特許第5986092号(P5986092)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5986092
(24)【登録日】2016年8月12日
(45)【発行日】2016年9月6日
(54)【発明の名称】脛当て用ストラップ
(51)【国際特許分類】
   A41D 17/02 20060101AFI20160823BHJP
   A63B 71/12 20060101ALI20160823BHJP
【FI】
   A41D17/02 F
   A63B71/12 C
【請求項の数】18
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-535126(P2013-535126)
(86)(22)【出願日】2011年10月21日
(65)【公表番号】特表2013-544978(P2013-544978A)
(43)【公表日】2013年12月19日
(86)【国際出願番号】US2011057329
(87)【国際公開番号】WO2012054857
(87)【国際公開日】20120426
【審査請求日】2014年10月8日
(31)【優先権主張番号】12/910,153
(32)【優先日】2010年10月22日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514144250
【氏名又は名称】ナイキ イノベイト シーブイ
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(72)【発明者】
【氏名】サム フィッシャー
(72)【発明者】
【氏名】カール ベアレンド
(72)【発明者】
【氏名】オリバー マクラクラン
【審査官】 一ノ瀬 薫
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2008/057510(WO,A2)
【文献】 国際公開第2009/132835(WO,A1)
【文献】 仏国特許出願公開第02600900(FR,A1)
【文献】 米国特許第6237149(US,B1)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0137071(US,A1)
【文献】 特開2003−102756(JP,A)
【文献】 米国特許第5544663(US,A)
【文献】 独国実用新案第29910034(DE,U1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D 17/02
A41D 13/05 − 13/06
A63B 71/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
脛当て構造において、
底端部及び対向する頂端部、並びに前記底端部と前記頂端部との間に延在する互いに対向する右サイド及び左サイドを有する脛当てであって、前記脛当ては前側表面及び後側表面を有する、該脛当てと、
可撓性材料によるストラップであって、頂端縁及び対向する底端縁並びに、前記頂端縁と前記底端縁との間に延在する互いに対向する左端部及び右端部を有する、該ストラップと
を備え、
前記ストラップの前記右端部又は前記左端部のうち一方の端部は、前記ストラップに締結可能な第1留め具を有し、前記右端部又は前記左端部のうち他方の端部は、前記脛当てに締結可能な第2留め具を有し、また
前記ストラップは、前記第1留め具及び前記第2留め具の双方により脛当てに付着するとき、前記第1留め具又は前記第2留め具の少なくとも一方から上向きに延在し、前記上向きの角度は、前記脛当ての前記前側表面及び前記後側表面に対して直交する方向に貫く水平面から測るものとし、
前記ストラップの前記右端部又は前記左端部のうち一方の端部は、前記ストラップの前記右端部又は前記左端部のうち他方の端部よりも幅を広くし、
前記幅は、ほぼ前記各々の端部に位置する前記ストラップの前記頂端縁と前記底端縁との間で測るものとし、
前記ストラップの前記右端部又は前記左端部のうち幅がより広い端部を、着用時における前記ストラップの正中面端部とする、
脛当て構造。
【請求項2】
請求項1に記載の脛当て構造において、前記ストラップの前記頂端縁及び前記底端縁は、互いに平行ではない、脛当て構造。
【請求項3】
請求項1に記載の脛当て構造において、前記脛当ては、さらに、脛当てのほぼ前記頂端部に位置する複数の開口を備え、これら開口に前記ストラップが貫通できるようにした、脛当て構造。
【請求項4】
請求項に記載の脛当て構造において、ほぼ前記第1留め具位置における前記ストラップは、前記脛当ての前記後側表面から前記前側表面に向かう方向に、前記複数の開口のうち第1開口を貫通し、またこれに引き続き前記ストラップは、前記脛当ての前記前側表面から前記後側表面に向かう方向に、前記複数の開口のうち第2開口に貫通する、脛当て構造。
【請求項5】
請求項に記載の脛当て構造において、ほぼ前記第1留め具位置にある前記ストラップは、それ自身に付着させる、脛当て構造。
【請求項6】
請求項に記載の脛当て構造において、前記第1開口及び前記第2開口は、前記ストラップの上向きの方位への延在を促進する向きを有するスロットとした、脛当て構造。
【請求項7】
請求項1に記載の脛当て構造において、前記脛当ては、さらに、相補的第2留め具を有し、前記相補的第2留め具は、前記ストラップを前記脛当てに付着するために、前記第2留め具と結合する、脛当て構造。
【請求項8】
請求項に記載の脛当て構造において、前記相補的第2留め具は、上端縁及び下端縁を有するフック又はループ状の材料であり、この場合、前記上端縁と前記下端縁との間の距離は、ほぼ前記第2留め具位置にある前記ストラップの前記幅よりも広くした、脛当て構造。
【請求項9】
請求項に記載の脛当て構造において、ほぼ前記第2留め具位置にある前記ストラップは、前記脛当ての前記頂端部から前記底端部へと延在する方向に前記脛当てに対し調整可能に付着可能とした、脛当て構造。
【請求項10】
脛当て構造において、
前側表面及び後側表面を有する脛当てであって、前記脛当ては底端部及び対向する頂端部、並びに前記底端部と前記頂端部との間で延在する互いに対向する正中面サイド及び側方サイドを有し、前記側方サイドは前記正中面サイドよりも長い、該脛当てと、
前記脛当ての第1ストラップ位置から、前記脛当てのほぼ前記側方サイドに位置する前記前側表面から前記後側表面に向かう方向へと延在するストラップであって、前記ストラップは、第2締結位置における前記脛当ての前記正中面サイドまで延在する、該ストラップと、
を備え、
前記ストラップは、前記第1ストラップ位置及び前記第2締結位置において前記脛当てに対して調整可能に付着可能であり、
前記ストラップは、前記前側表面及び前記後側表面に対して直交する方向に貫通する水平面に対して上向きの向きで延在
前記ストラップの右端部又は左端部のうち一方の端部は、前記ストラップの前記右端部又は前記左端部のうち他方の端部よりも幅を広くし、
前記幅は、ほぼ前記各々の端部に位置する前記ストラップの頂端縁と底端縁との間で測るものとし、
前記ストラップの前記右端部又は前記左端部のうち幅がより広い端部を、着用時における前記ストラップの正中面端部とする、
脛当て構造。
【請求項11】
請求項10に記載の脛当て構造において、前記ストラップの前記頂端縁は、前記脛当ての底端部から前記脛当ての頂端部に向かって延びる方向に測るとき、前記脛当ての前記頂端部よりも高い、脛当て構造。
【請求項12】
請求項10に記載の脛当て構造において、前記ストラップは、ほぼ前記第1ストラップ位置及び前記第2締結位置において付着したフック又はループ状の材料を有する、脛当て構造。
【請求項13】
請求項10に記載の脛当て構造において、前記ストラップは、前記第2締結位置において前記脛当ての前記底端部から前記頂端部に向かって延在する直線により定義される垂直方向に調整可能とした、脛当て構造。
【請求項14】
請求項10に記載の脛当て構造において、前記第1ストラップ位置から前記第2締結位置まで延在するストラップの長さは、前記第1ストラップ位置で調整可能とした、脛当て構造。
【請求項15】
請求項10に記載の脛当て構造において、前記ストラップの上向きの向きにより、前記ストラップは、着用時において、着用者のふくらはぎの上側部分に休止することを可能とした、脛当て構造。
【請求項16】
請求項10に記載の脛当て構造において、前記脛当ては、さらに、前記ストラップの一部分を受け入れるサイズを有する第1スロット及び第2スロットを備える、脛当て構造。
【請求項17】
請求項16に記載の脛当て構造において、前記第1スロット及び前記第2スロットは、前記脛当てのほぼ前記頂端部に指向し、それにより前記ストラップは、前記第1スロット及び前記第2スロットを貫通した後、前記上向きの向きを維持する、脛当て構造。
【請求項18】
脛当て構造において、
底端部及び対向する頂端部、及び前記底端部と前記頂端部との間に延在する互いに対向する正中面サイド及び側方サイドを有する脛当てであって、前記底端部と前記頂端部の間の長さを有する前記側方サイドが、前記底端部と前記頂端部の間の前記正中面サイドの長さよりも長い、該脛当てと、
可撓性材料で構成したストラップであって、頂端縁及び対向する底端縁並びに、前記頂端縁と前記底端縁との間に延在する互いに対向する正中面端部及び側方端部を有する、該ストラップと
を備え、
前記ストラップの前記正中面端部が有する前記ストラップの前記頂端縁と前記底端縁との間の幅は、前記ストラップの前記側方端部が有する前記ストラップの前記頂端縁と前記底端縁との間の幅よりも広く、
前記ストラップは、ほぼ前記側方端部の位置において第1留め具を有し、前記ストラップは、前記第1留め具を用いて前記脛当てのほぼ前記側方サイドにおいて脛当てに付着可能であり、
前記ストラップは、ほぼ前記正中面端部の位置において第2留め具を有し、前記ストラップは、前記第2留め具を用いて前記脛当てのほぼ前記正中面サイドにおいて脛当てに付着可能であり、また
前記ストラップを前記第1留め具及び前記第2留め具の双方を用いて前記脛当てに付着するとき、前記ストラップの前記頂端縁は、前記脛当ての前記底端部から前記頂端部に向かうとき定義される方向に見て、前記脛当ての前記頂端部よりも高く延在する、
脛当て構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脛当て(向こうずね保護具)用のストラップに関する。
【背景技術】
【0002】
伝統的に、運動選手は、自らの向こうずね部分を衝撃から保護するために、脛当て(向こうずね保護具)を使用する。脛当ては、着用時において、一般に膝下からくるぶしの上まで延在する。しかし、脛当ての保護部分の一般的なサイズや形状は変わり得る。脛当ての着用者は、向こうずねに押し当てたり靴下の中に入れたりして、脛当ての位置をしっかり固定することができる。さらに、脛当ては、この脛当てに対して直交する方向に延びるストラップを有してもよく、これにより着用時に脛当てのしっかりした固定を助けることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、脛当ての固定のためのこれらのいずれの方法を用いても、脛当ての位置が着用者の脚からずれたり、さもなければ位置が外れてしまうことがある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の態様は、脛当て及びストラップを備えた脛当て構造に関する。ストラップには、いくつもの調整があり、例えば、脛当てへのストラップ取り付けの垂直位置調整、ストラップの長さ調整、及び/又はストラップの一部分の着用者の脚への水平及び/又は垂直方向の双方の位置調整などである。更に、ストラップは、脛当てを通過する水平面に対して上向きに傾いた向きを有している。ストラップの上向きの向きは、1つ又は複数の留め具の位置及び/又は向きによる結果である。さらに、ストラップの向きはストラップのサイズ及び/又は形状による結果である。
【0005】
この概要は、構想を簡略化した形式のうち選択したものを紹介するために提供しており、後述する詳細な説明において更なる説明を行う。この概要は、特許を請求している主題の主要な特徴又は必要不可欠な特徴を見極めることを意図しておらず、また特許を請求している主題の範囲を決定する目的で使用することも意図していない。
本発明の例示的な実施形態を、添付図面につき以下に詳細に記載し、添付図面は本明細書において参照によって組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の実施形態による、側方サイド及び正中面サイドに付着したストラップを有する、脛当ての前方から見た図を示す。
図2】本発明の実施形態による、脛当ての正中面サイドの図を示す。
図3】本発明の実施形態による、第1開口及び第2開口を通って脛当てに取り付けたストラップを有する、脛当ての後方から見た斜視図を示す。
図4】本発明の実施形態による、未取り付け状態におけるストラップの第1表面を示す。
図5】本発明の実施形態による、未取り付け状態におけるストラップの第2表面を示す。
図6】本発明の実施形態による、着用時における脛当ての正中面側の図を示す。
図7】本発明の実施形態による、着用時における脛当ての側方側の図を示す。
図8】本発明の実施形態による、着用時における脛当ての背面図を示す。
図9】本発明の実施形態による、脛当ての別の例示的な態様の正面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の実施形態の主題は、本明細書において、法令の要件を満たす仕様で記載している。しかしながら、説明自体がこの特許の範囲を制限することを意図していない。むしろ、発明者は特許を請求している主題を他の方法でも具体化するように熟考し、他の現在又は将来の技術を一体化し、本明細書に記載する要素と類似する他の要素又はそれらの組み合わせを含むようにしている。
【0008】
本発明の態様は、脛当て及びストラップを備えた脛当て構造に関する。ストラップ及び脛当ては、いくつもの調整を提供し、それは例えば、脛当てへのストラップ取り付けの垂直位置調整、ストラップの長さ調整、及び/又はストラップの一部分の着用者の脚への水平及び/又は垂直方向の双方の位置調整などである。更に、ストラップは、脛当てを通過する水平面に対して上向きに傾いた向きに延びている。ストラップの上向きの向きは、1又は複数の留め具の位置、及び/又は方位による結果である。更に、ストラップの方位はストラップのサイズ、及び/又は形状による結果である。
【0009】
従って、1つの態様によれば、本発明は脛当て構造を提供する。脛当て構造は、底端部及び対向する頂端部を有する脛当てを備える。脛当てはまた、底端部と頂端部との間に延びる互いに対向する右サイド及び左サイドを有する。さらに、脛当ては前側表面及び後側表面を有する。脛当て構造はまた、可撓性材料で構成したストラップを有し、頂端縁及び対向する底端縁を有する。ストラップはまた、頂端縁と底端縁との間で延在する、互いに対向する左端部及び右端部を有する。ストラップの右端部又は左端部のうち一方には、ストラップ自身にしっかり固定可能な第1留め具を有する。右端部又は左端部のうち他方には、脛当てに対ししっかり固定可能な第2留め具を有する。ストラップは、第1留め具及び第2留め具の双方により脛当てにしっかり固定すると、第1留め具又は第2留め具の少なくとも一方から上向きの向きに延在する。上向きの角度は、脛当ての前側表面及び後側表面に対して直交する方向に貫く水平面から測定する。
【0010】
別の態様によれば、本発明は脛当て構造を提供する。脛当ては前側表面及び後側表面を有する。脛当てはまた、底端部及び対向する頂端部を有する。更に、脛当ては、底端部と頂端部との間に延在する、互いに対向する正中面サイド及び側方サイドを有する。側方サイドは正中面サイドよりも長い。脛当て構造は更に、脛当ての第1ストラップ位置から、ほぼ脛当ての側方サイド位置の前側表面から後側表面に向かう方向に延びるストラップを有する。ストラップは第2締結位置における脛当ての正中面サイドまで延在する。ストラップは第1ストラップ位置及び第2締結位置において脛当てに対して調整可能に付着可能である。更に、ストラップは、前側表面及び後側表面に対して直交する方向に貫通する水平面に対して上向きに延在する。
【0011】
本発明の第3の態様は、脛当て構造を提供する。脛当て構造は、底端部及び対向する頂端部を有する脛当てを有する。脛当てはまた、底端部と頂端部との間に延在する、互いに対向する正中面サイド及び側方サイドを有する。側方サイドの底端部と頂端部との間における長さは、正中面サイドの底端部と頂端部との間における長さよりも長い。脛当て構造はまた、可撓性材料で構成したストラップを有する。ストラップは、頂端縁及び対向する底端縁と共に、頂端部と底端部との間に延在する互いに対向する正中面端部及び側方端部を有する。ストラップの正中面端部の頂端縁と底端縁との間における幅は、ストラップの側方端部の頂端縁と底端縁との間における幅よりも広い。更に、ストラップはほぼ側方端部の位置に第1留め具を有し、ストラップは、第1留め具を使って脛当ての側方サイド近傍で脛当てに付着可能である。さらに、ストラップはほぼ正中面端部位置に第2留め具を有する。ストラップは第2留め具を使って脛当ての正中面サイド近傍で脛当てに付着可能である。ストラップを第1留め具及び第2留め具の双方を用いて脛当てに付着するとき、ストラップの頂端縁は、脛当ての底端部から頂端部へと延びる方向で定義する脛当ての頂端部よりもより高い位置まで延在する。
【0012】
本発明の実施形態の概要を簡単に説明したが、以下により詳細な説明を記載する。
【0013】
本発明の脛当て100の構造は、サッカータイプの脛当ての基本構造を有する。しかし、脛当て100は上方に向かって脛当て100から離れる方向に延在するストラップ202を有し、もしストラップが脛当てから外方に直交する方向に延びる場合の位置よりもより高いポイントにおいて着用者のふくらはぎを取り囲む。さらに、ストラップ202は、長さ調整に加えて垂直方向結合位置を調整可能にできる。脛当て100は着用者にしっかり固定し、また安定した取り付けをもたらす、独特の曲面形成した連結機構を提供する。ストラップ202の形状、サイズ、及び/又は向きにより、いくつかの態様においてストラップ202はふくらはぎの最も広い部分の上方に位置することを可能にする。ストラップ202をふくらはぎの上方に位置決めすることにより、着用時において、ストラップ202の下方に位置するふくらはぎのより広い部分の周り又はその上に延在させるのに十分な弾性を必要としない。
【0014】
本発明の態様において、脛当て100はサッカータイプの脛当てである。しかし、本発明の新規の構想は他のタイプの脛当てに用いることが可能であることを理解すべきである。脛当て100の構造の多くが、従来の脛当ての構造と同じである為、構造における従来の特徴は本明細書では概略的にのみ説明する。
【0015】
脛当て100は外カバー102で構成する。外カバー102は剛性又は準剛性の材料であり、衝撃力分散体として作用する。例えば、外カバー102は、着用者の向こうずね領域の輪郭に適合するよう形成したポリマーベースの材料で構成することができる。従って、衝撃が外カバー102に加わると、外カバーの剛性がある特性の結果として、衝撃力は着用者の向こうずね領域のより大きい表面積に分散される。
【0016】
脛当て100の本体は、さらに、内側ライナ116により構成する。例示的な実施形態において、内側ライナ116は力を吸収する機能を有する緩衝材料である。例えば、発泡材料で内側ライナ116を形成できる。内側ライナは外カバー102の寸法と一致させることができる。従って、例示的な実施形態において、脛当て100の本体は、外カバー102及び内側ライナ116の積層体で構成し、一体性のある脛当て本体を形成する。
【0017】
しかし、代替的な例示的な実施形態において、内側ライナ116は、外カバー102に対して1つ又は複数の位置の寸法が大きい。例えば、内側ライナ116は図1に最もよく示すように、外カバー102の底端部110の下方に突出する。付加的寸法により、外カバー102が受けた衝撃エネルギーを吸収するだけでなく、過剰な内側ライナ116の位置が受けた衝撃をも吸収するため、付加的吸収特性を付与できる。さらに、内側ライナ116の過剰寸法により、外カバー102が脛当て100の端縁まで延在するのと比較すると着用者により快適なフィット感をもたらす。
【0018】
脛当て100は、頂端部108、底端部110、正中面サイド114、及び側方サイド112を有するものとして定義する。ここで用いられるように、「正中面」及び「側方」の用語は、脛当て100の着用者に対して相対的なものである。例えば、脛当て100は、着用者の右サイド、又は着用者の左サイドの各々向けに専用の寸法で形成する。結果として、脛当て100が位置する着用者のサイドに依存して、「左側の」又は「右側の」として説明する項目は、脛当て100の「正中面サイド」又は「側方サイド」となる。この点について更にここでは、部分、部品、特徴などを詳説する際、「正中面」又は「側方」に特定の参照がなされるが、しかし対向する用語(例えば「正中面」を用いるときに「側方」も適用可能である。)を適用することも、本発明の範囲内であることを理解されたい。例えば、図1は着用者の右脚への着用に適合した脛当てを示す。同様に着用者の左脚への着用に適合した脛当ては図1に示す脛当ての鏡像である。着用者の対向する脚向けの鏡像により、脛当ては、その設計目標であった望ましい固定によるフィット感及び位置決めを達成できる。
【0019】
脛当て100は、さらに外側表面104を有する。外側表面104は、着用時において、着用者から離れる方向に延在する面である。典型的には、外側表面104は、脛当て100が保護しようとする、到来する対象物に対面する表面である。図3に明示するように、外側表面104とは反対側で、脛当て100は内側表面106を有する。内側表面106は、脛当て100の着用時に、典型的には着用者の向こうずねに対面する表面である。例示的な実施形態において、内側表面106は、内側ライナ116の面により画定する表面である。しかし、本発明の態様によれば、付加的な材料又は要素を、内側ライナ116と着用者との間に配置しうることを理解されたい。
【0020】
脛当て100はまた、ストラップ202を有する。ストラップ202は、例示的な実施形態において、可撓性材料から構成する。例えば、可撓性ストラップ202は、革紐、紐、織物、フックアンドループ材料、ビンディング、皮革、合成皮革、ビニル、ナイロン、他のポリマーベースの材料のうちいずれか1つ又はそれらの組み合わせから構成する。ある態様によれば、ストラップ202は、非弾性材料から構成してストレッチ能力を持たないようにして、それによりストラップが脛当て100を弾性材料よりもよりしっかりした様式で固定することができる。ある態様において、ストラップ202が弾性を持たないことにより、ストラップ202が着用時においてストラップ202の後方にある着用者のふくらはぎのより広い部分を通り過ぎて延在することを防止する。更に、ストラップ202に限定的な弾性を提供することにより、ストラップ202が提供する最大ストレッチ量は、ストラップ202がふくらはぎのより広い部分の周りに延在可能となるようなストラップ202の必要量よりも短いことは理解されたい。それに関わらず、態様において、着用時の脛当て100の固定を助けるために、ストラップ202が着用者のふくらはぎの上方部分に位置させることが考えられる。
【0021】
ストラップの周縁は、頂端縁208及び底端縁210により画定する。周縁は、さらに、正中面サイド212及び反対側の側方サイド214を有する。しかし、本発明の態様によれば、頂端縁208及び底端縁210がストラップ202の長さ方向に沿って互いに平行でないことが理解される。例えば、図4及び図5に示すように、ストラップ202の全体の形状は、どの辺同士も互いに平行ではない不等辺四角形である。本発明の更なる態様では、ストラップ202は2辺が互いに平行な台形形状とする。
【0022】
ストラップ202は、第1表面204及び反対側の第2表面206を有する。着用時において、第1表面204の大部分は、着用者の皮膚に対面し、また接触する。反対に、着用時において、ストラップ202の第2表面206は着用者の脚から離れる方向を向いている。典型的な実施形態において、第1表面204の少なくとも一部分を構成するのに使用する材料は、着用者の皮膚、又は他の接触面に対する摩擦係数がより大きい材料を含む。例えば、脛当て100を全体として維持し、特にストラップ202を望ましい位置に維持するためには、摩擦係数が増加することが望ましい。この目的に合う材料の例としては、皮革、合成皮革、シリコンベースの材料、又はポリマーベースの材料がある。
【0023】
図4に明示するように、第1留め具242を第1表面204に取り付ける。例示的な実施形態において、第1留め具は、フック又はループ状材料とするが、しかし、他の留め具も考えられる。例えば、他の留め具には、スナップ、ボタン、テープ、フック、キャッチ、圧縮力閉止具等がある。第1留め具242は頂端縁244、外側端縁248、内側端縁250、及び底端縁246を有する。第1留め具242の幅は、内側端縁250から外側端縁248までの延在する部分として定義する。第1留め具242の長さは、底端縁246から頂端縁244まで延在する部分として定義する。
【0024】
例示的な態様においては、図4に明示するように、外側端縁248はほぼストラップの正中面サイド212に位置する。同様に、頂端縁244及び/又は底端縁246はほぼストラップ202の各端縁に位置する。第1留め具242の形状は、フック及び/又はループ状材料のような造形可能な材料で構成するときは、ストラップ202の下側部分の形状に一致させる。形状が一致するため、第1留め具242は、たとえ一時的にでも、脛当ての各コネクタ(他のフック又はループ状材料)又はストラップ202の別の部分に取り付けることが、ストラップ202自身に干渉することなくできる。
【0025】
脛当て100は、図1又は図2に示すように、留め具部分302を有し、この留め具部分302は第1留め具242を受け止める機能を有する。留め具部分302は上方端縁306及び反対側の下方端縁304を有する。留め具部分302はまた、前方端縁308及び反対側の後方端縁310を有する。留め具部分302の幅は、前方端縁308から後方端縁310に延在する部分として定義する。留め具部分302の長さは、下方端縁304から上方端縁306に延在する部分として定義する。例示的な実施形態において、留め具部分302はフックアンドループファスナの一部とする。例えば、第1留め具242がフック材料であるとき、留め具部分302はループ材料とすることができる。しかし、上述したように、ここで詳説されるあらゆるタイプの留め具は、留め具部分302も含めて、永続的にまたは一時的にでも、第1部分を第2部分に対ししっかり固定するための任意なタイプの留め具とすることができる。例えば、典型的な留め具としては、ボタン、スナップ、フックアンドループ材料、ジッパー、縫合ステッチ、縫製、粘着剤、フック、アイレット、レース、ラチェット機構等がある。
【0026】
第1留め具242及び/又は留め具部分302のサイズ及び形状は、望まれる調整可能量に依存して変化する。例えば、例示的な実施形態において、第1留め具242の幅は、留め具部分302の幅と近似していてもよい。しかし、更なる例示的な実施形態において、第1留め具242又は留め具部分302のうち一方の幅は、他方の幅よりも広くする。この実施例において、着用時に着用者の脚に提供されるストラップ202のサイズは、脛当て100の側方サイド112から正中面サイド114まで延在するストラップの量を長くする、又は短くするよう変更できる。さらに、本明細書で詳説するように、本実施例ではストラップ202の位置又はストラップ202の一部分の位置は、ストラップ202の側方サイド214により近いところで追加調整を行うときに調整可能である。
【0027】
留め具部分302は、脛当て100の長さ又はその一部分の長さにわたり延在する長さを有する。典型的な実施形態において、留め具部分302の長さは、第1留め具242の長さよりも長くする。この実施例において、ストラップ202は、着用者の骨格の差異を補償するために垂直方向に調整できる。例えば、着用者のふくらはぎの筋肉構造により良く輪郭をフィットさせるために、着用者は脛当て100を取り付ける際に、第1留め具242を留め具部分302の長手方向に沿って取り付ける場所を調整することによって、ストラップ202の垂直方向位置を調整したいと望む場合がある。
【0028】
図5に明示するように、ストラップ202の第2表面206における側方サイド214に説明を移すと、ストラップ202は第2留め具232を有する。第2留め具は、頂端縁234、反対側の底端縁236、内側端縁240、及び反対側の外側端縁238により画定される周縁を有する。同様に、ストラップ202の第2表面206上に、第3留め具222を配置する。第3留め具222は、頂端縁230、反対側の底端縁228、内側端縁226、及び反対側の外側端縁224により画定される周縁を有する。
【0029】
第2留め具232及び第3留め具222は、例示的な実施形態において、フック及び/又はループ状材料とする。例えば、第2留め具232はフック材料とし、第3留め具222はループ材料とする。結果として、第2留め具232及び第3留め具222は、互いに組み合わせることにより、着用者が着用している時に、ストラップ202を調整する方法を提供するように機能することが考えられる。
【0030】
図5に示すように、第2留め具232は、ストラップ202の下側部分に一致するようにサイズを決めることができる。例えば、外側端縁238はストラップ202の側方サイド214に整列させる。同様に、頂端縁234及び底端縁236はそれぞれ、ストラップ202の頂端縁208及び底端縁210と整列させる。しかし、第2留め具232の1つ又は複数の端縁は、ストラップ202の下側部分と整列させないことも考えられる。
【0031】
第3留め具222は、ストラップ202の下側部分と一致するようにサイズを決める。例えば、頂端縁230及び底端縁228は、それぞれストラップ202の頂端縁208及び底端縁210に整列させる又はスペースを空けて配置する。さらに、ストラップ202の周縁の一部又は周縁全体に沿って、第2留め具232及び/又は第3留め具222の一部を覆い隠すための縁取り材料を使用できることが考えられる。
【0032】
図7に明示するように、脛当て100は第1開口216及び第2開口218を有する。第1開口216及び第2開口218はストラップ202の一部を受け入れる機能を有する。例えば、第1開口及び第2開口218のサイズを決めて、ストラップ202の側方サイド214が各開口を貫通できるようにする。第1開口216は第2開口218の向きに平行とすることができる。第1開口216及び第2開口218は共に離散した個別開口とし、例えばストラップ202が通過できる開孔を生ずるスロット形状とすることができる。
【0033】
結果的に、脛当て100はストラップ202を受け入れるのに効果的となり、ストラップ202は、第1開口216及び/又は第2開口218に貫通することにより、脛当て100に付着できる。図7に示すように、側方サイド214は、内側表面106から外側表面104まで、第1開口216を通り抜けることができる。結果的に、側方サイド214は外側表面104から内側表面106まで、第2開口218を通り抜けることができる。この第1開口及び第2開口を通すストラップ202の「挿通(threading)」により、ストラップ202の折り返し部分220を生成する。折り返し部分220は、ほぼ外側表面104の位置において露出するストラップ202の一部である。
【0034】
例示的な実施形態において、外カバー102及び内側ライナ116を通ってストラップ202を通すことにより、ストラップ202は脛当て100に対して付着することができる。更なる典型的な態様は、脛当て100の外カバー102、内側ライナ116、又は他の部分に対し直接又は間接的に、永久的に又は取り外し可能に付着するストラップ202を有する。例えば、ストラップ202は、上述のように、他の固定方法を使って脛当ての一部分に付着する。例えば、ストラップ202は、スナップ、フックアンドループ、ボタン、クリップ、縫合ステッチ、その他を用いて、開孔216及び/又は216の代わりに、又は開孔216及び/又は216と組み合わせて脛当て100に対して直接固定できる。
【0035】
第1留め具242、第2留め具232、第3留め具222、留め具部分302、第1開口216、及び/又は第2開口218を個々に使って、又は組み合わせることにより、ストラップを複数の仕方で調整することができる。例えば、側方サイド112と正中面サイド114との間に延在するストラップの長さは、上述した1つ又は複数の留め具を用いて調整できる。更に、高さ及び角度でさえも(本明細書で詳説するように)上述した1つ又は複数の留め具を用いて調整できる。
【0036】
つぎに、脛当て100に対して部分的に、又は全体的に付着するときのストラップ202の向きについて説明する。ストラップ202は、例示的な実施形態において、外側表面104及び内側表面106を通過して延在する水平平面に対し上向きに傾いた向きを維持する。例えば、ストラップ202は、直線508及び506によって示す水平面に対して、直線504で示す(図2に示す)上向きの向きを有する。上方に向かう角度は、角度510として測定することができる。
【0037】
直線504で示す上向きの角度は、正中面サイド114に沿ったストラップ202の概略の角度傾向を表す。ストラップ202は、可撓性を有する材料であり、1つ又は複数の部分に沿って揺れたり、撓んだり、又はさもなければゆがんだりするため、上向きの向きを有するのが最もよく説明できることが理解される。結果として、ここで詳説すると、上向きの角度向きは、部分的に又は全体としてストラップ202の方向となる。例えば、図7に示すように、直線502はストラップ202の上向きの角度向きを示す。しかし、直線502が示す上向きの角度向きは、直線504(図6に示す)が示す上向きの角度向きとは異なる。角度におけるこの矛盾は、ストラップ202の形状に起因する。例えば、頂端縁208及び底端縁210が、ストラップ202の異なる部分において、又は全体にわたって平行から変形した場合などである。側方サイド112から正中面サイド114に至る結果的な角度向きは異なる。さらに、ほぼ脛当て100との結合ポイントにおけるストラップ202の向きにより、直線502及び504によって表す角度向きは更に変化する。
【0038】
例示的な実施形態において、ストラップ202の向きは、第1開口216及び第2開口218の位置及び向きの影響を受ける。例えば、第1開口216は、頂端部108から底端部110に向かって測定すると、第2開口218よりもより低いところに位置する。この実施例において、ストラップ202は、第2開口118を通った後、内側表面から離れて延在するため、折り返し部分220を張り詰めると、ストラップは本質的に上向きの角度で延びる。同様に、ストラップ202の不規則な形状(例えば、不等辺四角形、台形など)により、ストラップ202の上向きの向きが促進される。
【0039】
他の例示的実施形態によれば、ストラップ202の頂端縁208は、脛当て100の頂端部108よりも高い。図2に示すように、底端部110から頂端部108を通って延びる方向に測定した時の頂端縁208の高さを、直線506で示す。底端部110から頂端部108を通って延びる方向に測定した時の頂端部108の高さもまた、直線508で示す。図2に示すように、ストラップ202を脛当て100に付着させたときには、頂端縁208は、頂端部108よりも「より高い」。
【0040】
上述のように、ストラップ202は、着用者のふくらはぎ404のほぼ上側部分に位置する脚402を囲む機能を有する。ストラップ202は、着用時において、正中面サイドのポイント408(図6に示す)近傍に位置するふくらはぎの上側部分と接触する。同様に、ストラップ202は、着用時において、側方サイドのポイント410(図7に示す)近傍に位置するふくらはぎの上側部分と接触する。例示的な実施形態において、ストラップ202の向き、形状、及び/又はサイズは、着用時においてストラップがふくらはぎの筋肉の最も広い部分よりも上方にある着用者のふくらはぎ上のポイントにおいて接触できるように選択する。例えば、着用者のふくらはぎ領域は、最も広い部分における異なる後方高さを有するふくらはぎの筋肉の2つの顕著な部分により画定される。結果的に、ポイント408は、ポイント410よりもより高い(すなわちより上位にある)、又はより低い(すなわちより下位にある)。ある態様によれば、ストラップ202は、着用時において、ふくらはぎの2つの顕著な部分間の非対称性を考慮し、着用者のふくらはぎ領域上方のほぼ同じ高さに位置するような形状と向きを有する。
【0041】
結果的に、ストラップ202の上向きの向きにより、脛当て100は着用者の膝の下側の向こうずねに沿った伝統的な位置に配置できる一方、ストラップ202は自然な状態で、足の後ろ側の着用者のふくらはぎの上側部分の周りに延在できる。さらに、ストラップ202が着用者の脚に接触する角度は、本明細書で詳説されている様々な留め具を用いて側方サイド及び正中面サイドにおいて調整することができる。
【0042】
次に、本明細書で提供する図面の概要を説明する。図1は、本発明の態様による、側方サイド112及び正中面サイド114に取り付けるストラップ202を有する脛当て100の前方から見た図を示す。図2は、本発明の態様による、脛当て100の正中面サイド図を示す。図2は、頂端部108に対するストラップ202の「高さ」を、それぞれ直線506及び508により示す。さらに、図2は、正中面サイドにおけるストラップ202の上向きの向き510を直線504により示す。図3は、第1開口216及び第2開口218を通って脛当て100に付着したストラップ202を有する脛当て100の後方から見た斜視図を示す。ストラップ202は、ストラップ202の位置を維持するために第2留め具232及び第3留め具222を用いる。
【0043】
図4は、本発明の実施形態による、未取り付け状態でのストラップ202の第1表面204を示す。図5は、本発明の態様による、未取り付け状態でのストラップ202の第2表面206を示す。図6は、本発明の態様による、脛当て100の、着用時における正中面側から見た図を示す。図6はまた、ストラップ202を脛当て100の正中面サイド及び側方サイドの両方に取り付けたときの、直線506によって示す、正中面サイドからのストラップ202の上向きの向きを示す。図7は、本発明の態様による、着用時における、脛当て100の側方から見た図を示す。図7はまた、直線502によって示す、側方サイドにおけるストラップ202の上向きの向きを示す。図8は、本発明の態様による、着用時における脛当て100の背面図を示す。図8はまた、ストラップ202の頂端縁208の、脛当て100の頂端部に対する高さの差を、それぞれ直線506及び508により示す。
【0044】
図9は、本発明の態様による、別の例示的な脛当て900の前方から見た図を示す。脛当て900は、他の特徴と共に、第1通気孔902、第2通気孔904、第3通気孔906、及び第4通気孔908を有する。通気孔902〜908は全て正中面側に傾いた通気孔である。例えば、通気孔は側方サイド112から正中面サイド114に向かって延在するため、通気孔は底端縁110から頂端縁108に向かって上向きに傾斜する。正中面方向に傾斜した通気孔により、空気流れが脛当て900に入り込み、ほぼ着用者の向こうずね領域位置においてより大きな冷却効果を促進する。同様に、正中面方向に傾斜した通気孔により、着用状態における相対位置を容易に維持できる。例えば、スリーブ又は靴下を脛当て900の外側表面に配置している場合、正中面方向に傾斜した通気孔により、重力に抵抗することによる正中面から側方への回転による締め付け効果を生じる。正中面から側方への回転は、側方から正中面への回転よりもストラップ(図示せず)により、より効果的に防止できる。しかし、同様の結果は、側方方向に傾斜した通気孔によっても実現できることが理解できる。脛当て900はまた、複数の側方方向に傾斜した通気孔、例えば第5通気孔910及び第6通気孔912などを有することができる。脛当て900はまた、ストラップを側方サイド112に結合するために用いる第1開口216と共に示す。この例示的な態様において、上述したように、単一の開口(例えば、第1開口216など)で十分であり、第2開口(例えば、第2開口218(図示せず)など)は不要である。
【0045】
脛当て構造を、特定の態様を参照して説明したが、特許請求の範囲によって示す意図した保護範囲から逸脱することなく、説明した脛当て構造に変更や改変を施すことができることを理解されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
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図9