特許第5986366号(P5986366)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5986366
(24)【登録日】2016年8月12日
(45)【発行日】2016年9月6日
(54)【発明の名称】テーブル及びこれに使用する脚装置
(51)【国際特許分類】
   A47B 7/00 20060101AFI20160823BHJP
   A47B 13/06 20060101ALI20160823BHJP
【FI】
   A47B7/00 A
   A47B13/06
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2011-237603(P2011-237603)
(22)【出願日】2011年10月28日
(65)【公開番号】特開2013-94268(P2013-94268A)
(43)【公開日】2013年5月20日
【審査請求日】2014年9月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000139780
【氏名又は名称】株式会社イトーキ
(74)【代理人】
【識別番号】100099966
【弁理士】
【氏名又は名称】西 博幸
(74)【代理人】
【識別番号】100134751
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 隆一
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 太一
【審査官】 蔵野 いづみ
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−305233(JP,A)
【文献】 特開2006−136551(JP,A)
【文献】 特開2004−057345(JP,A)
【文献】 特開2010−104555(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 1/00−41/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
4つのコーナー部を有する平面視四角形の天板と、前記天板を各コーナー部において支持する4本の脚装置とを備えており、複数台を左右に連結可能なテーブルであって、
前記脚装置は、上下に長い脚本体とその上端に設けられたブラケットとを有しており、平面視において前記脚本体の中心とブラケットの中心とは互いにずれており、前記各脚装置を、前後脚装置の前後間隔が広がっている外側位置と前後間隔が狭まっている内側位置との2つの位置を選択して前記天板の下面にねじで固定できる一方、
前記天板の下面には、前記天板における左右長手の辺に沿って延びる左右横長の第1補強フレームと、天板における前後長手の辺に沿って延びる第2補強フレームとが固定可能であり、
前記脚装置が内側位置にある状態では前記第1補強フレームが使用されて、前記ブラケットの端部に設けた係合部が前記第1補強フレームの端部に下から重なってそれらがねじで天板に共締めされ、前記脚装置が前記外側位置にある状態では前記第2補強フレームが使用されて、前記ブラケットの端部に設けた係合部が前記第2補強フレームの端部に下から重なってそれらがねじで天板に共締めされるように設定されている、
テーブル。
【請求項2】
前記脚装置が外側位置にあるときは、平面視で前記脚本体の中心と前記ブラケットの中心とを結ぶ線が天板の対角方向と略同じ方向に延びており、前記内側位置にあるときの脚装置の平面視姿勢は、前記外側位置にあるときの脚装置の平面視姿勢を略90°水平旋回させた状態になっている、
請求項1に記載したテーブル。
【請求項3】
4つのコーナー部を有する平面視四角形の天板と、前記天板を各コーナー部において支持する4本の脚装置とを備えており、複数台を左右に連結可能なテーブルであって、
前記前記脚装置は、上下に長い脚本体とその上端に設けられたブラケットとを有しており、前記ブラケットは4つのコーナー部を有する平面視正方形であって、前記ブラケットにおける4つの各コーナー部に、上下に貫通したねじ穴が周方向に等間隔で形成されている一方、前記脚本体は、平面視において前記ブラケットの外側の位置でかつ、前記ブラケットにおける1つの対角方向の延長線上に位置しており、
前記脚装置のブラケットを平面視で90°水平旋回させて前記天板への取付け姿勢を変えると、前記脚本体の位置が前記ブラケットの軸心に対して前後に変化する、
テーブル。
【請求項4】
平面視四角形の天板を有していて複数台を左右に連結できるテーブルに使用される脚装置であって、
上下に長い脚本体とその上端に設けられたブラケットとを有しており、前記ブラケットは4つのコーナー部を有する平面視正方形であって、前記ブラケットにおける4つの各コーナー部に、上下に貫通したねじ穴が周方向に等間隔で形成されている一方、前記脚本体は、平面視において前記ブラケットの外側の位置でかつ、前記ブラケットにおける1つの対角方向の延長線上に位置しており、
前記ブラケットを平面視で90°水平旋回させて前記天板への取付け姿勢を変えると、前記脚本体の位置が前記ブラケットの軸心に対して前後に変化する、
テーブル用脚装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明はテーブル及びこれに使用する脚装置に関し、特に、独立して使用したり複数台を連結して使用したりするテーブル及びその脚装置を対象にしている。
【背景技術】
【0002】
テーブルは天板を棒状の脚で支持した構成になっていることが殆どであり、平面視形状は四角形のものが多い。そして、2つのテーブルを左右に並べたり背中合わせに並べたりするに際して、隣り合った天板を金具で連結することが行われている。例えば、各辺の箇所に1人ずつ腰掛けることができる平面視正方形のテーブルを左右に2つ連結することで、3人ずつが対向して使用できる長方形のテーブルと成すことが行われている。
【0003】
このように、2つのテーブルを連結した場合、隣り合ったテーブルにおける当接部の近傍の脚が使用者の足に当たりやすいという問題があり、そこで、テーブル同士を連結した状態では、テーブル同士の当接部を構成する一辺(当接辺)の近傍に位置した脚を、テーブルの奥側にずらすことが行われている。例えば特許文献1には、脚装置をそのままの平面視姿勢で天板の当接辺に沿ってテーブルの内側にずらし移動し、その状態でビス(ボルト)で固定することが開示されている。従って、天板の下面には、脚装置を外側位置(第1脚取付部)に固定するためのねじ穴の群と、内側位置(第2脚取付部)に固定するためのねじ穴群とが予め形成されている。
【0004】
特許文献1の脚装置は、上下に長い脚本体の上端に面積が大きい天板支持部を設けた構造になっており、天板支持部は、外側位置に配置した状態では、平面視で脚本体の中心からおおむね天板の対角方向に向かって突出する姿勢になっている。従って、脚装置を外側位置(第1脚取付部)に配置した状態では、脚本体をできるだけ天板の外側寄りに位置させつつ広い面積の天板支持部を天板にしっかりと固定できるため、テーブルを連結せずに独立して使用する場合の安定性を向上できると言える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4204819号公報(特開2004−57345号公報)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
さて、特許文献1のように脚装置に広い面積の天板支持部(ブラケット)を設けると、テーブルを連結するために脚装置を内側位置(第1脚取付部)に配置する場合、支持強度の面では、天板支持部の固定位置はできるだけ天板の外側に寄った部位にするのが好ましい。すなわち、テーブル同士を連結する場合、天板の当接辺に沿って前後2本の脚装置が配置されているが、前後の脚装置の天板支持部の間隔をできるだけ大きくするのが支持強度確保という点で好ましい。
【0007】
しかし、特許文献1では、脚装置は同じ姿勢で外側位置と内側位置とにずらし移動させるに過ぎず、外側位置にある状態では、天板支持部は脚本体よりも天板の当接辺に沿って内側に位置しているため、内側位置に配置した状態でも、天板支持部は脚本体よりも天板の当接辺に沿って内側に位置しており、このため、支持強度の面では万全と言い難いおそれがあった。
【0008】
本願発明は、このような現状を改善すべく成されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1のテーブルは、4つのコーナー部を有する平面視四角形の天板と、前記天板を各コーナー部において支持する4本の脚装置とを備えており、複数台を左右に連結可能なテーブルであって、まず、前記脚装置は、上下に長い脚本体とその上端に設けられたブラケットとを有しており、平面視において前記脚本体の中心とブラケットの中心とは互いにずれており、前記各脚装置を、前後脚装置の前後間隔が広がっている外側位置と前後間隔が狭まっている内側位置との2つの位置を選択して前記天板の下面にねじで固定できる、という構成になっている。
【0010】
更に、請求項1の発明では、
前記天板の下面には、前記天板における左右長手の辺に沿って延びる左右横長の第1補強フレームと、天板における前後長手の辺に沿って延びる第2補強フレームとが固定可能であり、
前記脚装置が内側位置にある状態では前記第1補強フレームが使用されて、前記ブラケットの端部に設けた係合部が前記第1補強フレームの端部に下から重なってそれらがねじで天板に共締めされ、前記脚装置が前記外側位置にある状態では前記第2補強フレームが使用されて、前記ブラケットの端部に設けた係合部が前記第2補強フレームの端部に下から重なってそれらがねじで天板に共締めされるように設定されている。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1において、前記脚装置が外側位置にあるときは、平面視で前記脚本体の中心と前記ブラケットの中心とを結ぶ線が天板の対角方向と略同じ方向に延びており、前記内側位置にあるときの脚装置の平面視姿勢は、前記外側位置にあるときの脚装置の平面視姿勢を略90°水平旋回させた状態になっている。
【0012】
請求項3の発明は、4つのコーナー部を有する平面視四角形の天板と、前記天板を各コーナー部において支持する4本の脚装置とを備えており、複数台を左右に連結可能なテーブルに関する。そして、前記前記脚装置は、上下に長い脚本体とその上端に設けられたブラケットとを有しており、前記ブラケットは4つのコーナー部を有する平面視正方形であって、前記ブラケットにおける4つの各コーナー部に、上下に貫通したねじ穴が周方向に等間隔で形成されている一方、前記脚本体は、平面視において前記ブラケットの外側の位置でかつ、前記ブラケットにおける1つの対角方向の延長線上に位置しており、前記脚装置のブラケットを平面視で90°水平旋回させて前記天板への取付け姿勢を変えると、前記脚本体の位置が前記ブラケットの軸心に対して前後に変化するようになっている。
【0013】
請求項4の発明は、平面視四角形の天板を有していて複数台を左右に連結できるテーブルに使用される脚装置に関するものであり、脚装置の構成は請求項3と同じである。
【発明の効果】
【0014】
本願発明では、補強フレームによって天板が補強されることに加えて、脚装置が外側位置にあるときと内側位置にあるときとのいずれにおいても、脚装置のブラケットと補強フレームの係合部とが天板に共締めされるため、天板と補強フレームと脚装置との一体感が向上してより一層強度を向上できる。
また、脚装置を外側位置と内側位置とに付け替えるにおいて、請求項2のように構成すると、外側位置ではブラケットが脚支柱の内側に位置して、内側位置ではブラケットが脚支柱の外側に位置するように姿勢が変わるため、内側位置のときに脚支柱が特許文献1と同じ位置にあると仮定すると、ブラケットは特許文献1の場合よりも外側に位置しており、このため、天板の支持強度を向上できる(当接辺に沿って前後に配置されたブラケットの間隔を大きくできるので、支持強度が高い。)。
【0015】
請求項2の構成を採用すると、ブラケットをできるだけ広い面積にしつつ、ブラケットが天板の外側にはみ出るのを防止すると共に脚本体をできるだけ天板のコーナーの外端に近付けることができる。従って、ブラケットの固定強度を高めつつ脚本体のコーナーの端によせることができて、脚装置が外側位置あるときの(テーブルを独立して使用するときの)天板の支持強度向上に一層貢献できる。また、脚装置は外側位置にあるときの姿勢から略90°水平旋回させてもブラケットが天板の外側に露出することはないため、脚装置を内側位置に配置する(テーブルを連結する)機能を阻害することはない。
【0016】
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】(A)は実施形態に係るテーブルの斜視図、(B)は配線受けの斜視図である。
図2】天板を仮想線で示した全体平面図である。
図3】(A)は要部拡大平面図、(B)は(A)のB−B視断面図、(C)は(A)の部分破断図、(D)は(C)から第2補強フレームを取り外した状態の図である。
図4】(A)は図2の IV-IV視図、(B)は脚本体と配線カバーとの分離斜視図である。
図5】要部の分離斜視図である。
図6図3(A)のVI-VI 視断面図である。
図7】(A)(B)は脚装置の分離斜視図、(C)は脚装置の平断面図、(D)は脚本体と配線ダクトとの分離平面図である。
図8】連結状態での平面図である。
図9】他の実施形態を示す分離斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。まず、図1〜8に示す第1実施形態を説明する。テーブル1は、平面視四角形(正方形)の天板2とこれを四隅部(4つのコーナー部)において支持する4本の脚装置3とを有しており、図1に実線で示すように単体で使用できると共に、同じく図1に一点差線で付加して示すように、複数のテーブル1を、一辺(左右の辺)を互いに当接した状態で左右に連結することができる。
【0019】
テーブル1を単体で独立して使用する場合は、その四周の外側に例えば1人ずつ腰掛けることができ、従って、テーブル1に前後や左右の違いはないが、便宜的に、左右に連結すると定義して、連結した状態を基準にして、天板2の四周のうち互いに当接する左右の辺を当接辺と呼んで符号2aを付し、当接辺2aと直交した前後2つの辺は外辺と呼んで符号2bを付している。テーブル1を三連以上に連結する場合は、中間に位置したテーブルには2つの当接辺2aが存在する。
【0020】
(1).脚装置
まず、脚装置3を説明する。例えば図5,7に示すように、脚装置3は、上下に長い脚本体(脚支柱)4とその上端に固定したブラケット5とを有している。脚本体4は例えばアルミ押し出し製品のような金属製の中空品であり、1つのコーナー部はカットされた面取り部6になっている。また、図7(C)に明示するように、脚本体4の内周部のうち面取り部6を除いた3つのコーナー部には軸心方向に開口した縦溝7が形成されており、この縦溝7にビスをねじ込みできるようになっている。縦溝7は、基本的には円形で、脚本体4の内部方向に向いて開口している。
【0021】
ブラケット5は、例えばアルミダイキャスト品や亜鉛ダイキャスト品のような金属又は樹脂の成形品であり、脚本体4の内部にきっちり嵌まる足部8と、天板1の下面に重なる平面視四角形(正方形)のサポート部9とを有しており、サポート部9は脚本体4の軸心を挟んで面取り部6の方向(脚本体4の対角方向)にはみ出た状態になっている。従って、図3(A)に示すように、脚本体4の中心O1とサポート部9の中心O2とは平面視で互いにずれている(脚本体4がサポート部9の外側に位置している)と共に、両中心O1,O2を結ぶ線O3は、サポート部9及び脚本体4の1つの対角方向(正確には、平面視で外辺2bと当接辺2aとに45°ずつ傾斜した方向)に延びている。或いは、線O3は、脚本体4の各面とは平面視で45°の角度で交差していると言い換えることも可能である。
【0022】
図7(A)に示すように、ブラケット5のうち足部8の上端には脚本体4の上端面に重なるフランジ部10を設けて、このフランジ部10を脚締結ねじ11で脚本体4に固定している。すなわち、脚締結ねじ11を脚本体4の縦溝7にねじ込むことで、ブラケット5を脚本体4に固定している。また、脚本体4のうち面取り部6の上端部から止めねじ12を足部8にねじ込んでいる。このため、足部8は脚本体4にしっかりと固定される。
【0023】
脚本体4の上部のうち面取り部6を中心にした部位には切欠き13が形成されている一方、ブラケット5における足部8には、切欠き13に嵌まる段部14が形成されており、段部14とフランジ部10とに連続した状態でアーム部15が脚本体4の対角方向(O3の方向)に延びている。そして、アーム部15にサポート部9が一体に設けられている(サポート部9にアーム部15を設けて、アーム部15を足部8に連続させていると表現することも可能である。)。
【0024】
フランジ部10はアーム部15の基端から段落ちした状態になっているが、フランジ部10の上端をアーム部15(或いはサポート部9)の上面と同一面と成すことも可能である。サポート部9の上面には多数の凹所16を形成している。
【0025】
サポート部9のうち脚本体4と反対側のコーナー部は、平面視四角形で段落ちした係合部17になっており、係合部17を構成する底板に平面視円形のボス部18を上向きに突設し、このボス部18に、上下に貫通した取り付け穴19を空けている。係合部7は平面視で正方形になっており、ボス部18は正方形の中心に位置している。サポート部9の他のコーナー部にも上下に貫通した取り付け穴19が空いている。従って、4つの取り付け穴19の間隔寸法W1は同じ寸法になっている。
【0026】
図4(A)に示すように、脚本体4の下端面には受け板20がビスで固定されており、受け板20にアジャスタボルト21を取り付けている。また、例えば図4(B)に示すように、脚本体4の4つのコーナー部のうち面取り部6を挟んだ両側のコーナー部に張り出し部22を設け、この張り出し部22に、面取り部6の方向に開口した蟻溝23を設けている。蟻溝23には、配線ダクト24や化粧カバー(図示せず)を取り付けることができる。
【0027】
(2).天板への脚装置の取り付け構造
本実施形態の天板2は木質系であり、そこで、耐荷重能力をアップするため、図2に示すように、天板2の下面には各辺に沿って延びる補強フレーム26,27を固定している。補強フレーム26,27は断面四角形(正方形)の角形鋼管を使用しており、天板2の外辺(前後辺)2bと平行に延びる2本の第1補強フレーム26と、天板2の当接辺(左右辺)2aと平行に延びる2本の第2補強フレーム27とで構成されている。図3(B)に代表して示すように、補強フレーム26,27はそれぞれ複数箇所がフレーム用ねじ(ボルト)28で天板2に固定されており、天板2には、ねじ28がねじ込まれる鬼目ナット29を埋設している。
【0028】
図2及び図3(A)に示すように、第2補強フレーム27はその一側面が第1補強フレーム26の端面に当接するように配置されており、かつ、第2補強フレーム27の両端部は第1補強フレーム26の前後外側にはみ出ている。
【0029】
そして、脚装置3は、テーブル1を単体で使用する場合は、例えば図2のように天板2のコーナー部の箇所の外側位置に配置され、テーブル1を連結して使用する場合は、図8に示すように、天板2の当接辺2aに沿って外辺2bから奥側に入り込んだ内側位置に配置されるが、脚装置3が外側位置にあるときには、ブラケット5の係合部17が第2補強フレーム27の端部に下方から嵌合しており、係合部17と第2補強フレーム27とが締結用ねじ30で天板2に共締めされている。なお、脚装置3が外側位置にあるときには前後脚装置3の間隔は広がって、脚装置3が内側位置にあるときには、前後脚装置3の間隔は狭まる。
【0030】
敢えて述べるまでもないが、締結用ねじ30はブラケット5の取り付け穴19に下方から挿通される。また、天板2の下面には、外側位置においてブラケット5を固定するための4つの第1ねじ穴32の群と、内側位置においてブラケット5を固定するための4つの第2ねじ穴33の群とが予め形成されている。図6に示すように、両ねじ穴32,33は鬼目ナット29で構成されている。
【0031】
テーブル1を連結して使用する場合は、脚装置3は内側位置に配置されるが、この場合は、外辺2bを基準にして脚本体4がブラケット5よりも内側に位置するように、脚装置3は外側位置の場合の姿勢に対して90°水平旋回させている。そして、脚装置3を内側位置に配置する場合は、第2補強フレーム27と天板2から取り外して、ブラケット5の係合部17を第1補強フレーム26の端部に下方から嵌合し、ブラケット5の係合部17と第1補強フレーム26の端部とを締結用ねじ30で天板3に共締めしている。両補強フレーム26,27とも、その端部にはブラケット5のボス部18が嵌まる嵌合穴31が上下に貫通している。
【0032】
図3(C)に示すように、第1補強フレーム26の両端部には平面視コの字形の可動クランプ34が配置されている。可動クランプ34の両側板34aに第1補強フレーム26の長手方向に延びる長穴35が空いており、第1補強フレーム26に挿通した水平状のストッパーピン36が長穴35に嵌まっている。ストッパーピン36は、嵌合穴31を挟んで第2補強フレーム27と反対側に位置している。
【0033】
そして、可動クランプ34は長穴35のストロークでスライドし得るが、第1補強フレーム26の外側に向かった方向に移動し切ると、両側板34aが繋がって基部が第2補強フレーム27の側面に近接し、外側に向かって移動し切ると、基部が嵌合穴31よりもピン35の側に位置するように設定している。また、可動クランプ34の基部には雌ねじが切られたバーリング部37を設けており、第2補強フレーム27に挿通したボルト38をバーリング部にねじ込むことにより、第2補強フレーム27を第1補強フレーム27に強固に固定している。
【0034】
テーブル1を互いに連結する手段としては、図8に示すように、例えば、金属板より成る連結板39を2枚の天板2に跨がるように配置し、これをビス40で両天板2に固定したらよい。天板2の連結に第1ねじ穴32を利用することも可能であり、この場合は、図8に二点鎖線で示すように、4個ずつの第1ねじ穴32をフルに利用して連結板39′を締結したり、1つずつ(或いは2つずつ)の第1ねじ穴32を利用して連結板39″を締結することも可能である。
【0035】
脚装置3が内側位置にあるときには第2補強フレーム27は使用しないので、第2補強フレーム27を天板同士の連結部材に使用することも可能である。当然ながら、他の連結手段(連結部材)も採用できる。また、図8に示すように、脚装置3が内側位置にあるときには、第2補強フレーム27を第1補強フレーム26の外側に重ね配置しておくことも可能であり、この場合は、連結仕様から独立仕様に変更することを簡単に実現できる。
【0036】
なお、図1に示すように、天板2の中央部には平面視四角形の配線穴45が空いており、天板2の下面にはケーブル受け46を固定している。ケーブル受け46は上向き開口の箱状になっており、各コーナー部に配線通路47を形成している。
【0037】
(3).実施形態のまとめ
既に説明したように、テーブル1を単体で独立して使用する場合は、脚装置1を天板2のコーナーに寄せた外側位置に配置することにより、高い支持安定性を確保できる。特に、実施形態のように脚本体4とブラケット5(サポート部9)とを平面視で正方形に形成すると、ブラケット5を天板2の下面に隠しつつ、脚本体4を天板2のコーナー一杯まで寄せることができるため、より高い支持安定性を確保できる。
【0038】
脚本体4の支持スパンが大きくなると天板2に作用する曲げモーメントも大きくなるが、本実施形態のように補強フレーム26,27を設けると、天板2の剛性を向上させて高い強度を確保できる利点ある。また、脚装置3のブラケット5は外側位置でも内側位置でも天板2に単に締結するだけでもよいが、本実施形態のように両位置において補強フレーム26,27の端部を天板2に共締めすると、ブラケット5と補強フレーム26,27との一体性を確保して一層頑丈な構造になる。
【0039】
さて、第1補強フレーム26は天板2の補強機能を有するが、補強機能の確保という点では、第1補強フレーム26はなるべく天板2の外辺2bに寄せるのが好ましい。他方、脚装置3を内側位置にずらすのは使用者の足の邪魔にならないようにするためであり、従って、脚装置3を内側位置に配置した状態では、脚本体4は、天板2の安定性を確保した状態で、なるべく外辺2bよりも内側に位置しているのが好ましい。
【0040】
そして、仮に、脚装置3をその姿勢を変えずに外側位置から当接辺2aに沿ってずらしたに過ぎない状態でブラケット5を第1補強フレーム26に固定すると、脚本体4はブラケット5の手前側(外辺2bに近い側)に位置するため、脚本体4が使用者の足に当たりやすくなるという問題が生じる。すなわち、第1補強フレーム26を外側に寄せて天板2の補強機能を向上させるという機能と、テーブル1の連結時に脚本体4をできるだけ内側(奥側)に位置させて人の足の邪魔にならないようにする機能とが、相反することになる。
【0041】
これに対して本実施形態では、脚装置3を内側位置に配置すると脚本体4はブラケット5よりも前後内側に位置するため、第1補強フレーム26を奥に寄せ過ぎることなく脚本体4をできるだけ内側(奥側)に配置できるのであり、その結果、天板2の補強機能と使用者の足当たり防止機能とを両立できる。この点、本実施形態の利点の1つである。
【0042】
また、図3(A)に示すように、第1補強フレーム26の嵌合穴31は第2補強フレーム27の嵌合穴31よりも、当接辺2aと反対側に第2補強フレーム27の幅寸法分だけずれており、従って、脚装置3を内側位置に配置すると、脚本体4は、外側位置にあるときよりも、第2補強フレーム27の幅寸法分だけ当接辺2aと反対側にずれることになり、隣り合ったテーブル1における脚本体4の間隔寸法W2は、脚装置3を外側位置に配置した場合の間隔寸法よりも大きくなる。このため、外辺2bの方向の支持スパンを小さくして、天板2の耐曲げ強度を向上できる。
【0043】
(4).第2実施形態
図9では、ブラケット5及び補強フレーム26,27の変形例である第2実施形態を示している。この実施形態は、ブラケット5の係合部17が第1実施形態と相違しているだけであり、他の構成は第1実施形態と同じである。
【0044】
すなわち、この実施形態では、ブラケット5の係合部17は、中間高さ位置に中間板42を設けて、中間板42の上下両側にボス部43を突設した構成になっており、補強フレーム26,27の端部には、中間板42に嵌まる切り開き溝44を形成している。ボス部43は補強フレーム26,27の内部に入り込むようになっている。なお、切り開き溝44の上下内面と中間板42とは、接触していてもよいし、接触していなくてもよい。
【0045】
(A)の実施形態では、補強フレーム26,27の2枚の側板にそれぞれ切り開き溝44を形成しているが、(B)に示す例では、補強フレーム26,27の1枚の側板のみに切欠き溝44を形成している。従って、(B)の例では、中間板42は平面視で補強フレーム26,27の板厚分だけサポート部9の外面から段落ちしている。いずれにしても、図9の実施形態では、ボス部43が補強フレーム26,27の上下板で挟まれるため、強度的に優れていると言える。
【0046】
(5).その他
本願発明は上記の実施形態の他にも様々に具体化できる。例えば天板は正方形である必要はなく、長方形であってもよい。天板が長方形の場合、その短辺同士を当接させて連結する態様と、長辺同士を当接させて連結する態様との2つの連結態様を選択できる。
【0047】
脚装置の具体的な形状・構造も任意に設定できる。例えば、ブラケットと脚本体とを一体構造にすることも可能であり、逆に、脚本体とブラケットとのうち一方又は両方を複数の部材で構成することも可能である。脚本体を円形に設定してブラケット5を正方形等の四角形に設定することも可能である。
【0048】
た、長方形で長さが長いテーブルの場合、位置が固定された中間脚を設けることも可能である。中空角形の補強フレームとしては、断面C形のチャンネル鋼も使用できる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本願発明はテーブルに具体化できる。従って、産業上利用できる。
【符号の説明】
【0050】
1 テーブル
2 天板
2a 当接辺
2b 外辺
3 脚装置
4 脚本体
5 ブラケット
8 足部
9 サポート部
17 係合部
18 ボス部
19 ブラケットに設けた取り付け穴
26 第1補強フレーム
27 第2補強フレーム
30 締結用ねじ
31 嵌合穴
32 第1ねじ穴
33 第2ねじ穴
34 可動クランプ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9