(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の画素電極及び前記第2の画素電極は、幹部と、前記幹部から延出した複数の枝電極と、を有し、前記第1の画素電極の枝電極と前記第2の画素電極の枝電極とは交互に配設されており、
第1の領域における前記第1の画素電極の枝電極と前記第2の画素電極の枝電極との間の間隔は、第2の領域における前記第1の画素電極の枝電極と前記第2の画素電極の枝電極との間の間隔よりも広く、且つ、
画素領域の周縁部のうち、前記第1の画素電極及び前記第2の画素電極の前記幹部が配設されていない領域には、前記第1の領域が配設されている請求項1〜11のいずれかに記載の液晶表示装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、正の誘電率異方性を有する液晶を垂直配向させることのできる液晶表示装置を提供することである。
【0005】
本発明の他の目的は、残像を低減することのできる液晶表示装置を提供することである。
【0006】
本発明による液晶表示装置は、上記の目的の他にも、具体的に言及されていない他の目的を達成する上で使用可能である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態による液晶表示装置は、相対向する第1の基板及び第2の基板と、前記第1の基板の上に配設される一対の電界生成電極と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に挟持され、正の誘電率異方性を有する液晶分子を含む液晶層と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に挟持される配向膜と、を備え、前記配向膜は、主鎖と、前記主鎖に連結されている1以上の側鎖と、を有し、前記側鎖は、垂直官能基又は極性基を含んでいてもよい。前記配向膜は、垂直官能基を含む側鎖が連結されている主鎖を1以上有し、極性官能基を含む側鎖が連結されている主鎖を1以上有していてもよい。
【0008】
前記垂直官能基は、下記の一般式(1)で表される化合物に由来するものであり、前記極性基は、下記の一般式(2)で表される化合物に由来するものであってもよい。
【0009】
【0010】
【化2】
【0011】
上記の一般式(1)において、XはO、COO又はNであり、R
1はH又は置換又は非置換のC
1〜C
8のアルキル基であり、上記の一般式(2)において、Yは−COOR又は−NR
3である(ここで、Rは互いに独立してH、メチル基又はエチル基である)。
【0012】
前記主鎖は、ポリイミドを含んでいてもよい。
【0013】
前記垂直官能基は前記配向膜の上部に配設され、前記極性基は前記配向膜の中間部又は下部に配設されていてもよい。
【0014】
前記液晶分子の誘電率及び比抵抗の積と、配向膜の誘電率及び比抵抗の積との差分が最小化されていてもよい。
【0015】
前記液晶分子及び前記配向膜は、下記の数式(1)を満たしていてもよい。
(Log(ε
AL × ρ
AL))−1 < Log(ε
LC × ρ
LC) < (Log(ε
AL × ρ
AL))+1 ・・・数式(1)
【0016】
上記の数式(1)において、ε
LC及びρ
LCは、それぞれ前記液晶分子の誘電率及び比抵抗であり、ε
AL及びρ
ALは、それぞれ前記配向膜の誘電率及び比抵抗である。
【0017】
前記液晶分子の誘電率は7〜25であり、前記液晶分子の比抵抗は1×X10
−12Ωcmよりも大きくてもよい。
【0018】
前記配向膜の誘電率は3.5〜4.5であり、前記配向膜の比抵抗は1×10
−13Ωcm〜5×10
−11Ωcmであってもよい。
【0019】
前記液晶分子は、前記第1の基板又は前記第2の基板に対して垂直方向に配向していてもよい。
【0020】
前記液晶分子は、電場が加わらない状態で80〜90°予め傾斜していてもよい。
【0021】
前記一対の電界生成電極は、第1の画素電極及び第2の画素電極であり、前記第1の画素電極及び前記第2の画素電極は、同じ層に互いに離れて配設されていてもよい。
【0022】
前記第1の画素電極及び前記第2の画素電極には、基準電圧を基準として異なる極性を有する電圧が印加されてもよい。
【0023】
前記第1の画素電極及び前記第2の画素電極は、幹部と、前記幹部から延出した複数の枝電極と、を有し、前記第1の画素電極の枝電極と前記第2の画素電極の枝電極とは交互に配設されていてもよい。
【0024】
第1の領域における前記第1の画素電極の枝電極と前記第2の画素電極の枝電極との間の間隔は相対的に広く、第2の領域における前記第1の画素電極の枝電極と前記第2の画素電極の枝電極との間の間隔は相対的に狭くてもよい。
【0025】
画素領域の周縁部のうち、前記第1の画素電極及び前記第2の画素電極の前記幹部が配設されていない領域には、前記第1の領域が配設されていてもよい。
【0026】
前記第1の領域における前記第1の画素電極の枝電極と前記第2の画素電極の枝電極との間の間隔は一定であり、前記第2の領域における前記第1の画素電極の枝電極と前記第2の画素電極の枝電極との間の間隔は一定であってもよい。
【0027】
本発明の一実施形態による液晶表示装置は、相対向する第1の基板及び第2の基板と、前記第1の基板の上に配設される一対の電界生成電極と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に挟持され、正の誘電率異方性を有する液晶分子を含む液晶層と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に挟持される配向膜と、を備え、前記配向膜の上部の第1の比抵抗は、前記配向膜の下部の第2の比抵抗よりも10倍以上大きくてもよい。
【0028】
前記配向膜は、主鎖と、前記主鎖に連結されている1以上の側鎖と、を有し、前記側鎖は、垂直官能基又は極性基を含んでいてもよい。
【0029】
前記配向膜の上部は、前記垂直官能基30〜35重量%及び前記極性基0〜70重量%を含んでいてもよい。
【0030】
前記配向膜の上部は、前記極性基を含まなくてもよい。
【0031】
前記配向膜の下部は、前記極性基70〜80重量%及び前記垂直官能基20〜30重量%を含んでいてもよい。
【0032】
前記配向膜の下部は、前記垂直官能基の含量が、前記配向膜の上部よりも5〜10重量%少なくてもよい。
【0033】
前記配向膜の上部と前記配向膜の下部との厚さ比は、1:9〜1:1であってもよい。
【発明の効果】
【0034】
本発明の一実施形態によれば、正の誘電率異方性を有する液晶を垂直配向させることができ、しかも、残像を低減することができる。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、図面に基づき、本発明の実施形態について本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳しく説明する。本発明は、様々な異なる形態で実現することができ、ここで説明する実施の形態に何ら限定されない。図中、本発明を明確に説明するため、説明とは無関係な部分は省略し、明細書全般に亘って同一又は類似の構成要素に対しては同じ図面符号を付す。なお、広く知られている公知技術の場合、その具体的な説明は省略する。
【0037】
図中、各種の層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示す。層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上」にあるとしたとき、これは他の部分の「直上」にある場合だけではなく、その中間に更に他の部分がある場合も含む。逆に、ある部分が他の部分の「直上」にあるとしたときには、中間に他の部分がないことを意味する。逆に、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「下」にあるとしたとき、これは他の部分の「直下」にある場合だけではなく、その中間に更に他の部分がある場合も含む。一方、ある部分が他の部分の「直下」にあるとしたときには、中間に他の部分がないことを意味する。
【0038】
この明細書において、特に断りのない限り、「置換」とは、ハロゲン、C
1〜C
12のハロアルキル基、C
1〜C
12のアルキル基、C
1〜C
12のアルコキシ基、C
6〜C
12のアリール基、又はC
6〜C
12のアリールオキシ基での置換を意味する。
【0039】
まず、
図1から
図4に基づき、本発明の実施形態による液晶表示装置について説明する。
図1は、本発明の一実施形態による液晶表示装置のブロック図であり、
図2は、本発明の一実施形態による液晶表示装置において、1画素に対する等価回路図であり、
図3は、本発明の一実施形態による液晶表示装置の概略断面図であり、
図4は、本発明の一実施形態による液晶表示装置の配向膜を概略的に示す断面図である。
【0040】
図1を参照すれば、本発明の一実施形態による液晶表示装置は、液晶表示板組立体(liquid crystal panel assembly)300と、ゲート駆動部(gate driver)400と、データ駆動部(data driver)500と、階調電圧生成部(gray voltage generator)800及び信号制御部(signal controller)600を備える。
【0041】
液晶表示板組立体300は、複数の信号線(signal line;図示せず)と、ここに接続されており、略マトリックス状に配列された複数の画素(pixel)PXと、を備える。
【0042】
図2を参照すれば、液晶表示板組立体300は、相対向する第1の表示板100及び第2の表示板200と、これらの間に挟持されている液晶層3と、を備える。
【0043】
信号線は、ゲート信号(「走査信号」とも呼ばれる)を転送する複数のゲート線と、データ電圧を転送する複数のデータ線と、を備える。ゲート線は、略行方向に伸びていてもよく、互いに略平行に並んでいてもよい。データ線は、略列方向に伸びていてもよく、互いに略平行に並んでいてもよい。
【0044】
画素PXは、液晶キャパシターClcを備えるが、液晶キャパシターClcは、第1の表示板100の第1の画素電極PEa及び第2の画素電極PEbを二つの端子として有し、第1及び第2の画素電極PEa、PEbの間に挟持されている液晶層3は誘電体として機能する。画素電極PEは、第1の画素電極PEa及び第2の画素電極PEbを備える。
【0045】
液晶層3は、正の誘電率異方性を有していてもよく、液晶層3の液晶分子は、電場が加わらない状態で、その長軸が第1の表示板100及び第2の表示板200の表面に対して垂直をなすように配向していてもよい。
【0046】
画素電極PE及び共通電極CEは異なる層に配設されていてもよく、同じ層に配設されていてもよい。液晶キャパシターClcを補助する役割を果たす第1及び第2の保持キャパシターCsta、Cstbは、第1の表示板100に設けられた別途の電極(図示せず)が第1及び第2の画素電極PEa、PEbのそれぞれと重なり合うように形成されてもよく、別途の電極と、第1及び第2の画素電極PEa、PEbとの間には誘電体が配設される。
【0047】
一方、色表示を実現するためには、各画素PXに基本色(primary color)のうちの一つを固有に表示させるか(空間分割)、あるいは、各画素PXに経時的に交互に基本色を表示させて(時間分割)、これらの基本色の空間的及び時間的な和によって所望のカラーが認識されるようにする。基本色の例としては、赤色、緑色、青色など三原色が挙げられる。
図2は、空間分割の一例であり、各画素PXが第1及び第2の画素電極PEa、PEbに対応する第2の表示板200の領域に基本色のうち一つを示すカラーフィルターCFを備えることを示している。
図2とは異なり、カラーフィルターCFは、第1の表示板100の第1及び第2の画素電極PEa、PEbの上又は下に配設されていてもよい。
【0048】
液晶表示板組立体300には、少なくとも一つの偏光子(図示せず)が配設されていてもよい。
【0049】
図3を参照すれば、第1の画素電極PEaに第1の電圧が印加され、第2の画素電極PEbには第2の電圧が印加される。第1の電圧及び第2の電圧は互いに極性が異なっていてもよい。このとき、第1の電圧及び第2の電圧は、画素PXが表示しようとする輝度に対応する電圧であり、第1の電圧及び第2の電圧は、基準電圧(reference voltage)に対して極性が互いに反対である。例えば、第1の電圧は、基準電圧よりも所定量大きくてもよく、第2の電圧は、基準電圧よりも所定量小さくてもよい。
【0050】
第1の画素電極PEa及び第2の画素電極PEbに印加される第1の電圧及び第2の電圧間の差分は、液晶キャパシターClcの充電電圧、すなわち、画素電圧として現れ得る。液晶キャパシターClcの両端に電位差が発生すれば、第1の表示板100及び第2の表示板200の表面に平行な電場が第1の画素電極PEaと第2の画素電極PEbとの間に挟持されている液晶層3に生成される場合がある。液晶分子31が正の誘電率異方性を有する場合、液晶分子31は、その長軸が電場の方向に平行になるように傾き、その傾斜度は、画素電圧の大きさによる。このような液晶層3は、EOC(electrically-induced optical compensation)モードにある液晶層と呼ばれる。なお、液晶分子31の傾斜度に応じて、液晶層3を通過する光の偏光の変化の度合いが異なる。このような偏光の変化は、偏光子によって光の透過率の変化として現れ得、これにより、画素PXは所定の輝度を表示することができる。加えて、第2の表示板200に更なる電極(図示せず)が形成されていてもよく、この更なる電極は、液晶層に印加される電場の大きさと液晶分子の方向を適切に制御することができる。
【0051】
1画素PXに基準電圧に対する極性が異なる二つの電圧を印加することによって、駆動電圧を高めることができ、液晶分子の応答速度を高速化させることができる他、液晶表示装置の透過率を高めることができる。また、1画素PXに印加される二つの電圧の極性が互いに反対であるため、データ駆動部500における反転形態が列反転又は行反転である場合にも、点反転駆動と同様に、フリッカー(チラツキ)による画質劣化を低減することができる。
【0052】
図3を参照すれば、第1の表示板100及び第2の表示板200は、1以上の配向膜11、21を備えていてもよい。第1の表示板100及び第2の表示板200に電場が加わらない場合、正の誘電率異方性を有する液晶分子31は、配向膜11、21によって第1の表示板100及び第2の表示板200に対して略垂直方向に予め傾斜して(pre-tilted)配設されてもよい。例えば、配向膜による液晶分子のプレチルト角は、約80〜95°であってもよい。
【0053】
図4を参照すれば、配向膜11は、垂直配向膜(vertical alignment layer)であってもよい。配向膜11は複数の化合物を含み、一つの化合物は、主鎖(main chain)111と、主鎖に連結されている側鎖112と、を有していてもよい。側鎖112は、垂直官能基(vertical functional group)112a及び極性基(polar group)112bのうちの少なくとも一方を含んでいてもよい。なお、垂直官能基とは、主鎖に対して概ね垂直に結合している官能基であり、極性基とは、極性を有する官能基を言う。加えて、側鎖112は、柔らかな官能基(flexible functional group)など様々な機能を有する官能基(functional group)を選択的に含んでいてもよい。1以上の垂直官能基112a又は1以上の極性基112bが主鎖111に連結されていてもよい。1以上の垂直官能基112a及び1以上の極性基112bが主鎖111に連結されているとき、垂直官能基112a及び極性基112bは主鎖111に不規則的な順序で連結されていてもよい。
図4は、配向膜11の一例を示すものであり、この他にも、配向膜11の上部には極性基112bが含まれていなくてもよく、極性基112b及び垂直官能基112aの含量は、後述するように様々に変形可能である。
【0054】
垂直官能基112aは、主鎖111に対して、配向膜11の上部、つまり、液晶層3に対向する側に、主として配設され、極性基112bは、主鎖111に対して、配向膜11の下部、つまり、液晶層3に対向する側とは反対側に主として配設されていてもよい。垂直官能基112aは、正の誘電率異方性を有する液晶分子31を垂直に配向させることができ、これにより、配向不良なしに電場の未印加状態でのブラック表現性が改善され得る。極性基112bは、複数の主鎖111間における電荷移動(charge transfer)を可能ならしめることによって、配向膜11は低抵抗構造を有することができる。このような構造を有する配向膜11によって、液晶表示装置が高誘電率の液晶分子31を高電圧において駆動する場合にも、残像を低減することが可能となる。例えば、面残像が消える階調値を約40グレイ以上低減することができ、面残像の強度を約10倍以上低減することができる。
【0055】
これに対し、従来のツイステッドネマチック(TN:twisted nematic)モードの液晶表示装置、従来のインプレーンスイッチング(IPS:in-plane switching)モードの液晶表示装置、従来のフリンジフィールドスイッチング(FFS:fringe field switching)モードの液晶表示装置における配向膜は、垂直官能基を含んでおらず、正の誘電率異方性を有する液晶分子を水平に配向させるため、本発明の一実施形態による液晶表示装置に使用することは困難である。なお、従来の垂直配向(VA:vertically aligned)モードの液晶表示装置における配向膜は、負の誘電率異方性を有する液晶分子を垂直に配向させるため、本発明の一実施形態による液晶表示装置に使用することは困難である。
【0056】
配向膜11内の上部、つまり液晶層3に対向する側の比抵抗は、配向膜11の下部、つまり液晶層3に対向する側とは反対側の比抵抗よりも約10倍以上大きくてもよく、この場合、配向膜11の下部においては電荷が移動可能であり、配向膜11に低抵抗構造を持たせることができる。ここで、配向膜11の上部と配向膜11の下部との厚さ比は、約1:9〜1:1であってもよい。
【0057】
配向膜11の上部は垂直官能基112aを約30〜35重量%含んでいてもよく、この場合、液晶分子31の垂直配向性が改善され得る。また、配向膜11の上部は、極性基112bを約0〜70重量%含んでいてもよい。さらに、配向膜11の上部に極性基112bが含まれていなくてもよく、この場合、配向膜11の工程性、信頼性などが改善され得る。
【0058】
配向膜11の下部は、極性基112bを約70〜80重量%含んでいてもよく、この場合、配向膜11の低抵抗構造が改善され得る。また、配向膜11の下部は、垂直官能基112aを約20〜30重量%含んでいてもよい。さらに、配向膜11の下部に含まれている垂直官能基112aは、配向膜11の上部に含まれている垂直官能基112aよりもその量が5〜10重量%少なくてもよく、この場合、配向膜11の工程性、信頼性などが改善され得る。
【0059】
配向膜11、21はポリイミドを含み、ポリイミドは、二無水物(dianhydride)系化合物とジアミン(diamine)系化合物によって合成されてもよい。
【0060】
具体的に、配向膜11、21を成膜するための組成物は、1種類以上の二無水物系化合物、1種類以上のジアミン系化合物、及び1種類以上の有機溶媒を含んでいてもよい。なお、組成物は、選択的に架橋剤などの添加剤を含んでいてもよい。
【0061】
二無水物系化合物及びジアミン系化合物は、約1:1のモル比(molar ratio)で合成されてもよい。配向膜用組成物は、液晶表示装置の製造に際して、表示板100、200に塗布されてもよい。このとき、塗布方法としては、インキジェット印刷法、蒸着法、スリットコート、スピンコートなど通常の方法が採用可能である。
【0062】
二無水物系化合物としては、通常の二無水物系化合物が1種以上使用可能である。例えば、二無水物系化合物は、ピロメリト酸二無水物 (PMDA)、3,3’, 4,4’−オキシジフタル酸二無水物(ODPA)、3,3’, 4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、4,4’−ジフタル酸(ヘキサフルオロイソプロピリデン)無水物(6FDA)、ベンゾキノンテトラカルボン酸二無水物及びエチレンテトラカルボン酸二無水物などであってもよい。
【0063】
ジアミン系化合物は、垂直官能基112aを含む垂直ジアミン系化合物(vertical diamine based compound)と、極性官能基112bを含む極性ジアミン系化合物(polar diamine based compound)と、を含んでいてもよい。すなわち、垂直ジアミン系化合物は、ジアミン基及びジアミン基に連結されている垂直官能基を含み、極性ジアミン系化合物は、ジアミン基及びジアミン基に連結されている極性基を含む。
【0064】
例えば、垂直ジアミン系化合物は、下記の一般式(1)で表される化合物と、下記の一般式(2)で表される化合物のうちの少なくとも一方を含んでいてもよい。
【0067】
上記の一般式(1)において、XはO、COO又はNであり、R
1はH又は置換又は非置換のC
1〜C
8のアルキル基であり、上記の一般式(2)において、Yは−COOR又は−NR
3である(ここで、Rは互いに独立してH、メチル基又はエチル基である)。
【0068】
上記の一般式(1)で表される化合物は、垂直官能基112aを含む垂直ジアミン系化合物であり、上記の一般式(2)で表される化合物は、極性基112bを含む極性ジアミン系化合物である。主鎖111は、ポリイミドであってもよい。
【0069】
ジアミン系化合物は、側鎖を含まない一般ジアミン系化合物(normal diamine based compound)を1種類以上含んでいてもよい。すなわち、一般ジアミン系化合物は、側鎖なしジアミン基を含む。例えば、側鎖なしジアミン基としては、下記の一般式(3)から一般式(11)で表される化合物が挙げられるが、本発明は、特にこれらに限定されない。
【0079】
配向膜11の上部において、垂直ジアミン系化合物は、固形分を基準として約30〜35重量%使用可能である。垂直ジアミン系化合物が約30〜35重量%の範囲で使用されるとき、液晶分子31の垂直配向性が改善され得る。また、配向膜11の上部において、極性ジアミン系化合物及び一般ジアミン系化合物は、固形分を基準として、両化合物を合計で約65〜70重量%使用可能であり、極性ジアミン系化合物及び一般ジアミン系化合物のそれぞれは、固形分を基準として約0〜70重量%使用可能である。例えば、配向膜11の上部において、固形分を基準として垂直ジアミン系化合物約30重量%、極性ジアミン系化合物約0重量%、一般ジアミン系化合物約70重量%が使用可能である。
【0080】
配向膜11の下部において、極性ジアミン系化合物は、固形分を基準として約70〜80重量%使用可能である。極性ジアミン系化合物が約70〜80重量%の範囲で使用されるとき、配向膜11の抵抗が減少され得る。また、配向膜11の下部において、垂直ジアミン系化合物は、固形分を基準として約20〜30重量%使用可能である。さらに、配向膜11の下部における垂直ジアミン系化合物は、配向膜11の上部における垂直ジアミン系化合物よりも、固形分を基準として約5〜10重量%少なく使用可能である。なお、配向膜11の下部において、一般ジアミン系化合物は、約0〜10重量%使用可能である。
【0081】
有機溶媒としては、特に制限はないが、通常の有機溶媒が1種以上使用可能である。添加剤としても、特に制限はないが、通常の添加剤が1種以上使用可能である。
【0082】
液晶分子31と配向膜11との特性差が最小化されるとき、液晶分子の配向安定性が増大され、且つ、残像が低減される。
【0083】
例えば、液晶分子31の誘電率及び比抵抗の積と、配向膜31の誘電率及び比抵抗の積との差分が最小化され得る。
【0084】
具体的に、液晶分子31の誘電率ε
LCと比抵抗ρ
LCとの関係、及び配向膜11、21の誘電率ε
ALと比抵抗ρ
ALとの関係は、下記の数式(1)で表される。
(Log(ε
AL × ρ
AL))−1 < Log(ε
LC × ρ
LC) < (Log(ε
AL × ρ
AL))+1 ・・・数式(1)
【0085】
また、液晶分子31の誘電率ε
LCは約7〜25であってもよく、液晶分子31の比抵抗ρ
LCは約1×10
−12Ωcmよりも大きくてもよい。配向膜11、21の誘電率ε
ALは約3.5〜4.5であってもよく、配向膜11、21の比抵抗ρ
ALは約1×10
−13Ωcmよりも大きくてもよい。なお、配向膜11、21の比抵抗ρ
ALは約5×10
−11Ωcmよりも小さくてもよい。
【0086】
以下、
図5及び
図6に基づき、本発明の一実施形態による液晶表示装置を説明する。
【0087】
図5は、本発明の一実施形態による液晶表示装置のレイアウト図であり、
図6は、
図5の液晶表示装置をVI−VI線に沿って切り取った断面図である。
【0088】
図5及び
図6を参照すれば、液晶表示装置は、相対向する下表示板100及び上表示板200と、これらの両表示板100、200の間に挟持されている液晶層3と、を備える。
【0089】
まず、下表示板100について説明する。
【0090】
絶縁基板110の上に、複数のゲート線(gate line)121と、複数の保持電極線(storage electrode line)131と、第1乃至第3の連結導電体135a、135b、135cを有する複数のゲート導電体と、が形成されている。
【0091】
ゲート線121は、ゲート信号を転送し、主として横方向に伸びており、各ゲート線121は、上部に突き出た複数対の第1のゲート電極(gate electrode)124a及び第2のゲート電極124bを備える。
【0092】
保持電極線131には所定の電圧が印加され、主として横方向に伸びている。各保持電極線131は隣り合う両ゲート線121の間に挟持されるが、下側のゲート線121寄りに配設されている。各保持電極線131は、上方に突き出た複数対の第1の保持電極133a及び第2の保持電極133bを備える。連結導電体135a、135b、135cは、画素領域の周縁部及び中央部に配設されている。
【0093】
ゲート導電体は、単一膜構造であってもよく、多重膜構造であってもよい。
【0094】
ゲート導電体の上には、窒化ケイ素(SiNx)又は酸化ケイ素(SiOx)などの物質を含むゲート絶縁膜(gate insulating layer)140が成膜されている。
【0095】
ゲート絶縁膜140の上には、水素化非晶質又は多結晶ケイ素などの物質を含む複数対の第1の半導体154a及び第2の半導体154bが形成されている。第1の半導体154a及び第2の半導体154bは、それぞれ第1のゲート電極124a及び第2のゲート電極124bの上に配設される。
【0096】
それぞれの第1の半導体154aの上には一対の抵抗性接触部材(オーミックコンタクト)163a、165aが形成されており、それぞれの第2の半導体154bの上にも一対の抵抗性接触部材(図示せず)が形成されている。抵抗性接触部材163a、165aは、リンなどのn型不純物が高濃度でドープされているn
+水素化非晶質ケイ素などの物質から製作されてもよく、シリサイド(silicide)から製作されてもよい。
【0097】
抵抗性接触部材163a、165a及びゲート絶縁膜140の上には、データ線171及び第1の電圧転送線172、そして、複数対の第1のドレイン電極(drain electrode)175a及び第2のドレイン電極175bを有するデータ導電体が形成されている。
【0098】
データ線171は、データ信号を転送し、主として縦方向に伸びてゲート線121及び保持電極線131と交差する。データ線171は、第1のゲート電極124aに向かって「U」字状に折れ曲がる第1のソース電極(source electrode)173aを有する。
【0099】
第1の電圧転送線172は、所定の大きさの第1の電圧を転送し、データ線171と平行に伸びてゲート線121及び保持電極線131と交差する。第1の電圧転送線172は、第2のゲート電極124bに向かって「U」字状に折れ曲がる第2のソース電極173bを有する。第1の電圧転送線172が転送する第1の電圧は所定の大きさを有していてもよく、データ線171が転送するデータ信号とは極性が反対であってもよい。
【0100】
第1のドレイン電極175a及び第2のドレイン電極175bは、それぞれ棒状の一方の端部と、面積の広い他方の端部と、を有する。第1のドレイン電極175a及び第2のドレイン電極175bの棒状の一方の端部は、第1のゲート電極124a及び第2のゲート電極124bを中心として第1のソース電極173a及び第2のソース電極173bと対向して折れ曲がった第1のソース電極173a及び第2のソース電極173bに一部が囲繞されている。面積の広い他方の端部は、後述する第1の接触孔185a及び第2の接触孔185bを介して第1の画素電極191a及び第2の画素電極191bと電気的に接続されている。
【0101】
第1のゲート電極124a、第1のソース電極173a及び第1のドレイン電極175aは、第1の半導体154aとともに第1の薄膜トランジスター(thin film transistor;TFT)を形成し、第1の薄膜トランジスターのチャンネル(channel)は、第1のソース電極173aと第1のドレイン電極175aとの間の第1の半導体154aに形成される。
【0102】
第2のゲート電極124b、第2のソース電極173b及び第2のドレイン電極175bは、第2の半導体154bとともに第2の薄膜トランジスターを形成し、第2の薄膜トランジスターのチャンネルは、第2のソース電極173bと第2のドレイン電極175bとの間の第2の半導体154bに形成される。
【0103】
データ導電体171、172、175a、175bは、単一膜構造であってもよく、多重膜構造であってもよい。
【0104】
抵抗性接触部材163a、165aは、その下の半導体154a、154bと、その上のデータ導電体171、172、175a、175bとの間にしか存在せず、これらの間の接触抵抗を低めることができる。半導体154a、154bには、ソース電極173a、173bとドレイン電極175a、175bとの間をはじめとして、データ導電体171、172、175a、175bに遮られずに露出された部分がある。
【0105】
データ導電体171、172、175a、175b及び露出された半導体154a、154bの部分の上には、無機絶縁物又は有機絶縁物などの物質からなる保護膜(パッシベーション膜)180が成膜されている。
【0106】
保護膜180には、第1のドレイン電極175a及び第2のドレイン電極175bの面積の広い他方の端部を露出させる複数の接触孔(contact hole)185a、185bが穿設されており、保護膜180及びゲート絶縁膜140には、第1乃至第3の連結導電体135a、135b、135cの一部を露出させる複数の接触孔186a、186b、187a、187bが穿設されている。
【0107】
保護膜180の上には、酸化インジウムスズ(ITO:indium tin oxide)又は酸化インジウム亜鉛(IZO:indium zinc oxide)などの透明な導電物質やアルミニウム、銀、クロム又はこれらの合金などの反射性金属を含む複数対の第1及び第2の画素電極(pixelel ectrode)191a、191bを有する複数の画素電極191が形成されている。
【0108】
図5に示すように、1の画素電極191は全体的に略四角形状を呈し、第1の画素電極191a及び第2の画素電極191bは組み合わせられている。第1の画素電極191a及び第2の画素電極191bは全体的に仮想の横中央線を境界として上下対称をなし、上下の二つの副領域が画成される。
【0109】
第1の画素電極191aは、下幹部191a1及び上幹部191a3、そして、下幹部191a1及び上幹部191a3からそれぞれ延出した複数の第1の枝部191a2及び複数の第2の枝部191a4を備え、第2の画素電極191bは、下幹部191b1及び上幹部191b3、そして、下幹部191b1及び上幹部191b3からそれぞれ延出した複数の第3の枝部191b2及び複数の第4の枝部191b4を備える。
【0110】
第1の画素電極191aの下幹部191a1及び上幹部191a3は、1画素電極の右側及び左側に配設され、第2の画素電極191bの下幹部191b1及び上幹部191b3は、1画素電極の右側及び左側に配設される。
【0111】
これにより、1画素電極の左側及び右側に配設されるデータ線及び第1の電圧転送線と画素電極が重なり合うことによって生成される寄生容量の大きさを画素電極の左側及び右側において対称をなすように形成することができて、第1の画素電極191a及び第2の画素電極191bと左右の両信号線との寄生容量の大きさを互いに等しくすることができ、左右の寄生容量のばらつきによって発生するクロストーク不良を防止することができる。
【0112】
第1の画素電極191a及び第2の画素電極191bの複数の枝部191a2、191a4、191b2、191b4と横中央線とがなす角は、約45°であってもよい。
【0113】
第1の画素電極191a及び第2の画素電極191bの枝部は所定の間隔をあけて係合されて交互に配設されてくし状の模様を形成する。第1の画素電極191a及び第2の画素電極191bの枝部191a2、191a4、191b2、191b4間の間隔は、約30μm以内であってもよい。
【0114】
第1の画素電極191a及び第2の画素電極191bの枝部は係合されて交互に配設されてくし状の模様を形成する。隣り合う枝部間の間隔が広い低階調領域Lと、隣り合う枝部間の間隔が狭い高階調領域Hと、が存在し、高階調領域Hは画素領域の中央部に配設されており、低階調領域Lに囲繞されている。このように1画素における第1の画素電極191aと第2の画素電極191bとの間の間隔を多様化させることによって、液晶層3の液晶分子31の傾斜角の多様化を図ることができ、一つの映像情報に対して異なる輝度を示すことができる。第1の画素電極191a及び第2の画素電極191bの枝部間の間隔を適宜に調節すれば、側面から眺める映像を正面から眺める映像に最大限に近づけることができ、側面視認性を向上させることができる他、透過率を高めることができる。
【0115】
本実施形態による液晶表示装置において、低階調領域Lと高階調領域Hとの比は、約4:1〜30:1であってもよい。また、低階調領域Lにおける第1の画素電極191a及び第2の画素電極191bの枝部間の間隔は、約10〜20μmであってもよく、高階調領域Hにおける第1の画素電極191a及び第2の画素電極191bの枝部間の間隔は、約3〜7μmであってもよい。
【0116】
本実施形態による液晶表示装置の画素外縁部のうち、第1の画素電極191a及び第2の画素電極191bの幹部191a1、191a3、191b1、191b3に囲繞されていない個所Aには低階調領域Lが配設されることによって、第1の画素電極191a及び第2の画素電極191b間の水平電界が相対的に弱い領域が配設される。このため、第1の画素電極191a及び第2の画素電極191b間の水平電界方向が非対称的であることに起因して発生し得るテクスチャーなどの画質不良を低減することができる。
【0117】
しかしながら、本発明の実施形態による液晶表示装置の1画素の第1の画素電極191a及び第2の画素電極191bの形状はこれに限定されるものではなく、第1の画素電極191a及び第2の画素電極191bの少なくとも一部が同じ層に形成されて互いに交互に配設される限り、如何なる形状であってもよい。
【0118】
第1の画素電極191aは、接触孔185aを介して第1のドレイン電極175aと物理的・電気的に連結されており、第1の画素電極191aには第1のドレイン電極175aからデータ電圧が印加される。また、第2の画素電極191bは、接触孔185bを介して第2のドレイン電極175bと物理的・電気的に連結されており、第2の画素電極191bには第2のドレイン電極175bから第1の電圧転送線172を介して第1の電圧が印加される。第1の副画素電極191a及び第2の副画素電極191bは、これらの間の液晶層3の部分と一緒に液晶キャパシターClcを形成して、第1の薄膜トランジスター及び第2の薄膜トランジスターがターンオフされた後にも印加された電圧を保持する。
【0119】
第1の副画素電極191a及び第2の副画素電極191bと連結された第1のドレイン電極175a及び第2のドレイン電極175bの広い端部は、ゲート絶縁膜140を挟んで保持電極133a、133bと重なり合って第1の保持キャパシターCsta及び第2の保持キャパシターCstbを形成し、第1の保持キャパシターCsta及び第2の保持キャパシターCstbは、液晶キャパシターClcの電圧保持能を強化させる。
【0120】
第1の画素電極191aの第1の幹部191a1は、接触孔186aを介して第1の連結線135aと連結され、第1の画素電極191aの第2の幹部191a3は、接触孔186bを介して第1の連結線135aと連結されて、第1のドレイン電極175aからデータ電圧が印加される。
【0121】
第2の画素電極191bの第1の幹部191b1は、接触孔187aを介して第2の連結部135bに連結され、第2の画素電極191bの第2の幹部191b3は、接触孔187bを介して第3の連結部135cに連結されて、第2のドレイン電極175bから第1の電圧が印加される。
【0122】
表示板100の内表面には下配向膜(alignment layer;図示せず)が塗布されており、下配向膜は垂直配向膜であってもよい。図示はしないが、下配向膜11の上には高分子層が形成されていてもよく、高分子層は、液晶分子31の初期の配向方向に沿って形成されている重合体枝を備えていてもよい。高分子層は紫外線などの光による重合反応(polymerization)によって硬化される単量体(monomer)などのプレポリマー(prepolymer)を光に露出させて重合して形成され、重合体枝に応じて液晶分子の配向力を調節することができる。
【0123】
次に、上表示板200について説明する。
【0124】
透明ガラス製又はプラスチック製の絶縁基板210の上に遮光部材(light blocking member)220が形成されている。遮光部材220は、画素電極191間の光漏れを防ぐとともに、画素電極191と対向する開口領域を限定する。
【0125】
また、基板210及び遮光部材220の上には、複数のカラーフィルター230が形成されている。カラーフィルター230は、ほとんど遮光部材220に囲繞された領域内に存在し、画素電極191列に沿って長く伸びていてもよい。各カラーフィルター230は、赤色、緑色及び青色の三原色など基本色のうちの一つを表示することができる。これらに加えて、基本色は、透明色をさらに含んでいてもよい。
【0126】
カラーフィルター230及び遮光部材220の上には、オーバーコート(overcoat)250が成膜されている。オーバーコート250は、(有機)絶縁物から形成されてもよく、カラーフィルター230が露出されることを防ぐと共に、平坦面を提供する。オーバーコート250は、成膜しなくてもよい。
【0127】
表示板200の内表面には、上配向膜(図示せず)が塗布されており、上配向膜は垂直配向膜であってもよい。図示はしないが、上配向膜の上にも高分子層が形成されていてもよい。高分子層は、紫外線などの光による重合反応によって硬化される単量体などのプレポリマーが光に露出されて形成され、液晶分子の配向力を調節することができる。高分子層は、液晶分子の初期の配向方向に沿って形成されている重合体枝を有していてもよい。
【0128】
表示板100、200の表面には、偏光子(polarizer;図示せず)が設けられていてもよい。
【0129】
下表示板100と上表示板200との間に挟持されている液晶層3は、正の誘電率異方性を有する液晶分子31を備え、液晶分子31は、電場が加わらない状態で、その長軸が両表示板100、200の表面に対して垂直をなすように配向していてもよい。
【0130】
第1の画素電極191a及び第2の画素電極191bに極性の異なるデータ電圧を印加すれば、表示板100、200の表面にほとんど水平の電場(electric field)が生成される。すると、初期に表示板100、200の表面に対して垂直に配向していた液晶層3の液晶分子が電場に応答してその長軸が電場の方向に水平となる方向に傾き、液晶分子の傾斜度に応じて、液晶層3への入射光の偏光の変化の度合いが異なる。このような偏光の変化は、偏光子によって透過率の変化として現れ、これにより液晶表示装置は映像を表示する。
【0131】
さらに、表示板100、200に対して垂直配向した液晶分子31を使用する場合、液晶表示装置のコントラスト比(contrast ratio)を高めることができ、広い視野角を実現することができる。また、正の誘電率異方性を有する液晶分子31は、負の誘電率異方性を有する液晶分子に比べて、誘電率異方性が大きくて回転粘度が低いため、早い応答速度を得ることができる。
【0132】
さらに、本実施形態による液晶表示装置において、第1の画素電極191a及び第2の画素電極191bの枝部は係合されて交互に配設されてくし状の模様を形成する。隣り合う枝部間の間隔が広い低階調領域Lと、隣り合う枝部間の間隔が狭い高階調領域Hと、が存在し、高階調領域Hは画素領域の中央部に配設されており、低階調領域Lに囲繞されている。このように1画素における第1の画素電極191aと第2の画素電極191bとの間の間隔を多様化させることによって、液晶層3の液晶分子31の傾斜度の多様化を図ることができ、一つの映像情報に対して異なる輝度を示すことができる。第1の画素電極191a及び第2の画素電極191bの枝部間の間隔を適宜に調節すれば、側面から眺める映像を正面から眺める映像に最大限に近づけることができ、側面視認性を向上させることができる他、透過率を高めることができる。
【0133】
また、本実施形態による液晶表示装置は、第1の画素電極191a及び第2の画素電極191bの枝部間の間隔が異なる低階調領域Lと、高階調領域Hと、を含むことによって、側面から眺める映像を正面から眺める映像に最大限に近づけて、側面視認性を向上させることができ、しかも、透過率を高めることができる。
【0134】
さらに、本実施形態による液晶表示装置の画素外縁部のうち、第1の画素電極191a及び第2の画素電極191bの幹部191a1、191a3、191b1、191b3に囲繞されていない個所Aには低階調領域Lが配設されることによって、第1の画素電極191a及び第2の画素電極191b間の水平電界が相対的に弱い領域が配設される。このため、第1の画素電極191a及び第2の画素電極191b間の水平電界方向が非対称的であることに起因して発生し得るテクスチャーなどの画質不良を低減することができる。
【0135】
以上、本発明の好適な一実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲において定義している本発明の基本概念を用いた当業者による種々の変形及び改良形態もまた本発明の権利範囲に属するものである。