【実施例】
【0090】
ここでは、ヒトおよび動物において統合失調症様行動を引き起こすが、異なる受容体を介して作用し、PFCにおけるV層錐体ニューロンのサブセットの新規の活性依存性脱分極の表現型に集中する、D2刺激薬キンピロールおよび精神異常発現性フェンシクリジンを示す。この活性依存性脱分極が、双安定性を誘発し、これらのニューロンを通る情報の流れを妨害すること、そして、この破壊的な双安定性が、統合失調症と関連付けられたCa
2+チャネルサブタイプ(L型チャネル)に依存することを示す。最後に、これらのニューロンの細胞エンドフェノタイプが、陰性症状型の社会的行動の原因として関連していることを示す:これらのニューロンを選択的に脱分極させることにより、光遺伝学的的に非社会的表現型が作製されるが、その一方で、L型チャネルの遮断が、精神異常発現薬によって誘発される社会的機能不全を矯正する。これらのデータを総合して、統合失調症および関連疾患に関連する機構によって動員される前頭前野機能不全の新規細胞機構を定義する。
実施例1:ChR2を発現する下辺縁V層錐体ニューロンの光刺激によってマウスにおいて誘発された精神病様行動
【0091】
2つの理由から、PFC内のV層錐体ニューロンにおいて探索を行うことを選択した。第一に、PFC内のD2受容体はV層錐体ニューロン上で濃縮され(3、4)、全ての既知の抗精神病薬がD2受容体を遮断するため、D2受容体は、統合失調症および他の形態の精神病において重要な役割を果たす(5)一方で、ドーパミンレベルを増加させる薬物(例えば、L−Dopa刺激薬)およびドーパミン受容体刺激薬は、正常な個体において精神病を引き起こすことができるか、または統合失調症に罹患する患者において症状を悪化させることができる。実際、皮質D2受容体への結合は、とりわけ、統合失調症の認知症状および陰性症状に対する、特定の抗精神病薬の優れた有効性を具体的に説明することができる6)。第二に、V層錐体ニューロンは、随伴発射を含む信号に関与する新皮質の重要な出力ニューロンであり、欠乏すると、幻聴等の精神病症状を引き起こす自己モニタリングの障害に寄与する可能性がある(7)。
【0092】
マウスにおける精神病的行動に寄与するこれらのニューロンを検証するために、新皮質でのChR2の発現が主としてV層錐体ニューロンに局在化する、十分に確立されたThy1::ChR18トランスジェニックマウスを使用して、PFC内のV層錐体ニューロンにおいてチャネルロドプシン−2(ChR2)を刺激した(
図1A〜B)(8)。統合失調症の認知障害および陰性症状の特徴を定量化するために、これらのマウスにおいて社会的探索行動を測定し、陽性様症状を評価するために、常同性運動および硬直を含む解体型または緊張病性の行動を測定した。
材料および方法
【0093】
下辺縁前頭前皮質の上に片側光ファイバを設置することによって、Thy1::ChR2トランスジェニックマウスにおいてChR2−EYFPを発現する下辺縁V層錐体ニューロンの光刺激を達成した(
図1A〜B)。V層ニューロンの低周波および高周波γバンド光刺激は、それぞれ、473nm青色光(10Hz、5ミリ秒のパルス幅)および473nm青色光(40Hz、5ミリ秒のパルス幅)によって達成した。統合失調症の認知障害および陰性症状の特徴を定量化するために、これらのマウスにおいて社会的探索行動を測定し、陽性様症状の評価のために、常同性運動および硬直を含む解体型または緊張病性の行動を測定した。
結果
【0094】
比較的軽度の光刺激(470nm、0.4mW、10Hzで5ミリ秒)が、正常な運動に影響を及ぼすことなく、社会的探索行動を顕著に妨害するために十分であったことが分かった(
図1C〜E)。具体的には、低周波光刺激が、試験した6頭のThy1::ChR2−EYFP動物のうちの6頭において新生幼獣の社会的探索行動を低下させた(p=0.03、光オン/光オフの時期を交互に用いた)(
図1C〜D)。オープンフィールドデータにより、低周波光刺激時にThy1::ChR2動物の全体的な速度(左)またはトラック長(右)に違いは認められなかったことが実証され、正常な運動は軽度の刺激による影響を受けなかったことが示された(
図1E)。刺激の周波数を増加すると(470nm、0.4mW、40Hzで2.5ミリ秒)、社会的行動がほぼ完全に消失し、様々な緊張病様行動が誘発された(
図F〜H)。具体的には、V層錐体ニューロンの光刺激の周波数を増加することにより、試験した6頭の動物のうちの6頭において新生幼獣の社会的探索行動がほぼ完全に消失した(p<0.01、光オン/光オフの時期を交互に用いた)(
図F〜G)。さらに、高周波の40Hzの光刺激により、試験した6頭のマウスのうちの3頭において緊張病様硬直姿勢で過ごす時間を有意に増加させ(左、p<0.05)、試験した6頭のマウスのうちの2頭において、反復性の頭部左右運動に執着して過ごす時間が増加する傾向が観察された(右、p=0.13)(
図1H)。これらの結果は、PFCにおけるV層錐体ニューロンの異常活性が、統合失調症様行動に寄与する可能性があるという考えをさらに立証するものであり(9)、回路レベルでの調査のための基盤を提供する。さらに、これらの結果は、Thy1::ChR2−EYFPマウス系においてChR2を発現するV層錐体ニューロンの光刺激により、このマウスを統合失調症のための動物モデルとして使用できることを実証するものである。
実施例2:D2刺激薬は、V層錐体ニューロンのサブセットにおいてL型Ca2+チャネルによって媒介される、D2拮抗薬を用いた治療によって逆転可能な活性依存性脱分極を誘発する
【0095】
ChR2を発現する層錐体ニューロンの光刺激は、Thy1:ChR2−EYFPトランスジェニックマウスにおいて統合失調症様行動を誘発する。したがって、次に、統合失調症に関連する薬理学的操作がPFC内のV層錐体ニューロンに影響を及ぼすことができるプロセスを探求することにした。上で論じたように、D2受容体は統合失調症において重要な役割を果たし、D2刺激薬キンピロールは動物において統合失調症様行動を誘発する(10、11)。統合失調症に関連する薬理学的操作がPFC内のV層錐体ニューロンに影響を及ぼすことができるプロセスを探求するために、Thy1::ChR2マウス由来の前頭前野切片を使用して、キンピロールの存在下および非存在下において光によって誘起されるネットワーク活動を調べた後、既知のD2拮抗薬を用いて処理を行った(
図2および3)。
材料および方法
【0096】
光によって誘起されるネットワーク活動を調べるために、Thy1::ChR2マウス由来の前頭前野切片を使用した。Thy1::ChR2トランスジェニックマウスから単離された脳切片にインビトロで光刺激を与え、D2刺激薬の非存在下(対照)またはD2刺激薬(20μMキンピロール)の存在下における一連の閃光(470nm、1ミリ秒)に対する細胞応答の電気生理学的記録により、V層錐体ニューロンをモニタリングした。続いて、キンピロールを除去するために脳切片を洗浄し、0.2〜2μMハロペリドールまたは5μMスルピリドのいずれか(どちらも既知のD2拮抗薬である)を用いて処理した。V層錐体ニューロンのスパイクレートおよびそのスパイクレートで伝達された情報の量を定量化し、またスパイクの数をスパイク間間隔の関数として定量化した。
【0097】
続いて、20μMキンピロール単独の存在下において、またはD2拮抗薬ハロペリドール(2μM)もしくはスルピリド(5μM)と組み合わせて、またはL型Ca
2+チャネル拮抗薬ニフェジピン(10μM)とともに、V層錐体ニューロンを過分極電流パルスおよび/または脱分極電流パルスで処理した。薬理学的条件または処理の下、電気生理学的記録によりインビトロの光刺激に対するV層錐体ニューロンの細胞応答をモニタリングした。
結果
【0098】
図2Aに示されるように、キンピロール(20μM、紫色の波形、下パネル)の適用は、多くの割合のV層錐体ニューロンの応答に著しい変化をもたらした:以前にスパイクを誘起したいくつかの閃光はもはやスパイクを誘起せず(矢印)、閃光とは関係のない新しいスパイク(「+」)およびプラトー電位(「p」)が出現した。V層錐体細胞のサブセットにおいて、高頻度のスパイク期間の後に、直接刺激よりも数十ミリ秒または数百ミリ秒長く持続する長期の脱分極が観察された(
図2B中央パネル、紫色の波形、16/26個のV層錐体ニューロンにおいて観察された)。この活性依存性脱分極は、さらなるスパイクを誘発するか、またはスパイク閾値を超えるプラトー様脱分極を引き起こすことができた(
図2B)。キンピロールの洗い流しおよび抗精神病薬ハロペリドールの同時適用により、この効果は急速に逆転され(
図2B下パネル、緑色の波形、9/9個の細胞に0.2〜10μMハロペリドールが観察された)、キンピロールおよび特定のD2拮抗薬スルピリドの同時適用においても同様であった(2/2個の細胞に5μMスルピリドによる逆転が観察された)。
【0099】
興味深いことに、D2受容体の活性化が、これらのニューロンのスパイクレートが伝達した閃光レートに関する情報の量に及ぼす影響の逆U字形の曲線が観察された:情報量は、対照条件において最も高く、キンピロール(20μM)によってD2受容体が活性化されたときには中程度であり、ハロペリドール(0.2〜2μM)またはスルピリド(5μM)によりD2受容体が遮断されたときに最も低かった(
図2C、p<0.05、対照対キンピロール、p<0.01、対照対ハロペリドール/スルピリド、2方向ANOVA)。この関係のための機構を同定し、その中で、D2受容体の活性化がChR2刺激に応じたスパイクに及ぼす影響のU字曲線が再び認められた:ニューロンは、対照条件において最も多くのスパイクを発射し、ハロペリドール(0.2〜2μM)またはスルピリド(5μM)によりD2受容体が遮断されたときにスパイクの発射が最も少なかった(
図2D、p<0.01、対照対キンピロール;p<0.001、対照対ハロペリドール/スルピリド、2方向ANOVA)。D2受容体がキンピロールによって活性化されたとき、またはハロペリドールもしくはスルピリドによって遮断されたときにスパイクレートがより低かったことは、短いスパイク間間隔のスパイクの損失と特異的に関連しており(
図2E、n=4細胞/群)、実際、D2刺激薬および拮抗薬の効果は、反復する活動電位に及ぼす影響に反映されると考えられる(
図2F)。キンピロールを用いたD2の活性化(紫色の波形)は、スパイクの後過分極を増大させ(AHP、
図2Fの矢印)、対照条件において第2のスパイクを誘発する表示閾値下の後の入力と一致していた。対照的に、スルピリドによるD2の遮断は、活動電位の幅を広げ、Na
+チャネルの不活性化等の機構を介して短いスパイク間間隔のスパイクを防止することと一致した。
【0100】
活性依存性脱分極のさらなる特徴付けを行った。最初に、いずれか特定の識別する電気生理学的特性、遺伝子発現パターン、または形態によって定義されるV層錐体ニューロンの特定の亜集団にそれが存在するかどうかを判定することにした。顕著な凹形曲線と、過分極電流パルスに応じてリバウンド後脱分極とを示したほぼ全てのV層錐体細胞(
図3A上パネルの「*」)が、20μMキンピロールの適用後に活性依存性脱分極を示した(16/17個の細胞)一方で、これらの特性を示さない層錐体ニューロンの0/9個は、キンピロールの適用後に活性依存性脱分極を示したことが分かった。錐体ニューロンのこれらの2つの亜集団は、それらの入力抵抗または膜時定数において違わなかったが、活性依存性脱分極を示した細胞は、静止状態で若干さらに脱分極された。興味深いことに、キンピロールが活性依存性脱分極を誘発したThy1:ChR2トランスジェニックマウス由来のニューロンの全てがChR2を強力に発現し(14/14個の細胞)、逆に、ChR2を強力に発現したほとんどのニューロンが活性依存性脱分極を示した(14/18個の細胞)。したがって、活性依存性脱分極を示したV層錐体ニューロンの亜集団は、Thy1::ChR2トランスジェニックマウスにおいて社会的行動の異常および他の行動学的異常をもたらしたChR2によって活性化された集団と実質的に同様であった(
図1)。重要なのは、電流注入単独で活性依存性脱分極を誘発することができ(
図3A中央パネル、紫色の波形の「1」)、以下に記載するように、顕在化するために光遺伝学的刺激や
図2に示されるような種類のネットワーク活動を必要としなかったということである。以前に記載された内側PFCのV層における形態学的サブネットワークに関連する可能性のある、活性依存性脱分極の存在と関連する形態学的特長もまた同定した(12):活性依存性脱分極を示した細胞は、V層内に突出する多くの突起とともに、表層2/3に到達するまで2つに分岐しない1本の太い尖端樹状突起を常に有し(
図3B左パネル、n=5)、対称的に、活性依存性脱分極を示さなかった細胞は、より不均一な形態を有し、4層または5層において分岐する尖端樹状突起を含むことが多かった(右パネル)。
【0101】
この効果の細胞事象に関する理解を深めるために、単一細胞レベルで同一された関連する電気生理学的パターンについて調べた。活性依存性脱分極は、さらなるスパイクを阻止した著しい脱分極(
図3Aの「2」)、長期双安定性(
図3Aの「3」)、電流注入によって誘発されるスパイクの増加(
図3Cの「4」)、および直接刺激の期間よりも長く持続し、さらなるスパイクを誘発することができた後脱分極(
図3Cの「5」)を含む、広い範囲の顕著な細胞行動を誘発したと考えられた。最もよく観察された後脱分極を
図3Dに示すように定量化し、キンピロールによって誘発されたより広い範囲の効果を、脱分極電流の注入後の後脱分極(ADP)、脱分極によるスパイクの阻止(脱分極遮断)、双安定性、または脱分極電流注入の期間よりも長く持続した持続的な発火を示した、顕著な凹形曲線およびリバウンド後脱分極を示したV層錐体ニューロンの割合として
図3Eに要約した。注目すべきは、双安定性が、典型的にはβ/γバンドの律動的活動と関連していたことである(
図3F、双安定性を示した4/6個の細胞は、それらの20〜40Hzのパワースペクトルでピークを有した)。
【0102】
次に、活性依存性脱分極がD2受容体によって媒介されることを確認することにした。実際に、抗精神病薬ハロペリドール(0.2〜10μM、
図3A下パネル、緑色の波形、9/9個の細胞)、またはより特定なD2拮抗薬スルピリド(5μM、
図3C下パネル、緑色の波形、2/2個の細胞)のいずれかを使用してそれを阻止できることが分かった。活性依存性脱分極はまた、低用量のキンピロールを使用して誘発することができた:過分極電流パルスの間に顕著な凹形曲線およびその後にリバウンド後脱分極を示した8/10個の細胞において、5μM(−)キンピロールまたは10μMキンピロールにより活性依存性脱分極および関連する現象(例えば、長期の後脱分極および/または双安定性)が誘発された。また、キンピロールが神経興奮性に及ぼす正味の効果(例えば、スパイクの増加対脱分極遮断および関連する現象)が、キンピロール適用の用量および期間、ならびに入力強度に依存することも分かった。具体的には、キンピロール適用初期の間に、またはより長期のキンピロール適用後に長期脱分極もしくは双安定性へと移行する弱い脱分極入力に応じて、またはより強い脱分極入力に応じて、スパイクの増加がしばしば観察された。まれに、活性依存性脱分極は、対照条件(キンピロールを適用する前)において存在し、この現象が、ある状況において、切片におけるD2受容体の異常に高いレベルの活性化によって誘発され得ることを示唆しており、そのような場合(n=3)、中程度の用量のハロペリドール(0.2〜2μM)によって、双安定性をより軽度の後脱分極に変換することができるか、または完全に活性依存性脱分極を阻止することができる。
【0103】
次に、全細胞電圧クランプにおいて、活性依存性脱分極を媒介する、考えられるイオンチャネル電流を同定することにした。活動電位を刺激するための一連の1ミリ秒ステップから0mVの後、キンピロール(20μM)は、−30Mvで徐々に活性化する脱分極電流を誘発し、−60mVで急速に不活性化するテール電流を増加させた:これらの効果はどちらもスルピリド(5μM)によって遮断された。これらの観察は、電圧依存性Ca
2+電流が活性依存性脱分極に寄与することを示唆しており、実際、電圧依存性Ca
2+チャネル拮抗薬の適用により、5/5個の細胞において活性依存性脱分極が阻止された(5mM Ni
2+または100μMニフェジピン、n=2、10μMニフェジピン、n=3、
図3G下パネル、灰色の波形)。活動電位の間に起こるL型チャネルを介したCa
2+流入は、スパイク再分極において重要な役割を果たすCa
2+依存性K
+電流を活性化するため、活性依存性脱分極におけるこのL型Ca
2+チャネルの役割は、D2受容体の活性化がスパイクに及ぼす影響のU字曲線について説明できるかもしれない(
図2C〜F)(13)。強力なD2の活性化は、L型チャネルを介したCa
2+流入を増加させ(13)、スパイクAHPを増大させ、短いスパイク間間隔で選択的にスパイクを抑制することが予想され、逆に、D2の遮断は、Ca
2+依存性K
+電流の動員を抑制し、スパイク再分極障害、より幅広いスパイク、より大きなNa
+チャネルの不活性化、より高いスパイク閾値、そして最終的には、短いスパイク間間隔のスパイクの減少をもたらすことが予想される。
実施例3:フェンシクリジン(PCP)もまた、L型Ca2+チャネルを介して、治療によって逆転可能な活性依存性脱分極を誘発する
【0104】
キンピロールが前頭前野出力を媒介するニューロンに及ぼす影響を調べ、それらの情報伝達能力を妨害する機構を同定し、次に、キンピロールの影響を別の精神異常発現薬であるフェンシクリジン(PCP)の影響と比較した。PCPは、ヒトにおいて統合失調症とよく似た症状を引き起こし(14)、動物において統合失調症をモデル化するために長い間使用されてきた。
材料および方法
【0105】
Thy1::ChR2トランスジェニックマウスから単離された脳切片に直接電流刺激を与え、5μM PCPの非存在下または存在下における脱分極電流パルスに対する細胞応答の電気生理学的記録により、V層錐体ニューロンをモニタリングした。続いて、5μMスルピリドまたは10Mニフェジピンのいずれかを用いて脳切片を処理し、電気生理学的記録により処理に対する細胞応答をモニタリングした。統合失調症の認知障害および陰性症状の特徴を定量化するために、4〜15mg/kgのニフェジピン単独で、または5mg/kgのPCPと組み合わせて処理したマウスにおいて社会的探索行動を測定した。
【0106】
5μM PCPの適用後に、脱分極電流の注入後の後脱分極(ADP)、脱分極によるスパイクの阻止(脱分極遮断)、双安定性、または脱分極電流注入の期間よりも長く持続した持続的な発火を示した、顕著な凹形曲線およびリバウンド後脱分極を示したV層錐体ニューロンの割合(
図4B)。上:ニフェジピンによって社会的探索行動が用量依存様式で妨げられた(n=各群に8頭のマウス)。下:PCPによって社会的探索行動が妨げられたが、PCPで処理したマウスにおけるこの欠陥は、ニフェジピンによって用量依存様式で改善された(n=各群に8頭のマウス)(
図4C)。野生型マウスおよびCACNA1C機能獲得型遺伝子として設計されたTS2neoノックインマウスにおける、過分極電流パルスおよび脱分極電流パルスに対するV層錐体ニューロンの応答(
図4D)(20)。*=p<0.05、**=p<0.01。4/4個の変異細胞および0/5個の野生型細胞において効果が認められ、大きな凹形曲線と、過分極電流の注入に応じたリバウンド脱分極とを示した(フィッシャーの直接確率検定によるp<0.01)。
結果
【0107】
PCPの精神異常発現効果は、NMDA受容体の遮断に長い間寄与してきた:驚くべきことに、前頭前野のNMDA受容体を遮断する用量と同様の用量(5μM)(15)で、PCPは、キンピロールによって誘発されるものと実質的に同一である、直接刺激の期間よりも長く持続する活性依存性脱分極および後脱分極を引き起こした(
図4A、6/12個のV層錐体ニューロンにおいて観察された)。これらの効果は、D2拮抗薬スルピリド(5μM、n=2個の細胞)によっては遮断されなかったが、L型Ca
2+チャネル拮抗薬ニフェジピン(10μM、n=2個の細胞)によって遮断されたことから、PCPは、D2受容体を活性化しないが、キンピロールのように、L型Ca
2+チャネルを介して活性依存性脱分極を引き起こすことが示唆された。特筆すべきは、PCPが、活性依存性脱分極を介して、直接刺激の期間よりも長く持続する後脱分極、スパイクを阻止する著しい脱分極、双安定性、および直接刺激の期間よりも長く持続する持続的な発火を含む、キンピロールがもたらしたものと同様の範囲の影響をもたらしたということである(
図4B)。活性依存性脱分極は、この場合も、顕著な凹形曲線と、過分極電流の注入に応じたリバウンド後脱分極とを示したV層錐体ニューロンの亜集団に限定された(活性依存性脱分極は、これらのニューロンのうちの6/9個、およびこれらの特性を示さない0/3個のV層錐体ニューロンに観察された)。興味深いことに、いくつかの場合において、PCPは、ニフェジピンによって遮断された幅広い活動電位を誘発し、樹状Ca
2+スパイクを描く可能性があることが分かった(
図4A)。最後に、Thy1::ChR2の皮質切片における一連の光パルスに対する応答の間、PCPが(キンピロールと同様に)短いスパイク間間隔でスパイクを抑制したことから、PCPがL型Ca
2+電流に及ぼす影響により、(キンピロールの影響と同様に)活動電位の間にCa
2+依存性K
+電流の動員を亢進させることが示唆された。
【0108】
構造的におよび機能的に異なる精神異常発現薬であるキンピロールおよびPCPが、実際に、共通の原因として重要なCa
2+チャネル依存性の異常な神経状態に集中する場合、PCP(以前はこの種の経路と関連付けられてはいなかった)が、L型Ca
2+チャネルを動員することによって、その精神異常発現作用の一部に影響を及ぼすことができるという予測が出てくる。この新規の仮説を検証するために、PCP(5mg/kg)およびL型カルシウムチャネル拮抗薬ニフェジピン(4、15mg/kg)がマウスの社会的行動に及ぼす影響を測定した。仮説を立てた効果のU字曲線と一致して、ニフェジピン単独で、社会性を用量依存様式で低下させた(
図4C上、p<0.05、n=各群に8頭のマウス)一方で、それとは著しく対照的に、ニフェジピンは、PCPによって誘発された社会的障害を同様の用量依存性を伴って改善した(
図4C下、p<0.05、n=8各群に8頭のマウス)ことが分かった。さらに、ニフェジピン(15mg/kg、図示せず)はまた、PCP単独で誘発された緊張病様行動(例えば、旋回および硬直)の発生率を低下させた(16)。これらのデータは、提案された仮説と一致する:ニフェジピン単独で、スパイクの再分極および反復性のスパイクを低下させるレベルまでCa
2+チャネルの活性化を減少させるが(前頭前野によって媒介される行動が損なわれる)、PCPと組み合わせると、適切な用量のニフェジピンは、過剰なレベルのカルシウムチャネルの活性化を減少させ(長期のスパイクまたは双安定性を防止する)、それによって、正常な前頭前野出力を回復させ、前頭前皮質によって媒介される行動をレスキューする。
考察
【0109】
本明細書において、D2受容体の活性化によって媒介される新規の活性依存性脱分極を同定し、特徴付けてきた:この現象は、活性化されるとマウスにおいて精神異常発現性様行動を生じさせる、定義されたPFC内のV層錐体ニューロンのサブセットに存在する。また、この活性依存性脱分極が、双安定性、スパイク異常、およびこれらのニューロンを通る情報の流れを妨害する他の細胞行動を生じさせ、したがって、統合失調症および関連する形態の精神疾患において前頭前野機能不全の原因となり得る機構としての表面的妥当性を有すると判定した。驚くべきことに、根本的に異なるクラスの精神異常発現薬(フェンシクリジン)もまた、D2受容体の活性化とは無関係の、同様の活性依存性脱分極を誘発することが分かった。最後に、この共通の活性依存性脱分極は、L型Ca
2+チャネルに依存しており、L型Ca
2+チャネルを遮断することによって、行動するマウスにおけるPCPの精神異常発現効果が改善されると判定した。
【0110】
これらのV層ニューロンでは、統合失調症において損なわれる認知ドメインに影響を及ぼす態勢が整っている。キンピロールの効果によって示されるように、これらのニューロンはD2受容体を発現し、前頭前野D2受容体は作業記憶およびセット切り替え課題に関与しており(9、17)、さらに、PFCにおいて、D2受容体は、主として、PFCから他の脳領域に出力を送信するV層錐体ニューロン上に位置する(4)。したがって、
図1A〜Dに示される効果によって、これらのV層ニューロン内のL型Ca
2+チャネルは、線条体等の脳の領域に向かってPFCから流出する情報を大幅に変更することができる(18)。我々は、この仮説を立てた前頭前野出力のゲート開閉におけるD2受容体の役割は、D1受容体による遅延期間活動の安定化(19〜23)、およびD1受容体を優先的に活性化する(26)位相性ドーパミン放出(25)による前頭前野入力のゲート開閉(24)を補完することができることに注目する。また、本明細書において報告される活性依存性脱分極によって媒介される様々な効果が、一見すると逆説的な臨床上の観察を説明する補助となり得ると推測することも興味深い。統合失調症または他の形態の精神疾患に罹患する急性精神病性の患者は、非常に脱線思考的であることが多く、会話および思考の両方が、(仮に関連していても)ごくわずかに関連性のある話題の間で急速に移り変わる。しかしながら、同じ患者が、ほぼ同時に、著しく固執的であり、彼らの思考または会話をある1つの考えまたは言葉から切り換えることができない可能性もある。活性依存性脱分極は、前頭前野ネットワークにおける固執行動および脱線行動の両方を支持することができる単一細胞現象を意味する。D2の活性化が、これらのニューロンにおけるスパイクを増大する活性依存性脱分極を介して、運動応答または随伴発射の引き金となる出力信号を媒介する前頭前野ニューロンのサブセットに影響を及ぼす場合(7、9、18、27)、結果として生じる異常なまたは長期のスパイク(
図2A、B、
図3C、E)が、皮質ネットワークによって媒介されるプロセスにおける脱線行動に対応する乱雑なまたは不適切な出力信号を生じさせる可能性がある。極めて高レベルのD2の活性化は、一方で、双安定性(
図3A)または脱分極によるスパイクの阻止(
図3A、E)を引き起こす可能性があり、出力信号を防止し、固執性または緊張病性のネットワーク行動に対応する。高用量の抗精神病薬を用いたD2受容体の遮断は、この重要な出力ニューロンの集団における前頭前野の情報伝達を抑制し(
図2C、D、F、
図3A、C)、臨床的に観察されるように、精神運動制止遅滞およびパーキンソニズムに寄与する可能性があるため、治療の副作用もまた、この細胞表現型によって説明されるかもしれない。D2受容体の過剰な活性化および遮断の両方が同様の表現型(スパイクの減少)をもたらすという事実は、他の精神医学的現象、例えば、DI受容体の活性化の効果のU字曲線(19)、およびMeCP2の過剰発現および過小発現によって引き起こされる同様の神経学的憎悪(28)等を連想させる。
【0111】
L型Ca
2+チャネルは、全ゲノム関連解析によって統合失調症と関連付けられているが(29)、現在まで、それらの役割に関する明確な仮説が存在しなかった。事実、わずかな例外を除いて(30)、特定のニューロンにおけるイオンチャネルを精神疾患の症状と関連付けることは非常に困難であった。遺伝子の研究もまた、L型Ca
2+チャネルを統合失調症において見られるものと同様の脱線思考および認知障害を含む(32)双極性障害と関係付けており(31)、我々は、長期L型電流(35)によってL型Ca
2+チャネルの活性の増加をもたらすように設計されたマウス系(33、34)が、V層ニューロンにおいて同様の細胞機能不全を誘発したことを最近発見した(
図4D)。我々はまた、L型Ca
2+チャネルの拮抗作用により社会的行動が損なわれた一方で、同じ用量が、この行動においてPCPによって誘発された障害をレスキューしたことも発見した(
図4C)。適度な用量のニフェジピンおよび他のL型カルシウムチャネル拮抗薬は、統合失調症の治療のために有望である場合もあるが(36〜38)、決定的な研究が欠落している。本明細書において報告された知見は、前頭前野ニューロンの特定の亜集団における特定のイオンチャネルによってもたらされる現象を、統合失調症および他の精神疾患に関連する総体症状と関連付ける、関連性のある細胞エンドフェノタイプを提供することにより、そのような研究の慎重な設計および用量選択に情報を提供することができる。
【0112】
上述の発明は、明確な理解のための説明および例としてある程度詳細に記載してきたが、説明および例は、本発明の範囲を限定すると見なされるべきではない。
【0113】
本明細書に開示される全ての参考文献、刊行物、および特許出願は、参照により、それらの全体が本明細書に組み込まれる。
参考文献
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配列
ChR2のアミノ酸配列:
MDYGGALSAVGRELLFVTNPVVVNGSVLVPEDQCYCAGWIESRGTNGAQTASNVLQWLAAGFSILLLMFYAYQTWKSTCGWEEIYVCAIEMVKVILEFFFEFKNPSMLYLATGHRVQWLRYAEWLLTCPVILIHLSNLTGLSNDYSRRTMGLLVSDIGTIVWGATSAMATGYVKVIFFCLGLCYGANTFFHAAKAYIEGYHTVPKGRCRQVVTGMAWLFFVSWGMFPILFILGPEGFGVLSVYGSTVGHTIIDLMSKNCWGLLGHYLRVLIHEHILIHGDIRKTTKLNIGGTEIEVETLVEDEAEAGAVP (配列番号1)
SFOのアミノ酸配列:
MDYGGALSAVGRELLFVTNPVVVNGSVLVPEDQCYCAGWIESRGTNGAQTASNVLQWLAAGFSILLLMFYAYQTWKSTCGWEEIYVCAIEMVKVILEFFFEFKNPSMLYLATGHRVQWLRYAEWLLTSPVILIHLSNLTGLSNDYSRRTMGLLVSDIGTIVWGATSAMATGYVKVIFFCLGLCYGANTFFHAAKAYIEGYHTVPKGRCRQVVTGMAWLFFVSWGMFPILFILGPEGFGVLSVYGSTVGHTIIDLMSKNCWGLLGHYLRVLIHEHILIHGDIRKTTKLNIGGTEIEVETLVEDEAEAGAVP (配列番号2)
SSFOのアミノ酸配列:
MDYGGALSAVGRELLFVTNPVVVNGSVLVPEDQCYCAGWIESRGTNGAQTASNVLQWLAAGFSILLLMFYAYQTWKSTCGWEEIYVCAIEMVKVILEFFFEFKNPSMLYLATGHRVQWLRYAEWLLTSPVILIHLSNLTGLSNDYSRRTMGLLVSAIGTIVWGATSAMATGYVKVIFFCLGLCYGANTFFHAAKAYIEGYHTVPKGRCRQVVTGMAWLFFVSWGMFPILFILGPEGFGVLSVYGSTVGHTIIDLMSKNCWGLLGHYLRVLIHEHILIHGDIRKTTKLNIGGTEIEVETLVEDEAEAGAVP (配列番号3)
C1V1のアミノ酸配列:
MSRRPWLLALALAVALAAGSAGASTGSDATVPVATQDGPDYVFHRAHERMLFQTSYTLENNGSVICIPNNGQCFCLAWLKSNGTNAEKLAANILQWITFALSALCLMFYGYQTWKSTCGWEEIYVATIEMIKFIIEYFHEFDEPAVIYSSNGNKTVWLRYAEWLLTCPVLLIHLSNLTGLKDDYSKRTMGLLVSDVGCIVWGATSAMCTGWTKILFFLISLSYGMYTYFHAAKVYIEAFHTVPKGICRELVRVMAWTFFVAWGMFPVLFLLGTEGFGHISPYGSAIGHSILDLIAKNMWGVLGNYLRVKIHEHILLYGDIRKKQKITIAGQEMEVETLVAEEED (配列番号4)
C1V1(E122T)のアミノ酸配列:
MSRRPWLLALALAVALAAGSAGASTGSDATVPVATQDGPDYVFHRAHERMLFQTSYTLENNGSVICIPNNGQCFCLAWLKSNGTNAEKLAANILQWITFALSALCLMFYGYQTWKSTCGWETIYVATIEMIKFIIEYFHEFDEPAVIYSSNGNKTVWLRYAEWLLTCPVLLIHLSNLTGLKDDYSKRTMGLLVSDVGCIVWGATSAMCTGWTKILFFLISLSYGMYTYFHAAKVYIEAFHTVPKGICRELVRVMAWTFFVAWGMFPVLFLLGTEGFGHISPYGSAIGHSILDLIAKNMWGVLGNYLRVKIHEHILLYGDIRKKQKITIAGQEMEVETLVAEEED (配列番号5)
C1V1(E162T)のアミノ酸配列:
MSRRPWLLALALAVALAAGSAGASTGSDATVPVATQDGPDYVFHRAHERMLFQTSYTLENNGSVICIPNNGQCFCLAWLKSNGTNAEKLAANILQWITFALSALCLMFYGYQTWKSTCGWEEIYVATIEMIKFIIEYFHEFDEPAVIYSSNGNKTVWLRYATWLLTCPVLLIHLSNLTGLKDDYSKRTMGLLVSDVGCIVWGATSAMCTGWTKILFFLISLSYGMYTYFHAAKVYIEAFHTVPKGICRELVRVMAWTFFVAWGMFPVLFLLGTEGFGHISPYGSAIGHSILDLIAKNMWGVLGNYLRVKIHEHILLYGDIRKKQKITIAGQEMEVETLVAEEED (配列番号6)
C1V1 (E122T/E162T)のアミノ酸配列:
MSRRPWLLALALAVALAAGSAGASTGSDATVPVATQDGPDYVFHRAHERMLFQTSYTLENNGSVICIPNNGQCFCLAWLKSNGTNAEKLAANILQWITFALSALCLMFYGYQTWKSTCGWETIYVATIEMIKFIIEYFHEFDEPAVIYSSNGNKTVWLRYATWLLTCPVLLIHLSNLTGLKDDYSKRTMGLLVSDVGCIVWGATSAMCTGWTKILFFLISLSYGMYTYFHAAKVYIEAFHTVPKGICRELVRVMAWTFFVAWGMFPVLFLLGTEGFGHISPYGSAIGHSILDLIAKNMWGVLGNYLRVKIHEHILLYGDIRKKQKITIAGQEMEVETLVAEEED (配列番号7)