(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路、中でもMOSトランジスタを用いた集積回路は、高集積化の一途を辿っている。この高集積化に伴って、その中で用いられているMOSトランジスタはナノ領域まで微細化が進んでいる。MOSトランジスタの微細化が進むと、リーク電流の抑制が困難となるため、必要な電流量を確保することが必要になるために回路の占有面積を小さくすることが困難となることがあった。このような事情の下、基板に対してソース、ゲート、ドレインが垂直方向に配置され、ゲートが柱状半導体層を取り囲む構造のSurrounding Gate Transistor(以下、SGTと略す。)が提案された(例えば、特許文献1〜3を参照)。
【0003】
このように、ゲート電極にポリシリコンではなくメタルを用いることにより、空乏化を抑制することができ、かつ、ゲート電極を低抵抗化することができる。しかしながら、このような場合では、メタルゲートを形成した後の工程において、常にメタルゲートによるメタル汚染を考慮した製造工程にすることが必要となる。
【0004】
また、従来のMOSトランジスタにおいて、その製造時におけるメタルゲートプロセスと高温プロセスとを両立させるため、高温プロセス後にメタルゲートを作成するメタルゲートラストプロセスが実用化されている(例えば、非特許文献1を参照)。
即ち、従来、MOSトランジスタは、ポリシリコンでゲートを作成した後、ポリシリコンの上から層間絶縁膜を堆積し、CMP(化学機械研磨)によりポリシリコンゲートを露出する。そして、そのポリシリコンゲートをエッチングで加工した後、メタルを堆積する製造方法によって製造されている。このため、SGTにおいても、メタルゲートプロセスと高温プロセスとを両立させるために、高温プロセス後にメタルゲートを作成するメタルゲートラストプロセスを用いることが必要となる。SGTでは、柱状シリコン層の上部がゲートよりも高い位置にあるため、メタルゲートラストプロセスを用いるにあたって何らかの工夫が必要となる。
【0005】
また、ゲート配線と基板間の寄生容量を低減するために、従来のMOSトランジスタでは、第1の絶縁膜を用いている。例えば、FINFET(例えば、非特許文献2を参照)では、1つのフィン状半導体層の周囲に第1の絶縁膜を形成し、続いて、その第1の絶縁膜をエッチバックし、フィン状半導体層を露出させることで、ゲート配線と基板間の寄生容量を低減している。このため、SGTにおいてもゲート配線と基板との間に生じる寄生容量を低減するために、第1の絶縁膜を用いることが必要となる。なお、SGTは、フィン状半導体層に加え、さらに柱状半導体層を備えているため、柱状半導体層を形成するために何らかの工夫が必要となる。
【0006】
また、従来のSGTの製造工程において、柱状シリコン層のコンタクト孔をマスクを用いてエッチングにより形成した後、平面状シリコン層とゲート配線のためのコンタクト孔をマスクを用いてエッチングにより形成している(例えば、特許文献4を参照)。即ち、従来は、コンタクトのために2つのマスクが使用されている。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】(a)は本発明に係る半導体装置の平面図であり、(b)は(a)のX−X’線での断面図であり、(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図2】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法を説明するための平面図であり、(b)は(a)のX−X’線での断面図であり、(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図3】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法を説明するための平面図であり、(b)は(a)のX−X’線での断面図であり、(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図4】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法を説明するための平面図であり、(b)は(a)のX−X’線での断面図であり、(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図5】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法を説明するための平面図であり、(b)は(a)のX−X’線での断面図であり、(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図6】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法を説明するための平面図であり、(b)は(a)のX−X’線での断面図であり、(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図7】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法を説明するための平面図であり、(b)は(a)のX−X’線での断面図であり、(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図8】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法を説明するための平面図であり、(b)は(a)のX−X’線での断面図であり、(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図9】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法を説明するための平面図であり、(b)は(a)のX−X’線での断面図であり、(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図10】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法を説明するための平面図であり、(b)は(a)のX−X’線での断面図であり、(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図11】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法を説明するための平面図であり、(b)は(a)のX−X’線での断面図であり、(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図12】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法を説明するための平面図であり、(b)は(a)のX−X’線での断面図であり、(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図13】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法を説明するための平面図であり、(b)は(a)のX−X’線での断面図であり、(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図14】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法を説明するための平面図であり、(b)は(a)のX−X’線での断面図であり、(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図15】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法を説明するための平面図であり、(b)は(a)のX−X’線での断面図であり、(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図16】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法を説明するための平面図であり、(b)は(a)のX−X’線での断面図であり、(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図17】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法を説明するための平面図であり、(b)は(a)のX−X’線での断面図であり、(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図18】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法を説明するための平面図であり、(b)は(a)のX−X’線での断面図であり、(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図19】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法を説明するための平面図であり、(b)は(a)のX−X’線での断面図であり、(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図20】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法を説明するための平面図であり、(b)は(a)のX−X’線での断面図であり、(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図21】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法を説明するための平面図であり、(b)は(a)のX−X’線での断面図であり、(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図22】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法を説明するための平面図であり、(b)は(a)のX−X’線での断面図であり、(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図23】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法を説明するための平面図であり、(b)は(a)のX−X’線での断面図であり、(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図24】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法を説明するための平面図であり、(b)は(a)のX−X’線での断面図であり、(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図25】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法を説明するための平面図であり、(b)は(a)のX−X’線での断面図であり、(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図26】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法を説明するための平面図であり、(b)は(a)のX−X’線での断面図であり、(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図27】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法を説明するための平面図であり、(b)は(a)のX−X’線での断面図であり、(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図28】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法を説明するための平面図であり、(b)は(a)のX−X’線での断面図であり、(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図29】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法を説明するための平面図であり、(b)は(a)のX−X’線での断面図であり、(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図30】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法を説明するための平面図であり、(b)は(a)のX−X’線での断面図であり、(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図31】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法を説明するための平面図であり、(b)は(a)のX−X’線での断面図であり、(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図32】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法を説明するための平面図であり、(b)は(a)のX−X’線での断面図であり、(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図33】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法を説明するための平面図であり、(b)は(a)のX−X’線での断面図であり、(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図34】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法を説明するための平面図であり、(b)は(a)のX−X’線での断面図であり、(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図35】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法を説明するための平面図であり、(b)は(a)のX−X’線での断面図であり、(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図36】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法を説明するための平面図であり、(b)は(a)のX−X’線での断面図であり、(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図37】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法を説明するための平面図であり、(b)は(a)のX−X’線での断面図であり、(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図38】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法を説明するための平面図であり、(b)は(a)のX−X’線での断面図であり、(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【
図39】(a)は本発明に係る半導体装置の製造方法を説明するための平面図であり、(b)は(a)のX−X’線での断面図であり、(c)は(a)のY−Y’線での断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法、及び、その製造方法により得られる半導体装置を、図面を参照しながら説明する。
【0015】
以下、シリコン基板上にフィン状シリコン層を形成し、フィン状シリコン層の周囲に第1の絶縁膜を形成し、フィン状シリコン層の上部に柱状シリコン層を形成する製造方法について説明する。
まず、
図2に示すように、シリコン基板101上にフィン状シリコン層を形成するための第1のレジスト102を形成する。
【0016】
次に、
図3に示すように、シリコン基板101をエッチングすることで、フィン状シリコン層103を形成する。ここでは、レジストをマスクとしてフィン状シリコン層を形成したが、レジストに代えて、酸化膜や窒化膜などのハードマスクを用いることもできる。
【0017】
続いて、
図4に示すように、第1のレジスト102を除去する。
【0018】
続いて、
図5に示すように、フィン状シリコン層103の周囲に、酸化物からなる第1の絶縁膜104を堆積することで形成する。第1の絶縁膜としては、このような堆積法によることに代えて、高密度プラズマによる酸化膜や、低圧化学気相堆積による酸化膜を用いることもできる。
【0019】
続いて、
図6に示すように、第1の絶縁膜104をエッチバックし、フィン状シリコン層103の上部を露出させる。ここまでは、特許文献2のフィン状シリコン層の製法と同様である。
【0020】
続いて、
図7に示すように、フィン状シリコン層103に直交するように第2のレジスト105を形成する。フィン状シリコン層103とレジスト105とが直交する部分が柱状シリコン層となる。このようにライン状のレジストを用いることができるため、パターン形成後にレジストが倒れ込む可能性が低く、安定したプロセスとなる。
【0021】
続いて、
図8に示すように、フィン状シリコン層103をエッチングにより成形する。これにより、フィン状シリコン層103と第2のレジスト105とが直交する部分が柱状シリコン層106となる。このため、柱状シリコン層106の幅は、フィン状シリコン層103の幅と等しくなる。そしてこの結果、フィン状シリコン層103の上部に柱状シリコン層106が形成され、フィン状シリコン層103の周囲に第1の絶縁膜104が形成される構造となる。
【0022】
続いて、
図9に示すように、第2のレジスト105を除去する。
【0023】
以下、柱状シリコン層上部とフィン状シリコン層の上部と柱状シリコン層下部とに不純物を注入し、拡散層を形成する方法について説明する。
【0024】
即ち、まず、
図10に示すように、第2の酸化膜107を堆積し、第1の窒化膜108を形成する。ここでは、柱状シリコン層の側壁に不純物が注入されることが防止できればよいので、第1の窒化膜108は、柱状シリコン層側壁にサイドウォール状に形成されればよい。この後、柱状シリコン層の上部は、ゲート絶縁膜及びポリシリコンゲート電極によって覆われるので、そのように覆われる前に、柱状シリコン層の上部に拡散層を形成することがよい。
【0025】
続いて、
図11に示すように、第1の窒化膜108をエッチングし、サイドウォール状に残存させる。
【0026】
続いて、
図12に示すように、砒素、リン、ボロンなどの不純物を注入し、柱状シリコン層上部に拡散層110、フィン状シリコン層103の上部に拡散層109、111を形成する。
【0027】
続いて、
図13に示すように、第1の窒化膜108と第2の酸化膜107とを除去する。
【0028】
続いて、
図14を参照して、熱処理を行う。フィン状シリコン層103上部の拡散層109、111は互いに接触し、拡散層112が形成される。以上の工程を経ることで、柱状シリコン層106の上部とフィン状シリコン層103の上部と柱状シリコン層106の下部とに不純物が注入され、拡散層110、112が形成される。
【0029】
以下、ポリシリコンでポリシリコンゲート電極、ポリシリコンゲート配線及びポリシリコンゲートパッドを作製する方法について説明する。この方法では、層間絶縁膜を堆積した後、CMP(化学機械研磨)により、ポリシリコンゲート電極、ポリシリコンゲート配線及びポリシリコンゲートパッドを露出するため、CMPにより柱状シリコン層の上部が露出しないようにすることが必要となる。
【0030】
即ち、まず、
図15に示すように、ゲート絶縁膜113を形成し、ポリシリコン114を堆積すると共に、その表面を平坦化する。平坦化後のポリシリコン114の上面は、柱状シリコン層106の上部にある拡散層110上のゲート絶縁膜113よりも高い位置となるようにする。これにより、層間絶縁膜を堆積した後、CMPによりポリシリコンゲート電極114a、ポリシリコンゲート配線114b及びポリシリコンゲートパッド114cを露出させたときに、CMPによって柱状シリコン層の上部が露出しないようになる。
【0031】
続いて、第2の窒化膜115を堆積する。この第2の窒化膜115は、シリサイドをフィン状シリコン層103の上部に形成するとき、ポリシリコンゲート電極114a、ポリシリコンゲート配線114b及びポリシリコンゲートパッド114cの上部にシリサイドが形成されることを防止するためのものである。
【0032】
続いて、
図16に示すように、ポリシリコンゲート電極114a、ポリシリコンゲート配線114b及びポリシリコンゲートパッド114cを形成するための第3のレジスト116を形成する。ポリシリコンゲートパッド114cは、ゲート配線と基板との間に生じる寄生容量を低減させるため、フィン状シリコン層103に対してゲート配線となる部分が直交することが望ましい。また、ポリシリコンゲート電極114aの幅とポリシリコンゲートパッド114cの幅とは、ポリシリコンゲート配線114bの幅よりも広いことが好ましい。
【0033】
続いて、
図17に示すように、第2の窒化膜115をエッチングによって形成する。
【0034】
続いて、
図18に示すように、ポリシリコン114をエッチングすることで、ポリシリコンゲート電極114a、ポリシリコンゲート配線114b及びポリシリコンゲートパッド114cを形成する。
【0035】
続いて、
図19に示すように、ゲート絶縁膜113をエッチングすることでその底部を除去する。
【0036】
続いて、
図20に示すように、第3のレジスト116を除去する。
以上の工程を経ることで、ポリシリコンでポリシリコンゲート電極114a、ポリシリコンゲート配線114b及びポリシリコンゲートパッド114cが形成される。
【0037】
ここで、ポリシリコンゲート電極114a、ポリシリコンゲート配線114b及びポリシリコンゲートパッド114cを形成した後のポリシリコンの上面は、柱状シリコン層106上部の拡散層110上のゲート絶縁膜113よりも高い位置となっている。
【0038】
以下、フィン状シリコン層上部にシリサイドを形成する方法について説明する。この方法は、ポリシリコンゲート電極114a、ポリシリコンゲート配線114b、ポリシリコンゲートパッド114cの上部、及び、柱状シリコン層106の上部の拡散層110において、シリサイドを形成しないことを特徴としている。なお、柱状シリコン層106の上部の拡散層110にシリサイドを形成する場合、製造工程の数が増加してしまうので好ましくない。
【0039】
まず、
図21に示すように、第3の窒化膜117を堆積する。
【0040】
次に、
図22に示すように、第3の窒化膜117をエッチングすることで、サイドウォール状に残存させる。
【0041】
続いて、
図23に示すように、ニッケル、コバルトなどの金属を堆積することで、シリサイド118をフィン状シリコン層103の上部の拡散層112の上部に形成する。このとき、ポリシリコンゲート電極114a、ポリシリコンゲート配線114b及びポリシリコンゲートパッド114cは、第3の窒化膜117、第2の窒化膜115に覆われ、柱状シリコン層106上の拡散層110は、ゲート絶縁膜113、ポリシリコンゲート電極114a及びポリシリコンゲート配線114bによって覆われているので、シリサイドが形成されることがない。
以上の工程を経ることにより、フィン状シリコン層103の上部にシリサイドが形成される。
【0042】
以下、上述した工程により得られた構造物上に、層間絶縁膜を堆積した後、CMPによりポリシリコンゲート電極114a、ポリシリコンゲート配線114b及びポリシリコンゲートパッド114cを露出させ、ポリシリコンゲート電極114a、ポリシリコンゲート配線114b及びポリシリコンゲートパッド114cをエッチングにより除去した後、メタルを堆積するゲートラストの製造方法を示す。
【0043】
即ち、まず、
図24に示すように、シリサイド118を保護するため、第4の窒化膜119を堆積する。
【0044】
次に、
図25に示すように、層間絶縁膜120を堆積すると共に、その表面をCMPにより平坦化する。
【0045】
続いて、
図26に示すように、CMPによって、ポリシリコンゲート電極114a、ポリシリコンゲート配線114b及びポリシリコンゲートパッド114cを露出させる。
【0046】
続いて、
図27に示すように、ポリシリコンゲート電極114a、ポリシリコンゲート配線114b及びポリシリコンゲートパッド114cをエッチングする。ここでは、ウエットエッチングを使用することが望ましい。
【0047】
続いて、
図28に示すように、金属121を堆積すると共に、その表面を平坦化し、ポリシリコンゲート電極114a、ポリシリコンゲート配線114b及びポリシリコンゲートパッド114cが存在していた部分に金属121を埋めこむ。ここでの埋め込みには、原子層堆積を使用することが好ましい。
【0048】
続いて、
図29に示すように、金属121をエッチングすることで、柱状シリコン層106上部の拡散層110上におけるゲート絶縁膜113を露出させる。これにより、金属ゲート電極121a、金属ゲート配線121b及び金属ゲートパッド121cが形成される。
【0049】
以上の工程が、層間絶縁膜を堆積した後、CMPによりポリシリコンゲートを露出させ、ポリシリコンゲートをエッチングした後、金属層を堆積するゲートラストによる半導体装置の製造方法である。
【0050】
以下、コンタクトを形成する方法について説明する。ここでは、柱状シリコン層106上部の拡散層110にシリサイドを形成しないため、コンタクトと柱状シリコン層106上部の拡散層110とが直接接続されることとなる。
【0051】
即ち、まず、
図30に示すように、第5の窒化膜122を、ポリシリコンゲート配線114bの幅の半分より厚く、ポリシリコンゲート電極114aの幅の半分、かつ、ポリシリコンゲートパッド114cの幅の半分よりも薄くなるように堆積する。これにより、柱状シリコン層106上と金属ゲートパッド121c上にコンタクト孔123、124が形成される。後の工程で実施される窒化膜エッチングによって、コンタクト孔123、124の底部における第5の窒化膜122とゲート絶縁膜113とが除去されることとなる。このため、柱状シリコン層上部のコンタクト孔123と、金属ゲートパッド121cの上部のコンタクト孔124のためのマスクが不要となる。
【0052】
次に、
図31に示すように、フィン状シリコン層103上にコンタクト孔126を形成するための第4のレジスト125を形成する。
【0053】
続いて、
図32に示すように、第5の窒化膜122と層間絶縁膜120とをエッチングすることにより、コンタクト孔126を形成する。
【0054】
続いて、
図33に示すように、第4のレジスト125を除去する。
【0055】
続いて、
図34に示すように、第5の窒化膜122と第4の窒化膜119とゲート絶縁膜113とをエッチングすることにより、シリサイド118と拡散層110とを露出させる。
【0056】
続いて、
図35に示すように、金属を堆積し、コンタクト127、128、129を形成する。
【0057】
以上の工程を経ることにより、半導体装置にコンタクト127、128、129を形成することができる。この製造方法によれば、柱状シリコン層106上部の拡散層110にシリサイドを形成しないため、コンタクト128と柱状シリコン層106上部の拡散層110とが直接接続されることとなる。
【0058】
以下、金属配線層を形成する方法について説明する。
即ち、まず、
図36に示すように、金属130を堆積する。
【0059】
次に、
図37に示すように、金属配線を形成するための第5のレジスト131、132、133を形成する。
【0060】
続いて、
図38に示すように、金属130をエッチングし、金属配線134、135、136を形成する。
【0061】
続いて、
図39に示すように、第5のレジスト131、132、133を除去する。
以上の工程を経ることにより、金属配線層である金属配線134、135、136が形成される。
【0062】
図1に、上述した製造方法によって製造される半導体装置を
図1に示す。
図1に示す半導体装置は、基板101上に形成されたフィン状シリコン層103と、フィン状シリコン層103の周囲に形成された第1の絶縁膜104と、フィン状シリコン層103上に形成された柱状シリコン層106と、柱状シリコン層106の幅はフィン状シリコン層103の幅と等しく、フィン状シリコン層103の上部と柱状シリコン層106の下部に形成された拡散層112とを備える。
【0063】
図1に示す半導体装置は、さらに、柱状シリコン層106の上部に形成された拡散層110と、フィン状シリコン層103の上部における拡散層112の上部に形成されたシリサイド118と、柱状シリコン層106の周囲に形成されたゲート絶縁膜113と、ゲート絶縁膜の周囲に形成された金属ゲート電極121aと、金属ゲート電極121aに接続されたフィン状シリコン層103に直交する方向に延在する金属ゲート配線121bと、金属ゲート配線121bに接続された金属ゲートパッド121cとを備える。ここで、金属ゲート電極121aと金属ゲートパッド121cの幅は金属ゲート配線121bの幅よりも広くされている。
【0064】
図1に示す半導体装置は、拡散層110上に形成されたコンタクト128を有するとともに、拡散層110とコンタクト128とが直接接続されている構造を備えている。
【0065】
以上説明したとおり、本発明の実施形態によれば、ゲート配線と基板との間に生じる寄生容量を低減しうる、ゲートラストプロセスであって、コンタクトのためのマスクを一枚のみ使用するSGTの製造方法、及び、それにより得られるSGTの構造が提供される。
【0066】
また、上記実施形態における半導体装置の製造方法によれば、従来のFINFETの製造方法をベースとするため、フィン状シリコン層103、第1の絶縁膜104、柱状シリコン層106を容易に形成することができる。
【0067】
また、従来の方法では、柱状シリコン層上部にシリサイドを形成しており、この方法では、ポリシリコンの堆積温度がシリサイドを形成するための温度より高いことから、シリサイドはポリシリコンゲート形成後に形成することが必要となる。このため、シリコン柱上部にシリサイドを形成する場合、ポリシリコンゲートを形成した後、ポリシリコンゲート電極の上部に穴を開け、その穴の側壁に絶縁膜のサイドウォールを形成した後、さらにシリサイドを形成し、開けた穴に絶縁膜を埋めるという工程を経ることになり、製造工程数の増加を招くという欠点があった。
【0068】
これに対し、上記実施形態によれば、ポリシリコンゲート電極114aとポリシリコンゲート配線114bとを形成する以前に拡散層を形成し、柱状シリコン層106をポリシリコンゲート電極114aで覆い、シリサイドをフィン状シリコン層103の上部にのみ形成する。そして、ポリシリコンでゲートを作成し、さらに層間絶縁膜120を堆積した後、CMP(化学機械研磨)によりポリシリコンゲートを露出させ、ポリシリコンゲートをエッチングする。しかる後、金属を堆積するという、メタルゲートラストの製造方法を用いることができる。このため、この半導体装置の製造方法によれば、メタルゲートを有するSGTを容易に製造することができる。
【0069】
また、ポリシリコンゲート電極114aとポリシリコンゲートパッド114cの幅は、ポリシリコンゲート配線114bの幅よりも広くし、金属ゲートを形成した後に、ポリシリコンゲートをエッチングすることで形成された穴に、ポリシリコンゲート配線114bの幅の半分より厚く、ポリシリコンゲート電極114aの幅の半分、かつ、ポリシリコンゲートパッド114cの幅の半分よりも薄い第5の窒化膜122を堆積している。これにより、柱状シリコン層106上と金属ゲートパッド121c上とにコンタクト孔123、124を形成することができるため、従来のSGTの製造方法において必要とされていた、柱状シリコン層のコンタクト孔をマスクを用いてエッチングする工程が不要となる。即ち、コンタクト形成のためのマスクを1つのみとすることができる。
【0070】
なお、本発明は、その広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施形態は、本発明の一実施例を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0071】
[付記1]
シリコン基板上にフィン状シリコン層を形成し、前記フィン状シリコン層の周囲に第一の絶縁膜を形成し、前記フィン状シリコン層の上部に柱状シリコン層をその幅が前記フィン状シリコン層の幅と等しくなるように形成する第1工程と、
前記第1工程に続いて、前記柱状シリコン層上部、前記フィン状シリコン層上部、及び前記柱状シリコン層下部にそれぞれ不純物を注入し拡散層を形成する第2工程と、
前記第2工程に続いて、ゲート絶縁膜、ポリシリコンゲート電極、ポリシリコンゲート配線、及びポリシリコンゲートパッドを作成するとともに、前記ゲート絶縁膜が前記柱状シリコン層の周囲と上部を覆い、前記ポリシリコンゲート電極が前記ゲート絶縁膜を覆い、前記ポリシリコンゲート電極と、前記ポリシリコンゲート配線と前記ポリシリコンゲートパッドとを形成した後のポリシリコンの上面とを、前記柱状シリコン層上部の前記拡散層上に位置する前記ゲート絶縁膜よりも高い位置とし、前記ポリシリコンゲート電極と前記ポリシリコンゲートパッドの幅とは前記ポリシリコンゲート配線の幅よりも広くする第3工程と、
前記第3工程に続いて、前記フィン状シリコン層上部の前記拡散層上部にシリサイドを形成する第4工程と、
前記第4工程に続いて、層間絶縁膜を堆積し、前記ポリシリコンゲート電極と、前記ポリシリコンゲート配線と、前記ポリシリコンゲートパッドとを露出し、前記ポリシリコンゲート電極と、前記ポリシリコンゲート配線と、前記ポリシリコンゲートパッドとをエッチングし、その後、金属層を堆積し、金属ゲート電極、金属ゲート配線及び金属ゲートパッドを形成するとともに、前記金属ゲート配線は、前記金属ゲート電極に接続され、前記フィン状シリコン層に直交する方向に延在させるように形成する第5工程と、
前記第5工程に続いて、前記柱状シリコン層上部の前記拡散層を直接接続するコンタクトを形成する第6工程と、を有する、
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
[付記2]
前記シリコン基板上にフィン状シリコン層を形成するための第1のレジストを形成し、前記第1のレジストを用いて、前記シリコン基板をエッチングし、前記フィン状シリコン層を形成し、その後に前記第1のレジストを除去し、
前記フィン状シリコン層の周囲に第1の絶縁膜を堆積し、前記第1の絶縁膜をエッチバックし、前記フィン状シリコン層の上部を露出させ、
前記フィン状シリコン層に直交するように第2のレジストを形成し、前記第2のレジストを用いて、前記フィン状シリコン層をエッチングすると共に、前記第2のレジストを除去することにより、前記フィン状シリコン層と前記第2のレジストとが直交する部分が前記柱状シリコン層となるように前記柱状シリコン層を形成する、
ことを特徴とする付記1に記載の半導体装置の製造方法。
[付記3]
前記シリコン基板上に形成されたフィン状シリコン層と、前記フィン状シリコン層の周囲に形成された第1の絶縁膜と、前記フィン状シリコン層の上部に形成された柱状シリコン層とを有する構造の上から、第2の酸化膜を堆積し、前記第2の酸化膜上に第1の窒化膜を形成し、前記第1の窒化膜をエッチングすることにより、サイドウォール状に残存させ、
その後、不純物を注入することで、前記柱状シリコン層上部と前記フィン状シリコン層上部とに拡散層を形成すると共に、前記第1の窒化膜と前記第2の酸化膜とを除去し、しかる後に熱処理を行う、
ことを特徴とする付記1に記載の半導体装置の製造方法。
[付記4]
前記シリコン基板上に形成されたフィン状シリコン層と、前記フィン状シリコン層の周囲に形成された第1の絶縁膜と、前記フィン状シリコン層の上部に形成された柱状シリコン層と、前記フィン状シリコン層の上部と前記柱状シリコン層の下部とに形成された拡散層と、前記柱状シリコン層の上部に形成された拡散層と、を有する構造において、
ゲート絶縁膜を形成し、ポリシリコンを堆積すると共に、当該ポリシリコンを平坦化した後のポリシリコンの上面が前記柱状シリコン層上部にある拡散層上の前記ゲート絶縁膜よりも高い位置となるように平坦化し、
第2の窒化膜を堆積し、前記ポリシリコンゲート電極、前記ポリシリコンゲート配線及び前記ポリシリコンゲートパッドとを形成するための第3のレジストを形成し、前記第3のレジストを用いて前記第2の窒化膜と前記ポリシリコンとをエッチングし、前記ポリシリコンゲート電極、前記ポリシリコンゲート配線及び前記ポリシリコンゲートパッドを形成するとともに、前記ゲート絶縁膜をエッチングし、しかる後に、第3のレジストを除去する、
ことを特徴とする付記1に記載の半導体装置の製造方法。
[付記5]
第3の窒化膜を堆積し、前記第3の窒化膜をエッチングすることで、サイドウォール状に残存させた後、金属層を堆積し、シリサイドを前記フィン状シリコン層の上部にある拡散層の上部に形成する、ことを特徴とする付記4に記載の半導体装置の製造方法。
[付記6]
第4の窒化膜を堆積し、層間絶縁膜を堆積すると共に平坦化し、前記ポリシリコンゲート電極、前記ポリシリコンゲート配線及び前記ポリシリコンゲートパッドを露出させ、前記ポリシリコンゲート電極、前記ポリシリコンゲート配線及び前記ポリシリコンゲートパッドを除去し、前記ポリシリコンゲート電極及び前記ポリシリコンゲート配線と前記ポリシリコンゲートパッドが存在していた部分に金属を埋めこみ、前記金属をエッチングすることにより、前記柱状シリコン層上部における前記拡散層上のゲート絶縁膜を露出させ、前記金属ゲート電極、前記金属ゲート配線及び前記金属ゲートパッドを形成する、
ことを特徴とする付記5に記載の半導体装置の製造方法。
[付記7]
前記ポリシリコンゲート配線の幅の半分よりも厚く、前記ポリシリコンゲート電極の幅の半分、かつ、前記ポリシリコンゲートパッドの幅の半分よりも薄い第5の窒化膜を堆積することにより、前記柱状シリコン層上と前記金属ゲートパッド上とにコンタクト孔を形成する、ことを特徴とする付記6に記載の半導体装置の製造方法。
[付記8]
半導体基板上に形成されたフィン状半導体層と、
前記フィン状半導体層の周囲に形成された第1の絶縁膜と、
前記フィン状半導体層上に形成された柱状半導体層と、
前記柱状半導体層の幅は前記フィン状半導体層の幅と同じであって、前記フィン状半導体層の上部と前記柱状半導体層の下部とに形成された拡散層と、
前記柱状半導体層の上部に形成された拡散層と、
前記フィン状半導体層の上部にある拡散層の上部に形成されたシリサイドと、
前記柱状半導体層の周囲に形成されたゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜の周囲に形成された金属ゲート電極と、
前記金属ゲート電極に接続され、前記フィン状半導体層に直交する方向に延在する金属ゲート配線と、
前記金属ゲート配線に接続された金属ゲートパッドと、を有し、
前記金属ゲート電極の幅と前記金属ゲートパッドの幅とは前記金属ゲート配線の幅よりも広くされており、
前記柱状半導体層上部に形成された前記拡散層上に形成されたコンタクトと、をさらに有し、
前記柱状半導体層上部に形成された前記拡散層と前記コンタクトとは直接接続されている、
ことを特徴とする半導体装置。