特許第5986772号(P5986772)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5986772
(24)【登録日】2016年8月12日
(45)【発行日】2016年9月6日
(54)【発明の名称】インターホン
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/04 20060101AFI20160823BHJP
   H04M 1/02 20060101ALI20160823BHJP
【FI】
   H04M1/04 Z
   H04M1/02 G
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2012-77584(P2012-77584)
(22)【出願日】2012年3月29日
(65)【公開番号】特開2013-207741(P2013-207741A)
(43)【公開日】2013年10月7日
【審査請求日】2014年9月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000100908
【氏名又は名称】アイホン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136630
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 祐啓
(72)【発明者】
【氏名】野口 泰三
【審査官】 松平 英
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−208241(JP,A)
【文献】 特開2009−153073(JP,A)
【文献】 特開2010−233189(JP,A)
【文献】 実開平04−112545(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3034409(JP,U)
【文献】 特開2006−087061(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/38−1/58
H04M 1/00−1/82
9/00−9/10
99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターホン本体とハンドセットを備え、前記インターホン本体が水平面上に水平に設置される第1使用形態と、前記インターホン本体が前記水平面に対して斜めに設置される第2使用形態とを選択可能なインターホンであって、
インターホン本体のハンドセット装着部に、フックスイッチ、第1支承部、第2支承部を設け、第1支承部がハンドセットの送話部を支承し、第2支承部が前記ハンドセットの受話部を支承した状態で、前記フックスイッチがOFFするインターホンにおいて、
前記ハンドセット装着部に前記送話部と係合する第1突起と、前記受話部と係合する第2突起とを設け、前記水平面からの前記第1および第2突起の高さを、前記第1使用形態で前記第1突起の先端が前記第2突起の先端よりも高く、前記第2使用形態で前記第2突起の先端が前記第1突起の先端よりも高くなるような関係に設定し、前記第2使用形態において、前記ハンドセットが重力により前記第1突起と前記送話部との係合を解除する方向へ滑り動くように構成したことを特徴とするインターホン。
【請求項2】
前記ハンドセットの受話部に耳当て凹部を形成し、前記第2突起の幅を前記耳当て凹部の差渡し寸法よりも短く設定し、前記第1突起と前記送話部との係合が解除されたときに、前記第2突起が前記耳当て凹部に嵌入する請求項1記載のインターホン。
【請求項3】
前記第2突起が、基端よりも先端側の厚さが薄くなる先鋭状に形成されている請求項1又は2記載のインターホン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターホン本体に設けられたフックスイッチをハンドセットによってON/OFFするインターホンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図5に示すようなインターホンが知られている。このインターホン50は、インターホン本体51の片側にハンドセット装着部52を備えている。ハンドセット装着部52には、ハンドセット53の送話部54を支承する第1支承部55と、ハンドセット53の受話部56を支承する第2支承部57とが形成されている。
【0003】
第1支承部55には送話部56を案内する突起58が形成され、第2支承部57にフックスイッチ59が設けられている。そして、ハンドセット53を装着部52から持ち上げたときに、フックスイッチ59がONし、送話部54と受話部56を第1および第2支承部55,57にセットした状態で、フックスイッチ59がOFFするようになっている。
【0004】
なお、特許文献1には、ハンドセットの受話部と送話部に設けた凹部にインターホン本体側の2つの突起を嵌合し、ハンドセットのがたつきおよび傾きを防止する技術が記載されている。特許文献2には、フックスイッチのON/OFFストロークを小さくすることによって、インターホン本体を薄く形成できる技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−158759号公報
【特許文献2】特開2003−069683号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、従来のインターホン50によると、図6に示すように、インターホン本体52を水平面上に斜めに設置して使用するときに、第2支承部57が突起58とほぼ同じ高さ(H)となる。このため、通話後に使用者がハンドセット53を正規位置にセットせず、送話部54を突起58の上に載せると、質量バランスが均衡してハンドセット53が水平に保持され、受話部56が第2支承部57に正しく支承されず、フックスイッチ59がONしたままの状態に放置されるという問題点があった。
【0007】
本発明は上記問題点に着目してなされたものであり、その目的は、通話後に使用者がハンドセットを正しくセットしなかった場合でも、フックスイッチを確実にOFFできるインターホンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、インターホン本体のハンドセット装着部に、フックスイッチ、第1支承部、第2支承部を設け、第1支承部がハンドセットの送話部を支承し、第2支承部がハンドセットの受話部を支承した状態で、フックスイッチがOFFするインターホンにおいて、次のような特徴的手段を提供する。
【0009】
(1)ハンドセット装着部に送話部と係合する第1突起と、受話部と係合する第2突起とを設け、第1および第2突起の高さを、ハンドセットが重力により第1突起と送話部との係合を解除する方向へ滑り動くような関係に設定したことを特徴とするインターホン。具体的には、第1および第2突起の高さが、インターホン本体を水平面上に斜めに設置した状態で、第2突起の先端が第1突起の先端よりも高くなるような関係に設定される。
【0010】
(2)ハンドセットの受話部に耳当て凹部を形成し、第2突起の幅を耳当て凹部の差渡し寸法よりも短く設定し、第1突起と送話部との係合が解除されたときに、第2突起が耳当て凹部に嵌入することを特徴とするインターホン。
【0011】
(3)第2突起が、基端よりも先端側の厚さが薄くなる先鋭状に形成されていることを特徴とするインターホン。
【発明の効果】
【0012】
本発明のインターホンによれば、通話後に使用者がハンドセットの送話部を第1突起の上に載せた場合に、第1突起と第2突起の高さ関係で決まる重力の作用により、ハンドセットが送話部と第1突起との係合を解除する方向へ滑り動く。このため、送話部が第1支承部に、受話部が第2支承部にそれぞれ正しく支承され、これによってフックスイッチを確実にOFFできるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態を示すインターホンの斜視図である。
図2】ハンドセットが水平となるインターホンの使用形態を示す立面図である。
図3】ハンドセットの受話部と第2支承部を拡大して示す斜視図である。
図4】インターホンを水平面上に斜めに設置した使用形態を示す立面図である。
図5】従来のインターホンを部分的に示す斜視図である。
図6】従来のインターホンの問題点を示す立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1図2に示すインターホン1は、従来と同様に、インターホン本体11のハンドセット装着部12に第1支承部15、第2支承部17およびフックスイッチ19を備え、第1支承部15がハンドセット13の送話部14を支承し、第2支承部17がハンドセット13の受話部16を支承した状態で、その受話部16によってフックスイッチ19をOFFするように構成されている。
【0015】
第1支承部15には、送話部14を滑らせる傾斜面15aと、送話部14を傾斜面15aに案内するための第1突起18とが形成されている。第2支承部17には、受話部16の顎部16a(図2参照)に当接する当接面17aと、受話部16の耳当て凹部16bに嵌入する第2突起20とが形成され、第2突起20と当接面16aとにより受話部16がフックスイッチ19をOFFする位置に保持される。
【0016】
第1突起18および第2突起20の高さは、図4に示すように、インターホン本体12を水平面上に斜めに設置した状態で、第2突起20の先端が第1突起18の先端よりも高くなるような関係(H2>H1)に設定されている。そして、送話部14が第1突起18の上に載置されたときに、ハンドセット13が重力により第1突起18と送話部14との係合を解除する方向(図4aの矢印方向)へ滑り動くようになっている。
【0017】
図3に示すように、耳当て凹部16bは受話部16に円形に形成され、第2突起20の幅(W)が耳当て凹部16bの差渡し寸法(直径寸法:D)よりも短く設定されている。これにより、第1突起18と送話部14との係合が解除されたときに、第2突起20が耳当て凹部16aにスムーズに嵌入する。また、第2突起20は、受話部16との接触面積が小さくなるように、基端よりも先端側の厚さが薄くなる先鋭状に形成されている。
【0018】
上記構成のインターホン1は、ハンドセット13が水平となる形態(図2参照)と、ハンドセット13が斜めとなる形態(図4参照)とのどちらでも使用できる。斜めの使用形態では、第2突起20が第1突起18よりも高くなるので、図4(a)に示すように、使用者がハンドセット13を正規位置にセットせず、送話部14を第1突起18の上に載せた場合に、質量バランスが不均衡となってハンドセット13が重力により矢印方向へ滑り動く。
【0019】
このため、図4(b)に示すように、送話部14と第1突起18との係合を自動的に解除し、送話部14と受話部16を第1および第2支承部15,17に正しく支承し、受話部16でフックスイッチ19を確実にOFFできる。また、第2突起20が尖鋭に形成され、その幅が耳当て凹部16aの直径よりも短く設定されているので、第2突起20と受話部16との間の摩擦抵抗を小さくし、送話部14を第1突起18から第1支承部15にスムーズに滑り落とし、第2突起20を耳当て凹部16bに確実に嵌入することができる。
【0020】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、フックスイッチ19に非接触式スイッチを用いたり、フックスイッチ19の位置を変更したりするなど、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、各部の形状や構成を適宜に変更して実施することも可能である。
【符号の説明】
【0021】
1 インターホン
11 インターホン本体
12 ハンドセット装着部
13 ハンドセット
14 送話部
15 第1支承部
16 受話部
16b 耳当て凹部
17 第2支承部
18 第1突起
19 フックスイッチ
20 第2突起
図1
図2
図3
図4
図5
図6