特許第5986247号(P5986247)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5986247
(24)【登録日】2016年8月12日
(45)【発行日】2016年9月6日
(54)【発明の名称】二重化システム
(51)【国際特許分類】
   G05B 9/02 20060101AFI20160823BHJP
【FI】
   G05B9/02 A
【請求項の数】14
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-51838(P2015-51838)
(22)【出願日】2015年3月16日
(65)【公開番号】特開2015-176608(P2015-176608A)
(43)【公開日】2015年10月5日
【審査請求日】2015年3月16日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0030948
(32)【優先日】2014年3月17日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2014-0031310
(32)【優先日】2014年3月17日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】593121379
【氏名又は名称】エルエス産電株式会社
【氏名又は名称原語表記】LSIS CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 健一
(72)【発明者】
【氏名】ユ チャン スン
【審査官】 川東 孝至
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−175875(JP,A)
【文献】 特開2000−112502(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電圧及び電流のうち少なくともいずれか一つを測定して出力する二重化システムにおいて、
電圧及び電流のうち少なくともいずれか一つを測定する第1測定装置と、
電圧及び電流のうち少なくともいずれか一つを測定する第2測定装置と、
前記第1測定装置が異常動作をする場合、前記第1測定装置との連結を解除し前記第2測定装置に切り替える制御装置と、
前記第1測定装置の第1測定値に基づいて前記第2測定装置の第2測定値をフィルタリングして出力するフィルタと、
前記第1測定装置の前記第1測定値をバッファリングする第1バッファと、
前記第2測定装置の前記第2測定値をバッファリングする第2バッファと、
バッファリングされた前記第1測定値とバッファリングされた前記第2測定値の時間差時間オフセットを計算するオフセット計算部と、を含み、
前記制御装置は、バッファリングされた前記第1測定値とバッファリングされた前記第2測定値及び前記時間オフセットに基づいて前記第2測定装置の測定値を出力する、二重化システム。
【請求項2】
前記制御装置は、前記第1測定装置が異常動作をする場合、前記第1測定装置との連結を解除し前記第2測定装置に切り替える前に前記フィルタとの連結を生成する、請求項1に記載の二重化システム。
【請求項3】
前記制御装置は、前記フィルタとの連結を生成した後、予め設定された時間が過ぎてから前記フィルタとの連結を解除する、請求項2に記載の二重化システム。
【請求項4】
前記フィルタは、低域フィルタ、線状フィルタ及び補間フィルタのうち少なくともいずれか一つを含む、請求項1に記載の二重化システム。
【請求項5】
前記制御装置は、前記第1測定装置の第1測定値が前記第1測定装置の以前の測定値より予め設定された基準値以上大きい場合、前記第1測定装置が異常動作をすると判断する、請求項1に記載の二重化システム。
【請求項6】
前記制御装置は、バッファリングされた前記第1測定値が前記第2測定値より速い場合、前記時間オフセットだけ前記第2測定装置の測定値を速く補正して出力する、請求項に記載の二重化システム。
【請求項7】
前記制御装置は、バッファリングされた前記第1測定値が前記第2測定値より遅い場合、前記時間オフセットだけ前記第2測定装置の測定値を遅く補正して出力する、請求項に記載の二重化システム。
【請求項8】
電圧及び電流のうち少なくともいずれか一つを測定して出力する二重化システムの動作方法において、
第1測定装置と第2測定装置が電圧及び電流のうち少なくともいずれか一つを測定するステップと、
前記第1測定装置の第1測定値をバッファリングするステップと、
前記第2測定装置の第2測定値をバッファリングするステップと、
前記第1測定装置が異常動作をする場合、前記第1測定装置との連結を解除し前記第2測定装置に切り替えるステップと、
前記第1測定装置の第1測定値に基づいて前記第2測定装置の第2測定値をフィルタリングして出力するステップと、を含
前記第1測定装置の第1測定値に基づいて前記第2測定装置の第2測定値をフィルタリングして出力するステップは、バッファリングされた前記第1測定値とバッファリングされた前記第2測定値に基づいて前記第2測定装置の測定値を出力するステップを含み、
バッファリングされた前記第1測定値とバッファリングされた前記第2測定値に基づいて前記第2測定装置の測定値を出力するステップは、
バッファリングされた前記第1測定値とバッファリングされた前記第2測定値の時間差時間オフセットを計算するステップと、
前記時間オフセットに基づいて前記第2測定装置の測定値を出力するステップと、を含む、動作方法。
【請求項9】
前記第1測定装置との連結を解除し前記第2測定装置に切り替えるステップは、前記第1測定装置が異常動作をする場合、前記第1測定装置との連結を解除し前記第2測定装置に切り替える前に前記フィルタとの連結を生成するステップを含む、請求項に記載の動作方法。
【請求項10】
前記フィルタとの連結を生成した後、予め設定された時間が過ぎてから前記フィルタとの連結を解除するステップを更に含む、請求項に記載の動作方法。
【請求項11】
前記フィルタは、低域フィルタ、線状フィルタ及び補間フィルタのうち少なくともいずれか一つを含む、請求項に記載の動作方法。
【請求項12】
前記第1測定装置との連結を解除し前記第2測定装置に切り替えるステップは、前記第1測定装置の第1測定値が前記第1測定装置の以前の測定値より予め設定された基準値以上大きい場合、前記第1測定装置が異常動作をすると判断するステップを含む、請求項に記載の動作方法。
【請求項13】
前記時間オフセットに基づいて前記第2測定装置の測定値を出力するステップは、バッファリングされた前記第1測定値が前記第2測定値より速い場合、前記時間オフセットだけ前記第2測定装置の測定値を速く補正して出力するステップを含む、請求項に記載の動作方法。
【請求項14】
バッファリングされた前記第1測定値とバッファリングされた前記第2測定値に基づいて前記第2測定装置の測定値を出力するステップは、バッファリングされた前記第1測定値が前記第2測定値より遅い場合、前記時間オフセットだけ前記第2測定装置の測定値を遅く補正して出力するステップを含む、請求項に記載の動作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の技術分野は二重化システムに関するものであり、特に電流と電圧を測定する測定装置を含む二重化システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
二重化システムとは、システムの信頼性を上げるために同じ機能を有する構成を2つ用意して活用することである。二重化システムはシステム内の構成が異常動作をする場合、システム全体の動作を中断しないように各構成に予備装置を含む。二重化システムに含まれた各構成のうちいずれか一つに故障が発生した場合、二重化システムは直ちに予備装置に切り替えて動作を再開する。二重化システムはコストがかかる方式ではあるが、高い信頼性を要求し動作を中断することができないシステムに広く使用されている。
【0003】
このような二重化システムは高電圧直流送電(high volatge direct current,HVDC)にも使用される。高電圧直流送電は電気送電方式の一つである。高電圧直流送電は発電所で発電される高圧の交流電力を電力変換器を利用して高効率の高い高圧の直流電力に替えて送電する。後に望みの地域で電力変換機を介して更に交流電力に変換し供給する方式が高電圧直流送電である。高電圧直流送電は高圧交流送電に比べ電力損失の量が少ないため長距離送電に有利である。
【0004】
このような高電圧直流送電装置を行う高電圧直流送電装置は、直流電力を交流電力に変換するインバータ(inverter)と交流電力を直流電力に変換するコンバータ(converter)を使用する。インバータとコンバータを制御するために電流と電圧を測定する測定装置は、高電圧直流送電装置が適用される系統とシステムの各機器のポイントで電流と電圧を測定する。高電圧直流送電装置は高い信頼性が要求される。よって、電流と電圧を測定する測定装置は二重化システムで構成される。この際、測定装置が異常動作をして切り替える場合に発生する二重化システムの衝撃やシステム全体が異常動作をする恐れがある。よって、それを防止するための二重化システムが必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
システム構成の異常動作による切り替えの際に二重化システムの衝撃を最小化する二重化システムを提供する。特に、電流と電圧を測定する測定装置が異常動作をして切り替える場合に発生する二重化システムの衝撃を最小化する二重化システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施例による電圧及び電流のうちいずれか一つを測定して出力する二重化システムは、電圧及び電流のうち少なくともいずれか一つを測定する第1測定装置と、電圧及び電流のうち少なくともいずれか一つを測定する第2測定装置と、前記第1測定装置が異常動作をする場合に前記第1測定装置との連結を解除し前記第2測定装置に切り替える制御装置と、前記第1測定装置の測定値に基づいて前記第2測定装置の測定値をフィルタリングして出力するフィルタと、を含む。
【0007】
また、前記制御装置は前記第1測定装置が異常動作をする場合、前記第1測定装置との連結を解除し前記第2測定装置に切り替える前に前記フィルタとの連結を生成する。
【0008】
この際、前記制御装置は前記フィルタとの連結を生成した後、予め設定された時間が過ぎてから前記フィルタとの連結を解除する。
【0009】
また、前記フィルタは低域フィルタ(low pass filter)、線状フィルタ(linear filter)及び補間フィルタ(interpolation filter)のうち少なくともいずれか一つを含む。
【0010】
また、前記制御装置は前記第1測定装置の第1測定値が前記第1測定装置の以前の測定値より予め設定された基準値以上大きい場合、前記第1測定装置が異常動作をすると判断する。
【0011】
二重化システムは前記第1測定装置の前記第1測定値をバッファリングする第1バッファと、前記第2測定装置の前記第2測定値をバッファリングする第2バッファと、を更に含み、前記制御装置はバッファリングされた前記第1測定値とバッファリングされた前記第2測定値に基づいて前記第2測定装置の測定値を出力する。
【0012】
この際、二重化システムはバッファリングされた前記第1測定値とバッファリングされた前記第2測定値の時間差時間オフセットを計算するオフセット計算部を更に含み、前記制御装置は前記時間オフセットに基づいて前記第2測定装置の測定値を出力する。
【0013】
また、前記制御装置はバッファリングされた前記第1測定値が前記第2測定値より速い場合、前記時間オフセットだけ前記第2測定装置の測定値を速く補正して出力する。
【0014】
前記制御装置はバッファリングされた前記第1測定値が前記第2測定値より遅い場合、前記時間オフセットだけ前記第2測定装置の測定値を遅く補正して出力する。
【0015】
本発明の一実施例による電圧及び電流のうちいずれか一つを測定して出力する二重化システムの動作方法は、第1測定装置と第2測定装置が電圧及び電流のうち少なくともいずれか一つを測定するステップと、前記第1測定装置が異常動作をする場合に前記第1測定装置との連結を解除し前記第2測定装置に切り替えるステップと、前記第1測定装置の第1測定値に基づいて前記第2測定装置の第2測定値をフィルタリングして出力するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一実施例による二重化システムは、システム構成の異常動作による切り替えの際に二重化システムの衝撃を最小化する二重化システムを提供する。特に、電流と電圧を測定する測定装置に異常動作が発生して切り替える場合、切り替えによる二重化システムの衝撃を最小化する二重化システムを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施例による二重化システムが適用される高電圧直流送電システムを示す図である。
図2】本発明の一実施例による二重化システムが適用される高電圧直流送電システムの動作を示すフローチャートである。
図3】本発明の一実施例による二重化システムが適用された測定部のブロック図である。
図4】本発明の一実施例による二重化システムが適用された測定部の動作を示すフローチャートである。
図5】本発明の一実施例による測定部が含む第1測定装置と第2測定装置の測定値を示す図である。
図6】本発明の一実施例による二重化システムの制御装置が切り替えられた場合の測定部の出力値を示す図である。
図7】本発明の他の実施例による二重化システムが適用された測定部のブロック図である。
図8】本発明の他の実施例による二重化システムが適用された測定部の動作を示すフローチャートである。
図9】本発明の他の実施例による二重化システムが切り替えられた場合の測定部の出力値を示す図である。
図10】本発明の一実施例による測定部が含む第1測定装置と第2測定装置の測定値を示す図である。
図11】本発明の一実施例による二重化システムの制御装置が切り替えられた場合の測定部の出力値を示す図である。
図12】本発明のまた他の実施例による二重化システムが適用された測定部のブロック図である。
図13】本発明のまた他の実施例による二重化システムが適用された測定部の動作を示すフローチャートである。
図14】本発明のまた他の実施例による二重化システムが切り替えられた場合の測定部の出力値を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施例について本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施し得るように詳細に説明する。しかし、本発明は様々な相異なる形態に具現されてもよく、ここで説明する実施例に限定されない。そして、本発明を明確に説明するために説明と関係のない部分は図面から省略しており、明細書全体にわたって類似した部分に対しては類似した部面符号を付けている。
【0019】
また、あの部分があの構成要素を「含む」という際、これは特に反対する記載がない限り、他の構成要素を除くことではなく他の構成要素を更に含むことを意味する。
【0020】
図1は、本発明の一実施例による二重化システムが適用される高電圧直流送電システムを示す図である。
【0021】
高電圧直流送電装置システム100は交流電源110、送電側変圧器120、コンバータ130、インバータ140、受電側変圧器150、負荷160、制御部170及び測定部200を含む。
【0022】
交流電源110は交流電力を生成する。
【0023】
送電側変圧器120は生成された交流電力の電圧の大きさを昇圧する。この際、送電側変圧器120が電圧の大きさを昇圧することで送電の効率を上げることができる。
【0024】
コンバータ130は交流電力を高圧又は超高圧直流電力に変換して送電する。コンバータ130はサイリスタバルブ及び整流器を含む。この際、コンバータ130が交流電力を高圧又は超高圧直流電力に変換することで送電の効率を上げることができる。
【0025】
インバータ140は直流電力を交流電力に変換する。
【0026】
受電側変圧器150は交流電力の電圧の大きさを負荷160に使用される定格電圧の大きさに返還して交流電力を負荷160に供給する。
【0027】
測定部200は高電圧直流送電システム100内の電圧及び電流のうち少なくともいずれか一つを測定する。図1の実施例において、測定部200は送電側変圧器120によって変換交流電力を測定するがそれに限ることはなく、測定部200は高電圧直流送電システム100内の他の部分を測定可能である。測定部200はシステムの安定性を信頼性のために複数の測定装置を含む二重化システム構造である。それについては図3乃至図9を介して詳細に説明する。
【0028】
制御部170は電圧及び電流のうち少なくともいずれか一つの測定値に基づいてコンバータ130とインバータ140の動作を制御する。
【0029】
図2は、本発明の一実施例による二重化システムが適用される高電圧直流送電システムの動作を示すフローチャートである。
【0030】
交流電源110は交流電力を生成するS101。
【0031】
送電側変圧器120は交流電力の電圧の大きさを昇圧するS103。送電側変圧器120は交流電力の電圧の大きさを昇圧することで送電効率を上げることができる。
【0032】
測定部200は高電圧直流送電システム100内の電圧及び電流のうち少なくともいずれか一つを測定し、測定結果を生成するS105。
【0033】
制御部170は測定結果に基づいてコンバータ130及びインバータ140のうちいずれか一つを制御するS107。
【0034】
コンバータ130は交流電力を超高圧又は高圧の直流電力に変換して送電するS109。超高圧又は高圧の直流電力に変換して送電することで送電の効率を上げることができる。
【0035】
インバータ140は直流電力を交流電力に変換するS111。
【0036】
受電側変圧器150は交流電力の電圧の大きさを負荷160に使用される定格電圧の大きさに返還して交流電力を負荷160に供給するS113。
【0037】
図3は、本発明の一実施例による二重化システムが適用される測定部のブロック図である。
【0038】
測定部200は第1測定装置210、第2測定装置230及び制御装置250を含む。この際、測定部200が含む測定装置は第1測定装置210と第2測定装置230に限らない。
【0039】
第1測定装置210と第2測定装置230は電圧及び電流のうち少なくともいずれか一つを測定して測定値を生成する。
【0040】
制御装置250は現在使用中の第1測定装置210が異常動作をする場合には第2測定装置230に切り替える。詳しくは、制御装置250は現在使用中の第1測定装置210との連結を解除し、第2測定装置230を連結して測定値を生成する。この際、制御装置250はスイッチを含み、制御装置250はスイッチを利用して第1測定装置210との連結を解除し第2測定装置230との連結を生成する。現在使用中の第1測定装置210が以前の測定値と予め決められた基準値以上の差がある値を測定するか測定を中止した場合、制御装置250は第1測定装置210が異常動作をすると判断する。例えば、第1測定装置を使用して測定していたのに第1測定装置210が測定を中止した場合、制御装置250は第1測定装置210との連結を解除し第2測定装置230との連結を生成して測定値を生成する。これは、上述したように測定部の安定性を信頼性を上げるためである。それを介して測定部200は複数の測定装置のうちいずれか一つが異常動作をする場合でも正常に動作することができる。
【0041】
図4は、本発明の一実施例による二重化システムが適用された測定部の動作を示すフローチャートである。
【0042】
第1測定装置210と第2測定装置230は電圧及び電流のうち少なくともいずれか一つを測定して測定値を生成するS201。
【0043】
制御装置250は第1測定装置210が異常動作をするのかを判断するS203。詳しくは、第1測定装置210が以前の測定値と予め決められた基準値以上の差がある値を測定するか測定を中止した場合、制御装置250は第1測定装置210が異常動作をすると判断する。
【0044】
第1測定装置210が異常動作をする場合、制御装置250は第2測定装置230に切り替えるS205。
【0045】
但し、切り替えの際に第1測定装置210と第2測定装置230の測定値間の差によって測定部200の測定値に基づいてコンバータ130とインバータ140の動作を制御する制御部170が異常動作をする恐れがある。それについては図5乃至図6介して詳細に説明する。
【0046】
図5は、本発明の一実施例による測定部が含む第1測定装置と第2測定装置の測定値を示す図である。
【0047】
図6は、本発明の一実施例による二重化システムが切り替えられた場合の測定部の出力値を示す図である。
【0048】
制御部170、第1測定装置210、第2測定装置230それぞれの製造会社は異なり得る。また、同じ製造会社の製品であっても第1測定装置210と第2測定装置230それぞれはモデルが異なり得る。このような場合、同じ時間に同じ地点を測定したとしても第1測定装置210と第2測定装置230の出力値の差が大きくなり得る。また、第1測定装置210と第2測定装置230が同じ製造会社の同じモデルであっても、第1測定装置210と第2測定装置230はそれぞれ独立的に動作するため出力値に差があり得る。図5のA曲線は第1測定装置210が測定した測定値であり、図5のB曲線は第2測定装置230が測定した値である。図5の実施例において、A曲線とB曲線は一定な大きさの差を示す。このような場合、第1測定装置210と第2測定装置230との間で切り替えが行われると測定部200が出力する出力値は図6のように不連続点を有する。よって、第1測定装置210と第2測定装置230との間で切り替えが行われた場合、測定部250が出力する測定値は急激に変化する。測定値が急激に変化する場合、測定値に基づいてコンバータ130とインバータ140の動作を制御する制御部170が異常動作をする恐れがある。そのため、それを防止する二重化システムが必要である。
【0049】
図7は、本発明の他の実施例による二重化システムが適用された測定部のブロック図である。
【0050】
測定部200は第1測定装置210、第2測定装置230、制御装置250及びフィルタ270を含む。図7の測定部200は図3の実施例の測定部200と他の構成は全て同じであるが、フィルタ270の有無に差がある。
【0051】
制御装置250は現在使用中の第1測定装置210が異常動作をする場合には第2測定装置230に切り替える。詳しくは、制御装置250は現在使用中の第1測定装置210との連結を解除し、第2測定装置230を連結して測定値を生成する。この際、制御装置250は切り替えの前にフィルタ270との連結を生成し、第1測定装置210の測定値をフィルタ270に入力する。制御装置250は切り替えの後に第2測定装置230の測定値を入力し、フィルタ270からフィルタリングされた測定値を受信する。切り替えの後、制御装置250は予め設定された基準時間が過ぎてからフィルタ270との連結を解除する。
【0052】
フィルタ270は切り替えの際に第1測定装置210の測定値に基づいて第2測定装置230の測定値をフィルタリングし、制御装置250が出力する測定値の切り替え前と切り替え後の差を減少させる。詳しくは、フィルタ270は第1測定装置210の測定値に基づいて第2測定装置230の測定値をフィルタリングし、制御装置250が出力する測定値の切り替え前と切り替え後の差を減少させる。詳しくは、フィルタ270は低域フィルタ、線状フィルタ及び補間フィルタのうち少なくともいずれか一つを含む。それを介してフィルタ270は切り替えの際に発生する測定値の不連続を防止する。よって、測定値の急激な変換による制御部170の誤動作を防止することができる。
【0053】
第1測定装置210の測定値と第2測定装置230の測定値の大きさの誤差だけでなく時間的な誤差が存在する場合があり得る。それを防止するために、測定部200は第1バッファ(図示せず)、第2バッファ(図示せず)及びオフセット測定部(図示せず)を含む。第1バッファ(図示せず)は第1測定装置210の測定値をバッファリング(buffering)する。詳しくは、第1バッファ(図示せず)は第1測定装置210の測定値を一定時間の間に貯蔵する。第2バッファ(図示せず)は第2測定装置230の測定値をバッファリングする。詳しくは、第2バッファ(図示せず)は第2測定装置230の測定値を一定時間の間に貯蔵する。オフセット計算部(図示せず)は第1バッファ(図示せず)にバッファリングされた値と第2バッファ(図示せず)にバッファリングされた値の時間差を計算し、第1測定装置210の測定値と第2測定装置230のとの時間差であるオフセット(offset)を出力する。制御装置250は切り替えの後に第2測定装置230の測定値をバッファリングされた第1測定装置の測定値とバッファリングされた第2測定装置の測定値に基づいて出力する。詳しくは、制御装置250は切り替えの後に第2測定装置230の測定値をオフセット計算部(図示せず)から入力された時間オフセットに基づいて出力する。詳しくは、制御装置250は切り替えの後に第2測定装置230の測定値からオフセット計算部(図示せず)から入力された時間オフセットだけを補正する。第1測定装置210の測定値が第2測定装置230の測定値より時間的に速い場合、制御装置250は第2測定装置230の測定値を時間オフセットだけ速く移動させる。第1測定装置210の測定値が第2測定装置230の測定値より時間的に遅い場合、制御装置250は第2測定装置230の測定値を時間オフセットだけ遅く移動させる。それを介してフィルタ270は切り替えの際に発生する測定値の不連続を防止する。よって、測定値の不連続による制御部170の誤動作を防止することができる。
【0054】
図8は、本発明の他の実施例による二重化システムが適用された測定部の動作を示すフローチャートである。
【0055】
第1測定装置210と第2測定装置230は電圧及び電流のうち少なくともいずれか一つを測定して測定値を生成するS301。
【0056】
制御装置250は第1測定装置210が異常動作をするのかを判断するS303。詳しくは、第1測定装置210が以前の測定値と予め決められた基準値以上の差がある値を測定するか測定を中止した場合、制御装置250は第1測定装置210が異常動作をすると判断する。
【0057】
第1測定装置210が異常動作をする場合、制御装置250はフィルタ270との連結を生成するS305。フィルタ270との連結を生成されることによって、制御装置250は第1測定装置210の測定値をフィルタに入力する。
【0058】
制御装置250は第2測定装置340に切り替えるS307。第2測定装置230に切り替えられることで、制御装置250は第2測定装置250の測定値をフィルタに入力する。
【0059】
フィルタ270は切り替えの際に第1測定装置210の測定値に基づいて第2測定装置230の測定値をフィルタリングし、制御装置250が出力する測定値の切り替え前と切り替え後の差を減少させるS309。フィルタ270は低域フィルタ、線状フィルタ及び補間フィルタのうち少なくともいずれか一つを含む。よって、フィルタ270は低域フィルタリング、線状フィルタリング及び補間フィルタリングのうち少なくともいずれか一つを行う。それを介してフィルタ270は切り替えの際に発生する測定値の不連続を防止する。よって、フィルタ270は測定値の急激な変換による制御部170の誤動作を防止することができる。
【0060】
制御装置250はフィルタ270との連結を解除するS311。制御装置250は連結が生成された後、予め設定された基準時間が過ぎてからフィルタ270との連結を解除する。フィルタ270との連結を生成されることによって、制御装置250は第2測定装置230の測定値をフィルタを通らずに出力する。これは、第2測定装置230の測定値がフィルタを通ることによって変形されることを防止するためである。また、制御装置250が出力する測定値の出力がフィルタによって遅延さえることを防止するためである。
【0061】
図9は、本発明の他の実施例による二重化システムが切り替えられた場合の測定部の出力値を示す図である。
【0062】
図9において、図示された測定部250の出力値は図6とは異なって切り替え前と切り替え後に不連続が発生しない。上述したように、フィルタ270は切り替えの際に第1測定装置210の測定値に基づいて第2測定装置230の測定値をフィルタリングし、制御装置250が出力する測定値の切り替え前と切り替え後の差を減少させるためである。よって、測定部200の出力値の不連続性が発生することが防止される。
【0063】
図10は、本発明の一実施例による測定部が含む第1測定装置と第2測定装置の測定値を示す図である。
【0064】
図11は、本発明の一実施例による二重化システムが切り替えられた場合の測定部の出力値を示す図である。
【0065】
同じ時間に同じ地点を測定する際、第1測定装置210と第2測定装置230はそれぞれ独立的に動作するため装置のハードウェア特性に応じて第1測定装置210と第2測定装置230の出力値に時間差が存在し得る。また、第1測定装置210と第2測定装置230は製造会社又は同じ製造会社であっても製品のモデルが異なり得る。よって、第1測定装置210と第2測定装置230の測定値に時間誤差が存在し得る。このような場合、測定値の空白が発生する。詳しくは、制御装置250は第1測定装置210との連結を解除し第2測定装置230を連結を生成する際に測定部200が出力する測定値の空白が発生する。図10のA曲線は第1測定装置210が測定した測定値を示し、図10のB曲線は第2測定装置230が測定した値を示す。図10の実施例において、第1測定装置210と第2測定装置230は一定な時間差を置いて同じ出力値を出力する。図10の実施例において、第1測定装置210は第2測定装置230より少し速く測定値を生成する。よって、第1測定装置210と第2測定装置230との間で切り替えが行われる場合、測定部200が出力する出力値は図6のように空白地点を有する。それによって測定値に基づいてコンバータ130とインバータ140の動作を制御する制御部170が異常動作をする恐れがある。そのため、それを防止する二重化システムが必要である。
【0066】
図12は、本発明のまた他の実施例による二重化システムが適用された測定部のブロック図である。
【0067】
測定部300は第1測定装置310、第2測定装置330、制御装置350及び第1バッファ370、第2バッファ380及びオフセット計算部390を含む。図12の測定部300は図3の実施例の測定部200と他の構成は全て同じであるが、第1バッファ370、第2バッファ380及びオフセット計算部390の有無に差がある。
【0068】
第1バッファ370は第1測定装置310の測定値をバッファリングする。詳しくは、第1バッファ370は第1測定装置310の測定値を一定時間の間に貯蔵する。
【0069】
第2バッファ380は第2測定装置330の測定値をバッファリングする。詳しくは、第2バッファ380は第2測定装置330の測定値を一定時間の間に貯蔵する。
【0070】
オフセット計算部390は第1バッファ370にバッファリングされた値と第2バッファ380にバッファリングされた値の時間差を計算し、第1測定装置310の測定値と第2測定装置330のとの時間差であるオフセットを出力する。
【0071】
制御装置350は現在使用中の第1測定装置310が異常動作をする場合には第2測定装置330に切り替える。詳しくは、制御装置350は現在使用中の第1測定装置310との連結を解除し、第2測定装置330を連結して測定値を生成する。制御装置350は切り替えの後の第2測定装置330の測定値をバッファリングされた第1測定装置の測定値とバッファリングされた第2測定装置の測定値に基づいて出力する。詳しくは、制御装置350は切り替えの後に第2測定装置330の測定値をオフセット計算部390から入力された時間オフセットに基づいて出力する。詳しくは、制御装置350は切り替えの後に第2測定装置330の測定値からオフセット計算部390から入力された時間オフセットだけを補正する。第1測定装置310の測定値が第2測定装置330の測定値より時間的に速い場合、制御装置350は第2測定装置330の測定値をオフセットだけ速く移動させる。第1測定装置310の測定値が第2測定装置330の測定値より時間的に遅い場合、制御装置350は第2測定装置330の測定値をオフセットだけ遅く移動させる。それを介してフィルタ350は切り替えの際に発生する測定値の空白を防止する。よって、測定値の空白による制御部170の誤動作を防止することができる。
【0072】
また、上述したように時間的な誤差だけでなく測定値の大きさの誤差が存在する場合があり得る。測定値の大きさの誤差が存在する場合、切り替えの際に測定値の不連続が発生する恐れがある。それを防止するために、測定部300はフィルタ(図示せず)を更に含む。フィルタ(図示せず)は切り替えの際に第1測定装置310の測定値に基づいて第2測定装置330の測定値をフィルタリングし、制御装置350が出力する測定値の切り替え前と切り替え後の差を減少させる。フィルタ270は低域フィルタ、線状フィルタ及び補間フィルタのうち少なくともいずれか一つを含む。よって、フィルタ(図示せず)は低域フィルタリング、線状フィルタリング及び補間フィルタリングのうち少なくともいずれか一つを行う。それを介してフィルタ(図示せず)は切り替えの際に発生する測定値の不連続を防止する。よって、フィルタ270は測定値の急激な変換による制御部170の誤動作を防止することができる。この際、制御装置350は切り替えの前にフィルタ(図示せず)との連結を生成し、第1測定装置310の測定値をフィルタ(図示せず)に入力する。制御装置350は切り替えの後に第2測定装置330の測定値を入力し、フィルタ(図示せず)からフィルタリングされた測定値を受信する。切り替えの後、制御装置350は予め設定された基準時間が過ぎてからフィルタ(図示せず)との連結を解除する。よって、図12乃至図14を介して説明する測定部300は図7乃至図9を介して説明した測定部200の構成を全て含み、測定部200の動作を同じく行う。
【0073】
図13は、本発明のまた他の実施例による二重化システムが適用された測定部の動作を示すフローチャートである。
【0074】
第1測定装置310と第2測定装置330は電圧及び電流のうち少なくともいずれか一つを測定して測定値を生成するS301。
【0075】
第1バッファ370は第1測定装置310の測定値をバッファリングし、第2バッファ380は第2測定装置330の測定値バッファリングするS303。詳しくは、第1バッファ370は第1測定装置310の測定値を一定時間の間に貯蔵し、第2バッファ380は第2測定装置330の測定値を一定時間の間に貯蔵する。
【0076】
オフセット計算部390はバッファリングされた第1測定装置310の測定値と第2測定装置の測定値の時間差である時間オフセットを計算するS305。
【0077】
制御装置350は第1測定装置310が異常動作をするのかを判断するS307。詳しくは、第1測定装置310が以前の測定値と予め決められた基準値以上の差がある値を測定するか測定を中止した場合、制御装置350は第1測定装置310が異常動作をすると判断する。
【0078】
第1測定装置310が異常動作をする場合、制御装置350は第2測定装置330に切り替えるS309。詳しくは、制御装置350は第1測定装置310が異常動作をする場合、制御装置350は第2測定装置330に切り替える。詳しくは、制御装置350は現在使用中の第1測定装置310との連結を解除し、第2測定装置330を連結して測定値を生成する。
【0079】
制御装置350は第2測定装置330の測定値を時間オフセットに基づいて出力するS311。詳しくは、制御装置350は切り替えの後に第2測定装置330の測定値からオフセット計算部390から入力された時間オフセットだけを補正する。第1測定装置310の測定値が第2測定装置330の測定値より時間的に速い場合、制御装置350は第2測定装置330の測定値をオフセットだけ速く移動させる。第1測定装置310の測定値が第2測定装置330の測定値より時間的に遅い場合、制御装置350は第2測定装置330の測定値をオフセットだけ遅く移動させる。それを介してフィルタ270は切り替えの際に発生する測定値の不連続を防止する。よって、測定値の急激な変換による制御部170の誤動作を防止することができる。
【0080】
図14は、本発明のまた他の実施例による二重化システムが切り替えられた場合の測定部の出力値を示す図である。
【0081】
図14に図示された測定部250の出力値は図11とは異なって切り替え前と切り替え後に空白が発生しない。上述したように、制御装置350切り替えの際にバッファリングされた第1測定装置310の測定値と第2測定装置330の測定値の時間オフセットに基づいて第2測定装置330の測定値を出力する。よって、測定部300が出力する測定値の切り替え前と切り替え後の時間的差が補正される。よって、測定部300の出力値の空白が発生することが防止される。
【0082】
以上、実施例に説明された特徴、構造、効果などは本発明の少なくとも一つの実施例に含まれるが、必ずしも一つの実施例にのみ限定されることはない。なお、各実施例で例示された特徴、構造、効果などは、実施例が属する分野の通常の知識を有する者によって他の実施例に対しても組み合わせ又は変形されて実施可能である。よって、このような組み合わせと変形に関する内容は本発明の範囲に含まれると解析されるべきである。
【0083】
これまで実施例を中心に説明したが、これは単なる例示に過ぎないものであって本発明を限定するものではなく、本発明が属する分野の通常の知識を有する者であれば本実施例の本質的な特性を逸脱しない範囲で前記に例示されていない多様な変形と応用が可能であることを理解できるはずである。例えば、実施例に具体的に示した各の構成要素は変形して実施してもよいものである。そして、このような変形と応用に関する差は添付した特許請求の範囲で規定する本発明の範囲に含まれると解析されるべきである。
【0084】
また、本発明の二重化システムを詳しく説明するために高電圧直流送電システムに適用される実施例を挙げて説明したが本発明がそれに限ることはなく、本発明の二重化システムは他のところに使用可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
図12
図13
図14