(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2外郭部材及び前記第2誘導加熱コイルは、前記小径部及び前記雄螺子部と対向して設けられ、前記雄螺子部と対向する部位に、前記第2誘導加熱コイルで発生する磁束を遮蔽する遮蔽部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の加熱装置。
前記第2外郭部材及び前記第2誘導加熱コイルは、前記小径部及び前記雄螺子部と対向して設けられ、前記雄螺子部と対向する部位に、前記第2誘導加熱コイルで発生する磁束を遮蔽する遮蔽部が形成されていることを特徴とする請求項4に記載の缶体の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態に係る加熱装置1の構成、及び、缶体100の製造方法について、
図1乃至
図7を用いて説明する。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態に係る加熱装置1の構成を模式的に示す上面図、
図2は加熱装置1の構成を模式的に示す側面図、
図3は加熱装置1の要部構成、具体的には、
図1及び
図2中III−III断面の構成を示す断面図、
図4は加熱装置1の要部構成、具体的には、
図1及び
図2中、IV−IV断面を示す断面図、
図5は加熱装置1により製造される缶体100の構成を示す側面図、
図6は缶体100の容器体101の構成を示す側面図、
図7は缶体100の製造方法の一を示す流れ図である。
【0018】
加熱装置1は、加熱対象物である缶体100の一部を加熱する熱処理が可能に形成されている。
ここで、
図5及び
図6に示すように、加熱装置1の加熱対象物である缶体100は、容器体101と、容器体101の一端を閉塞する蓋体102と、容器体101の他端を閉塞する底体103と、を備えている。なお、加熱装置1で加熱される缶体100として、例えば、蓋体102及び底体103が設けられていない容器体101の一部が加熱される。
【0019】
容器体101は、所謂スチール缶と呼ばれ、両面に樹脂製フィルムが接着剤を介して積層された表面処理鋼板等の金属材料により形成されている。容器体101は、その一方の端部が縮径された、異なる外径を有する円筒状に形成されている。具体的には、容器体101は、胴部111と、縮径部112と、フランジカール部113と、フランジ部114と、を備えている。また、容器体101の外面側の樹脂製フィルムの内面側(樹脂製フィルムと接着剤との間)には、デザインや色彩が印刷により施されている。
【0020】
胴部111は、その一端側に縮径部112及びフランジカール部113が形成され、他端側にフランジ部114が一体に設けられている。
【0021】
縮径部112は、その外面に外力が印加されることで容器体101の素材を胴部111よりも縮径成形により形成された成形部位である。縮径部112は、例えば、胴部111と連続するとともに、胴部111から漸次小径に形成される肩部121と、肩部121と連続し、肩部121の最も小径な部位から漸次大径に形成されるとともに、胴部111よりも小径に形成された顎部122と、顎部122に隣接して設けられた雄螺子部123と、を備えている。肩部121及び顎部122は、肩部121及び顎部122間が、胴部111、顎部122及び雄螺子部123よりも小径の小径部124により連続する。
【0022】
フランジカール部113は、縮径部112の端部に設けられている。フランジカール部113は、縮径部112の端部、さらに言えば雄螺子部123の端部が、例えば四重に折りたたまれることで形成されている。フランジカール部113は、容器体101の開口部、換言すると、缶体100に収納された飲料を排出する開口部を形成する。フランジ部114は、底体103を巻締めにより固定可能に形成されている。フランジ部114は、蓋体102が固定された容器体101内に飲料を収納後、底体103により閉塞される。
【0023】
この加熱装置1で加熱される容器体101は、カール成形によりブランク状の金属板が円筒状に形成されるとともに、樹脂フィルムが接着剤により接着された缶素材を、マンドレルや成形ロール等の成形治工具で外力を印加して拡径及び縮径することで胴部111、縮径部112、フランジカール部113及びフランジ部114が成形された、所謂中間製品である。この容器体101は、縮径成形された成形部位である縮径部112が加熱装置1により加熱される。
【0024】
蓋体102は、容器体101の雄螺子部123に着脱可能に設けられ、容器体101の開口部を密閉可能に形成されている。具体的には、蓋体102は、天板131と、天板131に形成され、縮径部112を覆うスカート部132と、スカート部132の端部に設けられたタンパーエビデンスバンド133と、を備えている。
【0025】
天板131は、容器体101の開口部と対向する面にシール部を有し、当該シール部がフランジカール部113と当接することで、容器体101の開口部を密閉する。
【0026】
スカート部132は、雄螺子部123に締結可能な雌螺子部135が設けられている。タンパーエビデンスバンド133は、顎部122の外形状と略同一形状に形成されており、スカート部132に破断容易な脆弱部を介して固定されている。タンパーエビデンスバンド133は、蓋体102の天板131及びスカート部132が、容器体101から離間する方向に移動した際に、スカート部132との固定部が破断し、スカート部132と分離可能に形成されている。即ち、タンパーエビデンスバンド133は、蓋体102の最初の開封前には、スカート部132と接続されており、蓋体102を開封時にスカート部132と分離する。
【0027】
容器体101の外面に設けられる樹脂製フィルムは、その内面(接着剤と接する面)に、色彩や缶体100内に収容される飲料の意匠及び標章の情報等が印刷されることで表示されている。樹脂製フィルムは、缶体100の情報を表示する表示部を成す。
【0028】
この樹脂製フィルムは、例えば、熱可塑性樹脂フィルム層と、熱可塑性樹脂フィルム層の外面側に設けられたトップコート層と、熱可塑性樹脂フィルム層の内面側に設けられたインキ層と、を備えている。熱可塑性樹脂フィルム層は、例えば、ポリエステル樹脂フィルムにより形成されている。ポリエステル樹脂フィルムは、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンイソフタレートの共重合樹脂等により形成される。
【0029】
樹脂製フィルムを接着する接着剤は、所謂熱硬化型接着剤が用いられる。具体的には、接着剤は、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ及びポリエステルの共重合樹脂等を主剤とし、硬化剤としてメラミン樹脂、イソシアネート樹脂等の硬化剤を含む樹脂組成物の接着剤が用いられる。
【0030】
図1及び
図2に示すように、加熱装置1は、架台11と、容器体101を搬送する搬送装置12と、容器体101を回転させる回転装置13と、容器体101の一部を加熱する加熱手段14と、制御部15と、を備えている。架台11は、その上部に、搬送装置12、回転装置13、加熱手段14を配置可能に形成されている。
【0031】
搬送装置12は、容器体101を一方向に搬送可能に形成されている。搬送装置12は、例えば、容器体101をその上面に配置可能に形成された搬送帯21と、搬送帯21を一方向に駆動する駆動部22と、を備えている。駆動部22は、例えば、モータ22a、回転軸22b及び搬送帯21を駆動するプーリ等を備えている。駆動部22は、制御部15に信号線99を介して電気的に接続されている。
【0032】
回転装置13は、搬送帯21上に配置された容器体101を、容器体101(搬送帯21)の移動に伴いながら回転可能に形成されている。回転装置13は、例えば、搬送帯21の移動方向に沿って2つ設けられる。具体的には、回転装置13は、搬送帯21の一次側に設けられた第1回転装置31と、搬送帯21の二次側に設けられた第2回転装置32と、を備えている。
【0033】
第1回転装置31は、搬送帯21を挟んで設けられた、容器体101に回転方向の力を伝達する一対の伝達機構を備えている。具体的には、第1回転装置31は、一対の第1プーリ35と、一対の第1プーリ35に設けられた第1回転ベルト36と、第1プーリ35の一方を回転させる第1回転手段37と、一対の第2プーリ38と、一対のプーリ38に設けられた第2回転ベルト39と、第2プーリ38の一方を回転させる第2回転手段40と、を備えている。
【0034】
第1回転装置31は、一対の第1プーリ35、第1回転ベルト36及び第1回転手段37により、搬送帯21を挟んで一方の伝達機構を構成し、一対の第2プーリ38、第2回転ベルト39及び第2回転手段40により、他方の伝達機構を構成する。
【0035】
一対の第1プーリ35は、それらの外周部間に渡って第1回転ベルト36が配置される。一対の第1プーリ35は、配置された第1回転ベルト36の外面の一部が、搬送帯21の移動方向に沿って搬送帯21の一方の側部に位置し、搬送帯21上を移動する容器体101の胴部111と接触可能に配置される。
【0036】
第1回転ベルト36は、帯状に形成されており、容器体101と接触した際に、容器体101の接触部に一方向の力を印加可能、例えば、容器体101を第1回転ベルト36の移動方向に回転可能に形成されている。
【0037】
第1回転手段37は、第1プーリ35の一方を回転可能に形成されている。第1回転手段37は、例えば、回転モータである。第1回転手段37は、制御部15に信号線99を介して電気的に接続され、制御部15によりその回転数及び回転方向が制御される。
【0038】
一対の第2プーリ38は、搬送帯21を挟んで一対の第1プーリ35と対向して配置される。一対の第2プーリ38は、それら外周部間に渡って第2回転ベルト39が配置される。一対の第2プーリ38は、配置された第2回転ベルト39の外面の一部が、搬送帯21の移動方向に沿って搬送帯21の他方の側部側に位置し、搬送帯21上を移動する容器体101の胴部111と接触可能な高さに配置される。
【0039】
第2回転ベルト39は、帯状に形成されており、容器体101と接触した際に、容器体101の接触部に一方向の力を印加可能に形成されている。即ち、第2回転ベルト39は、第1回転ベルト36と対向して配置され、その外面と第1回転ベルト36の外面により、容器体101を保持し、且つ、その移動及び第1回転ベルト36の移動により、容器体101を搬送帯21上で回転可能に形成されている。
【0040】
第2回転手段40は、第2プーリ38の一方を回転可能に形成されている。第2回転手段40は、例えば、回転モータである。第2回転手段40は、制御部15に信号線99を介して電気的に接続され、制御部15によりその回転数及び回転方向が制御される。
【0041】
第1回転装置31は、第1プーリ35及び第2プーリ38を回転させて、第1回転ベルト36及び第2回転ベルト39を搬送帯21の移動方向に移動させる。また、第1回転装置31は、第1回転手段37及び第2回転手段40により、第1プーリ35及び第2プーリ38を、異なる回転数で回転させる。第1回転装置31は、容器体101を搬送帯21により搬送方向に移動させながら、容器体101を回転させる。
【0042】
第2回転装置32は、搬送帯21を挟んで設けられた、容器体101に回転方向の力を伝達する一対の伝達機構を備えている。具体的には、第2回転装置32は、一対の第3プーリ41と、一対の第3プーリ41に設けられた第3回転ベルト42と、第3プーリ41の一方を回転させる第3回転手段43と、一対の第4プーリ44と、一対の第4プーリ44に設けられた第4回転ベルト45と、第4プーリ44の一方を回転させる第4回転手段46と、を備えている。
【0043】
第2回転装置32は、一対の第3プーリ41、第3回転ベルト42及び第3回転手段43により、搬送帯21を挟んで一方の伝達機構を、一対の第4プーリ44、第4回転ベルト45及び第4回転手段46により、他方の伝達機構を構成する。
【0044】
一対の第3プーリ41は、それら外周部間に渡って第3回転ベルト42が配置される。一対の第3プーリ41は、配置された第3回転ベルト42の外面の一部が、搬送帯21の移動方向に沿って搬送帯21の一方の側部に位置し、搬送帯21上を移動する容器体101の胴部111と接触可能に配置される。
【0045】
第3回転ベルト42は、帯状に形成されており、容器体101と接触した際に、容器体101の接触部に一方向の力を印加可能、例えば、容器体101を第3回転ベルト42の移動方向に回転可能に形成されている。
【0046】
第3回転手段43は、第3プーリ41の一方を回転可能に形成されている。第3回転手段43は、例えば、回転モータである。第3回転手段43は、制御部15に信号線99を介して電気的に接続され、制御部15によりその回転数及び回転方向が制御される。
【0047】
一対の第4プーリ44は、搬送帯21を挟んで一対の第3プーリ41と対向して配置される。一対の第4プーリ44は、それら外周部間に渡って第4回転ベルト45が配置される。一対の第4プーリ44は、配置された第4回転ベルト45の外面の一部が、搬送帯21の移動方向に沿って搬送帯21の他方の側部側に位置し、搬送帯21上を移動する容器体101の胴部111と接触可能な高さに配置される。
【0048】
第4回転ベルト45は、帯状に形成されており、容器体101と接触した際に、容器体101の接触部に一方向の力を印加可能に形成されている。即ち、第4回転ベルト45は、第3回転ベルト42と対向して配置され、その外面と第3回転ベルト42の外面により、容器体101を保持し、且つ、その移動及び第3回転ベルト42の移動により、容器体101を搬送帯21上で回転可能に形成されている。
【0049】
第4回転手段46は、第4プーリ44の一方を回転可能に形成されている。第4回転手段46は、例えば、回転モータである。第4回転手段46は、制御部15に信号線99を介して電気的に接続され、制御部15によりその回転数及び回転方向が制御される。
【0050】
第2回転装置32は、第3プーリ41及び第4プーリ44を回転させて、第3回転ベルト42及び第4回転ベルト45を搬送帯21の移動方向に移動させる。また、第2回転装置32は、第3回転手段43及び第4回転手段46により、第3プーリ41及び第4プーリ44を、異なる回転数で回転させる。第2回転装置32は、容器体101を搬送帯21により搬送方向に移動させながら、容器体101を回転させる。
【0051】
加熱手段14は、容器体101の縮径部112を所定の温度で加熱可能に形成されている。なお、ここで、容器体101を加熱する所定の温度とは、樹脂製フィルムのガラス転移温度以上、且つ、樹脂製フィルムの溶融温度より低い温度である。
【0052】
加熱手段14は、搬送帯21に沿って設けられ、第1回転装置31で回転する容器体101の縮径部112の一部を加熱可能な第1加熱手段51と、搬送帯21に沿って設けられ、第2回転装置32で回転する容器体101の縮径部112の一部を加熱可能な第2加熱手段52と、を備えている。
【0053】
第1加熱手段51は、第1回転装置31の一対の第1プーリ35間及び一対の第2プーリ38間にそれぞれ配置される。また、第1加熱手段51は、第1プーリ35及び第2プーリ38よりも高い位置であって、容器体101の縮径部112の一部、さらに言えば、縮径部112の雄螺子部123を加熱可能に配置されている。
【0054】
具体的には、第1加熱手段51は、第1外郭部材54と、第1外郭部材54に設けられた第1誘導加熱コイル55と、を備えている。第1外郭部材54は、その内部に第1誘導加熱コイル55を配置可能に形成されている。
【0055】
第1外郭部材54は、縮径部112と対向する面が、例えば、縮径部112の雄螺子部123に向かって対向する、容器体101の軸心方向に沿った対向部54aと、当該対向部54aの上下方向の端部に設けられ、対向部54aから通過する容器体101と離間する方向に傾斜する逃げ部54bと、により構成されている。
【0056】
第1誘導加熱コイル55は、第1外郭部材54の対向部54aから逃げ部54bに渡って設けられる。第1誘導加熱コイル55は、支持体56と、支持体56に設けられたコイル体57と、を備えている。
【0057】
支持体56は、複数のコイル体57を並列に巻きつけ可能に形成されている。具体的には、支持体56は、コイル体57が巻きつけられる、搬送帯21の移動方向に沿って延設された板状の支持部56aが高さ方向に並列に2つ配置されている。コイル体57は支持部56aにそれぞれ設けられる。
【0058】
第1誘導加熱コイル55は、信号線99を介して制御部15に電気的に接続され、縮径部112の雄螺子部123を所定の温度に誘導加熱可能に形成されている。即ち、第1誘導加熱コイル55は、制御部15により電流が供給されることで磁束を発生させ、第1誘導加熱コイル55に対向する雄螺子部123に渦電流を発生させ、雄螺子部123にジュール熱を発生させて、当該雄螺子部123を加熱可能に形成されている。
【0059】
第2加熱手段52は、第2回転装置32の一対の第3プーリ41間及び一対の第4プーリ44間にそれぞれ配置される。また、第2加熱手段52は、第3プーリ41及び第4プーリ44よりも高い位置であって、容器体101の縮径部112の一部、さらに言えば、縮径部112の肩部121及び顎部122間の小径部124を加熱可能に配置されている。
【0060】
具体的には、第2加熱手段52は、第2外郭部材58と、第2外郭部材58に設けられた第2誘導加熱コイル59と、遮蔽板(遮蔽部)60と、を備えている。第2外郭部材58は、その内部に第2誘導加熱コイル59を配置可能に形成されている。
【0061】
第2外郭部材58は、縮径部112と対向する面が、例えば、縮径部112の肩部121、顎部122及び雄螺子部123の一部に向かって対向する、容器体101の軸心方向に沿った対向部58aと、当該対向部58aの上下方向の端部に設けられ、対向部58aから通過する容器体101と離間する方向に傾斜する逃げ部58bと、により構成されている。
【0062】
第2誘導加熱コイル59は、第2外郭部材58の対向部58aから逃げ部58bに渡って設けられる。第2誘導加熱コイル59は、支持体61と、支持体61に設けられたコイル体62と、を備えている。
【0063】
支持体61は、複数のコイル体62を並列に巻きつけ可能に形成されている。具体的には、支持体61は、コイル体62が巻きつけられる、搬送帯21の移動方向に沿って延設された板状の支持部61aが高さ方向に並列に2つ配置されている。コイル体62は支持部61aにそれぞれ設けられる。
【0064】
第2誘導加熱コイル59は、信号線99を介して制御部15に電気的に接続され、縮径部112の肩部121及び顎部122を、所定の温度に誘導加熱し、当該肩部121及び顎部122からの伝熱により小径部124を所定の温度に加熱可能に形成されている。即ち、第2誘導加熱コイル59は、制御部15により電流が供給されることで磁束を発生させ、第2誘導加熱コイル59に対向する縮径部112の肩部121、顎部122及び雄螺子部123の一部に渦電流を発生させ、当該渦電流の発生箇所である肩部121、顎部122及び雄螺子部123の一部にジュール熱を発生させて、当該縮径部112を加熱可能に形成されている。
【0065】
遮蔽板60は、第2外郭部材58の外部であって、縮径部112の雄螺子部123の一部と対向する位置に設けられている。遮蔽板60は、第2誘導加熱コイル59により発生する磁束を遮蔽可能に形成されている。遮蔽板60は、第2誘導加熱コイル59による、雄螺子部123の一部の加熱を防止可能に形成されている。
【0066】
制御部15は、駆動部22、第1回転手段37、第2回転手段40、第3回転手段43、第4回転手段46、第1誘導加熱コイル55及び第2誘導加熱コイル59に電気的に接続されている。制御部15は、駆動部22のモータ22aを制御することで、搬送帯21の駆動及び停止、及び、搬送帯21の搬送速度、即ち、容器体101の移動速度を制御可能に形成されている。
【0067】
制御部15は、第1回転手段37の駆動を制御することで、第1プーリ35の回転速度を制御可能に形成されている。制御部15は、第2回転手段40の駆動を制御することで、第2プーリ38の回転速度を制御可能に形成されている。即ち、制御部15は、第1回転手段37及び第2回転手段40の駆動を制御し、第1プーリ35及び第2プーリ38を異なる回転速度で回転可能に形成されている。
【0068】
なお、制御部15は、
図1の容器体101の矢印に示すように、左回転(反時計回り)に容器体101を回転させる場合には、第1プーリ35の回転速度を第2プーリ38の回転速度よりも高速に制御する。
【0069】
制御部15は、第3回転手段43の駆動を制御することで、第3プーリ41の回転速度を制御可能に形成されている。制御部15は、第4回転手段46の駆動を制御することで、第4プーリ44の回転速度を制御可能に形成されている。即ち、制御部15は、第3回転手段43及び第4回転手段46の駆動を制御し、第3プーリ41及び第4プーリ44を異なる回転速度で回転可能に形成されている。
【0070】
なお、制御部15は、
図1の容器体101の矢印に示すように、左回転(反時計回り)に容器体101を回転させるために、第3プーリ41の回転速度を第4プーリ44の回転速度よりも高速に制御する。
【0071】
制御部15は、第1誘導加熱コイル55に通電することで、第1誘導加熱コイル55により縮径部112の雄螺子部123を所定の温度で加熱可能に形成されている。また、制御部15は、第2誘導加熱コイル59に通電することで、第2誘導加熱コイル59により縮径部112の肩部121及び顎部122を所定の温度で加熱し、肩部121及び顎部122からの伝熱により小径部124を所定の温度で加熱可能に形成されている。
【0072】
即ち、制御部15は、容器体101を搬送装置12及び回転装置13で回転させながら移動させ、加熱装置14で加熱する容器体101の熱処理を制御可能に形成されている。
【0073】
また、制御部15は、記憶部71を有しており、当該記憶部71に、熱処理の情報、例えば、第1加熱手段51及び第2加熱手段52による熱処理の時間、当該処理間の容器体101の回転数、容器体101を加熱する温度(所定の温度)等の熱処理の情報が記憶されている。
【0074】
制御部15は、記憶部71に記憶された熱処理の情報から、搬送帯21の搬送速度、第1誘導加熱コイル55及び第2誘導加熱コイル59への電力の供給量、第1回転ベルト36、第2回転ベルト39、第3回転ベルト42及び第4回転ベルト45の移動速度等を算出可能、且つ、算出した情報から各構成要素を制御可能に形成されている。
【0075】
次に、このように構成された加熱装置1による容器体101の熱処理について、
図1及び
図2を用いて説明する。
先ず、制御部15は、駆動部22を駆動して搬送帯21上の容器体101を移動させる。また、制御部15は、第1回転手段37、第2回転手段40、第3回転手段43及び第4回転手段46を駆動し、第1回転ベルト36、第2回転ベルト39、第3回転ベルト42及び第4回転ベルト45を所定の移動速度で移動させる。また、制御部15は、第1誘導加熱コイル55及び第2誘導加熱コイル59に電力を供給する。
【0076】
容器体101は、例えば、加熱装置1の一次側の製造工程から搬送帯21に配置されると、第1回転ベルト36及び第2回転ベルト39により一方向に回転しながら、搬送帯21により搬送される。次に容器体101は、一対の第1加熱手段51間を回転しながら通過することで、縮径部112の雄螺子部123が所定の温度に誘導加熱される。このとき、容器体101は、制御部15により、その搬送速度及び回転速度(回転数)が制御されて、所定の温度に所定の時間だけ加熱される。
【0077】
例えば、第1加熱装置1による熱処理が行われる区間は1mであり、容器体101は、第1加熱装置1による熱処理の時間が1.32秒に設定される。また、容器体101は、当該区間を通過する際に、温度のばらつきを低減可能な回転数、例えば、約4回転で回転される。
【0078】
なお、温度のばらつきを低減させるために、容器体101の回転数は多いことが望ましい。しかし、容器体101は、第1回転ベルト36及び第2回転ベルト39から、第1回転装置31より二次側に移動する際には、搬送帯21でのみ移動することとなる。このため、当該回転数は、その回転数の上限を第1回転装置31の二次側において、容器体101が搬送帯21上で回転して傾倒することを防止可能な回転数とすることが望ましい。
【0079】
第1加熱手段51で雄螺子部123の熱処理が行われた容器体101は、次に、搬送帯21により第3回転ベルト42及び第4回転ベルト45間に移動する。容器体101は、搬送帯21、第3回転ベルト42及び第4回転ベルト45により一方向に回転しながら搬送される。次に容器体101は、一対の第2加熱手段52間を回転しながら通過することで、縮径部112の肩部121及び顎部122が誘導加熱され、肩部121及び顎部122の熱が小径部124に伝熱することで、当該小径部124が所定の温度で加熱される。このとき、容器体101は、制御部15により、その搬送速度及び回転速度が制御されて、所定の温度に所定の時間だけ加熱される。
【0080】
例えば、第2加熱手段52による熱処理が行われる区間は1.5mであり、容器体101は、第2加熱手段52による熱処理の時間が1.97秒に設定される。また、容器体101は、当該区間を通過する際に、温度のばらつきを低減可能な回転数、例えば、約6回転で回転される。
【0081】
なお、温度のばらつきを低減させるために、容器体101の回転数は多いことが望ましいが、その回転数の上限は、第2回転装置32の二次側において、容器体101が搬送帯21上で回転して傾倒することを防止可能な回転数とすることが望ましい。
【0082】
このように、第2加熱手段52で、肩部121及び顎部122の熱処理が行われることで、容器体101は、縮径部112の成形により樹脂製フィルムの層間剥離が発生していたとしても、再度樹脂製フィルムが接着される。
【0083】
次に、このように構成された加熱装置1を用いた、缶体100の製造方法を、
図7に示す流れ図を用いて説明する。
先ず、缶体100内に収容する飲料の情報等が表示された樹脂製フィルムをその両面に積層した金属板材料を切断し、容器体101を成形する矩形状のブランクを成形する(ステップST11)。なお、板材料は、複数のブランクを成形可能な形状に形成されている。
【0084】
次に、ブランクを円筒状にカール成形し(ステップST12)、円筒状のブランクの対向する両端縁を溶接する(ステップST13)。
【0085】
次に、円筒状のブランクの溶接部の外面及び内面に、コーティング剤の塗布又はテープ状樹脂製フィルムの被覆による補正を行う(ステップST14)。これにより、樹脂製フィルムが設けられた円筒状のブランク、即ち、容器体101を成形する缶素材が成形される。
【0086】
次に、当該成形された缶素材の一部、具体的には、容器体101の胴部111に当たる部位を拡径成形し、胴部111を成形する(ステップST15)。また、缶素材の縮径部112及びフランジカール部113に当たる部位に、縮径部112を成形する成形治工具による応力(ストレス)の低減のための潤滑剤を塗布する。なお、潤滑剤の塗布は、拡径成形の前であってもよい。
【0087】
次に、缶素材の、容器体101の縮径部112に当たる部位を縮径成形する(ステップST16)。なお、この縮径成形は、例えば、目標とする径まで、複数工程により縮径する。また、縮径成形は、縮径部112に当たる部位を、複数の異なる径に形成する。具体的には、肩部121及び顎部122が成形される部位、雄螺子部123が成形される部位、及び、フランジカール部113が成形される部位の3つの部位に、順次径が小径となるように縮径成形を行う。
【0088】
次に、缶素材の一部、具体的には、缶素材のフランジカール部113が成形される部位(先端部)を、複数回、例えば四重にカール成形、即ち、4重に折りたたむことでフランジカール部113を成形する(ステップST17)。
【0089】
次に、缶素材の一部に雄螺子部123、並びに、小径部124により連続する肩部121及び顎部122を順次成形し、縮径部112を成形する(ステップST18)。なお、肩部121、顎部122、雄螺子部123及び小径部124は、例えば、ロールオン成形により成形される。これらの工程により、容器体101が成形される。
【0090】
次に、成形された容器体101を加熱装置1に移動し、容器体10の成形部位である縮径部112の熱処理を行い(ステップST19)、樹脂製フィルムを軟化させて、樹脂製フィルムと接着剤との密着性を向上させて、再度樹脂製フィルムを接着させる。このとき、製造した容器体101の全てを熱処理することで、接着層及び樹脂製フィルムの層間剥離の有無に係らず、樹脂製フィルムを再度容器体101に接着させる。また、この熱処理により、縮径部112の成形のために塗布した潤滑剤は除去されることとなる。
【0091】
次に、容器体101の開口部側に、蓋体を成形するための有底円筒状の蓋素材、さらに言えば、天板131及びスカート部132のみを有する蓋素材を被せる。次に、蓋素材のスカート部132を外面からローラ成形等により成形することで、タンパーエビデンスバンド133及び雌螺子部135を成形し、蓋体102を成形する(ステップST20)。
【0092】
これらの工程により、底体103が設けられず、下端のフランジ部114が開口する容器体101に蓋体102が固定された缶体100が成形されることとなる。なお、下端のフランジ部114が開口する容器体101に蓋体102が固定された缶体100は、フランジ部114の開口部から飲料が収容され、底体103により容器体101の底部が閉塞されることで、その内部に飲料が収容された最終製品である飲料缶が成形されることとなる。
【0093】
このように構成された加熱装置1によれば、容器体101の層間剥離の発生の虞の有る部位である縮径部112のみを加熱手段14により加熱する構成であることから、加熱手段14を小型化とすることが可能となる。また、容器体101の縮径部112のみを加熱ことで、加熱時間の短縮となる。また、当該熱処理は、容器体101を直接加熱する構成であることから、熱の伝達効率が高く、熱処理時間を短縮することが可能となる。これらのことにより、加熱装置1の製造コストの低減、及び、缶体100の製造コストの低減が可能となる。
【0094】
また、加熱装置1は、加熱手段14により加熱する際に、容器体101を搬送装置12及び回転装置13により回転して搬送されることから、容器体101を均一に加熱することが可能となる。
【0095】
また、第1加熱手段51及び第2加熱手段52は、複数のコイル体57,62をそれぞれ並列に巻きつけることで形成されていることから、容器体101に発生する渦電流を複数本発生させることができるため、支持体56,61の高さ方向で加熱範囲を広く設定することが可能となる。また、並列に配置されたコイル体57,62のそれぞれの高さ方向での間隔を狭くすることによって、それぞれのコイル体57,62による加熱範囲を重複させることができ、その結果、十分な加熱温度を確保することができる。
【0096】
また、加熱手段14は、第1加熱手段51において、雄螺子部123を加熱するとともに、第2加熱手段52において、肩部121及び顎部122を加熱して小径部124を加熱する構成とすることで、部分的に過熱されることを防止可能となる。
【0097】
具体的に説明すると、容器体101は、雄螺子部123の外面が肩部121及び顎部122間の小径部124よりもその外径が大きく形成されている。また、雄螺子部123は、その幅が小径部124よりも大きく形成されている。このため、誘導加熱により縮径部112全体を加熱すると、加熱の中心が雄螺子部123となり、小径部124を所定の温度に加熱するまでに時間がかかり、結果、肩部121、顎部122及び雄螺子部123が所定の温度以上に加熱(過熱)される虞がある。所定の温度以上に加熱すると、樹脂製フィルムが溶融する虞がある。
【0098】
しかし、加熱手段14は、第1加熱手段51により雄螺子部123を加熱するとともに、第2加熱手段52により肩部121及び顎部122を加熱して、肩部121及び顎部122からの伝熱により小径部124を加熱する。また、第2加熱手段52においては、遮蔽板60により雄螺子部123を加熱しない。このため、肩部121及び顎部122の間に位置する小径部124は、雄螺子部123の熱処理とは別工程で加熱可能となることから、小径部124が加熱されるまで、雄螺子部123を加熱する必要がない。このため、縮径部112の部分的な過熱を防止することが可能となる。
【0099】
また、第2加熱手段52は、小径部124と対向する際に、肩部121及び顎部122も対向することとなる。このため、第2加熱手段52は、第1加熱手段51及び雄螺子部123間の距離よりも離れて小径部124と対向する。このような誘導加熱を行う加熱手段14は、誘導加熱コイル55,59からの距離が離間するに従い、加熱温度が低下する。
【0100】
しかし、第2加熱手段52は、第1加熱手段51よりも加熱時間を長くするとともに、肩部121及び顎部122を加熱した熱の伝熱により小径部124を加熱することで、確実に小径部124を加熱することが可能となる。
【0101】
上述したように本発明の一実施の形態に係る加熱装置1及び缶体100の製造方法によれば、容器体101の加熱が必要な部位(縮径部112)のみを、加熱手段14により加熱することで、缶体100の熱処理が可能であって、且つ、製造コストの低減が可能となる。
【0102】
なお、本発明は一実施形態に限定されるものではない。上述した例では、加熱手段14は、別体の第1加熱手段51及び第2加熱手段52を有する構成を説明したがこれに限定されない。例えば、加熱手段14は、一つのみ有する構成、換言すると、第1加熱手段51及び第2加熱手段52が連続する構成であってもよい。具体的には、加熱手段14は、例えば、縮径部112全体と対向させておき、雄螺子部123を加熱する場合には、肩部121及び顎部122と対向する遮蔽板を配置させ、小径部124(肩部121及び顎部122)を加熱する場合には第2加熱手段52と同様に、雄螺子部123と対向する遮蔽板60を設ける構成であってもよい。また、例えば、加熱部位の形状や条件に応じて複数の誘電コイルの電力供給量を可変させ、加熱対象物の加熱温度を変更させる構成であってもよい。
【0103】
また、上述した例では、加熱手段14は、誘導加熱コイル55、59を用いる構成を説明したがこれに限定されない。例えば、加熱手段14は、缶体100の加熱する部位(縮径部112)にのみ直接熱風を吹きつけて加熱する構成であってもよく、また、缶体100の加熱する部位(縮径部112)のみに近赤外線又は遠赤外線を容器体に照射して加熱する方法であってもよい。また、加熱手段14は、縮径部112に高温の物体を直接接触させて加熱する構成であってもよい。また、加熱手段14は、容器体101の加熱する部位(縮径部)オーブン等の高温環境下に曝す構成であってもよい。
【0104】
但し、使用電力(エネルギー)、加熱装置の形状及び構成、熱処理時間、製造コスト等の点から、上述した誘導加熱コイル55、59により加熱する加熱手段14を用いた加熱装置1であることが望ましい。
【0105】
さらに、上述した例では、缶体100は、容器体101を成形し、成形部位の熱処理を行った後、蓋体102を成形する構成を説明したがこれに限定されない。例えば、容器体101及び蓋体102の雄螺子部123及び雌螺子部135は、同時に縮径成形し、その後、容器体101及び蓋体102の縮径成形した成形部位を加熱装置1により熱処理する構成であってもよい。
【0106】
また、上述した例では、容器体101の胴部111は、その一端側に縮径部112が形成されているが、容器体101の一端側の内部に成形治工具を挿入して、容器体101の一端側を外方に押し広げるように拡径成形することで、雄螺子部と、雄螺子部よりも小径の小径部を備えた拡径部を形成したものであってもよい。この場合、容器体101の内面側の樹脂製フィルムに成形による応力が印加されて樹脂製フィルムの層間剥離が発生していたとしても、加熱手段14により内面側の樹脂製フィルムが再度接着される。
【0107】
即ち、加熱装置1は、外力を印加することで成形された缶体100の、当該成形により応力が印加された樹脂製フィルムを加熱可能な構成であれば、縮径成形に限定されず、拡径成形であってもよい。また、加熱装置1は、これら縮径成形及び拡径成形と同様に、外力を印加することで、過大な応力が成形部位に印加され、樹脂製フィルムに層間剥離が発生する他の成形にも適用することは可能である。この他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 樹脂製フィルムが接着剤により接着されるとともに、前記樹脂製フィルム上から成形された缶体を搬送する搬送装置と、
前記缶体の前記樹脂製フィルム上から外力が印加されることで成形された成形部位を加熱する加熱手段と、
前記加熱手段で加熱する間、前記搬送装置により搬送される前記缶体を回転させる回転装置と、
を備えることを特徴とする加熱装置。
[2] 前記加熱手段は、前記缶体の前記成形部位を誘導加熱可能に形成されていることを特徴とする[1]に記載の加熱装置。
[3] 前記缶体は、胴部と、雄螺子部と、前記雄螺子部よりも小径に形成された小径部と、を具備し、
前記加熱手段は、前記雄螺子部及び前記小径部を加熱可能に形成されていることを特徴とする[2]に記載の加熱装置。
[4] 前記加熱手段は、
前記雄螺子部と対向する第1外郭部材、及び、前記雄螺子部と対向して前記第1外郭部材内に配置された第1誘導加熱コイルを備え、前記雄螺子部を加熱する第1加熱手段と、
前記小径部と対向する第2外郭部材、及び、前記小径部と対向して前記第2外郭部材内に配置された第2誘導加熱コイルを備え、前記小径部又は前記小径部の周囲を加熱する第2加熱手段と、
を備えることを特徴とする[3]に記載の加熱装置。
[5] 前記第2外郭部材及び前記第2誘導加熱コイルは、前記小径部及び前記雄螺子部と対向して設けられ、前記雄螺子部と対向する部位に、前記第2誘導加熱コイルで発生する磁束を遮蔽する遮蔽部が形成されていることを特徴とする[4]に記載の加熱装置。
[6] 前記第1誘導加熱コイル及び前記第2誘導加熱コイルは、前記缶体の軸心方向に複数設けられたコイル体を備えることを特徴とする[5]に記載の加熱装置。
[7] 樹脂製フィルムを缶体の素材の外面又は内面に接着剤により接着し、
前記缶体の素材を前記樹脂製フィルム上から一部縮径又は拡径させて前記缶体を成形し、
前記缶体を搬送装置により一方向に搬送し、
回転装置により前記搬送装置により搬送される前記缶体を回転し、
加熱手段により、前記回転して搬送される前記缶体の前記樹脂製フィルム上から縮径又は拡径した成形部位を加熱することを特徴とする缶体の製造方法。
[8] 前記加熱手段は、前記缶体の前記成形部位を誘導加熱可能に形成されていることを特徴とする[7]に記載の缶体の製造方法。
[9] 前記缶体は、その成形前に、潤滑剤が塗布されるとともに、胴部、雄螺子部、前記雄螺子部よりも小径に形成された小径部、が前記樹脂製フィルム上から成形され、
前記加熱手段は、前記雄螺子部及び前記小径部を加熱可能に形成されていることを特徴とする[8]に記載の缶体の製造方法。
[10] 前記加熱手段は、
前記雄螺子部と対向する第1外郭部材、及び、前記雄螺子部と対向して前記第1外郭部材内に配置された第1誘導加熱コイルを備え、前記雄螺子部を加熱する第1加熱手段と、
前記小径部と対向する第2外郭部材、及び、前記小径部と対向して前記第2外郭部材内に配置された第2誘導加熱コイルを備え、前記小径部又は前記小径部の周囲を加熱する第2加熱手段と、を備え、
前記缶体は、前記第1加熱手段により前記雄螺子部を加熱後に、前記第2加熱手段により前記小径部又は前記小径部の周囲が加熱されることを特徴とする[9]に記載の缶体の製造方法。
[11] 前記第2外郭部材及び前記第2誘導加熱コイルは、前記小径部及び前記雄螺子部と対向して設けられ、前記雄螺子部と対向する部位に、前記第2誘導加熱コイルで発生する磁束を遮蔽する遮蔽部が形成されていることを特徴とする[10]に記載の缶体の製造方法。
[12] 前記第1誘導加熱コイル及び前記第2誘導加熱コイルは、前記缶体の軸心方向に複数設けられたコイル体を備えることを特徴とする[11]に記載の缶体の製造方法。