(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
遠隔に配置された制御回路に前記表示回路および前記タッチ回路の少なくとも一方を動作可能に接続するための、前記インタフェースサブアセンブリに電気的に接続されたフレックス部材をさらに含む、請求項1に記載の表示アセンブリ。
【発明を実施するための形態】
【0006】
上述の図面は本発明のいくつかの実施形態を示すが、考察で述べるように他の実施形態についても企図されている。すべての場合において、本開示は限定ではなく代表として本発明を提示する。本発明の原理の範囲および趣旨に包含される多数の他の変形形態および実施形態が当業者によって考案され得ることを理解されたい。図は原寸に比例して示されていないことがある。同様の参照番号を図の全体にわたって使用し、同様の部分を表している。
【0007】
工業プロセストランスミッタは、多くの場合、腐食、火災、爆発、振動、および他の極限状態にトランスミッタをさらす環境で使用される。そのために、工業プロセストランスミッタは、予想される動作条件に適切に耐えることができるように特別に構築される。そのために、工業プロセストランスミッタは、典型的には、ねじ込み式で取り付けられる(すなわち、ねじ式の)カバーを備えた、高耐久性の鋳造および機械加工される金属材料で製作された堅牢なハウジングを有する。カバーは、局所インタフェースサブアセンブリ上に配置された透明部分を含むことができる。防爆要求条件を満たすために、透明部分は、多くの場合、比較的厚い(例えば、約10mm以上の)ガラスによって成る。
【0008】
ハウジングからカバーを取り外すことおよび工業プロセストランスミッタの内部を環境に露出することなしに作動させることができる工業プロセストランスミッタへの入力を有することが望ましい。カバーの透明部分を形成するガラスまたはプラスチックのような誘電材料を通して、1つまたは複数の導電性パッド(またはボタン)を有するタッチ回路により静電容量信号を感知することは可能である。タッチ回路の導電性パッドと人間の指(または他の付属器官)とは、カバーの透明部分を形成する誘電体によって離隔されたキャパシタを形成する。静電容量測定の信号強度は誘電体に関連し、より良好な信号検出はより高い誘電率の材料からもたらされる。そのため、カバーの比較的厚い透明部分は信号強度に関して望ましくないことがある。さらに、キャパシタのいかなる空隙も信号強度をさらに低減することになり、そこで、空気の量は許容信号レベルを維持するために最小にされるべきである。したがって、タッチ回路とカバーのガラスとの間の空隙を減少または除去することが望ましい。しかし、工業プロセストランスミッタは、典型的には、防爆要求条件を満たすのに望ましいねじ込み式カバーを有するので、カバーをトランスミッタハウジングに係合する(または係脱する)ときに加えられるトルクは、敏感な表示部、および/またはカバーがタッチ回路に接触する場合にはタッチ回路をことによると妨害、損傷、さらに破壊することがある。回路がカバーと物理的接触する場合、振動もやはり同様の損傷をもたらすことがある。静電容量タイプ以外のタッチインタフェースを利用することができるが、いくつかの他のタイプのタッチインタフェースは典型的な工業プロセス環境で使用するのに適さないことにも留意されたい。例えば、変形可能なタッチ層を利用するタッチスクリーンは、防爆の工業プロセストランスミッタ筐体を維持するのに適さないことがある。
【0009】
一般に、本発明は、防爆であることなどの動作環境要求条件を満たすように構成される工業プロセストランスミッタで使用するのに好適な表示アセンブリを提供する。工業プロセストランスミッタは、ハウジングと、インタフェースサブアセンブリと、局所表示部サブアセンブリ上に配置された透明部分を有する取り外し可能なカバーとを含むことができる。インタフェースサブアセンブリは、視覚情報の表示を行うための表示回路と、表示された視覚情報の所でまたはその近くで透明カバー片を通してタッチ操作を行うための静電容量タッチ回路とを含む。1つの実施形態では、インタフェースサブアセンブリは、デジタル表示の上に配置された静電容量タッチ回路をもつチップオンガラス(COG)
の形式で構成され、その結果、静電容量タッチ操作は、表示によって提供される(および静電容量タッチ回路を通して目に見える)特定の視覚情報に応じて様々な異なる入力に対応することができる。他の実施形態では、静電容量タッチ回路は、デジタル表示の周辺などのデジタル表示の表示区域の外側に一般に配置される1つまたは複数の能動区域(すなわち、ボタン)を備える。
【0010】
いくつかの実施形態では、インタフェースサブアセンブリは、透明カバー片に面するように構成された接触構造部(例えば、周囲の
隆起部またはリップ、複数の
部分的な隆起など)を有する表示部
収容部材に取り付けられる。表示部
収容部材は、接続手段を含む電子基板
収容部材によって支持され、接続手段は電子基板
収容部材を表示部
収容部材に機械的に接続すると同時に、それらの間の軸方向変位および回転を可能にする。電子基板
収容部材は、ハウジングに好適な締結具で取り付けられることができる。さらに、波形ばねなどの付勢部材が、表示部
収容部材と電子基板
収容部材との間に動作可能に係合される。付勢部材は電子基板
収容部材の一部に載り、表示部
収容部材の接触構造部を付勢して透明カバー片に物理的に接触させるように構成される。
【0011】
さらに、実施形態によっては、空隙を完全に除去することができる。静電容量タッチ回路のボタンをユーザに露出されている透明カバー片に物理的に接触する
収容部材に埋め込むことができ、その結果、静電容量タッチ静電界経路(capacitive touch field path)はユーザの付属器官からボタンのうちの選択されたものまで固体材料のみを通って延びることができる。そのような構成を、適宜、他の実施形態の手段と共に、例えば、
収容部材と透明カバー片との間で付勢して物理的に接触させるための付勢部材などと共に使用することができる。
【0012】
図1は、工業プロセス22と、工業プロセストランスミッタ24と、制御室26とを含む工業プロセス管理システム20を示すブロック図である。工業プロセストランスミッタ24は、センサ/アクチュエータ28と、局所オペレータインタフェース(LOI)サブアセンブリ32とを含み、局所オペレータインタフェース(LOI)サブアセンブリ32は、静電容量タッチ回路34と表示回路36とを含む。制御回路38が、さらに、設けられる。
【0013】
制御室26は、表示器、プロセッサ、メモリ、資源管理または制御ソフトウェア(例えば、ミネソタ州、Chanhassen、Emerson Process Managementから入手できるAMS Suite and PlantWeb(登録商標)ソフトウェア)、および工業プロセス22を管理および制御し、工業プロセストランスミッタ24からのデータを収集および分析するための他の構成要素を含むことができる。
【0014】
センサ/アクチュエータ28は工業プロセス22と相互作用するように配置される。様々な実施形態では、センサ/アクチュエータ28は、圧力、温度、振動、流量、もしくは工業プロセス22に関連するほとんどあらゆる他のパラメータを感知するように構成されることができ、かつ/または工業プロセス22を管理する、制御する、または別の方法でそれと相互作用するアクチュエータもしくは他のデバイスを含むことができる。制御回路38は、センサ/アクチュエータ28に電気的に接続され、センサ/アクチュエータ28の動作を制御する、データを収集する、データを処理するなどのための任意の好適な構成のものとすることができる。代替の実施形態では、制御回路38は複数の個別の回路サブアセンブリとして実装することができ、別個の制御回路(図示せず)はセンサ/アクチュエータ28用に設けられ得ることに留意されたい。
【0015】
LOIサブアセンブリ32は、オペレータによるタッチ操作を可能にするための任意の好適な構成のものとすることができるタッチ回路34と、バックライティング機能をオプションとして備える1つまたは複数の液晶表示器(LCD)として、または視覚出力を生成することができる任意の他のタイプのデジタルまたはアナログ表示器として構成することができる表示回路36とを含む。1つの実施形態では、タッチ回路34は導電性パッド(またはボタン)によって画定される1つまたは複数のタッチ操作可能領域を備え、タッチ回路34のそれら領域のうちのいずれかの近くに位置したオペレータの付属器官(例えば、指)によりキャパシタが選択的に形成される。そのように、タッチ回路34は既知の方法で静電容量タッチ操作を行うことができる。タッチ回路34のタッチ操作可能領域を画定する導電性パッドまたはボタンは、特定用途のために要望に応じて任意の好適な構成を有することができることが理解されよう。1つの実施形態では、タッチ回路34はガラス層上に支持された実質的に透明な電気トレース(例えば、インジウムスズ酸化物材料で形成された)を有し、タッチ回路34の少なくとも一部は表示回路36の上方に(すなわち、それの上に)配置され、その結果、表示回路36はタッチ回路34を通して目で見ることができる。これにより、表示回路36はいかなる情報も実質的に表示することができ、タッチ回路34のタッチ操作可能領域はタッチ回路34の各ボタンに表示される情報に関連する様々な異なる入力を受け取ることができる。そのように、LOIサブアセンブリ32は、様々な情報を表示し、比較的小さい区域内で種々の入力を受け取ることができる動的オペレータインタフェースを可能にする。LOIサブアセンブリ32は特定用途のための要望に応じて任意の好適なメニューおよび表示レイアウトを用意することができることを当業者なら理解するであろう。代替の実施形態では、タッチ回路34および表示回路36は、互いに隣接してまたは互いの上に直接存在する代わりに他の構成で配置することができる。その上、実施形態によっては、タッチ回路34および表示回路36は各々チップオンガラス(COG)
の形式を有することができる。
【0016】
制御回路38は、タッチ回路34および表示回路36の両方の動作を制御する。例えば、制御回路38は、表示回路36の表示の生成と、タッチ回路34のオペレータ操作の認識および処理とを制御することができる。制御回路38は従来の構成の1つまたは複数のプロセッサを含むことができる。
【0017】
工業プロセストランスミッタ24は制御室26と通信することができる。工業プロセストランスミッタ24と制御室26との間の通信は任意の好適な無線または有線接続によることができる。さらに、制御室26との通信は、直接とするか、または任意の数の中間デバイス(図示せず)のネットワークによることができる。制御回路38は、工業プロセストランスミッタ24とのやりとりの通信を管理および制御するのに役立つことができる。
【0018】
工業プロセストランスミッタ24は、
図1に具体的には示されていない追加の構成要素を含むことができる。さらに、工業プロセストランスミッタ24の特定の構成は特定用途の要望に応じて変更することができることが理解されよう。
【0019】
図2は、工業プロセストランスミッタ24の1つの実施形態の一部分の分解斜視図である。
図2に示されるように、工業プロセストランスミッタ24は、ハウジング40、電子基板42、電子基板
収容部材44、付勢部材46、表示部
収容部材48、キャリア50、フレックス回路52、LOIサブアセンブリ32、ラベル56、およびカバー58を含む。
【0020】
ハウジング40は概して円筒状の形状を有することができる。ハウジングは、金属または高分子材料などの任意の好適な材料で製作することができる。鋳造、機械加工、および成形プロセス、または任意の他の好適な製造プロセスなどの既知の製造プロセスを使用してハウジング40を製作することができる。カバー58はカバーシャシー60と透明カバー片62とを含む。カバーシャシー60は金属材料、高分子材料、または他の好適な材料で製作することができ、概して円筒状の形状を有する。透明カバー片62はカバーシャシー60に固定され、約10mm以上の厚さのガラスで製作することができる。ねじ64Aは、対応するハウジングねじ64Bの位置でカバー58をハウジング40にねじ込み式に係合するために、カバーシャシー60に形成される。カバー58がハウジング40に係合されたときに工業プロセストランスミッタ24を外部環境から密閉するために好適なシール(例えば、Oリング、ガスケットなど)(図示せず)を設けることができる。図示の実施形態では、カバー58およびハウジングは、共に係合されると、密閉された耐火性で防爆性の筐体を工業プロセストランスミッタ24にもたらす。
【0021】
一般に、LOIサブアセンブリ32はキャリア50で支持され、次に、表示部
収容部材48に付加される。LOIサブアセンブリ32は、各々好適な数のガラス層に設けることができるタッチ回路34と表示回路36とを組み込む。キャリア50は高分子材料から成形し、工業プロセストランスミッタ24の組み立ての間のLOIサブアセンブリ32の取り扱いを簡単にするために支持構造を備えることができる。ラベル56は、透明カバー片62に面するように構成された側でLOIサブアセンブリ32上に張り付けられ、所望の可視表示を与えることができる。付勢部材46は、波形ばね(例えば、約5.1mm(0.2インチ)の作用高さで約89ニュートン(20ポンド)の荷重を有する)などのばねまたはばねの集合とすることができ、表示部
収容部材48と電子基板
収容部材44との間に動作可能に係合される。電子基板42は、プロセッサと既知の構成の他の所望の電気構成要素とを含むことができる制御回路38を含み、電子基板
収容部材44に機械的に固定される。電子基板
収容部材44は好適な締結具65(例えば、ボルト、ねじなど)でハウジング40に固定される。
【0022】
電子基板42は、キャリア50、表示部
収容部材48、および電子基板
収容部材44を通って延びるフレックス回路52によってLOIサブアセンブリ32に電気的に接続される。図示の実施形態では、フレックス回路52は可撓性誘電体基板に印刷された電気トレースを有するように構成されているが、フレックス回路52は、代替の実施形態では一群の個別ワイヤなどのような任意の好適な構成を有することができることを理解されたい。フレックス回路52の少なくとも一部はコイル形状で構成することができ、それによって、電気的な接続を維持しながら電子基板
収容部材44に対する表示部
収容部材48の回転が可能になる。フレックス回路52はLOIサブアセンブリ32にホットバーを用いて異方性接着剤接続をすることによって電気的に接続することができ、フレックス回路52は、さらに、電子基板42に電気的に接続することができる。フレックス回路52への電気接続にかかる応力を低減するために、フレックス回路52は、LOIサブアセンブリ32の構成要素に、例えば、キャリア50上のスロットを通されるか、またはキャリア50に接着されることなどによって機械的に固定することができる。電子基板42は、さらに、ハウジング40の内部に配置された追加の回路(図示せず)に電気的に接続される。
【0023】
図3は、表示部
収容部材サブアセンブリの一実施形態の斜視図である。
図3に示されるように、表示部
収容部材48の図示の実施形態は、共にキャリア50とは反対側を向くように構成された円筒状部材66と概して中心に配置された接続手段68とを含む(
図2および
図5を参照)。円筒状部材66は表示部
収容部材48の外径にまたはその近くに配置される。複数の戻り止めノッチ70が、適宜、円筒状部材66の内側表面に沿って設けられる。図示の実施形態では、12個の戻り止めノッチ70が互いに約30°離間して設けられる。代替の実施形態では、任意の所望の数の戻り止めノッチ70を任意の所望の間隔(例えば。15°間隔、45°間隔など)で設けることができる。ストッパ72が、以下でさらに説明されるように、表示部
収容部材48の回転を制限するのに役立つように円筒状部材66の外側表面に配置される。表示部
収容部材48は、円筒状部材66の反対側で表示部
収容部材48から突き出る隆起構造部74をさらに含む。図示の実施形態では、隆起構造部74は表示部
収容部材48の周囲に連続する
隆起部であるが、代替の実施形態では、他の構成が可能である(例えば、不連続な
隆起部、複数の「バンプ」、またはほとんど任意の形状の1つまたは複数の突起)。さらに、表示部
収容部材48は、フレックス回路52が通過することができる開口76を有する(フレックス回路52は、さらに、キャリア50の開口78を通過する)。表示部
収容部材48は高分子材料から成形することができる。
図3に示されるように、フレックス回路52は、フレックス回路52を電子基板42に電気的に接続しやすくする保持手段79を含むことができる。
【0024】
図4は、電子基板サブアセンブリの一実施形態の斜視図である。
図4に示されるように、電子基板
収容部材44の図示の実施形態は、円筒状部材80、支持部材82(すなわち、ランド)、接続手段84、1つまたは複数の戻り止めタブ86、およびストッパ88を含む。電子基板
収容部材44は、さらに、フレックス回路52が通過することのできる開口90を有する。接続手段84は中心に配置され、図示の実施形態では、表示部
収容部材48の接続手段68と「スナップ」係合を行うように構成された1対の弾性プロング部材を含む。代替の実施形態では、接続手段68と84との間のねじまたは他のタイプの係合を利用することができる。接続手段68と接続手段84との間の係合により、電子基板
収容部材44および表示部
収容部材48は共に依然として機械的に固定されながら回転(右回りおよび左回り)および軸方向移動が可能になる。回転軸は接続手段68および84によって規定される。円筒状部材80は接続手段84から半径方向外側に配置され、支持部材82は円筒状部材80に隣接し、その半径方向外側に配置される。付勢部材46は円筒状部材80のまわりに位置決めされ、支持部材82上に載る。
図4に示されるように、8つの角度離間戻り止めタブ86が支持部材82に隣接して配置される。各戻り止めタブ86は表示部
収容部材48の戻り止めノッチ70に係合するように構成された弾性部材であり、その結果、電子基板
収容部材44に対する表示部
収容部材48の回転は、戻り止めノッチ70と戻り止めタブ86との間の間隔に応じて設定されるように付勢される。戻り止めタブ86および戻り止めノッチ70は、カバー58がねじ込み式にハウジング40に係合されるか、またはそれから係脱されるときに生成されるトルクに起因する表示部
収容部材48の不必要な回転の危険を減らすのにも役立つ。代替の実施形態では、戻り止めノッチ70および戻り止めタブ86を省略することができる。ストッパ88は、戻り止めタブ86に隣接し、その半径方向外側に配置され、電子基板
収容部材44に対する表示部
収容部材48の回転を制限するために表示部
収容部材48のストッパ72と協動するように構成される(
図5を参照)。例えば、ストッパ72および88は、電子基板
収容部材44に対する表示部
収容部材48の回転を、1つの実施形態では約330°の範囲に制限することができる。回転の制限は、LOIサブアセンブリ32の電気的接続の切断または損傷を防止するのに役立つ。電子基板
収容部材44は高分子材料から成形することができる。
【0025】
図5は、共に固定された表示部
収容部材サブアセンブリおよび電子基板サブアセンブリの斜視図である。
図5に示されるように、表示部
収容部材48は電子基板
収容部材44に係合される。さらに、キャリア50に取り付けられたLOIサブアセンブリ32は、表示部
収容部材48に固定される。LOIサブアセンブリ32およびキャリア50は、表示部
収容部材48の接触構造部74の外側領域を基準に引っ込められて配置される。このようにして、接触構造部74は、LOIサブアセンブリ32における最も遠くに延びる部分であり、工業プロセストランスミッタ24のカバー58に物理的に接触するためのLOIサブアセンブリ32の唯一の部分として構成することができる。LOIサブアセンブリ32が接触構造部74の外側範囲から引っ込められる距離は比較的厳密に制御することができ、その結果、カバー58の透明な部分62とLOIサブアセンブリ32との間の空隙(LOIサブアセンブリ32が接触構造部74の外側範囲から引っ込められる距離に実質的に対応する)を、小さいがゼロでない値に維持することができる。さらに、カバー58がねじ込み式にハウジング40に係合されるか、またはそれから係脱される場合、カバー58の回転からのトルクは、比較的敏感なLOIサブアセンブリ32ではなく表示部
収容部材48の接触構造部74に及ぼされる。
【0026】
表示部
収容部材48および電子基板
収容部材44が共に接続される場合、付勢部材46は、表示部
収容部材48と電子基板
収容部材44とを軸方向に互いに遠ざけるように付勢する。カバー58がハウジング40に完全に係合されると、透明カバー片62は表示部
収容部材48の接触構造部74に接触し、表示部
収容部材48を電子基板
収容部材44の近くに移動させ、付勢部材46を押し縮める。カバー58がハウジング40に係合されると、付勢部材46の付勢力は、表示部
収容部材48を透明カバー片62に実質的に連続的に接触させるように与えられる。カバー58がハウジング40から係脱されると、付勢部材46は、接続手段68および84によって保持される軸方向移動限界まで、表示部
収容部材を電子基板
収容部材44から遠ざかる方向に付勢する。
【0027】
図6は、
図5の線6−6に沿って切り取った、共に固定された表示部
収容部材サブアセンブリおよび電子基板サブアセンブリの断面図である。
図6に示されるように、表示部
収容部材48は、付勢部材46が接して止まることができる支持部材92(すなわち、ランド)を含む。さらに、フレックス回路52は、電子基板42にゼロ挿入力(ZIF)コネクタ94(日本、京都、京セラ株式会社から入手可能)によって電気的に接続される。LOIサブアセンブリ32は、簡単のため、
図6では断面線なしで示されていることに留意されたい。
【0028】
図7は、工業プロセストランスミッタ24を組み立てる方法の1つの実施形態を示す流れ図である。最初に、フレックス回路52がLOIサブアセンブリ32に電気的に接続され(ステップ100)、LOIサブアセンブリ32はキャリア50に固定される(ステップ102)。ステップ100および102は任意の好適な順序で行うことができる。ステップ100は、フレックス回路52をLOIサブアセンブリ32に熱融着するステップを含むことができる。フレックス回路52は、さらに、この時点で、例えば、開口78を通され、キャリア50への接着などによりキャリア50に機械的に固定され得る。LOIサブアセンブリ32、フレックス回路52、およびキャリア50は、後続の組み立てステップで比較的取り扱い容易なユニットとして共に接続した状態で用意することができる。
【0029】
次に、キャリア50は(その上に支持されたLOIサブアセンブリ32と共に)、表示部
収容部材48に固定される(ステップ104)。ステップ104において、フレックス回路52は表示部
収容部材48の開口76を通される。次に、付勢部材46が電子基板
収容部材44の支持部材82に載るように位置決めされ(ステップ106)、フレックス回路52が電子基板
収容部材44に機械的に固定される(ステップ108)。フレックス回路52の保持手段(例えば、保持手段79のような追加の保持手段)は、電子基板
収容部材44の開口90を通るフレックス回路52の端部の実質的な一方向挿入を可能にし、その後、開口90の内部にフレックス回路52を機械的に保持するように構成することができる。しかし、任意の好適な機械的アタッチメントを使用することもできる。フレックス回路52が電子基板
収容部材44に固定された後、表示部
収容部材48および電子基板
収容部材44を互いに対して回転して(例えば、約540°)、フレックス回路52を所望のコイル形状に構成する(ステップ110)。次に、接続手段68および84を係合して、表示部
収容部材48と電子基板
収容部材44とを共に固定する(ステップ112)。
【0030】
表示部
収容部材48および電子基板
収容部材44が共に固定され、フレックス回路52は電子基板42に電気的に接続される(ステップ114)。ステップ114において、電子基板42を、さらに、スナップロック接続などにより電子基板
収容部材44に機械的に固定することができる。次に、電子基板
収容部材44は、締結具65でハウジング40に固定される(ステップ116)。さらに、ラベル56がLOIサブアセンブリ32上に貼着される(ステップ118)。ラベルをいつでも貼ることができ、代替の実施形態では組み立てプロセスの初期の段階で貼ることができる。
【0031】
次に、表示部
収容部材48は、オペレータが見るための所望の方位にLOIサブアセンブリ32を所定の位置にするために電子基板
収容部材44およびハウジング40に対して回転され(ステップ120)、カバー58がねじ込み式にハウジング40に係合される(ステップ122)。ハウジング40へのカバー58の係合により、透明カバー片62は表示部
収容部材48の接触構造部74に接触するようになり、付勢部材42の加圧が表示部
収容部材48の接触構造部74とカバー58の透明カバー片62との間の物理的接触を維持するのに役立つ。ステップ120における表示部
収容部材48の回転は、工業プロセストランスミッタが運用のために所望の場所に設置される前または後に行うことができる。さらに、カバー58を後で取り外して、表示部
収容部材48およびLOIサブアセンブリ32の方位のさらなる回転調整を可能にすることができる。
【0032】
本発明による工業プロセストランスミッタ24の組み立ては、具体的に言及されていない追加のステップを含むことができることに留意されたい。さらに、この方法の代替の実施形態では、特定の組み立てステップの順序は所望に応じて変更することができる。
【0033】
図8は、カバーシャシー60および透明カバー片62を含むカバー58と、LOIサブアセンブリ232の別の実施形態とを示す工業プロセストランスミッタ24の一部の平面図である。カバー58は、前に説明した実施形態と同様の構成を有することができる。
図9は、
図8の線9−9に沿って切り取ったLOIサブアセンブリ232と透明カバー片62の一部との断面図である。図示の実施形態では、LOIサブアセンブリ232は、タッチ回路34(例えば、静電容量タッチ回路)と、表示回路36と、接触構造部274を有する表示部
収容部材248とを含む。表示回路36(簡単のために
図9では単に概略的に示される)は、表示部
収容部材248に取り付けられて支持され、表示領域296を画定する。図示の実施形態では、表示領域296は、デジタル表示をすることができる表示回路36の中央部分の八角形の領域である。さらなる実施形態では、表示領域296は、特定用途の要望に応じてほとんどあらゆる構成を有することができる。表示回路36は1つまたは複数のLCDスクリーンまたは他の好適な表示器を組込むことができる。表示回路36への電気の接続は、
図8および9には示されていないが、他の実施形態に関して前に説明したものなどの任意の好適な方法で行うことができる。
【0034】
図示の実施形態の接触構造部274は、表示回路36の周辺に、またはその周辺の近くに、より詳細には、表示回路36の表示領域296の周囲に外側に隣接して配置されている。図示の実施形態では、接触構造部274は概して環状の形で連続する
隆起部であり、表示回路36の表示領域296を、透明カバー片62を通して目に見えるようにする中央開口を有する。他の実施形態では、接触構造部274を不連続とすることができ、さらにほとんどあらゆる好適な構成を有することができる。透明カバー片62は外面62Eおよび反対側の内面62Iを画定する。接触構造部274は透明カバー片62の内面62Iに物理的に接触するように配置される。上述しているが
図8および9には示されていない付勢部材46と同様または同一なものなどの付勢部材を使用して、表示部
収容部材248の接触構造部274を透明カバー片62に付勢することができる。代替として、接触構造部274を他の好適な手段によって透明カバー片62に接触するように位置づけることができる。接触構造部274を含む表示部
収容部材は、好適な高分子材料または比較的誘電率が低い材料で製作することができる。
【0035】
1つまたは複数の空洞298が表示部
収容部材248に形成される。図示の実施形態では、4つの概して等間隔の空洞298が接触構造部274の内壁に沿って形成される。代替の実施形態では、空洞298は接触構造部274の外壁側に配置することができ、接触構造部の内壁と外壁との間にずっと延びることができ、不均等に間隔を置くことができ、または他の場合には図示の構成と異なる。導電性ボタン300が、空洞298の各々の内部に少なくとも部分的に配置される。それによって、ボタン300が表示部
収容部材248に埋め込まれて、タッチ回路34のタッチ感応領域が形成され、さらに詳細に説明されるようにユーザによる静電容量タッチ操作が可能になる。その点に関して、ボタン300は、一般に、透明カバー片62を通して目に見えるのではなく、代わりに表示部
収容部材248の材料によって隠されることになる。ボタン300は特定用途で望まれる任意の好適な形状を有することができる。ボタン300は金属材料の層とすることができ、任意の好適な方法で製作することができる。例えば、ボタン300は、空洞298に挿入される型押し金属片として形成するか、もしくは同時に空洞298を画定するように表示部
収容部材248の材料でオーバーモールド成形をすることができ、または表示部
収容部材248の材料上にスパッタされた金属材料として製作することができる。ボタン300と透明カバー片62との間の間隔は、いくつかの実施形態では約0.0254mm(0.001インチ)以下とすることができる。前の実施形態と同様に、使用しやすいようにラベル(図示せず)を表示部
収容部材248上、およびボタン300の場所の上に設けることができる。
【0036】
静電容量タッチ静電界経路302は、透明カバー片62の外面62Eにおけるユーザの指304とボタン300のいずれかとの間に形成することができる。図示の実施形態では、静電容量タッチ静電界経路302は、ユーザの付属器官304から透明カバー片62を通り、表示部
収容部材248の少なくとも一部を通って(例えば、接触部材274の一部を通って)ボタン300の選択されたものまで実質的に直線的に延びることができる。透明カバー片62の外面62Eと選択されたボタン300との間の静電容量タッチ静電界経路302は、一般に、固体材料のみを通過し、より詳細には、普通なら静電容量タッチ感度を減少させる傾向がある空隙を横断する必要がない。したがって、
図8および9の図示の実施形態では、空隙は完全に除去することができる。さらに、ボタン300は表示回路36の周辺に位置づけることができるので、タッチ回路を透明とするかまたはガラス支持構造部上に配置する必要がなく、製造を簡単にすることができる。
【0037】
当業者なら、本発明が多数の利点および利益をもたらすことを理解するであろう。例えば、局所表示部サブアセンブリの操作に対する様々な工業プロセストランスミッタ構成要素の許容範囲変動の悪影響が、本発明によるタッチスクリーン表示アセンブリにより低減される。特に、トランスミッタハウジングに取り付けられた固定の剛性局所表示部サブアセンブリは、鋳造および機械加工されたハウジングの取り付け表面、各々の成形
収容部材(用途に応じて各々約±0.254mm)、ならびにLOIサブアセンブリ回路に起因する許容範囲変動を含むことになる。アセンブリに関する全許容範囲変動はかなり大きくなることがあり、局所表示部サブアセンブリ回路とトランスミッタカバーとの間の小さくて十分に制御された空隙を実現できないことがある。しかし、本発明の付勢部材は、表示部
収容部材が表示部サブアセンブリ回路をトランスミッタカバーの透明部分の近くへ、小さくて比較的十分に制御された距離を移動するのに役立ち、比較的良好なタッチ感度を与えながら、同時に、トランスミッタカバーに対する振動またはトルクがLOIサブアセンブリ回路を破損することになる危険性を減少させるのに役立つことができる。さらに、本発明の実施形態により、工業プロセストランスミッタの静電容量タッチインタフェースの空隙を除去して、防爆性で環境的に密閉された筐体を依然として維持しながら静電容量タッチ感度を増大させることが可能になる。
【0038】
本発明を例示的な実施形態を参照しながら説明したが、本発明の範囲から逸脱することなく様々な変更を行うことができ、均等物を本発明の要素の代わりに用いることができることが当業者には理解されよう。さらに、本発明の本質的な範囲から逸脱することなく本発明の教示に特定の状況または材料を適応させるために多くの変形を行うことができる。したがって、本発明は開示した特定の実施形態に限定されるのではなく、本発明は添付の特許請求の範囲内にあるすべての実施形態を含むことが意図される。例えば、工業プロセストランスミッタの特定の形状は特定用途の要望に応じて変更することができ、表示回路および/またはタッチ回路の特定の構成は特定用途の要望に応じて変更することができる。