(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項2記載の経路情報提供システムにおいて、前記経路検索条件に、交通機関を利用する日付情報と、出発駅情報と、目的駅情報とが含まれ、当該経路検索条件を前記第1の入力装置により入力される
ことを特徴とする経路情報提供システム。
請求項3記載の経路情報提供システムにおいて、生成された交通機関での経路情報には、交通機関を利用する日付情報と、出発駅情報と、目的駅情報と、当該出発駅から当該目的駅までの移動時間と、交通機関利用費用とが少なくとも含まれ、前記生成された交通機関での経路情報が前記第1の表示装置により表示される
ことを特徴とする経路情報提供システム。
請求項2記載の経路情報提供システムにおいて、前記第2の記憶装置に格納されたDBを用いて乗換駅での降車位置から乗車位置への移動経路を、前記経路算出部が算出することを特徴とする経路情報提供システム。
請求項9記載の経路情報提供システムにおいて、前記第2の記憶装置に格納されたDBを用いて列車乗車確率算出部が、列車の1両当たりの最大乗車人員数と、車両に乗車済の乗車人員数と、駅での降車人員数と、駅での待ち人員である乗車予定人員数により列車に乗車できる確率を算出することを特徴とする経路情報提供システム。
請求項10記載の経路情報提供システムにおいて、前記乗車可能確率は、前記列車の1両当たりの最大乗車人員数を、前記車両に乗車済の乗車人員数から駅での降車人員数を減算し、当該減算した人員数に駅での待ち人員である乗車予定人員数を加算した人員数で除算して算出する
ことを特徴とする経路情報提供システム。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の説明では、「管理テーブル」等の表現にて各種情報を説明することがあるが、各種情報は、テーブル以外のデータ構造で表現されていてもよい。また、データ構造に依存しないことを示すために「管理テーブル」を「管理情報」と呼ぶことができる。
【0011】
また、「プログラム」を主語として処理を説明する場合がある。そのプログラムは、プロセッサ、例えば、MP(Micro Processor)やCPU(Central Processing Unit)によって実行されるもので、定められた処理をするものである。なお、プロセッサは、適宜に記憶資源(例えばメモリ)及び通信インターフェース装置(例えば、通信ポート)を用いながら処理を行うため、処理の主語がプロセッサとされてもよい。プロセッサは、CPUの他に専用ハードウェアを有していても良い。コンピュータプログラムは、プログラムソースから各コンピュータにインストールされても良い。プログラムソースは、例えば、プログラム配布サーバ又は記憶メディアなどで提供されるものであっても良い。
【0012】
また、各要素、例えば、コントローラは番号などで識別可能であるが、識別可能な情報であれば、各要素を名前など他種の識別情報が用いられても良い。本発明の図及び説明において同一部分には同一符号を付与しているが、本発明が本実施例に制限されることは無く、本発明の思想に合致するあらゆる応用例が本発明の技術的範囲に含まれる。また、特に限定しない限り、各構成要素は複数でも単数でも構わない。
【実施例1】
【0013】
<全体システム>
図1は、経路情報提供システムの構成を示す図である。経路情報提供システム6は、路線運行実績管理・運行時刻予測システム1、ダイヤ編成システム2、運行管理システム3、経路検索システム4から構成し、処理結果をユーザ5へ提供する。
【0014】
路線運行実績管理・運行時刻予測システム1は、ダイヤ編成システム2からの時刻情報と、運行管理システム3からの運行実績情報とから、未来の運行状況を予測した実績予想時刻を生成し、生成した情報を経路検索システム4へ提供するシステムである。ダイヤ編成システム2は、鉄道やバス等の移動体の時刻表を作成するシステムである。運行管理システム3は、鉄道やバス等の移動体の運行状況を監視するシステムである。経路検索システム4は、利用者から受け付けた経路検索条件で出発地から到着地までの交通機関情報を含む経路情報を生成するシステムである。
【0015】
<列車路線>
図2は、移動体を列車とした場合の路線を示す図である。本実施例では、図のように、3つの路線(α路線、β路線、γ路線)があり、各路線に複数の駅があるものとして説明する。
【0016】
α路線には、A駅、B駅、C駅、D駅、E駅がある。また、β路線には、X駅、C駅、Y駅、Z駅がある。同じく、γ路線には、F駅、D駅、Y駅、G駅がある。C駅でα路線とβ路線との乗換が可能である。また、D駅でα路線とγ路線との乗換が可能である。同じく、Y駅でβ路線とγ路線との乗換が可能である。乗換方法については、
図16ないし
図17で詳細に説明する。
【0017】
<路線運行実績管理・運行時刻予測システム>
図3は、路線運行実績管理・運行時刻予測システムの内部構成を示すブロック図である。路線運行実績管理・運行時刻予測システム1は、CPU10、入力部11、出力部12、表示部13、通信部14、主メモリ15、記憶装置18の要素から構成される。なお、ダイヤ編成システム2、運行管理システム3、経路検索システム4も路線運行実績管理・運行時刻予測システム1と同様の構成でもよいし、別な構成としてもよい。
【0018】
CPU10は、路線運行実績管理・運行時刻予測システム1全体を制御するプロセッサである。入力部11は、外部からの情報を受け付けるデバイスで、例えば、キーボードである。出力部12は、情報やデータを出力するデバイスで、例えば、スピーカやプリンタである。表示部13は、情報やデータを表示するデバイスで、例えば、液晶ディスプレイである。通信部14は、ネットワークを介し他の装置(ダイヤ編成システム2、運行管理システム3、経路検索システム4など)とを接続するデバイスである。
【0019】
主メモリ15は、各種プログラム及び後述する各種データなどを一時的に記憶するデバイスである。記憶装置18は、各種プログラム及び後述する各種データなどを恒久的に記憶するデバイスで、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などである。以上の構成要素は内部バスで相互に接続される。
【0020】
また、主メモリ15には、列車関連の各種情報を取得する機能や算出する機能を有する機能部160と、バス関連の各種情報を取得する機能や算出する機能を有する機能部170を格納する。また、図示はしていないが航空機関連や船舶関連などの移動体の各種情報を取得する機能や算出する機能を有する機能部を格納することもできる。
【0021】
列車関連の機能部160は、路線標準時刻取得部161、路線運行情報取得部162、運行実績予想時刻算出部163、運行実績予想時刻出力部164、所要時間出力部1641、運賃実績出力部1642、列車乗車位置算出部165、乗換経路算出部166、乗換時間算出部167、列車乗車確率算出部168、目的駅到着時刻・確率算出部169を備える。
【0022】
路線標準時刻取得部161は、ダイヤ編成システム2から各路線の標準時刻情報を取得する機能部で、取得した標準時刻情報を後述のダイヤDB184に格納する。路線運行情報取得部162は、運行管理システム3からの運行実績情報を取得する機能部で列車運行状況DB185に取得した運行実績情報を格納する。運行実績予想時刻算出部163は、前述の運行実績情報から運行実績予想時刻を算出する機能部である。運行実績予想時刻出力部164は、算出された運行実績予想時刻を経路検索システム4に送信したり、列車運行状況DB185に格納したりするための機能部である。所要時間出力部1641は、経路検索システム4から取得した経路情報での各駅間及び全体の所要時間を後述の過去列車運行実績DB1891や過去バス運行実績DB195等に基づいて算出し、経路検索システム4に出力する機能部である。運賃実績出力部1642は、経路検索システム4から取得した経路情報での各駅間及び全体の運賃または料金を、後述の運賃・料金実績DB1892に基づいて算出し、経路検索システム4に出力する機能部である。
【0023】
列車乗車位置算出部165は、後述の駅DB182、乗換DB183、列車運行状況DB185、駅ホーム状況DB186、列車内状況DB187、改札口の入退場DB188における各種情報、例えば、各車両の乗車人員、ホームでの移動人員・列車待ち人員、改札口の入場退場人員などの人員情報と、改札口位置や移動経路などの駅構造といった情報により、列車で乗車に適切な車両位置を算出する機能部である。
【0024】
乗換経路算出部166は、後述の駅DB182、乗換DB183、列車運行状況DB185、駅ホーム状況DB186、列車内状況DB187、改札口の入退場DB188における各種情報により、乗換駅での適切な乗換経路(移動経路)を算出する機能部である。
【0025】
乗換時間算出部167は、駅DB182、乗換DB183、列車運行状況DB185、駅ホーム状況DB186、列車内状況DB187、改札口の入退場DB188における各種情報により乗換駅での適切な乗換経路(移動経路)の候補毎の移動時間を算出する機能部である。
【0026】
列車乗車確率算出部168は、駅DB182、乗換DB183、列車運行状況DB185、駅ホーム状況DB186、列車内状況DB187、改札口の入退場DB188における各種情報により列車へ乗車できる確率を算出する機能部である。
【0027】
目的駅到着時刻・確率算出部169は、列車路線DB181、駅DB182、乗換DB183、ダイヤDB184、列車運行状況DB185、駅ホーム状況DB186、列車内状況DB187、改札口の入退場DB188における各種情報により、目的駅への到着時刻候補と到着時刻候補毎の到着確率を算出する機能部である。
【0028】
また、記憶装置18には、各種情報(テーブル)がDB(データベース)として格納される。列車路線DB181には、列車の路線情報が格納される。すなわち、
図2に示すような路線毎の駅情報等が格納される。駅DB182には、接続駅情報と接続駅間の走行時間を格納するが、駅構内の情報、例えば、列車到着番線、駅構造(改札口位置、地下・地上出入口等)などの情報を加えて格納してもよい。乗換DB183には、乗換時間や乗換経路などを示す情報が格納されるが、駅構内の情報、例えば、列車到着番線、駅構造(改札口位置、地下・地上出入口等)などの情報を加えて格納してもよい。
【0029】
ダイヤDB184には、ダイヤ編成システム2から路線標準時刻取得部161が取得した標準時刻情報が格納される。列車運行状況DB185には、運行管理システム3から路線運行情報取得部162が取得した列車運行実績情報が格納される。駅ホーム状況DB186には、駅のホームの状況、移動人員や列車待ち人員など、ホームの状況情報がホーム毎に格納される。列車内状況DB187には、列車の各車両における乗客数や混雑度の情報が格納される。改札口の入退場DB188には、改札口から駅構内に入場した人数や駅構外に退場した人数の情報の他に、入退場した駅情報も格納される。過去列車運行実績DB1891には、過去の列車の運行実績、つまり、発生した遅延等の運行状況を含む運行実績情報を格納する。
【0030】
バス路線DB191には、バス系統毎の路線情報が格納される。バス停DB192には、バス系統毎のバス停情報(位置情報、表示時刻情報など)等が格納される。バス停状況DB193には、各バス停での待ち人員や乗降客数の情報が格納される。バス内状況DB194には、運行中や発車待ちのバスに乗っている乗客数の情報が格納される。過去バス運行実績DB195には、過去のバスの運行実績、つまり、発生した遅延等の運行状況を含む運行実績情報を格納する。運賃・料金実績DB1892には、過去及び現在の各駅間の運賃(乗車券などの運賃)及び料金(特急料金、指定席料金、グリーン乗車料金等)の情報が、運賃・料金改定、消費税導入・税率変更などに応じて格納される。
【0031】
<標準時刻テーブル>
図4は、ダイヤDBの内容である標準時刻テーブルの構成例を示す図である。標準時刻テーブル41は、α路線の標準時刻表の情報を管理し、列車の便名を一意に識別する便IDと各駅における発車時刻の情報を有する。同じく、標準時刻テーブル42は、β路線の標準時刻表の情報を管理し、列車の便名を一意に識別する便IDと各駅における発車時刻の情報を有する。同じく、標準時刻テーブル43は、γ路線の標準時刻表の情報を管理し、列車の便名を一意に識別する便IDと各駅における発車時刻の情報を有する。
【0032】
<運行状況テーブル>
図5aは、列車運行状況DBの内容である運行状況テーブルの構成例を示す図である。運行状況テーブル51は、α路線の実際の運行状況を管理し、列車の便名を一意に識別する便IDと各駅における発車遅れ時間の情報を格納する。同じく、運行状況テーブル52は、β路線の実際の運行状況を管理し、列車の便名を一意に識別する便IDと各駅における発車遅れ時間の情報を格納する。同じく、運行状況テーブル53は、γ路線の実際の運行状況を管理し、列車の便名を一意に識別する便IDと各駅における発車遅れ時間の情報を格納する。括弧無しで表記した秒数が実際の遅れ時間であり、括弧有りで表記した秒数は、実際の遅れ時間から予測した遅れ時間である。例えば、α線で便IDが“0001”はA駅で80秒実際に遅れ、D駅では90秒の遅れが発生されると予測される。
【0033】
<過去運行実績テーブル1>
図5bは、過去列車運行実績DBの内容である過去運行実績テーブル(単日)の構成例を示す図である。過去運行実績テーブル(単日)54、54a、54b・・・は、1日毎のα路線の運行実績を管理し、列車の便名を一意に識別する便IDと各駅における遅れ時間の実績情報を過去列車運行実績DB1891に格納する。同じく、過去運行実績テーブル(単日)55、55a、55b・・・は、1日毎のβ路線の運行実績を管理し、列車の便名を一意に識別する便IDと各駅における遅れ時間の実績情報を過去列車運行実績DB1891に格納する。同じく、過去運行実績テーブル(単日)56、56a、56b・・・は、1日毎のγ路線の運行実績を管理し、列車の便名を一意に識別する便IDと各駅における遅れ時間の実績情報を過去列車運行実績DB1891に格納する。
【0034】
<過去運行実績テーブル2>
図5cは、過去列車運行実績DBの内容である過去運行実績テーブル(期間平均)の構成例を示す図である。過去運行実績テーブル(期間平均)57、57a、57b・・・は、所定期間毎のα路線の運行実績を管理し、列車の便名を一意に識別する便IDと各駅における遅れ時間の実績情報を過去列車運行実績DB1891に格納する。同じく、過去運行実績テーブル(期間平均)58、58a、58b・・・は、所定期間毎のβ路線の運行実績を管理し、列車の便名を一意に識別する便IDと各駅における遅れ時間の実績情報を過去列車運行実績DB1891に格納する。同じく、過去運行実績テーブル(期間平均)59、59a、59b・・・は、所定期間毎のγ路線の運行実績を管理し、列車の便名を一意に識別する便IDと各駅における遅れ時間の実績情報を過去列車運行実績DB1891に格納する。なお、
図5cでは所定期間の運行実績(期間平均)としているが、週単位、月単位、四半期単位での平均で、過去運行実績テーブルを作成してもよいし、単純平均ではなく移動平均や重み付け平均としてもよい。そうすることで、新年度開始直後、学校の長期休暇明け、期末、お盆・年末年始等により電車の混み具合が異なるという状況に対して、経路検索において精度の高い結果を検索者に提示することが可能となる。
【0035】
<運行実績/予測時刻テーブル>
図6は、列車運行状況DBの内容である運行実績・予測時刻テーブルの構成例を示す図である。α路線の運行実績・予測時刻テーブル61は、標準時刻テーブル41の時刻情報と運行状況テーブル51の遅延時間情報とから生成されるテーブルである。同じく、β路線の運行実績・予測時刻テーブル62も、標準時刻テーブル42の時刻情報と運行状況テーブル52の遅延時間情報とから生成されるテーブルである。同じく、γ路線の運行実績・予測時刻テーブル63も、標準時刻テーブル43の時刻情報と運行状況テーブル53の遅延時間情報とから生成されるテーブルである。運行実績・予測時刻テーブル61/62/63は、列車の便名を一意に識別する便IDと各駅における発車時刻の実績情報及び予想情報(表中で括弧で表記した値)を格納する。
【0036】
<路線運行実績予測時刻生成処理>
図7は、路線運行実績予測時刻生成処理を示すフローチャート図である。本例では処理の主体を路線運行実績管理・運行時刻予測システム1のCPU10とするが、主体はCPU10上で動作する制御プログラムでも、路線運行実績管理・運行時刻予測システム1自体でもよい。また、本例では、CPU10はα路線のA駅を出発しβ路線のY駅に到着する経路を探索するものとする。
【0037】
S701で、路線運行実績管理・運行時刻予測システム1のCPU10は、経路検索システム4で受け付けたユーザ経路検索条件(α路線のA駅からβ路線のY駅まので経路)を取得する。そこで、S702で、CPU10は、ダイヤ編成システム2からα路線標準時刻情報を取得する。同じく、S703で、CPU10は、ダイヤ編成システム2からβ路線標準時刻情報を取得する。
【0038】
S704で、CPU10は、運行管理システム3からα路線運行情報を取得する。S705で、CPU10は、運行管理システム3からβ路線運行情報を取得する。S706で、CPU10は、α路線に遅延が有るかを判断する。遅延が有る場合(Yes)、CPU10はS708を、無い場合(No)はS707を実行する。
【0039】
S707で、CPU10は、α路線実績予測時刻情報にα路線標準時刻情報を設定する。S708で、CPU10は、α路線実績予測時刻情報にα路線標準時刻情報とα路線運行情報とで算出した結果を設定する。S709で、CPU10は、β路線に遅延が有るかを判断する。遅延が有る場合(Yes)、CPU10はS711を、無い場合(No)はS710を実行する。
【0040】
S710で、CPU10は、β路線実績予測時刻情報にβ路線標準時刻情報を設定する。S711で、CPU10は、β路線実績予測時刻情報にβ路線標準時刻情報とβ路線運行情報とで算出した結果を設定する。S712で、CPU10は、α路線実績予測時刻情報とβ路線実績予測時刻情報を経路検索システム4に送信する。
【0041】
経路検索システム4では、利用者からの検索条件に合致した経路検索結果を表示部に表示する。そのイメージを
図8に示す。
【0042】
<経路検索結果の表示イメージ1>
図8は、第1の経路検索結果の表示イメージを示す図である。
図8(1)が従来の表示イメージ81で、
図8(2)が本例での表示イメージ82である。
図8(1)に示す従来の表示イメージ81では、遅延が発生しても標準時刻での検索結果を表示する。つまり、経路検索システム4は、Y駅への到着時刻が6:27:00であると利用者に通知してしまう。実際には、図のα路線の運行状況テーブル51に示すように、α路線の列車0001便(便ID:“0001”)のA駅出発が1分20秒(80秒)遅れたため、乗換C駅には6:24:00に到着するため、β路線の列車1231便(便ID:“0001”、出発時刻6:28:00)に乗り遅れてしまい、次の列車1231便(便ID:“0001”、出発時刻6:28:00)に乗車するしかなくなる。そのため、Y駅への到着時刻は6:27:00ではなく6:32:00となる。
【0043】
そこで、本発明では、経路検索システム4が、ダイヤ編成システム2からの標準時刻情報及び運行管理システム3からの列車運行状況情報により、利用者からの検索条件に合致した経路検索結果を算出する。その結果を
図8(2)のように利用者へ表示して通知する。すなわち、「列車0001便は、走行中の異音発生原因確認のため、1分以上遅れております。そのため、Y駅到着は通常6:27:00のところ、6:32:00となる予定です。」という列車遅延情報と到着予想時刻情報を文言で表示するとともに、各駅での出発時刻及び到着時刻を表形式で経路検索結果を表示して案内を行う。表形式の表示内容では、C駅での乗換列車を当初の「β路線1231便」から「β路線1232便」に変更されたことも合わせて案内する。
【0044】
このようにすることで、現在の運行状況を考慮した経路検索が可能になり、交通機関利用者の利便性が向上する。
【実施例2】
【0045】
<路線テーブル>
図9は、列車路線DB181の内容である路線テーブルの構成例を示す図である。路線テーブル90は、各路線情報を格納するものである。路線テーブル90は、路線名、各路線で停車する駅名、総走行時間、接続可能路線名(乗換駅名)から構成され、
図2に示した情報が格納される。
【0046】
<駅テーブル>
図10は、駅DB182の内容である駅テーブルの構成例を示す図である。駅テーブル100/101/102は、接続駅情報と接続駅間の走行時間を格納する。駅テーブル100/101/102は、駅名、接続駅名1(進行方向に対し後続駅名)、走行時間1、接続駅名2(進行方向の接続駅名)、走行時間2から構成される。なお、駅テーブル100/101/102に加えて、駅構内の情報(列車到着番線、駅構造(改札口位置、地下・地上出入口等))などの情報を格納してもよい。
【0047】
<乗換テーブル>
図11は、乗換DB183の内容である乗換テーブルの構成例を示す図である。乗換テーブル110/111/112は、乗換駅での乗換時間(標準、最短、最長)を管理するためのテーブルである。この乗換テーブル110/111/112に加えて、駅構内の情報(列車到着番線、駅構造(改札口位置、地下・地上出入口等))を格納してもよい。
【0048】
<列車内状況テーブル>
図12は、列車内状況DB187の内容である列車内状況テーブルの構成例を示す図である。列車内状況テーブル120/121/122は、列車の各車両における乗客数や混雑度の情報が格納される。
【0049】
<駅ホーム状況テーブル>
図13は、駅ホーム状況DB186の内容である駅ホーム状況テーブルの構成例を示す図である。駅ホーム状況テーブル130には、駅のホーム状況、移動人員や列車待ち人員などホームの状況がホーム毎ないし監視カメラ(
図16の符号1531)の設置ポイント毎に取得され、その結果が格納される。
【0050】
<列車乗換情報提供処理>
図14は、列車乗換情報提供処理を示すフローチャート図である。
【0051】
S801で、路線運行実績管理・運行時刻予測システム1のCPU10は、経路検索システム4で受け付けたユーザ経路検索条件を取得する。S802で、CPU10は、ダイヤ編成システム2からα路線標準時刻情報を取得する。S803で、CPU10は、ダイヤ編成システム2からβ路線標準時刻情報を取得する。
【0052】
S804で、CPU10は、運行管理システム3からα路線運行情報を取得する。S805で、CPU10は、運行管理システム3からβ路線運行情報を取得する。S806で、CPU10は、運行管理システム3からA駅情報を取得する。S807で、CPU10は、取得したα路線標準時刻情報、 α路線運行情報、A駅情報から所定の列車での適切な乗車位置(p1)及び乗車確率(e1)を算出する。例えば、所定の列車での適切な乗車位置(p1)は、列車内状況テーブル120/121/122における乗車人員情報と、乗換駅での駅ホーム状況テーブル130での移動人員及び列車待ち人員の情報から、乗車し易く乗換時間が短くなるような車両番号を特定する。また、同様に乗車できる乗車確率(e1)も列車内状況テーブル120/121/122と駅ホーム状況テーブル130で算出する。例えば、乗車確率(e1)は、Min(100%、1車両当たりの乗車定員/(車内乗車人員―降車人員+乗車人員(列車待ち人員))という数式1で算出される。また、適切な乗車位置(p1)も乗車確率(e1)が100%に近い位置を選択する。
【0053】
S808で、CPU10は、運行管理システム3から乗換駅であるC駅情報を取得する。S809で、CPU10は、取得したβ路線標準時刻情報、β路線運行情報、C駅情報から適切な移動経路(m1)及び乗車確率(e2)を算出する。例えば、移動経路(m1)は、平均移動時間×現時点移動人員/平均移動人員という数式2で算出される値が最小となる経路を選択する。また、乗車確率(e2)は数式1を数式2で補正(移動時間が長くなると確率が下がる、逆に移動時間が短くなると上がるよう)した値を用いる。S810で、CPU10は、算出した結果から、出発駅A駅からC駅経由での目的駅Y駅への適切な移動経路(m2)、所要時間(t1)及び到着確率(a1)を算出する。例えば、移動経路(m2)は移動経路(m1)を用いる。所要時間(t1)は、電車での移動時間、乗換駅での移動時間、列車待ち時間の合計を算出する。なお、列車待ち時間は、乗車確率(e2)により、乗車できる電車の時刻で変動する。到着確率(a1)は、乗車確率(e2)を用いる。適切な移動経路(m2)、所要時間(t1)及び到着確率(a1)は、列車内状況テーブル120/121/122(列車内状況DB187)における乗車人員情報、乗換駅での駅ホーム状況テーブル130(駅ホーム状況DB186)での移動人員及び列車待ち人員の情報、α路線標準時刻情報、 α路線運行情報、β路線標準時刻情報、β路線運行情報から算出する。
【0054】
S811で、CPU10は、ダイヤ編成システム2からγ路線標準時刻情報を取得する。S812で、CPU10は、運行管理システム3からγ路線運行情報を取得する。S813で、CPU10は、取得結果から、出発駅A駅からD駅経由で目的駅Y駅への適切な移動経路(m3)所要時間(t2)及び到着確率(a2)を算出する。移動経路(m3)所要時間(t2)及び到着確率(a2)も、前述の移動経路(m2)、所要時間(t1)及び到着確率(a1)と同様に算出する。適切な移動経路(m3)、所要時間(t2)及び到着確率(a2)は、列車内状況テーブル120/121/122における乗車人員情報、乗換駅での駅ホーム状況テーブル130での移動人員及び列車待ち人員の情報、α路線標準時刻情報、α路線運行情報、β路線標準時刻情報、β路線運行情報、γ路線標準時刻情報、γ路線運行情報から算出する。S814で、CPU10は、取得結果及び算出結果を経路検索システム4に送信する。
【0055】
以上の処理の結果が、
図15から
図17に示す第2の表示イメージから第4の表示イメージである。
【0056】
<経路検索結果の表示イメージ2>
図15は、第2の経路検索結果の表示イメージを示す図である。
図15(1)の乗車位置指定1では、「B駅情報(現在駅)」として、「列車0001便は、走行中の異音発生原因確認のため、3分遅れており、大変混雑しております。階段付近の5号車、6号車には乗り込めない可能性は極大(90%以上)です。1号車、2号車は比較的空いており、乗車可能性大(80%以上)です。」という案内で乗車位置を示し、乗車率の向上と混雑度の平準化ができる。
【0057】
図15(2)の乗車位置指定2では、「Y駅情報(降車駅)」として、「列車0001便は、走行中の異音発生原因確認のため、3分以上遅れており大変混雑しております。Y駅への到着予想時刻は6:32:00(30%)から6:37:00(70%)です。」という予想到着時刻を案内し、「6:32:00に到着するため、列車0001便の1−2号車ないし7−8号車に乗って、C駅で経路1ないし経路3で乗り換えてください。そうすることで、6:32:00に到着できる確率が30%から70%に向上します。」というように文字表示すると共に、列車の乗車位置を図形で表示することで、経路検索システム4の利用者に通知する。
【0058】
<経路検索結果の表示イメージ3>
図16は、第3の経路検索結果の表示イメージを示す図である。
図16の「C駅情報(乗換駅情報)」では、「列車0001便は、走行中の異音発生原因確認のため、3分遅れており、大変混雑しております。β線への乗換は、経路1、経路2、経路3の3つの経路があります。通常、経路2が最短距離で一番早く(3分以内)乗換できますが、遅延による混雑で一番時間(7分以上)が必要です。そのため、列車1232に乗れません。遠回り(迂回経路)ですが経路1ないし経路3であれば、70%の確率で乗換が可能です。」というように、遅延原因・乗換経路候補・乗換予想時間・乗換可能確率等を文字表示すると共に、適切な列車の乗車位置と適切な乗換経路を図形で表示することで、経路検索システム4の利用者に通知する。
【0059】
<経路検索結果の表示イメージ4>
図17は、第4の経路検索結果の表示イメージを示す図である。
図17の「D駅情報(推奨乗換駅情報)」では、「列車0001便は、走行中の異音発生原因確認のため、3分遅れており、大変混雑しております。時間に余裕があれば、C駅でのβ線への乗換でなく、D駅でのγ線への乗換を推奨します。Y駅におけるβ線への乗換は、経路1、経路2、経路3の3つの経路があります。通常、経路2が最短距離で一番早く(3分以内)乗換できますが、遅延による混雑で一番時間(7分以上)が必要です。そのため、列車1232に乗れません。遠回り(迂回経路で移動距離は長くなる)ですが経路1ないし経路3であれば、70%の確率で乗換が可能です。」というように、遅延原因・乗換経路候補・乗換予想時間・乗換可能確率等を文字表示すると共に、適切な列車の乗車位置と適切な乗換経路を図形で表示することで、経路検索システム4の利用者に通知する。
【0060】
このようにすることで、現在の運行状況を考慮した経路検索が可能になり、交通機関利用者の利便性が向上する。また、混雑状況や適切な路線の迂回経路、列車乗り換え時の適切な移動経路等を利用者に提供できため、利用者の選択肢が広がり更なる利用者での利便性が向上する。更に、交通機関提供会社にとっても各駅ないし各列車での混雑を緩和することができ、また、混雑緩和により駅や列車内での事故発生を低減できるという効果がある。
【実施例3】
【0061】
<経路検索システムの内部構成>
図18は、経路検索システムの内部構成を示すブロック図である。経路検索システム4は、CPU20、入力部21、出力部22、表示部23、通信部24、主メモリ25、記憶装置28の要素から構成される。
【0062】
CPU20は、経路検索システム4全体を制御するプロセッサである。入力部21は、外部からの情報を受け付けるデバイスで、例えば、キーボードである。出力部22は、情報やデータを出力するデバイスで、例えば、スピーカやプリンタである。表示部23は、情報やデータを表示するデバイスで、例えば、液晶ディスプレイである。通信部24は、ネットワークを介しと他の装置(ダイヤ編成システム2、運行管理システム3、経路検索システム4など)とを接続するデバイスである。
【0063】
主メモリ25は、各種プログラム及び後述する各種データなどを一時的に記憶するデバイスである。記憶装置28は、各種プログラム及び後述する各種データなどを恒久的に記憶するデバイスで、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などである。以上の構成要素は内部バスで相互に接続される。
【0064】
また、主メモリ25には、列車関連の各種情報を取得する機能や算出する機能を有する機能部260と、バス関連の各種情報を取得する機能や算出する機能を有する機能部270を格納する。また、図示はしていないが航空機関連や船舶関連などの移動体の各種情報を取得する機能や算出する機能を有する機能部を格納することもできる。
【0065】
列車関連の機能部260は、過去運行実績取得部261、過去運賃実績取得部262、精算経路算出部263、申請経路算出部264、精算経路入出力部265、申請経路入出力部266を備える。
【0066】
過去運行実績取得部261は、路線運行実績管理・運行時刻予測システム1のダイヤDB184に格納されている各路線の標準時刻情報(過去及び現在)と、過去列車運行実績DB1891に格納されている運行実績情報(過去)を取得する。そして、過去運行実績取得部261は、取得した過去の各路線の標準時刻情報を過去列車運行標準時刻DB285に、現在の各路線の標準時刻情報を現行列車運行標準時刻DB284に、過去の各路線の運行実績情報を過去列車運行実績DB283に格納する。
【0067】
過去運賃実績取得部262は、路線運行実績管理・運行時刻予測システム1の運賃・料金実績DB1892に格納されている各路線の運賃及び料金(過去及び現在)を取得する機能部である。
【0068】
精算経路算出部263は、精算経路入出力部265が入力部21から取得した出張日時、出発駅、目的駅などの情報に基づいて、経路、所要時間、運賃・料金を算出する機能部である。
【0069】
申請経路算出部264は、申請経路入出力部266が入力部21から取得した出張日時や定期券使用開始日、定期券期間、出発駅、目的駅などの情報に基づいて、経路、所要時間、運賃・料金を算出する機能部である。
【0070】
精算経路入出力部265は、出張時の旅費精算を行う場合、入力部21から出張日時、出発駅、目的駅などの情報を取得し、精算経路算出部263で算出された経路、所要時間、運賃・料金を表示部23に表示させる機能部である。
【0071】
申請経路入出力部266は、出張または通勤定期代(通勤手当)の申請を行う場合、入力部21から出張日時や定期券使用開始日、定期券期間、出発駅、目的駅などの情報を取得し、申請経路算出部264で算出された経路、所要時間、運賃・料金を表示部23に表示させる機能部である。なお、上述の所要時間や運賃・料金の算出は、路線運行実績管理・運行時刻予測システム1の所要時間出力部1641や運賃実績出力部1642で算出し、その算出結果を経路検索システム4が取得してもよい。
【0072】
また、記憶装置28には、旅費精算実績DB281、通勤手当申請実績DB282、過去列車運行実績DB283、現行列車運行標準時刻DB284、過去列車運行標準時刻DB285が格納される。
【0073】
旅費精算実績DB281には、出張時の旅費を精算した結果(実績)の情報(出張日時、出発駅、目的駅、所要時間、運賃・料金など)を格納する。通勤手当申請実績DB282には、通勤手当の申請した結果(実績)の情報(申請日、定期券開始日、使用期間、定期代、区間など)を格納する。
【0074】
過去列車運行実績DB283には、前述のように、路線運行実績管理・運行時刻予測システム1から取得した過去の各路線の運行実績情報を格納する。
【0075】
現行列車運行標準時刻DB284には、前述のように、路線運行実績管理・運行時刻予測システム1から取得した現在の各路線の標準時刻情報を格納する。
【0076】
過去列車運行標準時刻DB285には、前述のように、路線運行実績管理・運行時刻予測システム1から取得した過去の各路線の標準時刻情報を格納する。
【0077】
<経路検索システムの内部構成>
図19は、運賃・料金実績DBの内容である運賃・料金テーブルの構成例を示す図である。運賃・料金テーブル18921は、α線の各駅間の運賃を管理するテーブルである。テーブルの上段に下線付きで記載された金額が、現金のチャージ機能付きのICカードを使用した時のIC運賃で、下段が現金で切符を購入する場合の運賃である。β線の運賃・料金テーブル18922、γ線の運賃・料金テーブル18923もα線の運賃・料金テーブル18921と同様である。この運賃・料金テーブル18921/18922/18923が、路線運行実績管理・運行時刻予測システム1の運賃・料金実績DB1892に格納されるが、経路検索システム4で情報を取得し、経路検索システム4の記憶装置28に格納してもよい。
【0078】
<表示イメージ1(出張予定の申請画面)>
図20は、出張予定の申請画面の表示イメージを示す図である。出張予定の申請画面2000は、交通機関を利用する日付情報である出張日(予定)の入力領域2001、往路(行き)の出発駅・目的駅・出発予定時刻の入力領域20021、復路(帰り)の出発駅・目的駅・出発予定時刻の入力領域20022、現金運賃かIC運賃かをラジオボタンで選択する運賃種別選択領域20023、入力情報及び選択情報の受付を実行する実行ボタン20031、入力情報及び選択情報の内容を消去するキャンセルボタン20032がある。
【0079】
所定の情報を入力(入力領域2001、入力領域20021、入力領域20022)及び選択(運賃種別選択領域20023)した後、実行ボタン20031を押下することで、経路検索結果が表示領域2004に表示される。つまり、往路(行き)及び復路(帰り)それぞれに経路の候補が2つ示され、それぞれの候補に経路(駅の順番)情報、時刻情報、所要時間・待ち時間情報、鉄道運賃情報等の情報と候補選定理由が表示領域2004に表示される。
【0080】
ユーザ(申請者)は、往路/行き経路選定領域2005のラジオボタンで、表示領域2004に提示された往路/行きの候補(1a)または候補(1b)を選択する。同じく、ユーザ(申請者)は、復路/帰り経路選定領域2006のラジオボタンで、表示領域2004に提示された復路/帰りの候補(2a)または候補(2b)を選択する。そして、決定ボタン20061を押下することで、入力情報及び選択情報が経路検索システム4に受け付けられる。申請内容をクリアする場合にはキャンセルボタン20062を押下すればよい。これらの入力、算出、表示の機能は、経路検索システム4の機能部である過去運行実績取得部261、過去運賃実績取得部262、精算経路算出部263、申請経路算出部264、精算経路入出力部265、申請経路入出力部266が連携して実行される。
【0081】
<表示イメージ2(出張の旅費精算画面)>
図21は、出張の旅費精算画面の表示イメージを示す図である。出張の旅費精算画面2100は、交通機関を利用した日付情報である出張日(実績)の入力領域2101、往路(行き)の出発駅・目的駅・出発時刻の入力領域21021、復路(帰り)の出発駅・目的駅・出発時刻の入力領域21022、現金運賃かIC運賃かをラジオボタンで選択する運賃種別選択領域21023、入力情報及び選択情報の受付を実行する実行ボタン21031、入力情報及び選択情報の内容を消去するキャンセルボタン21032がある。
【0082】
所定の情報を入力(入力領域2101、入力領域21021、入力領域21022)及び選択(運賃種別選択領域21023)した後、実行ボタン21031を押下することで、経路検索結果が表示領域2104に表示される。つまり、往路(行き)及び復路(帰り)それぞれに経路の候補が2つ示され、それぞれの候補に経路(駅の順番)情報、時刻情報、所要時間・待ち時間情報、鉄道運賃情報等の情報と候補選定理由が表示領域2104に表示される。
【0083】
ユーザ(申請者)は、往路/行き経路選定領域2105のラジオボタンで、表示領域2104に提示された往路/行きの候補(1a)または候補(1b)を選択する。同じく、ユーザ(申請者)は、復路/帰り経路選定領域2106のラジオボタンで、表示領域2104に提示された復路/帰りの候補(2a)または候補(2b)を選択する。そして、決定ボタン21061を押下することで、入力情報及び選択情報が経路検索システム4に受け付けられる。申請内容をクリアする場合にはキャンセルボタン21062を押下すればよい。これらの入力、算出、表示の機能は、経路検索システム4の機能部である過去運行実績取得部261、過去運賃実績取得部262、精算経路算出部263、申請経路算出部264、精算経路入出力部265、申請経路入出力部266が連携して実行される。
【0084】
<表示イメージ3(通勤定期の申請画面)>
図22は、通勤定期の申請画面の表示イメージを示す図である。通勤定期の申請画面2200は、交通機関を利用する日付情報である通勤定期の開始日と利用期間(1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月)の入力領域2201、経路(利用駅間)・出勤時間帯・帰宅時間帯の入力領域2202、入力情報の受付を実行する実行ボタン22031、入力情報の内容を消去するキャンセルボタン22032がある。
【0085】
所定の情報を入力(入力領域2201、入力領域2202)した後、実行ボタン22031を押下することで、経路検索結果が表示領域2204に表示される。つまり、経路の候補が2つ示され、それぞれの候補に経路(駅の順番)情報、時刻情報、所要時間・待ち時間情報、鉄道運賃情報等の情報と候補選定理由が表示領域2204に表示される。なお、入力領域2202の出勤時間帯・帰宅時間帯に、時刻を設定することも可能である。例えば、通勤時間帯に会社の始業時刻の少し前の時刻を到着時刻として指定し、帰宅時間帯に会社の終業時刻、または普段の退勤時刻の少し後の時刻を出発時刻として指定することで、より精度の高い検索結果を得られる。
【0086】
ユーザ(申請者)は、経路選定領域2205のラジオボタンで、表示領域2204に提示された経路候補(1a)または候補(1b)を選択する。そして、決定ボタン22061を押下することで、入力情報及び選択情報が経路検索システム4に受け付けられる。申請内容をクリアする場合にはキャンセルボタン22062を押下すればよい。これらの入力、算出、表示の機能は、経路検索システム4の機能部である過去運行実績取得部261、過去運賃実績取得部262、精算経路算出部263、申請経路算出部264、精算経路入出力部265、申請経路入出力部266が連携して実行される。
【0087】
<申請及び精算時の経路検索処理>
図23は、申請及び精算時の経路検索処理を示すフローチャート図である。処理の主体を経路検索システム4のCPU20とするが、経路検索システム4自体でもよい。また、経路検索システム4の機能部である過去運行実績取得部261、過去運賃実績取得部262、精算経路算出部263、申請経路算出部264、精算経路入出力部265、申請経路入出力部266が連携して実行されてもよい。
【0088】
S2301で、CPU20は、経路検索システム4の入力部21で受け付けたユーザ経路検索条件を取得する。
【0089】
S2302で、CPU20は、路線運行実績管理・予測時刻生成システム1からα路線標準時刻情報を取得する。S2303で、CPU20は、路線運行実績管理・予測時刻生成システム1からβ路線標準時刻情報を取得する。S2304で、CPU20は、路線運行実績管理・予測時刻生成システム1からγ路線標準時刻情報を取得する。
【0090】
S2305で、CPU20は、路線運行実績管理・予測時刻生成システム1からα路線運行実績情報(過去実績)を取得する。S2306で、CPU20は、路線運行実績管理・予測時刻生成システム1からβ路線実績情報(過去実績)を取得する。S2307で、CPU20は、路線運行実績管理・予測時刻生成システム1からγ路線実績情報(過去実績)を取得する。
【0091】
S2308で、CPU20は、路線運行実績管理・予測時刻生成システム1から運賃情報(現在・過去実績)を取得する。S2309で、CPU20は、ユーザ経路検索条件の出発駅と到着駅との情報から全ての経路(経路1〜経路n)を算出する。S2310で、CPU20は、S2309で算出した経路1での所要時間(推測または実績)及び運賃を算出する。
【0092】
S2311で、CPU20は、全ての経路で算出を完了したかを判断する。全ての経路で算出が完了していない場合(S2311:No)、CPU20はS2310を、完了している場合(S2311:Yes)はS2312を実行する。
【0093】
S2312で、CPU20は、算出して経路情報と対応する所要時間及び運賃を表示部23に表示させる。S2313で、CPU20は、ユーザによる選択結果の取得し、その結果を旅費精算実績DB281や通勤手当申請実績DB282に格納する。そして、CPU20は、経路検索処理を終了する。
【0094】
このように、実施例3でも、過去の列車運行実績情報や運賃情報を用いることで、適切な経路情報(経路、所要時間、運賃など)をユーザに提供できる。そのため、使い勝手が向上し、申請や精算に要する時間を短縮できる。
【0095】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。また、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0096】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置いてもよい。また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
過去の運行実績や運賃を加味した経路検索を行うことができる経路検索システムを提供する。そのために、経路情報提供システムは、鉄道やバス等の時刻表を作成するシステムであるダイヤ編成システムと、鉄道やバス等の運行状況を監視する運行管理システムと、ダイヤ編成システムからの時刻情報と運行管理システムからの運行情報から過去及び現在の運行実績情報を生成し、過去及び現在の運賃情報を管理する運行実績管理・運行時刻予測システムと、利用者から受け付けた経路検索条件で出発地から到着地までの交通機関情報を含む経路情報を生成する経路検索システムを備え、利用者から受け付けた経路検索条件により、過去に利用した交通機関での経路情報の候補または、これから利用する交通機関での経路情報の候補を生成し、ユーザへ提供する。