(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の一実施形態に係るアナログデジタル(AD)変換器1およびこれを備える固体撮像装置100について図面を参照して説明する。
本実施形態に係る固体撮像装置100は、
図1に示されるように、複数の画素2が行列方向に配列されてなる画素アレイ(画素部)3と、画素2から信号電圧を読み出す垂直シフトレジスタ4および水平シフトレジスタ5と、これらのシフトレジスタ4,5によって読み出された信号電圧をデジタル変換するAD変換器1と、該AD変換器1の周辺に設けられた周辺回路とを備えている。
【0014】
これらの構成のうち、画素アレイ3および2つのシフトレジスタ4,5は1つの半導体基板100aに形成され、他の構成はもう1つの半導体基板100bに形成されている。これらの半導体基板100a,100bは、その板圧方向に積層される。このようにすることで、1つの半導体基板に全ての回路を形成した場合と比べて半導体基板100a,100bの面積を縮小し、固体撮像装置1が搭載される装置の小型化を図ることができる。
【0015】
符号6は、一方の半導体基板100a上の水平シフトレジスタ5から、他方の半導体基板100b上のAD変換器1が備えるサンプルホールド回路12(後述)に信号を伝達する配線を示している。配線6は、画素アレイ3の各列と対応して列の数と同じ数が設けられていてもよい。または、配線6は、複数の列と対応して設けられ、複数の列の画素2の信号が同一の配線6で伝達されてもよい。
【0016】
固体撮像装置100は、以下のような動作により画素2の信号電圧をデジタル信号として外部に出力する。
まず、垂直シフトレジスタ4が、画素アレイ3のうち1行目の画素2を選択する。水平シフトレジスタ5は、垂直シフトレジスタ4によって選択された1行目の画素2から信号電圧を受け取り、AD変換器1に出力する。AD変換器1によって信号電圧から変換された1行分の画素2のデジタル信号はメモリ回路7に記憶され後にパラレルシリアル変換回路8によってパラレル信号からシリアル信号に変換され、LVDSのようなシリアルデジタル出力回路9から図示しない外部の回路に出力される。これにより、1行目の画素2の信号電圧をデジタル信号として外部に出力する。
【0017】
固体撮像装置100は、垂直シフトレジスタ4によって選択する画素アレイ3の行を1行ずつずらしながら、1行分ずつ画素2の信号電圧をデジタル信号として外部に出力する。
図中、符号10は電源回路、符号11は各回路を駆動するためのパルスを発生するパルス発生回路を示している。
【0018】
次に、本実施形態に係るAD変換器1の構成および作用について詳細に説明する。
AD変換器1は、画素2からの信号電圧の上位ビットを逐次比較方式によりデジタル変換する構成と、下位ビットをカウンタ・ランプ方式を用いてデジタル変換する構成とを備えている。具体的には、AD変換器1は、画素アレイ3の各列に対応して設けられた複数のサンプルホールド回路(信号変換部)12および信号変換回路(信号変換部)13と、これらの信号変換回路13にランプ電圧(ランプ波形信号)を供給するランプ波形発生回路(ランプ波形信号発生部)14と、クロック信号をカウントするカウンタ回路(カウンタ)15とを備えている。
【0019】
なお、
図1には、サンプルホールド回路12および信号変換回路13が、画素アレイ3の各列に対して1つずつ設けられた構成が示されているが、これに代えて、サンプルホールド回路12および信号変換回路13が画素アレイ3の複数の列に対して1つずつ設けられていてもよい。
【0020】
図2は、各信号変換回路13の構成を示す平面図である。信号変換回路13は、
図2に示されるように、DAC回路(逐次比較容量群、電圧加算部)16と、コンパレータ(比較部)17と、制御回路(制御部)18とを備えている。各信号変換回路13の入力端はスイッチSWinを介して対応するサンプルホールド回路12に接続されている。
【0021】
コンパレータ17は、DAC回路16からの出力電圧Vdacが反転端子に入力され、参照電圧V
0が非反転端子に入力される。参照電圧V
0は、例えば、0Vである。コンパレータ17は、これら2つの電圧Vdac,V
0の大きさを比較する。比較の結果、コンパレータ17の出力は、電圧Vdacが参照電圧V
0よりも小さい場合には「high」となり、電圧Vdacが参照電圧V
0よりも大きい場合には「low」となる。コンパレータ17から出力された信号レベルはラッチ回路19によってラッチされる。ラッチ回路19は、ラッチした信号レベルを制御回路18および各信号変換回路13の後段に設けられたメモリ回路7に出力する。
【0022】
カウンタ回路15は、制御回路18からの指示に基づき、図示しないクロック回路が発生したクロック信号のカウント動作を開始する。
ランプ波形発生回路14は、カウンタ回路15のカウント動作の開始に同期して、時間軸方向に一定の傾きで電圧値が小さくなるランプ電圧Vrampを発生してDAC回路16に出力する。
【0023】
図3は、DAC回路16の構成を示す平面図である。
図3には、5ビットのデジタルデータを生成する構成が例示されている。この構成において、DAC回路16は、7つの容量20〜26と、各容量20〜26に対応して設けられたスイッチSW0〜SW6とを備えている。容量20〜26の容量値はそれぞれ、最も小さい容量20,21の容量値をCとしたときに、C、C、2C、4C、8C、16Cおよび32C(Cは正の定数)である。
【0024】
容量20〜26の上側電極は、スイッチSWinおよびコンパレータ17の反転入力端子に並列に接続されている。最も小さい容量値Cを有する一方の容量20の下側電極は、スイッチSW0の切り替えにより、ランプ波形発生回路14からランプ電圧Vrampが入力されるランプ入力端子またはグランド電圧GNDに接続される。他の容量21〜27の下側電極は、スイッチSW1〜SW6の切り替えにより、基準電圧Vrefまたはグランド電圧GNDに接続される。スイッチSW0〜SW6の切り替えは、制御回路18によって制御される。
【0025】
次に、このように構成されたAD変換器1の作用について、
図4に示される例を用いて説明する。
水平シフトレジスタ5が読み出した1行分の画素2の信号電圧Vinは、対応する列のサンプルホールド回路12に入力されて該サンプルホールド回路12に保持される。次に、スイッチSWinが閉じられることにより、各サンプルホールド回路12は後段の対応する列の信号変換回路13に信号電圧Vinを出力する。このときに、制御回路18によりスイッチSW0〜SW6はグランド電圧GND側に切り替えられる。これにより、DAC回路16の出力電圧Vdacは信号電圧Vinと等しくなる。この後、スイッチSWinが開放されることにより、DAC回路16の出力電圧VdacはVinに保持される。
【0026】
次に、制御回路18は、ラッチ回路19から受け取った信号に基づいてSW1〜SW6を切り替え、コンパレータ17により電圧Vdacと参照電圧V
0とを比較することにより、信号電圧Vinの上位5ビット分をデジタル変換する。
【0027】
具体的には、まず、最も大きい容量値32Cを有する容量26のスイッチSW6を基準電圧Vref側に切り替える。これにより、DAC回路16の出力電圧VdacはVin−Vref/2となる。コンパレータ17は、出力電圧Vdacと参照電圧V
0とを比較する。
図4においては、Vdac>V
0、すなわち、Vin<Vref/2+V
0であり、コンパレータ17の出力信号は「low」になり、最上位ビットのデジタル値として「0」が得られる。ラッチ回路19は、この信号レベルをラッチし、制御回路18とメモリ回路7に出力する。
【0028】
次に、制御回路18は、ラッチ回路19からの「low」の入力を受けて、スイッチSW6を基準電圧Vref側に接続したままとし、スイッチSW5を基準電圧Vref側に切り替える。これにより、DAC回路16の出力電圧VdacはVin−(Vref/2+Vref/4)となる。コンパレータ17は、出力電圧Vdacと参照電圧V
0とを比較する。
図4においては、Vdac<V
0、すなわち、Vin<Vref/2+Vref/4+V
0であり、コンパレータの出力信号は「high」になり、上位2ビット目のデジタル値として「1」が得られる。ラッチ回路19は、信号レベルをラッチし、制御回路18とメモリ回路7に出力する。
【0029】
次に、制御回路18は、ラッチ回路19からの「high」の入力を受けて、スイッチSW5をグランド電圧GND側に切り替え、スイッチSW4を基準電圧Vref側に切り替える。これにより、DAC回路16の出力電圧VdacはVin−(Vref/2+Vref/8)となる。コンパレータ17は、出力電圧Vdacと参照電圧V
0とを比較する。
図4においては、Vdac>V
0、すなわち、Vin<Vref/4+Vref/8+V
0であり、コンパレータ17の出力信号は「low」になり、上位3ビット目のデジタル値として「0」が得られる。
【0030】
このように、制御回路18は、直前のコンパレータ17による比較結果に応じて基準電圧Vref側に切り替えるスイッチSW1〜6の組み合わせを変更することにより、容量によって生成されるバイアス電圧を、Vref/2,Vref/2+Vref/4,Vref/2+Vref/8,…と信号電圧Vinに漸近するように変化させる。そして、信号電圧Vinと各バイアス電圧との比較結果である「0」または「1」をそのビットのデジタル値とすることにより上位5ビット目までのデジタル値を得る。
【0031】
ここで、制御回路18は、
図5および
図6に示されるように、コンパレータ17の出力が「0」であったときのDAC回路16のデジタルコード(図中、黒塗りライン参照。)を記憶し、上位5ビット分のコンパレータ17による比較が終了した後に、最後に記憶したデジタルコードに対応する出力電圧Vdacをもう一度生成させる。これにより、逐次比較方式によるデジタル変換動作は、出力電圧Vdacが参照電圧V
0よりも大きい状態で終了することとなる。なお、
図5および
図6には、4ビットをデジタル変換する場合が例示されている。
【0032】
次に、制御回路18は、信号電圧Vinの下位ビットをカウンタ・ランプ方式によってデジタル変換する。具体的には、制御回路18は、最も小さい容量値Cを有する容量20のスイッチSW0をランプ入力端子側に切り替える。これと共に、制御回路18は、カウンタ回路15にクロック信号のカウント開始を指示する。ランプ波形発生回路14は、カウンタ回路15のカウント動作開始を受けて、初期値を基準電圧Vrefとし、一定の傾きで小さくなるランプ電圧Vrampを出力する。コンパレータ17は、反転入力端子に入力される電圧Vdacを参照電圧V
0と比較し、Vdac>Vrefの間は「low」を出力する。
【0033】
カウンタ回路15は、ラッチ回路19から「low」が入力されている間、クロック信号の数をカウントし続け、ラッチ回路19からの入力が「high」に変化したときにカウントを停止する。カウンタ回路15がカウントしたクロック信号のカウント数を、信号電圧Vinの下位ビットのデジタルデータとして得られる。カウンタ回路15は、カウント数をメモリ回路7に出力する。
以上の2段階で生成された上位ビットのデジタルデータと下位ビットのデジタルデータを結合することにより、信号電圧Vinのデジタル信号が得られる。
【0034】
このように、本実施形態によれば、高速動作に適した逐次変換方式を採用しつつ、下位のデジタル変換に回路構成が簡素なカウンタ・ランプ方式を採用することにより、全体に占める面積および消費電力の割合が比較的大きい容量20〜26の数を削減し、回路の小型化および低消費電力化を図ることができる。
【0035】
また、逐次比較方式による上位ビットのデジタル変換においてDAC回路16が出力する最後の電圧Vdacが参照電圧V
0より大きくなるようにすることで、この後に行われるカウンタ・ランプ方式によるデジタル変換において経時的に減少するランプ電圧Vrampは参照電圧V
0と確実に交差することとなる。これにより、下位ビットのデジタル変換動作を確実に実行することができる。
【0036】
次に、本実施形態に係るAD変換器1のキャリブレーション動作について説明する。キャリブレーション動作は、AD変換器1が信号電圧Vinのデジタル変換を実行する度に実行されてもよく、固体撮像装置100の電源が投入されたときや温度等の環境が変化したとき等のタイミングで実行されてもよい。
【0037】
まず、ランプ波形発生回路14から電圧値が既知の校正電圧Vcalが、ランプ入力端子側に切り替えられたスイッチSW0を介して容量20の下側極板に印加される。このときに、他の容量21〜26の下側極板は、スイッチSW1〜6によりグランド電圧GNDに接続される。これにより、コンパレータ17の反転入力端子には電圧Vdac=−Vcalが入力される。校正電圧Vcalは、前述した逐次比較方式による信号電圧Vinの上位ビットのデジタル変換と同様にしてデジタル変換される。同様に、電圧値の異なる複数の校正電圧Vcalがデジタル変換される。
【0038】
デジタル変換して得られた校正電圧Vcalのデジタル信号は容量20〜26のキャリブレーション用データとして用いられる。すなわち、容量20〜26の容量値に製造誤差によるばらつきが存在する場合、校正電圧Vcalを実際にデジタル変換して得られたデジタル信号は、校正電圧Vcalから理論的に算出されるデジタル信号と異なる。そこで、これら2つのデジタル信号を対応付けたテーブルを、例えば、固体撮像装置100の外部に設けられた図示しない記憶装置に記憶しておく。これにより、AD変換器1によって得られた上位ビットのデジタル信号をテーブルに基づいて正しいデジタル信号に補償することができる。
【0039】
このように本実施形態によれば、信号電圧Vinの下位ビットのデジタル変換に用いられるランプ波形発生回路14を、校正電圧Vcalの生成にも用いることにより、従来別途備えられていた校正電圧を生成するための構成が不要となる。これにより、さらなる小型化を図ることができる。
【0040】
なお、本実施形態においては、下位ビットのデジタル変換において、電圧値が経時的に小さくなるランプ電圧Vrampを用いることとしたが、これに代えて、電圧値が経時的に大きくなるランプ電圧を用いることとしてもよい。この場合には、上位ビットのデジタル変換において、DAC回路16が最後に出力する電圧Vdacが参照電圧V
0よりも小さくなるようにすればよい。すなわち、制御回路18は、コンパレータ17の出力が「high」であったときのDAC回路16のデジタルコードを記憶し、上位5ビット分のコンパレータ17による比較が終了した後に、最後に記憶したデジタルコードに対応する電圧Vdacをもう一度生成させればよい。
【0041】
また、
図7に示すような回路形態により、キャリブレーションを行ってもよい。この実施形態では、
図8のフローチャートに示すように、キャリブレーション動作が開始されると、スイッチSWinputを「2」側、スイッチSWcalを「2」側へ切り替え(ステップS1)、最も大きな容量値32Cを有する容量26から順番に校正を行う(ステップS2〜S7)。
【0042】
図9は、
図8の容量26校正ルーチンS2を示している。
図9に示すように、まず、スイッチSW6をグランド電圧GNDに接続し、スイッチSW0〜SW5を基準電圧Vrefに接続する(ステップS21)。このときのコンパレータ17の反転端子に入力される電圧V261を、ランプ波形発生回路14から電圧値が既知の校正電圧VcalをスイッチSWcalから入力することにより求める(ステップS22)。
【0043】
次に、スイッチSW6を基準電圧Vrefに接続し、スイッチSW0〜SW5をグランド電圧GNDに接続する(ステップS23)。このときのコンパレータ17の反転端子に入力される電圧V262を、ランプ波形発生回路14から電圧値が既知の校正電圧VcalをスイッチSWcalから入力することにより求める(ステップS24)。
【0044】
次に、ステップS22,S24において取得された電圧261,262から容量26の校正データを演算する(ステップS25)。具体的には、容量20〜26の容量値の和をCtotとし、容量26の容量値をCtot/2+ΔC26、容量20〜25の容量値の和をCtot/2―ΔC26とすると、電圧V261,V262は以下の式によってそれぞれ表わされる。
V261=VrefX(Ctot/2−ΔC26)/Ctot
V262=VrefX(Ctot/2+ΔC26)/Ctot
これにより、電圧V261と電圧V262との差は以下となる。
V262−V261=VrefX(2XΔC26/Ctot)
よって、容量26の製造誤差による変換誤差は、(V262−V261)/2と求められ、これを容量26による変換時の校正データとして用いる。
【0045】
続いて、
図8の容量25校正ルーチンS3により容量25の校正を行う。
図10に示すように、まず、スイッチSW6およびスイッチSW5をグランド電圧GNDに接続し、スイッチSW0〜4を基準電圧Vrefに接続する(ステップS31)。このときのコンパレータ17の反転端子に入力される電圧V251を、ランプ波形発生回路14から電圧値が既知の校正電圧VcalをスイッチSWcalから入力することにより求める(ステップS32)。
【0046】
次に、スイッチSW5を基準電圧Vrefに接続し、スイッチSW0〜4をグランド電圧GNDに接続する(ステップS33)。このときのコンパレータ17の反転端子に入力される電圧V252を、ランプ波形発生回路14から電圧値が既知の校正電圧VcalをスイッチSWcalから入力することにより求める(ステップS34)。
【0047】
次に、ステップS32,S34において取得された電圧251,252から容量25の校正データを演算する(ステップS35)。具体的には、容量25の容量値をCtot/4−ΔC26/2+ΔC25、容量20〜24の容量値の和をCtot/4−ΔC26/2―ΔC25とすると、電圧V251,V252は以下の式によってそれぞれ表わされる。
V251=VrefX(3XCtot/4−ΔC26/2−ΔC25)/Ctot
V252=VrefX(3XCtot/4−ΔC26/2+ΔC25)/Ctot
【0048】
これにより、電圧V251と電圧V252との差は以下となる。
V252−V251=VrefX(2XΔC25/Ctot)
よって、容量25の製造誤差による変換誤差は、(V252−V251)/2と求められ、これを容量25による変換時の校正データとして用いる。
同様にして容量24〜21についても容量25,26と同様の容量で処理を行って校正データを得た後、スイッチSWinputを「1」側、スイッチSWcalを「1」側へ切り替え、キャリブレーションを終了する(ステップS8)。
【0049】
また、本実施形態においては、固体撮像装置100を構成する回路が、2つの半導体基板100a,100bに分けて形成されていることとしたが、これに代えて、
図11に示されるように、1つの半導体基板100cに形成されていることとしてもよい。
図11に示される例では、水平シフトレジスタ5が省略され、各列の画素2からの信号電圧Vinが直接サンプルホールド回路12に入力されるようになっている。
【0050】
また、本実施形態においては、画素2の信号電圧Vinをデジタル変換する動作についてのみ説明したが、信号電圧Vinのデジタル変換に先立って画素2のノイズ電圧をデジタル変換することとしてもよい。
【0051】
画素2が有する信号電圧Vinをゼロにリセットする際にこのリセット動作に伴ってノイズ電圧が発生し、該ノイズ電圧がリセットされた後の画素2に保存される。したがって、次に画素2が受光して生成した信号電圧Vinはノイズ電圧に重畳され、これらの和が水平シフトレジスタ5によって読み出されることとなる。そこで、画素2をリセットした後にノイズ電圧を読み出し、その後に画素2が受光して生成された信号電圧Vinをノイズ電圧とともに読み出し、これらの差分から信号電圧Vinを算出することができる。
【0052】
ここで、固体撮像装置100は、
図12に示されるように動作することとしてもよい。すなわち、画素アレイ3に配列されたm列の画素2のうち、1〜2/m列目の画素2について、水平シフトレジスタ5からサンプルホールド回路12への電圧の出力動作、デジタル変換動作およびデジタル信号の出力動作を行う。そして、残りのm/2+1〜m列目の画素2については、1〜2/m列目の画素2よりも1ステップずつ遅れて動作を行う。
【0053】
図中、Rは画素2の電圧をゼロにリセットする期間、Nはリセット後の画素2のノイズ電圧を水平シフトレジスタ5に読み出す期間、Tは画素2が備えるフォトダイオードが蓄積した信号電荷を信号電圧Vinに変換する期間、Sは画素2の信号電圧Vinとノイズ電圧とを水平シフトレジスタ5に読み出す期間を示している。
このように画素2を列によって半分に分けて時間差で処理することにより、途切れなく処理を行うことができる。