置」116を取る。ユーザーが許容可能な望ましい蒸発率を提供すると、アルゴリズムはブロック104から始まる適切なステップを反復し、ブロック118に進む。
【0063】
ブロック118で、制御装置はチラー60を作動させて、周囲空気をブロック110で決定された必要温度T
STREAM,REQUIREDに冷却する。
【0064】
ブロック120で、制御装置は、ブロック110で決定された必要温度に周囲空気を冷却することで過冷却状態が生じるかどうかを判断する。過冷却のテストは、例えば、ユーザーからの予防的または是正命令、または特定の使用者、使用者の特定クラスに対する所定の限度、または施設プロトコルで確立された限度など、さまざまな形態を取りうる。過冷却テストに問題がある場合、アルゴリズムはブロック122に進む。テストに問題がなければアルゴリズムはブロック124に進み、制御装置がヒーター64を作動させて、冷却・除湿された空気を加熱する。アルゴリズムは次に、ブロック122に進む。
【0065】
ブロック122で、アルゴリズムは一つ以上の微気候性能パラメータを決定し、パラメータを表示パネル46上に表示する。表4は、興味の対象となりうるパラメータの例を、上記の実施例からの数値とともに示している。
【0066】
【表4】
再び
図6Bを参照すると、蒸発率を指定するのではなく、目標の合計熱回収を指定することにより、ユーザーがMCM可能な保持器を管理できるようにするために、本明細書に開示された原理を使用することができる。目標の合計熱回収を達成するために乾流束だけで十分な場合、チラーが作動して、望ましい目標熱回収(例えば、ひし形の印)を達成するために十分低い温度まで周囲空気(正方形の印)を冷却する。この温度は、当然ながら、相対湿度100%に対応する温度よりも高い。
【0067】
目標合計熱回収を達成するために乾流束だけでは十分でない場合、チラーが作動して、相対湿度100%(20.8℃)を達成するのに必要なだけ少なくとも低く、また目標合計熱回収(例えばドーム形の印)を達成するためにも十分低い温度まで空気を冷却する。目標合計熱回収の達成には、乾流束要素に加えて湿流束要素も関与するため、熱回収によって、気流40はベッド使用者に対する乾燥化の影響を発揮する。これが過剰な乾燥につながる場合、湿流束の一部を犠牲にすることが望ましい、または必要となりうる。グラフでは、蒸発冷却限度は限度52で示され、これは所定の湿流束限度に比例する。限度の順守によって、チラーの動作は、くさび型の印において合計熱回収を達成するように制限される。表5は、周囲空気(カラム1)、58ワット/m
2 の合計熱回収を達成するように冷却された空気(カラム2)、77ワット/m
2の合計熱回収を達成するように冷却された空気(カラム3)および67ワット/m
2の合計熱回収を達成するように限界線52まで冷却された空気(カラム4)を使用して、システムの性能パラメータ例を示している。
【0068】
【表5】
前述を考慮すると、本方法およびシステムの特定の付加的態様が理解される。例えば、アルゴリズムの特定のステップの順序を変更しうる。例えば、過冷却のテストは、チラーが周囲空気を冷却した後に実行でき、または冷却前に実行しうるが、これはどの程度の冷却を過冷却として特定するかについてある程度の予見があることを条件とする。
【0069】
前述の数字の例は、介護者が蒸発率(質量/単位時間/単位面積)の望ましい数値または合計熱回収(電力/単位面積)を指定するであろうことを示唆している。または、
図8Bに見られるように、ユーザーインターフェースが、「0」から「10」までの離散スケール、最小蒸発率または合計熱回収から最大蒸発率または合計熱回収までの連続スケール、またはシステムの望ましい性能を指定するための他のそれほど技術的でない方法をユーザーに示すことができる。
【0070】
この開示では具体的な実施形態を記載しているが、当業者であれば、付随の請求項で規定される主題から逸脱することなく、形態や詳細に対してさまざまな変更を行うことができることが理解されるであろう。