【実施例】
【0016】
本発明に係るシンクトレーおよび該シンクトレーを備えたシンクの実施例を、
図1〜
図6を参照して説明する。本発明のシンクトレー1は、
図5(a)に示すようなキッチンのシンク2の内周壁面に形成された凹所3内に
図5(b)、
図6(b)に示すように取り付け、石鹸やスポンジ等の物品を載置可能とするものである。
【0017】
(シンクトレー)
シンクトレー1は、
図1〜
図4に示すように、物品を載せるための載置部6と、載置部6の左右両側部にそれぞれ取り付けられている左右の脚部7と、を備えている。
【0018】
載置部6は、金属製であり、
図3(a)、(b)、
図4(a)に示すように、全体的にはプレート状で、厚さは均一に形成されている。金属材料としては、例えばSUS(Stainless steelステンレス鋼)等が使用される。載置部6には、
図2(a)、
図3(a)、(b)に示すように、複数のスリット状の開口(長孔)8が形成されている。
【0019】
この複数のスリット状の開口8は、載置部6の上面に付着した水をシンク2内に排水し、載置部6上の水捌けを良くすることが可能である。複数のスリット状の開口8は、その長手方向をどの方向に向かうように形成してもよい。
【0020】
しかしながら、本実施例のように、複数のスリット状の開口8を、左右方向、即ち前後方向に対して直交する方向に向けて長細く形成すると、後記するが、載置部6の上面を後方に向けて下り勾配に傾斜した構成と相乗的に機能して、載置部6の上面を後方に向けて流れる水を、より効果的に捕捉することができ、排水し易い。
【0021】
なお、本実施例では、
図2(a)、
図3(a)、(b)に示すように、左右に2つの開口8を前後方向に複数形成しているが、左右に2つの開口8に分けることなく、左右に延びる一本の開口を前後方向に複数形成してもよい。
【0022】
載置部6の前方には、載置部6の前方端の左右端および中央から上方に折り曲げられた前枠部11が形成されている。この前枠部11は、載置部6に載置した物品が前方に落下しないような落下防止枠となるとともに、使用者が把持するための手段としても機能する。
【0023】
載置部6の後方には、載置部6の後方端から下方に折り曲げられた後壁部12が形成されている。後壁部12の左右両端側には、後記する脚部7の凸部13(
図3(c)参照)を係入するための開口部16が形成されている(
図3(a)、(b)参照)。
【0024】
さらに、載置部6の左右両側には、載置部6の左右端からそれぞれ下方に折り曲げられて成る鈎状の引っ掛け部17が形成されている。引っ掛け部17には、その後端から鉤部18が後方に突出するように形成されている。
【0025】
脚部7は、弾力的に変形可能な軟質の樹脂製であり、例えばポリプロピレン等の樹脂材で、
図3(c)に示すように平面視でL型に形成されている。脚部7は、前後方向に伸びる脚部本体21と、脚部本体21の後端から左又は右方向に屈曲して延びる後端部22とから一体に形成されている。そして、脚部7と後端部22となす角度θは、90°より若干大きく形成されている。
【0026】
図3(c)は右側の脚部7を示すが、左側の脚部7も左右対称である以外は同様の構造である。より詳しくは、右側の脚部7は、
図3(c)に示すように、その後端部22が左側に屈曲しており、左側の脚部7は、特に図示はしないが右側の脚部7と対称的に、その後端部22が右側に屈曲している。
【0027】
脚部本体21と後端部22との屈曲した部分の内側には、切り欠き23が形成されており、これによって、脚部本体21と後端部22が互いに近づく方向(
図3(c)の2つの湾曲状の矢印参照)に、弾力的に曲げ易くなっている。
【0028】
脚部本体21は、側方から見て全体的に略三角形(
図2(b)、
図3(d)参照)であって、
図3(d)に示すように、内部に下方に開口した空洞部23が形成されている。脚部本体21の頂部26の上面(頂部上面)27を水平に置いた場合に、脚部本体21の下面28は後方に向けて下り勾配の傾斜状に形成されている。脚部本体21の上面27と下面28のなす角度αは、例えば12°になるように形成されている。
【0029】
頂部26の前端側には、
図3(c)、(d)に示すように、前後方向に長い長孔状の貫通孔29が形成されている。この貫通孔29は、載置部6の引っ掛け部17が上方から挿入可能なように、その前後方向の幅(縦幅)および左右方向の幅(横幅)は、引っ掛け部17の縦幅および横幅よりわずかに大きく形成されている。
【0030】
作用の説明において詳記するが、貫通孔29の縦幅および横幅を上記のような大きさとすることで、貫通孔29に載置部6の引っ掛け部17を上方から挿入可能となる(
図4(b)参照)。この挿入後、載置部6に対して脚部7を前方に引いてスライドし、頂部26における貫通孔29の後縁部30に引っ掛け部17の鉤部18を係合させて、脚部7を載置部6に係合して取り付けることが可能となる。
【0031】
後端部22の後面には、後方に向けて凸部13が突出するように設けられている。この凸部13は、脚部7を載置部6に取り付ける際に、載置部6の後方の後壁部12の開口部16に弾力的に係入される。このように、脚部7の貫通孔29と凸部13は、脚部7を載置部6に取り付ける際の脚部7における係合部として機能する。
【0032】
(シンクトレーを備えたシンク)
シンクトレー1を備えたシンクは、
図5(a)に示すようなシンク2の内周壁面33に形成された凹所3に、シンクトレー1が取り付けられて成るものである。この凹所3内にシンクトレー1を装着できるように、凹所3の横幅を考慮してシンクトレー1の横幅が決められている。なお、シンク2の底部34であって凹所3の前方には排水孔35が形成されている。
【0033】
凹所3を形成する左右の壁面36に、それぞれ互いに対向する側に突出する段差部37が形成されている。この段差部37は、その上面38にシンクトレー1を載せて支持することができるような形状に形成されている。
【0034】
段差部37の上面38は、
図6に示すように、シンク2の後方に向けて下り勾配の傾斜状に形成されている。水平面Hに対する段差部37の上面38の傾斜角度β(例えば15°)は、脚部本体21の上面27と下面28のなす角度α(例えば12°)より大きく形成されている。
【0035】
そして、シンクトレー1を段差部37の上面38に載置している場合は、水平面Hに対して、脚部本体21の下面28の傾斜する角度と段差部37の上面38の傾斜する角度は同じである。従って、脚部本体21の上面27は、β−αの差の傾斜角度(例えば、β−α=3°)を以て後方に向けて下り勾配となるように傾斜して取り付けられる。
【0036】
ところで、脚部本体21の上面27の上に、均一な厚さのプレート状の載置部6が載置されるので、プレート状の載置部6の上面は、脚部本体21の上面27と同様に、β−αの差の傾斜角度(例えば、β−α=3°)を以てシンク2の後方に向けて下り勾配となるように傾斜することとなる。
【0037】
(作用)
以上の構成から成るシンクトレー1および該シンクトレー1を備えたシンク2の作用について説明する。シンクトレー1は、前記した
図4(a)に示すとおり、部品としては互いに別体である載置部6と左右の脚部7(
図4(a)は右側の脚部7を示すが、左側の脚部7も左右対称である以外は同様の構造である)とを備えている。
【0038】
なお、
図4中の脚部7について、
図4(a)、(c)は、後記するが、指で力を加えて曲げていない自然状態の長さの脚部7を示しており、
図4(b)は指で力を加えて曲げ、前後方向に若干縮んで見える状態を示している。
【0039】
左右の脚部7を、それぞれ載置部6に取り付ける場合は、
図4(a)に示す状態では、載置部6の後壁部12が、脚部7の後端部22および凸部13につっかかかってしまい、載置部6の引っ掛け部17を上方から脚部7の貫通孔29内に挿入することができない。
【0040】
そこで、使用者は、脚部本体21の前端と後端部22を人差し指と親指で摘んで互いに近づく方向に脚部7を変形(
図3(c)の2つの湾曲矢印参照)しながら、
図4(b)に示すとおり、載置部6の引っ掛け部17を上方から脚部7の貫通孔29内に挿入する。
【0041】
引っ掛け部17を貫通孔29に挿入したら、次に、脚部載置部6に対して脚部7を前方(
図4中の左側)に引いてスライドし、
図4(c)に示すように、引っ掛け部17の鉤部18を貫通孔29の後縁部30に係合させるとともに、人差し指と親指で摘む力を弱めて脚部7と載置部6との弾力的な変形を緩めながら、脚部7の後端部22の凸部13を後壁部12の開口部16内に係入する。
【0042】
前記したとおり、脚部本体21と後端部22とのなす角度θは、90°より若干大きく構成されているので、弾力的な変形を緩めても、脚部7はさらにその自然状態に戻ろうとする弾力が作用しており、脚部7の後端部22の凸部13は、後壁部12の開口部16内に弾力的に係入した状態を維持し、その係合がはずれにくくなる。
【0043】
この結果、引っ掛け部17の鉤部18は、貫通孔29の後縁部30と係合し、かつ脚部7の後端部22の凸部13は、後壁部12の開口部16に弾力も作用してしっかりと係合するので、脚部7と載置部6は互いに前後方向に移動することができず、引っ掛け部17が貫通孔29から抜け出るようなことがなくなり、
図4(c)に示すように、脚部7と載置部6は互に完全に結合して取り付けられた状態となる。
【0044】
以上が、載置部6に脚部7を取り付ける場合であるが、載置部6と脚部7をそれぞれ清掃等するために、載置部6から脚部7を取り外す場合は、上記取り付けの手順と逆の手順で行えばよい。
【0045】
即ち、使用者は、
図4(c)に示す取り付け状態にある脚部本体21の前端と後端部22を人差し指と親指で摘んで互いに近づく方向に変形(
図3(a)の矢印参照)しながら、載置部6に対して脚部7を後方(
図4中の右側)に引いてスライドし、引っ掛け部17の鉤部18を、脚部7の貫通孔29の後縁部30との係合を解除するとともに、脚部7の凸部13を後壁部12の開口部16から引き抜く。
【0046】
これによって、載置部6と脚部7を
図4(b)に示す状態にする。この状態で、載置部6を脚部7に対して持ち上げることで、引っ掛け部17を貫通孔29から引き抜いて、載置部6から脚部7を取り外すことができる。
【0047】
シンクトレー1をシンク2に取り付ける場合は、
図6(a)に示すように、シンクトレー1をシンク2の左右の段差部37上に載置する。そして、シンクトレー1を段差部37の傾斜した上面38に沿ってシンク2の後方(奥の方)へスライドすることで、
図5(b)、
図6(b)に示すように、シンクトレー1を取り付けることができる。
【0048】
図5(b)、
図6(b)に示す状態では、前記したとおり、シンクトレー1は、その載置部6の上面が、水平面Hに対する段差部37の上面38の傾斜角度β(例えば15°)と脚部本体21の上面27と下面28のなす角度α(例えば12°)の差である傾斜角度β−α(例えば、傾斜角度β−α=3°)だけ、後方に向けて下り勾配となるように傾斜してシンク2に取り付けられる。
【0049】
シンクトレー1は、その載置部6はプレート状で平坦に形成されているので、洗剤ボトル等の物品でも比較的安定して載置することができ、また、スリット状の開口8を通過しない大きさであれば、小さな物品でも載置することができる。
【0050】
しかも、載置部6には、複数のスリット状の開口8が形成されているので、後で詳記するが、載置部6上に水が溜まりにくく、衛生的にもすぐれている。さらに、シンクトレー1がシンク2に取り付けられる際のシンク2との接触部分である脚部7は、樹脂製であるから、シンク2の表面を傷つけるようなことが軽減できる。また、全てが金属製のシンクトレーと比べると、本発明のシンクトレー1は、樹脂製の脚部7を備えているので、シンク2に取り付けたときに、がたつきが発生しにくい。
【0051】
さらに、脚部7は載置部6に対して簡単に着脱可能であるので、シンクトレー1の清掃もし易い。特に載置部6と脚部7の境界部分には水垢やカビなどがたまりやすいが、着脱可能な構成としたことで、それぞれを個別に洗浄することが可能となり、シンクトレー1の清掃性が大きく向上する。
【0052】
そして、本発明のシンク2では、シンクトレー1の載置部6の上面は、前記したとおり、後方に向けて下り勾配となるように傾斜(例えば、傾斜角度はβ−α=3°)して取り付けられているために、次のような顕著な作用効果が生じる。
【0053】
(1)後方に傾斜した段差部37の上面にシンクトレー1を載せることで、シンクトレー1は自重により、後方へ移動して寄る。よって、シンクトレー1はシンク2の凹所3の奥側に寄せられて、がたつきもなく安定的に取り付けられ、使用者がシンク2で作業中にシンクトレー1に手が掛かり、シンクトレー1が多少前方に飛び出すようなことがあっても、自重により自然に後方の所定の位置(
図6(b)に示す位置)に戻る。
【0054】
(2)載置部6の上面が、後方に向けて下り勾配で傾斜(例えば、傾斜角度3°)していることで、載置部6の上面についた水は後方に流下し、複数のスリット状の開口8からシンク2内に流れ落ちるので、載置部6の上面には水が溜まりにくくなり、水溜りの発生を防ぎやすい。
【0055】
特に、載置部6には、その上面における後方への下り勾配方向に対して直交する方向に延びる複数のスリット状の開口8が形成されているので、開口8は、載置部6の上面を後方に流下する水を幅広く受け入れて、より効果的に捕捉する。このように、開口8は、その長手方向の向きと、載置部6の上面の下り勾配の向きとが、相乗的に機能して、載置部6の上面の水捌け効果を向上することができる。
【0056】
(3)載置部6の上面が後方に向けて下り勾配で傾斜(例えば、傾斜角度3°)していることで、載置した物品がその自重で後方に寄り、物品が載置部6の前端から落下しにくくなる。しかも、物品が後方に寄るので、物品を含むシンクトレー1全体の重心が後方(シンクの奥側)に寄る。これにより、シンクトレー1自体が、段差部37から前方に移動して落下するリスクを軽減できる。
【0057】
以上、本発明に係るシンクトレーおよび該シンクトレーを備えたシンクを実施するための形態を実施例に基づいて説明したが、本発明はこのような実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された技術的事項の範囲内でいろいろな実施例があることは言うまでもない。