(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下の実施の形態では特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
【0019】
さらに、以下の実施の形態では便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明などの関係にある。
【0020】
また、以下の実施の形態において、要素の数など(個数、数値、量、範囲などを含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合などを除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良いものとする。
【0021】
また、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
【0022】
また、以下の実施の形態において、構成要素等について、「Aからなる」、「Aよりなる」、「Aを有する」、「Aを含む」と言うときは、特にその要素のみである旨明示した場合等を除き、それ以外の要素を排除するものでないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲等についても同様である。
【0023】
以下、実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、図面をわかりやすくするために平面図であってもハッチングを付す場合がある。
【0024】
(実施の形態1)
図1は実施の形態1の半導体装置の構造の一例を示す断面図、
図2は
図1の半導体装置に搭載されるロジックチップの素子面の電極エリア区分の一例を示す平面図、
図3は
図2のロジックチップの裏面の電極エリア区分の一例を示す裏面図である。また、
図4は
図1の半導体装置に搭載されるパッケージ基板のチップ搭載面の電極エリア区分の一例を示す平面図、
図5は
図4のパッケージ基板のボール搭載面の電極エリア区分の一例を示す裏面図である。
【0025】
本実施の形態1の半導体装置は、
図1に示すように、配線が形成されたパッケージ基板3(配線基板)の上面(表面、第1主面)3a上に複数の半導体チップが積層され、パッケージ基板3の下面(裏面、第2主面)3b側に外部接続端子となる複数のボール電極9が格子状に設けられたBGA(Ball Grid Array)6である。ボール電極9は、ここでは半田ボールである。
【0026】
また、積層された複数の半導体チップのうち、最下段に配置された半導体チップがロジックチップ1(半導体チップ1)であり、このロジックチップ1上に複数のメモリチップ2(半導体チップ2)が積層されている。なお、ここではメモリチップ2を4チップ積層した場合を例に説明しているが、メモリチップ2の積層数はこれに限定されない。ロジックチップ1上にメモリチップ2を1チップ積層するような場合もある。また、複数のメモリチップ2は、それぞれ、ロジックチップ1と電気的に接続されており、ロジックチップ1によって制御される。このように、BGA6はロジックチップ1と複数のメモリチップ2を内蔵していることから、所謂SIP(System In Package)タイプの半導体パッケージであるとも言える。
【0027】
最下段のロジックチップ1は、突起電極である複数の銅(Cu)ポストバンプ(第1電極、銅ピラーバンプ、金属バンプ、金属製突起電極)5を介してパッケージ基板3上にフリップチップ実装されている。つまり、後述する
図20に示すように、ロジックチップ1は、素子が形成され、複数の銅ポストバンプ5が配置された表面1aがパッケージ基板3の上面(第1主面)3aと対向するように配置され、パッケージ基板3の上面3a上に実装されている。
【0028】
また、ロジックチップ1と、その上に積層される複数のメモリチップ2の内の一部のチップには、それぞれ複数の貫通電極(第2電極)1c,2cが形成されている。貫通電極1c,2cは、シリコンベース部分を貫通して形成され、かつチップの表裏面に形成された電極と電気的に接続されている。
【0029】
ここで、
図20について説明する。
図20は、
図1の半導体装置のチップ積層部分の拡大断面図である。
図20に示すように、BGA6のロジックチップ1における貫通電極1cは、その一端がロジックチップ1の表面(素子形成面、下面)側において、表層の絶縁層1fに形成された配線部1gの一端と電気的に接続されている。さらに、配線部1gの他端は、ロジックチップ1の表面に形成されたパッド1dと電気的に接続されている。さらに、パッド1dは、銅ポストバンプ5と電気的に接続されている。また、貫通電極1cの他端は、ロジックチップ1の表面とは反対側の裏面(上面)1b側に設けられたバンプ1eと電気的に接続されている。つまり、ロジックチップ1の裏面1bに設けられたバンプ1eは、ロジックチップ1の裏面1bから表面1aにかけて、貫通電極1c−配線部1g−パッド1d−銅ポストバンプ5と電気的に接続されていることになる。
【0030】
一方、メモリチップ2における貫通電極2cは、その一端がメモリチップ2の表面(素子形成面、下面)側において、表層の絶縁層2fに形成された配線部2gの一端と電気的に接続されている。さらに、配線部2gの他端は、メモリチップ2の表面2aに形成されたパッド2dと電気的に接続されている。また、貫通電極2cの他端は、メモリチップ2の表面2aとは反対側の裏面(上面)2b側に設けられたバンプ2eと電気的に接続されている。つまり、メモリチップ2の裏面2bに設けられたバンプ2eは、メモリチップ2の裏面2bから表面2aにかけて、貫通電極2c−配線部2g−パッド2dと電気的に接続されていることになる。
【0031】
さらに、
図20に示すように、ロジックチップ1の裏面1bに設けられたバンプ1eとメモリチップ2の表面2aに設けられたパッド2dとが電気的に接続されることにより、ロジックチップ1とロジックチップ1の裏面上に積層されたメモリチップ2とが電気的に接続されている。また、上下段のメモリチップ2同士の接続については、下段のメモリチップ2の裏面2bに設けられたバンプ2eと上段のメモリチップ2の表面2aに設けられたパッド2dとが電気的に接続されることにより、上下段のメモリチップ2同士は電気的に接続されている。
【0032】
以上の説明から、BGA6は、ロジックチップ1の貫通電極1cと、ロジックチップ1上に積層されたメモリチップ2の貫通電極2cとは、1対1の関係で、且つ一通で繋がった構造であることが分かる。
【0033】
このことを利用し、BGA6では、ロジックチップ1の銅ポストバンプ5と電気的に接続されたパッケージ基板3からロジックチップ1を介して、2段目以降のメモリチップ2に電源・GND・信号を供給する構造となっている。
【0034】
ここで、ロジックチップ1の表層の絶縁層1fの配線部1gは、銅ポストバンプ5側から貫通電極1cに対して分岐する配線が含まれている。つまり、このことは、複数の銅ポストバンプ5の内、2つ以上の貫通電極1cと電気的に接続される銅ポストバンプ5が存在することを意味する。
【0035】
その結果、ロジックチップ1は、表面(下面)1a側の銅ポストバンプ5の数よりも、その反対側の裏面(上面)側のバンプ1e(貫通電極1cの端子)の数の方が多い構造となっている。そのため、銅ポストバンプ5のピッチ(電極ピッチ)よりも、反対側のバンプ1eのピッチ(電極ピッチ)の方が狭い。一例として、銅ポストバンプ5のピッチは、100μm以下程度であり、一方、その反対側のバンプ1eのピッチは、40μm以下程度である。これらの範囲で、銅ポストバンプ5の電極ピッチ>バンプ1eの電極ピッチの関係となっている。このことは言い換えると、貫通電極1c,2cを介したチップ−チップ間の接続部分の方が、銅ポストバンプ5を介したパッケージ基板3−ロジックチップ間の接続部分よりも、電極間ピッチが狭いことを意味する。なお、バンプ1eの数はメモリチップ2のデーターバス幅が512、1024、2048ビットと増えるに従い増加し、さらに狭ピッチの方向に進む傾向にあるものである。
【0036】
次に、
図2、
図3に示すロジックチップ1の表裏面の電極のエリアの分け方について説明する。
図2に示すようにロジックチップ1の表面(パッケージ基板3と対向する面、下面)1aには、その中央部付近にメモリチップ用の銅ポストバンプエリア1hが形成されている。さらに、この銅ポストバンプエリア1hの外側の周縁部付近にロジックチップ用の銅ポストバンプエリア1iが形成されている。
【0037】
一方、
図3に示すようにロジックチップ1の裏面(メモリチップ2と対向する面、上面)1bには、その中央に貫通電極用の細長いバンプエリア1jが形成されている。さらに、この細長いバンプエリア1jの両側に貫通電極検査用のバンプエリア1kが形成されている。
【0038】
したがって、ロジックチップ1の表面(下面)1aの中央部付近の銅ポストバンプエリア1hに配置される銅ポストバンプ5は、裏面(上面)1bの中央の細長いバンプエリア1jにその一部が露出するように配置された
図1に示す貫通電極1cと電気的に接続されている。
【0039】
次に、
図4、
図5に示すパッケージ基板3の上下面の電極のエリアの分け方について説明する。
図4に示すようにパッケージ基板3の上面3aには、
図2のロジックチップ1の下面に対応して、同様の銅ポストバンプエリア3cが中央部に形成され、さらにこの銅ポストバンプエリア3cの外側に
図2のロジックチップ1の銅ポストバンプエリア1iに対応した銅ポストバンプエリア3dが形成されている。
【0040】
これにより、それぞれの領域に設けられた複数の銅ポストバンプ5を介してパッケージ基板3とロジックチップ1とが電気的に接続されることになる。
【0041】
一方、
図5に示すように、パッケージ基板3の下面(第2主面)3bには、その中央部付近にメモリチップテスト用のパッドエリア3eと、その外側にボールエリア3fとが形成され、ボールエリア3fには、外部接続端子として
図1に示すような複数のボール電極9が設けられている。
【0042】
なお、
図20に示すように、パッケージ基板3の上面3aには、複数のランド(第1パッド電極)3iとこのランド3iの外周部を覆うソルダレジスト膜(絶縁膜)3kとが形成されており、複数のランド3iそれぞれの露出する部分に、例えば導電性材料である半田7を介して銅ポストバンプ5が電気的に接続されている。
【0043】
一方、パッケージ基板3の下面3bには、複数のランド(第2パッド電極)3jとこのランド3jの外周部を覆うソルダレジスト膜(絶縁膜)3kとが形成されており、複数のランド3jそれぞれの露出する部分に、外部接続端子となるボール電極9が電気的に接続されている。
【0044】
また、パッケージ基板3の上面3aの複数のランド3iと、下面3bの複数のランド3jとは、内部配線3gやスルーホール配線3hを介して電気的に接続されている。
【0045】
また、
図1に示すように、パッケージ基板3上に積層されたロジックチップ1と複数のメモリチップ2は、例えばエポキシ樹脂等から成る封止体4によって樹脂封止されている。
【0046】
次に、本実施の形態1の半導体装置の製造方法について説明する。
【0047】
図6は
図1の半導体装置の組み立ての素子形成〜配線形成後の構造の一例を示す部分断面図、
図7は
図1の半導体装置の組み立ての銅ポストバンプ形成〜スパッタリング後の構造の一例を示す部分断面図、
図8は
図1の半導体装置の組み立てのウエハサポート取り付け〜裏面研摩後の構造の一例を示す部分断面図である。また、
図9は
図1の半導体装置の組み立ての裏面バンプ形成後の構造の一例を示す部分断面図、
図10は
図1の半導体装置の組み立てに用いられる半導体基板の内部の電極配列の一例を透過して示す平面図、
図11は
図10のE部の構造を示す拡大部分平面図、
図12は
図11のA−A線に沿って切断した構造の一例を示す断面図である。
【0048】
さらに、
図13は
図11のB−B線に沿って切断した構造の一例を示す断面図、
図14は
図11のA−A線と同箇所で切断した比較例の構造を示す断面図、
図15は
図11のB−B線と同箇所で切断した比較例の構造を示す断面図、
図16は
図1の半導体装置の組み立てのテープ貼り付け〜キャリア取り外し後の構造の一例を示す部分断面図である。
【0049】
また、
図17は
図1の半導体装置の組み立てのエッチング〜ダイシング後の構造の一例を示す部分断面図、
図18は
図1の半導体装置の組み立てのフリップチップ実装後の構造の一例を示す部分断面図である。さらに、
図19は
図1の半導体装置の組み立てのO/Sテスト時の構造の一例を示す部分断面図、
図20は
図1の半導体装置の組み立てのチップ積層後の構造の一例を示す部分断面図、
図21は
図1の半導体装置の組み立ての動作テスト時の構造の一例を示す部分断面図である。
【0050】
まず、
図6のステップS1に示す素子形成を行う。ここでは、半導体基板である半導体ウエハ(以降、単にウエハとも言う)8の表面(第1面)8aに素子1sを形成する。すなわち、シリコンから成るベース基板1r上の絶縁層1pと保護膜1qとからなる表面層にトランジスタなどの素子1sを形成する。
【0051】
次に、ステップS2の貫通電極形成を行う。ここでは、まず、ウエハ8の表面8a上にメタル層(第1回路層)1mを形成し、その後、ウエハ8内にメタル層1mと電気的に接続された複数の貫通電極1cを形成する。なお、それぞれの貫通電極1cの表面は、SiO
2(TiNも含む)などの絶縁膜1tによって覆われており、これによって、貫通電極1cの拡散を防止している。複数の貫通電極1cの電極間ピッチは、ここでは、例えば40μm程度である。
【0052】
次に、ステップS3の配線形成を行う。ここでは、まず、表面(第1面)8a上の絶縁層1fにメタル層(第2回路層)1nを形成する。すなわち、メタル層1m上に複数の貫通電極1cと電気的に接続されたメタル層1nを形成する。メタル層1nは、複数の配線層から成り、各配線層のそれぞれの間には層間絶縁膜が形成されている。
【0053】
さらに、絶縁層1f上に、メタル層1nと電気的に接続された複数のパッド1dを形成する。パッド1dは、例えばここでは、アルミ(Al)で形成されたパッドである。
【0054】
次に、
図7に示すステップS4の銅ポストバンプ形成を行う。ここでは、メタル層1n上にメタル層1nと電気的に接続された複数の突起電極である銅ポストバンプ(第1電極)5を形成する。すなわち、絶縁層1f上に形成され、かつメタル層1nと電気的に接続された複数のパッド1d上に突起電極である銅ポストバンプ5を形成する。さらに、それぞれの銅ポストバンプ5上には半田7が形成されている。なお、ここでは、銅(Cu)からなるポストバンプを例に挙げて説明しているが、これに限定されない。他の金属ポストバンプであっても構わない。
【0055】
また、複数の銅ポストバンプ5を、ここでは、例えば100μm以下のピッチで設ける。メモリチップ側に必要となる貫通電極1cの端子数の方が、パッケージ基板側に接続する銅ポストバンプ数より多いため、複数の銅ポストバンプ5のそれぞれの電極ピッチ>複数の貫通電極1cのそれぞれの電極ピッチの関係となる。
【0056】
次に、
図7に示す第1プローブ検査を実施する。すなわち、銅ポストバンプ5を形成した後、複数の銅ポストバンプ5にプロービングを行って(図示しないテストプローブを当てて)、電気的試験である第1プローブ検査を実施する。この第1プローブ検査は、ウエハ8に形成されたロジックチップ1の良否判定を行うものであり、ウエハ8のチップ領域に形成された複数のロジックチップ1に対して行う。
【0057】
次に、ステップS5のスパッタリングを行う。ここでは、
図7のステップS5に示すように、ウエハ8の表面8aの全面に導電膜10(スパッタ膜)を形成する。導電膜10は、各ロジックチップ1の表面1a(8a)、銅ポストバンプ5、銅ポストバンプ5から露出したパッド1d、および銅ポストバンプ5上の半田7のそれぞれの表面を覆うように形成される。導電膜10は、例えばクロム(Cr)膜やニッケル(Ni)膜等である。
【0058】
これにより、ウエハ8の表面8aに形成された複数の銅ポストバンプ5のそれぞれが、導電膜10を介して電気的に接続された状態となる。
【0059】
次に、
図8のステップS6に示すウエハサポート取り付けを行う。ここでは、ウエハ8の表面(第1面)8a側をキャリア(支持部材)11に接着剤12を介して貼り付ける。なお、キャリア11は、例えば石英ガラス等からなるガラスキャリアである。また、接着剤12は、例えば有機系接着剤である。ただし、接着剤12は、有機系接着剤に限定されるものでなく、導電性接着剤等を用いてもよい。
【0060】
次に、
図8のステップS7に示す裏面研摩(研削、バックグラインド)を行う。ここでは、ウエハ8の表面8aとは反対側の裏面(第2面)8bを研摩(研削)し、ステップS2であらかじめ形成しておいた複数の貫通電極1cのそれぞれの先端(一部、上述した他端となる部分)を露出させる。この時の研摩は、例えばポリッシングとケミカルエッチングなどである。
【0061】
次に、
図9のステップS8に示す裏面バンプ形成を行う。ここでは、まず、ウエハ8の裏面8bに露出した複数の貫通電極1cの先端の周囲に絶縁膜1uを形成する。この絶縁膜1uは、例えばSiO
2(TiNも含む)膜などである。さらに、複数の貫通電極1cの裏面8b側に露出した先端のそれぞれにバンプ(第2電極)1eを形成する。バンプ1eは、例えばメッキなどによって形成される。また、バンプ1eは、例えば金(Au)等から成る場合が多い。
【0062】
これにより、ウエハ8の裏面8bには複数のバンプ1eが形成される。なお、複数のバンプ1eのそれぞれは、ウエハ8の裏面8bに露出する複数の貫通電極1cの先端に形成したものであるため、複数のバンプ1eの電極ピッチは、複数の貫通電極1cのピッチと同じである。そのため、ウエハ8の表裏面において、複数の銅ポストバンプ5のそれぞれの電極ピッチ>複数のバンプ1e(貫通電極1c)のそれぞれの電極ピッチの関係となっている。
【0063】
次に、
図9に示す第2プローブ検査を実施する。ここでは、複数の銅ポストバンプ5と複数のバンプ1eとの電気的接続状態(導通状態)を検査する。なお、第2プローブ検査は、キャリア11をウエハ8に貼り付けた状態でウエハ8を支持し、かつ複数の銅ポストバンプ5のそれぞれの電極を電気的に短絡させた状態で、複数のバンプ1eのそれぞれの電極間の導通確認を行う。
【0064】
つまり、第2プローブ検査は、ウエハ8内(チップ内)に形成された複数の貫通電極1cのそれぞれの良否判定を行うものである。言い換えると、第2プローブ検査は、それぞれの(1本1本の)貫通電極1cの導通が確実に確保されているか否か、あるいは本来電気的に短絡してはならない貫通電極1c同士が短絡していないか否かを判定するものである。
【0065】
なお、本実施の形態1では、上述したステップS5で複数の銅ポストバンプ5のそれぞれが電気的に接続されるように、導電膜10を複数の銅ポストバンプ5上に施しているところが特徴である。
【0066】
ここで、第2プローブ検査の意図について説明する。
【0067】
本実施の形態1のBGA6は、
図20に示すように、パッケージ基板3からロジックチップ1を通って2段目以降のメモリチップ2に対して電源・GND・信号を供給する構造となっている。その際、特に電源・GNDにおいては、銅ポストバンプ5側から貫通電極1cに対して分岐する配線が含まれている場合が多く、複数の銅ポストバンプ5のうちの何れかは、2つ以上の(複数の)貫通電極1cと電気的に接続される銅ポストバンプ5が存在している。
【0068】
したがって、ロジックチップ1の下面側の銅ポストバンプ5の数は、上面側のバンプ(貫通電極1c)1eの数よりも多くなっている。その結果、バンプ1eの電極ピッチは、銅ポストバンプ5の電極ピッチよりも狭くなっている(銅ポストバンプ5の電極ピッチ>バンプ1eの電極ピッチ)。
【0069】
そこで、第2プローブ検査では、
図9に示すように、電極ピッチが広い銅ポストバンプ5側を導電膜10によって全ての銅ポストバンプ5を電気的に短絡させて配線ループを形成している。これにより、銅ポストバンプ5の電極ピッチよりも、電極ピッチが狭いバンプ1e(貫通電極1c)側に敢えてプロービングを行うことにより、全ての貫通電極1c(全ピン)の電気的な良否判定を行うことができるようになっているのである。
【0070】
ここで、
図10〜
図13の本実施の形態1と、
図14および
図15の比較例を用いて本実施の形態1の第2プローブ検査の効果について説明する。
【0071】
図10は、ウエハ8の内部に設けられた複数の貫通電極1cと、表面側の銅ポストバンプ5の配列を表面8a側から透過して眺めたものであり、その拡大図を
図11に示す。
図11のA−A断面の図である
図12のF部において、例えば、ある貫通電極1cに未充填の不良が発生しているものとする。一方、
図11のB−B断面の図である
図13では、未充填は発生しておらず全ての貫通電極1cが正しく導通された状態となっているものとする。
【0072】
図14と
図15の比較例の構造によるプローブ検査では、狭ピッチのバンプ1e(貫通電極1c)側を導電膜14で短絡させ、この状態で銅ポストバンプ5側(銅ポストバンプP3やP4)にプローブ13を当てて検査を行う。この場合、
図14のG部のような未充填の貫通電極1cが存在していてもチップ内(
図14のH部)で各貫通電極1cが配線部1gを介して電気的に短絡しているため、G部の未充填の不良を検出することができず、良品と判定してしまう。すなわち、比較例のプローブ検査では、全てのバンプ1e(貫通電極1c)に対して正しい良否判定を行うことができないことが分かる。
【0073】
一方、
図12および
図13の本実施の形態1の構造において、本第2プローブ検査では、銅ポストバンプ5側を導電膜10で短絡させ(
図12の銅ポストバンプP1と
図13の銅ポストバンプP2とが導電膜10によって導通されている)、この状態で狭ピッチのバンプ1e(貫通電極1c)側にプローブ13を当てて検査を行う。この場合、
図12のF部に示すような貫通電極1c内に未充填の不良があっても、導電膜10の配線ループを介して検査するので、チップ内の配線部1gの短絡の有無に影響されることもなく、全てのバンプ1e(貫通電極1c)の良否判定を行うことができる。言い換えると、導電膜10は、チップの外側に設けられた新たなバイパス配線とも言え、この新たなバイパス配線があるからこそ、チップ内の電気的な短絡の影響を受けずに、複数の貫通電極1cの1本1本の良否判定を確実に行うことができるのである。
【0074】
以上纏めると、第2プローブ検査は、これまで説明してきたいくつかの特徴の内、電極ピッチが広い方の銅ポストバンプ5側を導電膜10によって電気的に短絡させ、電極ピッチが狭い方のバンプ1e(貫通電極1c)側にプローブ針を当てているのが1つの特徴である。通常、プローブ針を当てる際の作業性を考慮すれば、電極ピッチが狭いバンプ1e側を導電膜10によって電気的に短絡させ、電極ピッチが広い銅ポストバンプ側にプローブ針を当てる方がよい。しかし、それではチップ内の短絡の影響により、電気的に見えない貫通電極1cが発生してしまう。だからこそ、第2プローブ検査は、電極ピッチが広い方の銅ポストバンプ5側を導電膜10によって電気的に短絡させ、敢えて電極ピッチが狭い方のバンプ1e側にプローブ針を当てることにより、全ての貫通電極1cの良否判定を可能にしているのである。
【0075】
さらに、本第2プローブ検査は、キャリア11をウエハ8に貼り付けた状態でウエハ8を支持し(保持し)、バンプ1e側にプローブ針を当てている点がもう1つの特徴である。ロジックチップ1(ウエハ8)は、その厚さが例えば50μm前後と非常に薄く、プロービング時のチップに対するダメージの発生やチップのハンドリングの面において懸念が多い。本第2プローブ検査は、キャリア11をウエハ8に貼り付けた状態でウエハ8を支持した(保持した)状態でプロービングを行うことにより、ロジックチップ1(ウエハ8)の剛性が確保された状態で行えることになるので、前述の課題を解決することができるのである。
【0076】
以上のように、本実施の形態1の半導体装置の製造において、上述した第2プローブ検査を採用することにより、全ての貫通電極1c(全ピン)を検査することができる。
【0077】
第2プローブ検査完了後、
図16のステップS9に示すテープ貼り付けを行う。ここでは、前記第2プローブ検査を実施したウエハ8の裏面(第2面)8b側をダイシングテープ15に貼り付ける。
【0078】
次に、ステップS10に示すキャリア取り外しを行う。ここでは、第2プローブ検査を終え、かつダイシングテープ15を貼り付けたウエハ8に対して、表面8a側に接着剤12を介して貼り付けられているキャリア(支持部材)11を、ウエハ8から取り外す(除去する)。
【0079】
次に、
図17のステップS11に示すエッチングを行う。ここでは、ウエハ8の表面8a側に形成されている導電膜10をエッチングによって除去する。
【0080】
この時、エッチングによって導電膜10を除去することにより、表面8a側に付着している接着剤12の異物なども除去することができる。このことは、例えば、銅ポストバンプ5の先端の半田7に付着した異物起因の実装不良を防止するといった点で有効である。
【0081】
次に、ステップS12に示すダイシングを行う。ここでは、ダイシングテープ15に支持されたウエハ8を切断し、複数の良品の半導体チップ(ここではロジックチップ1)を取得する。
【0082】
次に、
図18のステップS13に示すフリップチップ実装を行う。まず、パッケージ基板(配線基板、多連基板)3を準備する。なお、パッケージ基板3の上面(第1主面)3aには、ロジックチップ1の複数の銅ポストバンプ5に接続される複数のランド(第1パッド電極)3iが形成されており、一方、パッケージ基板3の上面3aとは反対側の下面(第2主面)3bには複数のランド3iと電気的に接続された複数のランド(第2パッド電極)3jが形成されている。
【0083】
また、パッケージ基板3の上下面のそれぞれにはその表層にソルダレジスト膜3kが形成されており、各ランド3i,3jの一部が露出している。
【0084】
パッケージ基板3を準備した後、
図18に示すように、複数のロジックチップ1のうち、前述の第1および第2プローブ検査工程で良品となったロジックチップ1をパッケージ基板3の上面3a上に搭載し、パッケージ基板3と複数の銅ポストバンプ5とを電気的に接続する。
【0085】
この時、前記第1および第2プローブ検査により良品となったロジックチップ1に加熱・加圧を行うことにより、複数の銅ポストバンプ5をそれぞれの半田7を介してパッケージ基板3のランド3iに接続する。
【0086】
次に、
図19のステップS14に示すオープン/ショートテストを行う。ここでは、パッケージ基板3の下面3b側の複数のランド3jのそれぞれを電気的に短絡させた状態で、ロジックチップ1の裏面(上面)1b側の複数のバンプ(第2電極)1eのそれぞれの電極間の導通確認を行う。例えば、
図19に示すように、パッケージ基板3の下面3b側の複数のランド3jを導電性シート16によって短絡させ、この状態のパッケージ基板3をプローブキャリア17で支持し、かつプローブキャリア17に設けられた真空吸着孔17aを介して真空排気することでパッケージ基板3を支持する。さらに、この状態でロジックチップ1の複数のバンプ1eにプロービングして第3プローブ検査を実施する。
【0087】
この第3プローブ検査によって、ロジックチップ1とパッケージ基板3との電気的接続状態の良否判定を行う。具体的には、ロジックチップ1の複数の銅ポストバンプ5とパッケージ基板3の複数のランド3iのそれぞれの接続状態を確認する。
【0088】
この第3プローブ検査の重要性について説明する。この第3プローブ検査の後、後述の通り、複数のメモリチップ2をロジックチップ1上に搭載する。ロジックチップ1とパッケージ基板3との接続が確実に行われていない状態であると(接続不良状態であると)、その上に搭載されたメモリチップ2は全て無駄になってしまう。そのため、本第3プローブ検査を行うことにより、メモリチップ2は、ロジックチップ1とパッケージ基板3との接続が確実に行われているもの(良品)だけにしか搭載されなくなるので、メモリチップ2を無駄にしてしまうことを回避できる。
【0089】
なお、第3プローブ検査の実施は必須ではない。量産時において、ロジックチップ1とパッケージ基板3との接続歩留が安定している場合には、第3プローブ検査は必ずしも実施しなくてもよい。第3プローブ検査を行わないことで、工程数を短縮することができる。
【0090】
次に、
図20のステップS15に示すチップ積層を行う。ここでは、パッケージ基板3上に実装されたロジックチップ1上にメモリチップ2を1チップもしくは複数チップを積層する。
【0091】
その後、樹脂封止を行って
図21に示す封止体4を形成するとともに、外部接続端子となるボール電極9の搭載を行って、パッケージ基板3を個片に切り離し、BGA6の組み立てを完了する。
【0092】
そして最後に、
図21のステップS16に示す動作テストである第4プローブ検査を行う。この第4プローブ検査では、ボール電極9にプロービングを行ってBGA6の動作テストを実施する。なお、BGA6のパッケージ形状は一般的な外形形状であるので、本動作テストは、従来のテストソケットを用いて行うことができる。既存インフラを活用することにより、新たな投資を抑制できるので、半導体装置の低コストを図ることができる。
【0093】
なお、
図22は本実施の形態1の変形例のBGA(半導体装置)18であり、樹脂封止ではなく、ケース19によって封止を行った半導体装置である。ケース19は例えば金属製であり、最上段のメモリチップ2の裏面に取り付けられていることにより、チップ保護並びに放熱フィンの役割も果たす。このBGA18の場合においても、前記第4プローブ検査では、ボール電極9にプロービングを行って動作テストを行う。
【0094】
(実施の形態2)
図23は実施の形態2の半導体装置の組み立ての銅ポストバンプ形成〜ウエハサポート取り付け後の構造の一例を示す部分断面図、
図24は実施の形態2の半導体装置の組み立ての裏面研摩〜裏面バンプ形成後の構造の一例を示す部分断面図、
図25は実施の形態2の半導体装置の組み立てのテープ貼り付け〜キャリア取り外し後の構造の一例を示す部分断面図である。
【0095】
本実施の形態2の半導体装置は、実施の形態1と同様のBGA6である。すなわち、本実施の形態2のBGA6も、パッケージ基板3上に複数の半導体チップが積層されたチップ積層型の半導体装置である。
【0096】
本実施の形態2のBGA6の構造は、実施の形態1のBGA6と同様であるため、その重複説明は省略する。
【0097】
次に、本実施の形態2の半導体装置の製造方法について説明する。
【0098】
本実施の形態2の半導体装置の製造方法の主な特徴は、キャリアに貼り付けられた導電膜部材によって複数の銅ポストバンプを電気的に短絡させ、この状態で第2プローブ検査を実施するものである。
【0099】
なお、本実施の形態2の半導体装置の製造方法におけるステップS21(素子形成)〜ステップS24(銅ポストバンプ形成)は、実施の形態1のステップS1(素子形成)〜ステップS4(銅ポストバンプ形成)と同様であるため、その重複説明は省略する。
【0100】
まず上記ステップS21〜ステップS23を実施し、次に、
図23のステップS24に示す銅ポストバンプ5を形成し、さらに第1プローブ検査を実施する。
【0101】
次に、
図23のステップS25に示すウエハサポート取り付けを行う。ここでは、ウエハ8の表面(第1面)8a側をキャリア(支持部材)11に貼り付ける。その際、キャリア11のウエハ8の表面8a側と対向する面には導電膜部材20が形成されている。なお、ウエハ8の表面8aとキャリア11の貼り付けは、導電膜部材20と複数の銅ポストバンプ5のそれぞれとが接触するように、ウエハ8の表面8a側をキャリア11に接着剤12を介して貼り付ける。
【0102】
これにより、ウエハ8の表面8aに形成された複数の銅ポストバンプ5が導電膜部材20を介して電気的に接続された状態となる(短絡された状態となる)。
【0103】
なお、キャリア11は、例えば石英ガラス等からなるガラスキャリアである。また、接着剤12は、例えば有機系接着剤である。ただし、接着剤12は、有機系接着剤に限定されるものでなく、導電性接着剤等を用いてもよい。
【0104】
次に、
図24のステップS26に示す裏面研摩(研削、バックグラインド)を行う。ここでは、ウエハ8の表面8a側をキャリア11に貼り付けた状態で、ウエハ8の表面8aとは反対側の裏面(第2面)8bを研摩(研削)し、ステップS2であらかじめ形成しておいた複数の貫通電極1cのそれぞれの先端(一部)を露出させる。この時の研摩は、例えばポリッシングとケミカルエッチングなどである。
【0105】
次に、
図24のステップS27に示す裏面バンプ形成を行う。ここでは、まず、ウエハ8の裏面8bに露出した複数の貫通電極1cの先端の周囲に絶縁膜1uを形成する。この絶縁膜1uは、例えばSiO
2(TiNも含む)膜などである。さらに、複数の貫通電極1cの裏面8b側に露出した先端のそれぞれにバンプ(第2電極)1eを形成する。バンプ1eは、例えばメッキなどによって形成される。また、バンプ1eは、例えば金(Au)等から成る場合が多い。
【0106】
これにより、ウエハ8の裏面8bには複数のバンプ1eが形成される。なお、複数のバンプ1eのそれぞれは、ウエハ8の裏面8bに露出する複数の貫通電極1cの先端に形成したものであるため、複数のバンプ1eの電極ピッチは、複数の貫通電極1cのピッチと同じである。
【0107】
そのため、ウエハ8の表裏面において、複数の銅ポストバンプ5のそれぞれの電極ピッチ>複数のバンプ1e(貫通電極1c)のそれぞれの電極ピッチの関係となっている。
【0108】
次に、
図24(ステップS27)に示す第2プローブ検査を実施する。ここでは、複数の銅ポストバンプ5と複数のバンプ1eとの電気的接続状態を検査する。なお、第2プローブ検査は、キャリア11をウエハ8に貼り付けた状態でウエハ8を支持し、かつ複数の銅ポストバンプ5のそれぞれの電極を電気的に短絡させた状態で、複数のバンプ1eのそれぞれの電極間の導通確認を行う。
【0109】
つまり、第2プローブ検査は、ウエハ8内(チップ内)に形成された複数の貫通電極1cのそれぞれの良否判定を行うものである。言い換えると、第2プローブ検査は、それぞれの(1本1本の)貫通電極1cの導通が確実に確保されているか否か、あるいは本来電気的に短絡してはならない貫通電極1c同士が短絡していないか否かを判定するものである。
【0110】
なお、複数の銅ポストバンプ5の短絡は、導電膜部材20を複数の銅ポストバンプ5のそれぞれが電気的に接続されるように複数の銅ポストバンプ5に接触させることで成されている。
【0111】
ここで、第2プローブ検査の意図については、上記実施の形態1で説明したものと同様であるため、その説明は省略する。
【0112】
上記第2プローブ検査完了後、
図25のステップS28に示すテープ貼り付けを行う。ここでは、上記第2プローブ検査を実施したウエハ8の裏面(第2面)8b側をダイシングテープ15に貼り付ける。
【0113】
次に、ステップS29に示すキャリア取り外しを行う。ここでは、第2プローブ検査を終え、かつダイシングテープ15を貼り付けたウエハ8に対して、表面8a側に接着剤12を介して貼り付けられているキャリア(支持部材)11を、ウエハ8から取り外す(除去する)。なお、接着剤12についても、キャリア11と共に除去する。
【0114】
次に、ダイシングを行う。なお、本実施の形態2のダイシングから半導体装置組み立て完了までの工程は、上記実施の形態1のステップS12のダイシング(
図17)〜ステップS16の動作テスト(
図21)と同様であるため、その重複説明は省略する。
【0115】
本実施の形態2のいくつかある特徴のうち、その主なものは、キャリア11に貼り付けられた導電膜部材20によって複数の銅ポストバンプ5のそれぞれを短絡させた状態で第2プローブ検査を実施することである。
【0116】
このようにすることより、実施の形態1と比較して
図7に示すようなスパッタリングによる導電膜10を形成する必要が無くなる。また、導電膜10を形成しないので、スパッタ膜(導電膜10)の除去工程も無くなる。つまり、導電膜10の形成工程と除去工程とが無くなるので、半導体装置の製造工程の短縮化を図ることができる。さらに、除去工程におけるスパッタ膜の膜残りや、銅ポストバンプのエッチングダメージ等の問題が発生するポテンシャルを無くすことができる。その結果、半導体装置の品質の安定化を図ることができる。
【0117】
(変形例1)
図26は実施の形態2の変形例1の半導体装置の組み立ての素子形成〜配線形成後の構造を示す部分断面図、
図27は実施の形態2の変形例1の半導体装置の組み立てのウエハサポート取り付け〜裏面研摩後の構造を示す部分断面図である。また、
図28は実施の形態2の変形例1の半導体装置の組み立ての貫通電極形成〜裏面バンプ形成後の構造を示す部分断面図、
図29は実施の形態2の変形例1の半導体装置の組み立てのテープ貼り付け〜銅ポストバンプ形成後の構造を示す部分断面図である。
【0118】
本実施の形態2の変形例1の半導体装置は、実施の形態1と同様のBGA6である。すなわち、本実施の形態2の変形例1のBGA6も、パッケージ基板3上に複数の半導体チップが積層されたチップ積層型の半導体装置である。
【0119】
本実施の形態2の変形例1のBGA6の構造は、実施の形態1のBGA6と同様であるため、その重複説明は省略する。
【0120】
次に、本実施の形態2の変形例1の半導体装置の製造方法について説明する。
【0121】
本実施の形態2の変形例1の半導体装置の製造方法の主な特徴は、第2プローブ検査後に、複数の銅ポストバンプを形成するものであり、銅ポストバンプを形成する前に、キャリアに貼り付けられた導電性接着剤によって複数のパッドを短絡させた状態で第2プローブ検査を実施するものである。
【0122】
まず、
図26のステップS41に示す素子形成を行う。ここでは、半導体基板であるウエハ8の表面(第1面)8aに素子1sを形成する。すなわち、シリコンから成るベース基板1r上の絶縁層1pと保護膜1qとからなる表面層にトランジスタなどの素子1sを形成する。
【0123】
次に、ステップS42の配線形成を行う。ここでは、まず、表面8a上の絶縁層1fにメタル層(第2回路層)1nを形成する。すなわち、メタル層1m上に複数のメタル層1nを形成する。メタル層1nは、複数の配線層から成り、各配線層のそれぞれの間には層間絶縁膜が形成されている。
【0124】
さらに、絶縁層1f上に、メタル層1nと電気的に接続された複数のパッド1dを形成する。パッド1dは、例えばここでは、アルミ(Al)で形成されたパッドである。
【0125】
次に、
図26(ステップS42)に示す第1プローブ検査を実施する。すなわち、複数のパッド1dを形成した後、この複数のパッド1dにプロービングを行って(図示しないテストプローブを当てて)、電気的試験である第1プローブ検査を実施する。この第1プローブ検査は、ウエハ8に形成されたロジックチップ1の良否判定を行うものであり、ウエハ8のチップ領域に形成された複数のロジックチップ1に対して行う。
【0126】
次に、
図27のステップS43に示すウエハサポート取り付けを行う。ここでは、ウエハ8の表面(第1面)8a側をキャリア(支持部材)11に貼り付ける。その際、ウエハ8の表面8aとキャリア11の貼り付けは、導電性接着剤22を介してウエハ8をキャリア11に貼り付ける。この時、導電性接着剤22と複数のパッド1dのそれぞれとが接触するように、ウエハ8の表面8a側を導電性接着剤22を介してキャリア11に貼り付ける。
【0127】
これにより、ウエハ8の表面8aに形成された複数のパッド1dが導電性接着剤22を介して電気的に接続された状態となる(短絡された状態となる)。
【0128】
なお、キャリア11は、例えば石英ガラス等からなるガラスキャリアである。
【0129】
次に、
図27のステップS44に示す裏面研摩(研削、バックグラインド)を行う。ここでは、ウエハ8の表面8a側をキャリア11に貼り付けた状態で、ウエハ8の表面8aとは反対側の裏面(第2面)8bを研摩(研削)し、ウエハ8を所望の厚さに形成する。この時の研摩は、例えばポリッシングとケミカルエッチングなどである。
【0130】
次に、
図28のステップS45の貫通電極形成を行う。ここでは、各貫通電極1cの一端がメタル層1mに接続するように複数の貫通電極1cをウエハ8内に形成する。なお、それぞれの貫通電極1cの表面は、SiO
2(TiNも含む)などの絶縁膜1tによって覆われており、これによって、貫通電極1cの拡散を防止している。複数の貫通電極1cの電極間ピッチは、ここでは、例えば40μm程度である。
【0131】
次に、
図28のステップS46に示す裏面バンプ形成を行う。ここでは、まず、ウエハ8の裏面8bに露出した複数の貫通電極1cの先端の周囲に絶縁膜1uを形成する。この絶縁膜1uは、例えばSiO
2(TiNも含む)膜などである。さらに、複数の貫通電極1cの裏面8b側に露出した先端のそれぞれにバンプ(第2電極)1eを形成する。バンプ1eは、例えばメッキなどによって形成される。また、バンプ1eは、例えば金(Au)等から成る場合が多い。
【0132】
これにより、ウエハ8の裏面8bには複数のバンプ1eが形成される。なお、複数のバンプ1eのそれぞれは、ウエハ8の裏面8bに露出する複数の貫通電極1cの先端に形成したものであるため、複数のバンプ1eの電極ピッチは、複数の貫通電極1cのピッチと同じである。そのため、ウエハ8の表裏面において、複数のパッド1dのそれぞれの電極ピッチ>複数のバンプ1e(貫通電極1c)のそれぞれの電極ピッチの関係となっている。
【0133】
次に、
図28(ステップS46)に示す第2プローブ検査を実施する。ここでは、複数のパッド1dと複数のバンプ1eとの電気的接続状態(導通状態)を検査する。なお、第2プローブ検査は、ウエハ8をキャリア11に貼り付けた状態でウエハ8を支持し、かつ複数のパッド1dのそれぞれの電極を電気的に短絡させた状態で、複数のバンプ1eのそれぞれの電極間の導通確認を行う。
【0134】
つまり、第2プローブ検査は、ウエハ8内(チップ内)に形成された複数の貫通電極1cのそれぞれの良否判定を行うものである。言い換えると、第2プローブ検査は、それぞれの(1本1本の)貫通電極1cの導通が確実に確保されているか否か、あるいは本来電気的に短絡してはならない貫通電極1c同士が短絡していないか否かを判定するものである。
【0135】
なお、本実施の形態2は、銅ポストバンプ5を形成する前に、導電性接着剤22によって複数のパッド1dを電気的に短絡させた状態で第2プローブ検査を実施することが特徴である。
【0136】
ここで、第2プローブ検査の意図については、上記実施の形態1で説明したものと同様であるため、その説明は省略する。
【0137】
上記第2プローブ検査完了後、
図29のステップS47に示すテープ貼り付けを行う。ここでは、上記第2プローブ検査を実施したウエハ8の裏面(第2面)8b側をダイシングテープ15に貼り付ける。
【0138】
次に、キャリア11の取り外しを行う。すなわち、第2プローブ検査を終え、かつダイシングテープ15を貼り付けたウエハ8に対して、表面8a側に導電性接着剤22を介して貼り付けられているキャリア(支持部材)11を、ダイシングを実施する前にウエハ8から取り外す(除去する)。このキャリア11と共に導電性接着剤22も除去する。
【0139】
次に、
図29のステップS48の銅ポストバンプ形成を行う。ここでは、パッド1dと電気的に接続された複数の突起電極である銅ポストバンプ(第1電極)5を形成する。すなわち、絶縁層1f上に形成され、複数のパッド1d上に突起電極である銅ポストバンプ5を形成する。銅ポストバンプ5は、Cuから成り、かつポスト型の電極である。なお、それぞれの銅ポストバンプ5上には半田7が形成されている。
【0140】
また、複数の銅ポストバンプ5を、例えば100μm以下のピッチで設ける。すなわち、メモリチップ側に必要となる貫通電極1cの端子数の方が、パッケージ基板側に接続する銅ポストバンプ5の数より多い。
【0141】
次に、ダイシングを行う。なお、本実施の形態2の変形例1のダイシングから半導体装置組み立て完了までの工程は、実施の形態1のステップS12のダイシング(
図17)〜ステップS16の動作テスト(
図21)と同様であるため、その重複説明は省略する。
【0142】
本実施の形態2の変形例1のいくつかある特徴のうち、その主なものは、第2プローブ検査は、導電性接着剤22によって複数のパッド1dを短絡させた状態で実施し、第2プローブ検査終了後、複数のパッド1dのそれぞれに複数の銅ポストバンプ5を形成することである。
【0143】
このようにすることにより、前述の実施の形態2と比較して、第2プローブ検査が終了してから、複数の銅ポストバンプ5を形成するので、ステップS43のウエハサポートを取り付ける際、銅ポストバンプを破損させたり(潰したり)、脱落させたりすることを防止することができる。
【0144】
さらに、ウエハサポートを取り付ける際、複数の銅ポストバンプ5が無いので、複数の銅ポストバンプ5がある場合に比べて、導電性接着剤22の接着厚を薄くすることができる。この導電性接着剤22の接着厚は、可能な限り薄い方が、次のステップS44のウエハ裏面研磨工程において都合がよい。つまり、複数の銅ポストバンプ5があると、それらのバンプ高さばらつきを吸収するように導電性接着剤22の接着厚を設定しなければならなくなる。導電性接着剤22の接着厚は、厚くなるにつれて、その接着厚のばらつきも大きくなる場合が多い。接着厚のばらつきは、ステップS44のウエハ裏面研磨工程の仕上がり、すなわち、ウエハ厚に影響が出るため、小さくしておかなければならない。ロジックチップ1の厚さは、狙い値が50μmと非常に薄いので、なおさらである。そのためにも、導電性接着剤22の接着厚は、可能な限り薄い方が好ましい。
【0145】
さらに、プローブ針を複数の銅ポストバンプ5にではなく、複数のパッド1dにコンタクトさせることにもメリットがある。複数の銅ポストバンプ5の先端には半田7が形成されており、複数の銅ポストバンプ5にプローブ針をコンタクトさせると、プローブ針の先端に削れた半田7が堆積し、これが酸化することによって、コンタクト抵抗が上昇してくる場合が多い。複数のパッド1dにプローブ針をコンタクトさせることにより、半田7によるコンタクト抵抗が上昇することを防止することができる。
【0146】
さらに、複数のパッド1dはアルミニウム(Al)で形成されているので、一般に普及しているカンチレバータイプや先端がクラウン形状となっているポゴピンタイプのプローブ針を使用することができる。このことは、つまり、銅ポストバンプに応じた専用のプローブ針を特に準備する必要が無いことを意味する。
【0147】
(変形例2)
図30は実施の形態2の変形例2の半導体装置の組み立ての裏面研摩〜裏面バンプ形成後の構造を示す部分断面図、
図31は実施の形態2の変形例2の半導体装置の組み立てにおけるダイシング後の構造を示す部分断面図である。
【0148】
本実施の形態2の変形例2の半導体装置は、実施の形態1と同様のBGA6である。すなわち、本実施の形態2の変形例2のBGA6も、パッケージ基板3上に複数の半導体チップが積層されたチップ積層型の半導体装置である。
【0149】
本実施の形態2の変形例2のBGA6の構造は、実施の形態1のBGA6と同様であるため、その重複説明は省略する。
【0150】
次に、本実施の形態2の変形例2の半導体装置の製造方法について説明する。
【0151】
本実施の形態2の変形例2の半導体装置の製造方法の主な特徴は、第2プローブ検査を実施した後のダイシング(個片化)時に、ダイシングテープを使用せずにキャリアで保持された状態でダイシングを行うものである。
【0152】
なお、本実施の形態2の変形例2の半導体装置の製造方法におけるステップS61(素子形成)〜ステップS66(裏面研摩)は、実施の形態2のステップS21(素子形成)〜ステップS26(裏面研摩)と同様であるため、その重複説明は省略する。
【0153】
まず上記ステップS61〜ステップS66を実施し、次に、
図30のステップS67に示す裏面バンプ形成を実施する。ここでは、まず、ウエハ8の裏面8bに露出した複数の貫通電極1cの先端の周囲に絶縁膜1uを形成する。この絶縁膜1uは、例えばSiO
2(TiNも含む)膜などである。さらに、複数の貫通電極1cの裏面8b側に露出した先端のそれぞれにバンプ(第2電極)1eを形成する。バンプ1eは、例えばメッキなどによって形成される。また、バンプ1eは、例えば金(Au)等から成る場合が多い。
【0154】
これにより、ウエハ8の裏面8bには複数のバンプ1eが形成される。なお、複数のバンプ1eのそれぞれは、ウエハ8の裏面8bに露出する複数の貫通電極1cの先端に形成したものであるため、複数のバンプ1eの電極ピッチは、複数の貫通電極1cのピッチと同じである。そのため、ウエハ8の表裏面において、複数の銅ポストバンプ5のそれぞれの電極ピッチ>複数のバンプ1e(貫通電極1c)のそれぞれの電極ピッチの関係となっている。
【0155】
また、本実施の形態2の変形例2では、バンプ1e形成と同時に、ウエハ8の裏面8bにおいて各チップの領域に対応させてダイシングパターン1vを形成する。
【0156】
次に、
図30(ステップS67)に示す第2プローブ検査を実施する。ここでは、複数の銅ポストバンプ5と複数のバンプ1eとの電気的接続状態(導通状態)を検査する。なお、第2プローブ検査では、キャリア11をウエハ8に貼り付けた状態でウエハ8を支持し、かつ複数の銅ポストバンプ5のそれぞれの電極を電気的に短絡させた状態で、複数のバンプ1eのそれぞれの電極間の導通確認を行う。
【0157】
つまり、第2プローブ検査は、ウエハ8内(チップ内)に形成された複数の貫通電極1cのそれぞれの良否判定を行うものである。言い換えると、第2プローブ検査は、それぞれの(1本1本の)貫通電極1cの導通が確実に確保されているか否か、あるいは本来電気的に短絡してはならない貫通電極1c同士が短絡していないか否かを判定するものである。
【0158】
なお、複数の銅ポストバンプ5の短絡は、導電膜部材20を複数の銅ポストバンプ5のそれぞれが電気的に繋がるように複数の銅ポストバンプ5に接触させることで成されている。
【0159】
ここで、第2プローブ検査の意図については、上記実施の形態1で説明したものと同様であるため、その説明は省略する。
【0160】
上記第2プローブ検査完了後、
図31のステップS68に示すダイシングを行う。ここでは、ダイシングテープを用いずに、キャリア11によって支持されたウエハ8を裏面8b側から切断し、複数の良品の半導体チップ(ここではロジックチップ1)を取得する。すなわち、ダイシングテープを用いることなく、キャリア11によって支持された状態でウエハ8の裏面8b側からダイシングを行うものであり、ダイシング時には、裏面8bに形成されたダイシングパターン1vを目印として裏面8b側(貫通電極1cの先端側)からダイシングを行う。
【0161】
つまり、キャリア11をダイシングテープの代わりとして用いるものであり、ウエハ8をキャリア11からダイシングテープに貼り替えることがなく、貼り替え時にウエハ8が損傷することを防止または低減することができる。さらに、ダイシング前にダイシングテープへの貼り替え作業を実施しなくて済むため、作業時間の短縮化を図ることもできる。
【0162】
次に、キャリア11からウエハ8を取り外すとともに、ウエハ8の表面8aから接着剤12を除去して良品の半導体チップを取得する。
【0163】
次に、フリップチップ実装を行う。なお、本実施の形態2の変形例2のフリップチップ実装から半導体装置組み立て完了までの工程は、実施の形態1のステップS13のフリップチップ実装(
図18)〜ステップS16の動作テスト(
図21)と同様であるため、その重複説明は省略する。
【0164】
本実施の形態2の変形例2によれば、前述の実施の形態2と比べて、上述のようにダイシングテープを用いることなく、キャリア11によって支持された状態でダイシングを行うことにより、ウエハ8をキャリア11からダイシングテープに貼り替える作業を省くことができる。その結果、貼り替え時にウエハ8が損傷することを防止または低減することができる。さらに、ダイシング前にダイシングテープへの貼り替え作業を実施しなくて済むため、作業時間の短縮化を図ることもできる。
【0165】
(実施の形態3)
図32は実施の形態3の半導体装置の組み立ての銅ポストバンプ形成〜テープ貼り付け後の構造の一例を示す部分断面図、
図33は実施の形態3の半導体装置の組み立ての裏面研摩〜裏面バンプ形成後の構造の一例を示す部分断面図である。
【0166】
本実施の形態3の半導体装置は、実施の形態1と同様のBGA6である。すなわち、本実施の形態3のBGA6も、パッケージ基板3上に複数の半導体チップが積層されたチップ積層型の半導体装置である。
【0167】
本実施の形態3のBGA6の構造は、実施の形態1のBGA6と同様であるため、その重複説明は省略する。
【0168】
次に、本実施の形態3の半導体装置の製造方法について説明する。
【0169】
本実施の形態3の半導体装置の製造方法の主な特徴は、キャリアの代わりとしてBGテープを使用するものであり、BGテープに支持された状態で第2プローブ検査を実施するというものである。
【0170】
なお、本実施の形態3の半導体装置の製造方法におけるステップS81(素子形成)〜ステップS84(銅ポストバンプ形成)は、実施の形態1のステップS1(素子形成)〜ステップS4(銅ポストバンプ形成)と同様であるため、その重複説明は省略する。
【0171】
まず上記ステップS81〜ステップS84(
図32)を実施し、次に、
図32のステップS85に示すテープ貼り付けを実施する。ここでは、ウエハ8の表面(第1面)8a側をBG(Back Grinding)テープ21に貼り付ける。すなわち、本実施の形態3では、支持部材がBGテープ21である。なお、BGテープ21の一方の面には導電膜部材20が貼り付けられており、したがって、ウエハ8の表面8aとBGテープ21の貼り付けは、導電膜部材20と複数の銅ポストバンプ5のそれぞれとが接触するように、ウエハ8の表面8a側を接着剤12を介してBGテープ21に貼り付ける。
【0172】
これにより、ウエハ8の表面8aに形成された複数の銅ポストバンプ5が導電膜部材20を介して電気的に接続された状態となる(電気的に短絡された状態となる)。
【0173】
なお、接着剤12は、例えば有機系接着剤であるが、これに限らず、導電性接着剤等を用いてもよい。
【0174】
次に、
図33のステップS86に示す裏面研摩(研削、バックグラインド)を行う。この時、ウエハ8の表面8a側をBGテープ21に貼り付けた状態で、ウエハ8の表面8aとは反対側の裏面(第2面)8bを研摩(研削、バックグラインド)し、予め形成しておいた複数の貫通電極1cのそれぞれの先端(一部)を露出させる。この時の研摩は、例えばポリッシングとケミカルエッチングなどである。
【0175】
次に、ステップS87に示す裏面バンプ形成を行う。ここでは、まず、ウエハ8の裏面8bに露出した複数の貫通電極1cの先端の周囲に絶縁膜1uを形成する。この絶縁膜1uは、例えばSiO
2(TiNも含む)膜などである。さらに、複数の貫通電極1cの裏面8b側に露出した先端のそれぞれにバンプ(第2電極)1eを形成する。バンプ1eは、例えばメッキなどによって形成されるまた、バンプ1eは、例えば金(Au)等から成る場合が多い。
【0176】
これにより、ウエハ8の裏面8bには複数のバンプ1eが形成される。なお、複数のバンプ1eのそれぞれは、ウエハ8の裏面8bに露出する複数の貫通電極1cの先端に形成したものであるため、複数のバンプ1eの電極ピッチは、複数の貫通電極1cのピッチと同じである。そのため、ウエハ8の表裏面において、複数の銅ポストバンプ5のそれぞれの電極ピッチ>複数のバンプ1e(貫通電極1c)のそれぞれの電極ピッチの関係となっている。
【0177】
次に、
図33(ステップS87)に示す第2プローブ検査を実施する。ここでは、複数の銅ポストバンプ5と複数のバンプ1eとの電気的接続状態(導通状態)を検査する。なお、第2プローブ検査は、BGテープ21をウエハ8に貼り付けた状態でウエハ8を支持し、かつ複数の銅ポストバンプ5のそれぞれの電極を導電膜部材20で電気的に短絡させた状態で、複数のバンプ1eのそれぞれの電極間の導通確認を行う。
【0178】
つまり、第2プローブ検査は、ウエハ8内(チップ内)に形成された複数の貫通電極1cのそれぞれの良否判定を行うものである。言い換えると、第2プローブ検査は、それぞれの(1本1本の)貫通電極1cの導通が確実に確保されているか否か、あるいは本来電気的に短絡してはならない貫通電極1c同士が短絡していないか否かを判定するものである。
【0179】
なお、複数の銅ポストバンプ5の電気的な短絡は、導電膜部材20を複数の銅ポストバンプ5のそれぞれが電気的に繋がるように複数の銅ポストバンプ5に接触させることで成されている。
【0180】
ここで、第2プローブ検査の意図については、上記実施の形態1で説明したものと同様であるため、その説明は省略する。
【0181】
次に、ダイシングを行う。なお、本実施の形態3のダイシングから半導体装置組み立て完了までの工程は、実施の形態1のステップS12のダイシング(
図17)〜ステップS16の動作テスト(
図21)と同様であるため、その重複説明は省略する。
【0182】
本実施の形態3の半導体装置の製造方法によれば、上述した本実施の形態1および2に比べて、キャリアの代わりとしてBGテープ21を使用することにより、その着脱を容易に行うことができる。つまり、支持部材(BGテープ21)の取り付け・取り外し作業の簡略化を図ることができる。
【0183】
(変形例1)
図34は実施の形態3の変形例1の半導体装置の組み立てのテープ貼り付け〜裏面研摩後の構造を示す部分断面図、
図35は実施の形態3の変形例1の半導体装置の組み立ての裏面バンプ形成〜テープ貼り付け後の構造を示す部分断面図、
図36は実施の形態3の変形例1の半導体装置の組み立ての銅ポストバンプ形成〜ダイシング後の構造を示す部分断面図である。
【0184】
本実施の形態3の変形例1のBGA6の構造は、実施の形態1のBGA6と同様であるため、その重複説明は省略する。
【0185】
次に、本実施の形態3の変形例1の半導体装置の製造方法について説明する。
【0186】
本実施の形態3の変形例1の半導体装置の製造方法の主な特徴は、第2プローブ検査後に、複数の銅ポストバンプを形成し、かつキャリアの代わりとしてBGテープを使用するというものである。さらに、銅ポストバンプを形成する前に、BGテープによって支持された状態で第2プローブ検査を実施するというものである。
【0187】
なお、本実施の形態3の変形例1の半導体装置の製造方法におけるステップS101(素子形成)〜ステップS103(配線形成)は、実施の形態1のステップS1(素子形成)〜ステップS3(配線形成)と略同様であるが、異なっているのは、ステップS3(配線形成)工程において、配線形成後にパッド1dに対して第1プローブ検査を行うことである。それ以外については同様であるため、その重複説明は省略する。
【0188】
まず上記ステップS101〜ステップS103を実施し、次に、
図34のステップS104に示すテープ貼り付けを実施する。ここでは、ウエハ8の表面(第1面)8a側をBGテープ(支持部材)21に貼り付ける。その際、ウエハ8の表面8aとBGテープ21の貼り付けは、導電性接着剤22を介してウエハ8をBGテープ21に貼り付ける。この時、導電性接着剤22と複数のパッド1dのそれぞれとが接触するように、ウエハ8の表面8a側を導電性接着剤22を介してBGテープ21に貼り付ける。
【0189】
これにより、ウエハ8の表面8aに形成された複数のパッド1dが導電性接着剤22を介して電気的に接続された状態となる(電気的に短絡された状態となる)。
【0190】
次に、
図34のステップS105に示す裏面研摩(研削、バックグラインド)を行う。この時、ウエハ8の表面8a側をBGテープ21に貼り付けた状態で、ウエハ8の表面8aとは反対側の裏面(第2面)8bを研摩(研削、バックグラインド)し、予め形成しておいた複数の貫通電極1cのそれぞれの先端(一部)を露出させる。この時の研摩は、例えばポリッシングとケミカルエッチングなどである。
【0191】
次に、ステップS106に示す裏面バンプ形成を行う。ここでは、まず、ウエハ8の裏面8bに露出した複数の貫通電極1cの先端の周囲に絶縁膜1uを形成する。この絶縁膜1uは、例えばSiO
2(TiNも含む)膜などである。さらに、複数の貫通電極1cの裏面8b側に露出した先端のそれぞれにバンプ(第2電極)1eを形成する。バンプ1eは、例えばメッキなどによって形成される。また、バンプ1eは、例えば金(Au)等から成る場合が多い。
【0192】
これにより、ウエハ8の裏面8bには複数のバンプ1eが形成される。なお、複数のバンプ1eのそれぞれは、ウエハ8の裏面8bに露出する複数の貫通電極1cの先端に形成したものであるため、複数のバンプ1eの電極ピッチは、複数の貫通電極1cのピッチと同じである。そのため、ウエハ8の表裏面において、複数の銅ポストバンプ5のそれぞれの電極ピッチ>複数のバンプ1e(貫通電極1c)のそれぞれの電極ピッチの関係となっている。
【0193】
次に、
図35(ステップS106)に示す第2プローブ検査を実施する。ここでは、複数の銅ポストバンプ5と複数のバンプ1eとの電気的接続状態(導通状態)を検査する。なお、第2プローブ検査は、BGテープ21をウエハ8に貼り付けた状態でウエハ8を支持し、かつ複数の銅ポストバンプ5のそれぞれの電極を導電膜部材20で電気的に短絡させた状態で、複数のバンプ1eのそれぞれの電極間の導通確認を行う。
【0194】
つまり、第2プローブ検査は、ウエハ8内(チップ内)に形成された複数の貫通電極1cのそれぞれの良否判定を行うものである。言い換えると、第2プローブ検査は、それぞれの(1本1本の)貫通電極1cの導通が確実に確保されているか否か、あるいは本来電気的に短絡してはならない貫通電極1c同士が短絡していないか否かを判定するものである。
【0195】
なお、複数のパッド1dの電気的な短絡は、導電性接着剤22を複数のパッド1dのそれぞれが電気的に繋がるように複数のパッド1dに接触させることで成されている。
【0196】
ここで、第2プローブ検査の意図については、上記実施の形態1で説明したものと同様であるため、その説明は省略する。
【0197】
次に、
図35のステップS107に示すテープ貼り付けを行う。ここでは、まずウエハ8の表面8a側のBGテープ21を剥離すると共に導電性接着剤22も除去する。さらに、ウエハ8の裏面8bに対してダイシングテープ15を貼り付ける。すなわち、第2プローブ検査を終え、かつダイシングテープ15を貼り付けたウエハ8に対して、表面8a側に導電性接着剤22を介して貼り付けられているBGテープ21を、ダイシングを実施する前にウエハ8から剥離する。この時、BGテープ21と共に導電性接着剤22も除去する。
【0198】
次に、
図36のステップS108の銅ポストバンプ形成を行う。ここでは、パッド1dと電気的に接続された複数の突起電極である銅ポストバンプ(第1電極)5を形成する。すなわち、絶縁層1f上に形成され、複数のパッド1d上に突起電極である銅ポストバンプ5を形成する。銅ポストバンプ5は、Cuから成り、かつポスト型の電極である。なお、それぞれの銅ポストバンプ5上には半田7が形成されている。
【0199】
また、複数の銅ポストバンプ5を、例えば100μm以下のピッチで設ける。すなわち、メモリチップ側に必要となる貫通電極1cの端子数の方が、パッケージ基板側に接続する銅ポストバンプ5の数より多い。
【0200】
次に、
図36のステップS109に示すダイシングを行う。ここでは、ダイシングテープ15によって支持されたウエハ8を切断し、複数の良品の半導体チップ(ここではロジックチップ1)を取得する。
【0201】
次に、フリップチップ実装を行う。なお、本実施の形態3の変形例1のフリップチップ実装から半導体装置組み立て完了までの工程は、実施の形態1のステップS13のフリップチップ実装(
図18)〜ステップS16の動作テスト(
図21)と同様であるため、その重複説明は省略する。
【0202】
本実施の形態3の変形例1の半導体装置の製造方法によれば、上述した実施の形態1および2に比べて、キャリアの代わりとしてBGテープ21を使用することにより、キャリアの取り付け・取り外しに比べてテープの方がその着脱を容易に行うことができる。つまり、支持部材(BGテープ21)の取り付け・取り外し作業の簡略化を図ることができる。
【0203】
また、本実施の形態3の変形例1では、第2プローブ検査後に、複数の銅ポストバンプ5を形成することにより、上述した実施の形態2の変形例1と同様の効果を得ることができる。
【0204】
(変形例2)
図37は実施の形態3の変形例2の半導体装置の組み立ての裏面研摩〜裏面バンプ形成後の構造を示す部分断面図、
図38は実施の形態3の変形例2の半導体装置の組み立てダイシング後の構造を示す部分断面図である。
【0205】
本実施の形態3の変形例2のBGA6の構造は、実施の形態1のBGA6と同様であるため、その重複説明は省略する。
【0206】
次に、本実施の形態3の変形例2の半導体装置の製造方法について説明する。
【0207】
本実施の形態3の変形例2の半導体装置の製造方法の主な特徴は、キャリアの代わりとしてBGテープを使用してBGテープにより支持された状態で第2プローブ検査を実施すると共に、このBGテープをダイシングテープの代わりとしても用いて、ダイシングを行うというものである。
【0208】
なお、本実施の形態3の変形例2の半導体装置の製造方法におけるステップS121(素子形成)〜ステップS125(テープ貼り付け)は、実施の形態3のステップS81(素子形成)〜ステップS85(
図32のテープ貼り付け)と同様であるため、その重複説明は省略する。
【0209】
まず上記ステップS121〜ステップS125を実施し、
図37に示すように、導電膜部材20と複数の銅ポストバンプ5のそれぞれとが半田7を介して接触するように、ウエハ8の表面8a側を接着剤12を介してBGテープ21に貼り付けた状態を形成する。
【0210】
これにより、ウエハ8の表面8aに形成された複数の銅ポストバンプ5が導電膜部材20を介して電気的に接続された状態となる(電気的に短絡された状態となる)。
【0211】
なお、接着剤12は、例えば有機系接着剤であるが、これに限らず、導電性接着剤等を用いてもよい。
【0212】
次に、
図37のステップS126に示す裏面研摩(研削、バックグラインド)を行う。この時、ウエハ8の表面8a側をBGテープ21に貼り付けた状態で、ウエハ8の表面8aとは反対側の裏面(第2面)8bを研摩(研削、バックグラインド)し、予め形成しておいた複数の貫通電極1cのそれぞれの先端(一部)を露出させる。この時の研摩は、例えばポリッシングとケミカルエッチングなどである。
【0213】
次に、ステップS127に示す裏面バンプ形成を行う。ここでは、まず、ウエハ8の裏面8bに露出した複数の貫通電極1cの先端の周囲に絶縁膜1uを形成する。この絶縁膜1uは、例えばSiO
2(TiNも含む)膜などである。さらに、複数の貫通電極1cの裏面8b側に露出した先端のそれぞれにバンプ(第2電極)1eを形成する。バンプ1eは、例えばメッキなどによって形成されるまた、バンプ1eは、例えば金(Au)等から成る場合が多い。
【0214】
これにより、ウエハ8の裏面8bには複数のバンプ1eが形成される。なお、複数のバンプ1eのそれぞれは、ウエハ8の裏面8bに露出する複数の貫通電極1cの先端に形成したものであるため、複数のバンプ1eの電極ピッチは、複数の貫通電極1cのピッチと同じである。そのため、ウエハ8の表裏面において、複数の銅ポストバンプ5のそれぞれの電極ピッチ>複数のバンプ1e(貫通電極1c)のそれぞれの電極ピッチの関係となっている。
【0215】
また、本実施の形態3の変形例2では、バンプ1e形成と同時に、ウエハ8の裏面8bにおいて各チップの領域に対応させてダイシングパターン1vを形成する。
【0216】
次に、
図37(ステップS127)に示す第2プローブ検査を実施する。ここでは、複数の銅ポストバンプ5と複数のバンプ1eとの電気的接続状態(導通状態)を検査する。なお、第2プローブ検査は、BGテープ21をウエハ8に貼り付けた状態でウエハ8を支持し、かつ複数の銅ポストバンプ5のそれぞれの電極を導電膜部材20で電気的に短絡させた状態で、複数のバンプ1eのそれぞれの電極間の導通確認を行う。
【0217】
つまり、第2プローブ検査は、ウエハ8内(チップ内)に形成された複数の貫通電極1cのそれぞれの良否判定を行うものである。言い換えると、第2プローブ検査は、それぞれの(1本1本の)貫通電極1cの導通が確実に確保されているか否か、あるいは本来電気的に短絡してはならない貫通電極1c同士が短絡していないか否かを判定するものである。
【0218】
なお、複数の銅ポストバンプ5の電気的な短絡は、導電膜部材20を複数の銅ポストバンプ5のそれぞれが電気的に繋がるように複数の銅ポストバンプ5に接触させることで成されている。
【0219】
ここで、第2プローブ検査の意図については、上記実施の形態1で説明したものと同様であるため、その説明は省略する。
【0220】
次に、
図38のステップS128に示すダイシングを行う。ここでは、ダイシングテープを用いずに、BGテープ21によって支持されたウエハ8を裏面8b側から切断し、複数の良品の半導体チップ(ここではロジックチップ1)を取得する。すなわち、ダイシングテープを用いることなく、BGテープ21によって支持された状態でウエハ8の裏面8b側からダイシングを行う。ダイシングは、裏面8bに形成されたダイシングパターン1vを目印として裏面8b側(貫通電極1cの先端側)から行う。
【0221】
このように、BGテープ21をダイシングテープの代わりとして用いることにより、ウエハ8をBGテープ21からダイシングテープに貼り替える必要が無くなるので、貼り替え時にウエハ8が損傷することを防止または低減することができる。さらに、ダイシング前にダイシングテープへの貼り替え作業を実施しなくて済むため、作業時間の短縮化を図ることができる。
【0222】
次に、フリップチップ実装を行う。なお、本実施の形態3の変形例2のフリップチップ実装から半導体装置組み立て完了までの工程は、実施の形態1のステップS13のフリップチップ実装(
図18)〜ステップS16の動作テスト(
図21)と同様であるため、その重複説明は省略する。
【0223】
本実施の形態3の変形例2の半導体装置の製造方法によれば、BGテープ21をダイシングテープの代わりとして用いることにより、上述のようにウエハ8をBGテープ21からダイシングテープに貼り替えることがなく、貼り替え時にウエハ8が損傷することを防止または低減することができる。さらに、ダイシング前にダイシングテープへの貼り替え作業を実施しなくて済むため、作業時間の短縮化を図ることができる。
【0224】
また、キャリアの代わりとしてBGテープ21を使用することで、キャリアの取り付け・取り外しに比べてテープの方がその着脱を容易に行うことができ、かつ簡略化を図ることができる。
【0225】
(実施の形態4)
図39は実施の形態4の半導体装置の組み立ての裏面研摩〜裏面バンプ/引き出し配線形成後の構造の一例を示す部分断面図、
図40は実施の形態4の半導体装置の組み立てのテープ貼り付け後の構造の一例を示す部分断面図、
図41は実施の形態4の半導体装置の組み立てのBGテープ剥離後の構造の一例を示す部分断面図である。また、
図42は実施の形態4の半導体装置の組み立てのレーザ切断後の構造の一例を示す部分断面図、
図43は実施の形態4の半導体装置の組み立てに用いられる半導体基板の裏面の電極配列の一例を示す平面図、
図44は
図43のF部における変形例1のレーザ切断箇所を示す拡大部分平面図、
図45は
図43のF部における変形例2のレーザ切断箇所を示す拡大部分平面図である。
【0226】
本実施の形態4の半導体装置は、実施の形態1と同様のBGA6である。すなわち、本実施の形態4のBGA6も、パッケージ基板3上に複数の半導体チップが積層されたチップ積層型の半導体装置である。
【0227】
本実施の形態4のBGA6の構造は、実施の形態1のBGA6と同様であるため、その重複説明は省略する。
【0228】
次に、本実施の形態4の半導体装置の製造方法について説明する。
【0229】
本実施の形態4の半導体装置の製造方法の主な特徴は、キャリアの代わりとしてBGテープを使用してBGテープにより支持された状態で第2プローブ検査を実施すると共に、裏面バンプ形成時にウエハ裏面に、バンプと電気的に接続されたテストパッドを形成し、このテストパッドにプローブをコンタクトさせて第2プローブ検査を行うものである。
【0230】
なお、本実施の形態4の半導体装置の製造方法におけるステップS141(素子形成)〜ステップS145(テープ貼り付け)は、実施の形態3のステップS81(素子形成)〜ステップS85(
図32のテープ貼り付け)と同様であるため、その重複説明は省略する。
【0231】
まず上記ステップS141〜ステップS145を実施し、
図39に示すように、導電膜部材20と複数の銅ポストバンプ5のそれぞれとが半田7を介して接触するように、ウエハ8の表面8a側を接着剤12を介してBGテープ21に貼り付けた状態を形成する。
【0232】
これにより、ウエハ8の表面8aに形成された複数の銅ポストバンプ5が導電膜部材20を介して電気的に接続された状態となる(電気的に短絡された状態となる)。
【0233】
なお、接着剤12は、例えば有機系接着剤であるが、これに限らず、導電性接着剤等を用いてもよい。
【0234】
次に、
図39のステップS146に示す裏面研摩(研削、バックグラインド)を行う。この時、ウエハ8の表面8a側をBGテープ21に貼り付けた状態で、ウエハ8の表面8aとは反対側の裏面(第2面)8bを研摩(研削、バックグラインド)し、予め形成しておいた複数の貫通電極1cのそれぞれの先端(一部)を露出させる。この時の研摩は、例えばポリッシングとケミカルエッチングなどである。
【0235】
次に、ステップS147に示す裏面バンプ/引き出し配線形成を行う。ここでは、まず、ウエハ8の裏面8bに露出した複数の貫通電極1cの先端の周囲に絶縁膜1uを形成する。この絶縁膜1uは、例えばSiO
2(TiNも含む)膜などである。さらに、複数の貫通電極1cの裏面8b側に露出した先端のそれぞれにバンプ(第2電極)1eを形成する。バンプ1eは、例えばメッキなどによって形成されるまた、バンプ1eは、例えば金(Au)等から成る場合が多い。
【0236】
これにより、ウエハ8の裏面8bには複数のバンプ1eが形成される。なお、複数のバンプ1eのそれぞれは、ウエハ8の裏面8bに露出する複数の貫通電極1cの先端に形成したものであるため、複数のバンプ1eの電極ピッチは、複数の貫通電極1cのピッチと同じである。そのため、ウエハ8の表裏面において、複数の銅ポストバンプ5のそれぞれの電極ピッチ>複数のバンプ1e(貫通電極1c)のそれぞれの電極ピッチの関係となっている。
【0237】
さらに、複数の貫通電極1cのウエハ8の裏面8b側に露出した先端のそれぞれにバンプ(第2電極)1eを形成するとともに、このバンプ1eを介して複数の貫通電極1cのそれぞれと電気的に接続され、かつ複数の貫通電極1cのそれぞれの電極間ピッチよりも電極間ピッチが広い複数のテストパッド(第3電極)1xを形成する。なお、複数のバンプ1eと複数のテストパッド1xとを接続する複数の引き出し配線(再配線)1yも形成する。
【0238】
すなわち、ウエハ8の裏面8bにおいて、複数のテストパッド1xは、複数の引き出し配線1yを介して複数のバンプ1eに電気的に接続されている。なお、複数のバンプ1e、複数のテストパッド1x、および引き出し配線1yは、例えばフォトリソ処理によって形成する。
【0239】
これにより、ウエハ8の裏面8bには複数のバンプ1eと、これらバンプ1eと引き出し配線1yを介して電気的に接続される複数のテストパッド1xが形成されている。なお、複数のテストパッド1xは、引き出し配線1yによって各バンプ1eから配線で引き出されて電極間ピッチが広げられた電極であり、したがって、複数のテストパッド1xの電極間ピッチの方が複数のバンプ1e(貫通電極1c)の電極間ピッチより大きくなっている。
【0240】
その結果、複数のバンプ1eの電極間ピッチが狭ピッチであることにより、バンプ1eにプロービングすることが困難な場合でも、電極間ピッチが広げられたテストパッド1xにプロービングすることにより、容易に電気的試験(ここでは、第2プローブ検査)を行うことができる。
【0241】
また、第2プローブ検査を行う際に、テストパッド1xにプロービングを行い、バンプ1eにはプロービングを行わないため、プロービングによってバンプ1eに傷が付くことを防止できる。つまり、ロジックチップ1では、チップ積層の際にバンプ1eを介してメモリチップ2との電気的接続を行うため、貫通電極1c上のバンプ1eには傷を付けない方が好ましい。そのため、テストパッド1xに対してプロービングを行うことにより、バンプ1eを介したメモリチップ2との電気的接続の信頼性を高めることができる。
【0242】
ここで、複数のバンプ1eのそれぞれは、ウエハ8の裏面8bに露出する複数の貫通電極1cの先端に形成したものであるため、複数のバンプ1eの電極ピッチは、複数の貫通電極1cのピッチと同じである。
【0243】
次に、
図39(ステップS147)に示す第2プローブ検査を実施する。本実施の形態4では、上述のように、複数のバンプ1eと複数のテストパッド1xとが複数の引き出し配線1yによって電気的に接続されている。したがって、第2プローブ検査では、複数のテストパッド1xのそれぞれの電極にプロービングすることにより、複数の銅ポストバンプ5と複数のバンプ1eとの電気的接続状態(導通状態)を検査する。
【0244】
なお、第2プローブ検査の意図については、上記実施の形態1で説明したものと同様であるため、その説明は省略する。
【0245】
次に、
図40のステップS148に示すテープ貼り付けを行う。ここでは、第2プローブ検査を実施したウエハ8の裏面(第2面)8b側をダイシングテープ15に貼り付ける。
【0246】
次に、
図41のステップS149に示すBGテープ剥離を行う。ここでは、ウエハ8の表面8a側において、BGテープ21を剥離して除去するとともに、接着剤12も除去する。
【0247】
次に、ダイシングを行う。なお、本実施の形態4のダイシングからフリップチップ実装までの工程は、実施の形態1のステップS12のダイシング(
図17)からステップS13のフリップチップ実装(
図18)と同様であるため、その重複説明は省略する。
【0248】
次に、実施の形態1のステップS14(
図19)と同様に、オープン/ショートテストを行う。ここでは、
図19に示すように、パッケージ基板3の下面3b側の複数のランド3jのそれぞれを電気的に短絡させた状態で、ロジックチップ1の裏面(上面)1b側の複数のバンプ(第2電極)1eのそれぞれの電極間の導通確認を行う。例えば、パッケージ基板3の下面3b側の複数のランド3jを導電性シート16によって短絡させ、この状態のパッケージ基板3をプローブキャリア17で支持し、かつプローブキャリア17に設けられた真空吸着孔17aを介して真空排気することでパッケージ基板3を支持する。さらに、本実施の形態4では、この状態でロジックチップ1の裏面1bに形成された
図41に示す複数のテストパッド1xにプロービングして第3プローブ検査を実施する。
【0249】
この第3プローブ検査によって、ロジックチップ1とパッケージ基板3との電気的接続状態の良否判定を行う。具体的には、ロジックチップ1の複数の銅ポストバンプ5とパッケージ基板3の複数のランド3iのそれぞれの接続状態を確認する。
【0250】
ここで、第3プローブ検査の重要性については、実施の形態1で説明したものと同様であるため、その説明は省略する。
【0251】
なお、第3プローブ検査の実施は必須ではなく、ロジックチップ1とパッケージ基板3との接続歩留が安定している場合には、第3プローブ検査は必ずしも実施しなくてもよい。
【0252】
次に、
図42のステップS153に示すレーザ切断を行う。ここでは、レーザ23を照射して配線(引き出し配線1y)を切断することによって、複数のバンプ1e(貫通電極1c)とそれらに対応した複数のテストパッド1xとを電気的に分離する。
【0253】
ここで、配線(引き出し配線1y)を前述のレーザ23によって切断する際の配線上での切断位置について説明する。
【0254】
図43はウエハ8の裏面側の電極配列を示すものであり、複数のバンプ1eとテストパッド1xとがそれぞれ異なるピッチで格子状に並んで設けられている。
図44は、
図43のF部を拡大してウエハ8の裏面側での配線の切断位置を示した変形例1である。
図44の変形例1では、複数のバンプ1e(貫通電極1c)と複数のテストパッド1xとが複数の引き出し配線1yによって電気的に接続されているが、点線Jの位置で一括して複数の引き出し配線1yをレーザ切断するものである。
【0255】
すなわち、それぞれ格子状に配置されたバンプ1e群とテストパッド1x群との間の領域において、テストパッド1x群よりバンプ1e群に近い位置(上記点線Jの位置)で、引き出し配線1yの延在方向と交差する方向のバンプ列にほぼ沿って、複数の引き出し配線1yを一括して切断するものである。
【0256】
図44の変形例1によれば、複数の引き出し配線1yを一括してレーザ切断することにより、引き出し配線1yの切断処理に係る時間を短縮化することができ、引き出し配線1yの切断工程の簡略化を図ることができる。
【0257】
一方、
図45は、
図43のF部を拡大してウエハ8の裏面側での配線の切断位置を示した変形例2であり、複数のバンプ1eを、例えば列ごとに小分けしてレーザ切断するものである(点線J,K,L,M,N,Pの位置でそれぞれレーザ切断する)。
【0258】
すなわち、格子状に配置された複数のバンプ1eにおいて、引き出し配線1yの延在方向と交差する方向のバンプ列ごとに、それぞれのバンプ列と隣り合うバンプ列の間の位置(上記点線K,L,M,N,Pの位置)で、それぞれの上記バンプ列にほぼ沿って複数の引き出し配線1yを切断するものである。この時、複数の上記バンプ列のうち、最もテストパッド1x群寄りの上記バンプ列については、上記バンプ列と隣り合うテストパッド1x列との間の領域において、テストパッド1x群よりバンプ1e群に近い位置(上記点線Jの位置)で、引き出し配線1yの延在方向と交差する方向のバンプ列にほぼ沿って、複数の引き出し配線1yを切断する。つまり、
図45の変形例2の場合、列毎に、引き出し配線1y上において複数のテストパッド1xより複数のバンプ1e(貫通電極1c)の近くの位置で切断する。
【0259】
このようにテストパッド1xよりバンプ1e(貫通電極1c)の近くの位置で引き出し配線1yをレーザ切断することにより、配線容量が増えて電気的特性が低下することを防止できる。さらに、各バンプ1eに接続して残った配線がアンテナ化することでノイズを拾い易くなることを低減できる。
【0260】
なお、本実施の形態4の半導体装置の製造方法におけるステップS154(チップ積層)およびステップS155(動作テスト)は、実施の形態1のステップS15(チップ積層)およびステップS16(動作テスト)と同様であるため、その重複説明は省略する。
【0261】
本実施の形態4の半導体装置の製造方法によれば、複数のバンプ1eのそれぞれの電極間ピッチよりも複数のテストパッド1xのそれぞれの電極間ピッチの方が広いので、複数のテストパッド1xに容易にプロービングすることが可能となる。その結果、電気的試験(第2および第3プローブ検査)を容易に行うことができる。さらに、電気的試験を行う際に、テストパッド1xにプロービングを行い、バンプ1eにはプロービングを行わないので、プロービングによってバンプ1eに傷が付いたり、バンプ1eが破損したりすることを防止できる。上述のようにロジックチップ1では、チップ積層の際にバンプ1eを介してメモリチップ2との電気的接続を行うため、貫通電極1c上のバンプ1eには傷を付けない方が好ましい。したがって、本実施の形態4のように、バンプ1eではなく、テストパッド1xに対してプロービングを行うことにより、バンプ1eを介したメモリチップ2との電気的接続の信頼性を高めることができる。さらに、チップ積層における実装信頼性を向上させることもできる。
【0262】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0263】
例えば、何れの実施の形態および変形例においても、各ウエハに対して貫通電極を形成する工程は、素子形成前に行ってもよく、また、素子形成後で、かつ配線形成工程前に行ってもよく、あるいは素子形成と配線形成を終えた後に行ってもよい。
【0264】
また、何れの実施の形態および変形例においても、ウエハを支持する支持部材は、キャリアであっても、BGテープであってもよい。
【0265】
また、何れの実施の形態および変形例においても、第2プローブ検査時の複数の銅ポストバンプもしくは複数のパッドの短絡については、スパッタによる導電膜、あるいはキャリアやBGテープに設けられた導電膜部材、もしくは導電性接着剤などを用いてもよい。
【0266】
これまで実施の形態1〜4(変形例も含む)で説明したいくつかの特徴の主なものは、種々組み合わせ可能である。
【0267】
また、前記実施の形態1〜4(変形例も含む)では、半導体装置がBGAの場合を取り上げて説明したが、前記半導体装置は、配線基板上に複数の半導体チップを積層して成る構造のものであれば、BGAに限らず、例えばLGA(Land Grid Array)などであってもよい。