(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ワイヤが、縦軸線を中心とする前記ロッドの選択的な回転に応じて前記縦軸線に沿って前記ナットと共に並進移動するように、前記作動機構が、前記縦軸線に沿って延びるねじ付きロッドと、前記ワイヤに連結されかつ前記ロッドにねじ係合されたナットとを含む、請求項1に記載のハンドル組立体。
ガイドワイヤが前記カテーテル及び前記チューブを通して挿入可能であるように、前記チューブが、前記カテーテルを通して延びる少なくとも1つの管腔と概ね連続して長手方向に延びる孔を含む、請求項3に記載のハンドル組立体。
前記チューブの前記孔が前記カテーテルと前記ハウジングの前記近位部との間に延び、その結果、前記ガイドワイヤが、前記近位部の近くの前記ハウジングの外側へのアクセスのために、前記カテーテルから前記チューブを通して送られることができる、請求項6に記載のハンドル組立体。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1A】本発明の一実施態様によるハンドル組立体の斜視図である。
【
図1B】本発明の一実施態様による医療装置の斜視図である。
【
図2A】第1ステージの展開中のハンドル組立体の斜視図である。
【
図2B】第1ステージの展開中の医療装置の斜視図である。
【
図3A】ハンドル組立体の斜視図であり、医療装置の位置操作を示している。
【
図3B】医療装置の遠位部の部分側面図であり、装置アンカーの引き込み及び解放を示している。
【
図4】自己拡張型医療装置の遠位部の部分斜視図であり、第2の制御ラインの詳細を示している。
【
図5A】第2及び第3の制御ラインの固定引っ張りシーケンスを示したハンドルの切り取り斜視図である。
【
図5B】第2及び第3の制御ラインの固定引っ張りシーケンスを示したハンドルの切り取り斜視図である。
【
図6B】第2及び第3の制御ラインの取り外しを示した医療装置の側面図である。
【
図7B】第4の制御ラインの作動を示す医療装置の図面である。
【
図8】安全アクセス口を示したハンドルの斜視図である。
【
図9A】制御ラインを取付け部又は基体に固定するために使用される装置及び方法の部分平面図である。
【
図9B】制御ラインを取付け部又は基体に固定するために使用される装置及び方法の部分側断面図である。
【
図9C】制御ラインを取付け部又は基体に固定するために使用される装置及び方法の部分平面図である。
【
図9D】制御ラインを取付け部又は基体に固定するために使用される装置及び方法の部分側断面図である。
【
図9E】制御ラインを取付け部又は基体に固定するために使用される装置及び方法の部分平面図である。
【
図9F】制御ラインを取付け部又は基体に固定するために使用される装置及び方法の部分側断面図である。
【
図10A】本発明の保持部を評価するために使用される試験固定具の平面図である。
【
図10B】本発明の保持部を評価するために使用される試験固定具の斜視図である。
【
図10C】本発明の保持部を評価するために使用される試験固定具の断面図である。
【
図10D】本発明の保持部を評価するために使用される試験固定具の断面図である。
【
図11】本発明の代替実施態様によるハンドル組立体の断面図である。
【
図12】
図11のハンドル組立体の作動機構の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、医療装置を送達するために使用されるハンドルに関し、この場合、ハンドルは医師が活性化段階の固定シーケンスを実行するのを補助する。その最も単純な形態では、ハンドルは、遠くに位置する展開可能な装置との連通のために第1の遠位に延びるラインに取り付けられた第1の取り外し可能な部材と、展開可能な装置を調整するための調整部を有する第2の部材とを備える。第2の部材は、第1の取り外し可能な部材によって少なくとも部分的に覆われ、遠くに位置する展開可能な装置との連通のために第2の遠位に延びるラインに取り付けられる。
【0015】
装置の他の態様は、遠くに位置する展開可能な装置との連通のために第1の遠位に延びるラインに取り付けられた第1の取り外し可能な部材と、回転可能な部分を有する第2の取り外し可能な部材であって、前記第1の取り外し可能な部材によって少なくとも部分的に覆われ、かつ遠くに位置する展開可能な装置との連通のために第2の遠位に延びるラインに取り付けられた第2の取り外し可能な部材と、前記第2の取り外し可能な部材によって少なくとも部分的に覆われ、かつ遠くに位置する展開可能な装置との連通のために第3の遠位に延びるラインに取り付けられた第3の部材とを備えるハンドルを提供する。
【0016】
部材は、取り外し可能な部材及び/又は可動部材の形態を取り得る。例は、ワイヤ、カバー、ノブ、ノブ組立体(ノブ内に追加の構成要素を有するノブ)、ピン、キャップ、蓋、シートカバー(例えばテープ)、フック、スイッチ、又は遠位に延びるラインの取り外し及び/又は作動の順序を促進するための他の構造を含むが、それらに限定されない。前記第1、第2、第3、又は追加の部材は、部材又は他の任意の構造の上に挙げたタイプの任意の組み合わせであり得る。前記部材は、遠位に延びるラインに取り付けることができる。部材は、特に、回転、引っ張り、押し、押圧、曲げ、スナップ外し、破壊、あるいは部材を取り外す及び/又は移動させ、かつ遠位に延びるラインをなお作動させることができる他の任意の方法によって取り外すか及び/又は移動させることができる。一態様では、前記部材は、互いに(すなわち、他の部材内に入れ子式に)覆うことができる。他の態様では、前記部材は、他の部材が取り外される及び/又は移動される前に、他の部材が取り外される及び/又は移動されることを防止する。固定シーケンス作動ハンドルは、第1、第2、第3又は追加の遠位に延びるラインの少なくとも1つにアクセスすることを可能にするポートをさらに備えてもよい。
【0017】
他の態様において、固定シーケンス作動ハンドルは、第1及び第2の部分を有する遠くに位置する展開可能な装置と連通する遠位に延びるラインに各々が取り付けられた少なくとも第1、第2及び第3の取り外し可能な部材を有し、この場合、ハンドルからの第1の部材の取り外しは、遠くに配置する展開可能な装置の第1の部分の部分的な展開をもたらし、このように第2の部材へのアクセスを可能にする。第2の部材は、回転可能な部分を含むことができ、この場合、前記回転可能な部分の回転は展開可能な装置の第1の部分を調整し、また前記第2の部材の取り外しにより、装置の第1の部分の完全な展開がもたらされ、第3の部材へのアクセスを可能にする。第3の部材の操作により、装置の第2の部分が展開される。他の態様では、第1の部材の存在により、第2の部材の取り外し及び/又は移動が防止される。他の態様では、第2の部材の存在により、第3の部材の取り外し及び/又は移動が防止される。他の態様では、第3の部材は第2の部材内に入れ子式に収められ、第2の部材は第1の部材内に入れ子式に収められる。他の態様では、医療/送達チームによって取り外された構成要素に対しする容易な確認のために、前記取り外し可能な部材を共に係留することができる。他の態様では、取り外された部材に対して容易に確認できるように、取り外された各々の構成要素をホルダに設置するためのシステムも考えられる。
【0018】
また、第1及び第2の部分を有する遠くに位置する展開可能な装置と連通するための遠位に延びる少なくとも1つのラインに各々が取り付けられた少なくとも第1、第2及び第3の取り外し可能な部材を有するハンドルを設ける工程と、展開可能な装置を目標位置に送達する工程と、装置の第1の部分を部分的に展開して、第2の部材へのアクセスを可能にするために、第1の部材をハンドルから取り外す工程と、展開可能な装置の第1の部分を調整するために、第2の部材の回転可能な部分を回転させる工程と、装置の第1の部分の展開を完全にして、第3の部材へのアクセスを可能にするために、第2の部材を取り外す工程と、装置の第2の部分を展開して、展開された装置の送達をもたらすために、第3の部材を操作する工程とを含む展開可能な装置を送達する方法が提供される。
【0019】
例示目的のために、
図1〜
図7は、医療装置及び送達シーケンスの詳細な実施例を提供している。シーケンスのステップは、送達ハンドルの設計によって指定されかつ固定される。分かりやすくするために、
図1〜
図7は、ハンドルが展開されるときの典型的な医療装置の対応する図面と共にハンドル作動の様々な段階を示している。
【0020】
図1A及び
図1Bは、本発明の一実施態様によるハンドル組立体の斜視図である。
図1Bは、展開されるべき医療装置の側面図である。カテーテル102を有するハンドル組立体100が示されている(
図1A)。カテーテル102は、医療装置組立体104まで延びる。カテーテルの一部分が、内部制御ラインを露出するために取り外されて示されている。図示した医療装置は、2つの別個の拘束シース106と108によって拘束状態に保持される自己拡張性のステントグラフトである。拘束シースの各々は「リップコード」スティッチ110と112を有する。ステントグラフト及び拘束シースは、例えばマーティン(Martin)らの米国特許第6042605号、マーティン等の米国特許第6361637号、及びマーティン等の米国特許第6520986号明細書に一般に開示されたような方法及び材料に従って製造できる。医療装置の遠い遠位端に、オリーブ114がある。ガイドワイヤ管腔116は、オリーブの遠位端を出て、カテーテル102及びハンドル100を通して延びる。医療装置の送達中に典型的にガイドワイヤが使用されるが、分かりやすくするために図から省略されている。カテーテル102内に、4つの個々の制御ライン120、122、124、126が収容される。医療装置の展開を行うために、後でこれらの制御ラインが使用される。ハンドル組立体100に取り外し可能に取り付けられた第1の部材128も示されている。
【0021】
図2A及び
図2Bは、第1段階の展開中のハンドル組立体100及び医療装置組立体104の斜視図を示している。第1段階の展開を行うために、第1の部材128が矢印202の方向に従って回転され、次に矢印204の方向に沿って引っ張られる。第1の制御ライン120が第1の部材128に取り付けられている。第1の部材128が引っ張られると、第1の制御ライン120が矢印206の方向に沿って引っ張られる。第1の制御ライン120が引っ張られるとき、第1の制御ラインは遠位の拘束シース106の「縫い目をほどき」、ステントグラフトの遠位部が矢印208で示した方向に自己拡張することを可能にする。遠位の拘束シースの縫い目が完全にほどかれるまで、第1の部材128が引っ張られる。第1の部材をさらに引っ張ることによって、第1の制御ライン120がカテーテル/ハンドルから完全に取り外されて、廃棄される。
図2に示される状態の間に、医療装置組立体は、近位の拘束シース108によってカテーテル102に取り付けられたままである。やはり
図2に示される状態の間に、医療装置のアンカー又はバーブ210は引っ込められた又は収縮した状態にある。
【0022】
図3Aは、医療装置組立体104の遠位部の部分側面図(
図3B)と共にハンドル組立体100の斜視図を示している。第1の部材128(
図2)が取り外されると、第2の部材302が露出される。ノブの形態の回転可能な部分304が第2の部材302に固定されている。
図2及び
図3に示される状態の間、血管内の医療装置の位置を正確に調整することができる。例えば、ハンドル組立体100を方向矢印306に沿って並進移動させて、医療装置を長手方向306に移動させるか又は調整することができる。同様に、ハンドルを矢印308で示したように回転させて、医療装置を回転させることができる。長手方向の調整により、医療装置を血管内の特定の目標に、例えば側方分岐血管に非常に近いがそれを閉塞しない位置に正確に整列することが可能である。回転による調整はまた、分岐した即ち側方分岐の装置の正確な整列を可能にする。
【0023】
医療装置の長手方向操作及び回転操作は、医療装置がカテーテルに取り付けられていて、アンカーが引っ込められた状態にあるため可能である。医療装置が目標の場所に正確に位置したとき、装置のアンカーを解放して血管壁と係合可能にすることができる。アンカーの解放(又は引っ込め)は、回転可能部分304を矢印310で示した方向に回転させることによって行われる。回転可能部分304が回転されると、張力312が第2の制御ライン122に加えられる(又は除去される)。制御ライン122はカテーテルを通り、次に、医療装置の遠位アンカー部の周りに「巾着のひも」状に縫うように通されている。制御ライン122は、張力が加えられるとアンカーを後退させる。回転可能部分304が反対方向に回転されると、制御ライン122に対する張力が緩められ、装置のアンカー部が矢印314で示した方向に自己拡張することを可能にし、これによってアンカーを血管壁内に係合させる。
【0024】
医療装置が正確に整列され、装置のアンカーが係合された後、第2の制御ライン122を取り外さなければならない。
図4は、自己拡張式の医療装置104の遠位部の部分斜視図であり、第2の制御ライン122の細部を示している。第2の制御ライン122は、カテーテル102に取り付けられた小さなチューブ402内に収容されて示されている。第2の制御ライン122は、巾着のひも状にステントグラフトを縫うように通されて示されている。第2の制御ライン122は、第3の制御ライン124によって捕捉されるループ404で終端する。第3の制御ライン124が矢印406で示した方向に引っ張られると、ループ404が解放され、第2の制御ライン122を矢印410で示した方向に引っ張ることが可能になる。次に、第2の制御ライン122はさらに引っ張られて、医療装置から取り外される。
【0025】
医療装置から第2の制御ライン122を取り外すためには、最初に第3の制御ライン124を引っ張る(第2の制御ラインを解放する)必要がある。2つの制御ラインを引っ張るこのシーケンスは、
図5A及び
図5Bに示されたハンドル機構によって行われる。第3の制御ライン124は、回転可能な部分304に直接取り付けられ、その結果、最初に第2の部材302が矢印502で示した方向に回転されると、第3の制御ライン124が引っ張られて、ループ404を解放する(
図4)。第2の部材302を回転させるためには、インタロックボタン503を手動で作動しなければならない。第2の制御ライン122は剛性チューブ504内に収容されている。したがって、第2の部材302が回転されると、剛性チューブ504が
図5Bに示されるように回転される。したがって、剛性チューブは一定の長さを保つので、第2の制御ラインにはそれ以上に張力が加えられない。したがって、部材302の回転は、第3の制御ライン124と第2の制御ライン122との間に運動の差を生じる。第2の部材302が完全に回転された後、2つの制御ライン122、124を同時に並進移動させることができる。この機構を使用して、3つ以上の制御ラインを作動させることができる。
【0026】
次に、
図6Aの斜視図及び
図6Bの部分側面図に示されるように、第2の部材302は、それが取り付けられた回転可能な部分304と共に矢印602で示した方向に引っ張ることによって取り外すことができる。第2の部材302及び回転可能な部分304が引っ張られると、2つの制御ライン122と124は引っ張られて、装置、カテーテル及びハンドルから完全に取り外される。第2の部材302及び回転可能な部分304は、ノブが完全に回転されて医療装置のアンカーの完全な拡張を可能にしない限り、それらをハンドルから取り外すことができないように、連結されている。ノブの回転は、従動ナットを定位置に並進移動させ、次に前記従動ナットがインタロックを解放して第2の部材302の引き続く取り外しを可能にする。さらに、ボタンなどの第2のインタロックを設けることができ、このボタンは、第2の部材302の取り外しを可能にするために手で作動されなければならない。第2の部材302及び取り付けられた制御ラインを完全に取り外した後、
図6に部分的に示される医療装置組立体104の遠位部は、アンカー210が血管壁604に係合した状態で完全に展開される。
【0027】
図7A及び
図7Bの斜視図に示されるように、第2の拘束シース108を、第3の部材702を取り外すことによって解放できる。第4の制御ライン126は第3の部材702に取り付けられ、その結果、第3の部材が矢印704で示した方向に引っ張られると、第4の制御ライン126が矢印706で示した方向に引っ張られる。第4の制御ライン126は、引かれると、第2の拘束シース108の「縫い目をほどいて」、医療装置が矢印708で示した方向に自己拡張することを可能にする。次に、第3の部材702及び取り付けられた第4の制御ライン126を医療装置、カテーテル及びハンドルから完全に取り外すことができる。今や、医療装置104は完全に展開されて、もはやカテーテル102に取り付けられていない。したがって、ハンドルを矢印710で示した方向に引っ張り、カテーテルを血管から取り外し、シーケンスの展開段階を完了することができる。任意選択的に、第2の拘束シース108はカテーテルに取り付けられるか、又は血管内に留まることが可能にされる。
【0028】
図8の斜視図に示されるように、ハンドル組立体100は、必要ならば様々な制御ラインに手でアクセス可能なアクセス口802を組み込むことができる。アクセス口802は、必要ならば、カバー804を取り外すことによって露出させることができる。様々な制御ラインは、色、英数字のマーク、順序づけられた位置、異なるサイズや形状、又は他の任意の識別手段によって識別することができる。制御ラインは、一般に利用可能な工具によって制御ラインの把持及び操作を可能にする特徴部を組み込むことができる。
【0029】
本発明は、上述したような部材の使用に限定されない。強制的インタロック作動シーケンスを提供する他の様々な手段が可能である。例えば、インタロック作動機構は、レバー、スライド機構、プラグ、順次引っ張られるチューブ、順次解放されるロックを含むことができる。
図1〜
図7を参照すると、本発明は、各々が前作動状態及び後作動状態を有する第1、第2及び第3の機構を備えるインタロック作動システムを広範に提供する。第1の機構(第1の部材128)は、
図1に示されるような前作動状態、及び
図2に示されるような後作動状態にある。第2の機構(第2の部材302)は、
図3に示されるような前作動状態、及び
図6に示されるような後作動状態にある。第3の機構(第3の部材702)は、
図6に示されるような前作動状態、及び
図7に示されるような後作動状態にある。
【0030】
本発明のインタロック作動システムは、最初は第1の機構のみが前作動状態から後作動状態に移行することを可能にし、第1の機構(第1の部材128)は最初に露出される唯一の作動機構であり、作動されることができる唯一の機構部材である。
【0031】
前作動状態から後作動状態への第1の機構の移行は、第2の機構のみが前作動状態から後作動状態に移行することを可能にし、第1の部材が取り外された後、第2の機構(第2の部材302)のみが露出されて、作動されることができる部材である。
【0032】
前作動状態から後作動状態への第2の機構の移行は、第3の機構のみが前作動状態から後作動状態に移行することを可能にし、第2の部材が取り外された後、第3の機構(第3の部材702)のみが露出されて、作動されることができる部材である。
【0033】
本発明は、制御ラインを使用するインタロックシーケンスに限定されない。例えば、本発明の概念は電気接点を作動させるインタロック装置を含むことができる。このような接点は、特定のハンドル構成要素が取り外されたときに電気接点が開放するように、様々なハンドル構成要素の導電性に依拠する。特定のハンドル構成要素の操作が、単純な電気スイッチを作動させることもできるであろう。特定のハンドル構成要素の操作が、近接センサ、圧力センサ、流体流れセンサ、又は他のタイプのセンサを作動させることもできるであろう。様々な作動装置の組み合わせを本発明の設計に組み込むこともできる。例えば、制御ラインを電気スイッチと組み合わせることもできるであろう。ハンドル又は手持ち式ペンダントに加えて、本発明の様々な概念を制御パネルの作動装置に組み込むこともできる。
【0034】
医療装置を送達するために使用される典型的なハンドル、器具、又はカテーテルは、一般に知られている材料、例えばポリメチルメタクリレート(PMMA又はアクリル)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、改質ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG)、セルロースアセテートブチレート(CAB)を含む非晶質汎用熱可塑性樹脂;ポリエチレン(PE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE又はLLDPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテン(PMP)を含む半結晶性汎用プラスチック;ポリカーボネート(PC)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、改質ポリフェニレンオキシド(Mod PPO)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、改質ポリフェニレンエーテル(Mod PPE)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)を含む非晶質エンジニアリング熱可塑性樹脂;ポリアミド(PA又はナイロン)、ポリオキシメチレン(POM又はアセタール)、ポリエチレンテレフタレート(PET、熱可塑性ポリエステル)、ポリブチレンテレフタレート(PBT、熱可塑性ポリエステル)、超高分子量ポリエチレン(UHMW−PE)を含む半結晶性エンジニアリング熱可塑性樹脂;ポリイミド(PI、イミド化プラスチック)、ポリアミドイミド(PAI、イミド化プラスチック)、ポリベンゼンイミダゾール(PBI、イミド化プラスチック)を含む高性能熱可塑性樹脂;ポリスルホン(PSU)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリアリールスルホン(PAS)を含む非晶質高性能熱可塑性樹脂;ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を含む半結晶性高性能熱可塑性樹脂;及びフッ素化エチレンプロピレン(FEP)、エチレンクロロトリフルオロエチレン(ECTFE)、エチレン、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリビニリデンフルオリド(PVDF)、ペルフルオロアルコキシ(PFA)を含む半結晶性高性能熱可塑性樹脂、フルオロポリマーを含むことができる。他の一般に知られている医療品等級材料は、エラストマー有機ケイ素ポリマー、ポリエーテルブロックアミド、又は熱可塑性コポリエール(PEBAX)、及び例えばステンレス鋼及びニッケル/チタン合金等の金属を含む。
【0035】
ハンドルの組立に使用される典型的な方法は、2つ以上の構成要素を取り付けるために使用される一般に知られている技術を含む。恒久的な取り付けの例は、接着剤、粘着剤、溶接、インサート成形、強い圧入、一方向スナップ又はロック部、ピン圧入、熱かしめ及びリベットを含む。半永久的な取り付けの例、又は構成要素を分離するために工具を必要とする例は、ねじ、ねじ付き締結具、スナップリング及びスナップ嵌合を含む。解放可能な取り付けの例、又は追加の工具を使用せずに手で分離できる例は、スナップ嵌合、ツイストロック部、プッシュ解除部、締め付け解除部、スライドレバー、ラッチ及び軽い圧入を含む。
【0036】
制御ラインは、一般に知られている高張力材料、例えば炭素繊維、液晶ポリマー及び金属ワイヤを含むことができる。制御ラインは、様々な断面輪郭、例えば円形、卵形、長方形又は他の多角形を有することができる。制御ラインはまた、摩擦を最小にするために外部潤滑層、潤滑コーティング又は潤滑ラッピングを有することができる。
【0037】
制御ラインは、様々な一般に知られている方法によって、例えば制御ラインをピンの周りに巻き付ける又はラインをねじで固定することによって、ハンドル又は作動機構に取り付けることができる。他の方法は、ラインを小さな穴に通し、次に結び目/隆起部が小さな穴を通して引っ張られ得ないように、制御ラインの端部に結び目を作るか又は隆起部を固定することを含む。接着剤、クランプ、クリンプ、ピンチ機構、熱かしめ、インサート成形及び他の普通の取り付け方法も制御ラインの取り付けのために使用できるであろう。代わりに、制御ライン又はケーブル保持システムを使用して、ハンドルの内側にワイヤを固定してもよい。このシステムは、少なくとも1つの保持要素と、少なくとも1つの保持要素の挿入を可能にするように寸法決めされた空洞を有する基体と、基体の第1の縁部から前記空洞に延びる第1のスロットと、基体の第2の縁部から前記空洞に延びる第2のスロットとを備え、第1及び第2のスロットは、保持要素が細長い部材を空洞内に保持するように、ワイヤのような細長い部材をスロット内に設置できるように寸法決めされる。保持要素は、ボールベアリング、球形要素、円柱であるか、又は細長い部材を変形させるために使用される他の手段でもよい。空洞は、第1及び第2のスロットの深さの空洞の下の深さに延び、ワイヤを反らせ又は変形させて、保持要素を使用するためのスペースを作り出す。空洞は、保持要素がワイヤを基体の空洞内に固定するのに適切な任意の寸法の形状又はサイズであり得る。圧力嵌めを可能にするために、保持要素の直径より小さい空洞直径を設けることが望ましい。必要ならば、追加の固定手段が提供されるように、ワイヤを変形させて空洞に押し込む前及び/又は後に接着剤を空洞に配置してもよい。ワイヤのような細長い部材を装置に保持するために、次のような工程が用いられてよい。
図9A〜
図9Fに示されるように、空洞、第1のスロット及び第2のスロットを有する基体を有する装置ハンドルが得られる。少なくとも一つの細長い部材が、空洞を横切るように第1及び第2のスロット内に配置される。少なくとも1つの細長い部材が保持要素と基体との間に固定されるように、少なくとも一つの保持要素が、配置される。細長い部材は、保持要素と基体との間に位置固定されるように保持要素によって変形される。
【0038】
この単純で組立が容易で、容易に自動化でき、視覚的に検証できかつ高強度の接合の概念が
図9A〜
図9Fに開示されている。
図9Aには、制御ラインの取り付け部900の部分平面図が示され、一方、
図9Bは平面A−Aに沿った部分断面図を示している。図には、球形状904に終端する円形空洞902が示されている。第1のスロット906及び第2のスロット907は、取り付け部を通して形成されており、円形の穴を貫通している。スロット906、907は、空洞902の中心線に関して中心配置されたものとして示されている。任意選択的に、スロットは空洞の中心から外れた位置にあってもよい。
図9Bに示されるように、任意選択的に、スロット906は、空洞902の円形底部の縁部908に「潜り込み」、断面A−Aに沿って見たときに曲がった経路を形成する。
【0039】
図9C及び
図9Dに示されるように、制御ライン910は第1のスロット906内に設置される。
図9E及び
図9Fを参照すると、制御ラインを取り付け部に確保して固定するために、保持要素912が矢印914で示した方向に沿って空洞902に押し込まれる。剛体球は、完全に着座すると、制御ラインを曲がった経路の形状に変形する。空洞902と保持要素912との間の締まり嵌め圧入は、制御ラインを有効に取り付け部に固定する。次に、制御ラインは、取り付け部から滑るか又は外れることなく、二方向916に張力を加えられることができる。必要ならば、剛体球の露出部分に接着剤を塗布して、制御ラインの保持をさらに高めることができる。任意選択的に、空洞の露出部分を「熱かしめ」又は変形させて、剛体球及び制御ラインをさらに拘束することもできる。任意選択的に、空洞902は、保持要素を穴に整列させるための例えば高くした垂直肩部、面取り部、漏斗状部又は他の手段のような保持要素整列ガイドを組み込むことができる。
【0040】
取り付け部900は、上に挙げたような一般に知られているプラスチック又は金属で製作することができる。保持要素912は、金属製のボールベアリング、プラスチック球又はセラミック/ガラス球であることができる。剛体球の代わりに剛体ローラー又は円柱状の要素を使用して、リボン状の制御ラインを固定することができる。他の剛体要素形状及び適合する穴を使用して、必要に応じて様々な要素を共に取り付けることができる。剛体要素は、目視検査ができるように透明にすることもできる。
【0041】
本発明の取り付け部は、ワイヤ又はケーブルなどの導電性材料の固定のも使用できる。本発明の取り付け部は、非導電性材料、例えば光ファイバー、シルク、ポリマー、又は血管や神経のような天然の生体材料の固定にも使用できる。
【0042】
取り付け部は、予め定められた荷重にあるコード又はケーブルを解放することにも使用できる。例えば、取り付け部の基体、ケーブル、及び保持要素は、様々な公差、特定の硬度又は特定の表面特徴を有することができ、これらの組み合わせにより予め定められた保持荷重が得られる。
【0043】
実施例1
本発明の一実施態様に従って固定具を製作して、ケーブル保持力を試験した。
図10Aの平面図及び
図10Bの斜視図に示されるように、基体1002を有する取り付け部1000を組み立てた。基体1002は、ケーブル1008及び保持球1004を受け入れるようにサイズ設定され空洞1006を有していた。
図10C及び
図10Dは、空洞1006の中心線に沿った断面図である。図示したように、ケーブル1008を空洞1006内に設置した。次に、ボール球1004を空洞1006に押し込み、
図10Dに示されるようにケーブルを変形させた。次に、医療等級のUV硬化型接着剤を空洞内に供給し、空洞、ボールベアリング及び変形したケーブルを部分的に一体化した。
【0044】
実施例2
実施例1からの固定具にケーブルセクションを嵌め込み、ボールベアリングを空洞に押し込み、接着剤をオーバコートとして塗布した。ボールベアリングを押し込んで保持するために必要な圧縮荷重を、アメテク(Ametek(登録商標))(ペオリ、ペンシルベニア州)チャティリオン(Chatillion(登録商標))DFX−050の圧縮ゲージを使用して記録した。接着剤を硬化させた後、ケーブルに張力を加えて保持荷重を決定した。インストロン(Instron(登録商標))(ノーウッド、マサチューセッツ州)引張試験機及びロードセルを使用して、ケーブルに張力を加えた。20の組立体を評価した。
【0045】
図11〜
図13には、カテーテル102’を通し延びる複数の展開ラインを介した医療装置の展開に使用するための本発明の代替実施態様によるハンドル組立体100’が示されている。
【0046】
ハンドル組立体100’は、各々が複数のラインの少なくとも1つに取り付けられた複数の取り外し可能な部材128’、302’、702’を含む。複数のラインの各々は、医療装置の選択的な展開又は作動のために医療装置と作動可能に連結されている。複数の取り外し可能な部材128’、302’、702’は、取り外し可能な部材128’、302’、702’の1つのみが任意の所定の時間に、使用者による操作に対して与えられるように逐次様式で、取り外し可能に互いに取り付けられている。取り外し可能な部材128’、302’、702’の各々の使用及び取り外しが、取り外し可能な部材128’、302’、702’の他の1つを使用者による操作に対して与える。
【0047】
ハンドル組立体100’は、複数の取り外し可能な部材128’、302’、702’とは独立に医療装置を作動させるために、カテーテル102’を通して延びるワイヤ152(
図11及び
図12に点線として図示される)を変位させるための作動機構150も含む。一実施態様において、ワイヤ152は、カテーテル102’及び/又は装置の遠位端を操縦するための操縦ワイヤとして使用される。作動機構150は、縦軸線156に沿って延びるねじ付きロッド154と、ロッド154にねじ係合されたナット158とを含む。ナット158は、縦軸線156を中心とするロッド154の選択的な回転に応じて縦軸線156に沿って並進移動する。ワイヤ152は、ナット158に連結され、縦軸線156を中心とするロッド154の選択的な回転中に、縦軸線156と概ね平行な方向に沿ってナットと共に並進移動する。より詳しくは、ワイヤ152の端部160は曲げられて、ナット158に形成されたスロット又は通路162内に延びる。ワイヤ152は、ナット158とロッド154との間に概ね半径方向に保持されるが、ワイヤ152は、ナット158の縦軸線156と概ね平行な方向にナット158と共に移動可能なままである。
【0048】
ハンドル組立体100’はまた、カテーテル102’の近位端を受容して支持するようにされた遠位部172を有するハウジング170を含む。ハウジング170はまた、遠位部172と概ね反対側にある近位部174を含む。
【0049】
実質的に剛性のチューブ176は、ハウジング170に固定され、ロッド154の縦軸線156に沿って延びる。チューブ176は、向かい合っている第1の端部177及び第2の端部178の間に長手方向に延びる。チューブ176は、第1の端部177に又はその近くでハウジング170に固定される。一実施態様において、チューブ176の第1の端部177は、ハウジング170の内壁179に固定的に確保されている。チューブ176は、ロッド154の中心孔155を通して延び、概ね円筒状の外側表面175を含み、この外側表面を中心にロッド154が縦軸線156に対して回転する。チューブ176はまた、チューブ176を通して延びる孔171を画定する内側表面173を含む。孔171は、カテーテル102’の少なくとも1つの管腔又はガイドワイヤ管腔116’と概ね連続しており、カテーテル102’及びハンドル組立体100’を通してガイドワイヤ149の挿入を可能にする。このように、チューブ176は、縦軸線156を中心とするロッド154の回転を支持するための外側支持面175を提供し、またハンドル組立体100’のハウジング170の遠位部172を越えてアクセスするために、ガイドワイヤ149がハンドル組立体100’を通過することを可能にするための孔171をさらに含む。これは、使用者によって容易に操作されかつ使用者の一般的な作業環境の混乱を最小にするコンパクトなハウジング組立体の設計を可能にする。
【0050】
アダプター180がチューブ176の第2の端部178に固定される。アダプター180は、チューブ176の孔171と概ね連続している開口182を含む。この構成により、ワイヤ149は、カテーテル102’、及びチューブ176の孔171、及びアダプター180の開口182を通過することができる。アダプター180は、キャップ又は他の付属物を取り付けることが可能なねじ付き部分186を含む。一実施態様において、アダプターは、トウイーボルスト(Touhy Borst)スタイルのアダプターである。
【0051】
代わりに、管腔部材(図示せず)が、チューブの孔に配置されてもよい。管腔部材は、カテーテルの少なくとも1つの管腔又はガイドワイヤ管腔と概ね連続して、カテーテル及びハンドル組立体を通してガイドワイヤを挿入することを可能にする管腔であり得る。さらに、管腔部材の端部は、ハンドルハウジング内に又は外側に流体が漏れることを防止するための封止を提供するために、アダプターに連結されてよい。
【0052】
他の細長い部材又は複数の細長い部材が、カテーテル、チューブ又は管腔部材及び/又はアダプターによって画定された概ね連続的な通路を通されてよいことが認識されるべきである。
【0053】
ノブ194は、縦軸線156を中心とするロッド154の回転を促進するために、ハウジングに回転可能に連結されかつロッド154に機械的に連結されてよい。ノブ194とロッド154との間の機械的接続は、直接でもよく、あるいは代わりにギヤ組立体の形態で提供されてもよい。縦軸線156を中心とするロッド154の回転、さもなければ縦軸線156に沿ったナット158の変位を促進するために、例えばレバー、回転ホイール、スライド等のような他の機構が利用されてもよい。
【0054】
本発明の特定の実施形態を図示して説明してきたが、本発明は、このような図示及び説明に限定されるべきでない。変更及び修正を以下の特許請求の範囲内で本発明の一部として組み込みかつ具体化し得ることが明らかであろう。