(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
コンテンツを制作するコンテンツ制作者によって前記コンテンツに設定される広告枠と、前記コンテンツ制作者によって前記広告枠に設定されるターゲティング条件とに関する広告枠情報を受け付ける受付手段と、
前記受付手段によって受け付けられた広告枠情報に基づいて、前記ターゲティング条件毎に、前記広告枠に広告を表示する権利を落札対象とするオークションサービスを提供する提供手段と、を備え、
前記受付手段は、
過去に制作された制作済みコンテンツのうち、前記コンテンツと関連する制作済みコンテンツを閲覧したユーザに関するユーザ属性を前記コンテンツ制作者に提供し、提供したユーザ属性から前記コンテンツ制作者によって選択されたユーザ属性を前記ターゲティング条件として受け付ける、
ことを特徴とするサービス提供装置。
前記受付手段によって前記企画情報が受け付けられた場合に、前記企画情報に基づいて、前記企画情報に対応するコンテンツがユーザに閲覧される回数の予測値を算出する算出手段をさらに備え、
前記提供手段は、
前記算出手段によって算出された前記予測値を提示するとともに、前記オークションサービスを提供する、
ことを特徴とする請求項5又は6に記載のサービス提供装置。
コンテンツを制作するコンテンツ制作者によって前記コンテンツに設定される広告枠と、前記コンテンツ制作者によって前記広告枠に設定されるターゲティング条件とに関する広告枠情報を受け付ける受付手順と、
前記受付手順によって受け付けられた広告枠情報に基づいて、前記ターゲティング条件毎に、前記広告枠に広告を表示する権利を落札対象とするオークションサービスを提供する提供手順と、をコンピュータに実行させ、
前記受付手順は、
過去に制作された制作済みコンテンツのうち、前記コンテンツと関連する制作済みコンテンツを閲覧したユーザに関するユーザ属性を前記コンテンツ制作者に提供し、提供したユーザ属性から前記コンテンツ制作者によって選択されたユーザ属性を前記ターゲティング条件として受け付ける、
ことを特徴とするサービス提供プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願に係るサービス提供装置、サービス提供方法及びサービス提供プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係るサービス提供装置、サービス提供方法及びサービス提供プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0011】
(第1の実施形態)
〔1.サービス提供処理〕
まず、
図1を用いて、第1の実施形態に係るサービス提供処理の一例について説明する。
図1は、第1の実施形態に係るサービス提供処理の一例を示す図である。
図1に示した例では、コンテンツを制作するコンテンツ制作者が、コンテンツに広告枠を設定し、さらに、広告が表示される条件であるターゲティング条件を広告枠に設定する。そして、
図1に示したサービス提供装置100は、コンテンツ制作者によって設定されたターゲティング条件毎に、広告枠に広告を表示する権利を落札対象とするオークションサービスを提供する。なお、ターゲティング条件とは、コンテンツの配信先ユーザを決定する際に用いられる情報であり、例えば、配信先ユーザのユーザ属性などに該当する。以下では、コンテンツ制作者がコンテンツ制作を企画している段階で、サービス提供装置100がオークションサービスを提供する例を示す。また、以下では、コンテンツとして、動画を例に挙げて説明する。
【0012】
図1に示すように、サービス提供装置100は、動画を制作する予定であるコンテンツ制作者CP11から、動画の企画内容を示す企画情報と、コンテンツ制作者CP11によって動画に設定される広告枠に関する広告枠情報とを受け付ける(ステップS11)。なお、サービス提供装置100は、企画情報と広告枠情報とを同時に受け付けてもよいし、異なるタイミングで受け付けてもよい。
【0013】
図1の例の場合、コンテンツ制作者CP11によって送信される企画情報には、コンテンツの種類が動画であること、動画の監督が「X1」であること、動画の出演者が「Y1」、「Y2」及び「Y3」であること、動画の概要が「爽やかな恋愛ドラマ・・・」であることを示す情報が含まれる。
【0014】
また、コンテンツ制作者CP11によって送信される広告枠情報には、動画の冒頭に設定される3本の広告枠と、動画に含まれる各種シーンのうちスマートフォンが使用されるシーンに設定される広告枠と、カフェのシーンに設定される広告枠とに関する情報が含まれる。また、
図1の例の場合、冒頭の3本の広告枠のうち1番目の広告枠には、ターゲティング条件として、「男性」、「女性」及び「全体(すなわち、男女の双方)」が設定されている。また、冒頭の3本の広告枠のうち2番目の広告枠には、ターゲティング条件として、「男性」及び「女性」が設定されている。一方、他の広告枠には、ターゲティング条件が設定されていない。
【0015】
なお、上述した広告枠のうち、スマートフォンが使用されるシーンに設定される広告枠や、カフェのシーンに設定される広告枠は、広告主が宣伝したい商品を映像に登場(出演)させる出演枠を示す。例えば、スマートフォンが使用されるシーンに設定される広告枠を落札した広告主は、動画に出演する出演者に宣伝対象のスマートフォンを利用させることができる。このような特定シーンや出演者と関連付けて動画の本編に広告を表示する手法は、プロダクトプレイスメント(Product Placement)等と呼ばれる。
【0016】
続いて、サービス提供装置100は、コンテンツ制作者CP11から受け付けた企画情報を提示するとともに、動画に設定された広告枠に広告を表示する権利を落札対象とするオークションサービスを提供する。このとき、サービス提供装置100は、広告枠かつターゲティング条件毎に、かかる広告枠に広告を表示する権利を落札対象とするオークションサービスを提供する。このように、サービス提供装置100は、コンテンツ制作者CP11が動画の制作を企画している段階で、動画に広告を組み込む権利を落札対象とするオークションを開催する。
【0017】
図1の例の場合、サービス提供装置100は、企画情報に基づいて、コンテンツの種類、監督、出演者、概要を公開するとともに、広告枠情報に基づいて、動画の冒頭に表示される広告枠A、B及びCと、動画の本編内に表示される広告枠D及びEに関するオークションを個別に開催する。
【0018】
例えば、サービス提供装置100は、広告枠Aに関する3個のオークションを開催する。具体的には、サービス提供装置100は、コンテンツ(実際には、後述する合成コンテンツ)の配信先ユーザのユーザ属性「性別」が男性である場合に、広告枠Aに広告が表示される権利を落札対象とするオークションと、配信先ユーザのユーザ属性「性別」が女性である場合に、広告枠Aに広告が表示される権利を落札対象とするオークションと、配信先ユーザのユーザ属性「性別」が男性及び女性のいずれであっても広告枠Aに広告が表示される権利を落札対象とするオークションとを開催する。
【0019】
また、サービス提供装置100は、広告枠Bに関するオークションとして、配信先ユーザのユーザ属性「性別」が男性である場合に、広告枠Bに広告が表示される権利を落札対象とするオークションと、配信先ユーザのユーザ属性「性別」が女性である場合に、広告枠Bに広告が表示される権利を落札対象とするオークションとを開催する。また、サービス提供装置100は、広告枠Cにはターゲティング条件が設定されていないので、配信先ユーザのユーザ属性に関係なく広告枠Cに広告が表示される権利を落札対象とするオークションを開催する。また、サービス提供装置100は、広告枠Cと同様に、広告枠D及びEに関するオークションを開催する。
【0020】
続いて、サービス提供装置100は、それぞれのオークションにおいて広告主から入札を受け付ける(ステップS12)。その後、サービス提供装置100は、オークション開催期間内に最高価格を入札した広告主を落札者に決定し、落札者から落札金の入金を受け付ける(ステップS13)。そして、サービス提供装置100は、落札者から入金された落札金をコンテンツ制作者CP11に入金する(ステップS14)。この後の処理については後に詳述するが、サービス提供装置100は、各広告枠に関するオークションの全てが成立した後、コンテンツ制作者CP11によって制作された動画に、落札者から受け付けた広告データを組み込むことで配信対象の動画を生成する。なお、一般的なウェブページには、ウェブページへのアクセス毎に異なる広告主の広告が表示されるが、実施形態に係る動画等のコンテンツに設定される各広告枠には、落札者に対応する広告データのみが組み込まれる。すなわち、落札者となった広告主は、広告が表示される広告枠を独占することとなる。
【0021】
このように、第1の実施形態に係るサービス提供装置100は、コンテンツ制作者によってコンテンツに設定される広告枠及びターゲティング条件毎に、広告を表示する権利を落札対象とするオークションを開催する。これにより、サービス提供装置100は、広告主に対して、広告の配信対象が特定された広告の表示権利に入札させることができる。例えば、広告主によっては、特定のユーザに対してのみ広告を配信したい場合がある。一例を挙げて説明すると、女性をターゲットとする化粧品等の商品を販売する広告主は、女性に対してのみ広告を配信したい場合がある。また、男性をターゲットとするスポーツ用品等の商品を販売する広告主は、男性に対してのみ広告を配信したい場合がある。このような広告主は、上述してきたサービス提供装置100を利用することにより、特定のユーザに対してのみ広告を配信することができる。このようなことから、サービス提供装置100は、広告主に対して付加価値のあるサービスを提供することができる。
【0022】
また、上述したサービス提供装置100を利用するコンテンツ制作者は、広告枠毎にオークションが開催されるよりも、ターゲティング条件毎に各広告枠のオークションが開催される方が多くの資金を調達できる可能性がある。具体的には、広告枠にターゲティング条件が設定されていない場合には、不要なユーザにも広告が配信されることになるので、特定のユーザに広告配信を望む広告主は、入札価格を抑制する可能性がある。しかし、上述したサービス提供装置100は、ターゲティング条件毎にオークションを開催するので、このような広告主のニーズに応えることができ、入札価格の高騰を図れる。このため、サービス提供装置100は、コンテンツ制作者に多くの資金を調達させることができる。また、コンテンツ制作者は、サービス提供装置100を利用することで、1個の広告枠に設定したターゲティング条件毎に落札金を得ることができるので、多くの資金を調達することができる。このようなことから、サービス提供装置100は、広告主に対してだけでなく、コンテンツ制作者に対しても付加価値のあるサービスを提供することができる。
【0023】
〔2.サービス提供システムの構成〕
次に、
図2を用いて、第1の実施形態に係るサービス提供システムの構成について説明する。
図2は、第1の実施形態に係るサービス提供システムの構成例を示す図である。
図2に示すように、サービス提供システム1には、制作者端末10と、広告主端末20
1〜20
nと、配信サーバ30と、ユーザ端末40
1〜40
mと、サービス提供装置100とが含まれる。制作者端末10、広告主端末20
1〜20
n、配信サーバ30、ユーザ端末40
1〜40
m、及び、サービス提供装置100は、通信網50を介して、有線又は無線により通信可能に接続される。なお、
図2に示したサービス提供システム1には、複数台の制作者端末10や、複数台の配信サーバ30や、複数台のサービス提供装置100が含まれてもよい。
【0024】
制作者端末10は、コンテンツ制作者によって利用される情報処理装置である。例えば、制作者端末10は、コンテンツ制作者による操作に従って、企画情報や、広告枠情報や、コンテンツ制作者によって制作された動画等のコンテンツをサービス提供装置100に送信する。なお、以下では、制作者端末10をコンテンツ制作者と表記する場合がある。すなわち、以下では、コンテンツ制作者を制作者端末10と読み替えることもできる。
【0025】
なお、コンテンツ制作者は、企画情報の入稿作業等を代理店に依頼する場合もある。この場合、サービス提供装置100によって提供されるオークションサービスを利用するのは代理店となる。以下では、「コンテンツ制作者」といった表記は、コンテンツ制作者だけでなく代理店を含む概念であり、「制作者端末」といった表記は、制作者端末だけでなく代理店によって利用される代理店端末を含む概念であるものとする。
【0026】
広告主端末20
1〜20
nは、広告主によって利用される情報処理装置である。例えば、広告主端末20
1〜20
nは、広告主による操作に従って、サービス提供装置100からオークションサービスに関するウェブページ(以下、「オークションページ」と表記する場合がある)を取得したり、サービス提供装置100に入札情報や広告データを送信したりする。以下では、広告主端末20
1〜20
nを区別する必要がない場合には、これらを総称して「広告主端末20」と表記する場合がある。また、以下では、広告主端末20を広告主や入札者や落札者と表記する場合がある。すなわち、以下では、広告主や入札者や落札者を広告主端末20と読み替えることもできる。
【0027】
なお、広告主は、入札作業等を代理店に依頼する場合もある。この場合、サービス提供装置100によって提供されるオークションサービスを利用するのは代理店となる。以下では、「広告主」といった表記は、広告主だけでなく代理店を含む概念であり、「広告主端末」といった表記は、広告主端末だけでなく代理店によって利用される代理店端末を含む概念であるものとする。
【0028】
配信サーバ30は、例えば、ウェブサーバ等である。配信サーバ30は、サービス提供装置100から配信対象のコンテンツを受信する。また、配信サーバ30は、ユーザ端末40
1〜40
mからの要求に応じて、サービス提供装置100から受信したコンテンツを配信する。
【0029】
ユーザ端末40
1〜40
mは、コンテンツを閲覧するユーザによって利用される情報処理装置である。例えば、ユーザ端末40
1〜40
mは、ユーザによる操作に従って、配信サーバ30から動画等のコンテンツを取得し、取得したコンテンツを表示装置(例えば、液晶ディスプレイ)に表示する。以下では、ユーザ端末40
1〜40
mを区別する必要がない場合には、これらを総称して「ユーザ端末40」と表記する場合がある。また、以下では、ユーザ端末40をユーザや視聴者と表記する場合がある。すなわち、以下では、ユーザや視聴者をユーザ端末40と読み替えることもできる。
【0030】
サービス提供装置100は、例えば、ウェブサーバ等である。
図1を用いて説明したように、サービス提供装置100は、企画段階のコンテンツに組み込まれる広告枠に関するオークションサービスを提供する。
【0031】
なお、上述した制作者端末10や広告主端末20やユーザ端末40は、例えば、デスクトップ型PC(Personal Computer)や、ノート型PCや、タブレット型端末や、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)等により実現される。
【0032】
〔3.サービス提供装置の構成〕
次に、
図3を用いて、第1の実施形態に係るサービス提供装置100の構成について説明する。
図3は、第1の実施形態に係るサービス提供装置100の構成例を示す図である。
図3に示すように、サービス提供装置100は、通信部110と、オークション記憶部121と、制御部130とを有する。なお、サービス提供装置100は、サービス提供装置100の管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0033】
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)によって実現される。かかる通信部110は、通信網50と有線又は無線で接続される。そして、通信部110は、通信網50を介して、制作者端末10や広告主端末20や配信サーバ30との間で情報の送受信を行う。
【0034】
オークション記憶部121は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。実施形態に係るオークション記憶部121は、オークションに関する各種情報を記憶する。
【0035】
図4に、第1の実施形態に係るオークション記憶部121の一例を示す。
図4に示すように、オークション記憶部121は、「企画ID」、「制作者ID」、「企画内容」、「オークションID」、「広告枠情報」、「オークション期間」、「ターゲティング条件」、「現在価格」、「入札者ID」、「終了日時」といった項目を有する。
【0036】
「企画ID」は、コンテンツ制作者によって制作することが企画されているコンテンツを識別するための識別情報を示す。「企画内容」は、コンテンツの企画内容を示す。「制作者ID」は、コンテンツ制作者を識別するための識別情報を示す。「オークションID」は、広告枠及びターゲティング条件毎に開催される各オークションを識別するための識別情報を示す。「広告枠情報」は、コンテンツに組み込まれる広告枠に関する情報を示す。「オークション期間」は、オークションが開催される期間を示す。
【0037】
「ターゲティング条件」は、コンテンツ制作者によって広告枠に設定され、例えば、コンテンツの配信先ユーザのユーザ属性を示す。ユーザ属性は、例えば、サイコグラフィック属性やデモグラフィック属性である。デモグラフィック属性は、人口統計学的なユーザの属性情報を示す。例えば、デモグラフィック属性は、ユーザの「住所」、「性別」、「年齢」、「年収」、「職業」、「家族構成」などに該当する。また、サイコグラフィック属性は、ユーザの嗜好、価値観、ライフスタイル、性格などを示す。例えば、サイコグラフィック属性は、ユーザの嗜好性の分野として「車」や「旅行」や「服」や「飲食」などに該当する。
【0038】
「現在価格」は、現時点でオークションに入札されている入札価格の最高額を示す。「入札者ID」は、現時点で最高額の入札価格を入札している入札者である広告主を識別するための広告主IDを示す。「終了日時」は、オークションが終了した日時を示す。
【0039】
なお、
図4では、「終了日時」に日時が格納されていないオークションが開催中又は未開催であり、「終了日時」に日時が格納されているオークションが終了したことを示す。また、「終了日時」に日時が格納されている場合には、現在価格が落札価格に該当し、入札者が落札者に該当する。また、
図4の例において、「制作者ID」は、
図1に示したコンテンツ制作者に付した参照符号に該当するものとする。例えば、制作者ID「CP11」は、コンテンツ制作者CP11を示す。また、以下では、
図4に示した「入札者ID」に記憶されている情報を広告主の参照符号として用いる場合がある。例えば、入札者ID「C11」によって識別される広告主を「広告主C11」と表記する場合がある。
【0040】
すなわち、
図4では、コンテンツ制作者によって、企画ID「P11」によって識別されるコンテンツが企画中であり、コンテンツの企画内容が動画等である例を示している。また、
図4では、コンテンツに5個の広告枠A〜Eが組み込まれる例を示している。また、
図4では、広告枠A及びターゲティング条件「男性」に関するオークションがオークションID「AU111」によって識別され、広告枠A及びターゲティング条件「女性」に関するオークションがオークションID「AU112」によって識別され、広告枠A及びターゲティング条件「全体(なし)」に関するオークションがオークションID「AU113」によって識別される例を示している。また、
図4では、企画ID「P11」に対応する8個のオークションが開催中又は未開催である例を示している。このように、オークション記憶部121は、1つの企画ID(すなわち、企画段階のコンテンツ)に対応付けて、コンテンツに組み込まれる各広告枠に対応するオークションIDを対応付けて記憶する。
【0041】
なお、オークション記憶部121に記憶される情報は、
図4に示した例に限られない。例えば、オークション記憶部121は、オークションID毎に、落札対象を即座に落札することができる価格を示す「即決価格」や、落札対象を落札することができる最小価格を示す「最低落札価格」などを記憶してもよい。これらの「即決価格」及び「最低落札価格」は、例えば、制作者端末10からサービス提供装置100に送信される広告枠情報に含まれ、コンテンツ制作者によって設定される。また、
図4では、広告枠に設定されるターゲティング条件がユーザの性別である例を示したが、この例に限られない。例えば、広告枠には、ユーザの所在地域、年代、年収、職業の分野、家族構成、嗜好などのユーザ属性がターゲティング条件として記憶されてもよい。
【0042】
図3の説明に戻って、制御部130は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、サービス提供装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(サービス提供プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0043】
図3に示すように、制御部130は、企画受付部131と、サービス提供部132と、落札金管理部133と、コンテンツ受付部134と、生成部135と、送信部136とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、
図3に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、
図3に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0044】
企画受付部131は、コンテンツ制作を予定しているコンテンツ制作者(例えば、制作者端末10)から、企画情報及び広告枠情報を受け付ける。具体的には、企画受付部131は、コンテンツ制作者から、コンテンツの企画内容を示す企画情報を受け付ける。また、企画受付部131は、コンテンツ制作者によってコンテンツに設定される広告枠と、コンテンツ制作者によって広告枠に設定されるターゲティング条件とに関する広告枠情報を受け付ける。そして、企画受付部131は、企画情報及び広告枠情報を受け付けた場合に、新たな企画IDを払い出すとともに、広告枠及びターゲティング条件毎にオークションIDを払い出す。そして、企画受付部131は、企画IDに対応付けて、企画情報をオークション記憶部121の「企画内容」に格納する。また、企画受付部131は、企画IDに対応付けて、オークションIDをオークション記憶部121に格納し、さらに、各オークションIDに対応付けて、広告枠情報及びターゲティング条件をオークション記憶部121に格納する。このとき、企画受付部131は、企画情報及び広告枠情報の送信元であるコンテンツ制作者に対応する制作者IDについてもオークション記憶部121に格納する。この制作者IDは、例えば、コンテンツ制作者によって企画情報及び広告枠情報とともに送信される。または、サービス提供装置100によって提供される各種サービスを利用する際にログインを要する場合には、コンテンツ制作者のログインID等を制作者IDとしてもよい。
【0045】
なお、企画受付部131は、例えば企画情報を解析することで、コンテンツの種類、監督、出演者などの各項目に対応する情報を抽出する。例えば、企画情報がXML(Extensible Markup Language)等のマークアップ言語で記述されている場合には、企画受付部131は、企画情報から各項目に対応する情報を容易に抽出することができる。また、企画情報のフォーマットが予め決められている場合には、企画受付部131は、予め決められている形式に基づいて、企画情報から各種情報を容易に抽出することができる。同様に、企画受付部131は、広告枠情報がマークアップ言語で記述されている場合や、広告枠情報のフォーマットが予め決められている場合には、広告枠情報から各種情報を容易に抽出することができる。
【0046】
また、企画受付部131は、コンテンツ制作者によって設定されたオークション期間を含む広告枠情報を受け付けてもよい。このとき、企画受付部131は、広告枠毎にオークション期間を受け付けてもよいし、広告枠及びターゲティング条件毎にオークション期間を受け付けてもよい。この場合、企画受付部131は、広告枠情報に含まれるオークション期間をオークション記憶部121に格納する。ただし、この例に限られず、企画受付部131は、予め決められているオークション期間をオークション記憶部121に格納してもよい。例えば、企画受付部131は、広告枠情報を受け付けた日時から所定の日数が経過するまでの期間をオークション期間としてもよい。
【0047】
また、企画受付部131は、企画情報や広告枠情報を入力するための入稿サイトをコンテンツ制作者に提供してもよい。例えば、企画受付部131は、コンテンツの種類や、企画内容等を入力するための入稿サイトを提供する。また、例えば、企画受付部131は、広告枠が再生される時間的な位置(以下、再生位置と表記する場合がある)や、広告枠の再生時間や、広告枠の表示サイズや、ターゲティング条件等を入力するための入稿サイトを提供する。この場合、企画受付部131は、入稿サイトに入力された各種情報を企画情報及び広告枠情報として受け付ける。
【0048】
サービス提供部132は、企画受付部131によって受け付けられた広告枠情報に基づいて、ターゲティング条件毎に、広告枠に広告を表示する権利を落札対象とするオークションサービスを提供する。
【0049】
具体的には、サービス提供部132は、広告主端末20からオークションページの取得要求を受信した場合に、オークションページを広告主端末20に提供する。このとき、サービス提供部132は、コンテンツ制作者から受け付けた企画情報及び広告枠情報に基づいて、コンテンツの企画内容と、オークションに関する情報が掲載されているオークションページを提供する。
【0050】
一例を挙げて説明すると、サービス提供部132は、オークション記憶部121に記憶されている企画内容の一覧を広告主端末20に送信する。これにより、サービス提供部132は、一覧から選択された企画内容に対応する企画IDを含む取得要求を広告主端末20から受信する。この場合、サービス提供部132は、取得要求に含まれる企画IDに対応する各種情報をオークション記憶部121から取得する。
図4の例の場合、サービス提供部132は、オークション記憶部121から、企画IDに対応する企画内容と、企画IDに対応するオークションID毎の広告枠情報、オークション期間、ターゲティング条件、現在価格、入札者ID及び終了日時などを取得する。そして、サービス提供部132は、取得した各種情報を用いて企画内容等が掲載されているオークションページを生成し、生成したオークションページを広告主端末20に提供する。
【0051】
また、サービス提供部132は、オークションページを介して、入札価格を含む入札情報を広告主端末20から受信する。この場合、サービス提供部132は、入札対象のオークションを示すオークションIDに対応付けて、入札情報に含まれる入札価格をオークション記憶部121に格納する。このとき、サービス提供部132は、入札情報の送信元である入札者に対応する入札者IDについてもオークション記憶部121に格納する。なお、サービス提供部132は、入札情報とともに入札者IDを受け付けてもよいし、入札者のログインID等を入札者IDとしてもよい。また、サービス提供部132は、オークションが成立した場合には、オークションが終了した日時をオークション記憶部121の終了日時に格納するとともに、落札者を識別するための広告主IDをオークション記憶部121の所有者IDに格納する。
【0052】
ここで、
図5に、第1の実施形態に係るサービス提供部132によって生成されるオークションページの一例を示す。
図5では、
図4に示した企画ID「P11」に対応するオークションページW10の一例を示す。
図5に示す例のように、サービス提供部132は、オークションページW10の企画表示欄R11に、オークション記憶部121に記憶されている企画内容を掲載する。また、サービス提供部132は、オークションページW10の入札表示欄R12に、各オークションIDに対応付けてオークション記憶部121に記憶されている広告枠情報やターゲティング条件等を掲載する。また、サービス提供部132は、オークションページW10のイメージ表示欄R13に、広告枠の再生位置が視認可能なイメージ図を掲載する。このように、サービス提供部132は、広告枠情報に複数の広告枠に関する情報が含まれる場合には、全ての広告枠情報をオークションページW10に掲載するとともに、各広告枠に関するオークションを個別に開催する。
【0053】
また、ここでは図示することを省略するが、サービス提供部132は、入札表示欄R12に表示されている入札ボタンが押下された場合には、入札価格を入力するための入札ページを広告主端末20に提供する。これにより、サービス提供部132は、入札ページを介して、入札価格を含む入札情報を広告主端末20から受信する。
【0054】
なお、
図5に示したオークションページW10は、図示した例に限られない。例えば、サービス提供部132は、コンテンツ制作者の氏名等を企画表示欄R11に掲載してもよい。また、例えば、サービス提供部132は、最高価格を入札している入札者に関する情報(例えば、企業名や業種)を表示してもよい。また、例えば、コンテンツ制作者は、コンテンツの制作にかかる費用の想定額として、落札価格の目標額を企画情報に設定してもよい。この場合に、サービス提供部132は、落札価格の目標額を企画表示欄R11に掲載してもよい。また、例えば、サービス提供部132は、オークションの開催期間を入札表示欄R12に掲載してもよい。また、例えば、サービス提供部132は、イメージ表示欄R13にイメージ図を掲載しなくてもよい。
【0055】
そして、サービス提供部132は、各広告枠に関する全てのオークションが終了した場合に、全てのオークションが正式に成立したものとする。具体的には、サービス提供部132は、各広告枠に関するオークションのうち一部のオークションが終了した場合であっても、全てのオークションが成立するまでは、かかる一部のオークションが仮に成立した状態であるものとする。
図5に示した例の場合、サービス提供部132は、広告枠A〜Eに関する8個のオークションを開催する。ここで、各オークションの開催期間が異なる場合や、各オークションに即決価格が設定されている場合には、8個のオークションが同時に終了するとは限らない。例えば、8個のオークションのうち、広告枠A及びターゲティング条件「男性」に関するオークションのみが終了したものとする。この場合、サービス提供部132は、8個のオークションの全てが成立するまでは、広告枠A及びターゲティング条件「男性」に関するオークションが仮に成立した状態であり、落札者が仮に決定された状態であるものとする。そして、サービス提供部132は、8個のオークションの全てが終了した後に、全てのオークションが正式に成立したものとして、各オークションの落札者を確定させる。すなわち、サービス提供部132は、落札者が決定してオークションが終了するたびにオークション記憶部121に終了日時を格納するが、1つの企画IDに対応付けられている複数のオークションIDのうち、全てのオークションIDに対応する終了日時を格納した場合に、全てのオークションが正式に成立したものとする。
【0056】
ここで、サービス提供部132は、複数のオークションのうち、一部のオークションが成立しなかった場合には、全てのオークションを不成立としてもよい。オークションが成立しない態様としては、入札件数が1件もなかった場合や、入札価格の最高額が最低落札価格に達しない場合などが挙げられる。この場合に、サービス提供部132は、全てのオークションを再度開催してもよい。または、サービス提供部132は、成立しなかった一部のオークションのみを再度開催してもよい。または、サービス提供部132は、成立しなかった一部のオークションに対応する広告枠に関する各オークションを再度開催してもよい。例えば、
図5の例において、広告枠A及びターゲティング条件「男性」に関するオークションが成立しなかったものとする。この場合、サービス提供部132は、広告枠Aに関する3個のオークションを再度開催してもよい。なお、サービス提供部132は、再度開催するオークションには、前回の最低落札価格よりも低い最低落札価格を設定してもよい。また、サービス提供部132は、複数のオークションのうち一部のオークションが成立しなかった場合には、その旨をコンテンツ制作者に通知してもよい。そして、サービス提供部132は、コンテンツ制作者からの指示に従って、全てのオークションを再度開催してもよいし、成立しなかった一部のオークションのみを再度開催するか決定してもよい。
【0057】
続いて、サービス提供部132による落札者の決定処理について説明する。まず、サービス提供部132は、ターゲティング条件が設定されていない広告枠に関するオークションや、重複するターゲティング条件が設定されていない広告枠に関するオークションである場合には、最高価格を入札した広告主を落札者にすることを決定する。例えば、
図5に示した広告枠Bに設定されているターゲティング条件「男性」及び「女性」は、互いに重複しない。この場合、サービス提供部132は、広告枠Bのターゲティング条件「男性」に関するオークションに最高価格を入札した広告主を落札者にするとともに、広告枠Bのターゲティング条件「女性」に関するオークションに最高価格を入札した広告主を落札者にすることを決定する。また、
図5に示した広告枠Cにはターゲティング条件が設定されていないので、サービス提供部132は、広告枠Cに関する1個のオークションを開催する。この場合、サービス提供部132は、広告枠Cに関するオークションに最高価格を入札した広告主を落札者にすることを決定する。
【0058】
一方、サービス提供部132は、広告枠に設定された複数のターゲティング条件の一部が重複する場合には、かかる複数のターゲティング条件に対応する複数のオークションのうち、互いのターゲティング条件が重複せず、かつ、落札価格の合計が最大となるオークションの組合せを成立させる。この点について、
図6及び
図7の例を用いて説明する。
図6及び
図7は、第1の実施形態に係るサービス提供部132による落札者決定処理の一例を示す図である。なお、
図6及び
図7では、
図5に示した広告枠Aに関するオークションを例に挙げて説明する。
【0059】
図6では、広告枠Aに関する各オークションのうち、ターゲティング条件「男性」に対応するオークションにおいて広告主C11が落札価格「30000円」を入札し、ターゲティング条件「女性」に対応するオークションにおいて広告主C12が落札価格「40000円」を入札し、ターゲティング条件「全体(なし)」に対応するオークションにおいて広告主C13が落札価格「50000円」を入札したものとする。
【0060】
ここで、ターゲティング条件「男性」及び「全体」は、互いに一部が重複する。具体的には、男性であるユーザは、男性及び女性を含む全ユーザの一部に該当する。同様に、ターゲティング条件「女性」及び「全体」は、互いに一部が重複する。一方、ターゲティング条件「男性」及び「女性」は、互いに重複しない。このような場合に、サービス提供部132は、互いに重複しないターゲティング条件に対応するオークションの落札価格の総額と、他のターゲティング条件と重複するターゲティング条件に対応するオークションの落札価格とを比較し、高い落札価格を入札した広告主を落札者にすることを決定する。
【0061】
図6の例の場合、サービス提供部132は、互いに重複しないターゲティング条件「男性」における落札価格「30000円」と、ターゲティング条件「女性」における落札価格「40000円」との総額「70000円」を算出する。そして、サービス提供部132は、この総額「70000円」が、ターゲティング条件「全体」に対応するオークションの落札価格「50000円」よりも高いので、広告主C11及びC12を落札者にすることを決定する。
【0062】
一方、
図7に示した例では、ターゲティング条件「全体(なし)」に対応するオークションにおいて広告主C13が落札価格「80000円」を入札したものとする。この場合、サービス提供部132は、広告主C13の落札価格「80000円」が上記の総額「70000円」よりも高いので、広告主C13を落札者にすることを決定する。
【0063】
このようにして、サービス提供部132は、ターゲティング条件が重複する場合には、落札価格に基づいて、ターゲティング条件が重複しないように落札者を決定する。これにより、サービス提供部132は、広告を表示する権利を落札者である広告主に独占させることができるとともに、コンテンツ制作者に多くの資金を調達させることができる。なお、上述してきた複数のオークションが組み合わされた組合せオークションは、例えばメカニズムデザイン等によって設計される。
【0064】
図3の説明に戻って、落札金管理部133は、落札者から入金される落札金を管理する。具体的には、落札金管理部133は、落札者から落札金が入金された場合であっても、即座に全ての落札金をコンテンツ制作者に送金せずに蓄積しておく。そして、落札金管理部133は、コンテンツ制作者からコンテンツ制作にかかる費用を請求されるたびに、蓄積している落札金から請求額に相当する金額をコンテンツ制作者に送金する。例えば、落札金管理部133は、コンテンツ制作時に実際に消費した衣料費や撮影費や食費などの請求データや、コンテンツ制作において直近で消費する可能性のある衣料費や撮影費や食費などの請求データを制作者端末10から受信する。そして、落札金管理部133は、受信した請求データに対応する金額をコンテンツ制作者に送金する。なお、落札金管理部133は、オークション記憶部121に記憶されている現在価格(すなわち、落札価格)を用いて、落札金を管理する。
【0065】
このように、落札金管理部133は、落札者から入金される落札金を即座にコンテンツ制作者に送金せずに、コンテンツ制作者からの要求に応じて徐々に落札金を送金する。これにより、落札金管理部133は、実際にはコンテンツを制作しないコンテンツ制作者に落札金が持ち逃げされることを防止できる。この結果、落札金管理部133は、サービス提供装置100により提供されるオークションサービスが悪用されることを防止できる。
【0066】
なお、コンテンツ制作者から請求される総額が落札金よりも低い場合には、落札金管理部133によって管理されている落札金は余ることとなる。この場合、落札金管理部133は、コンテンツ制作者がコンテンツを制作した後に、余剰金をコンテンツ制作者に送金してもよい。これにより、落札金管理部133は、コンテンツを完成させたことに対する報酬をコンテンツ制作者に支払うことになるので、コンテンツ制作者の創作意欲を向上させることができる。
【0067】
また、上記例では、落札金管理部133が落札金をコンテンツ制作者に送金する例を示したが、落札金管理部133は、コンテンツ制作者に送金する金額を算定する処理のみを行ってもよい。そして、サービス提供装置100の管理者等が、落札金管理部133によって算定された金額をコンテンツ制作者に送金してもよい。
【0068】
コンテンツ受付部134は、コンテンツ制作者(例えば、制作者端末10)から企画情報に対応するコンテンツを受け付ける。例えば、コンテンツ受付部134は、企画情報を送信したコンテンツ制作者がコンテンツを完成させた場合に、コンテンツの完成品を受け付ける。また、コンテンツ受付部134は、落札者(例えば、広告主端末20)から、広告枠に組み込まれる広告データを受け付ける。
【0069】
なお、広告を表示する権利を有する落札者は、この権利を他の広告主に譲渡してもよい。この場合、コンテンツ受付部134は、落札者に限らず、広告を表示する権利を有する広告主から広告データを受け付ける。以下、単に「落札者」と表記する場合であっても、この落札者には、広告を表示する権利が譲渡された広告主も含まれるものとする。
【0070】
生成部135は、コンテンツ受付部134によって受け付けられたコンテンツ及び広告データを合成することで、合成コンテンツを生成する。具体的には、生成部135は、サービス提供部132によって提供されるオークションサービスにおいて、所定の企画情報(企画ID)に対応する全てのオークションが成立した後に、合成コンテンツを生成する。このとき、生成部135は、オークション記憶部121に記憶されている広告枠情報に基づいて、コンテンツ制作者によって制作されたコンテンツに設定されている広告枠に、かかる広告枠に広告を表示する権利を落札した広告主の広告データを組み込むことで合成コンテンツを生成する。
【0071】
なお、上述したように、広告主によって落札される広告枠は、プロダクトプレイスメントのように、宣伝商品を映像に登場させる出演枠に該当する場合もある。この場合、コンテンツ制作者は、例えば落札者である広告主から宣伝商品を受け取り、受け取った宣伝商品を用いて動画等のコンテンツを制作することになる。このため、広告枠がプロダクトプレイスメントである場合には、コンテンツ制作者が、広告データを含む合成コンテンツを制作することになる。すなわち、コンテンツ受付部134によって受け付けられたコンテンツが合成コンテンツに該当する場合がある。このようなことから、上述した生成部135は、コンテンツに設定される広告枠がプロダクトプレイスメントのみである場合には、合成コンテンツの生成処理を行わない。言い換えれば、生成部135は、
図1等に示した広告枠A〜Cのように、コンテンツの完成品に組み込むことが可能な広告枠がコンテンツに設定されている場合に、上述した合成コンテンツの生成処理を行う。
【0072】
送信部136は、生成部135によって生成された合成コンテンツ、又は、コンテンツ受付部134によって受け付けられた合成コンテンツを配信サーバ30に送信する。これにより、配信サーバ30は、ユーザ端末40からの要求に応じて、広告データが組み込まれた合成コンテンツをユーザ端末40に配信することとなる。
【0073】
ここで、生成部135及び送信部136の処理について、
図6の例を用いて説明する。
図6では、サービス提供部132によって、広告枠Aに広告を表示する権利の落札者が広告主C11及びC12に決定される。この場合、生成部135は、広告枠Aに広告主C11の広告データが組み込まれた合成コンテンツと、広告枠Aに広告主C12の広告データが組み込まれた合成コンテンツとを生成する。そして、送信部136は、生成部135によって生成された合成コンテンツとターゲティング条件との組合せを配信サーバ30に送信する。これにより、配信サーバ30は、配信先ユーザのユーザ属性とターゲティング条件が合致する合成コンテンツをユーザ端末40に配信する。例えば、配信サーバ30は、配信先ユーザが男性である場合には、広告主C11の広告データが組み込まれた合成コンテンツを配信し、配信先ユーザが女性である場合には、広告主C12の広告データが組み込まれた合成コンテンツを配信する。なお、配信サーバ30は、ユーザ毎のユーザ属性(サイコグラフィック属性、デモグラフィック属性など)を保持する。例えば、このユーザ属性は、プロフィール情報としてユーザによって設定される。または、ユーザ属性は、ユーザが閲覧しているコンテンツ(ウェブページなど)の閲覧履歴や、ユーザが検索用のウェブページに入力した検索キーワード等から配信サーバ30等によって推定される。
【0074】
〔4.サービス提供処理手順〕
次に、
図8を用いて、第1の実施形態に係るサービス提供システム1によるサービス提供処理の手順について説明する。
図8は、第1の実施形態に係るサービス提供システム1によるサービス提供処理手順を示すシーケンス図である。なお、
図8では、1台の広告主端末20のみを示すが、実際には複数台の広告主端末20が存在する。
【0075】
図8に示すように、コンテンツ制作者は、制作者端末10を用いて、企画情報と、ターゲティング条件を含む広告枠情報とをサービス提供装置100に送信する(ステップS101)。この場合、サービス提供装置100は、企画情報及び広告枠情報をオークション記憶部121に格納する。
【0076】
なお、
図8の例では、コンテンツ制作者が企画情報及び広告枠情報を同時に送信する例を示した。しかし、コンテンツ制作者は、企画情報と広告枠情報とを異なるタイミングで送信してもよい。例えば、コンテンツ制作者は、企画情報の後に広告枠情報をサービス提供装置100に送信してもよい。また、例えば、コンテンツ制作者は、上述した入稿サイトに各種情報を入力することで、企画情報及び広告枠情報をサービス提供装置100に送信してもよい。この場合、コンテンツ制作者は、最初に企画情報を入稿サイトに入力し、別の日などに広告枠情報を入稿サイトに入力してもよい。
【0077】
続いて、サービス提供装置100は、広告主端末20からオークションページの取得要求を受信する(ステップS102)。この場合、サービス提供装置100は、コンテンツの企画内容やターゲティング条件が掲載されたオークションページを広告主端末20に提供する(ステップS103)。そして、サービス提供装置100は、オークションページを介して、入札価格を含む入札情報を広告主端末20から受信する(ステップS104)。このようにして、サービス提供装置100は、複数の広告主端末20から入札情報を受信する。
【0078】
そして、サービス提供装置100は、広告主端末20から受信した入札情報に基づいて、落札者を決定する(ステップS105)。例えば、サービス提供装置100は、オークション開催期間が満了した日時に最高価格を入札している広告主を落札者に決定する。また、例えば、サービス提供装置100は、
図6及び
図7に示した例のように、ターゲティング条件が重複する場合には、ターゲティング条件が重複しないように落札者を決定する。そして、サービス提供装置100は、落札者から入金される落札金を管理する。この後に、サービス提供装置100は、コンテンツ制作者から制作費を請求された場合に、落札金の中から請求額をコンテンツ制作者に送金する。
【0079】
また、落札者は、広告主端末20を用いて広告データをサービス提供装置100に送信する(ステップS106)。また、コンテンツ制作者は、コンテンツを制作した場合に、制作者端末10を用いてコンテンツをサービス提供装置100に送信する(ステップS107)。
【0080】
そして、サービス提供装置100は、コンテンツ制作者から受け付けたコンテンツに、広告主から受け付けた広告データを組み込むことで合成コンテンツを生成し、生成した合成コンテンツを配信サーバ30に送信する(ステップS108)。
【0081】
〔5.効果〕
上述してきたように、第1の実施形態に係るサービス提供装置100は、企画受付部131と、サービス提供部132とを有する。企画受付部131は、コンテンツを制作するコンテンツ制作者によってコンテンツに設定される広告枠と、コンテンツ制作者によって広告枠に設定されるターゲティング条件とに関する広告枠情報を受け付ける。サービス提供部132は、企画受付部131によって受け付けられた広告枠情報に基づいて、ターゲティング条件毎に、広告枠に広告を表示する権利を落札対象とするオークションサービスを提供する。
【0082】
これにより、第1の実施形態に係るサービス提供装置100は、広告主に対して、広告の配信対象が特定された広告の表示権利に入札させることができるので、付加価値のあるサービスを広告主に提供することができる。
【0083】
また、第1の実施形態に係るサービス提供装置100において、サービス提供部132は、広告枠に設定された複数のターゲティング条件の一部が重複する場合に、複数のターゲティング条件に対応する複数のオークションのうち、互いのターゲティング条件が重複せず、かつ、落札価格の合計が最大となるオークションの組合せを成立させる。
【0084】
これにより、第1の実施形態に係るサービス提供装置100は、広告を表示する権利を落札者である広告主に独占させることができるとともに、コンテンツ制作者に多くの資金を調達させることができる。
【0085】
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、ターゲティング条件毎に、企画中のコンテンツがユーザに閲覧される閲覧回数を予測し、予測結果を入札者である広告主に提示するオークションサービスを提供する例を示す。なお、以下では、コンテンツがユーザに閲覧される回数を「PV(page view)数」と表記する場合がある。また、以下では、PV数の予測値を「予測PV数」と表記する場合がある。
【0086】
〔1.サービス提供装置の構成〕
まず、
図9を用いて、第2の実施形態に係るサービス提供装置200の構成について説明する。
図9は、第2の実施形態に係るサービス提供装置200の構成例を示す図である。
図9に示すように、サービス提供装置200は、オークション記憶部221と、履歴情報記憶部222と、制御部230とを有する。
【0087】
図10に、第2の実施形態に係るオークション記憶部221の一例を示す。
図10に示すように、オークション記憶部221は、「予測PV数」といった情報を記憶する。なお、
図10では図示することを省略したが、オークション記憶部221は、
図4に示した「企画内容」、「現在価格」、「入札者ID」、「終了日時」についても記憶する。
【0088】
「予測PV数」は、コンテンツ制作者によって制作することが企画されているコンテンツの完成品がユーザに閲覧される回数の予測値を示す。言い換えれば、
図10に示した「予測PV数」は、ターゲティング条件に基づいて決定されるユーザにコンテンツの完成品がユーザに閲覧される回数の予測値を示す。この「予測PV数」は、後述する算出部241によって算出される。
【0089】
図11に、第2の実施形態に係る履歴情報記憶部222の一例を示す。
図11に示すように、履歴情報記憶部222は、「制作者ID」、「制作済みコンテンツ」、「カテゴリ」、「ターゲティング条件」、「閲覧数」といった項目を有する。
【0090】
「制作者ID」は、コンテンツ制作者を識別するための識別情報を示す。「制作済みコンテンツ」は、コンテンツ制作者が過去に制作したコンテンツを示す。
図11では「制作済みコンテンツ」に「CD11」といった概念的な情報が格納される例を示したが、実際には、動画等のコンテンツ、又は、コンテンツの格納場所を示すファイルパス名などが格納される。
【0091】
「カテゴリ」は、制作済みコンテンツが属するカテゴリを示す。制作済みコンテンツのカテゴリの例としては、ドラマ、フィクション、アニメーション等が挙げられる。なお、コンテンツのカテゴリは、例えば企画情報に含まれ、コンテンツ制作者に設定される。ただし、コンテンツのカテゴリは、完成後のコンテンツを確認したサービス提供装置200又は配信サーバ30の管理者等によって設定されてもよい。「ターゲティング条件」は、配信サーバ30が制作済みコンテンツの配信先を決定する際に用いたターゲティング条件を示す。すなわち、「ターゲティング条件」は、配信サーバ30によって制作済みコンテンツが実際に配信されたユーザのユーザ属性を示す。「閲覧数」は、コンテンツが閲覧された回数を示す。言い換えれば、「閲覧数」は、配信サーバ30によってユーザ端末40にコンテンツ(実際には、後述する合成コンテンツ)が配信された回数を示す。
【0092】
すなわち、
図11では、コンテンツ制作者CP11により、過去にコンテンツ「CD11」や「CD12」が制作された例を示している。また、
図11では、コンテンツ「CD11」が、ドラマに関するコンテンツ(例えば、動画)である例を示している。また、
図11では、コンテンツ「CD11」が、ユーザ属性「男性」であるユーザに160000回閲覧され、ユーザ属性「女性」であるユーザに270000回閲覧され、全体として430000回閲覧された例を示している。
【0093】
図9の説明に戻って、制御部230は、算出部241と、取得部242と、サービス提供部232とを有する。算出部241は、企画中のコンテンツがユーザに閲覧される回数の予測値である予測PV数を算出する。具体的には、算出部241は、企画受付部131によって企画情報及び広告枠情報が受け付けられた場合に、履歴情報記憶部222に記憶されている各種情報に基づいて、広告枠情報に含まれるターゲティング条件毎に予測PV数を算出する。そして、算出部241は、算出した予測PV数をオークション記憶部221に格納する。
【0094】
一態様として、算出部241は、企画情報を送信したコンテンツ制作者によって過去に制作されたコンテンツの閲覧数に基づいて、企画情報に対応するコンテンツの予測PV数を算出する。具体的には、算出部241は、履歴情報記憶部222に記憶されている制作済みコンテンツのうち、企画情報を送信したコンテンツ制作者の制作者IDに対応する制作済みコンテンツを特定する。そして、算出部241は、特定した制作済みコンテンツに対応するターゲティング条件毎の閲覧数に基づいて、企画中のコンテンツにおけるターゲティング条件毎の予測PV数を算出する。例えば、算出部241は、予測PV数として、制作済みコンテンツに対応する閲覧数の平均値を算出する。これは、コンテンツ制作者が同一であるコンテンツのPV数は、一定の範囲となることが考えられるからである。
【0095】
上記の算出処理について
図11の例を用いて説明する。ここでは、コンテンツ制作者CP11によって企画情報が送信されたものとする。この場合、算出部241は、制作者IDが「CP11」である制作済みコンテンツ「CD11」及び「CD12」を特定する。そして、算出部241は、制作済みコンテンツ「CD11」かつターゲティング条件「男性」に対応する閲覧数「160000」と、制作済みコンテンツ「CD12」かつターゲティング条件「男性」に対応する閲覧数「140000」との平均値「150000」を算出する。そして、算出部241は、算出した平均値「150000」を、企画情報に対応するコンテンツのユーザ属性「男性」に対応する予測PV数とする。すなわち、算出部241は、コンテンツ制作者CP11によって企画されているコンテンツがユーザ属性「男性」であるユーザに「150000」回閲覧されることを予測する。なお、算出部241は、平均値「150000」から所定の割合だけ減算した値を予測PV数として算出してもよい。同様にして、算出部241は、企画情報に対応するコンテンツのユーザ属性「男性」に対応する予測PV数「250000」を算出し、ユーザ属性「全体」に対応する予測PV数「400000」を算出する。
【0096】
また、他の態様として、実施形態に係る算出部241は、履歴情報記憶部222に記憶されている全ての制作済みコンテンツ(すなわち、企画情報を送信したコンテンツ制作者に限らず、様々なコンテンツ制作者によって過去に制作された制作済みコンテンツ)のうち、企画受付部131によって受け付けられた企画情報に対応する制作済みコンテンツの閲覧数に基づいて、予測PV数を算出する。具体的には、算出部241は、企画情報に含まれるコンテンツのカテゴリが一致する制作済みコンテンツを特定し、特定した制作済みコンテンツに対応する閲覧数に基づいて予測PV数を算出する。これは、カテゴリが同一であるコンテンツのPV数は、一定の範囲となることが多いからである。例えば、ドラマに関するコンテンツは、一般的に10万回ほど閲覧される傾向があり、アニメーションに関するコンテンツは、一般的に5万回ほど閲覧される傾向があることなどが考えられる。
【0097】
上記の算出処理について
図11の例を用いて説明する。ここでは、企画情報に含まれるコンテンツのカテゴリが「ドラマ」であるものとする。この場合、算出部241は、カテゴリが「ドラマ」である制作済みコンテンツ「CD11」及び「CD21」を特定する。そして、算出部241は、制作済みコンテンツ「CD11」かつターゲティング条件「男性」に対応する閲覧数「160000」と、制作済みコンテンツ「CD21」かつターゲティング条件「男性」に対応する閲覧数「180000」との平均値「170000」を算出する。そして、算出部241は、算出した平均値「170000」を、企画情報に対応するコンテンツのユーザ属性「男性」に対応する予測PV数とする。
【0098】
取得部242は、コンテンツの予測PV数を算出する際に用いる各種情報を取得する。具体的には、取得部242は、生成部135によって生成された合成コンテンツを、コンテンツ制作者の制作者IDに対応付けて、履歴情報記憶部222の制作済みコンテンツに格納する。すなわち、取得部242は、生成部135によって生成された合成コンテンツを、コンテンツ制作者によって過去に制作されたコンテンツとして履歴情報記憶部222に格納する。ただし、この例に限られず、取得部242は、コンテンツ受付部134によって受け付けられたコンテンツを履歴情報記憶部222の制作済みコンテンツに格納してもよい。
【0099】
また、取得部242は、定期的に配信サーバ30にアクセスすることで、合成コンテンツにおけるターゲティング条件毎の配信数を配信サーバ30から取得する。そして、取得部242は、ターゲティング条件毎の配信数を、合成コンテンツ(制作済みコンテンツ)に対応付けて、履歴情報記憶部222の閲覧数に格納する。
【0100】
サービス提供部232は、算出部241によって算出された予測PV数を提示するとともにオークションサービスを提供する。具体的には、サービス提供部232は、オークション記憶部221に記憶されている予測PV数が掲載されているオークションページを提供する。ここで、
図12は、第2の実施形態に係るサービス提供部232によって生成されるオークションページの一例を示す図である。
図12に示す例のように、サービス提供部232は、オークションページW20の入札表示欄R12にターゲティング条件毎の予測PV数を掲載する。
【0101】
〔2.効果〕
上述してきたように、第2の実施形態に係るサービス提供装置200は、算出部241と、サービス提供部232とを有する。算出部241は、企画受付部131によって企画情報が受け付けられた場合に、企画情報に基づいて、企画情報に対応するコンテンツがユーザに閲覧される回数の予測値である予測PV数を算出する。サービス提供部232は、算出部241によって算出された予測PV数を提示するとともに、オークションサービスを提供する。
【0102】
これにより、第2の実施形態に係るサービス提供装置200は、コンテンツの企画段階でオークションを開催する場合であっても、入札者である広告主に対して広告がユーザに閲覧される予測回数を把握させることができる。この結果、サービス提供装置200は、付加価値のあるサービスを広告主に提供することができる。
【0103】
〔3.変形例〕
上述した第2の実施形態に係るサービス提供装置200は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、サービス提供装置200の他の実施形態について説明する。
【0104】
〔3−1.予測PV数の算出手法〕
上記第2の実施形態では、サービス提供装置200が、「企画中のコンテンツとコンテンツ制作者が一致する制作済みコンテンツの閲覧数」、又は、「企画中のコンテンツとカテゴリが一致する制作済みコンテンツの閲覧数」といった予測要素に基づいて、予測PV数を算出する例を示した。しかし、算出部241は、複数の予測要素を用いて予測PV数を算出してもよい。
【0105】
例えば、算出部241は、「企画中のコンテンツとコンテンツ制作者が一致する制作済みコンテンツの閲覧数」と、「企画中のコンテンツとカテゴリが一致する制作済みコンテンツの閲覧数」とを用いて予測PV数を算出してもよい。以下に、算出部241が、双方の予測要素からターゲティング条件毎の回帰モデル(以下、「PV数モデルM1」とする)を生成し、生成したPV数モデルM1から予測PV数を算出する例について説明する。なお、以下では、算出部241がターゲティング条件「男性」のPV数モデルM1を生成するものとする。
【0106】
まず、算出部241は、履歴情報記憶部222に記憶されている閲覧数を従属変数(目的変数)とし、履歴情報記憶部222に記憶されている制作者IDやカテゴリを独立変数(説明変数)として回帰分析を行うことにより、制作者IDやカテゴリによって予測PV数を表すPV数モデルM1を生成する。例えば、算出部241によって算出されるPV数モデルM1は、以下の式(1)のように表される。
【0107】
pv = a0・x0+a1・x1 ・・・ (1)
【0108】
上記式(1)のうち、「pv」は、履歴情報記憶部222に記憶されている閲覧数を示す。また、「x0」は、制作者ID毎の閲覧数の平均値を示す。
図10の例の場合、制作済みコンテンツ「CD11」かつターゲティング条件「男性」に対応する閲覧数が「160000」であり、制作済みコンテンツ「CD12」かつターゲティング条件「男性」に対応する閲覧数が「140000」である。このため、コンテンツ制作者CP11に対応する「x0」は、「150000」となる。また、「x1」は、カテゴリ毎の閲覧数の平均値を示す。
図11の例の場合、カテゴリ「ドラマ」に対応する「x1」は、カテゴリ「ドラマ」かつターゲティング条件「男性」に対応する対応する閲覧数の平均値「170000」となる。
【0109】
例えば、
図11に示した制作済みコンテンツ「CD11」の場合、閲覧数「pv」は、「160000」である。また、上記例のように、コンテンツ制作者CP11に対応する「x0」は、「150000」であり、カテゴリ「ドラマ」に対応する「x1」は、「170000」である。この場合、上記式(1)は、以下の式(2)のように表される。
【0110】
pv = a0・x0+a1・x1 ・・・ (1)
160000= a0・(150000)+a1・(170000) ・・・ (2)
【0111】
算出部241は、制作済みコンテンツ「CD12」や「CD21」についても、上記式(2)と同様の式を求める。そして、算出部241は、各制作済みコンテンツに対応する式を回帰分析することで、各式を近似的に満たすような「a0」及び「a1」を算出し、算出した「a0」及び「a1」を上記式(1)に適用することで、PV数モデルM1を生成する。
【0112】
そして、算出部241は、企画受付部131によって企画情報が受け付けられた場合に、上記式(1)で表されるPV数モデルM1を用いて、予測PV数を算出する。具体的には、算出部241は、上記式(1)の「x0」に、企画情報を送信したコンテンツ制作者に対応する制作済みコンテンツかつターゲティング条件「男性」の閲覧数の平均値を代入する。また、算出部241は、上記式(1)の「x1」に、企画情報に含まれるカテゴリに対応する制作済みコンテンツかつターゲティング条件「男性」の閲覧数の平均値を代入する。これにより、算出部241は、企画情報によって示されるコンテンツの予測PV数を算出する。
【0113】
このように、サービス提供装置200は、複数の予測要素を用いることで、予測PV数を高精度に算出することができる。この結果、サービス提供装置200は、付加価値の高いサービスを広告主に提供することができる。
【0114】
なお、上記式(1)では、線形モデルを例に挙げたが、算出部241は、線形モデルではなく、下記式(3)のような「log linear」モデルを用いてもよい。
【0115】
pv = 1/{1+exp(−(a0・x0+a1・x1))} ・・・ (3)
【0116】
〔3−2.予測PV数の更新(1)〕
また、上述してきたサービス提供装置200の企画受付部131は、コンテンツ制作者から、企画情報を段階的に複数回にわたって受け付けてもよい。この場合、算出部241は、企画受付部131によって新たな企画情報が受け付けられるたびに、新たな企画情報に対応する制作済みコンテンツの閲覧数に基づいて予測PV数を算出してもよい。この場合、サービス提供部232は、算出部241によって新たに算出された予測PV数を提示するとともに、オークションサービスを提供する。
【0117】
このように、サービス提供装置200は、企画情報を段階的に複数回にわたって受け付けてもよい。これにより、サービス提供装置200は、コンテンツ制作者にとって実用的なオークションサービスを実現することができる。例えば、コンテンツ制作者は、企画内容を十分に検討できていない場合であっても、企画内容の簡易版をサービス提供装置200に送信することで、オークションを開催させることができる。そして、サービス提供装置200は、企画情報を受け付けるたびに予測PV数を算出することで、最新の企画情報を用いて予測PV数を高精度に算出することができるので、付加価値の高いサービスを広告主に提供することができる。
【0118】
〔3−3.予測PV数の更新(2)〕
また、サービス提供装置200は、企画情報を段階的に受け付けない場合であっても、予測PV数を更新してもよい。具体的には、算出部241は、サービス提供部232によってオークションサービスが提供されている最中に、入札数又は最高入札価格などのオークション情報に対応する制作済みコンテンツの閲覧数に基づいて予測PV数を定期的に算出してもよい。この場合、サービス提供部232は、算出部241によって新たに算出された予測PV数を提示するとともに、オークションサービスを提供する。この点について、
図13を用いて説明する。
【0119】
図13は、変形例に係るオークション記憶部223の一例を示す図である。変形例に係るサービス提供装置200は、
図10に示したオークション記憶部221の代わりに、
図13に示したオークション記憶部223を有する。
図13に示すように、オークション記憶部223は、オークション情報の一例として、「総入札数」、「総落札価格」といった情報を記憶する。なお、
図13では図示することを省略したが、オークション記憶部223は、
図4に示した「企画内容」、「広告枠情報」、「オークション期間」、「現在価格」、「入札者ID」についても記憶する。
【0120】
「総入札数」は、企画IDに対応する各オークションに入札された入札数の合計を示す。「総落札価格」は、企画IDに対応する各オークションにおける落札価格の総額を示す。これらの「総入札数」及び「総落札価格」は、企画IDに対応する全てのオークションが終了した後に、サービス提供部232によって格納される。
図13では、企画ID「P101」、「P102」及び「P201」に対応する各オークションは終了しており、企画ID「P11」に対応する各オークションは終了していない例を示す。すなわち、
図13に示したオークション記憶部223は、企画ID「P101」、「P102」及び「P201」に対応する各種情報を履歴情報として記憶する。
【0121】
ここで、算出部241は、オークション記憶部223に記憶されている終了済みのオークションに基づいて、総入札数や総落札価格から予測PV数を算出するための回帰モデル(以下、「PV数モデルM2」とする)を生成する。例えば、算出部241は、履歴情報記憶部222に記憶される閲覧数を従属変数(目的変数)とし、オークション記憶部223に記憶されている総入札数や総落札価格を独立変数(説明変数)として回帰分析を行うことにより、総入札数や総落札価格によって予測PV数を表すPV数モデルM2を生成する。このとき、算出部241は、従属変数(目的変数)をターゲティング条件毎の閲覧数とすることで、ターゲティング条件毎に、PV数モデルM2を生成する。
【0122】
そして、算出部241は、オークションサービスの提供を開催した後に、PV数モデルM2を用いて予測PV数を定期的に算出する。以下、
図13に示した企画ID「P11」を例に挙げて、予測PV数の算出処理について説明する。
【0123】
まず、算出部241は、企画ID「P11」に対応する開催中の各オークションにおける総入札数と、現在価格の総額(以下、「総入札価格」とする)とを算出する。例えば、これらの総入札数及び総入札価格は、オークション開催中にサービス提供部232によって所定の記憶部(オークション記憶部223等であってもよい)に一時的に記憶される。
【0124】
そして、算出部241は、算出した総入札数に基づいて、開催中の各オークションが終了した場合における総入札数を予測する。具体的には、算出部241は、オークションの開催期間と、オークション開催日から現在日までの経過日数とに基づいて、オークション終了時における総入札数及び総落札価格を予測する。例えば、算出部241は、過去に開催されたオークションの履歴に基づいて、オークションの開催期間及び経過日数から総入札数を予測することができる。一例を挙げて説明すると、サービス提供装置200は、過去に開催されたオークションに関するオークション履歴情報として、各オークションにおける開催期間と、経過日数毎の総入札数及び総入札価格とを記憶しているものとする。この場合、算出部241は、オークション履歴情報に記憶されている開催期間及び経過日数と総入札数及び総入札価格との関係性を分析することで、開催中の各オークションにおける開催期間及び経過日数から、かかる開催中の各オークションが終了した場合における総入札数及び総入札価格を予測することができる。そして、算出部241は、予測した総入札数及び総落札価格をターゲティング条件毎のPV数モデルM2に代入することで、ターゲティング条件毎の予測PV数を算出する。
【0125】
このように、サービス提供装置200は、オークションサービスの提供中に、オークションに関する各種情報(入札数や入札価格)に基づいて、予測PV数を順次更新してもよい。ここで、企画内容が優れている場合には、多くのユーザにコンテンツが閲覧されることが予想されるので、オークションの入札数や落札価格は増大する傾向にある。そして、実際に企画内容が優れている場合には、一般的に多くのユーザにコンテンツが閲覧される傾向にある。すなわち、オークション開催中に算出部241によって予測される総入札数及び総落札価格は、企画内容の評価指標を示すと言える。そして、上記のPV数モデルM2は、企画内容の評価指標と実際の閲覧数との関係を示すといえる。このようなことから、算出部241は、PV数モデルM2を用いて予測PV数を高精度に算出することができる。
【0126】
〔3−4.予測処理に用いる予測要素〕
また、上記第2の実施形態では、サービス提供装置200が、予測PV数を算出する際に用いる予測要素として、「企画中のコンテンツとコンテンツ制作者が一致する制作済みコンテンツの閲覧数」や、「企画中のコンテンツとカテゴリが一致する制作済みコンテンツの閲覧数」や、「総入札数」や、「総落札価格」などを用いる例を示した。しかし、サービス提供装置200の算出部241は、これらの予測要素以外の予測要素を用いて、予測PV数を算出してもよい。
【0127】
例えば、算出部241は、「企画中のコンテンツと監督が一致する制作済みコンテンツの閲覧数」や、「企画中のコンテンツと出演者が一致する制作済みコンテンツの閲覧数」や、「企画中のコンテンツと再生時間が同等である制作済みコンテンツの閲覧数」や、「企画中のコンテンツに設定される広告枠の数が同等である制作済みコンテンツの閲覧数」や、「企画中のコンテンツに設定される広告枠の位置が類似する制作済みコンテンツの閲覧数」などの予測要素を用いて予測PV数を算出してもよい。この場合、算出部241は、これらの予測要素を用いてPV数モデルを生成し、生成したPV数モデルから予測PV数を算出する。
【0128】
(他の実施形態)
上述した各実施形態に係るサービス提供システム1は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、サービス提供システム1の他の実施形態について説明する。なお、以下では、主にサービス提供装置100を例に挙げて他の実施形態を説明するが、以下に説明する他の実施形態は、サービス提供装置200にも適用することができる。
【0129】
〔1.ターゲティング条件の提供〕
上述してきたサービス提供装置100は、広告枠に設定されるターゲティング条件の候補をコンテンツ制作者(すなわち、制作者端末10)に提供してもよい。以下、この点について具体的に説明する。なお、以下の説明においてサービス提供装置100は、
図11に示した履歴情報記憶部222を保持するものとする。また、ここでは、企画受付部131は、企画情報を受け付けているものの、広告枠情報については受け付けていないものとする。または、企画受付部131は、企画情報と、ターゲティング条件を含まない広告枠情報と受け付けているものとする。
【0130】
まず、企画受付部131は、履歴情報記憶部222に記憶されている制作済みコンテンツのうち、企画情報に対応するコンテンツと関連する制作済みコンテンツ(以下、関連コンテンツとする)を特定する。例えば、企画受付部131は、履歴情報記憶部222に記憶されている制作済みコンテンツのうち、企画情報の送信元であるコンテンツ制作者が過去に制作した制作済みコンテンツを関連コンテンツとして特定する。続いて、企画受付部131は、特定した関連コンテンツに対応するターゲティング条件を履歴情報記憶部222から取得する。ここで、履歴情報記憶部222に記憶されているターゲティング条件は、関連コンテンツを閲覧したユーザのユーザ属性であるともいえる。したがって、企画受付部131は、履歴情報記憶部222からユーザ属性を取得することとなる。そして、企画受付部131は、履歴情報記憶部222から取得したターゲティング条件(ここの例では、ユーザ属性)を、企画情報の送信元であるコンテンツ制作者に提供する。例えば、企画受付部131は、履歴情報記憶部222から取得したターゲティング条件を選択可能な選択画面をコンテンツ制作者に提供する。このとき、企画受付部131は、ターゲティング条件を含まない広告枠情報を受け付けている場合には、広告枠情報に含まれる広告枠毎に、ターゲティング条件を選択可能な選択画面を提供する。そして、企画受付部131は、このような選択画面において選択されたターゲティング条件を広告枠情報として受け付ける。
【0131】
また、上記例に限られず、企画受付部131は、履歴情報記憶部222に記憶されている制作済みコンテンツのうち、企画情報に含まれるカテゴリと一致する制作済みコンテンツを関連コンテンツとして特定し、特定した関連コンテンツに対応するターゲティング条件をコンテンツ制作者に提供してもよい。
【0132】
このように、サービス提供装置100は、企画中のコンテンツと関連する関連コンテンツを閲覧したユーザのユーザ属性をコンテンツ制作者に提供することで、コンテンツ制作者に適切なターゲティング条件を広告枠に設定させることができる。これにより、サービス提供装置100は、付加価値の高いサービスをコンテンツ制作者に提供することができる。また、サービス提供装置100は、コンテンツ制作者に適切なターゲティング条件を広告枠に設定させることで、広告効果の低下を防止することができるので、結果として、付加価値の高いサービスを広告主に提供することができる。
【0133】
〔2.関連コンテンツの閲覧ユーザ〕
また、上述してきたサービス提供装置100は、企画情報に対応するコンテンツと関連する関連コンテンツの配信先ユーザに関するユーザ属性を提示するとともに、上述してきたオークションサービスを提供してもよい。以下、この点について具体的に説明する。なお、上記例と同様に、サービス提供装置100は、
図11に示した履歴情報記憶部222を保持し、少なくともターゲティング条件を受け付けていないものとする。
【0134】
まず、サービス提供部132は、上記例の企画受付部131と同様に、履歴情報記憶部222を参照することで、企画情報に対応するコンテンツと関連する関連コンテンツを特定し、特定した関連コンテンツに対応するターゲティング条件(すなわち、ユーザ属性)を取得する。そして、サービス提供部132は、履歴情報記憶部222から取得したターゲティング条件であるユーザ属性を広告主に提示する。例えば、サービス提供部132は、
図5に例示したオークションページW10に、ユーザ属性の比率等を掲載する。一例を挙げると、サービス提供部132は、企画中のコンテンツの関連コンテンツを実際に閲覧したユーザの情報として、「男性:30%、女性:70%」といった情報や、「関東在住:40%、関西在住:40%、その他:20%」といった情報などをオークションページW10に掲載する。
【0135】
このように、サービス提供装置100は、企画中のコンテンツと関連する関連コンテンツを閲覧したユーザのユーザ属性をオークションページに掲載することで、広告主に対して入札時に参考となる情報を提供することができる。例えば、広告主は、ユーザ属性の分布を閲覧することで、企画中のコンテンツを閲覧する可能性のあるユーザの傾向を把握することができる。このため、広告主は、自身のニーズとマッチするターゲティング条件が設定されている広告枠に入札することができる。このようなことから、サービス提供装置100は、付加価値のあるサービスを広告主に提供することができる。
【0136】
〔3.配信対象ユーザ〕
また、上述してきたサービス提供装置100は、企画中のコンテンツがターゲットとするユーザに関する情報を提示するとともに、上述してきたオークションサービスを提供してもよい。具体的には、コンテンツ制作者は、コンテンツ制作を企画する場合に、コンテンツのターゲット層についても検討する場合が多い。例えば、コンテンツ制作者は、女性向けのコンテンツ制作を企画したり、男性向けのコンテンツ制作を企画したり、子供向けのコンテンツ制作を企画したりする。
【0137】
そこで、企画受付部131は、コンテンツ制作者から、コンテンツの配信対象ユーザに関する情報を含む企画情報を受け付ける。そして、サービス提供部132は、企画受付部131によって受け付けられた企画情報に基づいて、配信対象ユーザに関する情報をオークションページに掲載するする。例えば、サービス提供部132は、「男性向けのコンテンツ」や「女性向けのコンテンツ」等をオークションページに掲載する。
【0138】
このように、サービス提供装置100は、企画中のコンテンツのターゲットユーザに関する情報をオークションページに掲載することで、広告主に対して入札時に参考となる情報を提供することができる。このようなことから、サービス提供装置100は、付加価値のあるサービスを広告主に提供することができる。
【0139】
〔4.ターゲティング条件〕
また、上記実施形態では、広告枠に設定されるターゲティング条件として、ユーザの性別を例に挙げて説明した。しかし、広告枠に設定されるターゲティング条件は、ユーザの性別に限られず、他のデモグラフィック属性やサイコグラフィック属性であってもよい。また、上記実施形態では、
図4等に示したように、各オークションに1個のターゲティング条件が設定される例を示したが、複数のターゲティング条件が設定されてもよい。例えば、
図4に示したオークション記憶部121は、1つのオークションIDに対応付けて、「男性、かつ、年齢20代」とったターゲティング条件を記憶してもよい。
【0140】
〔5.組合せオークション〕
また、上述実施形態では、
図6及び
図7等に示したように、重複するターゲティング条件が設定されている場合には、落札価格の合計が最大となるオークションの組合せを成立する例を示した。しかし、サービス提供部132は、重複するターゲティング条件が設定されている場合であっても、各オークションを成立させてもよい。例えば、サービス提供部132は、
図6の例において、広告主C11〜C13を落札者としてもよい。この場合、生成部135は、広告枠Aに広告主C11の広告データが組み込まれた合成コンテンツと、広告枠Aに広告主C12の広告データが組み込まれた合成コンテンツと、広告枠Aに広告主C13の広告データが組み込まれた合成コンテンツとを生成する。そして、送信部136は、生成部135によって生成された合成コンテンツとターゲティング条件との組合せを配信サーバ30に送信する。これにより、配信サーバ30は、配信先ユーザのユーザ属性とターゲティング条件が合致する合成コンテンツをユーザ端末40に配信する。例えば、配信サーバ30は、配信先ユーザが男性である場合には、広告主C11の広告データが組み込まれた合成コンテンツを配信し、配信先ユーザが女性である場合には、広告主C12の広告データが組み込まれた合成コンテンツを配信する。また、配信サーバ30は、配信先ユーザの性別が不明である場合には、広告主C13の広告データが組み込まれた合成コンテンツを配信する。なお、サービス提供部132は、このような配信条件をオークションページに掲載してもよい。
【0141】
〔6.サービス態様〕
また、サービス提供装置100が、企画中のコンテンツに広告を表示する広告権利を落札対象とするオークションサービスを提供する例を示した。しかし、サービス提供装置100のサービス提供部132は、企画中のコンテンツではなく、既に完成されているコンテンツ等に広告を表示する権利を落札対象とするオークションサービスを提供してもよい。また、上記実施形態では、サービス提供装置100が合成コンテンツを生成する例を示したが、合成コンテンツの生成処理は、配信サーバ30等の他の装置によって行われてもよい。このような場合には、
図3に示したサービス提供装置100は、企画受付部131やコンテンツ受付部134や生成部135等を有しなくてもよい。また、
図4等に示したオークション記憶部121は、例えば「企画ID」や「企画内容」を記憶しなくてもよい。
【0142】
〔7.コンテンツの種類〕
また、上述した実施形態では、コンテンツとして、主に動画を一例に挙げて説明した。しかし、コンテンツの種類は、動画に限られない。例えば、上述してきたコンテンツは、ゲーム等のアプリケーションや、電子書籍や、ウェブログ等のウェブページであってもよい。例えば、コンテンツ制作者は、ゲームや、電子書籍や、専門的なウェブページの制作を企画している場合に、上述してきたオークションサービスを利用することができる。
【0143】
ここで、
図14に、変形例に係るコンテンツの一例を示す。
図14では、コンテンツがゲームである例を示す。
図14の例では、コンテンツ制作者が、キャラクターのアイコンを用いたゲームの制作を企画する。そして、このコンテンツ制作者は、複数種類のアイコンのうち、3個のアイコンを広告枠として設定する。このように、上述してきたオークションサービスは、ゲーム等のコンテンツにも適用することができる。
【0144】
なお、
図14の例の場合、コンテンツ制作者は、プロダクトプレイスメントと同様に、落札者である広告主から宣伝用のアイコン画像等を受け取り、受け取ったアイコン画像等を用いてゲームを制作する。このため、コンテンツ制作者が、広告データを含む合成コンテンツ(ここの例では、ゲーム)を制作することになる。
【0145】
〔8.プログラム〕
また、上述してきた実施形態に係るサービス提供装置100及び200は、例えば
図15に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、サービス提供装置100を例に挙げて説明する。
図15は、サービス提供装置100の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0146】
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0147】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、通信網50を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを、通信網50を介して他の機器へ送信する。
【0148】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを、入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0149】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0150】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係るサービス提供装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、HDD1400には、オークション記憶部121内のデータが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを、記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から、通信網50を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0151】
〔9.その他〕
上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0152】
例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。また、例えば、上述した各実施形態では、同一のコンテンツに複数の広告枠が設定される例を示したが、同一のコンテンツに1個の広告枠が設定されてもよい。
【0153】
また、上記実施形態では、コンテンツ制作者がコンテンツに広告枠の再生位置や再生時間などを設定する例を示した。しかし、サービス提供装置100は、コンテンツ制作者から企画情報のみを受け付け、広告枠情報については受け付けなくてもよい。この場合、サービス提供装置100は、例えば予め決められている再生位置や再生時間の広告枠をコンテンツに設定する。
【0154】
また、例えば、上述した各実施形態では、コンテンツに広告データが組み込まれた合成コンテンツがユーザ端末40に配信される例を示したが、広告データは、ユーザ端末40によってコンテンツが表示又は再生されるたびに、
図2では図示しない広告サーバ(アドサーバ等と呼ばれる)によってユーザ端末40に配信されてもよい。具体的には、サービス提供装置100の生成部135は、コンテンツの広告枠に、広告サーバへのアクセス情報(例えば、URL:Uniform Resource Locator)を組み込むことで合成コンテンツを生成してもよい。この場合、ユーザ端末40は、広告枠に設定されているアクセス情報に基づいて広告サーバにアクセスする。そして、広告サーバは、ユーザ端末40からアクセスされた場合に、コンテンツに組み込まれる広告データをユーザ端末40に配信する。このとき、広告サーバは、例えば、アクセス元ユーザのユーザ属性に基づいて、配信対象の広告データを選定する。そして、ユーザ端末40は、広告サーバから取得した広告データをコンテンツの広告枠に表示する。また、この例の場合、広告主は、広告データとして、広告である動画像や静止画像等にアクセスするためのアクセス情報をサービス提供装置100に送信してもよい。
【0155】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、
図3に示した企画受付部131とコンテンツ受付部134は統合されてもよい。また、例えば、上述してきたサービス提供装置100は、配信サーバ30と統合されてもよい。
【0156】
また、上述してきた各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。例えば、
図9〜
図14に示した広告権利の一部を転売する実施形態と、
図15に示した実施形態とを組み合わせることができる。
【0157】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0158】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、企画受付部は、企画受付手段や企画受付回路に読み替えることができる。