(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記脚装置が外側位置にあるときは、平面視で前記脚本体の中心と前記ブラケットの中心とを結ぶ線が天板の対角方向と略同じ方向に延びており、前記内側位置にあるときの脚装置の平面視姿勢は、前記外側位置にあるときの脚装置の平面視姿勢を略90°水平旋回させた状態になっている、
請求項1に記載したテーブル。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。まず、
図1〜8に示す第1実施形態を説明する。テーブル1は、平面視四角形(正方形)の天板2とこれを四隅部
(4つのコーナー部)において支持する4本の脚装置3とを有しており、
図1に実線で示すように単体で使用できると共に、同じく
図1に一点差線で付加して示すように、
複数のテーブル1を、一辺
(左右の辺)を互いに当接した状態で
左右に連結することができる。
【0019】
テーブル1を単体で
独立して使用する場合は、その四周の外側に例えば1人ずつ腰掛けることができ、従って、テーブル1に前後や左右の違いはないが、便宜的に、
左右に連結すると定義して、連結した状態を基準にして、天板2の四周のうち互いに当接する
左右の辺を当接辺と呼んで符号2aを付し、当接辺2aと直交した
前後2つの辺は外辺と呼んで符号2bを付している。テーブル1を三連以上に連結する場合は、中間に位置したテーブルには2つの当接辺2aが存在する。
【0020】
(1).脚装置
まず、脚装置3を説明する。例えば
図5,7に示すように、脚装置3は、上下に長い脚本体(脚支柱)4と
、その上端に固定したブラケット5とを有している。脚本体4は
、例えばアルミ押し出し製品のような金属製の中空品であり、1つのコーナー部はカットされた面取り部6になっている。また、
図7(C)に明示するように、脚本体4の内周部のうち面取り部6を除いた3つのコーナー部には
、軸心方向に開口した縦溝7が形成されており、この縦溝7にビスをねじ込みできるようになっている。縦溝7は、基本的には円形で、脚本体4の内部方向に向いて開口している。
【0021】
ブラケット5は、例えばアルミダイキャスト品や亜鉛ダイキャスト品のような金属又は樹脂の成形品であり、脚本体4の内部にきっちり嵌まる足部8と、天板1の下面に重なる平面視四角形(正方形)のサポート部9とを有しており、サポート部9は
、脚本体4の軸心を挟んで面取り部6の方向(脚本体4の対角方向)にはみ出た状態になっている。従って、
図3(A)に示すように、脚本体4の中心O1とサポート部9の中心O2とは平面視で互いにずれている
(脚本体4がサポート部9の外側に位置している)と共に、両中心O1,O2を結ぶ線O3は
、サポート部9及び脚本体4の
1つの対角方向(正確には、平面視で外辺2bと当接辺2aとに45°ずつ傾斜した方向)に延びている。或いは、線O3は、脚本体4の各面とは平面視で45°の角度で交差していると言い換えることも可能である。
【0022】
図7(A)に示すように、ブラケット5のうち足部8の上端には脚本体4の上端面に重なるフランジ部10を設けて、このフランジ部10を脚締結ねじ11で脚本体4に固定している。すなわち、脚締結ねじ11を脚本体4の縦溝7にねじ込むことで、ブラケット5を脚本体4に固定している。また、脚本体4のうち面取り部6の上端部から
、止めねじ12を足部8にねじ込んでいる。このため、足部8は脚本体4にしっかりと固定される。
【0023】
脚本体4の上部のうち面取り部6を中心にした部位には切欠き13が形成されている一方、ブラケット5における足部8には、切欠き13に嵌まる段部14が形成されており、段部14とフランジ部10とに連続した状態で
、アーム部15が脚本体4の対角方向
(O3の方向)に延びている。そして、アーム部15にサポート部9が一体に設けられている(サポート部9にアーム部15を設けて、アーム部15を足部8に連続させていると表現することも可能である。)。
【0024】
フランジ部10はアーム部15の基端から段落ちした状態になっているが、フランジ部10の上端を
、アーム部15(或いはサポート部9)の上面と同一面と成すことも可能である。サポート部9の上面には
、多数の凹所16を形成している。
【0025】
サポート部9のうち脚本体4と反対側のコーナー部は、平面視四角形で段落
ちした係合部17になっており、係合部17を構成する底板に平面視円形のボス部18を上向きに突設し、このボス部18に、上下に貫通した取り付け穴19を空けている。係合部7は平面視で正方形になっており、ボス部18は正方形の中心に位置している。サポート部9の他のコーナー部にも上下に貫通した取り付け穴19が空いている。従って、4つの取り付け穴19の間隔寸法W1は同じ寸法になっている。
【0026】
図4(A)に示すように、脚本体4の下端面には受け板20がビスで固定されており、受け板20にアジャスタボルト21を取り付けている。また、例えば
図4(B)に示すように、脚本体4の4つのコーナー部のうち面取り部6を挟んだ両側のコーナー部に張り出し部22を設け、この張り出し部22に、面取り部6の方向に開口した蟻溝23を設けている。蟻溝23には、配線ダクト24や化粧カバー(図示せず)を取り付けることができる。
【0027】
(2).天板への脚装置の取り付け構造
本実施形態の天板2は木質系であり、そこで、耐荷重能力をアップするため、
図2に示すように、天板2の下面には各辺に沿って延びる補強フレーム26,27を固定している。補強フレーム26,27は断面四角形(正方形)の角形鋼管を使用しており、天板2の外辺
(前後辺)2bと平行に延びる2本の第1補強フレーム26と、天板2の当接辺
(左右辺)2aと平行に延びる2本の第2補強フレーム27とで構成されている。
図3(B)に代表して示すように、補強フレーム26,27は
、それぞれ複数箇所がフレーム用ねじ(ボルト)28で天板2に固定されており、天板2には、ねじ28がねじ込まれる鬼目ナット29を埋設している。
【0028】
図2及び
図3(A)に示すように、第2補強フレーム27は
、その一側面が第1補強フレーム26の端面に当接するように配置されており、かつ、第2補強フレーム27の両端部は第1補強フレーム26の前後外側にはみ出ている。
【0029】
そして、脚装置3は、テーブル1を単体で使用する場合は、例えば
図2のように
、天板2のコーナー部の箇所の外側位置に配置され、テーブル1を連結して使用する場合は、
図8に示すように、天板2の当接辺2aに沿って外辺2bから奥側に
入り込んだ内側位置に配置されるが、脚装置3が外側位置にあるときには、ブラケット5の係合部17が第2補強フレーム
27の端部に下方から嵌合しており、係合部17と第2補強フレーム27とが締結用ねじ30で天板2に共締めされている。
なお、脚装置3が外側位置にあるときには前後脚装置3の間隔は広がって、脚装置3が内側位置にあるときには、前後脚装置3の間隔は狭まる。
【0030】
敢えて述べるまでもないが、締結用ねじ30は
、ブラケット5の取り付け穴19に下方から挿通される。また、天板2の下面には、外側位置においてブラケット5を固定するための4つの第1ねじ穴32の群と、内側位置においてブラケット5を固定するための4つの第2ねじ穴33の群とが予め形成されている。
図6に示すように、両ねじ穴32,33は鬼目ナット29で構成されている。
【0031】
テーブル1を連結して使用する場合は、脚装置3は内側位置に配置されるが、この場合は、外辺2bを基準にして
、脚本体4がブラケット5よりも内側に位置するように、脚装置3は
、外側位置の場合の姿勢に対して90°水平旋回させている。そして、脚装置3を内側位置に配置する場合は、第2補強フレーム27と天板2から取り外して、ブラケット5の係合部17を第1補強フレーム26の端部に下方から嵌合し、ブラケット5の係合部17と第1補強フレーム26の端部とを締結用ねじ30で天板3に共締めしている。両補強フレーム26,27とも、その端部には
、ブラケット5のボス部18が嵌まる嵌合穴31が上下に貫通している。
【0032】
図3(C)に示すように、第1補強フレーム26の両端部には
、平面視コの字形の可動クランプ34が配置されている。可動クランプ34の両側板34aに
、第1補強フレーム26の長手方向に延びる長穴35が空いており、第1補強フレーム26に挿通した水平状のストッパーピン36が長穴35に嵌まっている。ストッパーピン36は、嵌合穴31を挟んで第2補強フレーム27と反対側に位置している。
【0033】
そして、可動クランプ34は長穴35のストロークでスライドし得るが、第1補強フレーム26の外側に向かった方向に移動し切ると、両側板34aが繋がって基部が第2補強フレーム27の側面に近接し、外側に向かって移動し切ると、基部が嵌合穴31よりもピン35の側に位置するように設定している。また、可動クランプ34の基部には雌ねじが切られたバーリング部37を設けており、第2補強フレーム27に挿通したボルト38をバーリング部にねじ込むことにより、第2補強フレーム27を第1補強フレーム27に強固に固定している。
【0034】
テーブル1を互いに連結する手段としては、
図8に示すように、例えば、金属板より成る連結板39を2枚の天板2に跨がるように配置し、これをビス40で両天板2に固定したらよい。天板2の連結に第1ねじ穴32を利用することも可能であり、この場合は、
図8に二点鎖線で示すように、4個ずつの第1ねじ穴32をフルに利用して連結板39′を締結したり、1つずつ(或いは2つずつ)の第1ねじ穴32を利用して
、連結板39″を締結することも可能である。
【0035】
脚装置3が内側位置にあるときには第2補強フレーム27は使用しないので、第2補強フレーム27を天板同士の連結部材に使用することも可能である。当然ながら、他の連結手段(連結部材)も採用できる。また、
図8に示すように、脚装置3が内側位置にあるときには、第2補強フレーム27を第1補強フレーム26の外側に重ね配置しておくことも可能であり、この場合は、連結仕様から独立仕様に変更することを簡単に実現できる。
【0036】
なお、
図1に示すように、天板2の中央部には平面視四角形の配線穴45が空いており、天板2の下面にはケーブル受け46を固定している。ケーブル受け46は上向き開口の箱状になっており、各コーナー部に配線通路47を形成している。
【0037】
(3).実施形態のまとめ
既に説明したように、テーブル1を単体で独立して使用する場合は、脚装置1を天板2のコーナーに寄せた外側位置に配置することにより、高い支持安定性を確保できる。特に、実施形態のように脚本体4とブラケット5
(サポート部9)とを平面視で正方形に形成すると、ブラケット5を天板2の下面に隠しつつ、脚本体4を天板2のコーナー一杯まで寄せることができるため、より高い支持安定性を確保できる。
【0038】
脚本体4の支持スパンが大きくなると
、天板2に作用する曲げモーメントも大きくなるが、本実施形態のように補強フレーム26,27を設けると、天板2の剛性を向上させて高い強度を確保できる利点
がある。また、脚装置3のブラケット5は外側位置でも内側位置でも天板2に単に締結するだけでもよいが、本実施形態のように
、両位置において補強フレーム26,27の端部を
天板2に共締めすると、ブラケット5と補強フレーム26,27との一体性を確保して一層頑丈な構造になる。
【0039】
さて、第1補強フレーム26は天板2の補強機能を有するが、補強機能の確保という点では、第1補強フレーム26はなるべく天板2の外辺2bに寄せるのが好ましい。他方、脚装置3を内側位置にずらすのは使用者の足の邪魔にならないようにするためであり、従って、脚装置3を内側位置に配置した状態では、脚本体4は、天板2の安定性を確保した状態で、なるべく外辺2bよりも内側に位置しているのが好ましい。
【0040】
そして、仮に、脚装置3をその姿勢を変えずに外側位置から当接辺2aに沿ってずらしたに過ぎない状態でブラケット5を第1補強フレーム26に固定すると、脚本体4はブラケット5の手前側(外辺2bに近い側)に位置するため、脚本体4が使用者の足に当たりやすくなるという問題が生じる。すなわち、第1補強フレーム26を外側に寄せて天板2の補強機能を向上させるという機能と、テーブル1の連結時に脚本体4をできるだけ内側(奥側)に位置させて人の足の邪魔にならないようにする機能とが、相反することになる。
【0041】
これに対して本実施形態では、脚装置3を内側位置に配置すると脚本体4はブラケット5よりも
前後内側に位置するため、第1補強フレーム26を奥に寄せ過ぎることなく脚本体4をできるだけ内側(奥側)に配置できるのであり、その結果、天板2の補強機能と使用者の足当たり防止機能とを両立できる。この点、本実施形態の利点の1つである。
【0042】
また、
図3(A)に示すように、第1補強フレーム26の嵌合穴31は
、第2補強フレーム27の嵌合穴31よりも、当接辺2aと反対側に第2補強フレーム27の幅寸法分だけずれており、従って、脚装置3を内側位置に配置すると、脚本体4は、外側位置にあるときよりも、第2補強フレーム27の幅寸法分だけ当接辺2aと反対側にずれることになり、隣り合ったテーブル1における脚本体4の間隔寸法W2は、脚装置3を外側位置に配置した場合の間隔寸法よりも大きくなる。このため、外辺2bの方向の支持スパンを小さくして、天板2の耐曲げ強度を向上できる。
【0043】
(4).第2実施形態
図9では、ブラケット5及び補強フレーム26,27の変形例である第2実施形態を示している。この実施形態は、ブラケット5の係合部
17が第1実施形態と相違しているだけであり、他の構成は第1実施形態と同じである。
【0044】
すなわち、この実施形態では、ブラケット5の係合部
17は、中間高さ位置に中間板42を設けて、中間板42の上下両側にボス部43を突設した構成になっており、補強フレーム26,27の端部には、中間板42に嵌まる切り開き溝44を形成している。ボス部43は補強フレーム26,27の内部に入り込むようになっている。なお、切り開き溝44の上下内面と中間板42とは、接触していてもよいし、接触していなくてもよい。
【0045】
(A)の実施形態では、補強フレーム26,27の2枚の側板にそれぞれ切り開き溝44を形成しているが、(B)に示す例では、補強フレーム26,27の1枚の側板のみに切欠き溝44を形成している。従って、(B)の例では、中間板42は平面視で補強フレーム26,27の板厚分だけサポート部9の外面から段落ちしている。いずれにしても、
図9の実施形態では、ボス部43が補強フレーム26,27の上下板で挟まれるため、強度的に優れていると言える。
【0046】
(5).その他
本願発明は
、上記の実施形態の他にも様々に具体化できる。例えば天板は正方形である必要はなく、長方形であってもよい。天板が長方形の場合、その短辺同士を当接させて連結する態様と、長辺同士を当接させて連結する態様との2つの連結態様を選択できる。
【0047】
脚装置の具体的な形状・構造も任意に設定できる。例えば、ブラケットと脚本体とを一体構造にすることも可能であり、逆に、脚本体とブラケットとのうち一方又は両方を複数の部材で構成することも可能である。脚本体を円形に設定して
、ブラケット5を正方形等の四角形に設定することも可能である。
【0048】
また、長方形で長さが長いテーブルの場合、位置が固定された中間脚を設けることも可能である。中空角形の補強フレームとしては、断面C形のチャンネル鋼も使用できる。