(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1切欠きよりも上方に位置する前記第1部分の側縁は、前記第1切欠きよりも下方に位置する第2部分の側縁よりも外側に位置していることを特徴とする請求項2または3に記載の連結構造。
前記衝立本体の下端部に連設されていると共に、前記衝立本体の両側にそれぞれ配置された少なくとも2つの水平部をさらに備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の連結構造。
前記一方の衝立において前記他方の衝立に最も近い前記水平部は、前記一方の衝立の前記第2部分において前記一方の衝立から前記他方の衝立の前記第2面に向かう第1対向方向に延びるように前記衝立本体の下端部に連設されており、
前記他方の衝立において前記一方の衝立に最も近い前記水平部は、前記第1対向方向とは反対の第2対向方向に延びるように前記衝立本体の下端部に連設されており、
前記他方の衝立において前記一方の衝立の前記側縁部と重なり合う前記側縁部の下方には、前記一方の衝立において前記他方の衝立に最も近い前記水平部が設けられていないことを特徴とする請求項6に記載の連結構造。
前記一方の衝立には、前記他方の衝立の前記側縁部と重なり合う前記側縁部の下端部に前記第2部分を部分的に残存させる深さを有する第2切欠きが当該下端部に形成されており、
前記他方の衝立には、前記一方の衝立の前記側縁部と重なり合う前記側縁部と前記水平部とに跨る第3切欠きが形成されており、
前記第2切欠きの鉛直方向長さは前記水平部の厚みよりも大きく、前記一方の衝立において前記第2切欠きによって前記側縁部の前記下端部に部分的に残存した前記第2部分が、前記他方の衝立の前記第3切欠き内に配置され、前記一方の衝立において前記他方の衝立の前記側縁部と重なり合う前記側縁部の下方には前記他方の衝立において前記一方の衝立に最も近い前記水平部が設けられていることを特徴とする請求項7に記載の連結構造。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のような連結構造を有する衝立同士を連結する際のスリット内への嵌め込み作業や、これらを解体する際のスリットからの取り外し作業は煩雑である。また、衝立の連結や解体を繰り返し行うことで、フックが折れ曲がってしまう恐れがある。
【0006】
そこで、本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、連結・解体が容易であり、且つ、繰り返し使用に耐えうる衝立の連結構造を提供することを目的とする。
【0007】
第1の発明に係る連結構造は、鉛直方向に延在した衝立本体を有する衝立を連結する連結構造であって、前記衝立本体は、その両側縁部に第1切欠きが形成されていると共に、前記第1切欠きを挟んで上下に並んだ第1部分と第2部分とを有しており、隣接する2つの前記衝立は、前記第1切欠き同士が係合すると共に、一方の衝立の前記第1部分が他方の衝立の前記衝立本体の第1面と対向し、前記一方の衝立の前記第2部分が前記他方の衝立の前記衝立本体の前記第1面とは反対の第2面と対向して、前記衝立本体の側縁部同士が重なり合うように連結される。
【0008】
この連結構造は、互いに隣接する2つの衝立に形成された第1切欠き同士を係合することで、衝立を連結できる。したがって、衝立同士の連結・解体が容易である。また、第1切欠き同士を係合する際や係合を解除する際に大きな力が加わることがないので、衝立の連結および解体を繰り返し行ってもり、衝立の損傷を抑制できる。
【0009】
第2の発明に係る連結構造は、第1の発明に係る連結構造において、前記衝立本体は、その両側縁部における隣接する前記衝立と重なり合う部分の上縁部に、鉛直方向に対して交差した方向に折り曲げられる折り曲げ部が形成されており、隣接する2つの前記衝立の前記折り曲げ部は、互いに重なり合った状態で折り曲げられることが好ましい。
【0010】
この連結構造では、第1切欠き同士を係合させて隣接する衝立同士を連結した状態で、折り曲げ部を折り曲げることで、衝立同士の連結を強固にできる。
【0011】
第3の発明に係る連結構造は、第2の発明に係る連結構造において、前記折り曲げ部は、上方に広がった台形形状を有していることが好ましい。
【0012】
この連結構造では、折り曲げた折り曲げ部を元に戻り難くすることができる。
【0013】
第4の発明に係る連結構造は、第2または第3の発明に係る連結構造おいて、前記第1切欠きよりも上方に位置する前記第1部分の側縁は、前記第1切欠きよりも下方に位置する第2部分の側縁よりも外側に位置していてもよい。
【0014】
この連結構造では、衝立本体の上縁部に折り曲げ部を設けるにあたって設計上の制約を少なくすることができる。また、第2部分の側縁が第1部分の側縁よりも内側に位置することで、衝立同士の係合作業が容易となる。
【0015】
第5の発明に係る連結構造は、第1〜第4の発明のいずれかに係る連結構造において、前記第1切欠きは、鉛直方向に関して前記衝立本体の中央に形成されていることが好ましい。
【0016】
この連結構造では、隣接する衝立同士を安定的に連結できる。
【0017】
第6の発明に係る連結構造は、第1〜第5の発明のいずれかに係る連結構造おいて、前記衝立本体の下端部に連設されていると共に、前記衝立本体の両側にそれぞれ配置された少なくとも2つ水平部をさらに備えている。
【0018】
この連結構造では、衝立を自立させることができる。
【0019】
第7の発明に係る連結構造は、第6の発明に係る連結構造において、前記一方の衝立において前記他方の衝立に最も近い前記水平部は、前記一方の衝立の前記第2部分において前記一方の衝立から前記他方の衝立の前記第2面に向かう第1対向方向に延びるように前記衝立本体の下端部に連設されており、前記他方の衝立において前記一方の衝立に最も近い前記水平部は、前記第1対向方向とは反対の第2対向方向に延びるように前記衝立本体の下端部に連設されており、前記他方の衝立において前記一方の衝立の前記側縁部と重なり合う前記側縁部の下方には、前記一方の衝立において前記他方の衝立に最も近い前記水平部が設けられていないことが好ましい。
【0020】
この連結構造では、隣接する2つの衝立同士で水平部が干渉するのを防ぐことができる。
【0021】
第8の発明に係る連結構造は、第7の発明に係る連結構造おいて、前記一方の衝立には、前記他方の衝立の前記側縁部と重なり合う前記側縁部の下端部に前記第2部分を部分的に残存させる深さを有する第2切欠きが当該下端部に形成されており、前記他方の衝立には、前記一方の衝立の前記側縁部と重なり合う前記側縁部と前記水平部とに跨る第3切欠きが形成されており、前記第2切欠きの鉛直方向長さは前記水平部の厚みよりも大きく、前記一方の衝立において前記第2切欠きによって前記側縁部の前記下端部に部分的に残存した前記第2部分が、前記他方の衝立の前記第3切欠き内に配置され、前記一方の衝立において前記他方の衝立の前記側縁部と重なり合う前記側縁部の下方には前記他方の衝立において前記一方の衝立に最も近い前記水平部が設けられていることが好ましい。
【0022】
この連結構造では、衝立本体における側縁部の対向部分の下端部と水平部とが干渉するのを防ぐことができる。よって、衝立の起立安定性が向上する。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の一実施形態にかかる衝立1の連結構造について、図面を参照しつつ説明する。
【0025】
本実施形態の連結構造は
図11(a)、(b)に示すように、ブース10を区画する際に複数の衝立1を連結するためのものである。本実施形態においては、一方向に並んだ2つのブース10と、一方向と直交する方向に並んだ5つのブース10との合計10個のブース10を一体に形成したブースブロック100が提供される。各ブース10は、平面視において正方形状を有しており衝立1と床板9とで構成されている。また、衝立1同士の連結部およびブース10の角部には、補強部材7が嵌め込まれている。
【0026】
<衝立1の全体構成>
まず、
図1を参照しつつ、衝立1の全体構成について説明する。
衝立1は、
図1に示すように、衝立本体3と、2つの水平部4、5とを備えている。衝立本体3は、その面が水平部4、5の面に直交するように形成されている。よって、水平部4、5が床面に当接するように衝立1を設置することで、衝立本体3は鉛直方向に延在する。2つの水平部4、5は、衝立本体3の下端部に連設されており、衝立本体3の両側(
図1においては紙面手前側と奥側)にそれぞれ配置されている。なお、以下の説明において、水平であり且つ衝立本体3の面と平行な方向を「左右方向」と称し、水平であり且つ衝立本体3の面に直交する方向を「前後方向」と称する。
【0027】
ここで、衝立1の組み立て前の状態を示す
図2をさらに参照する。
図2に示すように、組み立て前の衝立1は、略四角形状を有する一枚の段ボール板である。衝立本体3の左右方向に関する中央位置には、上下方向に延びる折り曲げ線11が形成されている。より詳細には、折り曲げ線11が形成されている位置には、上下方向に延びる切込線11aが形成されている。切込線11aは、3か所の連結部11bを除いて、衝立本体3の上端から下端まで延びている。これにより、衝立本体3は、折り曲げ線11において折り曲げることができるようになっている。
【0028】
水平部4は、
図2に示す衝立本体3の右側半分の下端部に、左右方向に延びる折り曲げ線15を介して連設されている。水平部4は、その左端の左右方向に関する位置が衝立本体3の中央位置とほぼ一致しており、衝立本体3の右方の縁近傍まで延びている。一方、水平部5は、衝立本体3の左側半分の下端部に、折り曲げ線15を介して連設されている。水平部5は、その右端の左右方向に関する位置が衝立本体3の中央位置とほぼ一致しており、衝立本体3の左方の縁近傍まで延びている。なお、各切起片6の左右両側における折り曲げ線15が形成された位置には、切込線15aがそれぞれ形成されている。これにより、折り曲げ線15において水平部4、5を折り曲げることができるようになっている。
【0029】
衝立本体3と各水平部4、5の左右方向中央部とに跨った境界部分には、切り起こすことができる切起片6が形成されている。ここで、衝立本体3と水平部4との間に形成された切起片6について、切り起し前の状態(衝立1の組み立て前の状態)で説明する。なお、衝立本体3と水平部5との間に形成された切起片6は、衝立本体3と水平部4との間に形成された切起片6と左右対称であるので、その詳細な説明は省略する。
【0030】
衝立本体3と水平部4との間に形成された切起片6は
図2に示すように、左側に膨らんだ略円弧形状を有しており衝立本体3と水平部4とに跨る切り込みと、この円弧の上端から衝立本体3の下端まで上下方向に延びる切り込みとを形成することで構成されている。すなわち切起片6は、切り起し前の状態において略逆D字形状を有していると共に、水平部4と連続している。切起片6と水平部4との境界部分には、上下方向(衝立1組み立て状態で前後方向)に延びる折り曲げ線13が形成されており、この折り曲げ線13に沿って折り曲げることで切起片6を切り起こすことができるようになっている。
【0031】
切起片6の膨らみの先端には、左右方向(衝立1組み立て状態で鉛直方向)に延びる溝61が形成されている。後で詳述するように、この溝61は、切起片6を切り起した際に衝立本体3に係止される係止部として機能する。溝61の幅は、衝立1を構成する段ボール板の板厚とほぼ同じである。また、切起片6の右上端部には、上方に延びる突出部が形成されている。この突出部により、切起片6を切り起した際に、衝立本体3に鉛直方向に延びる溝31が形成される。溝31の幅も、衝立1を構成する段ボール板の板厚とほぼ同じである。
【0032】
切起片6は
図3(a)、(b)に示すように、その全体が鉛直方向に延在し且つ衝立本体3と直交するように切り起される。このとき、衝立本体3に形成された溝31内に、切起片6の溝61の底部よりも基端側(下側)の部分が嵌め込まれる。すなわち、切起片6は、溝61を衝立本体3に係止することで衝立本体3を両側から挟持する。本実施形態では、溝31の底部と溝61の底部とが接触している。
【0033】
<衝立1の連結構造にかかる構成>
次に、衝立1の連結構造にかかる構成について説明する。衝立1は、その右側の縁部と左側の縁部とで構成が異なっており、左右方向の両縁部において隣接する衝立1とそれぞれ連結可能となっている。
【0034】
衝立本体3の左右両縁部には、切欠き32a、32bがそれぞれ形成されている。切欠き32a、32bは、衝立本体3の鉛直方向略中央に位置しており、外側に向かって開いた略V字形状を有している。より詳細には、V字形状の底は鋭角ではなく直線状になっている。
図2に示すように、衝立本体3の切欠き32a、32bよりも上方部分の側縁は、切欠き32a、32bよりも下方部分の側縁よりも距離L1だけ外側に位置している。すなわち、衝立本体3の幅(左右方向の長さ)は、切欠き32a、32bよりも上の部分が、切欠き32a、32bよりも下の部分に比べて広くなっている。なお、以下の説明において、
図2の衝立本体3の右方の縁部に形成された切欠き32aよりも上の部分を「第1部分35a」、切欠き32aよりも下の部分を「第2部分36a」と称し、衝立本体3の左方の縁部に形成された切欠き32bよりも上の部分を「第1部分35b」、切欠き32bよりも下の部分を「第2部分36b」と称する。
【0035】
隣接する2つの衝立1は、切欠き32a、32b同士を係合させて連結される。すなわち、
図4(a)、(b)に示すように、左右方向に並んだ2つの衝立を連結する場合には、左方に位置する衝立1の右側の縁部に形成された切欠き32aと、右方に位置する衝立1の左側の縁部に形成された切欠き32bとを係合させる。このとき、左方に位置する衝立1の第1部分35aが、右方に位置する衝立1の第1部分35bの前方の面と対向し、左方に位置する衝立1の第2部分36aが、右方に位置する衝立1の第2部分36bの後方の面と対向するように、衝立本体3の側縁部同士が重なり合う。以下の説明において、衝立本体3の左右の両縁部において隣接する衝立1の衝立本体3と重なり合う部分を「対向部分」と称する。
【0036】
ここで、
図4(a)、(b)に示すように、左方の衝立1においては、右方の衝立1に最も近い水平部4が、この衝立1の第2部分36aから右方の衝立1の第2部分36bの後方の面に向かう方向(第1対向方向)に延びている。つまり、水平部4は前方に折り曲げられている。また、右方の衝立1においては、左方の衝立1に最も近い水平部5が、第1対向方向と反対の第2対向方向に延びている。つまり、水平部5は後方に折り曲げられている。
【0037】
衝立本体3の左右の両縁部における対向部分の上縁部には、折り曲げ部33a、33bがそれぞれ形成されている。より詳細には、
図2に示すように、右方の折り曲げ部33aは衝立本体3の右縁に形成されており、左側の折り曲げ部33bは衝立本体3の左縁よりも少し内側に形成されている。折り曲げ部33a、33bは、上方に広がった台形形状を有しており、左右方向に延びる折り曲げ線14に沿って鉛直方向に対して交差した方向に折り曲げ可能となっている。
【0038】
図5(a)に示すように、左右方向に隣接する2つの衝立1のうち、左方に位置する衝立1の右縁部に形成された折り曲げ部33aと、右方に位置する衝立1の左縁部に形成された折り曲げ部33bとは、対向するようになっている。そして、これら2つの折り曲げ部33a、33bは、互いに重なり合った状態で折り曲げられる。
【0039】
図2に示すように、水平部4の右端は、衝立本体3の右方の第2部分36aの右縁よりも距離L2だけ左方に位置している。距離L2は、切欠き32a、32bよりも下の対向部分の幅D(
図4(b)参照)より少し大きい。すなわち、
図5(b)のように左右に並んだ2つの衝立1のうち、右方の衝立1の左方の側縁部における対向部分の下方には、左方の衝立1の水平部4は設けられていない。
【0040】
衝立本体3における右方の対向部分の下端部の角部には、切欠き37が形成されている。切欠き37は、対向部分の下端部に第2部分36aを部分的に残存させる深さを有する。切欠き37の左右方向に沿う長さL3は、距離L2よりも小さい。また、切欠き37の鉛直方向に沿う長さL4は、段ボール板の板厚よりもやや大きい。衝立本体3の左方の縁部と水平部5とには、両者に跨る切欠き38が形成されている。そして、
図5(b)のように左右方向に隣接し互いに連結され2つの衝立1は、左方の衝立1において切欠き37によって側縁部の下端部に残存した第2部分36aが、右方の衝立1の切欠き38内に配置される。また、左方の衝立1の右方の側縁部における対向部分の下方には、右方の衝立1の水平部5が配置されている。
【0041】
<床板9の構成>
次に、
図6、7をさらに参照しつつ、床板9の構成について説明する。
床板9は、略正方形状を有する段ボール板で構成されており、互いに連結された複数の衝立1によって正方形状に囲われたブース10の床に敷きつめられるものである。略正方形形状の床板9の1つの角部(
図6において左上方の角部)には、切欠き91が形成されている。切欠き91が形成されている角部の両側の縁(
図6において上方の縁および左方の縁)には、2つの切欠き92がそれぞれ形成されている。
【0042】
図7に示すように、1つのブース10には、4枚の床板9が敷きつめられる。4枚の床板9は、切欠き91が形成された角部がブース10の角となるように配置される。
図11(b)に示すように、衝立1に形成された切起片6は、床板9の切欠き92内に配置される。
【0043】
<補強部材7の構成>
続いて、
図8、9を参照しつつ、補強部材7の構成について説明する。
補強部材7は、一枚の段ボール板を折り曲げることによって形成されるものであり、
図8に示すように有底箱形状を有している。補強部材7は、正方形状を有する上壁71と、2つの側壁72と、2つの側壁74とで構成されている。合計4つの側壁72、74は、上壁71の四辺にそれぞれ連設されていると共に、上壁71と直交する直交方向(鉛直方向)に延びている。2つの側壁72は、
図8において両矢印Aで示す方向に関して互いに対向している。2つの側壁74は、
図8において両矢印Bで示す方向(両矢印Aで示す方向と直交する方向)に関して互いに対向している。各側壁72、74の幅方向(鉛直方向と直交する方向)中央部分には、その下辺から上壁71に向けて鉛直方向に延びる溝85が形成されている。
【0044】
図9に示すように、正方形状を有する上壁71の四辺は折り曲げ線81で構成されており、一対の側壁72および一対の側壁74は、この折り曲げ線81を介してそれぞれ上壁71に連設されている。一対の側壁72の両側には、組み立て状態で鉛直方向に延びる折り曲げ線82が形成されている。そして、各側壁72の両側には、折り曲げ線82を介して耳部74cがそれぞれ連設されている。本実施形態においては、耳部74cの幅(組み立て状態において鉛直方向と直交する方向に沿う長さ)は、側壁74の幅のほぼ半分である。耳部74cの幅は、側壁74の幅の半分以下であることが好ましい。
【0045】
一対の側壁74は、外壁部74a、内壁部74b、および上述の耳部74cとからそれぞれなる。外壁部74aは、上壁71の一辺に連設されている。内壁部74bは、溝85の延在方向(組み立て状態で鉛直方向)と直交する方向に延びる折り曲げ線83を介して外壁部74aに連設されている。なお、
図9において外壁部74aと内壁部74bとに跨って形成されている溝85aは、組み立てた際に溝85となる。本実施形態においては、外壁部74aと内壁部74bとの組み立て状態で鉛直方向に沿う長さは、ほぼ等しい。内壁部74bの鉛直方向の長さは、外壁部74aの長さ以下であればよい。
【0046】
側壁74は、折り曲げ線83において外壁部74aに対して内壁部74bを折り曲げ、耳部74cを外壁部74aと内壁部74bとによって挟み込むことで形成される。ここで、内壁部74bの先端には突起86が形成されており、上壁71において外壁部74aが連設されている折り曲げ線81の近傍には、貫通孔87が形成されている。折り曲げ線83において折り曲げられた内壁部74bは、突起86を貫通孔87に係止することで固定される。
【0047】
ここで、
図10をさらに参照しつつ、補強部材7の組み立て手順について説明する。
まず、
図10(a)に示すような段ボール板を用意し、折り曲げ線81に沿って上壁71に対して側壁72を90°折り曲げ起す共に、折り曲げ線82に沿って側壁72に対して耳部74cを90°内側に折り曲げる。このとき、
図10(b)に示すように、一対の側壁72の一側にそれぞれ連設された2つ耳部74cは、折り曲げ線81において側壁74を構成する外壁部74aが連設される部分の上方に位置する。そして、2つの耳部74cの間には、側壁74の溝85の一部となる溝85bが形成されている。
【0048】
次に、
図10(c)に示すように、折り曲げ線81に沿って上壁71に対して側壁74の外壁部74aを90°折り曲げ起すと共に、折り曲げ線83に沿って外壁部74aに対して内壁部74bを180°内側に折り曲げる。このとき、耳部74cが外壁部74aと内壁部74bとによって挟み込まれる。そして、外壁部74aと内壁部74bとに跨って形成された溝85aと、2つの耳部74cの間に形成された溝85bとによって、溝85が形成される。さらに、内壁部74bに形成された突起86を貫通孔87に嵌め込み、内壁部74bを固定する。これにより、
図10(d)に示すように、有底箱形状を有する補強部材7が完成する。
【0049】
<ブースブロック100の組み立て手順>
次に、ブースブロック100を組み立てる際の手順について説明する。上述のように、本実施形態のブースブロック100は、一方向(
図11(a)において両矢印Cで示す方向であり、以降、単に「C方向」と称する)に並んだ2つのブース10と、C方向に直交する方向(
図11(a)において両矢印Dで示す方向であり、以降、単に「D方向」と称する)に並んだ5つのブース10との合計10個のブース10を一体に形成したものである。
【0050】
まず、
図2に示すような段ボール板を用意し、折り曲げ線15に沿って衝立本体3に対して水平部4、5をそれぞれ90°折り曲げる。水平部4、5は互いに反対方向に折り曲げられる。また、このとき、切起片6を折り曲げ線13に沿って90°曲げ起し、切起片6の溝61を衝立本体3の溝31に嵌め込む。これにより、衝立本体3の面と水平部4、5の面とがほぼ直交する状態で衝立本体3と水平部4、5と位置関係が固定され、
図1に示すような衝立1が完成する。
【0051】
上述のような手順で54個の衝立1を組み立てる。そして、そのうちの4枚の衝立1については、
図12に示すように、上下方向に延びる折り曲げ線11に沿って90°折り曲げる。続いて、
図13に示すように、ブースブロック100の外壁の一部を形成する。まず、ブースブロック100の角部として90°に折り曲げた2枚の衝立1を用意し、これら2枚の衝立1の間に3枚の折り曲げられていないフラットな衝立1がC方向に沿って配置されるように、これら5枚の衝立1を連結する。このとき、
図4(a)、(b)に示すように、互いに隣接する衝立1は、切欠き32a、32b同士が係合されると共に折り曲げ部33a、33bが折り曲げられる。これにより、ブースブロック100の外壁のうちC方向に沿う1つの外壁が完成する。さらに、D方向に沿う1つの外壁を形成するために、9枚のフラットな衝立1と1枚の折り曲げられた衝立1とを連結する。
【0052】
次に、
図14に示すように、2つの外壁で囲われた領域内を10個のブース10に区切る間仕切りを組み立てる。すなわち、まず10枚の衝立1をD方向に沿って並べ、互いに連結する。そして、これら10枚の連結された衝立1の列の、2番目と3番目の衝立1の連結部、4番目と5番目の衝立1の連結部、6番目と7番目の衝立1の連結部、および8番目と9番目の衝立1の連結部の両側に、C方向に隣接する互いに接続された2枚の衝立1をそれぞれ配置する。
【0053】
続いて、
図11(a)に示すように、13枚の衝立1を用いて、ブースブロック100の残りの2つの外壁を完成させる。これにより、ブースブロック100の4つの外壁に囲まれた領域が、10個のブース10に区切られる。各ブース10は、平面視において一辺の長さが衝立1の2枚分の長さを有する正方形状を有している。そして、各ブース10に
図6に示すような床板9を敷く。このとき、
図7に示すように、1つのブース10内には、切欠き91が形成された角部がブース10の角となり、衝立1の切起片6が切欠き92内に配置されるように、4枚の床板9が敷き詰められる。さらに、衝立1同士の連結部の上端部、各ブース10の角部の上端部、およびブースブロック100のC方向に延びる外壁を構成する衝立1のC方向中央の上端部に、補強部材7を嵌め込み、ブースブロック100を完成する。各ブース10の出入りにおいては、各ブース10の4つの外壁の内、隣り合うブース10の外壁を兼用しない外壁を構成する衝立1同士の連結を解除して、連結を解除した衝立1を扉とし出入りすればよい。
【0054】
以上のように、本実施形態の衝立1の連結構造は、鉛直方向に延在した衝立本体3を有する衝立1を連結する連結構造である。衝立本体3は、その両側縁部に切欠き32a、32bが形成されていると共に、切欠き32a、32bを挟んで上下に並んだ第1部分35a、35bと第2部分36a、36bとを有している。そして、隣接する2つの衝立1は、切欠き32a、32b同士が係合すると共に、一方の衝立1の第1部分35aが他方の衝立1の衝立本体3の一方の面と対向し、一方の衝立1の第2部分36aが他方の衝立1の衝立本体の他方の面と対向して、衝立本体3の側縁部同士が重なり合うように連結される。したがって、互いに隣接する2つの衝立1に形成された切欠き35a、35b同士を係合することで、衝立1を連結できる。よって、衝立1同士の連結・解体が容易である。また、切欠き35a、35b同士を係合する際や係合を解除する際に大きな力が加わることがないので、衝立1の連結および解体を繰り返し行ってもり、衝立1の損傷を抑制できる。ゆえに、ブース10を構成する複数の衝立1のうちの1つを、ブース10内に出入りするためのドアとして用いた場合には、開閉がスムーズで壊れにくいドアとなる。
【0055】
さらに、本実施形態の連結構造では、衝立本体3は、その両側縁部における隣接する衝立1と重なり合う部分の上縁部に、鉛直方向に対して交差した方向に折り曲げられる折り曲げ部33a、33bが形成されている。隣接する2つの衝立1の折り曲げ部33a、33bは、互いに重なり合った状態で折り曲げられる。したがって、切欠き32a、32b同士を係合させて隣接する衝立1同士を連結した状態で、折り曲げ部33a、33bを折り曲げることで、衝立1同士の連結を強固にできる。
【0056】
また、本実施形態の連結構造では、折り曲げ部33a、33bは、上方に広がった台形形状を有している。したがって、折り曲げた折り曲げ部33a、33bを元に戻り難くすることができる。
【0057】
さらに、本実施形態の連結構造では、衝立本体3の切欠き32a、32bよりも上方部分の側縁は、切欠き32a、32bよりも下方部分の側縁よりも距離L1だけ外側に位置しており、衝立本体3の幅(左右方向の長さ)は、切欠き32a、32bよりも上の部分が、切欠き32a、32bよりも下の部分に比べて広くなっている。したがって、衝立本体3の側縁部同士が重なり合うように連結された状態で、上方部分の側縁は重なり合う面積が多くなるため、折り曲げ部33a、33bの設計上の制約が少なく、しかも、広くなっているのは32bよりも上の部分のみであるため、衝立本体3同士の係合作業が容易に行える。
【0058】
加えて、本実施形態の連結構造では、切欠き32a、32bは、鉛直方向に関して衝立本体3の中央に形成されている。したがって、隣接する衝立1同士を安定的に連結できる。
【0059】
また、本実施形態の連結構造では、衝立本体3の下端部に連設されていると共に、衝立本体3の両側にそれぞれ配置された2つの水平部4、5を備えている。したがって、衝立1を自立させることができる。
【0060】
さらに、本実施形態の連結構造では、一方の衝立1においては、隣接する他方の衝立1に最も近い水平部4が、この衝立1の第2部分36aから他方の衝立1の第2部分36bの第2部分36aとの対向面に向かう方向(第1対向方向)に延びている。また、他方の衝立1においては、一方の衝立1に最も近い水平部5が、第1対向方向と反対の第2対向方向に延びている。そして、他方の衝立1において一方の衝立1側の側縁部における対向部分の下方には、一方の衝立1の水平部4は設けられていない。したがって、隣接する2つの衝立1同士で水平部4、5が干渉するのを防ぐことができる。
【0061】
さらに、本実施形態の連結構造では、一方の衝立1には、隣接する他方の衝立1側の側縁部の対向部分の下端部に第2部分36aを部分的に残存させる深さを有する切欠き37が形成されている。また、他方の衝立1には、一方の衝立1側の側縁部の対向部分と水平部5とに跨る切欠き38が形成されている。切欠き37の鉛直方向長さは段ボール板の板厚よりも大きい。そして、一方の衝立1において切欠き37によって側縁部の下端部に残存した第2部分36aが、他方の衝立1の切欠き38内に配置される。また、一方の衝立1の他方の衝立1側の側縁部における対向部分の下方には、他方の衝立1の水平部5が配置されている。したがって、衝立本体3における側縁部の対向部分の下端部と水平部5とが干渉するのを防ぐことができる。よって、衝立1の起立安定性が向上する。
【0062】
以上、本発明の好適な一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて、様々な設計変更を行うことが可能なものである。
【0063】
例えば、上述の実施形態では、衝立本体3の両側縁部に折り曲げ部33a、33bが形成されている場合について説明したが、折り曲げ部33a、33bはなくてもよい。
【0064】
さらに、上述の実施形態では、折り曲げ部33a、33bが上方に広がった台形形状を有している場合について説明したが、折り曲げ部33a、33bの形状はこれに限定されるものではない。すなわち、折り曲げ部33a、33bは四角形状を有していてもよい。
【0065】
また、上述の実施形態では、切欠き32a、32bが鉛直方向に関して衝立本体3の中央に形成されている場合について説明したが、切欠き32a、32bの形成位置はこれに限定されるものではない。すなわち、切欠き32a、32bは、鉛直方向に関して衝立本体3の中央よりも上方に形成されていてもよいし、下方に形成されていてもよい。
【0066】
また、上述の実施形態では、切欠き32a、32bよりも上方に位置する第1部分35a、35bの側縁は、切欠き32a、32bよりも下方に位置する第2部分36a、36bの側縁よりも外側に位置している場合について説明したが、これには限定されない。すなわち、例えば、第1部分35a、35bの側縁は、第2部分36a、36bの側縁よりも内側に位置していてもよいし、第2部分36a、36bの側縁と一直線状に並んでいてもよい。
【0067】
さらに、上述の実施形態では、衝立本体3の一方側半分の下端部に連設されている水平部4は、衝立本体3の一方の側縁部における対向部分の下端部には設けられていない場合について説明したが、これには限定されな。すなわち例えば、水平部4が、一方に隣接する衝立1の第2部分36bが配置される側に配置されていない場合は、衝立本体3の一方の側縁部における対向部分の下端部に水平部4が連設されていてもよい。
【0068】
加えて、上述の実施形態では、衝立本体3の一方の側縁部における対向部分の下端部に切欠き37が形成されており、衝立本体3の他方の側縁部と水平部5とに跨る切欠き38が形成されている場合について説明したが、これら切欠き37、38はなくてもよい。