(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態に係る予約システムについて説明する。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態に係る予約システムの概略構成を示した図である。予約システムは、車両に搭載されているナビゲーション装置100と、通信センタに設置されるサーバ200と、充電施設に設置される充電器300と、から構成される。ここで、ナビゲーション装置100は、内蔵する無線通信装置26によりサーバ200との間で無線通信を行う。また、ナビゲーション装置100は、車両に内蔵されるマイコンとの間で所定情報をやり取りする。
【0011】
また、サーバ200は、インターネット網などのデジタル通信回線網を通じて充電器300の通信装置306に接続され、相互にデータの受け渡しを行う。
【0012】
また、充電器300は、給電装置308の電源ケーブルαに接続されている電気車両に給電を行う。また、充電器300は、充電予約スケジュールに従って給電先を切り替える。すなわち、給電装置308に複数の電気車両が接続されている場合、充電器300は、予約されている特定の電気車両に対して給電を行う。電気車両は、充電器300からの給電によりバッテリの充電を行う。なお、電源ケーブルαには通信線が内蔵されており、電源ケーブルαの充電用コネクタが車両のケーブル接続端子に接続されると、車両と充電器300との間で通信が確立される。これにより、充電器300は、車両が充電施設に到着したことを検知することができる。
【0013】
図2は、本実施形態に係るナビゲーション装置100の概略構成を示した図である。ナビゲーション装置100は、演算処理装置1と、ディスプレイ10と、記憶装置11と、音声入出力装置13と、入力装置16と、ROM装置20と、車速センサ21と、ジャイロセンサ22と、GPS受信装置23と、FM多重放送受信装置24と、ビーコン受信装置25と、無線通信装置26と、を備えている。また、これらの各装置やセンサは、バスによって相互に接続され、データの受け渡しが可能な構成となっている。
【0014】
なお、ナビゲーション装置100とは、地図情報12、交通情報の表示、推奨経路の探索、経路誘導など、いわゆるナビゲーション機能を実現することができる装置のことである。また、本実施形態に係るナビゲーション装置100は、電気車両(例えば、電気自動車)に搭載されて用いられる。
【0015】
演算処理装置1は、ナビゲーション装置100の様々な処理を行う中心的なユニットである。演算処理装置1は、例えば、車速センサ21、ジャイロセンサ22といった各種センサや、GPS受信装置23などから出力される情報を用いて、ユーザの現在地を特定する。
【0016】
また、演算処理装置1は、記憶装置11に格納されている地図情報12を用いて、出発地および目的地を結ぶ推奨経路を探索する。
【0017】
また、演算処理装置1は、特定された現在地や予め設定されている表示縮尺率などに応じて、ディスプレイ10の表示領域に表示する地図情報12の表示範囲を特定する。
【0018】
また、演算処理装置1は、表示領域内に含まれる地図情報12、交通情報、経路情報などをグラフィックス変換し、ディスプレイ10に出力する。
【0019】
また、演算処理装置1は、経路誘導を行うための音声情報を生成し、これをスピーカ15に出力する。
【0020】
また、演算処理装置1は、充電施設への到着予定時刻および満充電までの充電量を算出する。また、演算処理装置1は、到着予定時刻、充電量、充電予約日、滞在時間など所定の情報を含む予約情報を生成する。
【0021】
なお、演算処理装置1は、数値演算、各装置およびセンサの制御など、様々な処理を実行するCPU2(Central Processing Unit)と、プログラムやデータ、演算結果などを一時的に格納するRAM3(Random Access Memory)と、プログラムやデータなどを格納するROM4(Read Only Memory)と、各種ハードウェアを演算処理装置と接続するためのI/F(インターフェース)5と、を有している。また、CPU2、RAM3、ROM4は、バス6によって相互に接続されている。
【0022】
ディスプレイ10は、演算処理装置1により生成されたグラフィックス情報を表示領域に表示させるユニットである。ディスプレイ10は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどで構成される。
【0023】
記憶装置11は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)や不揮発性メモリカードといった、少なくとも読み書きが可能な記録媒体で構成される。例えば、記憶装置11には、地図情報12などの情報が格納されている。
【0024】
音声入出力装置13は、音声入力装置としてのマイクロフォン14と、音声出力装置としてのスピーカ15と、を備える。マイクロフォン14は、ユーザが発した声など、ナビゲーション装置100の外部音声を取得する。また、スピーカ15は、演算処理装置1で生成されたユーザへのメッセージを音声信号として出力する。
【0025】
入力装置16は、ナビゲーション装置100がユーザから所定の指示を受け付けるための装置である。具体的には、方向キー17、ダイヤルスイッチ18、タッチパネル19、その他のハードスイッチ(図示しない)である縮尺変更キーなどで構成される。
【0026】
ROM装置20は、CD−ROMやDVD−ROMなどのROM(Read Only Memory)や、IC(Integrated Circuit)カードといった、少なくとも読み取りが可能な記録媒体で構成されている。この記録媒体には、例えば、動画情報や、音声情報などが格納されている。
【0027】
車速センサ21、ジャイロセンサ22およびGPS受信装置23は、ナビゲーション装置100が搭載される車両の現在地を検出するために使用される。
【0028】
車速センサ21は、車速の算出に用いられる情報を出力する。具体的には、車速センサ21は、検出した車輪の回転数をパルス信号に変換し、所定の時間内におけるパルス信号数といった所定の情報を出力する。
【0029】
ジャイロセンサ22は、光ファイバジャイロや振動ジャイロなどで構成され、移動体の回転による角速度を検出する。
【0030】
GPS受信装置23は、GPS衛星からの信号を受信して、車両とGPS衛星間の距離と、距離の変化率を3個以上の衛星に対して測定することで、車両の現在地、進行速度および進行方位を測定する。
【0031】
FM多重放送受信装置24は、FM放送局から送られてくるFM多重放送信号を受信する。FM多重放送には、VICS(Vehicle Information Communication System:登録商標)情報の概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、駐車場情報、天気情報などや、FM多重一般情報としてラジオ局が提供する文字情報などがある。
【0032】
ビーコン受信装置25は、VICS情報などの概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、駐車場情報、天気情報や緊急警報などを受信する。例えば、光により通信する光ビーコン、電波により通信する電波ビーコンなどの受信装置である。
【0033】
無線通信装置26は、外部装置との間で無線通信を行うための装置である。具体的には、無線通信装置26は、演算処理装置1で生成された充電の予約情報といった所定の情報を通信センタのサーバ200に送信する。
【0034】
図3は、本実施形態に係るサーバ200の概略構成を示した図である。サーバ200は、演算処理装置201と、通信装置206と、記憶装置207と、を備えている。なお、これらの各デバイスは、バス208によって電気的に接続され、相互にデータの受け渡しが可能な構成となっている。
【0035】
演算処理装置201は、サーバ200の様々な処理を行う中心的なユニットである。具体的には、演算処理装置201は、通信装置206が受信した情報を用いて所定の演算処理を行う。また、演算処理装置201は、通信装置206を介して送信する情報の送信先を指示する。
【0036】
なお、演算処理装置201は、数値演算、他の装置およびセンサの制御など、様々な処理を実行するCPU(Central Processing Unit)202と、プログラムやデータなどを格納するROM(Read Only Memory)203と、プログラムやデータ、演算結果などを一時的に格納するRAM(Random Access Memory)204と、を有している。なお、これらのCPU202、ROM203、RAM204は、バス205によって相互に電気的に接続されている。
【0037】
通信装置206は、外部装置との間でデータを送受信する装置である。具体的には、通信装置206は、ナビゲーション装置100から予約情報を受信し、演算処理装置201の指示に従って、これを充電器300に送信する。また、通信装置206は、充電器300から受信した予約確認情報を受信し、演算処理装置201の指示に従って、これをナビゲーション装置100に送信する。
【0038】
記憶装置207は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)や不揮発性メモリカードといった、少なくとも読み書きが可能な記録媒体で構成される。例えば、記憶装置207には、サーバ200の演算処理に用いられるプログラムやデータが記憶されている。また、記憶装置207には、通信装置206で受信された情報などが格納される。
【0039】
図4は、本実施形態に係る充電器300の概略構成を示した図である。充電器300は、演算処理装置301と、通信装置306と、記憶装置307と、給電装置308と、を備えている。なお、これらの各デバイスは、バス309によって電気的に接続され、相互にデータの受け渡しが可能な構成となっている。
【0040】
演算処理装置301は、充電器300の様々な処理を行う中心的なユニットである。具体的には、演算処理装置301は、ナビゲーション装置100から予約情報を取得し、これを用いて充電予約のスケジュールや予約確認情報を生成する。また、演算処理装置301は、作成したスケジュールに従って予約車両に給電先を切り替える。
【0041】
なお、演算処理装置301は、数値演算、他の装置およびセンサの制御など、様々な処理を実行するCPU(Central Processing Unit)302と、プログラムやデータなどを格納するROM(Read Only Memory)303と、プログラムやデータ、演算結果などを一時的に格納するRAM(Random Access Memory)304と、を有している。なお、これらのCPU302、ROM303、RAM304は、バス305によって相互に電気的に接続されている。
【0042】
通信装置306は、外部装置との間でデータを送受信する装置である。具体的には、通信装置306は、サーバ200を介してナビゲーション装置100から予約情報を受信する。また、通信装置306は、充電器300で生成した予約確認情報を、サーバ200を介してナビゲーション装置100に送信する。
【0043】
記憶装置307は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)や不揮発性メモリカードといった、少なくとも読み書きが可能な記録媒体で構成される。例えば、記憶装置307には、充電器300の演算処理に用いられるプログラムやデータおよび演算処理装置301で生成された充電予約のスケジュールなどが格納されている。
【0044】
給電装置308は、電気車両の充電を行う装置である。具体的には、給電装置308は、通信線を内蔵している複数(n本)の電源ケーブルを有し、予約された電気車両が接続されている電源ケーブルに電力を供給する。なお、給電装置308は、演算処理装置301からの指示に応じて給電先を切り替える。
【0045】
次に、本実施形態に係るナビゲーション装置100および充電器300の機能ブロックについて説明する。
図5は、ナビゲーション装置100の機能ブロックである。また、
図6は、充電器300の機能ブロックである。なお、各機能ブロックは、これら各装置に実装されるCPU2、302が読み込んだ所定のプログラムを実行することにより構築される。そのため、ROM4、303または記憶装置11、307には、各機能部の処理を実行するためのプログラムが記憶されている。
【0046】
また、機能ブロックは、本実施形態に係るナビゲーション装置100、充電器300で実現される各機能を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものである。また、各機能の分類の仕方やその名称によって、本発明が制限されることはない。ナビゲーション装置100および充電器300の各構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
【0047】
また、各装置の機能部は、ハードウェア(ASICなど)により構築されてもよい。また、各機能部の処理が1つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
【0048】
図5に示すように、ナビゲーション装置100は、全体制御部401と、経路探索部402と、予約情報生成部403と、を有している。
【0049】
全体制御部401は、ナビゲーション装置100の様々な処理を行う中心的な機能部である。具体的には、全体制御部401は、他の機能部、ナビゲーション装置100が内蔵する他の装置、センサ、並びに、外部装置から様々な情報や指示を受け付ける。また、全体制御部401は、取得した情報や受け付けた指示を、これらの情報や指示の種類または内容に応じて、所定のセンサ、装置、機能部に出力する。
【0050】
また、全体制御部401は、地図情報12などの所定情報をグラフィックス変換し、これをディスプレイ10に出力する。また、全体制御部401は、地図情報12や経路情報などを用いて、ユーザを経由地および目的地まで誘導する。
【0051】
また、全体制御部401は、所定の入力画面や予約の確認情報をディスプレイ10に表示させ、充電の予約に関する情報の入力をユーザから受け付ける。また、全体制御部401は、到着予定時刻および充電量を含む更新情報を予約情報生成部403から取得すると、サーバ200を介して、充電器300に送信する。
【0052】
経路探索部402は、出発地、経由地、目的地の間を結ぶ経路を探索する機能部である。具体的には、経路探索部402は、GPS受信装置23、車速センサ21、ジャイロセンサ22から出力される所定の情報および地図情報12を用いて、マップマッチング処理を行うことにより、車両の現在地を示す座標情報を特定する。また、経路探索部402は、ユーザから経由地および目的地の住所や名称を受け付け、対応する座標情報を地図情報から特定する。また、経路探索部402は、特定した座標情報を用いて、ダイクストラ法により、出発地から目的地までを結ぶ経路情報を生成する。また、経路探索部402は、生成した経路情報を全体制御部401に出力する。
【0053】
予約情報生成部403は、充電の予約を行うための予約情報を生成する機能部である。具体的には、予約情報生成部403は、予約日、施設の滞在時間、充電施設への到着予定時刻など、充電の予約に必要となる所定情報を含む予約情報を生成する。なお、予約情報生成部403は、所定時間(例えば、5分)ごとに充電施設への到着予定時刻および満充電までの充電量を再計算する。また、前回の計算結果と異なる場合、予約情報生成部403は、最新の計算結果を含む更新情報を生成し、これを全体制御部401に出力する。
【0054】
図6は、充電器300の機能ブロックを示した図である。充電器300は、充電制御部501と、予約部502と、を有している。
【0055】
充電制御部501は、充電器300の様々な処理を行う中心的な機能部である。具体的には、充電制御部501は、他の機能部、充電器300が内蔵する他の装置、並びに、外部装置から様々な情報や指示を受け付ける。また、充電制御部501は、取得した情報や受け付けた指示を、これらの情報や指示の種類または内容に応じて、所定の装置や機能部に出力する。
【0056】
また、充電制御部501は、給電先を切り替える指示を生成し、給電装置308に出力する。具体的には、充電制御部501は、充電予約のスケジュールに従って予約車両が接続されている電源ケーブルαに電力を供給する指示を生成し、これを給電装置308に出力する。
【0057】
予約部502は、電気車両の充電予約を行う機能部である。具体的には、予約部502は、ナビゲーション装置100から取得する情報を用いて、充電の予約およびスケジュールを作成する。また、予約部502は、予約内容を確認するための予約確認情報を生成する。また、予約部502は、充電時間や充電量などを通知する充電スケジュールを生成する。なお、予約部502は、車両が到着した場合やナビゲーション装置100から更新情報を取得した場合など、所定のタイミングで再度スケジューリングを行い、充電スケジュールを生成し直す。
【0058】
以上、本実施形態に係るナビゲーション装置100および充電器300の機能ブロックについて説明した。
【0059】
[動作の説明]次に、予約システムで実行される予約処理および充電処理の流れを説明する。
図7は、予約処理の流れを示したシーケンス図である。予約処理では、ナビゲーション装置100は予約情報を生成し、これをサーバ200に送信する。サーバ200は、予約情報を充電器300に中継する。充電器300は、取得した予約情報を用いてスケジューリングおよび予約を実行する。また、充電器300は、予約に関する所定情報を含む予約確認情報を生成し、これをサーバ200経由でナビゲーション装置100に送信する。
【0060】
また、
図8は、充電処理の流れを示したシーケンス図である。充電処理では、ナビゲーション装置100は、到着したことを示す到着通知を充電器300に出力する。また、充電器300は、到着通知を取得すると、作成済みのスケジュールを用いて、再度スケジューリングを行う。また、充電器300は、新たに作成したスケジュールに従って給電先の予約車両を切り替えて充電を行う。また、充電器300は、充電時間や充電量などを通知するための充電スケジュールを生成し、これをナビゲーション装置100に出力する。
【0061】
以上のような流れにより、予約システムは予約処理および充電処理を実行する。
【0062】
まず、予約処理の予約情報生成処理について詳細に説明する。
図9は、ナビゲーション装置100で実行される予約情報生成処理の流れを示すフロー図である。かかる処理は、ナビゲーション装置100が充電予約モードへの移行指示を受け付けると開始される。
【0063】
全体制御部401は、
図19に示す入力画面800を表示させ、予約指示の入力を待機する(ステップS001)。そして、予約日(充電を行う日)801、充電施設の滞在時間802(または、施設の出発時刻803)が入力されると、全体制御部401は予約指示を受け付けたと判定する。なお、予約日(充電を行う日)801が入力されない場合、全体制御部401は、当日の予約と見なす事にしてもよい。
【0064】
次に、予約情報生成部403は、予約情報を生成する(ステップS002)。具体的には、予約情報生成部403は、充電設備への到着予定時刻や、満充電にするための充電量を算出する。ここで、予約情報生成部403は、充電設備への到着予定時刻を経路情報から取得する。また、予約情報生成部403は、到着時の充電残量から満充電にするために必要な充電量を算出する。そして、予約情報生成部403は、到着予定時刻、充電量、充電予約日801および滞在時間802を含む予約情報を生成し、無線通信装置26を介して、サーバ200に送信する(ステップS003)。
【0065】
次に、充電器300で実行される予約受付処理について説明する。充電器300は、サーバ200を介して取得した予約情報を用いて予約受付処理を行う。
図10は、予約受付処理の流れを示すフロー図である。かかる処理は、充電器300が予約情報を取得すると開始される。
【0066】
予約部502は、取得した予約情報を用いてスケジューリング(ステップS011)を行う。ここで、
図11は、スケジューリング処理の詳細を示すフロー図である。スケジューリング処理が開始されると、予約部502は、予約の優先順位(例えば、優先順位1、2、3…n)を設定する(ステップS021)。具体的には、予約部502は、予約情報を早く受け付けた順に優先順位を高く設定する。例えば、同日の予約日(充電を行う日)に対する複数の予約情報を取得した場合、予約部502は、先に予約情報を取得した予約の優先順位を高く設定する。
【0067】
次に、予約部502は、充電施設の滞在時間内に満充電が可能であるか否かを判定する(ステップS022)。具体的には、予約部502は、予約情報に含まれる満充電までの充電量から充電時間を算出し、滞在時間内に他の予約が入っていない時間帯に満充電となる充電時間を確保できるか否かを判定する。そして、満充電の充電時間を確保できる場合、(ステップS022でYes)、予約部502は、処理をステップS023に移行する。一方で、満充電ができないと判定した場合(ステップS022でNo)、予約部502は、処理をステップS025に移行する。
【0068】
ステップS023では、予約部502は、滞在時間内で他の予約が入っていない時間帯に満充電を行うための充電時間を割り当てたスケジュールを作成し、かかる予約を確定させる(ステップS024)。なお、予約部502は、作成したスケジュールを記憶装置307に出力する。
【0069】
一方、ステップS025では、予約部502は、取得した予約情報に承諾情報が付加されているか否かを判定する。なお、承諾情報とは、滞在時間内で満充電を行うための充電時間を確保できない場合、充電器300から提示された充電量の充電を行うことにユーザが承諾した際予約情報に付加される情報である。承諾情報の詳細は後述する。
【0070】
予約情報に承諾情報が付加されている場合(ステップS025でYes)、予約部502は、処理をステップS023に移行しスケジュールを作成する。一方で、承諾情報が付加されていない場合(ステップS025でNo)、予約部502は、滞在時間内に充電可能な充電量を算出する(ステップS026)。具体的には、予約部502は、滞在時間内に確保できる充電時間から充電可能な充電量を算出する。
【0071】
図10のフロー図に戻って説明を続ける。スケジューリング処理を終えると、予約部502は、予約確認情報を生成する(ステップS012)。具体的には、予約確定の有無、予約時間、充電量などを通知するための予約確認情報を生成し、ナビゲーション装置100に送信する(ステップS013)。
【0072】
次に、ナビゲーション装置100で実行される予約確認処理について説明する。
図12は、予約確認処理を示すフロー図である。かかる処理は、ナビゲーション装置100が予約確認情報を受信すると開始される。
【0073】
予約確認処理が開始されると、全体制御部401は、予約が確定したか否かを判定する(ステップS031)。具体的には、全体制御部401は、予約確認情報から予約が確定したか否かを判定する。そして、予約が確定している場合(ステップS031でYes)、全体制御部401は、予約確認処理を終了する。一方で、予約が確定していない場合(ステップS031でNo)、全体制御部401は、予約確認情報をディスプレイ10に表示させる(ステップS032)。
【0074】
図20は、予約確認情報が表示された画面例810である。図示するように、予約確認情報には、予約が確定していない旨811と、滞在時間内で可能な充電量などの情報812と、かかる内容の予約を行うための指示ボタン813と、新たな予約条件を入力する画面に移行するためのボタン814と、が表示される。
【0075】
ここで、全体制御部401は、表示した予約確認情報の内容で予約指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS033)。具体的には、全体制御部401は、ボタン813が押された場合、かかる予約指示を受け付けたと判定し(ステップS033でYes)、処理をステップS034に移行する。一方で、ボタン814が押された場合、全体制御部401は、予約確認情報の内容に従った予約指示を受け付けなかったと判定し(ステップS033でNo)、予約情報生成処理に移行し(ステップS035)、本フローを終了させる。
【0076】
ステップS034では、予約情報生成部403は、予約確認情報で通知された条件に従った内容の予約情報を生成し、充電器300に送信する(ステップS036)。このとき、予約情報生成部403は、生成した予約情報に承諾情報を付加する。すなわち、承諾情報は、施設滞在時間内に満充電ができない場合でも、提示された充電量の充電を行うことをユーザが承諾した場合に付加される情報である。これにより、充電器300の予約部502は、施設滞在時間内に満充電ができない場合でも、予約確認情報で通知した充電量の充電を行うためのスケジュールを作成し(
図11、ステップS023)、かかる予約を確定させる(ステップS024)。
【0077】
以上、予約処理の予約情報生成処理と、予約受付処理と、予約確認処理について説明した。
【0078】
次に、充電処理について説明する。充電処理では、始めに到着通知処理が行われる。到着通知処理は、ナビゲーション装置100のケーブル接続端子に充電器300の電源ケーブルαが接続されるとナビゲーション装置100で実行される。具体的には、全体制御部401は、車両の固有IDの取得要求信号を車両のマイコンに出力する。マイコンは、取得要求信号を受け付けると、車両に内蔵されるROMから車両固有IDを読み出し、これをナビゲーション装置100に出力する。全体制御部401は、充電設備に到達したことを通知するための所定信号に車両固有IDを付加した到着通知信号を生成し、通信線を介して、充電器300に出力する。
【0079】
到着通知信号を取得すると、充電器300の予約部502は、再スケジューリング処理を実行する。
図13は、再スケジューリング処理を示したフロー図である。なお、予約部502は、サーバ200を介してナビゲーション装置100から更新情報を取得した場合、すなわち、車両の到着時刻や到着時の満充電までの充電量が変化した場合にも再スケジューリング処理を実行する。
【0080】
予約部502は、到着通知信号に含まれる車両固有IDから、予約済みのスケジュールを記憶装置307から抽出し、予約の優先順位を特定する(ステップS041)。次に、予約部502は、他の予約車両が充電中であるか否かを判定する(ステップS042)。具体的には、予約部502は、充電制御部501を介して、他の予約車両に給電を行っているか否かを判定する。そして、他の予約車両が充電中でない場合(ステップS042でNo)、予約部502は、現在のスケジュールを、到着した予約車両の充電を前倒しして行うスケジュールに変更する(ステップS043)。
【0081】
一方で、他の予約車両が充電中の場合(ステップS042でYes)、予約部502は、優先順位の高い予約車両が、予約した充電時間を確保できるスケジュールに組み替え可能であるか否かを判定する(ステップS044)。すなわち、予約部502は、予約車両の予約時の充電時間を確保することを最優先し、そのようなスケジュールに組み替えた場合に、優先順位の低い予約車両の充電時間を予約が入っていない空き時間に割り当てられるか否かを判定する。
【0082】
そして、スケジュールの組み替えが可能である場合(ステップS044でYes)、予約部502は、スケジュールを組み替えて(ステップS045)、再スケジューリング処理を終了する。
【0083】
一方で、そのようなスケジュールの組み替えができない場合(ステップS044でNo)、予約部502は、予約した充電時間を確保できない旨のメッセージ(例えば、「到着が遅れたため、予約した充電時間を確保できません」など)を生成し(ステップS046)する。そして、予約部502は、生成したメッセージ情報をナビゲーション装置100に送信し(ステップS047)、再スケジューリング処理を終了する。例えば、予約車両の到着が到着予定時刻よりも大幅に遅れ、滞在時間中充電を行ったとしても、予約した充電時間を確保できない場合などが該当する。なお、メッセージ情報を取得したナビゲーション装置100の全体制御部401は、ディスプレイ10に所定のメッセージを表示させる。
【0084】
また、予約部502は、ナビゲーション装置100から更新情報を受信した場合にも再スケジューリング処理を行う。具体的には、予約部502は、受信した更新情報の車両固有IDを用いて、該車両の予約時間および予約済みの充電時間を特定する。
【0085】
そして、更新情報が到着予定時刻の変更を示すものである場合、予約部502は、予約車両の到着予定時刻を変更する。
【0086】
また、更新情報が充電量の変更を示すものである場合、予約部502は、更新情報の充電量を用いて新たな充電時間を算出する。そして、予約部502は、算出した充電時間を確保することができるように再スケジューリング処理を行う。すなわち、更新情報により算出した充電時間が予約済みの充電時間よりも増加した場合、予約部502は、かかる充電時間が確保できるようにスケジュールを組み替える。また、更新情報により算出した充電時間が予約済みの充電時間よりも減少した場合、該車両の予約よりも後の予約車両の充電開始時間を早めたスケジュールに変更する。
【0087】
ここで、再スケジューリング処理について具体的に説明する。
図14は、予約表700およびスケジュール710を示す図である。予約表700は、車両A〜Cから受信した予約情報の所定項目をまとめたものである。このような予約表700は、充電器300の予約部502が予約情報を取得した際に作成し、記憶装置307に格納されている。図示するように、予約表700には、予約識別ID701と、予約受付時刻702と、到着予定時刻703と、完了時刻704と、充電時間705と、優先順位706と、が格納されている。なお、予約識別IDには、予約車両を示す車両の固有IDが格納されている。予約受付時刻702は、各車両のナビゲーション装置100から予約情報を受信した時刻を示す。また、到着予定時刻703は、ナビゲーション装置100が算出した充電施設への到着予定時刻を示す。また、完了時刻704は、到着時刻と施設滞在時間とから算出した時刻すなわち車両が施設を出発する時刻を示す。
【0088】
また、ステップS023で作成されたスケジュール710には、予約識別ID711と、予約受付時刻712と、充電時間713と、が格納されている。充電器300の予約部502は、このような項目を有するスケジュール710に基づいて、予約車両が到着するたび(および更新情報を取得するたび)に再スケジュール処理を実行する。
【0089】
まず、予約車両Cが予定時刻よりも早く到着(12:30に到着)すると、予約部502は、予約表700およびスケジュール710を記憶装置307から抽出し、優先順位を特定する(ステップS041)。次に、予約部502は、予約車両C以外の予約車両が充電中であるか否かを判定する(ステップS042)。なお、予約車両A、Bは未到着であるため(ステップS042でNo)、予約部502は、予約車両Cのスケジュールを前倒ししたスケジュールを作成する(ステップS043)。
【0090】
図15は、予約車両Cの到着時における再スケジュール720を示す図である。図示するように、予約部502は、当初13:00〜14:00に設定していた予約受付時間712を12:30〜13:30に前倒しした再スケジュールを作成する。そして、充電制御部501は、再スケジュール720に従って予約車両Cへの充電を実行する。
【0091】
また、予約車両Bが予定時刻よりも早く到着(13:15分に到着)すると、予約部502は、予約表700およびスケジュール720を記憶装置307から抽出し、優先順位を特定する(ステップS041)。次に、予約部502は、予約車両B以外の車両が充電中であるか否かを判定する(ステップS042)。
【0092】
ここで、予約車両Bの到着時には、予約車両Cが充電中であるため、予約部502は、ステップS044の処理を実行する。具体的には、予約部502は、到着済みの予約車両B、Cのうち、優先順位のより高い予約車両Bが、予約した充電時間を確保できるスケジュールに組み替え可能か否かを判定する。
【0093】
判定にあたり、予約部502は、スケジュールの組み替えを行う。例えば、予約車両Cの充電完了後である13:30〜15:15まで予約車両Bの充電を行えば、優先順位の高い予約車両Bの予約時の充電時間を確保でき、且つ、予約車両Cについても予約時の充電時間を確保できる。したがって、予約部502は、スケジュールの組み替えが可能であると判定し(ステップS044でYes)、
図16の再スケジュール730を作成する(ステップS045)。そして、充電制御部501は、かかるスケジュールに従って予約車両Bへの充電を実行する。
【0094】
また、予約車両Aが予定時刻よりも遅く到着(14:45分に到着)すると、予約部502は、予約表700およびスケジュール730を記憶装置から抽出し、優先順位を特定する(ステップS041)。次に、予約部502は、予約車両A以外の車両が充電中であるか否かを判定する(ステップS042)。
【0095】
ここで、予約車両Aの到着時には、予約車両Bが充電中であるため、予約部502は、ステップS044の処理を実行する。具体的には、予約部502は、到着済みの予約車両、A、Bのうち、優先順位のより高い予約車両Aが、予約した充電時間を確保できるスケジュールに組み替え可能か否かを判定する。
【0096】
判定にあたり、予約部502は、スケジュールの組み替えを行う。例えば、予約車両Bの充電完了後である15:15以降では、予約車両Aの充電時間を確保できない。一方で、14:45〜15:30に予約車両Aの充電を行った後に、15:30〜16:00まで予約車両Bの充電を行えば、優先順位のより高い予約車両Aの充電時間と予約車両Bの充電時間とが確保できる。したがって、予約部502は、このようなスケジュールの組み替えが可能であると判定し(ステップS044でYes)、
図17に示すスケジュール740を作成する(ステップS045)。そして、充電制御部501は、かかるスケジュールに従って予約車両A、Bへの充電を実行する。
【0097】
次に、予約部502は、充電時間や充電量などを通知する充電スケジュールを生成し、これをナビゲーション装置100に出力する。なお、予約時の充電時間を確保できない場合、予約部502は、生成した所定のメッセージを含む充電スケジュールをナビゲーション装置100に出力する。
【0098】
以上のような予約システムによれば、充電に関するより分かり易い情報を提供することができる。特に、他に充電中の車両がない場合、予約の優先順位に関わらず充電が行われるため、効率良い充電を図ることができる。一方で、到着が遅れた場合でも、優先順位に従った充電スケジュールが作成されるため、不公平感のない充電を行うことができる。
【0099】
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではない。本発明の第二実施形態では、複数の経由地で充電予約を行っている場合、かかる予約の優先順位を下げる処理を行う。複数の経由地に充電の予約を行っている場合、一箇所の充電器300で多くの充電時間を確保しなくても、他の経由地で充電が可能である場合がある。したがって、第二実施形態に係る予約システムでは、このような予約の優先順位を下げることにより他の予約車両の充電効率を向上させることができる。
【0100】
例えば、全体制御部401は、
図21に示す入力画面820を表示して充電予約を受け付ける。また、予約情報生成部403は、複数の予約が入力されていることを示す情報を予約情報に付加して充電器300に送信する。
【0101】
このような予約情報を取得した充電器300は、
図18に示すスケジューリング処理を実行する。図示するように、予約情報を取得した予約部502は、かかる予約の優先順位を設定し(ステップS051)、他の経由地で充電予約がされているか否かを判定する(ステップS052)。具体的には、予約部502は、予約情報に複数の予約が入力されていることを示す情報が付加されているか否かを判定する。そして、かかる情報が付加されている場合(ステップS052でYes)、予約部502は、設定した優先順位を他の予約の優先順位よりも低く設定し(ステップS053)、処理をステップS054に移行する。なお、ステップS054〜ステップS058の処理は、
図11のステップS023〜ステップS026と同様であるため、説明を省略する。
【0102】
以上のような予約システムによれば、充電に関するより分かり易い情報を提供することができる。特に、複数の経由地に充電の予約を行っている場合、一箇所の充電器で多くの充電時間を確保しなくても、他の経由地で充電が可能である場合がある。したがって、第二実施形態に係る予約システムでは、このような予約の優先順位を下げることにより他の予約車両の充電効率を向上させることができる。
【0103】
また、前述の実施形態では、充電器300がスケジュール処理や再スケジュール処理を行ったが、本発明はこのような実施形態に限られるものではない。例えば、前述の実施形態の変形例では、通信センタ内のサーバ200がスケジューリング処理および再スケジューリング処理を行う。なお、サーバ200は、充電器300から予約車両の到着時刻を通知する到着通知を受信すると、再スケジューリング処理を行う。また、充電器300は、サーバ200が作成したスケジュールに従って充電を行う。
【0104】
このような変形例に係る発明によっても、充電に関するより分かり易い情報を提供することができる。