(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記背面部は、前記ソーラーパネルを取り付けた際に、前記背面部と前記ソーラーパネルとの成す角度が直角となるように構成されている請求項2から請求項4のいずれか1項記載のソーラーパネル架台。
前記ソーラーパネル固定部は、前記外側板状部の内側面に設けられた補強部材を備え、前記補強部材は、前記外側板状部の内側面から、前記内側板状部の方に向かって突出していて、前記内側板状部と前記補強部材の間に所定の空間が形成されている請求項8に記載のソーラーパネル架台。
前記正面部と、前記背面部と、前記第1の側面部と、前記第2の側面部は、それぞれ、板状に形成されていて、前記正面部の幅方向の一端部と前記背面部の幅方向の一端部とが前記第1の側面部に連結され、前記正面部の幅方向の他端部と前記背面部の幅方向の他端部とが前記第2の側面部に連結されることによって、前記周壁部が形成される請求項2から請求項11のいずれか1項記載のソーラーパネル架台。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述のように、ソーラーパネルと設置面の間に柱となる複数の棒状部材を設けた架台を採用した場合、隣合う棒状部材の間は開放されていることになる。したがって、この開放部分から強風等がソーラーパネルと設置面の間に吹き込むと、ソーラーパネルが吹き飛んでしまうおそれがある。特に、台風、サイクロン及びハリケーンによる被害を受ける可能性が高い地域では、非常に強い力の風が吹き込むことがあるため、問題である。
【0005】
そこで、このような強風の吹込みを抑止するために、例えば、ソーラーパネルと設置面の間に周壁部を設ける構造が考えられる。しかしながら、この場合、ソーラーパネルと設置面の間の空気が外部に流出できなくなるため、ソーラーパネルと設置面の間の空気が熱せられて高温となり、ソーラーパネルや配線に悪影響を与える可能性が考えられる。
【0006】
よって、本発明は、強風等によってソーラーパネルが吹き飛ぶことを抑止すると共に、放熱効果を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係るソーラーパネル架台は、ソーラーパネルを支持して該ソーラーパネルを設置面に固定するソーラーパネル架台であって、前記ソーラーパネルの周縁と設置面との間に配される周壁部を備え、前記周壁部の下端と前記設置面の間には、全周にわたって間隙が形成されていて、前記周壁部の上端から下端までの長さ寸法の半分よりも上方に、複数の貫通孔が形成されている。
【0008】
上記構成によれば、ソーラーパネルの周縁と設置面との間に配される周壁部が設けられているため、強風等によってソーラーパネルが吹き飛ぶことを抑止することができる。また、周壁部の下端と設置面の間には、全周にわたって間隙が形成されていて、周壁部の上端から下端までの長さ寸法の半分よりも上方に、複数の貫通孔が形成されているため、ソーラーパネルと設置面の間の空間において、空気の効果的な対流を促すことができる。
【0009】
したがって、本発明によれば、強風等によってソーラーパネルが吹き飛ぶことを抑止できると共に、放熱効果を向上させることができる。
【0010】
また、例えば、前記ソーラーパネルが矩形状に形成されており、前記周壁部は、前記ソーラーパネルの前縁に対応する正面部と、前記ソーラーパネルの後縁に対応する背面部と、前記正面部の幅方向の一端部と前記背面部の幅方向の一端部との間に延びる第1の側面部と、前記正面部の幅方向の他端部と前記背面部の幅方向の他端部との間に延びる第2の側面部とを備え、前記貫通孔が、前記背面部に形成されていてもよい。
これにより、簡易に周壁部を構成することができると共に、効果的に放熱することができる。
【0011】
例えば、前記周壁部の内側において前記周壁部の下端から斜め上方に向かって延びる下端内側突出部を備え、前記下端内側突出部は、前記周壁部との間に成す角度が鋭角となるように形成されていてもよい。
これにより、上記間隙からの空気の流入が円滑になると共に、間隙から流入する空気がより効果的に対流するため、放熱効率を高めることができる。
【0012】
一例として、前記下端内側突出部が前記周壁部との間に成す角度を30度から60度に設定してもよい。
これにより、下端内側突出部の形成に際する加工を容易にすると共に、設置面に対して周壁部が傾斜して設けられる場合であっても、上記間隙からの空気の流路が下端内側突出部によって阻まれるリスクを低減させることができる。
【0013】
例えば、前記背面部は、前記ソーラーパネルを取り付けた際に、該背面部と前記ソーラーパネルの成す角度が直角となるように構成してもよい。
これにより、背面部とソーラーパネルの間に形成される空間が広くなるため、背面部に形成された貫通孔からの空気の排出が促進され、より高い放熱効果を達成することができる。
【0014】
一例として、前記背面部の幅方向に複数個配列され、かつ前記背面部の高さ方向に複数段配列されており、前記複数段配列された貫通孔が、一段ごとに幅方向にずらされて千鳥配列されている。
これにより、背面部の強度を保持しながら、一定の領域に貫通孔の開口面積を効率良く確保することができる。
【0015】
また、例えば、前記貫通孔の形状は、縦幅よりも横幅の長い角丸長方形であってもよい。
これにより、背面部の強度を保持しながら、空気の排出をより効率的に行うことができる。
【0016】
一例として、前記ソーラーパネルを前記周壁部の上端に固定するソーラーパネル固定部を備え、前記ソーラーパネル固定部は、前記周壁部の上端の少なくとも一部に沿って配置される長尺状部材であり、板状に形成された内側板状部と、該内側板状部と対向して板状に形成された外側板状部と、前記内側板状部の上端から前記外側板状部の上端にわたって板状に形成された上面板状部とを備え、前記内側板状部の先端が前記ソーラーパネルの表面側から前記設置面に向かって前記ソーラーパネルを抑えた状態で、前記外側板状部が前記周壁部に取り付けられるように構成してもよい。
【0017】
これにより、ソーラーパネルが吹き飛ぶリスクをより効果的に抑止することができると共に、ソーラーパネルを押し上げる力によってソーラーパネルがソーラーパネル固定部から受ける荷重が、等分布荷重となるため、ソーラーパネルの破損リスクを低減することができる。
【0018】
例えば、前記ソーラーパネル固定部は、前記外側板状部の内側面に設けられた補強部材を備え、前記補強部材は、前記外側板状部の内側面から、前記内側板状部の方に向かって突出していて、前記内側板状部と前記補強部材の間に所定の空間が形成されていてもよい。
これにより、ソーラーパネル固定部の強度を高めることができると共に、上記所定の空間の幅を調整することによって、ソーラーパネルに対する内側板状部の先端の位置を容易に調整することができる。
【0019】
一例として、前記周壁部の下端に取り付けられ、前記周壁部を設置面に固定する架台固定部を備え、前記架台固定部は、前記周壁部の下端と前記設置面との間に露出する固定部外側面を備えるように構成してもよい。
これにより、ソーラーパネル架台の設置面への固定が容易になると共に、固定部外側面の高さ寸法を調整することによって、周壁部下端の間隙の幅を調整することできる。
【0020】
また、例えば、前記架台固定部は、前記周壁部に取り付けられる板状の周壁部取り付け部と、前記周壁部取り付け部と一体的に形成され、前記設置面に取り付けられる板状の設置面取り付け部を備えていてもよい。
これにより、架台固定部を板状部材で形成することができるため、架台固定部の製造が容易になると共に、ソーラーパネル架台を設置場所において組み付ける際に、組み付け作業を簡易に行うことができる。
【0021】
一例として、前記正面部と、前記背面部と、前記第1の側面部と、前記第2の側面部は、それぞれ、板状に形成されていて、前記正面部の幅方向の一端部と前記背面部の幅方向の一端部とが前記第1の側面部に連結され、前記正面部の幅方向の他端部と前記背面部の幅方向の他端部とが前記第2の側面部に連結されることによって、前記周壁部が形成されていてもよい。
これにより、周壁部を軽量且つ簡易に形成することができる。したがって、ソーラーパネル架台を設置場所において組み付ける際に、組み付け作業を容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、強風等によってソーラーパネルが吹き飛ぶことを抑止できると共に、放熱効果を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態を添付の図により説明する。なお、「上」、「下」、「左」、「右」、「表」、「裏」、「外」、「内」、「横」、「縦」、「正面」、「背面」等の方向を示す語は、図面の状態に基づく便宜上のものであり、実際の方向はこれに限定されるものではない。
【0025】
[第1の実施形態]
図1に第1の実施形態に係るソーラーパネル架台1の斜視図を示す。
図2に
図1に示すソーラーパネル架台1にソーラーパネル2を取り付けた状態の斜視図を示す。
図2に示すように、ソーラーパネル架台1は、ソーラーパネル2を支持して、ソーラーパネル2を屋根等の設置場所における設置面3に取り付けるものである。
図1に示すように、ソーラーパネル架台1は、ソーラーパネル2の周縁2a,2b,2c,2d(
図2)と、設置面3の間に配される周壁部5を備えている。
【0026】
ソーラーパネル架台1は、矩形状のソーラーパネル2を支持するように構成されている。周壁部5は、ソーラーパネル2の前縁2aに対応する正面部6と、ソーラーパネル2の後縁2bに対応する背面部7と、正面部6の幅方向Wの一端部6aと背面部7の幅方向Wの一端部7aの間に延びる第1の側面部8と、正面部6の幅方向Wの他端部6bと背面部7の幅方向Wの他端部7bの間に延びる第2の側面部9とを備えている。
【0027】
本実施形態において、正面部6と、背面部7と、第1の側面部8と、第2の側面部9は、それぞれ、板状に形成されている。例えば、正面部6と、背面部7と、第1の側面部8と、第2の側面部9は、厚さ2mmのステンレスプレートから形成されたステンレスパネルである。
【0028】
正面部6の一端部6aと背面部7の一端部7aが第1の側面部8に正面側連結部14a及び背面側連結部14bを介して連結されている。正面側連結部14aは、第1の側面部8の前方の端部7aから正面部6に延びる板状部材であり、第1の側面部8と一体的に形成されている。正面側連結部14aは、正面部6の内側面17に重ねられて、ボルト等の締結部材15によって、正面部6に固定されている。同様に、背面側連結部14bは、第1の側面部8の後方の端部8bから背面部7に延びる板状部材であり、第1の側面部8と一体的に形成されている。背面側連結部14bは、背面部7の内側面18に重ねられて、ボルト等の締結部材15によって、背面部7に固定されている。
【0029】
また、正面部6の他端部6bと背面部7の他端部7bが第2の側面部9に連結されている。この連結構成は、前述した第1の側面部8の連結構成と同様である。すなわち、第2の側面部9の前方の端部9a及び後方の端部9bにおいて第2の側面部9と一体的に形成された正面側連結部14a及び背面側連結部14bを介して、第2の側面部9と正面部6及び背面部7とが連結されている。互いに連結された正面部6と、背面部7と、第1の側面部8と、第2の側面部9によって、ソーラーパネル架台1の内部空間S1が画定されている。
【0030】
周壁部5の下端11と設置面3の間には、全周にわたって間隙12が形成されている。この間隙12は、内部空間S1に外部から空気を流入させるために設けられている。また、複数の架台固定部20が、下端11に取り付けられている。架台固定部20は、周壁部5を設置面3に固定するものである。
【0031】
図3に示すように、周壁部5の内側において下端11から斜め上方に延びる下端内側突出部22が設けられている。下端内側突出部22は、周壁部5と一体的に形成された板状部材である。下端内側突出部22は、板状に形成された周壁部5の下端11を内側に折り曲げることによって形成されている。すなわち、正面部6と、背面部7と、第1の側面部8と、第2の側面部9のそれぞれにおいて、その下端11が周壁部5の内側に折り曲げられている。
【0032】
下端内側突出部22は、周壁部5の内側において周壁部5との間に成す角度24が鋭角となるように、形成されている。本実施形態では、この角度24を30度から60度に設定している。また、下端内側突出部22には、架台固定部20を取り付けるための切り欠き部25が形成されている。
【0033】
架台固定部20は、周壁部5の内側面5a(
図3(a)においては第1の側面部8の内側面29)に取り付けられる周壁部取り付け部27と、設置面3に取り付けられる設置面取り付け部28を備えている。周壁部取り付け部27と設置面取り付け部28は、一体的に形成された板状部材であり、互いに直角に交わるように形成されている。すなわち、一枚の板状部材を直角に曲げ、設置面3に沿って配される方を設置面取り付け部28とし、周壁部5に沿って配される方を周壁部取り付け部27として形成している。一例として、架台固定部20は、厚さ5mm〜7mmのステンレスプレートから形成されたアンカープレートである。
【0034】
周壁部取り付け部27は、下端内側突出部22の切り欠き部25に挿入され、周壁部5の内側面5aにスポット溶接によって取り付けられている。また、
図3(b)に示すように、周壁部取り付け部27は、周壁部5の下端11と設置面3の間に露出する固定部外側面31を備えている。したがって、この固定部外側面31の高さ寸法hが、下端11と設置面3の間に形成される間隙12の高さ寸法gとなる。本実施形態では、この間隙12の高さ寸法gを、5mm〜7mmに設定している。
【0035】
設置面取り付け部28には、架台固定部20を設置面3に取り付けるための貫通孔32が形成されている。設置面取り付け部28は、貫通孔32に挿入されたボルト等の締結部材15によって設置面3に固定される。
【0036】
図4に示すように、周壁部5の下端11を底面側からみると、矩形状になっている。実施形態においては、下端11において8個の架台固定部20が設けられている。ここでは、同一形状及び同一サイズの架台固定部20を、正面部6と、背面部7と、第1の側面部8と、第2の側面部9のそれぞれにおいて、それらの下端11に各2個の架台固定部20が配されている。本実施形態では、正面部6の下端6dにおける幅方向Wの長さ寸法と、背面部7の下端7dにおける幅方向Wの長さ寸法は同一であり、第1の側面部8の下端8dにおける奥行方向Dの長さ寸法と、第2の側面部9の下端9dにおける奥行方向Dの長さ寸法は同一である。したがって、第1の側面部8の下端8dと第2の側面部9の下端9dの上記各長さ寸法をL1とし,正面部6の下端6dと背面部7の下端7dの上記各長さ寸法をL2とし、第1の側面部8及び第2の側面部9に取り付けられた架台固定部20の奥行方向Dの長さ寸法と、正面部6及び背面部7に取り付けられた架台固定部20の幅方向Wの長さ寸法とをL20とすると、周壁部5の全周に亘る間隙12の長さは、以下の[式1]で示される。
[式1]
周壁部5の全周に亘る間隙12の長さ=(周壁部5の下縁長さ寸法の合計:L1×2+L2×2)−(周壁部5の下縁長さ寸法に占める架台固定部20の長さ寸法の合計:L20×8)
【0037】
また、内部空間S1(
図1)に効果的な量の空気を流入させるために、間隙12の最低開口面積及び最高開口面積は、以下の関係式[式2]で示す範囲に設定することが望ましい。以下の[式2]において、ソーラーパネル2の奥行方向Dの長さ寸法(すなわち、第1の側縁2cの長さ寸法又は第2の側縁2dの長さ寸法)をL3(
図2)とし、ソーラーパネル2のh幅方向Wの長さ寸法(すなわち、前縁2aの長さ寸法又は後縁2bの長さ寸法)をL4としている。なお、ソーラーパネル2の第1の側縁2cの長さと第2の側縁2dの長さは同一であり、前縁2aの長さと後縁2bの長さは同一である。
[式2]
1.4(L3+L4)cm
2≧間隙12の開口面積(cm
2)≧(L3+L4)cm
2
【0038】
次に、ソーラーパネル架台1の背面部7について
図5を参照しながら説明する。なお、
図5に示す背面部7は、ソーラーパネル架台1として組み付ける前のものである。背面部7には、背面部7の上端7cから下端7dまでの長さ寸法H1の半分(H1/2)よりも上方に、複数の貫通孔38が形成されている。
【0039】
貫通孔38は、背面部7の幅方向Wに複数個配列されている。また、貫通孔38は、背面部7の長さ寸法H1の上半分の領域37において、背面部7の高さ方向に複数段配列されており、一段ごとに幅方向Wにずらされて千鳥配列されている。貫通孔38は、背面部7の高さ方向に3列又は4列の配列とすることが望ましい。
図5に示す例では、高さ方向に4列の配列を採用している。また、第1の実施形態では、各貫通孔38の形状は、縦幅よりも横幅の長い角丸長方形である。なお、鼠、爬虫類、鳥類等が貫通孔38から内部空間S1に入り込むことを防止するために、貫通孔38の縦幅は、12mm以下であることが望ましい。
この複数の貫通孔38は、周壁部5に囲まれたソーラーパネル架台1の内部空間S1の空気を外部に排出させるために設けられている。
【0040】
この複数の貫通孔38の合計開口面積は、前述した間隙12の開口面積以上であることが望ましい。また、複数の貫通孔38の合計開口面積を大きくし過ぎると、間隙12から流入した空気が内部空間S1において効果的に対流せずに、すぐに貫通孔38から排出されてしまう可能性がある。そこで、このようなショートサーキットが生じることを避けるために、複数の貫通孔38の合計開口面積は、間隙12の開口面積の1.4倍以下とすることが望ましい。
【0041】
背面部7には、背面部7の上端7cに沿って、後述のソーラーパネル固定部50(
図1)を取り付けるための複数の孔41が形成されている。また、背面部7の一端部7a及び他端部7bには、それぞれ、第1の側面部8及び第2の側面部9を取り付けるための複数の孔42が形成されている。
【0042】
図1に示すように、正面部6にも、背面部7と同様に、上端6cに沿って、後述のソーラーパネル固定部50を取り付けるための複数の孔46が形成されている。また、正面部6の一端部6a及び他端部6bには、それぞれ、第1の側面部8及び第2の側面部9を取り付けるための複数の孔47が形成されている。
第1の側面部8及び第2の側面部9の下端11付近には、それぞれ、配線等を引き出すための配線引き出し用貫通孔48が形成されている。
【0043】
次に、ソーラーパネル固定部50について、説明する。第1の実施形態において、ソーラーパネル架台1は、
図1に示すように、2個の長尺状部材からなるソーラーパネル固定部50を備えている。ソーラーパネル固定部50は、周壁部5の上端の少なくとも一部に沿って配置されるものである。ここでは、一方のソーラーパネル固定部50aは、ソーラーパネル2の前縁2aに沿って、他方のソーラーパネル固定部50bは、ソーラーパネル2の後縁2bに沿って、それぞれ配されるように構成されている。本実施形態では、ソーラーパネル固定部50bの長手方向の長さ寸法L5が、ソーラーパネル2の後縁2bの長さ寸法L4の88%を占めるように構成されている。ソーラーパネル固定部50aの長手方向の長さ寸法が、ソーラーパネル前縁2aの幅方向Wの長さ寸法に占める割合も同様である。なお、本実施形態において、ソーラーパネル固定部50aとソーラーパネル固定部50bは、同一形状及び同一寸法である。
【0044】
ソーラーパネル固定部50は、
図6に示すように、板状に形成された内側板状部52と、該内側板状部52と対向して板状に形成された外側板状部53と、内側板状部52の上端52bから外側板状部53の上端53bにわたって板状に形成された上面板状部54とを備えている。
【0045】
内側板状部52と上面板状部54のなす角度と、外側板状部53と上面板状部54のなす角度は直角である。内側板状部52と、上面板状部54と、外側板状部53の長手方向の長さ寸法L5(
図1)は同一である。内側板状部52の短手方向の長さ、すなわち、高さ寸法L6(
図6(a))は、外側板状部53の高さ寸法L7よりも短い。よって、内側板状部52の先端52aと外側板状部53の先端53aが設置面3と対向するように配すると、設置面3からの距離は、内側板状部52の先端52aの方が外側板状部53の先端53aよりも長くなる。
【0046】
一例として、内側板状部52の高さ寸法L6は9mmであり、外側板状部53の高さ寸法L7は35mmである。また、第1の実施形態では、上面板状部54の短手方向の長さ寸法L8を14mmに設定している。
図6(b)に示すように、外側板状部53の内側面53cには、補強部材56が設けられている。
【0047】
図6(b)及び
図7(a)に示すように、補強部材56は、外側板状部53の内側面53cから、内側板状部52の方に突出する突出部57と、補強部材取り付け部59とを備えている。補強部材取り付け部59は、突出部57の両脇において内側面53cに沿って延びていて、スポット溶接によって内側面53cに接合されている。突出部57と補強部材取り付け部59は、板状部材によって形成されている。突出部57には、ソーラーパネル固定部50を周壁部5に取り付けるための孔58aが形成されている。外側板状部53にも孔58aに対応する位置に孔58b(
図1)が形成されていて孔58bから孔58aにボルト等の締結部材15を挿入することができるように構成されている。
【0048】
図7(b)に示すように、突出部57は、内側板状部52及び外側板状部53に対して平行に延びる突出面57aを有し、突出面57aと内側板状部52との間には所定空間S2が保持されている。上記所定の空間S2の幅寸法LS2は、内側板状部52から突出面57aまでの寸法である。なお、突出面57aのうち、内側板状部52の先端52aより下方に延びる部分については、内側板状部52の先端52aを下方に延長させた仮想延長面を想定し、突出面57aから突出面57aと対向する仮想延長面までの寸法が所定の空間S2の幅寸法LS2となる。空間S2の幅寸法LS2を調整することによって、ソーラーパネル2に対する内側板状部52の先端52aの位置を容易に調整することができる。
【0049】
一例として、ソーラーパネル固定部50は、厚さ2mmのステンレスプレートから形成されている。本実施形態では、所定の寸法に切り出したステンレスプレートをコの字型に折り曲げ加工することによって、内側板状部52と、上面板状部54と、外側板状部53を形成している。
また、本実施形態では、厚さ2mmのステンレスプレートをハット曲げ加工することによって、補強部材56を形成している。このように、板状部材を折り曲げ加工することによって突出部57を形成しているため、突出面57aの裏面と外側板状部53の間には所定の空間S3が画定されている。
【0050】
一例として、外側板状部53から突出面57aまでの長さは6mmであり、突出面57aの横幅寸法は20〜30mmである。また、本実施形態では、
図1に示すように、それぞれのソーラーパネル固定部50a,50bに、5個の補強部材56を等間隔に取り付けている。ソーラーパネル固定部50が約2mの場合、隣り合う補強部部材の間の距離は、約50cmである。
【0051】
次に、ソーラーパネル固定部50の取り付け構造について説明する。
図8示すように、ソーラーパネル2のソーラーパネル架台1への取り付けに際して、ソーラーパネル2は、正面部6の上端6cに設けられた前方パネル載置部43と、背面部7の上端7cに設けられた後方パネル載置部44に載置される。前方パネル載置部43は、正面部6の上端7cを内側に折り曲げ加工することによって形成されている。同様に、後方パネル載置部44は、背面部7の上端7cを内側に折り曲げ加工することによって形成されている。
【0052】
図8に示すように、ソーラーパネル2は、発電機能を有する発電部64と、発電部64を支持する枠体部65とを備えている。
図9に示すように、枠体部65の下端65aには、ソーラーパネル固定部50bと係合する係合部66が設けられている。係合部66は、枠体部65の下端65aから後方パネル載置部44に沿って外側に延び、その先端67は上方に向かって折り曲げられている。この係合部66は、ソーラーパネル2の後縁2bに沿って、ソーラーパネル2の後縁2bの一端部2e(
図2)から他端部2fにわたって形成されている。
【0053】
ソーラーパネル固定部50bは、ソーラーパネル2をソーラーパネル架台1に載置した後に、ソーラーパネル2とソーラーパネル架台1に取り付けられる。ソーラーパネル固定部50bは、内側板状部52がソーラーパネル2の係合部66と係合するように、ソーラーパネル2の表面側から嵌め込まれる。ここで、係合部66の先端67は、内側板状部52の内側に配される。そして、ソーラーパネル固定部50bは、突出面57aと背面部7が接触するまで背面部7に押し付けられて、ソーラーパネル固定部50bの孔58a,58b及び背面部7の孔41に挿入されたボルト等の締結部材15を介して、外側板状部53が背面部7に取り付けられる。
【0054】
ソーラーパネル固定部50bの孔58a,58b及び背面部7の孔41の位置は、外側板状部53を背面部7に取り付けたときに、内側板状部52の先端52aがソーラーパネル2の係合部66と係合する位置にくるように、予め設定されている。
【0055】
図9に示すように、内側板状部52がソーラーパネル2の係合部66と係合することによって、ソーラーパネル2の係合部66は後方パネル載置部44と内側板状部52の先端52aの間に挟み込まれることになる。このように、内側板状部52の先端52aは、ソーラーパネル2の表面側から設置面3に向かってソーラーパネル2を抑えるように構成されている。
正面部6及びソーラーパネル2の前縁2aにおいても、前述した方法と同様の方法によって、ソーラーパネル固定部50aが取り付けられる。
【0056】
次に、背面部7等の設置面3に対する傾斜について説明する。
図8に示すように、正面部6と背面部7は設置面3に対して傾斜して設置されている。本実施形態において、ソーラーパネル2に対する正面部6の角度71と、ソーラーパネル2に対する背面部7の角度72は、それぞれ直角になるように構成されている。また、設置面3に対して、ソーラーパネル2に所望の傾きを保持させるために、正面部6における上端6cから下端6dまでの長さ寸法H2は、背面部7における上端7cから下端7dまでの長さ寸法H1よりも短く形成されている。したがって、
図8に示すように、ソーラーパネル架台1の内側において、設置面3に対する正面部6の角度73は鈍角になり、設置面3に対する背面部7の角度74は鋭角になっている。すなわち、本実施形態では、背面部7とソーラーパネル2の成す角度が直角となるように、背面部7は、ソーラーパネル2の傾斜に応じて設置面3に対して傾斜して設置されている。
【0057】
次に、ソーラーパネル架台1の作用について説明する。
ソーラーパネル架台1は、架台固定部20を介して設置面3に固定される。次いで、ソーラーパネル2は、固定されたソーラーパネル架台1の上端に載置されることにより、所望の設置場所に取り付けられる。これにより、ソーラーパネル2は設置面3に取り外し可能に固定される。ソーラーパネル架台1では、前述のように、ソーラーパネル2の周縁2a,2b,2c,2dと設置面3の間に周壁部5が設けられているため、周壁部5によって、ソーラーパネル架台1の内部空間S1に吹き込む強風等が遮断される。これにより、ソーラーパネル架台1を押し上げる力が抑止される。
【0058】
図10(a)に、ソーラーパネル架台1の内部空間S1における空気の対流を模式的に示す。
図10(a)において、複数の貫通孔38から排出される空気を排出気流75として実線の矢印で示し、間隙12から流入する空気を流入気流76として点線の矢印で示している。
【0059】
ソーラーパネル2が設置されると、太陽光によって内部空間S1の温度が上昇していく。ソーラーパネル架台1の内部空間S1において高温の空気は上方に溜まっていく。複数の貫通孔38は、背面部7の長さ寸法H1の半分よりも上方に設けられているため、高温の空気は複数の貫通孔38から外部に排出される。貫通孔38から排気されると、内部空間S1が負圧傾向になる。そうすると、間隙12からの外気誘引が促進される。
また、上方に排気のための貫通孔38を配し、下端11と設置面3の間に給気のための間隙12を配しているため、煙突効果によって放熱効率が向上する。
【0060】
ここで、内部空間S1内における空気の流れについて説明する。
図10(a)に示すように、流入気流76は、内部空間S1内において上昇し、上昇した気流の一部は、回り込むようにして背面部7に沿って下降する。ここで、下端内側突出部22が周壁部5との間に成す角度24は鋭角であるため、下端内側突出部22は、背面部7の下端11から内部空間S1の斜め上方に向かって延びている。したがって、この下降してくる流入気流76aは、下端内側突出部22によって、間隙12への到達が妨げられて内部空間S1の上方へ導かれる。そのため、流入気流76bの間隙12からの空気の流入が妨げられない。このように、ソーラーパネル架台1では、上記間隙12からの空気の流入が円滑になる。また、間隙12からの流入気流76bは、下端内側突出部22に沿って、内部空間S1の斜め上方に向かって誘導されるため、流入した空気が貫通孔38からすぐに流出してしまうショートサーキットが発生しにくい。
【0061】
また、下端内側突出部22を設けることによって、間隙12から内部空間S1に導かれた流入気流76bの流路の幅が徐々に広くなっていく。よって、内部空間S1において流入気流76の流速が低減し、強風等が吹き込んだ場合でも、間隙12からの空気の流入量が抑制される。そのため、風圧によってソーラーパネル2が吹き飛ぶリスクがさらに低減する。
【0062】
また、周壁部5の下端11の全周にわたって間隙12を形成しているため、流入する空気の流動抵抗の増大に起因した上昇気流の流速減少が抑止される。よって、内部空間S1に効果的な対流が発生し、貫通孔38からの排気が円滑になる。
【0063】
上記のように、ソーラーパネル架台1には、周壁部5が設けられているため、ソーラーパネル架台1の内部空間S1に吹き込む強風等が遮断され、ソーラーパネル架台1を押し上げる力が抑止される。
また、周壁部5の下端11と設置面3の間に、全周にわたって間隙12が形成されていて、背面部7の上端7cから下端7dまでの長さ寸法H1の半分よりも上方に複数の貫通孔38が形成されている。したがって、前述のように、間隙12から空気が流入し、貫通孔38から暖気が排出される。
このように、ソーラーパネル架台1によれば、強風等によってソーラーパネルが吹き飛ぶことを抑止できると共に、放熱効果を向上させることができる。また、間隙12によって、ソーラーパネル架台1の内部空間S1に侵入した雨水を排水することもできる。
【0064】
さらに、ソーラーパネル架台1は、周壁部5との間に成す角度24が鋭角となるように形成された下端内側突出部22を備えている。したがって、前述のように、上記間隙12からの空気の流入が円滑になると共に、間隙12から流入する空気がより効果的に対流するため、放熱効率を高めることができる。また、下端内側突出部22を設けることによって、周壁部5の強度を高めることもできる。
【0065】
なお、第1の実施形態では、下端内側突出部22が周壁部5との間に成す角度24を30度から60度に設定している。これに対して、角度24を直角に近い鋭角とした場合、周壁部5を設置面3に対して傾斜させて設置すると、下端内側突出部22の先端が下向きになり、間隙12からの空気の流路が下端内側突出部22によって阻まれてしまうリスクが考えられる。そこで、本実施形態のように、上記角度を60度以下に設定しておくと、直角に近い鋭角の場合と比較して、上記リスクを低減させることができる。また、下端内側突出部22をステンレスプレートの折り曲げ加工によって形成する場合、上記角度を30度以上とすることで、加工を容易に行うことができる。
【0066】
本実施形態において、背面部7とソーラーパネル2の成す角度が直角となるように、背面部7は、ソーラーパネル2の傾斜に応じて設置面3に対して傾斜して設置されている。本実施形態を示す
図10(a)と比較するために、
図10(b)に、背面部7を設置面3に対して垂直に設置し、背面部7とソーラーパネル2の成す角度72bを鋭角とした状態を示す。
図10(a)に示す例では、背面部7とソーラーパネル2の成す角度72aが直角であるため、貫通孔38付近において、内部空間S1が広い。これに対して、
図10(b)に示す例では、背面部7とソーラーパネル2の成す角度72bが鋭角であるため、貫通孔38付近において、内部空間S1が
図10(a)に示す例よりも狭くなっている。
【0067】
したがって、
図10(a)に示す例では、
図10(b)に示す例よりも、貫通孔38付近における空気の対流が促進されるため、貫通孔38からの空気の排出をより円滑に行うことができる。このように、ソーラーパネル架台1では、背面部7とソーラーパネル2の間に形成される空間が広いため、背面部7に形成された貫通孔38からの空気の排出が促進され、より高い放熱効果を達成することができる。
【0068】
また、
図10(b)に示すように、背面部7とソーラーパネル2の成す角度72bが直角でない場合には、ソーラーパネル固定部50の取り付けが困難になる。
図10(a)に示すように、背面部7とソーラーパネル2の成す角度72aを直角にすることによって、ソーラーパネル固定部50の取り付けが容易になる。また、ソーラーパネル固定部50を使用しない場合であっても、背面部7とソーラーパネル2の成す角度72aを直角にすることによって、ソーラーパネル2をソーラーパネル架台1に適切に取り付けることができる。
【0069】
また、ソーラーパネル架台1では、貫通孔38が千鳥配列されているため、背面部7の欠損断面を極力抑えて背面部7の構造強度を保つことができる。このように、ソーラーパネル架台1では、背面部7の強度を保持しながら、一定の領域に貫通孔38の開口面積を効率良く確保することができる。
【0070】
ソーラーパネル架台1では、貫通孔38が角丸長方形であるため、長方形よりも角部において背面部7の欠損断面が低減し、隣り合う貫通孔38の間において、背面部7の強度を保持することができる。また、同一の開口面積を確保する場合、開口を正方形や正円形にするよりも、縦幅よりも横幅の長い角丸長方形にした方が、開口の縦幅を短くすることができる。したがって、背面部7の高さ方向における貫通孔38の形成領域をより狭くすることができる。よって、所望の開口面積を保持しながら、より高い位置に貫通孔38を形成することができるため、貫通孔38からの排気効率を高めることができる。このように、貫通孔38を角丸長方形にすることによって、背面部7の強度を保持しながら、空気の排出をより効率的に行うことができる。また、貫通孔38の形状が角丸長方形であることから、プレス加工によって貫通孔38を安価に形成することができる。
【0071】
ソーラーパネル架台1は、ソーラーパネル固定部50を備えているため、ソーラーパネル2が吹き飛ぶリスクをより効果的に抑止することができる。
また、ソーラーパネル固定部50は、長尺状に形成されてソーラーパネル2の前縁2a及び後縁2bに沿って配されているため、ソーラーパネル2を抑える力は、ソーラーパネル2の前縁2a及び後縁2bの全体に均一に加えられることになる。仮に、ソーラーパネル固定部50を使用せずに、ソーラーパネル2を周壁部5にボルトやビス等の締結部材15によって固定した場合、強風等によりソーラーパネル2を押し上げる力が加わると、その固定点が集中荷重を受けることとなり、ソーラーパネル2を破損させる危険性がある。これに対して、ソーラーパネル固定部50を使用すると、ソーラーパネル2を押し上げる力によって受ける荷重は、等分布荷重となるため、ソーラーパネル2の破損リスクを低減することができる。
【0072】
また、前述のように、第1の実施形態では、上面板状部54の幅寸法L8を14mmに設定している。上面板状部54の幅寸法L8を長くすると、ソーラーパネル2を押し上げる力が内側板状部52の先端52aに加わったときに、幅寸法L8を長くした分、モーメントが増大する。すなわち、外側板状部53の上端53bを回転軸として、ソーラーパネル2を押し上げる力に上面板状部54の幅寸法L8を掛けた値がモーメントになる。よって、上面板状部54の幅寸法L8を長くすると、ソーラーパネル2を押し上げる力が加わった際に、ソーラーパネル固定部50に加わるモーメントが増大して、上面板状部54が外側に回転するように変形してしまう可能性が高くなる。
【0073】
しかしながら、本実施形態では、上面板状部54の幅寸法L8が14mmと狭いため、ソーラーパネル固定部50に加わるモーメントが低減し、ソーラーパネル固定部50の変形を防止することができる。なお、ソーラーパネル固定部50の変形を防止するためには、上面板状部54の幅寸法L8を15mm以下にすることが望ましい。本実施形態では、モーメントをできるだけ低減させつつも、上面板状部54を形成するための加工の難易度を上げないように、14mmという値を採用している。
【0074】
ソーラーパネル固定部50は、補強部材56を備えている。したがって、ソーラーパネル架台1では、ソーラーパネル固定部50の強度を高めることができる。また、補強部材56の突出面57aと内側板状部52の間に所定の空間S2が形成されている。ソーラーパネル固定部50を設置する際に、突出面57aが周壁部5に接することになるため、上記所定の空間S2の幅寸法LS2を調整することによって、ソーラーパネル2に対する内側板状部52の先端52aの位置を容易に調整することができる。
【0075】
また、ソーラーパネル架台1では、架台固定部20を備えているため、ソーラーパネル架台1の設置面3への固定が容易になる。加えて、固定部外側面31の高さ寸法を調整することによって、間隙12の幅を調整することできる。
【0076】
第1の実施形態では、前述のように、間隙12の高さ寸法gを5mm〜7mmに設定している。これにより、間隙12の高さ寸法gを7mmよりも大きくした場合と比較して、間隙12から流入する空気の流速を増大させることができる。したがって、放熱のための外気取り入れの効率を高めることができる。なお、間隙12の高さ寸法gを5mmよりも狭くすると、空気流量が減少し、逆流が発生しやすくなる可能性が考えられる。したがって、間隙12の高さ寸法gを5mm以上とすることが望ましい。
【0077】
また、ソーラーパネル架台1では、架台固定部20を板状部材で形成することができるため、架台固定部20の製造が容易になると共に、ソーラーパネル架台1を設置場所において組み付ける際に、組み付け作業を簡易に行うことができる。
【0078】
さらに、ソーラーパネル架台1では、正面部6と、背面部7と、第1の側面部8と、第2の側面部9がすべて板状部材によって形成されているため、周壁部5を軽量且つ簡易に形成することができる。したがって、ソーラーパネル架台1を設置場所において組み付ける際に、組み付け作業を容易に行うことができる。
【0079】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図11に、第2の実施形態に係るソーラーパネル架台100にソーラーパネル2を取り付けた状態を示す。第1の実施形態に係るソーラーパネル架台1と第2の実施形態に係るソーラーパネル架台100の基本的構成は同じであり、ここでは主として異なる点について説明する。また、第1の実施形態と同様の構成要素には、同じ符号を付している。
【0080】
第1の実施形態に係るソーラーパネル架台100は、ソーラーパネル2の前縁2a及び後縁2bに配するソーラーパネル固定部50a,50bに加えて、ソーラーパネル2の左右の側縁(第1の側縁2c及び第2の側縁2d)に配するソーラーパネル固定部50c,50dを備えている。ソーラーパネル固定部50c,50dの構成は、前述したソーラーパネル固定部50a,50bの構成と同様である。
【0081】
ソーラーパネル2は、第1の実施形態において説明したように、前方パネル載置部43と後方パネル載置部44に載置されている。
図12に示すように、第2の側面部109はソーラーパネル2の枠体部65の側面に沿って、枠体部65の上端65bまで延びている。ソーラーパネル固定部50dの取り付け方法は、前述したソーラーパネル固定部50a,50bの取り付け方法と異なる。
図12に示す例では、枠体部65の上端65bにおいて、枠体部65の上面81に内側板状部52の先端52aが接するように、ソーラーパネル固定部50dが取り付けられている。補強部材56の突出面57aは、第2の側面部109に接し、孔58a,58b及び第2の側面部109の孔141に挿入されたボルト等の締結部材を介して、外側板状部53が第2の側面部109に取り付けられている。また、同様の方法で、ソーラーパネル固定部50cが第1の側面部108に取り付けられている。
【0082】
このように、第2の実施形態に係るソーラーパネル架台100では、ソーラーパネル2の前縁2a及び後縁2bに加えて、ソーラーパネル2の左右の側縁2c,2dについてもソーラーパネル固定部50によって固定することができる。したがって、ソーラーパネル2の固定力をより高めることができる。
【0083】
なお、第2の実施形態では、ソーラーパネル2の左右の側縁2c,2dについてのみ、
図12の例のように、内側板状部52の先端52aをソーラーパネル2の枠体部65の上面81に配するように取り付けているが、ソーラーパネル2の前縁2a及び後縁2bにおいても、内側板状部52の先端52aをソーラーパネル2の枠体部65の上面81に配するように取り付けてもよい。例えば、ソーラーパネル2の前縁2a及び後縁2bに係合部66が形成されていないソーラーパネル2を設置する際に、ソーラーパネル2の前縁2a及び後縁2bにおいて、内側板状部52の先端52aをソーラーパネル2の枠体部65の上面81に配するように取り付けてもよい。
【0084】
[他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について述べたが、本発明は既述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能である。例えば、前述の実施形態では、背面部7に貫通孔38を形成しているがこれに限定されない。 例えば、周壁部5を構成する他の部分に貫通孔38形成してもよい。
前述のソーラーパネル2は矩形状に形成されているが、他の様々な形状のソーラーパネル2にも、本発明に係るソーラーパネル架台を適用することができる。周壁部5は、正面部6と、背面部7と、第1の側面部8と、第2の側面部9を備えているが、これに限定されない。
また、ソーラーパネル架台1,100が下端内側突出部22を備えているが、これに限定されず、下端内側突出部22を備えていなくてもよい。また、下端内側突出部22が周壁部5との間に成す角度24は鋭角に限定されず、直角又は鈍角であってもよい。
【0085】
各部の寸法及び角度の数値並びに式中の数値は、すべて例示であり、既述した数値に限定されない。既述の実施形態では、背面部7が、ソーラーパネル2を取り付けた際に、背面部7とソーラーパネル2の成す角度72が直角となるように構成されているが、これに限定されない。例えば、背面部7とソーラーパネル2の成す角度72が鋭角又は鈍角であってもよい。また、既述の実施形態では、背面部7とソーラーパネル2の成す角度72を直角とするために、ソーラーパネル2の傾斜に応じて背面部7を設置面3に対して傾斜させて設置しているがこれに限定されない。例えば、背面部7の幅方向Wに沿って延びる回転軸線に沿って、背面部7をソーラーパネル2の傾斜に応じた角度に折り曲げることによって、背面部7の上方における上記角度72を直角に保持すると共に、背面部7の下方を設置面3に対して垂直に設置するように構成してもよい。
【0086】
複数の貫通孔38は、千鳥配列以外の配列で形成してもよいし、不規則に分散させて配置してもよい。また、貫通孔38の形状としてどのような形状を採用してもよい。
記述の実施形態では、ソーラーパネル架台1,100は、ソーラーパネル固定部50を備えているが、これに限定されず、ソーラーパネル固定部50を用いなくてもよい。また、補強部材56を取り付けていないソーラーパネル固定部50を用いてもよいし、ソーラーパネル固定部50を既述の形状以外の形状に形成してもよい。
【0087】
記述の実施形態では、ソーラーパネル架台1,100は、架台固定部20を備えているが、これに限定されず、架台固定部20を用いなくてもよい。また、架台固定部20を既述の形状以外の形状に形成してもよい。既述の実施形態では、正面部6と、背面部7と、第1の側面部8と、第2の側面部9は、それぞれ、板状に形成されているが、これに限定されない。
【0088】
前述の実施形態では、正面部6の一端部6aと背面部の一端部7aを第1の側面部8に連結し、正面部6の他端部6bと背面部7の他端部7bを第2の側面部9に連結することによって、周壁部5を形成しているが、これに限定されない。例えば、ソーラーパネル架台1,100の四隅に支柱を設け、この支柱に、正面部6と、背面部7と、第1の側面部8と、第2の側面部9を取り付けることによって内部空間S1を画定する周壁部5を構成してもよい。
【解決手段】上記目的を達成するために、本発明に係るソーラーパネル架台は、ソーラーパネルを支持して該ソーラーパネルを設置面に固定するソーラーパネル架台であって、前記ソーラーパネルの周縁と設置面との間に配される周壁部を備え、前記周壁部の下端と前記設置面の間には、全周にわたって間隙が形成されていて、前記周壁部の上端から下端までの長さ寸法の半分よりも上方に、複数の貫通孔が形成されている。