特許第5986516号(P5986516)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5986516-ナースコールシステム 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5986516
(24)【登録日】2016年8月12日
(45)【発行日】2016年9月6日
(54)【発明の名称】ナースコールシステム
(51)【国際特許分類】
   A61G 12/00 20060101AFI20160823BHJP
【FI】
   A61G12/00 E
【請求項の数】3
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-29878(P2013-29878)
(22)【出願日】2013年2月19日
(65)【公開番号】特開2014-158529(P2014-158529A)
(43)【公開日】2014年9月4日
【審査請求日】2015年6月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000100908
【氏名又は名称】アイホン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077584
【弁理士】
【氏名又は名称】守谷 一雄
(74)【代理人】
【識別番号】100106699
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 弘道
(72)【発明者】
【氏名】楠 浩和
(72)【発明者】
【氏名】安田 大介
【審査官】 山口 賢一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−028443(JP,A)
【文献】 特開2008−029619(JP,A)
【文献】 特開2006−095078(JP,A)
【文献】 特開2006−157585(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 12/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療・看護施設内の複数の部屋の病床毎に設置され被看護人が医療・看護従事者を呼出して通話を成立させるナースコール子機と、前記部屋の出入り口に設置され前記ナースコール子機を用いた前記被看護人からの呼出しを報知する廊下灯と、前記ナースコール子機を用いた前記被看護人からの呼出しに前記医療・看護従事者が応答して通話を成立させるナースコール親機と、前記被看護人にかかる氏名を含む被看護人関連情報を記憶するオーダリングを含むサーバと、前記廊下灯及び前記ナースコール親機を制御する制御機とを有し、前記廊下灯は前記サーバに記憶される前記被看護人関連情報を表示する廊下灯表示部を有するナースコールシステムにおいて
前記サーバに記憶される被看護人関連情報は前記被看護人の食事配膳情報を含むものであり、
前記被看護人の体調や検査結果に起因して前記ナースコール親機及び前記サーバのうち何れかで前記医療・看護従事者により前記食事配膳情報の変更の通知起動操作が行なわれ、変更された前記食事配膳情報(ここで、変更とは前記被看護人のオーダストップ後のタイミングで食事配膳情報に変更の必要が発生したものをいう)を検出して前記廊下灯表示部に前記サーバから読出された食事配膳変更情報の情報変更表示を行う廊下灯CPUとを備え
前記ナースコール親機及び前記サーバのうち何れかは、前記被看護人への配膳を行う配膳人に前記被看護人への配膳の開始を前記廊下灯の前記廊下灯表示部で通知するための通知起動操作を行う通知操作部を備え、
前記廊下灯の前記廊下灯CPUは、前記通知操作部の通知起動操作を検出したとき、前記廊下灯表示部に前記情報変更表示を行うものであることを特徴とするナースコールシステム。
【請求項2】
医療・看護施設内の複数の部屋の病床毎に設置され被看護人が医療・看護従事者を呼出して通話を成立させるナースコール子機と、前記部屋の出入り口に設置され前記ナースコール子機を用いた前記被看護人からの呼出しを報知する廊下灯と、前記ナースコール子機を用いた前記被看護人からの呼出しに前記医療・看護従事者が応答して通話を成立させるナースコール親機と、前記被看護人にかかる氏名を含む被看護人関連情報を記憶するオーダリングを含むサーバと、前記廊下灯及び前記ナースコール親機を制御する制御機とを有し、前記廊下灯は前記サーバに記憶される前記被看護人関連情報を表示する廊下灯表示部を有するナースコールシステムにおいて
前記サーバに記憶される被看護人関連情報は前記被看護人の食事配膳情報を含むものであり、
前記被看護人の体調や検査結果に起因して前記ナースコール親機及び前記サーバのうち何れかで前記医療・看護従事者により前記食事配膳情報の変更の通知起動操作が行なわれ、変更された前記食事配膳情報(ここで、変更とは前記被看護人のオーダストップ後のタイミングで食事配膳情報に変更の必要が発生したものをいう)を検出して前記廊下灯表示部に前記サーバから読出された食事配膳変更情報の情報変更表示を行う廊下灯CPUとを備え
前記廊下灯は、前記廊下灯表示部に表示させる前記食事配膳情報を前記サーバから読出す廊下灯操作部を備え、
前記廊下灯の前記廊下灯CPUは、前記被看護人への配膳を行う配膳人による前記廊下灯操作部の情報変更表示起動操作を検出したとき、前記廊下灯表示部に前記サーバから読出された食事配膳変更情報の前記情報変更表示を行うものであることを特徴とするナースコールシステム。
【請求項3】
前記廊下灯は、前記被看護人への配膳を行う配膳人により携帯される無線タグに記憶された配膳人識別IDを読取るID読取部を備え、
前記廊下灯の前記廊下灯CPUは、前記ID読取部で前記配膳人識別IDが読取られたとき、前記廊下灯表示部に前記情報変更表示を行うものであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のナースコールシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、病院等の医療・看護施設内に設置されるナースコールシステムに係り、特に、被看護人が摂取する食事にかかる食事配膳情報が医療・看護従事者により変更されたことを、被看護人への配膳前に配膳人が確認可能なナースコールシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、病院などで患者からの要求に応じて看護師などの医療従事者を呼出すナースコールシステムとして、患者への配膳時に、医療従事者が患者毎にコンピュータが設置されている場所まで配膳情報を確認しに行く手間をかけることなく、食事の配膳を必要とする患者を容易に把握することができるようにしつつ、配膳が完了したことを示す情報を患者一人一人に対して配膳後に入力する手間をかけることなく、食事が配膳されていない患者について食事の配膳を必要とするのか、食事の配膳を必要としないのかを医療従事者が容易に区別することができるナースコールシステムが開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−6067号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1記載のナースコールシステムによれば、配膳情報としての具体的なオーダ、例えば、和食や洋食等のオーダ時間が経過した後のタイミングで、患者の体調の急変や検査結果の異常に起因して医療従事者による食事変更の指示が必要とされたとき、その指示漏れによって変更前の食事が患者へ配膳されてしまうトラブルが発生することがあるばかりでなく、摂取してはいけない食事を患者が摂取してしまう、又は摂取してはいけない食事を配膳してその摂取を開始する直前に患者の目の前で食事を取り上げる必要が発生する等、患者にとって大きなストレスとなるおそれがあった。
【0005】
本発明は、これらの難点を解消するためになされたもので、被看護人が摂取する食事にかかる食事配膳情報について医療・看護従事者により変更されたことを、被看護人への配膳前に配膳人へ通知し、誤った配膳によるトラブルの発生や被看護人にかかるストレスの発生を防止したナースコールシステムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述の目的を達成するため、本発明のナースコールシステムは、医療・看護施設内の複数の部屋の病床毎に設置され被看護人が医療・看護従事者を呼出して通話を成立させるナースコール子機と、部屋の出入り口に設置されナースコール子機を用いた被看護人からの呼出しを報知する廊下灯と、ナースコール子機を用いた被看護人からの呼出しに医療・看護従事者が応答して通話を成立させるナースコール親機と、被看護人にかかる氏名を含む被看護人関連情報を記憶するオーダリングを含むサーバと、廊下灯及びナースコール親機を制御する制御機とを有し、廊下灯はサーバに記憶される被看護人関連情報を表示する廊下灯表示部を有するナースコールシステムにおいて
サーバに記憶される被看護人関連情報は被看護人の食事配膳情報を含むものであり、
被看護人の体調や検査結果に起因してナースコール親機及びサーバのうち何れかで医療・看護従事者により食事配膳情報の変更の通知起動操作が行なわれ、変更された食事配膳情報(ここで、変更とは被看護人のオーダストップ後のタイミングで食事配膳情報に変更の必要が発生したものをいう)を検出して廊下灯表示部にサーバから読出された食事配膳変更情報の情報変更表示を行う廊下灯CPUとを備え
ナースコール親機及びサーバのうち何れかは、被看護人への配膳を行う配膳人に被看護人への配膳の開始を廊下灯の廊下灯表示部で通知するための通知起動操作を行う通知操作部を備え、
廊下灯の廊下灯CPUは、通知操作部の通知起動操作を検出したとき、廊下灯表示部に情報変更表示を行うものである
【0007】
この態様のナースコールシステムによれば、オーダリング等のサーバに記憶される被看護人の氏名や被看護人の食事配膳情報を含む被看護人関連情報を表示する廊下灯の廊下灯表示部に、被看護人の体調や検査結果に起因して医療・看護従事者により食事配膳情報が変更されたことを情報変更表示することができ、したがって被看護人への配膳を行う例えば、看護助手等の配膳人によれば、その配膳前に情報変更表示を確認することで、変更先である被看護人への誤った配膳によるトラブルの発生を防止できるばかりでなく、摂取してはいけない食事を被看護人が摂取してしまう、又は摂取してはいけない食事を配膳してその摂取を開始する直前に被看護人の目の前で食事を取り上げる必要がなくなるため、被看護人に大きなストレスを与えることなく快適な食事の摂取が可能となり、ナースコール親機及びサーバのうち何れかの通知操作部で行われる通知起動操作がトリガとなって、廊下灯の廊下灯表示部を用いた情報変更表示を行うことができ、したがって被看護人への配膳を行う例えば、看護助手等の配膳人によれば、(医療・看護従事者による)配膳開始の通知がなされたタイミングで情報変更表示を確認することができるばかりでなく、そのタイミング以外、不必要とされる情報変更表示を抑止することができる。
【0008】
また、本発明のナースコールシステムは、医療・看護施設内の複数の部屋の病床毎に設置され被看護人が医療・看護従事者を呼出して通話を成立させるナースコール子機と、部屋の出入り口に設置されナースコール子機を用いた被看護人からの呼出しを報知する廊下灯と、ナースコール子機を用いた被看護人からの呼出しに医療・看護従事者が応答して通話を成立させるナースコール親機と、被看護人にかかる氏名を含む被看護人関連情報を記憶するオーダリングを含むサーバと、廊下灯及びナースコール親機を制御する制御機とを有し、廊下灯はサーバに記憶される被看護人関連情報を表示する廊下灯表示部を有するナースコールシステムにおいて、
サーバに記憶される被看護人関連情報は被看護人の食事配膳情報を含むものであり、
被看護人の体調や検査結果に起因してナースコール親機及びサーバのうち何れかで医療・看護従事者により食事配膳情報の変更の通知起動操作が行なわれ、変更された食事配膳情報(ここで、変更とは被看護人のオーダストップ後のタイミングで食事配膳情報に変更の必要が発生したものをいう)を検出して廊下灯表示部にサーバから読出された食事配膳変更情報の情報変更表示を行う廊下灯CPUとを備え、
廊下灯は、廊下灯表示部に表示させる食事配膳情報をサーバから読出す廊下灯操作部を備え、
廊下灯の廊下灯CPUは、被看護人への配膳を行う配膳人による廊下灯操作部の情報変更表示起動操作を検出したとき、廊下灯表示部にサーバから読出された食事配膳変更情報の情報変更表示を行うものである。
【0009】
この態様のナースコールシステムによれば、オーダリング等のサーバに記憶される被看護人の氏名や被看護人の食事配膳情報を含む被看護人関連情報を表示する廊下灯の廊下灯表示部に、被看護人の体調や検査結果に起因して医療・看護従事者により食事配膳情報が変更されたことを情報変更表示することができ、したがって被看護人への配膳を行う例えば、看護助手等の配膳人によれば、その配膳前に情報変更表示を確認することで、変更先である被看護人への誤った配膳によるトラブルの発生を防止できるばかりでなく、摂取してはいけない食事を被看護人が摂取してしまう、又は摂取してはいけない食事を配膳してその摂取を開始する直前に被看護人の目の前で食事を取り上げる必要がなくなるため、被看護人に大きなストレスを与えることなく快適な食事の摂取が可能となり、被看護人への配膳を行う例えば、看護助手等の配膳人による廊下灯の廊下灯操作部を用いた操作がトリガとなって、廊下灯表示部を用いた情報変更表示を行うことができ、したがって配膳人によれば、その操作を行ったタイミングで情報変更表示を確認することができるばかりでなく、その操作タイミング以外、不必要とされる情報変更表示を抑止することができる
【0010】
また、本発明のナースコールシステムは、廊下灯は、被看護人への配膳を行う配膳人により携帯される無線タグに記憶された配膳人識別IDを読取るID読取部を備え、
廊下灯の廊下灯CPUは、ID読取部で配膳人識別IDが読取られたとき、廊下灯表示部に情報変更表示を行うものである
【0011】
この態様のナースコールシステムによれば、被看護人への配膳を行う例えば、看護助手等の配膳人により携帯される無線タグに記憶された配膳人識別IDが、廊下灯のID読読取部で読取られたタイミングで、廊下灯表示部を用いた情報変更表示を行うことができる。したがって、配膳人によれば、廊下灯に近づいたタイミングで情報変更表示を確認することができるばかりでなく、そのタイミング以外、不必要とされる情報変更表示を抑止することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明のナースコールシステムによれば、被看護人が摂取する食事にかかる食事配膳情報が、被看護人の体調や検査結果に起因して医療・看護従事者により変更されたことを、廊下灯の廊下灯表示部を用いて情報変更表示し、被看護人への配膳を行う例えば、看護助手等の配膳人に、その配膳前に通知することができる。したがって、変更先である被看護人への誤った配膳によるトラブルの発生を防止できるばかりでなく、摂取してはいけない食事を被看護人が摂取してしまう、又は摂取してはいけない食事を配膳してその摂取を開始する直前に被看護人の目の前で食事を取り上げる必要がなくなるため、被看護人に大きなストレスを与えることなく快適な食事の摂取が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明の実施例によるナースコールシステムの全体構成を示すシステム説明図である。
図2図2(A)は、本発明の実施例によるナースコールシステムにおいて廊下灯の具体的な構成を示すブロック図である。また、図2(B)は、同システムにおいてナースコール親機の具体的な構成を示すブロック図である。
図3図3(A)は、本発明の実施例によるナースコールシステムの動作時において廊下灯の廊下灯表示部の情報変更表示例を示す画面構成図である。また、図3(B)は、同システムにおいて廊下灯の廊下灯表示部の呼出表示例を示す画面構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明のナースコールシステムを適用した実施の形態例について、図面を参照して説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施例によるナースコールシステムの全体構成を示すシステム説明図である。このナースコールシステムは、病院等の医療・看護施設内(以下、施設内という)に設置されるものであり、ナースコール子機1、廊下灯2、ナースコール親機3、サーバ4及び制御機5を有している。
【0016】
ここで、ナースコール子機1には、子機ラインL1を経由して廊下灯2が接続、例えば、個別配線で接続されている。また、制御機5には、廊下灯ラインL2を経由して廊下灯2が接続、例えば、渡り配線で接続されているとともに、サーバラインL4を経由してサーバ4が、親機ラインL3を経由してナースコール親機4がそれぞれ接続されている。
【0017】
なお、ナースコール子機1及び廊下灯2間の接続は、図示のような個別配線の接続に限定されるものではなく、例えば、廊下灯2に対してナースコール子機1を順次接続する渡り配線の態様(不図示)も好適とされる。また、廊下灯2及び制御機5間の接続についても、図示のような渡り配線の接続に限定されるものではなく、例えば、バス接続の態様(不図示)も好適とされる。
【0018】
ナースコール子機1は、予め定められた個別の子機IDを有しており、施設内における例えば、201号室、202号室、・・・・のような複数の部屋(病室と同意)内の各病床の被看護人(患者と同意)が、例えば、ナースコール親機3が設置されるスタッフステーション等の施設内共用部に在室中である、医師や看護師又は看護助手等の医療・看護従事者に対し、通常呼出し、トイレ・風呂介助等の介助呼出し、点滴の終了を知らせる確認呼出し等、ナースコール呼出しに係る呼出種別毎で異なる呼出操作を行うとともに、この被看護人が医療・看護従事者との間で音声(音声データ)を送受信して通話を成立させるものである。また、ナースコール子機1によれば、前述のような被看護人によるナースコール呼出しのみならず、被看護人の周囲近傍に居る医療・看護従事者が他の医療・看護従事者として、例えば、スタッフステーション等の施設内共用部に在室中の医療・看護従事者を呼出す、すなわち、スタッフ緊急呼出しのための呼出操作を行い、通話を成立させることもできる。
【0019】
ここで、ナースコール子機1は、部屋内の病床数に対応させて任意の台数を設けることができ、このナースコール子機1としては、前述のような呼出操作が行われる呼出操作機能を有する呼出握りボタン等のハンド子機1aと、ハンド子機1aが接続され前述のような通話を成立させる通話機能を有するプレート子機1bとで構成されるものである。なお、ハンド子機1aには、呼出操作機能のみならず前述のような通話機能を備えることもできる。また、プレート子機1bには、通話機能のみならず前述のような呼出操作機能や、ナースコール呼出し又はスタッフ緊急呼出しを待受状態に復旧させる呼出復旧操作機能等を備えることもできる。
【0020】
廊下灯2は、予め定められた個別の廊下灯IDを有しており、前述のような各部屋の出入り口(出入り口近傍)に設置され、ナースコール子機1を用いた被看護人からのナースコール呼出し又は医療・看護従事者からのスタッフ緊急呼出しを、呼出種別毎に異なるパターンで報知(呼出表示、呼出発報)するとともに、被看護人にかかる個人データとして例えば、氏名、被看護人識別ID、担当科及び担当医等や当該被看護人が摂取する食事にかかる食事配膳情報を含む被看護人関連情報を表示するものである。
【0021】
ナースコール親機3は、スタッフステーション等の施設内共用部に設置されており、ナースコール子機1を用いた被看護人からのナースコール呼出し又は医療・看護従事者からのスタッフ緊急呼び出しを、呼出種別毎に異なるパターンで報知(呼出表示、呼出発報)するとともに、これを確認した医療・看護従事者が被看護人又は他の医療・看護従事者との間で音声(音声データ)を送受信して通話を成立させるものである。
【0022】
なお、ナースコール親機3の構成態様としては、図示のような電子情報出力型の当該親機に限定されず、例えば、PC(パーソナル・コンピュータ)型やボード型の当該親機(不図示)も好適とされる。また、ナースコール親機3には、通常、ナースコール子機1を個別呼出し又は一斉呼出しする機能等も備えられている。
【0023】
サーバ4は、前述のような、被看護人にかかる個人データとして例えば、氏名、被看護人識別ID、担当科及び担当医等や当該被看護人が摂取する食事にかかる食事配膳情報を含む被看護人関連情報を記憶するものであって、例えば、オーダリングサーバで構成されている。なお、サーバ4には、被看護人関連情報を外部入力するための情報端末や別途のサーバ(不図示)を接続することもでき、この態様によれば、接続された機器間で双方向通信が可能とされる。
【0024】
制御機5は、廊下灯ラインL2を経由して廊下灯2、親機ラインL3を経由してナースコール親機3、サーバラインL4を経由してサーバ4をそれぞれ接続する中継器として例えば、前述のような施設内共用部に設置されており、これら接続された機器を制御するものであって、被看護人への配膳を行う配膳人により携帯される無線タグに記憶された配膳人識別IDの有効性を判別するために必要なIDを記憶する例えば、RAM、EEPROM等の制御機記憶部50が備えられており、この制御機記憶部50は、サーバ4から読出される被看護人関連情報等を記憶することもできる。なお、制御機5とサーバ4は、図示のような別体の構成に限定されるものでなく、例えば、一体(不図示)で構成することもできる。
【0025】
次に、廊下灯2の具体的な構成について図2(A)のブロック図を参照して説明する。同図に示す廊下灯2には、廊下灯表示部20、廊下灯通話部21、廊下灯操作部22、ID読取部23、廊下灯CPU24、子機側廊下灯I/F25及び制御機側廊下灯I/F26が備えられている。
【0026】
この廊下灯2において、廊下灯表示部20は、ナースコール子機1を用いた被看護人からのナースコール呼出し又は医療・看護従事者からのスタッフ緊急呼出しがあることを表示(呼出表示)するとともに、サーバ4から読出される前述のような被看護人関連情報を表示し、さらには、例えば、被看護人のオーダにより確定される食事配膳情報について当該被看護人の体調や検査結果に起因して医療・看護従事者により変更されたことの変更情報表示を行うものであって、例えば、LED、LCD、有機ELディスプレイ等の各種の表示媒体で構成されている。なお、廊下灯表示部20として例えば、LEDを適用するにあたっては、そのLEDを自廊下灯に接続されるナースコール子機1毎に対応、具体的には、予め定められた個別の子機IDに対応させて設けることができる。
【0027】
廊下灯通話部21は、廊下灯2の周囲近傍に居る医療・看護従事者が例えば、スタッフステーション内に在室中の医療・看護従事者との間で通話を成立させるための音声(音声データ)を送受信するものであり、廊下灯マイク21a及び廊下灯スピーカ21bを有している。また、廊下灯スピーカ21bは、前述のようなナースコール呼出しがあることを報知(呼出発報)するための呼出音や音声メッセージ等を出力することもできる。
【0028】
廊下灯操作部22は、廊下灯表示部20で前述のような変更情報表示を行うために廊下灯2の周囲近傍に居る例えば、被看護人への配膳を行う看護助手等の配膳人により操作されるものであって、例えば、廊下灯表示部20の前面に配置されたタッチパネルや所定の操作ボタンで構成されている。この廊下灯操作部22としては、前述の操作機能のみならず、ナースコール子機1を用いた被看護人からのナースコール呼出し又は医療・看護従事者からのスタッフ緊急呼出しを待受状態に復旧させる機能を備えることもできる。
【0029】
ID読取部23は、被看護人への配膳を行う看護助手等の配膳人により携帯されるRFID等の無線タグに記憶された配膳人識別IDを読取るものである。また、廊下灯CPU24は、当該廊下灯の構成各部を制御するものである。また、子機側廊下灯I/F25は、子機ラインL1及び廊下灯CPU24間の信号伝送路を形成するものである。さらに、制御機側廊下灯I/F26は、廊下灯ラインL2及び廊下灯CPU24間の信号伝送路を形成するものである。
【0030】
次に、ナースコール親機3の具体的な構成について図2(B)のブロック図を参照して説明する。同図に示すナースコール親機3には、親機表示部30、親機通話部31、親機操作部32、親機CPU33及び親機I/F34が備えられている。
【0031】
このナースコール親機3において、親機表示部30は、ナースコール子機1を用いた被看護人からのナースコール呼出し又は医療・看護従事者からのスタッフ緊急呼出しがあることを表示(呼出表示)するものであって、例えば、LED、LCD、有機ELディスプレイ等の各種の表示媒体で構成されている。なお、親機表示部30として例えば、LEDを適用するにあたっては、そのLEDをナースコール子機1毎に対応、具体的には、予め定められた個別の子機IDに対応させて設けることができる。
【0032】
親機通話部31は、スタッフステーション内に在室中の医療・看護従事者が被看護人又は他の医療・看護従事者との間で通話を成立させるための音声(音声データ)を送受信するものであり、例えば、親機マイク31a及び親機スピーカ31bを有している。また、親機スピーカ31bは、前述のような被看護人からのナースコール呼出し又は他の医療・看護従事者からのスタッフ緊急呼出しがあることを報知(呼出発報)するための呼出音や音声メッセージ等を出力することもできる。なお、親機通話部31としては、例えば、図1に示すようなハンドセットを適用することもできる。
【0033】
親機操作部32は、前述のような被看護人からのナースコール呼出し又は他の医療・看護従事者からのスタッフ緊急呼出しに、スタッフステーション内に在室中の医療・看護従事者が応答する操作(応答操作)機能と、医療・看護従事者が被看護人への配膳の開始を通知するための操作(通知起動操作)機能等を有しており、例えば、親機表示部30の前面に配置されたタッチパネルや所定の操作ボタン(不図示)で構成されている。この親機操作部32としては、前述の操作機能のみならず、被看護人への配膳の開始を通知するための通知操作部としての通知起動操作機能が備えられている。
【0034】
親機CPU33は、当該ナースコール親機の構成各部を制御するものである。また、親機I/F34は、親機CPU33及び親機ラインL3間の信号伝送路を形成するものである。
【0035】
このように構成された本発明の実施例によるナースコールシステムにおいて、以下、具体的な動作について説明する。
【0036】
図1に示すナースコール子機1が設置される病床毎の被看護人によれば、自己が摂取するために配膳される食事について、サーバ4に予め記憶されている複数のメニューから好みの当該メニューとして、例えば、和食や洋食等を選択することができる。その具体的な選択方法としては、例えば、サーバ4に接続された所定の端末(不図示)を用いて好みのメニューを選択する方法や、好みのメニューを医療・看護従事者に通知し、この医療・看護従事者がサーバ4にアクセスする方法等が好適とされる。
【0037】
なお、前述のようなメニュー選択は、例えば、その食事が夕食である場合、通常、午後3時にオーダストップとなり確定され、その計時情報を確認したサーバ4は、確定されたメニューにかかる食事配膳情報を、厨房に設置された所定の端末(不図示)に送出することで、この情報を確認した調理人による調理が開始されることになる。
【0038】
次に、前述のようなオーダストップ後のタイミングで、被看護人の体調が変化、例えば、その容体が急変した場合や、予め実施した検査結果に異常値が発見された場合等、確定されたメニューにかかる食事配膳情報に変更の必要が発生した場合、医療・看護従事者のうち例えば、医師は、具体的な食事変更の指示を行う。ここでは、201号室で子機ID「1」を有するナースコール子機1が病床に設置されている、例えば、氏名(氏名データ)が「鈴木太郎」で被看護人識別ID「0001」を有する被看護人に対しての食事変更の指示として、「医師処方食」への変更が指示されると、この指示はサーバ4で検出される。
【0039】
このサーバ4は、「医師処方食」に変更された食事配膳情報(以下、食事配膳変更情報という)を、厨房に設置された所定の端末(不図示)に送出することで、この情報を確認した調理人は、変更された「医療処方食」の調理を開始する。
【0040】
次に、前述のような食事変更の指示が行われた後の所定のタイミングで、例えば、スタッフステーション内に在室中の医療・看護従事者は、図2(B)に示すナースコール親機3の親機操作部32を用いて、被看護人への配膳の開始を例えば、看護助手等の配膳人に通知するための通知起動操作を行う。この操作を検出した親機CPU33は、食事変更の指示対象である被看護人の部屋の出入り口に設置されている廊下灯2で情報変更表示を行うための情報変更表示起動信号を生成する。ここでは、201号室で子機ID「1」を有するナースコール子機1が病床に設置されている、氏名(氏名データ)が「鈴木太郎」であって被看護人識別ID「0001」を有する被看護人を食事変更の指示対象として、前述の子機ID「1」及び廊下灯ID「201」を付加した情報変更表示起動信号(以下、第1の情報変更表示起動信号という)を生成する。この第1の情報変更表示起動信号は、親機CPU33から親機I/F34、親機ラインL3を経由して制御機5に伝送される。
【0041】
制御機5は、受信した第1の情報変更表示起動信号に付加されている子機ID「1」及び廊下灯ID「201」に該当する病床の被看護人にかかる食事配膳変更情報を、サーバラインL4を経由して接続されたサーバ4から読出し、読出された食事配膳変更情報を情報変更表示起動信号に付加して情報変更表示信号を生成する。この情報変更表示信号は、制御機5から廊下灯ラインL2、図2(A)に示す全ての廊下灯2の制御機側廊下灯I/F26を経由して廊下灯CPU24にそれぞれ伝送される。
【0042】
全ての廊下灯2において、廊下灯CPU24は、受信した情報変更表示信号に付加されている廊下灯ID「201」と自廊下灯が有する廊下灯IDとを比較する。ここでは、201号室の出入り口に設置された廊下灯2の廊下灯CPU24のみ当該廊下灯IDが「201」で一致するため、この廊下灯CPU24は、受信した情報変更表示信号に付加されている子機ID「1」に該当する被看護人、すなわち、201号室で子機ID「1」を有するナースコール子機1が病床に設置されている、氏名(氏名データ)が「鈴木太郎」であって被看護人識別ID「0001」を有する被看護人にかかる食事配膳変更情報を廊下灯表示部20に表示させることができる。具体的には例えば、図3(A)の画面構成図に示すように、廊下灯ID「201」及び子機ID「1」と被看護人の氏名(氏名データ)「鈴木太郎」や被看護人識別ID「0001」、担当科、担当医等の被看護人関連情報とともに、食事配膳変更情報としての例えば、「医師処方食」である旨の情報変更表示を行うことができる。
【0043】
前述のような情報変更表示によれば、食事の配膳のために201号室の出入り口に赴いた配膳人は、例えば、オーダストップ前に確定していた氏名(氏名データ)が「鈴木太郎」であって被看護人識別ID「0001」を有する被看護人にかかる食事配膳情報が「医師処方食」に変更されたことを、その配膳前に確認することができるため、配膳人への指示漏れによって変更前の食事が被看護人に配膳されてしまうトラブルの発生や、摂取してはいけない食事を被看護人が摂取してしまう、又は誤って配膳して食事を開始する直前に被看護人の目の前で食事を取り上げる必要がない等、被看護人にとってのストレスの発生を容易に防止できる。また、この情報変更表示は、被看護人への配膳の開始を配膳人に通知するための通知起動操作が行われたタイミングに限定されるため、それ以外のタイミングで不必要とされる情報変更表示を抑止できる。
【0044】
なお、前述のような情報変更表示を行うにあたり必要とされるトリガとして適用される、被看護人への配膳の開始を配膳人に通知するための通知起動操作は、ナースコール親機3の親機操作部32を用いた当該操作に限定されるものではなく、その操作機能がサーバ4に備えられている場合には、サーバ4で同様な通知起動操作を行うこともできる。
【0045】
次に、前述のような情報変更表示を行うにあたり必要とされる別途なトリガとして、食事の配膳のために201号室の出入り口に赴いた配膳人が、図1図2(A)に示す廊下灯2の廊下灯操作部22を用いて情報変更表示起動操作を行うと、この操作を検出した廊下灯CPU24は、自廊下灯が有する廊下灯ID「201」を付加した情報変更表示起動信号(以下、第2の情報変更表示起動信号という)を生成する。この第2の情報変更表示起動信号は、廊下灯CPU24から制御機側廊下灯I/F26、廊下灯ラインL2を経由して制御機5に伝送される。
【0046】
制御機5は、受信した第2の情報変更表示起動信号に付加されている廊下灯ID「201」に該当する部屋内の病床の被看護人にかかる食事配膳変更情報を、サーバラインL4を経由して接続されたサーバ4から読出し、読出された食事配膳変更情報に廊下灯ID「201」を付加して情報変更表示信号を生成する。この情報変更表示信号は、制御機5から廊下灯ラインL2、図2(A)に示す全ての廊下灯2の制御機側廊下灯I/F26を経由して廊下灯CPU24にそれぞれ伝送される。
【0047】
全ての廊下灯2において、廊下灯CPU24は、受信した情報変更表示信号に付加されている廊下灯ID「201」と自廊下灯が有する廊下灯IDとを比較する。ここでは、201号室の出入り口に設置された廊下灯2の廊下灯CPU24のみ当該廊下灯IDが「201」で一致するため、この廊下灯CPU24は、受信した情報変更表示信号に付加されている子機ID「1」に該当する被看護人、すなわち、201号室で子機ID「1」を有するナースコール子機1が病床に設置されている、氏名(氏名データ)が「鈴木太郎」であって被看護人識別ID「0001」を有する被看護人にかかる食事配膳変更情報を廊下灯表示部20に表示させることができる。具体的には例えば、図3(A)に示すように、廊下灯ID「201」及び子機ID「1」と被看護人の氏名(氏名データ)「鈴木太郎」や被看護人識別ID「0001」、担当科、担当医等の被看護人関連情報とともに、食事配膳変更情報としての例えば、「医師処方食」である旨の情報変更表示を行うことができる。
【0048】
前述のような情報変更表示によれば、食事の配膳のために201号室の出入口近傍に赴いた配膳人が廊下灯2の廊下灯操作部22を用いて操作(情報変更表示起動操作)を行ったタイミングで、例えば、オーダストップ前に確定していた氏名(氏名データ)が「鈴木太郎」であって被看護人識別ID「0001」を有する被看護人にかかる食事配膳情報が「医師処方食」に変更されたことを、その配膳前に確認することができるため、配膳人への指示漏れによって変更前の食事が被看護人に配膳されてしまうトラブルの発生や、摂取してはいけない食事を被看護人が摂取してしまう、又は誤って配膳して食事を開始する直前に被看護人の目の前で食事を取り上げる必要がない等、被看護人にとってのストレスの発生を容易に防止できる。また、この情報変更表示は、配膳人により廊下灯2の廊下灯操作部22を用いた操作(情報変更表示起動操作)が行われたタイミングに限定されるため、それ以外のタイミングで不必要とされる情報変更表示を抑止できる。
【0049】
次に、別途なトリガとして、食事の配膳のために201号室の出入り口に赴いた配膳人は、自らが携帯しているRFID等の無線タグを図1に示す廊下灯2に近づけることで、図2(A)に示す廊下灯2のID読取部23は、無線タグに記憶された配膳人識別IDを読取り、廊下灯CPU24に送出する。また、廊下灯CPU24は、ID読取部23で読取られた配膳人識別IDに自廊下灯が有する廊下灯ID「201」を付加した情報変更表示起動信号(以下、第3の情報変更表示起動信号という)を生成する。この第3の情報変更表示起動信号は、廊下灯CPU24から制御機側廊下灯I/F26、廊下灯ラインL2を経由して制御機5に伝送される。
【0050】
制御機5は、受信した第3の情報変更表示起動信号に付加されている配膳人識別IDと制御機記憶部50に記憶されているIDとを比較し、当該配膳人識別IDが有効であると判別することができ、同様に情報変更表示起動信号に付加されている廊下灯ID「201」に該当する部屋内の病床の被看護人にかかる食事配膳変更情報を、サーバラインL4を経由して接続されたサーバ4から読出し、読出された食事配膳変更情報に廊下灯ID「201」を付加して情報変更表示信号を生成する。この情報変更表示信号は、制御機5から廊下灯ラインL2、図2(A)に示す全ての廊下灯2の制御機側廊下灯I/F26を経由して廊下灯CPU24にそれぞれ伝送される。
【0051】
全ての廊下灯2において、廊下灯CPU24は、受信した情報変更表示信号に付加されている廊下灯ID「201」と自廊下灯が有する廊下灯IDとを比較する。ここでは、201号室の出入り口に設置された廊下灯2の廊下灯CPU24のみ当該廊下灯IDが「201」で一致するため、この廊下灯CPU24は、受信した情報変更表示信号に付加されている子機ID「1」に該当する被看護人、すなわち、201号室で子機ID「1」を有するナースコール子機1が病床に設置されている、氏名(氏名データ)が「鈴木太郎」であって被看護人識別ID「0001」を有する被看護人にかかる食事配膳変更情報を廊下灯表示部20に表示させることができる。具体的には例えば、図3(A)に示すように、廊下灯ID「201」及び子機ID「1」と被看護人の氏名(氏名データ)「鈴木太郎」や被看護人識別ID「0001」、担当科、担当医等の被看護人関連情報とともに、食事配膳変更情報としての例えば、「医師処方食」である旨の情報変更表示を行うことができる。
【0052】
前述のような情報変更表示によれば、食事の配膳のために201号室の出入口近傍に赴
き廊下灯2に近づいたタイミングで、例えば、オーダストップ前に確定していた氏名(氏名データ)が「鈴木太郎」であって被看護人識別ID「0001」を有する被看護人にかかる食事配膳情報が「医師処方食」に変更されたことを、その配膳前に確認することができるため、配膳人への指示漏れによって変更前の食事が被看護人に配膳されてしまうトラブルの発生や、摂取してはいけない食事を被看護人が摂取してしまう、又は誤って配膳して食事を開始する直前に被看護人の目の前で食事を取り上げる必要がない等、被看護人にとってのストレスの発生を容易に防止できる。また、この情報変更表示は、配膳人が廊下灯2に近づいたタイミングに限定されるため、それ以外のタイミングで不必要とされる情報変更表示を抑止できる。
【0053】
なお、前述のような情報変更表示は、201号室で子機ID「1」を有するナースコール子機1が病床に設置されている、氏名(氏名データ)が「鈴木太郎」であって被看護人識別ID「0001」を有する被看護人によりハンド子機1aを用いたナースコール呼出しが行われたときの図3(B)の画面構成図に示す呼出表示とはそのパターンが異なるため、情報変更表示と呼出表示の見分けが容易であるばかりでなく、その見分けをより確実なものとするにあたっては、例えば、情報変更表示と呼出表示のフォントや色等を変更することで、情報変更表示についてのみ強調表示させることもできる。また、情報変更表示としては、前述のような廊下灯表示部20を用いた文字表示のみならず、例えば、変更先である被看護人のナースコール子機1に対応したLEDを、呼出表示とは異なる発光色で点滅又は点灯させることもできる。
【0054】
本発明のナースコールシステムにおいては、特定の実施の形態をもって説明してきたが、この形態に限定されるものでなく、本発明の効果を奏する限り、これまで知られた如何なる構成の当該システムであっても採用できるということはいうまでもないことである。
【0055】
具体的に本発明の実施例においては、医療・看護従事者のうち例えば、医師により食事変更の指示がなされた旨の食事配膳変更情報を、サーバ4のみに記憶させていたが、指示がなされたタイミングで、サーバ4にサーバラインL4を経由して接続された制御機5の制御機記憶部50に記憶させることもできる。この態様によれば、サーバ4にアクセスすることなく、制御機記憶部50に記憶された食事配膳変更情報を、廊下灯ラインL2を経由して廊下灯2に送出して廊下灯表示部20に表示(情報変更表示)させることができる。
【0056】
また、本発明の実施例においては、被看護人への配膳を行う配膳人により携帯される無線タグに記憶された配膳人識別IDの有効性を判別するために必要なIDを記憶する例えば、RAM、EEPROM等の記憶部を、制御機記憶部50として制御機5に備えたが、この態様に限定されるものではない。例えば、同様な記憶部を廊下灯2に備えることで、ID読取部23で読取られた配膳人識別IDの有効性を、廊下灯CPU24の制御により判別することができる。
【0057】
また、本発明の実施例においては、ナースコール子機1を用いた被看護人からの呼出し(ナースコール呼出し)に医療・看護従事者が応答して通話を成立させる機器としてナースコール親機3を適用したが、このナースコール親機3に限定されるものではない。例えば、施設内を巡回中の医療・看護従事者により携帯される例えば、PHS、スマートフォン等の情報端末も適用し、この情報端末を制御機5により制御させることもできる。
【0058】
さらに、本発明の実施例においては、廊下灯2、ナースコール親機3及びサーバ4を、個別のライン(廊下灯ライン、廊下灯ライン、親機ライン)L2、L3、L4をそれぞれ経由して制御機5に接続させた構成を適用したが、この態様に限定されるものではない。例えば、廊下灯2、ナースコール親機3、サーバ4及び制御機5をそれぞれ、共通バスであるLAN配線に所定の信号分岐機能、例えば、ハブを経由して接続させた構成を適用することもできる。
【符号の説明】
【0059】
1……ナースコール子機
2……廊下灯
20……廊下灯表示部
22……廊下灯操作部
23……ID読取部
24……廊下灯CPU
3……ナースコール親機
30……親機表示部
32……親機操作部(通知操作部)
4……サーバ
5……制御機
図1
図2
図3