(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5986522
(24)【登録日】2016年8月12日
(45)【発行日】2016年9月6日
(54)【発明の名称】リモコン装置
(51)【国際特許分類】
H04Q 9/00 20060101AFI20160823BHJP
【FI】
H04Q9/00 331A
【請求項の数】1
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2013-37470(P2013-37470)
(22)【出願日】2013年2月27日
(65)【公開番号】特開2014-165838(P2014-165838A)
(43)【公開日】2014年9月8日
【審査請求日】2015年7月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(72)【発明者】
【氏名】大桃 正己
(72)【発明者】
【氏名】村山 成樹
(72)【発明者】
【氏名】豊田 聡史
(72)【発明者】
【氏名】松尾 亮
【審査官】
山田 倍司
(56)【参考文献】
【文献】
特開2000−194538(JP,A)
【文献】
特開2002−247657(JP,A)
【文献】
特開2003−071178(JP,A)
【文献】
特開2005−180837(JP,A)
【文献】
特開2006−332728(JP,A)
【文献】
特開2003−067101(JP,A)
【文献】
特開2002−318134(JP,A)
【文献】
特開2009−212963(JP,A)
【文献】
特開2008−306667(JP,A)
【文献】
特開2005−252577(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 1/00
1/18 − 1/20
G06F 3/01
3/048− 3/0489
H03J 9/00 − 9/06
H04Q 9/00 − 9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作スイッチと、表示部と、前記操作スイッチの操作に応じて前記表示部に表示される複数のメニュー項目のうちいずれか一つに選択カーソルを表示させるメニュー選択手段と、リモコンあるいは本体の状態から設定変更を拒否する前記メニュー項目を判定する拒否項目判定手段と、前記複数のメニュー項目は前記拒否項目判定手段の判定結果に関わらず前記選択カーソルで選択可能に前記表示部に表示され、前記メニュー選択手段によって前記拒否項目判定手段で拒否すると判定された前記メニュー項目に前記選択カーソルが表示されたときに、リモコンあるいは本体の状態に応じた拒否理由を報知する拒否理由報知手段とを備えたことを特徴とするリモコン装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給湯機等に用いられるリモコン装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来よりこの種のリモコン装置においては、特許文献1に示すように、運転の指示を行う操作スイッチが操作されたときに、その操作の受け付けを否と判断されると、拒否理由を報知するようにしたものがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−165500号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、この従来のものでは、運転の指示を行う操作スイッチが操作されたときに拒否理由を報知するため、表示部に表示される複数のメニュー項目から運転指示に係る分類を選択決定し、その下位階層に展開される運転指示あるいは設定変更指示を行う場合に、最後にやっと拒否理由が報知され、無駄な操作を行ってしまうという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、本発明は上記課題を解決するため、
操作スイッチと、表示部と、前記操作スイッチの操作に応じて前記表示部に表示される複数のメニュー項目のうちいずれか一つに選択カーソルを表示させるメニュー選択手段と、リモコンあるいは本体の状態から設定変更を拒否する前記メニュー項目を判定する拒否項目判定手段と、前記複数のメニュー項目は前記拒否項目判定手段の判定結果に関わらず前記選択カーソルで選択可能に前記表示部に表示され、前記メニュー選択手段によって前記拒否項目判定手段で拒否すると判定された前記メニュー項目に前記選択カーソルが表示されたときに、リモコンあるいは本体の状態に応じた拒否理由を報知する拒否理由報知手段とを備えた。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、メニュー項目を選択決定する前の選択カーソルを拒否判定されているメニュー項目に表示させた時点で、拒否理由が報知されるため、無駄な操作を行うことがなくなるものである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に、本発明の一実施形態のヒートポンプ貯湯式給湯機のリモコン装置について、図面に基づいて説明する。
1はヒートポンプ貯湯式給湯機で、湯水を加熱するヒートポンプ式加熱ユニット2と、ヒートポンプ式加熱ユニット2で加熱された湯水を貯湯する貯湯タンクを備えて図示しない給湯栓や浴槽等に給湯設定温度の湯水を給湯する貯湯タンクユニット3と、給湯設定温度を変更操作したりヒートポンプ貯湯式給湯機1の作動状態や設定状態を表示するリモコン装置4とで構成されている。
【0009】
リモコン装置4は、ドットマトリクス型液晶等からなる表示部5と、浴槽へ所定量の湯はりを行わせるふろ自動スイッチ6、図示しない他のリモコン装置とインターホン通話するための通話スイッチ7、一部の設定変更操作等を禁止するチャイルドロックスイッチ8、上下左右の指示を行うための十字スイッチ9、十字スイッチ9の真ん中に設けられ、設定操作のメニュー画面へ遷移させたり選択を確定させるメニュー/決定スイッチ10等の複数の操作スイッチと、リモコン装置4内部に設けられてリモコン制御を行うリモコン制御部11とを備えて構成されている。ここで、リモコン制御部11は、MPU等の論理回路を有して操作部のスイッチ操作や機器本体からの命令を受け、メモリを参照しつつ予め記憶されているプログラムに従って表示部5へ表示データを出力している。
【0010】
次に、
図2に示す制御ブロック図と、
図3に示す画面遷移を説明する図を用いて、本発明の作動を説明する。
【0011】
図2において、12はリモコン制御部11内に一プログラムとして設けられたメニュー選択手段で、メニュー/決定スイッチ10の操作に応じて表示部5に設定変更や新たな情報表示のための複数のメニュー項目13が表示された後に、十字スイッチ9の上下左右の操作に応じて複数のメニュー項目13のうちいずれか一つに選択カーソル14を表示させるものである。
【0012】
ここでは、複数のメニュー項目13を、
図3に示す「使用可能湯量」表示のメニュー項目13A、「運転モード」の変更13B、「休止設定」変更のメニュー項目13C、「型式連絡先」表示のメニュー項目13Dとして説明する。「使用可能湯量」のメニュー項目13Aは、貯湯タンク内の残湯量から残り何リットル使用可能かを表示させるもので、「運転モード」のメニュー項目13Bは、常時満タン沸き上げを行うか、深夜時間帯のみに沸き上げを行うか、深夜時間帯に沸き上げた後に湯量が減少したら昼間時間帯でも沸き上げを行うかの運転モードを変更設定するもので、「休止設定」のメニュー項目13Cは、数日間留守にするなどの場合に沸き上げを休止させる日数を設定するもので、「型式連絡先」のメニュー項目13Dは、故障などの場合の給湯機の型式と連絡先名称および電話番号を表示させるものであり、それぞれ各メニュー項目13に選択カーソル14が表示されている状態でメニュー/決定スイッチ10が操作されると、それぞれの下位階層の設定画面、表示画面に遷移するものである。
【0013】
15はリモコン制御部11内に一プログラムとして設けられた拒否項目判定手段で、リモコンあるいは本体の状態から設定変更を拒否するメニュー項目13を判定するもので、ここでは、休止設定の日数が設定されていると「運転モード」のメニュー項目13Bを拒否すると判定し、また、チャイルドロックスイッチ8によってチャイルドロックが設定されていると、「運転モード」のメニュー項目13B、「休止設定」のメニュー項目13C、および「型式連絡先」のメニュー項目13Dを拒否すると判定するようにしている。
【0014】
16はリモコン制御部11内に一プログラムとして設けられた拒否理由報知手段で、メニュー選択手段12によって拒否項目判定手段15で拒否すると判定されたメニュー項目13に選択カーソル14が表示されたときに、リモコンあるいは本体の状態に応じた拒否理由を表示部5の下部領域に文字表示して報知するもので、ここでは、沸き上げの休止設定がされているために「運転モード」のメニュー項目13Bが拒否判定されていると、「沸き上げ休止中のため設定できません」の文字を表示部5に表示し、チャイルドロックが設定されているために「運転モード」、「休止設定」、「型式連絡先」の各メニュー項目13B、13C、13Dが拒否判定されていると、「チャイルドロック中のため設定できません」の文字を表示するようにしている。
【0015】
そして、
図3に示すように、メニュー/決定スイッチ10が操作されてメニュー画面(
図3(A))が表示部5に表示されている状態で、十字スイッチ9が右操作されると、選択カーソル14がメニュー画面のデフォルト位置である「使用可能湯量」のメニュー項目13Aから「運転モード」のメニュー項目13Bへ移動されると共に、通常時は
図3(B)のように表示部5の下部領域には、メニュー/決定スイッチ10の操作で運転モードの変更画面へ遷移できる旨の文字が表示される。
【0016】
一方、沸き上げ休止設定が既にされていて、拒否項目判定手段15が「運転モード」のメニュー項目13Bは拒否すると判定されている場合は、十字スイッチ9が右操作されると、選択カーソル14がメニュー画面のデフォルト位置である「使用可能湯量」のメニュー項目13Aから「運転モード」のメニュー項目13Bへ移動されると同時に、
図3(C)のように表示部5の下部領域には、拒否理由報知手段16が「沸き上げ休止中のため設定できません」の文字を表示させ、選択カーソル14が「運転モード」のメニュー項目13Bに表示されている状態でのメニュー/決定スイッチ10の操作があっても受付拒否するようにしている。
【0017】
このようにして、メニュー項目13を選択決定する前の選択カーソル14を拒否判定されているメニュー項目14に表示させた時点で、拒否理由が報知されるため、無駄な操作を行うことがなくなるものである。
【0018】
なお、本発明は上記の一実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で改変可能なものであり、具体的画面構成は、本発明の意図する範囲内において種々に設計変更してもよいものである。
【0019】
また、メニュー画面におけるメニュー項目や、拒否理由そのものおよび拒否理由の文言は、上記一実施形態の内容に限定されるものではなく、本発明の意図する範囲内において種々に設計変更してもよいもので、さらに、文字表示に加えて音声報知を行ってもよいものである。
【符号の説明】
【0020】
4 リモコン装置
5 表示部
9 十字スイッチ
10 メニュー/決定スイッチ
11 リモコン制御部
12 メニュー選択手段
13 メニュー項目
14 選択カーソル
15 拒否項目判定手段
16 拒否理由報知手段