(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の全ての実施形態では、特に記述のない限り、全ての百分率は、組成物全体の重量によるものである。全ての比率は、特に記述のない限り、重量比である。全ての範囲は、包含的であり、かつ組み合わせ可能である。有効数字の数は、表示された量に対する限定を表すものでも、測定値の精度に対する限定を表すものでもない。特に指示がない限り、全ての数量は、「約」という単語によって修飾されるものと理解される。特に断らないかぎり、すべての測定は25℃で周囲条件下において行われたものと理解される。ただし「周囲条件」とは、約1気圧の圧力下で約50%の相対湿度における条件のことを意味する。列挙された成分に関連する重量は全て、有効濃度に基づいており、特に明記しない限り、市販の材料に含まれ得るキャリア又は副生成物を含まない。
【0011】
用語「含む」は、本明細書で使用するとき、最終的な結果に影響を及ぼさない他の工程、及び他の成分、を追加できることを意味する。この用語は、「からなる」及び「から本質的になる」を包含する。本発明の組成物及び方法/プロセスは、本明細書に記載の発明の必須要素及び制限、並びに本明細書に記載のいずれの追加的、若しくは任意選択の、成分、構成要素、工程、又は制限をも含み、これらからなり、及びこれらから本質的になることができる。
【0012】
本明細書で使用するとき、用語「含む(include)」、「含む(includes)」、及び「含んでいる(including)」は、非限定的であり、それぞれ「含む(comprise)」、「含む(comprises)」、及び「含んでいる(comprising)」を意味するものであると理解される。
【0013】
本出願人らの発明のパラメータの各値を求めるためには、本出願の試験方法の項で開示する試験方法を用いるべきである。
【0014】
別途記載のない限り、成分又は組成物の濃度はすべて、当該成分又は組成物の活性部分に関するものであり、このような成分又は組成物の市販の供給源に存在し得る不純物、例えば残留溶媒又は副生成物は除外される。
【0015】
割合(%)及び比率はすべて、別途記載のない限り重量で計算される。すべての割合(%)及び比率は、別途記載のない限り組成物全体を基準にして計算される。「重量パーセント」という用語は、本明細書では「重量%」として表示し得る。
【0016】
本明細書の全体を通じて与えられるすべての最大の数値限定は、それよりも小さい数値限定を、そうしたより小さい数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているものと同様にして包含するものと理解すべきである。本明細書全体を通して記載される全ての最小数値限定は、このようなより高い数値限定が本明細書に明示的に記載されているかのように、全てのより高い数値限定を含む。本明細書全体を通して記載される全ての数値範囲は、このようなより狭い数値範囲が本明細書に明示的に記載されているかのように、このようなより広い数値範囲内の全てのより狭い数値範囲を含む。
【0017】
A.メタセシス化オリゴマー
ヘアケア組成物は、ヘアケア組成物の約0.05重量%〜約15重量%、あるいは約0.1重量%〜約10重量%、あるいは約0.25重量%〜約5重量%の、不飽和ポリオールエステルのメタセシスから誘導される1つ以上のオリゴマーを含み得る。代表的なメタセシス化不飽和ポリオールエステル及びその出発材料が、米国特許出願第2009/0220443 A1に説明されているがこれは参照により本明細書に組み込まれる。
【0018】
メタセシス化不飽和ポリオールエステルとは、1つ以上の不飽和ポリオールエステル成分がメタセシス反応を受けたときに得られる生成物を指す。メタセシスとは、炭素−炭素二重結合の形成及び開裂による1つ以上の二重結合を含有する化合物(即ち、オレフィン性化合物)中でのアルキリデン単位の交換を伴う触媒反応である。メタセシスは、2つの同一の分子間で起こり得(自己メタセシスと呼ばれることが多い)、及び/又は2つの異なる分子間で起こり得る(交差メタセシスと呼ばれることが多い)。自己メタセシスは、等式Iに示されるように概略的に表すことができる。
【0019】
【化1】
式中、R
1及びR
2は、有機基である。
【0020】
交差メタセシスは、等式IIに示されるように概略的に表すことができる。
【0021】
【化2】
式中、R
1、R
2、R
3、及びR
4は、有機基である。
【0022】
不飽和ポリオールエステルが、1つを超える炭素−炭素二重結合(即ち、多不飽和ポリオールエステル)を有する分子を含む場合、自己メタセシスは、不飽和ポリオールエステルのオリゴマー化をもたらす。自己メタセシス反応は、メタセシスダイマー、メタセシストリマー、メタセシステトラマーの形成をもたらす。メタセシスペタマー及びメタセシスへキサマーなどの高次のメタセシスオリゴマーは、継続する自己メタセシスによっても形成され得、不飽和ポリオールエステル物質を結合する鎖の数及びタイプ、並びにエステルの数及び不飽和に関してのエステルの配向に依存する。
【0023】
出発物質として、メタセシス化不飽和ポリオールエステルは、1つ以上の不飽和ポリオールエステルから調製される。本明細書で使用するとき、用語「不飽和ポリオールエステル」とは、2つ以上のヒドロキシル基を有する化合物を指し、ここでヒドロキシル基の少なくとも1つは、エステルの形態であり、このエステルは、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含む有機基を有する。多くの実施形態において、不飽和ポリオールエステルは、一般構造Iで表すことができる。
【0024】
【化3】
式中、n≧1であり、m≧0であり、p≧0であり、(n+m+p)≧2であり、Rは、有機基であり、R’は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する有機基であり、R’’は、飽和有機基である。不飽和ポリオールエステルの代表的な実施形態は、米国特許公開第2009/0220443 A1号に詳述されている。
【0025】
本発明の多くの実施形態において、不飽和ポリオールエステルは、グリセロールの不飽和エステルである。グリセロールの不飽和ポリオールエステルの供給源には、合成油、天然油(例えば、植物油、藻類油、細菌誘導性油、及び動物性脂肪)、これらの組み合わせなどが挙げられる。再生された使用済み植物油も使用することができる。植物油の代表的な例としては、アルガンオイル、キャノーラ油、菜種油、ココヤシ油、コーンオイル、綿実油、オリーブオイル、パーム油、ピーナッツオイル、ベニバナ油、ごま油、大豆油、ヒマワリ油、高オレオイル大豆油、高オレオイルヒマワリ油、亜麻仁油、パーム核油、キリ油、ヒマシ油、高エルカ菜種油、ジャトロファ油、これらの組み合わせなどが挙げられる。動物性脂肪の代表的な例としては、ラード、タロー、鶏脂、黄色油脂、魚油、これらの組み合わせなどが挙げられる。合成油の代表的な例としてはトール油が挙げられるが、これは、木材パルプ製造の副生成物である。
【0026】
不飽和ポリオールエステルのその他の例としては、ジエステル、例えばエチレングリコール又はプロピレングリコールから誘導されるもの、エステル、例えばペンタエリスリトール又はジペンタエリスリトールから誘導されるもの、あるいはSEFOSE(登録商標)などの糖エステルが挙げられる。SEFOSE(登録商標)などの糖エステルは、1つ以上の種類のショ糖ポリエステルを含み、最大8個のエステル基はメタセシス交換反応を受け得る。ショ糖ポリエステルは、自然源から誘導され、したがって、ショ糖ポリエステルの使用により、環境に対するプラスの影響をもたらすことができる。ショ糖ポリエステルは、脂肪鎖の鎖長、飽和状態、及び派生変数に加えて、ショ糖主鎖の周囲に複数の置換位置を有する、ポリエステル物質である。そのようなショ糖ポリエステルは、約5超のエステル化(「IBAR」)を有することができる。一実施形態では、ショ糖ポリエステルは、約5〜約8のIBARを有してもよい。別の実施形態では、ショ糖ポリエステルは、約5〜7のIBARを有し、別の実施形態では、ショ糖ポリエステルは、約6のIBARを有する。更に他の実施形態では、ショ糖ポリエステルは、約8のIBARを有する。ショ糖ポリエステルは自然源から誘導されるため、IBAR及び鎖長内に分布が存在し得る。例えば、6のIBARを有するショ糖ポリエステルは、大部分は約6のIBARであり、幾らかの約5のIBAR及び幾らかの約7のIBARとの混合物を含有してもよい。更に、そのようなショ糖ポリエステルは、飽和、即ち約3〜約140のヨウ素価(「IV」)を有し得る。別の実施形態では、ショ糖ポリエステルは、約10〜約120のIVを有し得る。更に別の実施形態では、ショ糖ポリエステルは、約20〜約100のIVを有し得る。更に、そのようなショ糖ポリエステルは、約C
12〜C
20の鎖長を有するが、そのような鎖長に限定されない。
【0027】
使用するのに好適なショ糖ポリエステルの非限定的例としては、SEFOSE(登録商標)1618S、SEFOSE(登録商標)1618U、SEFOSE(登録商標)1618H、Sefa Soyate IMF 40、Sefa Soyate LP426、SEFOSE(登録商標)2275、SEFOSE(登録商標)C1695、SEFOSE(登録商標)C18:0 95、SEFOSE(登録商標)C1495、SEFOSE(登録商標)1618H B6、SEFOSE(登録商標)1618S B6、SEFOSE(登録商標)1618U B6、Sefa Cottonate、SEFOSE(登録商標)C1295、Sefa C895、Sefa C1095、SEFOSE(登録商標)1618S B4.5が挙げられるが、これらは全てProcter and Gamble Co.(Cincinnati,Ohio)から入手可能である。
【0028】
好適な天然ポリオールエステルのその他の例としては、これらに限定されないが、ソルビトールエステル、マルチトールエステル、ソルビタンエステル、マルトデキストリン由来のエステル、キシリトールエステル、及びその他の糖由来エステルを挙げることができる。
【0029】
その他の実施形態では、エステルの鎖長はC8〜C22又は更には鎖長のみに制限されず、自己メタセシス反応のために偶数及び奇数の鎖並びに短鎖及び長鎖を有し得るポリオールエステル原料をもたらす油脂と短鎖オレフィン(天然及び合成の両方)とのコメタセシスによる天然エステルを含むことができる。好適な短鎖オレフィンとしては、エチレン及びブテンが挙げられる。
【0030】
不飽和ポリオールエステルのメタセシスから誘導されるオリゴマーは、水素添加により更に変性されてもよい。例えば、ある実施形態では、オリゴマーは約60%以上、ある実施形態では約70%以上、ある実施形態では約80%以上、ある実施形態では約85%以上、ある実施形態では約90%以上、及びある実施形態では略100%水素添加されることができる。
【0031】
いくつかの実施形態では、トリグリセリドオリゴマーが大豆油の自己メタセシスから誘導される。大豆オリゴマーは、水素添加大豆ポリグリセリドを含み得る。更に大豆オリゴマーは、C
15〜C
23アルカンを副生成物として含み得る。メタセシス由来の大豆オリゴマーの例は、Dow Corningから入手可能な、完全に水素添加されたDOW CORNING(登録商標)HY−3050大豆ワックスである。
【0032】
他の実施形態では、メタセシス化不飽和ポリオールエステルは、1つ以上の非メタセシス化不飽和ポリオールエステルとのブレンドとして使用することができる。非メタセシス化不飽和ポリオールエステルは、完全に又は部分的に水素添加されていてよい。そのような例は、HY−3050オリゴマーと水素添加大豆油(HSBO)とのブレンドであるDOW CORNING(登録商標)HY−3051であり、Dow Corningから入手可能である。本発明のいくつかの実施形態では、非メタセシス化不飽和ポリオールエステルは、グリセロールの不飽和エステルである。グリセロールの不飽和エステルの供給源としては、合成油、天然油(例えば植物油、藻類油、細菌誘導性油、及び動物性脂肪)、これらの組み合わせなどが挙げられる。再生された使用済み植物油も使用することができる。植物油の代表例は、上に列記されたものが挙げられる。
【0033】
ポリオールエステルオリゴマーのその他の変性は、エステルの一部の、アンモニア又は高級有機アミン、例えばドデシルアミン又はその他の脂肪族アミンとの部分的アミド化であり得る。この変性は、オリゴマーの全体的な組成を変更するが、用途によっては有用であり得、生成物の潤滑性を増大させる。別の変性は、ポリアミンの部分的アミド化によるものであり得、いくらかの疑似カチオン性の可能性をポリオールエステルオリゴマーにもたらす。そのような例は、DOW CORNING(登録商標)材料HY−3200である。アミド官能化オリゴマーのその他の代表的実施形態は、国際特許公開第WO2012006324A1に詳述されているが、これは参照により本明細書に組み込まれる。
【0034】
また、ポリオールエステルオリゴマーは、不飽和官能基の部分的ヒドロホルミル化により更に変性されて、1つ以上のOH基及びオリゴマー親水性の増大をもたらすことができる。
【0035】
特定の実施形態では、メタセシス化不飽和ポリオールエステル及びブレンドは、小粒子エマルションとして処方される。トリグリセリドオリゴマーのエマルションは、非イオン性、双性イオン性、カチオン性、及びアニオン性の界面活性剤の組み合わせを使用して調製することができる。実施形態によっては、トリグリセリドオリゴマーのエマルションは、非イオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤との組み合わせであり得る。好適な非イオン性エマルションには、Neodol 1〜5が挙げられる。好適なアニオン性エマルションとしては、それぞれ式ROSO
3Na及びRO(C
2H
4O)
xSO
3Naを有するアルキル及びアルキルエーテルサルフェートが挙げられる。別の実施形態では、メタセシス化不飽和ポリオールエステルは、乳化に先立って予備融解され、ヘアケア組成物に組み込まれる。小粒子エマルションのいくつかの実施形態では、メタセシス化不飽和ポリオールエステルは、約0.05〜約35マイクロメートル、あるいは約0.1〜約10マイクロメートル、あるいは約0.1〜約2マイクロメートルの粒径を有する。
【0036】
その他の実施形態では、不飽和ポリオールエステル及びブレンドは、オリゴマー化に先立って変性されて、近末端分岐を組み込む。末端分岐を組み込むためにオリゴマー化に先立ち変性される代表的なポリオールエステルは、国際特許公開第WO2012/009525 A2号に記載されているが、これは参照により本明細書に組み込まれる。
【0037】
B.界面活性剤
ヘアケア組成物は洗浄性界面活性剤を含んでよく、これは、洗浄性能を組成物にもたらす。そのため洗浄性界面活性剤はアニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、又は双性イオン性界面活性剤、あるいはそれらの混合物を含む。洗浄性界面活性剤の様々な例及び説明が、米国特許第6,649,155号、米国特許出願公開第2008/0317698号、及び同第2008/0206355号に示されているが、これらは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0038】
ヘアケア組成物中の洗浄性界面活性剤成分の濃度は、所望の洗浄及び起泡性能を提供するために十分であるべきであり、一般に約2重量%〜約50重量%、約5重量%〜約30重量%、約8重量%〜約25重量%、又は約10重量%〜約20重量%の範囲である。したがって、ヘアケア組成物は洗浄性界面活性剤を、例えば約5重量%、約10重量%、約12重量%、約15重量%、約17重量%、約18重量%、又は約20重量%の量で含み得る。
【0039】
組成物への使用に適したアニオン性界面活性剤は、アルキル及びアルキルエーテルサルフェートである。その他の好適なアニオン性界面活性剤は、有機硫酸反応生成物の水溶性の塩である。更に別の好適なアニオン性界面活性剤は、イセチオン酸でエステル化されかつ水酸化ナトリウムで中和された脂肪酸の反応生成物である。その他の似たようなアニオン性界面活性剤が、米国特許第2,486,921号、同第2,486,922号、及び同第2,396,278に記載されているが、これらは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0040】
ヘアケア組成物に使用される代表的なアニオン性界面活性剤としては、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエチルアミン、ラウレス硫酸トリエチルアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウレス硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウレス硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸ジエタノールアミン、ラウレス硫酸ジエタノールアミン、ラウリルモノグリセリド硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウレス硫酸カリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ラウリルサルコシン、ココイルサルコシン、ココイル硫酸アンモニウム、ラウロイル硫酸アンモニウム、ココイル硫酸ナトリウム、ラウロイル硫酸ナトリウム、ココイル硫酸カリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ココイル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、トリデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ナトリウムココイルイセチオネート及びこれらの組み合わせが挙げられる。更なる実施形態では、アニオン性補助界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム又はラウレス硫酸ナトリウムである。
【0041】
本明細書のヘアケア組成物での使用に好適な両性又は双性イオン性の界面活性剤としては、ヘアケア又はその他のパーソナルケアクレンジングでの使用で既知のものが挙げられる。そのような両性界面活性剤の濃度は、約0.5重量%〜約20重量%、及び約1重量%〜約10重量%の範囲である。好適な双性イオン性又は両性界面活性剤の非限定例が、米国特許第5,104,646号及び同第5,106,609号に記載されているが、これらは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0042】
ヘアケア組成物での使用に好適な両性洗浄性界面活性剤としては、脂肪族二級及び三級アミンの誘導体として広く記載される界面活性剤が挙げられ、ここで脂肪族ラジカルは直鎖であっても分枝鎖であってもよく、脂肪族置換基の1つは約8〜約18個の炭素原子を含有し、1つはアニオン性基、例えばカルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート、又はホスホネートを含有する。本発明のヘアケア組成物に用いるのに好ましい両性洗浄性界面活性剤には、ココアンホアセテート、ココアンホジアセテート、ラウロアンホアセテート、ラウロアンホジアセテート及びこれらの混合物が挙げられる。
【0043】
ヘアケア組成物への使用に適した双性イオン性洗浄性界面活性剤としては、脂肪族四級アンモニウム、ホスホニウム、及びスルホニウム化合物の誘導体として広く記載される界面活性剤が挙げられ、ここで脂肪族ラジカルは直鎖であっても分枝鎖であってもよく、脂肪族置換基の1つは約8〜約18個の炭素原子を含有し、1つはアニオン性基、例えばカルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート又はホスホネートを含有する。別の実施形態において、双性イオン、例えばベタインが選択される。
【0044】
本組成物に用いるのに好適なその他のアニオン性、双性イオン性、両性、又は任意の追加の界面活性剤の非限定的な例は、McCutcheon’s,Emulsifiers and Detergents,1989 Annual,published by M.C.Publishing Co.及び米国特許第3,929,678号、同第2,658,072号、同第2,438,091号、同第2,528,378号に記載されているが、これらはその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0045】
C.水性キャリア
ヘアケア組成物は、注ぐことが可能な液体(周囲条件下)の形態であってよい。したがって、そのような組成物は、典型的にはキャリアを含み、これは約20重量%〜約95重量%、又は更には約60重量%〜約85重量%の濃度で存在する。キャリアは、水、又は水と有機溶媒との混和性混合物を含んでもよいが、1つの態様では、その他の成分の微量成分として組成物中に付随的に組み込まれる場合を除き、最小限の有機溶媒を有するか、又は有意の濃度の有機溶媒を有さない水を含んでもよい。
【0046】
ヘアケア組成物の実施形態に有用なキャリアは、水、並びに低級アルキルアルコール及び多価アルコールの水溶液を含む。本明細書で有用な低級アルキルアルコールは、1〜6個の炭素を有する一価アルコール、一態様では、エタノール及びイソプロパノールである。本明細書で有用な代表的な多価アルコールとしては、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、及びプロパンジオールが挙げられる。
【0047】
D.追加の構成成分
ヘアケア組成物は、ヘアケア又はパーソナルケア製品用として既知の追加成分を1つ以上を更に含んでもよいが、この追加成分が、製品の安定性、審美性、又は性能を過度に損なわないことを条件とする。このような任意成分とは、最も典型的には「CTFA Cosmetic Ingredient Handbook」(Second Edition,The Cosmetic,Toiletries,and Fragrance Association,Inc.1988,1992)のような参考文献に記載されている物質である。そのような追加成分の個々の濃度は、パーソナルケア組成物の約0.001重量%〜約10重量%の範囲であり得る。
【0048】
ヘアケア組成物に使用する追加成分の非限定例としては、コンディショニング剤(例えばシリコーン、炭化水素油、脂肪族エステル)天然カチオン性付着ポリマー、合成カチオン性付着ポリマー、抗ふけ剤、粒子、懸濁剤、パラフィン系炭化水素、噴射剤、粘度調整剤、染料、不揮発性溶媒又は希釈剤(水溶性及び非水溶性)、真珠光沢助剤、起泡剤、追加の界面活性剤又は非イオン性補助界面活性剤、シラミ駆除剤、pH調整剤、香料、保存料、タンパク質、皮膚活性化剤、日焼け止め剤、UV吸収剤、及びビタミンが挙げられる。
【0049】
1.コンディショニング剤
一実施形態では、ヘアケア組成物は、1つ以上のコンディショニング剤を含む。コンディショニング剤としては、毛髪及び/又は皮膚に特定のコンディショニング効果を与えるために使用される物質が挙げられる。ヘアケア組成物に有用なコンディショニング剤は、典型的には、乳化液体粒子を形成する非水溶性で水分散性の不揮発性液体を含む。ヘアケア組成物に用いるのに好適なコンディショニング剤は、一般にシリコーン(例えば、シリコーンオイル、カチオン性シリコーン、シリコーンゴム、高屈折率シリコーン、及びシリコーン樹脂)、有機コンディショニングオイル(例えば、炭化水素油、ポリオレフィン、及び脂肪酸エステル)若しくはこれらの組み合わせとして特徴付けられるコンディショニング剤、又は他の方法で水性界面活性剤マトリックス中に液状の分散した粒子を形成するコンディショニング剤である。
【0050】
1つ以上のコンディショニング剤は、本組成物の約0.01重量%〜約10重量%、あるいは約0.1重量%〜約8重量%、あるいは約0.2重量%〜約4重量%で存在する。
【0051】
a.シリコーン
ヘアケア組成物のコンディショニング剤は、不溶性シリコーンコンディショニング剤であってよい。シリコーンコンディショニング剤粒子は揮発性シリコーン、不揮発性シリコーン、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。揮発性シリコーンが存在する場合、典型的にはシリコーンゴムや樹脂のような、市販の形態の不揮発性シリコーン物質成分のための溶媒又はキャリアとしてのそれらの使用に付随する。シリコーンコンディショニング剤粒子は、シリコーン流体コンディショニング剤を含んでもよく、またシリコーン流体の付着効率を改善するか又は毛髪の光沢度を高めるための他の成分(シリコーン樹脂など)を更に含んでもよい。
【0052】
シリコーンコンディショニング剤の濃度は、通常、組成物の約0.01重量%〜約10重量%、あるいは約0.1重量%〜約8重量%、あるいは約0.1重量%〜約5重量%、あるいは約0.2重量%〜約3重量%の範囲である。好適なシリコーンコンディショニング剤及びシリコーンのための任意の懸濁化剤の非限定例は、米国再発行特許第34,584号、米国特許第5,104,646号、及び同第5,106,609号に記載されているが、これらは参照により本明細書に組み込まれる。ヘアケア組成物に使用するシリコーンコンディショニング剤は、
【0053】
【数1】
で測定した場合に約2E−5〜約2m
2/s(約20〜約2,000,000センチストークス(「csk」)、あるいは約0.001〜約1.8m
2/s(約1,000〜約1,800,000csk)、あるいは約0.05〜約1.5m
2/s(約50,000〜約1,500,000csk)、あるいは約0.1〜約1.5m
2/s(約100,000〜約1,500,000csk)の粘度を有し得る。
【0054】
分散したシリコーンコンディショニング剤粒子は、通常、約0.01マイクロメートル〜約50マイクロメートルの範囲の体積平均粒径を有する。毛髪への小粒子の塗布に関しては、体積平均粒径は、通常、約0.01マイクロメートル〜約4マイクロメートル、あるいは約0.01マイクロメートル〜約2マイクロメートル、あるいは約0.01マイクロメートル〜約0.5マイクロメートルの範囲である。毛髪へのより大きい粒子の塗布に関しては、体積平均粒径は、通常、約5マイクロメートル〜約125マイクロメートル、あるいは約10マイクロメートル〜約90マイクロメートル、あるいは約15マイクロメートル〜約70マイクロメートル、あるいは約20マイクロメートル〜約50マイクロメートルの範囲である。
【0055】
シリコーン流体、ゴム、及び樹脂、並びにシリコーンの製造を議論する項を含むシリコーンの背景資料は、Encyclopedia of Polymer Science and Engineering,vol.15,2d ed.,pp 204〜308,John Wiley & Sons,Inc.(1989)に見出されるが、これは参照により本明細書に組み込まれる。
【0056】
i.シリコーンオイル
シリコーン流体としてはシリコーンオイルが挙げられ、これらは25℃で測定して、1m
2/s(1,000,000csk)未満、あるいは約5E−6m
2/s(5csk)〜約1m
2/s(1,000,000csk)、あるいは約0.0001m
2/s(100csk)〜約0.6m
2/s(600,000csk)の粘度を有する流動性のシリコーン物質である。ヘアケア組成物に用いるのに好適なシリコーンオイルには、ポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン、ポリエーテルシロキサンコポリマー、及びこれらの混合物が挙げられる。また毛髪コンディショニング特性を有する他の不溶性不揮発性シリコーン流体を使用してもよい。
【0057】
シリコーンオイルとしては、次式(I)に一致するポリアルキル又はポリアリールシロキサンが挙げられる。
【0058】
【化4】
式中、Rは脂肪族であり、いくつかの実施形態ではアルキル、アルケニル、又はアリールであり、Rは置換されても非置換であってもよく、xは1〜約8,000の整数である。組成物に用いるのに好適なR基としては、アルコキシ、アリールオキシ、アルカリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アルカミノ、並びにエーテル置換、ヒドロキシル置換、及びハロゲン置換された脂肪族及びアリール基が挙げられるが、これらに限定されない。好適なR基としては、カチオン性アミン及び第四級アンモニウム基も挙げられる。
【0059】
可能性のあるアルキル及びアルケニル置換基としては、C
1〜C
5、あるいはC
1〜C
4、あるいはC
1〜C
2のアルキル及びアルケニルが挙げられる。その他のアルキル−、アルケニル−又はアルキニル−含有基(例えば、アルコキシ、アルカリル及びアルカミノ)の脂肪族部分は、直鎖であっても分枝鎖であってもよく、C
1〜C
5、あるいはC
1〜C
4、あるいはC
1〜C
3、あるいはC
1〜C
2であり得る。上述のように、R置換基はまたアミノ官能基(例えば、アルカミノ基)を含有することができ、これは第一級、第二級、若しくは第三級アミン又は第四級アンモニウムであり得る。これらには、モノ−、ジ−、及びトリ−アルキルアミノ並びにアルコキシアミノ基が挙げられ、脂肪族部分鎖長は、本明細書に記載されているとおりであり得る。
【0060】
ii.アミノ及びカチオン性シリコーン
組成物に使用するのに好適なカチオン性シリコーン流体としては、一般式(II)に一致するものが挙げられるが、これらに限定されない。
(R
1)
aG
3-a−Si−−(−−OSiG
2)
n−(−−OSiG
b(R
1)
2-b)
m−−O−−SiG
3-a(R
1)
a
式中、Gは水素、フェニル、ヒドロキシ又はC
1〜C
8アルキルであり、いくつかの実施形態ではメチルであり、aは0又は1〜3の値を有する整数であり、bは0又は1であり、nは0〜1,999、あるいは49〜499の数であり、mは1〜2,000、あるいは1〜10の整数であり、nとmとの合計は1〜2,000、あるいは50〜500の数であり、R
1は一般式CqH
2qLに一致する一価のラジカルであり、式中、qは2〜8の値を有する整数であり、Lは以下の群から選択される:
−−N(R
2)CH
2−−CH
2−−N(R
2)
2
−−N(R
2)
2
−−N(R
2)
3A
-
−−N(R
2)CH
2−−CH
2−−NR
2H
2A
-
式中、R
2は、水素、フェニル、ベンジル、又は飽和炭化水素ラジカルであり、いくつかの実施形態では、約C
1〜約C
20のアルキルラジカルであり、A
-はハロゲン化物イオンである。
【0061】
一実施形態では、式(II)に一致するカチオン性シリコーンは、「トリメチルシリルアモジメチコン」として知られるポリマーであり、これは式(III)で以下に示される。
【0063】
ヘアケア組成物で使用し得るその他のシリコーンカチオン性ポリマーは、一般式(IV)で表され、
【0064】
【化6】
式中、R
3は、C
1〜C
18の一価の炭化水素ラジカル、実施形態によってはアルキル又はアルケニルラジカル、例えばメチルであり、R
4は炭化水素ラジカル、実施形態によってはC
1〜C
18アルキレンラジカル又はC
10〜C
18アルキレンオキシラジカル、あるいはC
1〜C
8アルキレンオキシラジカルであり、Q
-はハロゲン化物イオン、実施形態によってはクロリドであり、rは2〜20の平均統計値で実施形態によっては2〜8であり、sは20〜200の平均統計値で実施形態によっては20〜50である。この部類の一つのポリマーは、Union Carbideから入手可能なUCARE SILICONE ALE 56(登録商標)として知られている。
【0065】
iii.シリコーンゴム
ヘアケア組成物での使用に好適なその他のシリコーン流体は、不溶性のシリコーンゴムである。これらのゴムは、25℃で測定して、1m
2/s(1,000,000csk)以上の粘度を有するポリオルガノシロキサン物質である。シリコーンゴムは、米国特許第4,152,416号、Noll及びWalterのChemistry and Technology of Silicones,New York:Academic Press(1968)、及びGeneral Electric Silicone Rubber Product Data Sheets SE 30,SE 33,SE 54及びSE 76に記載されているが、これらは全て参照により本明細書に組み込まれる。ヘアケアにおいて使用するためのシリコーンゴムの具体的な非限定例としては、ポリジメチルシロキサン、(ポリジメチルシロキサン)(メチルビニルシロキサン)コポリマー、ポリ(ジメチルシロキサン)(ジフェニルシロキサン)(メチルビニルシロキサン)コポリマー、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0066】
iv.高屈折率シリコーン
ヘアケア組成物に用いるのに好適なその他の不揮発性不溶性シリコーン流体コンディショニング剤は、屈折率が少なくとも約1.46、あるいは少なくとも約1.48、あるいは少なくとも約1.52、あるいは少なくとも約1.55である「高屈折率シリコーン」として既知のものである。ポリシロキサン流体の屈折率は、一般に約1.70未満、典型的には約1.60未満である。この文脈において、ポリシロキサン「流体」には、油並びにガムが挙げられる。高屈折率ポリシロキサン流体としては、上記の一般式(I)により表されるもの、並びに以下の式(V)で表されるもののような環状ポリシロキサンが挙げられる。
【0067】
【化7】
式中、Rは上記に定義されたとおりであり、nは約3〜約7、好ましくはあるいは約3〜約5の数である。
【0068】
高屈折率ポリシロキサン流体は、屈折率を本明細書に記載される所望のレベルまで増大させるのに十分な量のアリール含有R置換基を含有する。更に、R及びnは、物質が不揮発性であるように選択され得る。
【0069】
アリール含有置換基としては、脂環式及び複素環式の5員及び6員アリール環を含有するもの、及び5員又は6員縮合環を含有するものが挙げられる。アリール環そのものは置換されても非置換でもよい。
【0070】
一般に、高屈折率ポリシロキサン流体は、少なくとも約15%、あるいは少なくとも約20%、あるいは少なくとも約25%、あるいは少なくとも約35%、あるいは少なくとも約50%の程度のアリール含有置換基を有するであろう。典型的には、アリール置換の程度は、約90%未満、より一般的には約85%未満、あるいは約55%〜約80%であろう。いくつかの実施形態では、高屈折率ポリシロキサン流体は、フェニル又はフェニル誘導体置換基と、アルキル置換基、実施形態によってはC
1〜C
4アルキル、ヒドロキシ、又はC
1〜C
4アルキルアミノ(特に−R
4NHR
5NH2であり、ここで、各R
4及びR
5は、独立して、C
1〜C
3アルキル、アルケニル、及び/又はアルコキシである)と、の組み合わせを有する。
【0071】
高屈折率シリコーンをヘアケア組成物に用いる場合、これらは、表面張力を低減するために、展着を増強し、それにより組成物で処置された毛髪の(乾燥後の)光沢を増強するのに十分な量で、シリコーン樹脂又は界面活性剤のような展着剤と共に溶液中で用いることができる。
【0072】
ヘアケア組成物での使用に好適なシリコーン流体は、米国特許第2,826,551号、同第3,964,500号、同第4,364,837号、英国特許第849,433号、及びSilicon Compounds,Petrarch Systems,Inc.(1984)に開示されているが、これらは全て参照により本明細書に組み込まれる。
【0073】
v.シリコーン樹脂
シリコーン樹脂がヘアケア組成物のシリコーンコンディショニング剤に含まれてもよい。これらの樹脂は、高度に架橋したポリマーシロキサン系である。架橋は、シリコーン樹脂の製造中に三官能性及び四官能性シランを一官能性若しくは二官能性シラン又はその両方のシランと混合することによって生じる。
【0074】
特にシリコーン物質及びシリコーン樹脂は、「MDTQ」命名法として当業者に既知の省略命名法のシステムによって便利に同定することができる。このシステム下では、シリコーンは、シリコーンを構成する種々のシロキサンモノマー単位の存在によって記載される。つまり、記号Mは一官能性単位(CH
3)
3SiO
0.5を表し、Dは二官能性単位(CH
3)
2SiOを表し、Tは三官能性単位(CH
3)SiO
1.5を表し、Qは四官能性単位SiO
2を表す。単位記号のプライム符号(例えばM’、D’、T’、及びQ’)は、メチル以外の置換基を表し、出てくる度に具体的に定義されなければならない。
【0075】
ヘアケア組成物に用いるシリコーン樹脂としては、MQ、MT、MTQ、MDT及びMDTQ樹脂が挙げられるが、これらに限定されない。メチル基が、可能性のあるシリコーン置換基である。いくつかの実施形態では、シリコーン樹脂はMQ樹脂であり、M:Q比は約0.5:1.0〜約1.5:1.0であり、シリコーン樹脂の平均分子量は約1,000〜約10,000である。
【0076】
使用されるとき、屈折率が1.46未満の不揮発性シリコーン流体とシリコーン樹脂構成要素との重量比は、特に、シリコーン流体構成要素が本明細書で記載するようなポリジメチルシロキサン流体又はポリジメチルシロキサン流体とポリジメチルシロキサンゴムとの混合物である場合には、約4:1〜約400:1、あるいは約9:1〜約200:1、あるいは約19:1〜約100:1である。シリコーン樹脂がシリコーン流体、即ちコンディショニング活性物質として本発明の組成物中の同一相の一部を構成する限り、流体及び樹脂の総計は、組成物のシリコーンコンディショニング剤の濃度を決定する際に含まれなければならない。
【0077】
b.有機コンディショニングオイル
ヘアケア組成物のコンディショニング剤は、単独で、あるいは上記のシリコーンなどのその他のコンディショニング剤と組み合わせて、少なくとも1つの有機コンディショニングオイルも含み得る。
【0078】
i.炭化水素油
ヘアケア組成物でコンディショニング剤として使用するのに好適な有機コンディショニングオイルとしては、これらに限定するものではないが、少なくとも約10個の炭素原子を有する炭化水素油、例えば、環状炭化水素、直鎖脂肪族炭化水素(飽和又は不飽和)、及び分枝鎖脂肪族炭化水素(飽和又は不飽和)(これらのポリマー及びこれらの混合物を含む)が挙げられる。直鎖炭化水素油は約C
12〜約C
19であり得る。分枝鎖炭化水素油(炭化水素ポリマーを包含する)は典型的には19個より多い炭素原子を含有する。
【0079】
ii.ポリオレフィン
ヘアケア組成物で使用する有機コンディショニングオイルは、液体ポリオレフィン、あるいは液体ポリαオレフィン、あるいは水素添加された液体ポリαオレフィンも含むことができる。本明細書で用いるポリオレフィンは、C
4〜約C
14オレフィン系モノマー、実施形態によっては、約C
6〜約C
12オレフィン系モノマーを重合させることにより調製される。
【0080】
iii.脂肪酸エステル
パーソナルケア組成物においてコンディショニング剤として使用するのに好適な他の有機コンディショニングオイルとしては、少なくとも10個の炭素原子を有する脂肪酸エステルが挙げられる。これらの脂肪族エステルとしては、脂肪酸又はアルコールから誘導される炭化水素鎖を有するエステルが挙げられる。この脂肪酸エステルのヒドロカルビルラジカルは、アミド及びアルコキシ部分(例えばエトキシ又はエーテル結合等)のようなその他の適合性のある官能基を包含するか又はそこへ共有結合してもよい。
【0081】
iv.フッ素化コンディショニング化合物
毛髪又は皮膚にコンディショニング効果を送達させるのに好適なフッ化物としては、有機コンディショニングオイル、例えば、ペルフルオロポリエーテル、過フッ素化オレフィン、前述されるようなシリコーン流体に類似する流体又はエラストマー形態であり得るフッ素系の特定のポリマー、及び過フッ素化ジメチコンなどが挙げられる。
【0082】
v.脂肪アルコール
パーソナルケアヘアケア組成物で使用するのに好適なその他の有機コンディショニングオイルとしては、これらに限定するものではないが、少なくとも約10個の炭素原子、あるいは約10〜約22個の炭素原子、あるいは約12〜約16個の炭素原子を有する脂肪アルコールが挙げられる。
【0083】
vi.アルキルグルコシド及びアルキルグルコシド誘導体
パーソナルケアヘアケア組成物で使用するのに好適な有機コンディショニングオイルとしては、これらに限定するものではないが、アルキルグルコシド及びアルキルグルコシド誘導体が挙げられる。好適なアルキルグルコシド及びアルキルグルコシド誘導体の具体的な非限定例としては、Amercholから市販のGlucam E−10、Glucam E−20、Glucam P−10、及びGlucquat 125が挙げられる。
【0084】
c.その他のコンディショニング剤
i.第四級アンモニウム化合物
パーソナルケアヘアケア組成物でコンディショニング剤として使用するのに好適な第四級アンモニウム化合物としては、これらに限定するものではないが、アミド部分のようなカルボニル部分、又はリン酸エステル部分、あるいは類似の親水性部分を有する長鎖置換基を有する親水性第四級アンモニウム化合物が挙げられる。
【0085】
有用な親水性第四級アンモニウム化合物の例としては、限定するものではないが、CTFA国際化粧品成分辞書(CTFA Cosmetic Dictionary)にリシノールアミドプロピルトリモニウムクロリド、リシノールアミドトリモニウムエチルサルフェート、ヒドロキシステアラミドプロピルトリモニウムメチルサルフェート及びヒドロキシステアラミドプロピルトリモニウムクロリドとして記載される化合物、又はこれらの組み合わせが挙げられる。
【0086】
ii.ポリエチレングリコール
本明細書においてコンディショニング剤として有用な追加の化合物の例としては、CTFA名称がPEG−200、PEG−400、PEG−600、PEG−1000、PEG−2M、PEG−7M、PEG−14M、PEG−45Mであるもの、及びこれらの混合物などのような、最大約2,000,000の分子量を有するポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールが挙げられる。
【0087】
iii.カチオン性付着ポリマー
パーソナルケア組成物は、カチオン性付着ポリマーを更に含んでもよい。いかなる既知の天然又は合成カチオン性付着ポリマーもここで使用できる。例としては、米国特許第6,649,155号、米国特許出願公開第2008/0317698号、同第2008/0206355号、及び同第2006/0099167号に開示されているポリマーが挙げられ、これらは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0088】
カチオン性付着ポリマーは、ヘアケア組成物の利益提供を考慮すると、約0.01重量%〜約1重量%、一実施形態では約0.05重量%〜約0.75重量%、別の実施形態では約0.25重量%〜約0.50重量%の濃度で組成物中に含まれる。
【0089】
カチオン性付着ポリマーは、電荷密度が約0.5ミリ当量/グラム〜約12ミリ当量/グラムの水溶性ポリマーである。組成物に使用されるカチオン性付着ポリマーは、約100,000ダルトン〜約5,000,000ダルトンの分子量を有する。カチオン性付着ポリマーは、低電荷密度、中電荷密度、又は高電荷密度のカチオン性ポリマーである。
【0090】
これらのカチオン性付着ポリマーは、(a)カチオン性グアーポリマー、(b)カチオン性非グアーポリマー、(c)カチオン性タピオカポリマー、(d)アクリルアミドモノマーとカチオン性モノマーとのカチオン性コポリマー、及び/又は(e)洗浄性界面活性剤と組み合わせた際にリオトロピック液晶を形成する、合成非架橋カチオン性ポリマーのうちの少なくとも1つを含むことができる。更に、カチオン性付着ポリマーは、付着ポリマーの混合物であってよい。
【0091】
(1)カチオン性グアーポリマー
一実施形態によれば、カチオン性グアーポリマーは、約100万g/mol未満の重量平均分子量、及び約0.1meq/g〜約2.5meq/gの電荷密度を有する。一実施形態において、カチオン性グアーポリマーは、900,000g/mol未満、又は約150,000〜約800,000g/mol、又は約200,000〜約700,000g/mol、又は約300,000〜約700,000g/mol、又は約400,000〜約600,000g/mol、又は約150,000〜約800,000g/mol、又は約200,000〜約700,000g/mol、又は約300,000〜約700,000g/mol、又は約400,000〜約600,000g/molの重量平均分子量を有する。一実施形態において、カチオン性グアーポリマーは、約0.2meq/g〜約2.2meq/g、又は約0.3meq/g〜約2.0meq/g、又は約0.4meq/g〜約1.8meq/g、又は約0.5meq/g〜約1.5meq/gの電荷密度を有する。
【0092】
或る実施形態において、本組成物は、カチオン性グアーポリマー(a)を本組成物全体の約0.01重量%〜約0.6重量%未満、又は約0.04重量%〜約0.55重量%、又は約0.08重量%〜約0.5重量%、又は約0.16重量%〜約0.5重量%、又は約0.2重量%〜約0.5重量%、又は約0.3重量%〜約0.5重量%、又は約0.4重量%〜約0.5重量%含む。
【0093】
好適なカチオン性グアーポリマーには、グアーヒドロキシプロピル塩化トリモニウムのようなカチオン性グアーガム誘導体が含まれる。或る実施形態において、カチオン性グアーポリマーは、グアーヒドロキシプロピル塩化トリモニウムである。グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドの具体的な例としては、Rhone−Poulenc Incorporatedから市販されているJaguar(登録商標)シリーズ、例えば、Rhodiaから市販されているJaguar(登録商標)C−500が挙げられる。Jaguar(登録商標)C−500は、0.8meq/gの電荷密度、及び500,000g/moleの分子量を有する。別のグアーヒドロキシプロピル塩化トリモニウム(約1.1meq/gの電荷密度、及び約500,000g/moleの分子量を有するもの)は、Ashlandから入手可能である。更なるグアーヒドロキシプロピル塩化トリモニウム(約1.5meq/gの電荷密度、及び約500,000g/moleの分子量を有するもの)は、Ashlandから入手可能である。
【0094】
他の好適なポリマーとしては、約0.7meq/gの電荷密度、及び約600,000g/moleの分子量を有し、Rhodiaから入手可能なHi−Care 1000、約0.7meq/gの電荷密度、及び約425,000g/moleの分子量を有し、Ashlandから入手可能なN−Hance 3269及びN−Hance 3270が挙げられる。AquaCat CG518は約0.9meq/gの電荷密度、及び約50,000g/moleの分子量を有し、Ashlandから入手可能である。更なる非限定例は、AshlandからのN−Hance 3196である。
【0095】
(2)カチオン性非グアーポリマー
本発明のシャンプー組成物は、モノマー対モノマー基準でマンノース対ガラクトース比が2:1超であるガラクトマンナンポリマー誘導体を含み、このガラクトマンナンポリマー誘導体は、カチオン性ガラクトマンナンポリマー誘導体、及び正味の正電荷を有する両性ガラクトマンナンポリマー誘導体からなる群から選択される。本明細書で使用するとき、用語「カチオン性ガラクトマンナン」とは、カチオン性基が付加されたガラクトマンナンポリマーを意味する。用語「両性ガラクトマンナン」は、カチオン性基及びアニオン性基が付加されてポリマーが正味の正電荷を有するようになったガラクトマンナンポリマーを指す。
【0096】
本発明のシャンプー組成物に使用するガラクトマンナンポリマー誘導体は、約1,000〜約10,000,000の分子量を有する。本発明の一実施形態では、ガラクトマンナンポリマー誘導体は、約5,000〜約3,000,000の分子量を有する。本明細書で使用するとき、用語「分子量」とは、重量平均分子量を指す。重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィーによって測定できる。
【0097】
本発明のシャンプー組成物は、約0.9meq/g〜約7meq/gのカチオン性電荷密度を有するガラクトマンナンポリマー誘導体を含む。本発明の一実施形態では、ガラクトマンナンポリマー誘導体は、約1meq/g〜約5meq/gのカチオン性電荷密度を有する。ガラクトマンナン構造上へのカチオン性基の置換の程度は、必要なカチオン電荷密度を提供するのに十分でなくてはならない。
【0098】
(3)カチオン変性デンプンポリマー
本発明のシャンプー組成物は、水溶性カチオン変性デンプンポリマーを含む。本明細書で使用するとき、用語「カチオン変性デンプン」とは、デンプンが小さい分子量に分解される前にカチオン性基が付加されたデンプン、あるいはカチオン性基がデンプンの変性後に付加されて所望の分子量に到達したデンプンを指す。用語「カチオン変性デンプン」の定義は、両性変性デンプンも含む。用語「両性変性デンプン」とは、カチオン性基及びアニオン性基が付加されたデンプン加水分解物を指す。
【0099】
本発明のシャンプー組成物は、組成物の約0.01重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.05重量%〜約5重量%のカチオン変性デンプンポリマーを含む。
【0100】
非限定例としては、これらのアンモニウム基としては、ヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、トリメチルヒドロキシプロピルアンモニウムクロリド、ジメチルステアリルヒドロキシプロピルアンモニウムクロリド、及びジメチルドデシルヒドロキシプロピルアンモニウムクロリドなどの置換基が挙げられる。Solarek,D.B.,Cationic Starches in Modified Starches:Properties and Uses,Wurzburg,O.B.,Ed.,CRC Press,Inc.,Boca Raton,Fla.1986,pp 113〜125を参照のこと。カチオン性基は、デンプンがより小さな分子量に分解される前、又はこのような変性後に、デンプンに付加することができる。
【0101】
化学修飾前のデンプン源は、塊茎、マメ科植物、穀草及び穀物などの様々な供給源から選択することができる。この供給源デンプンの非限定例には、コーンスターチ、小麦スターチ、ライススターチ、ワクシーコーンスターチ、オート麦スターチ、ワクシー大麦、ワクシーライススターチ、グルテン状ライススターチ、スイートライススターチ、アミオカ、ポテトスターチ、タピオカスターチ、オート麦スターチ、サゴスターチ、スイートライス、又はこれらの混合物を挙げることができる。タピオカデンプンが好ましい。
【0102】
本発明の1つの実施形態では、カチオン変性デンプンポリマーは、粉化させたカチオン性トウモロコシデンプン、カチオン性タピオカ、カチオン性ポテトデンプン、及びこれらの混合物から選択される。別の実施形態では、カチオン変性デンプンポリマーは、カチオン性コーンスターチ及びカチオン性タピオカである。カチオン性タピオカデンプンが好ましい。
【0103】
別の実施形態では、カチオン性付着ポリマーは、天然由来のカチオン性ポリマーである。本明細書で使用するとき、用語「天然由来のカチオン性ポリマー」は、天然源から得られるカチオン性付着ポリマーを指す。天然源は、多糖ポリマーであってもよい。したがって、天然由来カチオン性ポリマーは、デンプン、グアー、セルロース、カッシア、イナゴマメ、コンニャク、タラ、ガラクトマンナン、及びタピオカを含む群から選択され得る。更なる実施形態においては、カチオン性付着ポリマーは、Mirapol(登録商標)100S(Rhodia)、Jaguar(登録商標)C17、ポリクオタニウム−6、カチオン性タピオカデンプン(Akzo)、ポリクオタニウム−76、及びそれらの混合物から選択される。
【0104】
(4)アクリルアミドモノマーとカチオン性モノマーとのカチオン性コポリマー
本発明の一実施形態によれば、シャンプー組成物は、アクリルアミドモノマーとカチオン性モノマーとのカチオン性コポリマーを含み、このコポリマーは約1.0meq/g〜約3.0meq/gの電荷密度を有する。或る実施形態において、カチオン性コポリマーは、アクリルアミドモノマーとカチオン性モノマーとの合成カチオン性コポリマーである。
【0105】
或る実施形態において、カチオン性コポリマー(b)はAM:TRIQUAT、即ち、アクリルアミドと1,3−プロパンジアミニウム,N−[2−[[[ジメチル[3−[(2−メチル−1オキソ2−プロペニル)アミノ]プロピル]アンモニオ]アセチル]アミノ]エチル]2−ヒドロキシ−N,N,N’,N’,N’−ペンタメチル−,トリクロリドとのコポリマーである。AM:TRIQUATは、ポリクオタニウム76(PQ76)としても知られている。AM:TRIQUATは、1.6meq/gの電荷密度を有し、1.100万g/molの分子量を有し得る。
【0106】
或る実施形態において、カチオン性コポリマーは、トリメチルアンモニオプロピルメタクリルアミド塩化物(trimethylammoniopropylmethacrylamide chloride)とN−アクリルアミド(N-Acrylamide)とのコポリマーであり、AM:MAPTACとしても公知である。AM:MAPTACは、約1.3meq/gの電荷密度、及び約1,100万g/molの分子量を有し得る。或る実施形態において、カチオン性コポリマーはAM:ATPACである。AM:ATPACは、約1.8meq/gの電荷密度、及び約1,100万g/molの分子量を有し得る。
【0107】
(5)カチオン性合成ポリマー
本明細書に記載されるカチオン性ポリマーは、損傷した毛髪、特に化学処理された毛髪に、代わりの疎水性F層をもたらすのを助ける。リオトロピック液晶は、本明細書に記載の合成カチオン性ポリマーをシャンプー組成物の前述のアニオン性洗浄性界面活性剤成分と併せることにより形成される。合成カチオン性ポリマーの電荷密度は比較的高い。カチオン性電荷密度が比較的高い一部の合成ポリマーは、主に異常な線形の電荷密度に起因してリオトロピック液晶を形成しないことに留意されたい。そのような合成カチオン性ポリマーは、国際特許公開第WO 94/06403号(Reichら)に記載されている。
【0108】
カチオン性ポリマーの濃度は、シャンプー組成物の約0.025重量%〜約5重量%、好ましくは約0.1重量%〜約3重量%、より好ましくは約0.2重量%〜約1重量%の範囲である。
【0109】
カチオン性ポリマーは、約2meq/gm〜約7meq/gm、好ましくは約3meq/gm〜約7meq/gm、より好ましくは約4meq/gm〜約7meq/gmのカチオン性電荷密度を有する。一部の実施形態では、カチオン性電荷密度は約6.2meq/gmである。このポリマーは、約1,000〜約5,000,000、より好ましくは、約10,000〜約2,000,000、最も好ましくは100,000〜約2,000,000の分子量を更に有する。
ここでX−は、ハロゲン、水酸化物、アルコキシド、サルフェート又はアルキルサルフェートである。
【0110】
カチオン性モノマーの例としては、アミノアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アミノアルキル(メタ)アクリルアミド;二級、三級又は四級アミン機能の少なくとも1つ、又は窒素原子を含有する複素環基、ビニルアミン又はエチレンイミンを含むモノマー;ジアリルジアルキルアンモニウム塩;それらの混合物、それらの塩類、及びそれらから誘導されるマクロモノマーが挙げられる。
【0111】
カチオン性モノマーの更なる例としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジ−tert−イソブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド;ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、エチレンイミン、ビニルアミン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートクロライド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートメチルサルフェート、ジメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートベンジルクロライド、4−ベンゾイルベンジルジメチルアンモニウムエチルアクリレートクロライド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリルアミドクロライド、トリメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリルアミドクロライド、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ジアリルジメチル塩化アンモニウムが挙げられる。
【0112】
カチオン性モノマーの非限定例は、式−NR
3+の四級アンモニウム基を含み、ここで、同一の又は異なるRは、水素原子、1〜10個の炭素原子を含むアルキル基、又はベンジル基を表し、所望によりヒドロキシル基を有し、アニオン(対イオン)を含む。アニオンの例は、塩化物、臭化物などのハロゲン化物、サルフェート、ヒドロサルフェート、アルキルサルフェート(例えば、1〜6個の炭素原子を含む)、ホスフェート、シトレート、ホルメート、及びアセテートである。
【0113】
カチオン性モノマーの非限定例としては、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートクロリド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートメチルサルフェート、ジメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートベンジルクロリド、4−ベンゾイルベンジルジメチルアンモニウムエチルアクリレートクロリド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリルアミドクロリド、トリメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリルアミドクロリド、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリドが挙げられる。カチオン性モノマーの非限定例としては、トリメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリルアミドクロリドが挙げられる。
【0114】
d.アニオン性乳化剤
様々なアニオン性乳化剤をヘアケア組成物で以下のように使用することができる。アニオン性乳化剤としては、限定ではなく例として、アルキルサルフェート、アルキルエーテルサルフェート、アルキルイソチオネート、アルキルカルボキシレート、アルキルスルホスクシネート、アルキルスクシナメートの水溶性塩、アルキルサルフェート塩、例えば、ドデシル硫酸ナトリウム、アルキルサルコシネート、タンパク質加水分解物のアルキル誘導体、アシルアスパルテート、アルキル又はアルキルエーテル又はアルキルアリールエーテルホスフェートエステル、ドデシル硫酸ナトリウム、リン脂質若しくはレシチン、又は石鹸、ステアリン酸ナトリウム、カリウム、若しくはアンモニウム、オレエート又はパルミテート、アルキルアリールスルホン酸塩、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホサクシネート、ジラウリルスルホコハク酸ナトリウム、ポリ(スチレンスルホネート)ナトリウム塩、イソブチレン−無水マレイン酸コポリマー、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、硫酸セルロース及びペクチン、ポリ(スチレンスルホネート)、イソブチレン−無水マレイン酸コポリマー、アラビアガム、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、ペクチン酸、トラガカントガム、アーモンドガム及び寒天;半合成ポリマー、例えば、カルボキシメチルセルロース、硫酸化セルロース、硫酸化メチルセルロース、カルボキシメチルデンプン、リン酸化デンプン、リグニンスルホン酸;並びに合成ポリマー、例えば、無水マレイン酸コポリマー(その加水分解物を含む)、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸ブチルアクリレートコポリマー又はクロトン酸ホモポリマー及びコポリマー、ビニルベンゼンスルホン酸又は2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ホモポリマー及びコポリマー、並びにこのようなポリマー及びコポリマーの部分アミド又は部分エステル、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、スルホン酸変性ポリビニルアルコール及びリン酸変性ポリビニルアルコール、リン酸化又は硫酸化トリスチリルフェノールエトキシレートが挙げられる。
【0115】
更に、アクリレート官能基を有するアニオン性乳化剤も本シャンプー組成物で使用することができる。本明細書で有用なアニオン性乳化剤としては、これらに限定するものではないが:ポリ(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリル酸とC1〜22アルキル、C1〜C8アルキル、ブチルを有するその(メタ)アクリレートとのコポリマー;(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリルアミドとのコポリマー;カルボキシビニルポリマー;アクリレートコポリマー、例えばアクリレート/C10〜30アルキルアクリレートクロスポリマー、アクリル酸/ビニルエステルコポリマー/アクリレート/ビニルイソデカノエートクロスポリマー、アクリレート/パルメス−25アクリレートコポリマー、アクリレート/ステアレス−20イタコエートコポリマー、及びアクリレート/セレス−20イタコエートコポリマー;ポリスチレンスルフォネート、メタクリル酸とアクリルアミドメチルプロパンスルホン酸とのコポリマー、及びアクリル酸とアクリルアミドメチルプロパンスルホン酸とのコポリマー;カルボキシメチルセルロース(carboxymethycellulose);カルボキシグアー;エチレンとマレイン酸とのコポリマー;及びアクリレートシリコーンポリマーが挙げられる。本明細書のアニオン性乳化剤を中和するために中和剤を含んでもよい。このような中和剤の非限定例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、アミノメチルプロパノール、トロメタミン、テトラヒドロキシプロピルエチレンジアミン、及びこれらの混合物が挙げられる。市販のアニオン性乳化剤としては、例えば、Noveonから商標名Carbopol 981及びCarbopol 980で供給されるカルボマー;全てNoveonより入手可能な商標名Pemulen TR−1、Pemulen TR−2、Carbopol 1342、Carbopol 1382、及びCarbopol ETD 2020のアクリレート/C10〜30アルキルアクリレートクロスポリマー;HerculesよりCMCシリーズとして供給されるカルボキシメチルセルロースナトリウム;並びにSeppicより供給される商標名Capigelのアクリレートコポリマーが挙げられる。別の実施形態では、アニオン性乳化剤はカルボキシメチルセルロースである。
【0116】
e.有益剤
一実施形態において、ヘアケア組成物は、1つ以上の更なる有益剤を更に含む。有益剤は、抗ふけ剤、ビタミン、脂質可溶性ビタミン、キレート剤、香料、増白剤、酵素、感覚剤、誘引剤、抗菌剤、染料、顔料、漂白剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される材料を含む。
【0117】
1つの態様では、この有益剤は抗ふけ剤を含み得る。このような抗ふけ粒子は、物理的及び化学的に組成物の構成成分と適合すべきであり、別段に製品の安定性、審美性、又は性能を過度に損なうべきではない。
【0118】
一実施形態によると、ヘアケア組成物は、抗ふけ活性微粒子であり得る抗ふけ活性物質を含む。一実施形態において、抗ふけ活性物質は、ピリジンチオン塩;ケトコナゾール、エコナゾール及びエルビオールなどのアゾール;硫化セレン;粒状硫黄;サリチル酸などの角質溶解剤;並びにこれらの混合物からなる群から選択される。一実施形態において、抗ふけ微粒子はピリジンチオン塩である。
【0119】
ピリジンチオン微粒子は、好適な粒子状抗ふけ活性物質である。一実施形態では、フケ防止活性物質は、1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオン塩であり、粒子形態である。一実施形態では、ピリジンチオン抗ふけ微粒子の濃度は約0.01重量%〜約5重量%、又は約0.1重量%〜約3重量%、又は約0.1重量%〜約2重量%の範囲である。一実施形態では、ピリジンチオン塩は、亜鉛、錫、カドミウム、マグネシウム、アルミニウム及びジルコニウム、概して亜鉛、典型的には1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオンの亜鉛塩(「亜鉛ピリジンチオン」又は「ZPT」として知られている)、一般的には血小板粒子形態の1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオン塩などの重金属から形成されるものである。一実施形態では、血小板粒子形態の1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオン塩は、最大で約20マイクロメートル、又は最大で約5マイクロメートル、又は最大で約2.5マイクロメートルの平均粒径を有する。ナトリウムなどの他のカチオンから形成された塩も同様に、好適であり得る。ピリジンチオンフケ防止活性物質は、例えば、米国特許第2,809,971号、米国特許第3,236,733号、米国特許第3,753,196号、米国特許第3,761,418号、米国特許第4,345,080号、米国特許第4,323,683号、米国特許第4,379,753号、及び米国特許第4,470,982号に記載されている。
【0120】
或る実施形態において、本組成物は、ピリチオンの多価金属塩から選択される抗ふけ活性物質に加えて、1種以上の抗真菌及び/又は抗細菌活性物質を更に含む。或る実施形態において、抗細菌活性物質は、コールタール、硫黄、炭(fcharcoal)、ウィットフィールド(whitfield)軟膏、カステラーニ塗布剤、塩化アルミニウム、ゲンチアナバイオレット、オクトピロックス(ピロクトンオラミン)、シクロピロックスオラミン、ウンデシレン酸及びその金属塩、過マンガン酸カリウム、硫化セレン、チオ硫酸ナトリウム、プロピレングリコール、ビターオレンジ油、尿素調製物、グリセオフルビン、8−ヒドロキシキノリンシロキノール、チオベンダゾール、チオカルバメート、ハロプロジン、ポリエン、ヒドロキシピリドン、モルホリン、ベンジルアミン、アリルアミン(テルビナフィンなど)、茶木油、クローブリーフ油、コリアンダー、パルマローザ、ベルベリン、タイムレッド、桂皮油、ケイ皮アルデヒド、シトロネル酸、ヒノキトール、イヒチオールペール、センシバ(Sensiva)SC−50、エレスタブ(Elestab)HP−100、アゼライン酸、リチカーゼ(lyticase)、ヨードプロピニルブチルカルバメート(IPBC)、オクチルイソチアザリノンなどのイソチアザリノン、及びアゾール、並びにこれらの混合物から成る群から選択される。或る実施形態において、抗細菌剤は、イトラコナゾール、ケトコナゾール、硫化セレン、コールタール、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0121】
一実施形態では、アゾール抗菌剤は、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、ビフォナゾール、硝酸ブタコナゾール、クリンバゾール、クロトリマゾール、クロコナゾール、エベルコナゾール、エコナゾール、エルビオール、フェンチコナゾール、フルコナゾール、フルチマゾール、イソコナゾール、ケトコナゾール、ラノコナゾール、メトロニダゾール、ミコナゾール、ネチコナゾール、オモコナゾール、硝酸オキシコナゾール、セルタコナゾール、硝酸サルコナゾール、チオコナゾール、チアゾール、及びこれらの混合物からなる群から選択されるイミダゾールであるか、又はアゾール抗菌剤は、テルコナゾール、イトラコナゾール、及びこれらの混合物からなる群から選択されるトリアゾールである。アゾール抗菌活性物質は、ヘアケア組成物中に存在する場合、約0.01重量%〜約5重量%、又は約0.1重量%〜約3重量%、又は約0.3重量%〜約2重量%の量で含まれる。或る実施形態において、アゾール抗細菌活性物質は、ケトコナゾールである。或る実施形態において、唯一の抗細菌活性物質は、ケトコナゾールである。
【0122】
ヘアケア組成物の実施形態は、抗菌活性物質の組み合わせも含む。一実施形態では、抗菌活性物質の組み合わせは、オクトピロックスとジンクピリチオン、パインタールと硫黄、サリチル酸とジンクピリチオン、サリチル酸とエルビオール、ジンクピリチオンとエルビオール、ジンクピリチオンとクリムバゾール、オクトピロックスとクリムバゾール、及びサリチル酸とオクトピロックス、及びこれらの混合物からなる組み合わせの群から選択される。
【0123】
ある実施形態において、本組成物は、有効な量の亜鉛含有層状材料を含む。一実施形態では、本組成物は、本組成物の総重量の約0.001重量%〜約10重量%、又は約0.01重量%〜約7重量%、又は約0.1重量%〜約5重量%の亜鉛含有層状材料を含む。
【0124】
亜鉛含有層状材料は、結晶の成長が主として二次元で生じたものであってよい。層構造は、全ての原子が明確な層に組み込まれているものとしてだけではなく、ギャラリーイオン(gallery ion)と呼ばれる、層の間にイオン又は分子があるものとすることが慣例的である(A.F.Wells「Structural Inorganic Chemistry」Clarendon Press,1975)。亜鉛含有層状材料(ZLM)は、亜鉛が層に組み込まれ得る、及び/又はギャラリーイオンの構成成分であり得る。以下のZLMの部類は、一般的分野における比較的一般的な例を代表するものであり、この定義に適合するより広範囲の物質に関して限定的であることを意図するものではない。
【0125】
多くのZLMが鉱物として自然発生する。ある実施形態において、ZLMは水亜鉛土(炭酸水酸化亜鉛)、水亜鉛銅鉱(炭酸水酸化亜鉛銅)、亜鉛孔雀石(炭酸水酸化銅亜鉛)、及びこれらの混合物からなる群から選択される。亜鉛を含有する関連鉱物が組成物中に含まれもよい。粘土性鉱物(例えば、フィロシリケート)のようなアニオン性層の化学種が、イオン交換された亜鉛ギャラリーイオンを含有する天然のZLMも存在し得る。これらの天然物質はいずれも、合成によって得るか、又は組成物中に直接生成させるか、若しくは製造プロセスにおいて生成させることができる。
【0126】
必ずしもではないが多くの場合合成であるZLMの別の一般的な部類は、層状複水酸化物である。ある実施形態において、ZLMは、式[M
2+1-xM
3+x(OH)
2]
x+A
m-x/m・nH
2Oに適合する層状の複水酸化物であり、いくつか又は全ての二価イオン(M
2+)は亜鉛イオンである(Crepaldi,EL,Pava,PC,Tronto,J,Valim,JB J.Colloid Interfac.Sci.2002,248,429〜42)。
【0127】
ヒドロキシ複塩と呼ばれる更に別の部類のZLMを調製することができる(Morioka,H.,Tagaya,H.,Karasu,M,Kadokawa,J,Chiba,K Inorg.Chem.1999,38,4211〜6)。一実施形態では、ZLMは、式[M
2+1-xM
2+1+x(OH)
3(1-y)]
+A
n-(1=3y)/n・nH
2Oに適合するヒドロキシ複塩であり、ここで2つの金属イオン(M
2+)は、同一であっても異なっていてもよい。それらが同一であり亜鉛で表される場合、式は[Zn
1+x(OH)
2]
2x+2xA
-・nH
2Oに簡素化される。この後者の式は、水酸化塩化亜鉛及び水酸化硝酸亜鉛のような物質を表す(x=0.4である場合)。一実施形態では、ZLMは、ヒドロキシ塩化亜鉛及び/又はヒドロキシ硝酸亜鉛である。二価のアニオンで一価のアニオンを置き換えると、これらは水亜鉛土にも関連する。これらの物質はまた、組成物中にその場で、又は製造プロセスにおいて生成させることもできる。
【0128】
亜鉛含有層状材料及びピリチオン又はピリチオンの多価金属塩を有する実施形態では、亜鉛含有層状材料対ピリチオン又はピリチオンの多価金属塩の比は、約5:100〜約10:1、又は約2:10〜約5:1、又は約1:2〜約3:1である。
【0129】
頭皮上への抗ふけ活性物質の付着は、少なくとも約1マイクログラム/cm
2である。抗ふけ活性物質が頭皮に到達してそこで確実に作用を発揮できるようにすることを考慮すれば、頭皮上への抗ふけ活性物質の付着は重要である。或る実施形態において、頭皮上への抗ふけ活性物質の付着は少なくとも約1.5マイクログラム/cm
2、又は少なくとも約2.5マイクログラム/cm
2、又は少なくとも約3マイクログラム/cm
2、又は少なくとも約4マイクログラム/cm
2、又は少なくとも6マイクログラム/cm
2、又は少なくとも約7マイクログラム/cm
2、又は少なくとも約8マイクログラム/cm
2、又は少なくとも約9マイクログラム/cm
2、又は少なくとも約10マイクログラム/cm
2である。頭皮上への抗ふけ活性物質の付着は、熟練の美容師が従来の洗浄プロトコールに従い、個人の毛髪を抗ふけ活性物質含有の組成物(例えば、本発明による組成物)で洗浄することによって測定される。次いで、表面に開放端ガラスシリンダーを保持できるよう毛髪を頭皮の領域上に分けて、抽出溶液のアリコートを添加し撹拌した後、抗ふけ活性物質の内容物を回収し、HPLCのような従来の方法論に基づいて分析定量する。
【0130】
ヘアケア組成物の実施形態は、脂肪族アルコールゲル網状組織も含んでよいが、これは化粧用クリーム及びヘアコンディショナーにおいて長年使用されてきた。これらのゲル網状組織は、脂肪アルコール及び界面活性剤を約1:1〜約40:1(あるいは約2:1〜約20:1、あるいは約3:1〜約10:1)の割合で併せることにより形成される。ゲル網状組織の形成は、水中脂肪族アルコールを界面活性剤で分散させたものを脂肪族アルコールの融点を超える温度に加熱することを伴う。混合プロセス中、脂肪族アルコールが融解して、界面活性剤を脂肪族アルコールの液滴に分配させる。界面活性剤は、それと共に水を脂肪族アルコール中に運び込む。これは、等方性脂肪族アルコールの液滴を液晶相の液滴に変える。混合物が鎖溶融温度より下に冷却されると、液晶相は固体の結晶性ゲル網状組織に変換される。ゲル網状組織は、安定化効果を化粧用クリーム及びヘアコンディショナーにもたらす。加えて、コンディショニングされた手触りの効果をヘアコンディショナーに与える。
【0131】
したがって、一実施形態によれば、脂肪族アルコールは、約0.05重量%〜約14重量%の濃度で脂肪族アルコールゲル網状組織中に含まれる。例えば、脂肪族アルコールは、約1重量%〜約10重量%、あるいは約6重量%〜約8重量%の範囲の量で存在し得る。
【0132】
本明細書で有用な脂肪アルコールは、約10〜約40個の炭素原子、約12〜約22個の炭素原子、約16〜約22個の炭素原子、又は約16〜約18個の炭素原子を有するものである。これらの脂肪アルコールは、直鎖アルコールであっても分枝鎖アルコールであってもよく、飽和であっても不飽和であってもよい。脂肪アルコールの非限定的な例としては、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、及びこれらの混合物が挙げられる。約20:80〜約80:20の比のセチルアルコールとステアリルアルコールとの混合物が好適である。
【0133】
ゲル網状組織の調製:容器を水で満たし、その水を約74℃まで加熱する。セチルアルコール、ステアリルアルコール、及びSLES界面活性剤を、加熱された水に加える。併せた後、得られた混合物を熱交換器に通し、そこでその混合物を約35℃まで冷却する。冷却すると、脂肪アルコール及び界面活性剤が結晶化して、結晶性ゲル網状組織を形成する。表1に、ゲル網状組織組成物の成分及び各成分の量を示す。
【0135】
試験方法
本出願の「試験方法」の項で開示される試験方法は、本出願人らの発明が本明細書に記載され及び特許請求されているように、本出願人らの発明のパラメータの各値を求めるために使用されるべきであると理解される。
【0136】
A.ウェット&ドライコンディショニング試験方法
本試験方法は、濡れた状態での櫛通り性及び乾燥した状態での櫛通り性の両方について、コンディショニングシャンプーの基本性能についての主観的評価を許容するものである。表2に例示される対照トリートメントは、(1)界面活性剤のみを使用し、コンディショニング材料が存在しない浄化シャンプー、及び(2)中程度のヘアコンディショナーの塗布が続く、洗浄プロセスで使用されるのと同じクラリファイングシャンプーである。これらのトリートメントは、所定のプロトタイプコンディショニングシャンプーの性能を区別するのを助ける。典型的な試験3〜5では、別個の製剤を、それらの性能に関して評価することができる。基材は、均一でありかつ重大な表面損傷又は低リフトの漂白剤で損傷した毛髪がないことを確実にするために、選抜される様々な供給源から得ることができる茶色の未処置の毛髪である。
【0138】
B.処理手順
4グラム、20.3cm(8インチ)長の房5つを、ヘアピースホルダー内にまとめ、40℃の中硬度(0.15〜1.7g/L(9〜10gpg))の水で操作して10秒間濡らして、確実に完全にかつ均一に濡らす。房を軽く脱液し、併せた房の長さだけ、ホルダーの2.54cm(1インチ)下から先端に向かって、乾燥した毛髪の1g当たり0.1グラムの製品濃度(0.1g/毛髪1g又は2g/毛髪20g)にて、製品を均一に適用する。より高濃度のプロトタイプの場合、用法濃度は毛髪1g当たり0.05gにまで減少させられる。房を併せたものは、通常消費者により行われる摩擦動作により30秒間泡立て、5.7L/分(1.5ガロン/分)で流れる40℃の水で、完全であることを確実にするために更に30秒間すすぐ(毛髪は操作されている)。この工程を繰り返す。コンディショナーによる対照のトリートメントを行うために、これは上述のシャンプーと同様の方法で塗布して、房を併せたもの全体に行き渡らせ、再び30秒間操作しながら完全にすすぐ。房を軽く脱液し、互いに分離し、それらが接触しないようにラックに吊して、目の粗い櫛でほぐす。
【0139】
C.格付け手順
経験を積んだ採点者を使用した湿潤くし通り性評価のため、房をラック上で5つに分離し、そのうち格付けセットに包含される各処理からの1つの房がある。各房について、2つのみの櫛通り性評価が実施される。格付け者は、櫛通りによって処理の比較をするように依頼されるが、消費者によって使用される典型的なものである目の細かいナイロン製の櫛を使い、0〜10までの目盛り上で、容易性/困難性を評価する。10個の別個の評価を収集し、結果を統計分析パッケージにより分析し、統計的有意性を得る。対照記録は、一定間隔で使用されて、低対照及び高対照が正規領域へと確実に分離される。処理間の違いの統計的有意性は、スタットグラフィックス・プラス(Statgraphics Plus)5.1を使用して決定する。全てのコンディショニングプロトタイプは、許容可能と見られるためには、浄化対照よりも2つ超LSDが上でなければならない。
【0140】
ドライコーミング評価のために、上記の房を温度及び湿度が制御された部屋(22℃/50% RH)に移し、一晩乾燥させる。それらは上記の通り、分けられたままであり、3種のアセスメントである、房中央での乾燥くし通り性の容易性、先端での乾燥くし通り性の容易性、及び先端感触の触覚評価を行うことによって、パネリストは乾燥コンディショニング性能を評価するようにリクエストされる。これらの比較のために、同じ10目盛りスケールが使用される。再言すると、各房セットの評価は2人のパネリストのみが行う。分離の差異に対する統計分析は、上記と同一の方法を用いて行う。
【実施例】
【0141】
以下の実施例は、本発明を例示する。例に挙げた組成物は、従来の配合及び混合技術により調製することできる。ヘアケア配合物分野の専門家の技術範囲内でのヘアケア組成物のその他の修正は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく行われ得ることが理解されよう。本明細書における部、百分率、及び比率は全て、特に指定しない限り重量基準である。或る成分は、供給元から希釈溶液として入手される場合がある。記載されている量は、別段の指定がない限り、活性物質の重量百分率を表す。
【0142】
以下の表3及び4における実施例は、本発明の実施形態に包含されるヘアケア組成物を示す。
【0143】
【表3】
【0144】
【表4】
【0145】
ウェット及びドライコンディショニング試験
低リフトの毛髪に上述の試験プロトコルを用いて、大豆オリゴマー、大豆オリゴマー及びシリコーン、並びにシリコーンのみの製剤のウェットコーミング及びドライコーミングの効果を同一の総活性物質で測定した。
【0146】
【表5】
【0147】
データが示すように、大豆オリゴマーは、湿潤状態及び乾燥状態の両方において目に見える効果、またシリコーンと相まってシリコーンだけのときよりも改善されたウェットコンディショニングを消費者に与える。
【0148】
ヘアケア組成物は、典型的なヘアケア製剤で提供され得る。それらは溶液、分散液、エマルション、粉末、タルク、カプセル化球体、スポンジャー(sponger)、固形剤形、発泡体、及びその他の送達機構の形態であり得る。本発明の実施形態の組成物は、ヘアトニック、リーブオンヘア製品、例えばトリートメント及びスタイリング製品、リンスオフヘア製品、例えばシャンプー、並びに毛髪に塗布可能である任意のその他の形態であり得る。
【0149】
一実施形態によると、ヘアケア組成物は、多孔質の溶解性固体構造体、例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2009/0232873号及び同第2010/0179083号開示されているものなどの形態で提供されてもよい。
【0150】
ヘアケア組成物は、一般に、組成物を製造する技術分野において既知であるもののような従来の方法によって調製される。このような方法は、通常、加熱、冷却、真空の適用などを用いて又は用いずに、成分を1つ以上の工程で混合して比較的均一な状態にするものである。組成物は、安定性(物理的安定性、化学的安定性、光安定性)、及び/又は活性物質の送達を最適化するように調製される。ヘアケア組成物は、単相若しくは単一製品中にあってもよく、又はヘアケア組成物は、別個の相若しくは別個の製品中にあってもよい。2つの製品が使用される場合、それらの製品はともに、同時に、又は順に使用されてもよい。順の使用は1つの生成物の使用直後のような短時間に行われてもよく、数時間又は数日の期間にかけて行われてもよい。
【0151】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に断らないかぎり、そのような寸法のそれぞれは、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40ミリメートル」として開示される寸法は、「約40ミリメートル」を意味するものである。
【0152】
任意の相互参照又は関連特許若しくは関連出願を包含する本明細書に引用される全ての文献は、明確に除外ないしは別の方法で限定されない限り、その全てを本明細書中に参照により組み込まれる。いかなる文献の引用も、それが本明細書において開示されているか若しくは「特許請求の範囲」に記載されているいずれかの発明に関する先行技術であることを認めるものではなく、あるいはそれが単独で又は他のいかなる参考文献(単数若しくは複数)とのいかなる組み合わせにおいても、かかる発明を教示する、提案する、又は開示することを認めるものではない。更に、本文書において、用語の任意の意味又は定義の範囲が、参考として組み込まれた文書中の同様の用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合には、本文書中で用語に割り当てられる意味又は定義に準拠するものとする。
【0153】
本発明の特定の実施形態が例示され記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を添付の特許請求の範囲で扱うものとする。